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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】血圧測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
A61B5/022 C
A61B5/022 100B
A61B5/022 ZDM
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2021516853
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 US2019034803
(87)【国際公開番号】W WO2019232300
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】62/679,418
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520470523
【氏名又は名称】カーディオ リング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン クアン-フ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユ-チ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ラン-チュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジン-ミン
(72)【発明者】
【氏名】シー ウン-ピン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0287923(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0287102(US,A1)
【文献】国際公開第2018/005298(WO,A1)
【文献】特開2001-178691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に体の部位の大きさに拡張するように構成し、前記体の部位の表面に隣接または接触するように位置するのに適した内面を有する装置本体と、
前記装置本体上または前記装置本体内に位置し、歪み装置を含む組織運動検出アセンブリと、
一体となるように形成され、周辺領域及び中央領域を含む接触部材であって、前記装置本体が組織に隣接するように位置する場合、前記中央領域は前記周辺領域を超えて突出する組織接合面を形成し、前記周辺領域及び前記中央領域は前記組織を圧縮し、前記接触部材は前記組織接合面に対向する面から延伸し前記組織運動検出アセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有することと、を備え、
前記周辺領域の歪みが前記中央領域の歪みと異なることにより、前記中央領域は前記周辺領域に比べて前記接触部材の変位をより多く伝達し、前記組織接合面が前記組織に接合すると、前記組織に対して前記血管内の血圧の変化によりラジアル方向へ組織が変位することで前記組織接合面も変位し、これにより前記接触部材の前記中央領域が前記ラジアル方向に変位し、前記歪み誘起面が前記歪み装置の歪み程度を変更して前記歪み装置の電気的特性を変化させることを特徴とする血管に隣接する組織を利用して前記体の部位の血管内の血圧を監測する装置。
【請求項2】
前記接触部材は前記組織接合面に隣接する第一層及び前記第一層から間隔を空ける第二層を有する二層構造を備え、前記第一層及び前記第二層は前記接触部材の中央領域を通過して結合することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置本体は前記接触部材を収容するキャビティを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記組織運動検出アセンブリに電気的にカップリングする電源を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記接触部材の前記周辺領域を強化するように前記接触部材を構成することで、前記周辺領域が伝達する変位が前記接触部材の前記中央領域よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記接触部材の前記周辺領域を弱化するように前記接触部材を構成することで、前記周辺領域の屈曲により前記中央領域が前記ラジアル方向に変位することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記接触部材の前記周辺領域を前記中央領域よりも柔らかくなるように前記接触部材を構成することで、前記中央領域が伝達する変位が前記周辺領域よりも大きくなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記接触部材は前記組織接合面下方に位置する少なくとも1つのキャビティを備え、少なくとも1つの前記キャビティは前記中央領域に延伸し、少なくとも1つの前記キャビティにより前記接触部材の前記中央領域に対して前記周辺領域が柔らかくなり、前記中央領域の変位の伝達能力が向上することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記歪み誘起面は少なくとも1つの凸部を備え、前記接触部材の前記中央領域の変位により少なくとも1つの前記凸部が前記歪み装置の歪み程度を変更することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記凸部は複数の凸部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記凸部に隣接する変位制限構造を更に備え、前記変位制限構造は前記歪み誘起面の動作を制限することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの前記歪み装置に隣接する変位制限構造を更に備え、前記変位制限構造は前記歪み装置の動作を制限することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記組織運動検出アセンブリは前記歪み装置に隣接する変形可能なベースを備え、前記変形可能なベースは前記歪み装置の変形を許容することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記変形可能なベースはエラストマーを含むことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記変形可能なベースに隣接するか、内側に位置するか、それを通過する少なくとも1つの凸部を更に備え、少なくとも1つの前記凸部は前記歪み装置の偏向を増大することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記接触部材は弾性変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記組織運動検出アセンブリ及び前記接触部材は一次センサーを形成し、前記装置は第二接触部材及び第二組織運動検出アセンブリを含む二次センサーを更に備え、前記二次センサーは前記装置本体の内面で前記一次センサーから距離を置けていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記歪み装置は少なくとも歪みゲージまたは導電性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記歪み装置は第一歪みゲージ及び第二歪みゲージを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記第一歪みゲージは偏向可能なベースの第一側に位置し、前記第二歪みゲージは偏向可能なベースの第二側に位置し、前記偏向可能なベースの固定端は固着構造とカップリングし、前記偏向可能なベースの自由端は前記歪み誘起面に隣接するように位置することを特徴とする請求項19に記載の血管に隣接する組織を利用して血管内の血圧を監視する装置。
【請求項21】
前記装置本体の形状は、シリンダー形状、部分的シリンダー形状、環状、楕円形状、非シリンダー形状からなるグループから選択することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記装置本体は、前記接触部材が前記体の部位の組織に少なくとも接触するように前記装置本体を前記体の部位に対して傾けるように構成するバイアス部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記バイアス部材の機構として、ばね、ガスケット、ねじ、軟質ポリマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
組織内の血管内の血圧を監視する方法であって、
装置本体を前記組織に隣接するように配置するステップであって、前記装置本体は組織運動検出アセンブリとカップリングする接触部材を含み、且つ前記接触部材は前記装置本体の内面から突出し、
前記接触部材は一体となるように形成され、周辺領域及び中央領域を含み、前記接触部材は前記本体に隣接し、前記組織の表面を接合するように位置し、前記接触部材の前記中央領域は前記接触部材の前記周辺領域に突出する組織接合面を形成し、前記装置本体は前記組織に隣接するように位置し、前記周辺領域及び前記中央領域は前記体の部位の組織を圧縮し、前記接触部材は前記組織接合面と対向する面から延伸し前記組織運動検出アセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有し、前記周辺領域の歪みが前記中央領域の歪みと異なることにより、前記接触部材の中央領域における前記体の部位内の前記組織から前記組織運動検出アセンブリに対する変位の伝わりの程度が前記接触部材の前記周辺領域よりも大きいことを特徴とするステップと、
前記組織運動検出アセンブリに対する前記接触部材の中央部分の動作によって生成すると共に、前記血管内の脈動流によって生じる前記組織の運動に対して応答するように前記組織運動検出アセンブリ内で信号を生成するステップと、
前記信号を前記信号から前記血管の血圧を計算するように構成された処理ユニットに伝送するステップと、を含むことを特徴とする組織内の血管内の血圧を監視する方法。
【請求項25】
前記信号を伝送するステップは、前記信号を無線で伝送することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記信号を前記処理ユニットに伝送するステップは、前記信号を連続的に伝送することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記信号を前記処理ユニットに伝送するステップは、前記信号を周期的かつ連続的に伝送することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記信号を記憶装置に記録することで前記記憶装置に一連の記録信号を生成することを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記装置本体は第二組織運動検出アセンブリとカップリングする第二接触部材を更に備え、前記第二接触部材は前記第一接触部材から円周方向に間隔を空け、前記方法は、前記第二組織運動検出アセンブリに対する前記第二接触部材の中央部分の動作によって生成すると共に、前記体の部位内の前記組織の運動に応答するように前記組織運動検出アセンブリ内で第二信号を生成することを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第一信号及び前記第二信号を比較し、回転インジケーター信号を生成することを更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記回転インジケーター信号をユーザーに提供し、前記組織に対して前記装置本体を回転するように前記ユーザーに通知することを更に含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第一信号及び前記第二信号を比較して装置緊結信号を生成することを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記緊結インジケーター信号をユーザーに提供し、前記組織に隣接する前記装置の緊結程度を調整するように前記ユーザーに通知することを更に含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記接触部材が前記組織に少なくとも接触するように前記組織に対して前記装置本体を傾けるように構成されたバイアス部材を使用することを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記血圧の計算を較正するためにオシロメトリック式血圧測定用カフを使用することを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項36】
装置本体と、
前記装置本体上または前記装置本体内に位置し、組織運動検出アセンブリが歪み装置を含む組織運動検出アセンブリと、
一体となるように形成され、前記装置本体の表面を超えて突出する組織接合面を有、前記装置本体が組織に隣接するように位置する場合、前記接触部材が前記組織を圧縮し、前記組織接合面と対向する面から延伸し、前記組織運動検出アセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有する接触部材と、を備え
前記接触部材は周辺領域及び中央領域を含み、前記周辺領域の歪みが前記中央領域の歪みと異なることにより、前記中央領域は前記周辺領域に比べて前記接触部材の変位をより多く達し、前記組織接合面が前記組織に接合すると、前記組織に対して前記血管内の血圧の変化によりラジアル方向へ組織が変位することで前記組織接合面も変位し、これにより前記接触部材の前記中央領域が前記ラジアル方向に変位し、前記歪み誘起面が前記歪み装置の歪み程度を変更して前記歪み装置の電気的特性を変化させることを特徴とする血管に隣接する組織を利用して血管内の血圧を監視する装置。
【請求項37】
前記装置本体は血圧カフを含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記装置本体はパルスオキシメーターを含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本国際出願は、2018年6月1日に出願された米仮出願62/679,418の非仮出願の全内容を本国際出願に参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患(CVD)は世界の死亡者のうちのかなりの割合を占めている。CVDには心臓発作及び心不全と共にCVD死亡者の大部分を占めている冠動脈疾患(CHD)を含む。更に多くの者がCVDの症状を抱えながら生きている。このようにCVDの症状を抱えている人々は急性心臓発作、脳卒中及び他の持病のリスクが高く、個人の生活品質に長期にわたって悪影響を及ぼしている。極端に言うと、CVDは患者の死亡率を高めるリスクがある。このため、各国政府、医療提供者、さらに一般市民に至るまでCVDの予防について大いなる関心を抱いている。
【0003】
スマートフォン、スマートウォッチ、フィットネスモニター等の携帯型スマート装置の隆盛により、各個人がCVDの症状を示す健康パラメータを監視可能になる便利なツールを手に入れることとなった。健康パラメータは血圧及び心拍数を含む。このような装置は健康な人にとっても健康に関するデータを監視し、CVDの兆候や進行を防ぐことができる有意義なものである。
【0004】
無侵襲血圧測定装置として血圧計及びフォトプレチスモグラフィを含み、患者の血圧の監視してあらゆる心血管疾患を予防するために、或いは医者が早期診断を行うために用いられている。しかしながら、これらの装置のほとんどは大きくて重く、屋外での使用や長期間の監視には不便であった。先行する米国特許第20180049655号及び第WO2018005298号にはウェアラブル血圧監視装置によるリアルタイムの監視及び携帯性の記載があり、各々の全内容を参照により援用する。しかしながら、携帯型無侵襲装置を使用してより正確に血圧を測定することが求められている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、動脈の運動により生じる径方向の組織の運動を小さい点に集中して前記歪み装置を圧縮する接触部材による力検出装置を含む。この集中により前記力検出装置の感度を著しく高め、前記装置の小型化を推し進める。前記接触部材により感度を高めることで、ユーザーの皮膚上の小さい領域で前記装置が圧縮され、前記組織に対して緊結する。表面領域が小さいため、使用者にとっては快適である。このように設計されている電流の前記接触部材では、他の方向への組織の運動よりも組織の径方向の運動の方がより顕著になる。これにより、摩擦や不均一な前記組織の運動からの信号のような望ましくない信号を抑制する。前記接触部材はさらに、使用者からの大きな接触力及び摩擦から前記歪み装置が損傷しないように保護する。径方向とは、監視する血管から径方向に離れていく方向を指す。
【0006】
本開示は前記血管に隣接する組織を利用して血管内の血圧を監視する装置を含む。例えば、この装置は少なくとも部分的に指の大きさに拡張するように構成され、前記指の表面に隣接または接触するように位置するのに適した内面を有する装置本体と、前記装置本体上または前記装置本体内に位置し、トランスデューサーアセンブリが歪み装置を含む組織運動検出アセンブリと、前記装置本体が組織に隣接するように位置する場合、前記装置本体の内面を超えて突出する組織接合面を有する接触部材であって、前記接触部材は前記組織を圧縮し、前記接触部材は前記トランスデューサーアセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有することと、を備えている。前記接触部材は周辺領域及び中央領域を含み、前記中央領域は前記接触部材の変位を伝達するように構成する。前記組織接合面が前記組織に接触すると、前記組織に対して前記血管内の血圧の変化によりラジアル方向へ組織が変位することで前記組織接合面も変位し、これにより前記接触部材の前記中央領域が前記ラジアル方向に変位し、前記歪み誘起面が前記歪み装置の歪み程度を変更して前記歪み装置の電気的特性を変化させる。
【0007】
他の変形例では、前記接触部材は前記組織接合面に隣接する第一層及び前記第一層から間隔を空ける第二層を有する二層構造を備え、前記第一層及び前記第二層は前記接触部材の中央領域を挟んで結合する。
【0008】
前記装置本体は選択的に前記接触部材を収容するキャビティを含む。前記装置の変形例では、前記トランスデューサーアセンブリに電気的にカップリングする1つまたは1つ以上の電源を備えている。
【0009】
前記装置の変形例では、前記接触部材の前記周辺領域を強化するように前記接触部材を構成することで、前記周辺領域が伝達する変位が前記接触部材の前記中央領域未満となる。
【0010】
前記接触部材の変形例では、前記接触部材の前記周辺領域を弱化するように前記接触部材を構成することで、前記周辺領域の屈曲により前記中央領域が前記ラジアル方向に変位する。例えば、前記接触部材の周辺領域を前記中央領域よりも柔らかくし、前記中央領域が伝達する変位が前記周辺領域よりも大きくなるようにする。さらなる変形例では、前記接触部材は前記組織接合面下方に位置する少なくとも1つのキャビティを備え、少なくとも1つの前記キャビティは概ね前記中央領域まで延伸し、少なくとも1つの前記キャビティにより前記接触部材の前記中央領域に対して前記周辺領域が柔らかくなり、前記中央領域の変位の伝達能力が向上する。
【0011】
前記装置の変形例では少なくとも1つの凸部を備える歪み誘起面を含む。前記接触部材の前記中央領域の変位により少なくとも1つの前記凸部が前記歪み装置の歪み程度を変更する。少なくとも1つの前記凸部は複数の凸部を含む。
【0012】
前記装置の変形例では、前記歪み誘起面の動作を制限する、または前記歪み装置の動作を制限する1つまたは1つ以上の変位制限構造を更に含む。
【0013】
他の変形例では、装置が前記歪み装置に隣接する変形可能なベースを備えるトランスデューサーアセンブリを含み、む、前記変形可能なベースは前記歪み装置の変形を許容する。前記変形可能なベースは弾性変形可能なエラストマーを含む。なお、前記装置の変形例では、前記変形可能なベースに隣接するか、内側に位置するか、それを突き抜ける(複数の)凸部を含み、前記凸部は前記歪み装置の偏向を増大する。
【0014】
前記装置の他の変形例では、前記トランスデューサーアセンブリ及び前記接触部材は一次センサーを形成し、前記装置は第二接触部材及び第二トランスデューサーアセンブリを含む二次センサーを更に備え、前記二次センサーは前記装置本体の内面で前記一次センサーから距離を空けている。
【0015】
ここでは、前記歪み装置は少なくとも歪みゲージまたは導電性ポリマーを含む。一変形例では、前記歪み装置は第一歪みゲージ及び第二歪みゲージを含む。例えば、前記第一歪みゲージは偏向可能なベースの第一側に位置し、前記第二歪みゲージは偏向可能なベースの第二側に位置する。前記偏向可能なベースの固定端は固着構造とカップリングし、前記偏向可能なベースの自由端は前記歪み誘起面に隣接するように位置する。
【0016】
前記装置本体の形状は、シリンダー形状、部分的シリンダー形状、環状、楕円形状、及び非シリンダー形状からなるグループから選択する。
【0017】
前記装置本体は選択的に、前記接触部材が前記指の組織に少なくとも接触するように前記装置本体を前記指に対して傾けるように構成するバイアス部材を含む。他の変形例では、前記バイアス部材の機構として、ばね、ガスケット、ねじ、軟質ポリマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択する。
【0018】
本開示は何れかの前記装置を使用して組織内の血管内の血圧を監視する方法を含む。例えば、この方法は、装置本体を前記組織に隣接するように位置させるステップであって、前記装置本体はトランスデューサーアセンブリにカップリングする接触部材を含み、且つ前記接触部材は前記装置本体の内面から突出し、前記接触部材は前記装置本体の前記内面上方に突出する組織接合面を備え、前記装置本体は前記組織に隣接するように位置し、前記接触部材は前記指の組織を圧縮し、前記接触部材は前記トランスデューサーアセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有し、前記接触部材の中央領域は前記指内の前記組織から前記トランスデューサーアセンブリに対する変位が伝わる程度が前記接触部材の周辺部分以上であることを特徴とするステップと、前記トランスデューサーアセンブリに対する前記接触部材の中央部分の動作によって生成すると共に、前記血管内の脈動流によって生じる前記組織の運動に対して応答するように前記トランスデューサーアセンブリ内で信号を生成するステップと、前記信号を処理ユニットに伝送し、前記信号から前記血管の血圧を計算するように構成するステップと、を含む。
【0019】
前記方法は無線で伝送することを含む。前記方法の変形例では、前記信号を連続的に伝送または周期的に伝送することを含む。
【0020】
前記方法は、前記信号を記憶装置に記録し、前記記憶装置に一連の記録信号を生成することを更に含む。
【0021】
前記装置の他の変形例では、前記装置本体は第二トランスデューサーアセンブリとカップリングする第二接触部材を更に備え、前記第二接触部材は前記第一接触部材から円周方向に間隔を空けている。前記方法は、前記第二トランスデューサーアセンブリに対する前記第二接触部材の中央部分の動作によって生成すると共に、前記指内の前記組織の運動に応答するように前記トランスデューサーアセンブリ内で第二信号を生成することを更に含む。
【0022】
前記方法の変形例では、前記第一信号及び前記第二信号を比較し、回転インジケーター信号を生成する。他の変形例では、前記回転インジケーター信号は前記組織に対して前記装置本体を回転させるようにユーザーに通知する。他の変形例では、前記方法は前記第一信号及び前記第二信号を比較して装置緊結信号を生成することを含む。前記方法は前記緊結インジケーター信号をユーザーに提供し、前記組織に隣接する前記装置の緊結程度を調整するように前記ユーザーに通知することを含む。
【0023】
前記方法は前記血圧の計算を較正するためにオシロメトリック式血圧測定用カフを使用することを更に含む。
【0024】
前記装置の他の変形例では、血管に隣接する組織を利用して血管内の血圧を監視する装置を含む。例えば、前記装置は、装置本体と、前記装置本体上または前記装置本体内に位置し、トランスデューサーアセンブリが歪み装置を含む組織運動検出アセンブリと、を備えている。接触部材は前記装置本体の表面を超えて突出する組織接合面を有し、前記装置本体が組織に隣接するように位置する場合、前記接触部材が前記組織を圧縮し、前記接触部材は前記トランスデューサーアセンブリに隣接する歪み誘起面を更に有する。前記接触部材は周辺領域及び中央領域を含み、前記中央領域は前記接触部材の変位を伝達するように構成する。前記組織接合面が前記組織に接触すると、前記組織に対して前記血管内の血圧の変化によりラジアル方向へ組織が変位することで前記組織接合面も変位し、これにより前記接触部材の前記中央領域が前記ラジアル方向に変位し、前記歪み誘起面が前記歪み装置の歪み程度を変更して前記歪み装置の電気的特性を変化させる。
【0025】
前記装置の変形例では、前記装置本体は血圧カフを備えている。または、前記装置本体はパルスオキシメーターを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】組織内に位置する血管内の血流によって引き起こされる組織内の運動を利用して血圧を監視するように構成する装置の一例の前面図を示す。
図1B】組織内に位置する血管内の血流によって引き起こされる組織内の運動を利用して血圧を監視するように構成する装置の一例の斜景図を示す。
図2A】血圧測定装置の更なる変形例と共に使用する組織変位アセンブリ150の更なる変形例を図示する。
図2B】血圧測定装置の更なる変形例と共に使用する組織変位アセンブリ150の更なる変形例を図示する。
図3A】運動検出装置の変形例を描写する図1A及び図1Bに示す前記装置の本体の部分図を図示する。
図3B図3Aの前記運動検出装置の線3B~3Bに沿った断面図を図示する。
図4A】本開示に係る種々の運動検出装置と共に使用する歪み装置の変形例を図示する。
図4B】本開示に係る種々の運動検出装置と共に使用する歪み装置の変形例を図示する。
図5】組織の区域に適用する運動検出装置の変形例を図示する。
図6A】歪んでいない状態にある接触部材を各々図示する。
図6B】歪んだ状態にある接触部材を各々図示する。
図7A】環状体上で間隔を空けている少なくとも第一運動検出装置及び第二運動検出装置を有する装置の他の変形例を図示する。
図7B】指に対応する前記第一運動検出装置及び前記第二運動検出装置を図示する。
図8A】運動検出装置の変形例による環状体を有する装置の他の変形例の部分図を図示する。
図8B】前記組織接触部材が周辺領域を含む組織接触面を含む図8Aの装置を図示する。
図8C図8Bの装置の側面図を図示する。
図8D図8Bの装置の断面図を図示する。
図9A】前記運動検出部材を指に対して精確に位置を合わせるように調整可能な特性を有する装置を図示する。
図9B】前記運動検出部材を指に対して精確に位置を合わせるように調整可能な特性を有する装置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここでは、組織の領域の血管内の血圧を監視するための方法及び装置について説明する。ここで説明する前記方法及び装置は、血管内の血液の脈動流によって生じる隣接する組織の変位を前記組織の表面から検出することで、手の指または身体の他の部位の血圧を監視する。また、ここで開示する前記方法及び装置は、身体の部位の組織内の運動の検出精度が向上し、前記組織の運動は組織内の血管内の血圧の変化に起因する。選択的に、ここで説明する前記装置及び方法は、ウェアラブル装置及びリアルタイムの血圧の無侵襲監視に使用することができる。
【0028】
図1A及び図1Bは、前記組織に位置する血管内の血流によって引き起こされる組織内の運動を利用して血圧を監視するように構成する装置100の一例の前面図及び斜景図を各々図示する。図1A及び図1Bに図示する例では、図示する前記装置100の変形例は、前記環状体100の内面104から突出する部分を有する組織変位測定装置150を内設する環状体102と共に構成する。この変形例は各個人の手の指に装着するのに適しており、前記指/組織の血管の脈動流によって生じる前記指内の組織の運動を検出可能である。しかしながら、本開示に係る血圧監視装置の更なる変形例は環状型の装置に限られない。前記運動検出装置150は前記指内の組織の運動を単純に監視可能であり、前記組織の運動は血圧の変化による前記血管の振動により生じる。図示するように、前記装置100はユーザーインターフェース120と通信126(有線接続、ワイヤレス接続、クラウドベース伝送等による)する。前記ユーザーインターフェース120として身体装着型装置またはコンピューター、スマートフォン、タブレット、他の電子装置を含む。前記ユーザーインターフェース120の変形例としてフィードバック部分122(視聴覚的なもの等)及び/或いは操作部124を含む。
【0029】
図1B図1Aの前記装置100の傾斜図を示す。図示するように、前記環状体102は各個人の指に対して位置する内面104を含む。前記環状体102はアセンブリ150を内設し、隣接する組織の運動を前記アセンブリ150に伝達する接触部材152を使用して組織の運動を検出する(下述する)。前記接触部材152は前記環状体102の内面104を超えるように拡張する。前記接触部材152の拡張程度は応用例に応じて変化する。図面は前記装置の原理を伝えるためのものである。さらには、図示する変化例では、1つのアセンブリ150のみを図示し、前記装置の変形例は、前記装置の本体100に沿って間隔を空けるいくつもの他のアセンブリを備えている。
【0030】
前記組織接触部材152は前記装置の本体よりも柔らかいエラストマーを含む。即ち、前記エラストマーのヤング率は前記環状体102のヤング率よりも低い。このような構成により、前記接触部材152の伸縮は前記環状体自体ではなく主に前記エラストマーの変形によるものとなる。例えば、ウェアラブル装置に適したエラストマーとしては特に限定はしないが、天然ゴム、シリコーン、ネオプレン、ポリウレタン、ポリブタジエン等を含む。一変形例では、前記エラストマーとして、異なる望ましい混合比のジメチルポリシロキサン(PDMS)を含む。しかしながら、本発明はこれに限られず、前記環状体と比較してエラストマー特性を有するあらゆる材料が本開示に係る前記装置に使用可能である。
【0031】
図2A及び図2Bは、血圧測定装置100の更なる変形例と共に使用する組織変位アセンブリ150の更なる変形例を図示する。図2Aに図示する変形例では、指用カフまたはクレードル110には1つまたは1つ以上のアセンブリ150を内設する。図示するように、手20の指22は前記装置本体110内または前記装置本体110上に位置し、前記アセンブリ150が組織の運動を検出すると共に(有線またはワイヤレス接続126により)ユーザーインターフェース装置120に伝送する(上述)。図2Bに図示する従来の血圧測定用カフ122は、患者の足または腕に前記カフ112を固定するために使用するポンプまたは空気袋114を有する。前記カフ112は、前記カフ112に隣接する前記組織内の血管内の血液の脈動流により生じる組織の変位を測定するためのいくつかのアセンブリ150を備えている。
【0032】
図3A図1A及び図1Bに示す前記装置の本体102の部分図を図示し、ここで説明するあらゆる前記血圧検出装置に使用可能な運動検出装置150の変形例を図示することを目的とする。この例では、前記装置150は環状の装置本体102内に位置し、前記運動検出装置は前記環状体102の表面104に対向する組織を超えるように拡張する接触部材152を備えている。
【0033】
図3B図3Aの前記運動検出装置150の線3B~3Bに沿った断面図を図示する。図示するように、前記装置150は前記装置本体102の前記内面104を超えて突出する組織接合面154を有する接触部材152を備え、前記装置本体が組織に隣接するように位置する場合、前記接触部材が前記組織を圧縮するか、前記組織に接触するように位置する。この変形例では、前記組織接合面154は、前記組織接合面154が前記装置本体の前記内面104内にあるキャビティ106または凹部に隣接するように位置する際に前記内面104に接合する周辺領域156を含む。後述するように、前記キャビティ106は前記組織接合面154の変位を補助する(組織の変位の結果または組織の運動により生じる圧力波による)。この変形例では、前記組織接合面154は前記周辺領域156上方に延長し、前記組織の変位の伝達を補助する。しかしながら、装置の変形例では、前記組織接合面と平坦になる周辺領域を含む。ちなみに、電源は監視ユニット/ディスプレイ内に位置することが可能である。または、電源(例えば、電池、充電池、或いは他の電力源)は前記装置の前記ハウジング104内に位置する。
【0034】
前記組織接合面154は、前記組織接合面154の変位を歪み誘起面160に伝達する中央領域158に隣接する。このため、前記組織接合面154の変位が前記歪み誘起面160の変位を引き起こす。前記歪み誘起面160は歪み装置180に隣接/接触し、前記歪み装置180により前記変位を測定する。前記中央領域158は歪み誘起面160及び前記本体102の部分に接合する第二周辺領域162を含む。さらに、停止または変位制限構造182が前記歪み装置180の変位を制限する。図3Bには、前記接触部材152内に位置する選択的な補強部材164を有する前記運動検出装置150の変形例を図示する。前記接触部材152の設計は、前記接触部材152による前記接触部材152の径方向の動作(例えば、中央軸140と平行する動作)の伝達能力を向上する。前記装置150は、前記本体102の構造内に前記接触部材152を固定された状態を維持するためのいくつかの支持構造166を備えている。
【0035】
図4A及び図4Bは本開示に係る様々な運動検出装置に使用する歪み装置180の変形例を図示する。図4Aに示す歪み装置180は、金属、合金、ポリマー等で製造する偏向可能なベースを備えている。ここでは、前記偏向可能なベース180は前記歪み誘起面を受け、前記歪み誘起面が動作することで前記偏向可能なベース184も動作する。前記偏向可能なベース184はピエゾ抵抗または相似する材料186にカップリングし、前記材料186の歪みに反応した前記材料186の抵抗の変化を基に動作を検出する。図4Aに図示する変形例では、前記変形可能なベース184は固着構造にカップリングすると共に温度を感知するための温度検出素子190を備えている。図4Bに図示する他の歪み装置180の変形例では、ピエゾ抵抗または相似する材料186は歪み誘起面に直接接合する。前記ピエゾ抵抗または相似する材料186は固着構造にカップリングすると共に選択的に温度検出素子を備えている。
【0036】
図5は組織12の領域に適用する運動検出装置150の変形例を図示する。上述のように、前記装置150はリングベースの本体または他のタイプの装置に使用する。前記組織12の領域は通常血液の脈動流が流れている動脈10を含む。この血流の結果、前記血管内の圧力Pが前記動脈10に隣接する組織を変位させる。矢印30により変位を示し、前記動脈10付近の解剖学的構造に基づいて隣接する組織12が変位する。図5Aは組織12に接触するように配置する組織運動検出装置150の基本例を図示し、前記接触部材152が隣接する組織14の領域を圧縮する。圧縮された領域14は変位しやすく、前記組織の歪みを低減する緩衝効果を生みにくいため、前記組織の圧縮により圧力Pによる組織運動の効果を促進する。前記動脈10による前記変位30は前記接触部材152に隣接する径方向の変位32を生じさせる。上述のように、前記組織12の径方向の変位32は前記接触部材152の変位を発生させ、前記歪み装置180内での変位を生じさせる。これにより、血圧を確定するために組織運動の歪みゲージに基づいた測定を用いる。その効果として、前記血管10内の血圧Pが径方向の変位32または前記歪み装置180での歪みを誘起する力を生じさせる。歪みが前記歪み装置180の電気抵抗を変化させ、これにより前記歪み装置180の電流が変化し、前記歪み装置180を横断する電圧を測定可能となる。
【0037】
上述のように、前記接触部材150の設計は、円周方向の変位よりも径方向の変位32をむしろ伝達するように構成する(例えば、変位は前記組織の平面と平行するか径方向の変位方向に直交する)。
【0038】
図6A及び図6Bは接触部材152の歪んでいない状態及び歪んだ状態をそれぞれ図示する。図6Aは周辺領域156及び前記中央領域158に位置する第二周辺領域162を有する前記接触部材の中央に位置する組織接合面154を図示する。上述のように、前記周辺領域156及び162は前記組織接触部材152を前記装置の本体に固定する。前記構造は前記組織接合面154が変位することにより前記中央領域が動作することにより、前記歪み誘起面160が変位する。一変形例では、前記周辺領域156及び162は前記中央領域及び前記組織接合面と比較して非常に柔らかい/順応する。この設計は、変形可能な皮膚接触152の前記中央領域に径方向の力が集中するのに役立つ。
【0039】
図6Bには、組織変位32により前記組織接合面154が変位し、前記中央領域158及び歪み誘起面が前記組織変位32と同じ方向に変位した後に前記組織接触部材152が歪んだ状態となったものを図示する。前記構造は径方向の力を集中する構造を提供し、前記組織によるあらゆる横方向または円周方向の力による前記歪み誘起面160の横方向または円周方向への動作を最小化する。このため、前記歪み誘起面160の前記径方向の変位32が前記歪み装置(図6Bには図示せず)の歪みを変化させ、前記歪み装置の電気的特性を変化させる。この電気的特性の変化により関連する動脈の血圧の変化を決定する。
【0040】
図7Aには前記環状体102上で少なくとも第一運動検出装置150及び第二運動検出装置200が間隔を空けている装置100の他の変形例を図示する。図7Bには指22に対応する前記第一運動検出装置150及び第二運動検出装置200を図示する。図示するように、各装置150、200は血管10に隣接するように配置する。しかしながら、代替の構造及び/或いは間隔も本開示の範囲に属する。
【0041】
前記装置の一変形例では、1つまたは1つ以上の運動検出装置を、血圧により誘起する接触力からなる前記径方向の力を検出するための一次センサーとして構成する。第二センサーは接触力を検出し、測定の精度を高めるために使用する。このようなケースでは、一次測定の接触力を排除することで血圧を確定する。さらに、前記装置を配置する際に回転誤差を確定するために複数の装置構成を使用する。例えば、前記動脈から離れる一次装置の回転に起因する血圧の低下及び二次装置が読み取った血圧の上昇を識別することで大きな回転誤差を検出する。
【0042】
図8Aは運動検出装置250の変形例を備える内面104を有す環状体102を有する装置100の他の変形例の部分図を図示し、運動検出装置250の変形例を含む。図示するように、前記装置250は前記本体102の内面104を超えて突出する組織接触部材250を備えている。前記装置250の変形例はここで説明するあらゆる前記装置に適用可能であり、本開示で説明するあらゆる他の組織運動検出装置の変形例の組み合わせにも適用可能である。
【0043】
図8Bは前記組織接触部材252が組織接触面254及び周辺領域256を含む図8Aの前記装置250を図示する。後述するように、前記組織接触面254は歪み誘起面260に接続する。前記歪み誘起面260は組織の歪み接触面254での歪みゲージの歪みを誘起する。変形例を図示するように、圧力増強装置284は前記歪み誘起面260及び前記歪みゲージ280に隣接するように位置する。前記装置250は装置の前記本体内に固定するベース254を備えている。
【0044】
図8Bには1つの圧力増強装置284を図示するが、圧力増強装置284及び前記変形可能な皮膚接触252と前記歪みゲージ280との間にある圧力誘起面269の数量は変更可能である。他の変形例では、前記装置には圧力増強装置が不要である。
【0045】
図8C及び図8Dには図8Bの前記装置250の側面図及び断面図をそれぞれ図示する。図8Dに示すように、前記組織接触部材250は径方向の集中構造を備え、上述のように、キャビティ262により前記中央領域258を包囲することで組織の径方向の変位を圧力誘起面260に伝達する前記組織接触面254の伝達能力を向上する。
【0046】
図9A及び図9Bは、指に対して前記運動検出部材を精確な位置に合わせる調整可能な特性を有する装置230及び234を図示する。その代替または組み合わせにより、調整可能な特性により前記組織接触面が隣接する組織を圧縮する程度を調整する。図9Aには板ばね232のような第一ばね及び第二ばねを図示する。1つまたは2つの板ばね238は必要に応じて調整できる。図9Bには、1つまたは複数のねじ236により調整可能な内側ばね面238を有する装置234を図示する。1つまたは2つのねじ236が1つの前記センサーに向けて前記指を押すか、及び/或いは前記装置を前記指から外す。前記内側ばね面238はスムーズで可動な内面を形成し、環状の内半径を調整する。
【0047】
本発明の一実施形態では、実施において、前記ウェアラブル装置を装着し、血圧を測定する場合、骨付近の前記動脈の位置で監視面を優先的に前記ウェアラブル装置の下部に配置する。これにより、血液の脈動による皮膚の変形が前記歪みゲージに直接衝撃を与え、最大の歪み及び信号を発生させる。好ましい実施形態では、装着者がリラックスした状態であれば血圧をより精確に測定できる。
【0048】
上述したように、本発明の実施形態によると、歪みゲージ及び圧力センサーを前記ウェアラブル装置の内面に装設し、指動脈の変形による表面の変形に基づいて血圧を計算する。次いで、本発明の実施形態に係る前記ウェアラブル装置及び前記監視方法は、患者のリアルタイム監視及び生体医学的応用に利益をもたらす。
【0049】
さらには、前記ウェアラブル装置は軽量で小型であり、人間が装着するのに快適である。よって、前記ウェアラブル装置は長期間の装着に適しており、これにより長期間の血圧の監視に適している。
【0050】
また、指の動脈は皮膚の表面に近接しているため、環状のウェアラブル装置により血圧を測定しやすい。また、動脈に近接する皮膚の表面で、表面の変形に基づいて直接血圧を測定するため、血圧測定の精度が向上する。本発明のある実施形態では、前記信号は前記表面の変形を示すものであり、電気抵抗として直接表示できるため、電気信号形式であるために後続の電子装置による信号処理過程を簡略化できる。
【0051】
本発明は本発明の好適な実施形態を参照しながら説明したが、本発明はこれらの詳細に制限されないことを理解すべきである。適切な技術方法及び本発明の技術的思想に基づいた様々な変化及び修飾は全て本発明の請求範囲に含まれる。このため、そのような全ての代替及び修飾は特許請求の範囲で定義する本発明の範囲内に含まれる。
【0052】
本記載の装置の特徴を不明確にしないために、既知の構造、材料、または作業については詳細な描写または説明を省略する。なお、上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B