(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】アンテナ用クランピング装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/08 20060101AFI20230525BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
H01Q3/08
H01Q1/12 E
(21)【出願番号】P 2021561956
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020005214
(87)【国際公開番号】W WO2020218792
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0046535
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0089304
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン ソー ヨ
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ヘ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョウン ソク ヤン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109216863(CN,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0001413(KR,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0088075(KR,A)
【文献】特開平05-168198(JP,A)
【文献】国際公開第2016/181582(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0028523(US,A1)
【文献】特開2013-009371(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2013-0001600(KR,U)
【文献】米国特許第04663635(US,A)
【文献】中国特許出願公開第105428783(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108711666(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106058421(CN,A)
【文献】特開2013-236378(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1621892(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12- 1/26
H01Q 3/00- 3/46
H01Q 21/00-25/04
F16M 1/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱ポールに結合され、一部が水平方向に移動可能に備えられたアームユニットと、
前記アームユニットの一部先端に着脱可能に装着される結合ユニットと、
後端部が前記結合ユニットに対して左右方向に所定角度ローテーティング可能に結合されたローテーションユニットと、
前記ローテーションユニットの先端部に上下方向にティルティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するティルティングユニットとを含み、
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくともいずれか1つには、回動角度を調節するように備えられた回動調整部が備えら
れ、
前記回動調整部は、
前記ローテーションユニットに備えられる左右方向の回動角度を調節するローテーション回動調整ギヤセット、および前記ティルティングユニットに備えられる上下方向の回動角度を調節するティルティング回動調整ギヤセット、の少なくともいずれか1つを含み、
前記アームユニットは、
前記支柱ポールの外周面に結合されたマウンティングブロックと、
前記マウンティングブロックから前記支柱ポールに対して直交する水平方向に延びる水平固定アームと、
前記水平固定アームの先端部において、前記水平固定アームの長手方向に対して直交する方向に延びるように設けられるブラケットアームと、
前記ブラケットアームに支持され、かつ前記ブラケットアームの長手方向に長さ調節可能に備えられ、先端部に前記結合ユニットが結合される水平移動アームとを含む、
アンテナ用クランピング装置。
【請求項2】
支柱ポールに結合され、一部が水平方向に移動可能に備えられたアームユニットと、
前記アームユニットの一部先端に着脱可能に装着される結合ユニットと、
後端部が前記結合ユニットに対して上下方向に所定角度ティルティング可能に結合されたティルティングユニットと、
前記ティルティングユニットの先端部に左右方向にローテーティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するローテーションユニットとを含み、
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくともいずれか1つには、回動角度を調節するように備えられた回動調整部が備えられ、
前記回動調整部は、
前記ローテーションユニットに備えられる左右方向の回動角度を調節するローテーション回動調整ギヤセット、および前記ティルティングユニットに備えられる上下方向の回動角度を調節するティルティング回動調整ギヤセット、の少なくともいずれか1つを含み、
前記アームユニットは、
前記支柱ポールの外周面に結合されたマウンティングブロックと、
前記マウンティングブロックから前記支柱ポールに対して直交する水平方向に延びる水平固定アームと、
前記水平固定アームの先端部において、前記水平固定アームの長手方向に対して直交する方向に延びるように設けられるブラケットアームと、
前記ブラケットアームに支持され、かつ前記ブラケットアームの長手方向に長さ調節可能に備えられ、先端部に前記結合ユニットが結合される水平移動アームとを含む、
アンテナ用クランピング装置。
【請求項3】
前記回動調整部は、
前記ローテーションユニットのローテーティング軸または前記ティルティングユニットのティルティング軸と軸結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記ローテーティング軸または前記ティルティング軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛合するウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含む、請求項
1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項4】
前記ウォームギヤは、前記ローテーションユニットの外側または前記ティルティングユニットの外側に備えられ、前記ウォームギヤと軸結合される少なくとも1つの調節レバーキャップによって手動駆動される、請求項
3に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項5】
前記ウォームギヤは、前記ローテーションユニットの内部または前記ティルティングユニットの内部に備えられ、前記ウォームギヤと軸結合される少なくとも1つの回動モータによって自動駆動される、請求項
3に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項6】
前記回動調整部のうち前記ローテーション回動調整ギヤセットは、前記結合ユニットおよび前記ティルティングユニットのいずれか1つの内部に設けられ、
前記回動調整部のうち前記ティルティング回動調整ギヤセットは、前記結合ユニットおよび前記ティルティングユニットの他の1つの内部に設けられる、請求項
5に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項7】
前記結合ユニットは、前記ティルティングユニットが支持されるティルティング支持ブロックと、前記ティルティング支持ブロックから延び、前記アームユニットに結合されるアーム締結ブロックとを含み、
前記ティルティングユニットは、前記ローテーションユニットが支持されるローテーティング支持ブロックと、前記ローテーティング支持ブロックから延び、前記結合ユニットにティルティング可能に結合されるティルティングブロックとを含み、
前記ローテーションユニットは、前記アンテナ機器が結合されるアンテナ結合ブロックと、前記アンテナ結合ブロックから延び、前記ティルティングユニットにローテーティング可能に結合されるローテーティングブロックとを含み、
前記回動調整部のうち前記ローテーション回動調整ギヤセットは、前記ローテーティング支持ブロック
の内部に設けられ、
前記回動調整部のうち前記ティルティング回動調整ギヤセットは、前記ティルティング支持ブロック
の内部に設けられる、請求項
5に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項8】
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットに設けられ、外力による振動または衝撃による角度変更を防止する回動防止部をさらに備え、
前記回動防止部は、
前記ローテーションユニットのローテーティング面に
設けられたローテーティングブレーキワッシャパッドと、前記ティルティングユニットのティルティング面に
設けられたティルティングブレーキワッシャパッドとを備え
る、請求項
3に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項9】
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットに設けられ、外力による振動または衝撃による角度変更を防止する回動防止部をさらに備え、
前記回動防止部は、
前記ローテーションユニットの内部のうちローテーティング軸上に介在
する一対のローテーティングブレーキワッシャパッドと、前記ティルティングユニットの内部のうちティルティング軸上に介在
する一対のティルティングブレーキワッシャパッドと
を備え
る、請求項
3に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項10】
前記結合ユニットは、前記ティルティングユニットが支持されるティルティング支持ブロックと、前記ティルティング支持ブロックから延び、前記アームユニットに結合されるアーム締結ブロックとを含み、
前記ティルティングユニットは、前記ローテーションユニットが支持されるローテーティング支持ブロックと、前記ローテーティング支持ブロックから延び、前記結合ユニットにティルティング可能に結合されるティルティングブロックとを含み、
前記ローテーションユニットは、前記アンテナ機器が結合されるアンテナ結合ブロックと、前記アンテナ結合ブロックから延び、前記ティルティングユニットにローテーティング可能に結合されるローテーティングブロックとを含み、
前記一対のローテーティングブレーキワッシャパッドは、前記ローテーティング支持ブロックの設置空間に備えられた前記ローテーティング軸上に介在し、
前記一対のティルティングブレーキワッシャパッドは、前記ティルティング支持ブロックの設置空間に備えられた前記ティルティング軸上に介在する、請求項
9に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項11】
前記回動防止部は、
前記ローテーティング軸または前記ティルティング軸上に介在しかつ、軸回動可能に備えられ、前記一対のローテーティングブレーキワッシャパッドおよび前記一対のティルティングブレーキワッシャパッドを相互密着または離脱させる回動防止ギヤと、
前記回動防止ギヤを回動させる回動防止モータとをさらに含む、請求項
9または10に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項12】
前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび前記結合ユニットのいずれか1つに備えられ、外力による振動または衝撃によって前記ウォームギヤが前記ウォームホイールギヤとの噛合が解除されないように前記ウォームギヤが設けられた設置ブラケットの外側端に板スプリング形態で備えられて、前記設置ブラケットを弾性支持するダンピング部をさらに含む、請求項
3に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項13】
前記ダンピング部は、前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび前記結合ユニットの各外観を形成するローテーティングハウジング、ティルティングハウジングおよび結合ハウジングのいずれか1つの内側面の一部に弾性支持される、請求項
12に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項14】
前記ダンピング部は、
前記設置ブラケットの外側端に固定される固定面と、
前記固定面から外側に所定角度折曲げられた折曲面と、
前記折曲面から延び、前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび前記結合ユニットの各外観を形成するローテーティングハウジング、ティルティングハウジングおよび結合ハウジングのいずれか1つの内側面の一部に接する弾性支持面とを含む、請求項
12に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項15】
前記ブラケットアームは、
前記水平移動アームの下端部を支持する下部ブラケットと、
前記水平移動アームの上端部を支持する上部ブラケットとを含み、
前記下部ブラケットと前記上部ブラケットが形成する内部空間
において、前記上部ブラケットの後端部および前記下部ブラケットの前端部には、前記水平移動アームの移動時の摩擦を防止するための少なくとも1つのガイドローラが備えられる、請求項
1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項16】
前記水平移動アームには、上下に貫通する複数の固定ホールが備えられ、
前記ブラケットアームには、前記複数の固定ホールとマッチングされる少なくとも1つ以上の固定ピンホールが形成され、
前記水平移動アームは、前記少なくとも1つ以上の固定ピンホールを貫通して、前記複数の固定ホールのいずれか1つを貫通する固定ピンによって固定される、請求項
1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項17】
前記水平移動アームの先端部には移動調節取っ手が備えられる、請求項
1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ用クランピング装置(CLAMPING APPARATUS FOR ANTENNA)に関し、より詳しくは、密集した設置空間で効率的にアンテナ機器を配置できることはもちろん、アンテナ機器の方向調節が容易なアンテナ用クランピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータの伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分するSpatial multiplexing手法である。
【0003】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させることによりチャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保する。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が使用されることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のCell運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、ANT(アンテナ)の数字が増えるにつれ、これによるtransmitterとFilterの数字も一緒に増加する。にもかかわらず、設置場所のリース費用や空間的な制約によって、RF部品(Antenna/Filter/Power Amplifier/Transceiver etc.)を小さくて軽く、安価に作ることが現実であり、Massive MIMOはCoverage拡張のために高出力が必要になるが、このような高出力による消耗電力と発熱量は重量およびサイズを低減するのに否定的な要因として作用している。
【0006】
特に、RF素子とデジタル素子が実現されたモジュールが積層構造で結合されたMIMOアンテナを限られた空間に設ける時、設置の容易性や空間の活用性を極大化するためにMIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計の必要性が浮上し、1つの支柱ポール(support pole)に設置されたアンテナ装置の自由な方向調節に関する必要性が強く要求されているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、空間の制約が多い単一支柱ポールに対する設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供することを、目的とする。
【0008】
また、本発明は、アンテナ装置の設置の際、設置者が落ちて負傷する危険を防止できるアンテナ用クランピング装置を提供することを、他の目的とする。
【0009】
これとともに、本発明は、アンテナ装置の外部設置による微振動を容易に吸収して異音(異常騒音)の発生を防止しながらも、方向性の調節が容易なアンテナ用クランピング装置を提供することを、さらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例は、支柱ポールに結合され、一部が水平方向に移動可能に備えられたアームユニットと、前記アームユニットの一部先端に着脱可能に装着される結合ユニットと、先端部が前記結合ユニットに対して左右方向に所定角度ローテーティング可能に結合されたローテーションユニットと、前記ローテーションユニットの先端部に上下方向にティルティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するティルティングユニットとを含み、前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくともいずれか1つには、回動角度を調節するように備えられた回動調整部が備えられる。
【0011】
本発明によるアンテナクランピング装置の他の実施例は、支柱ポールに結合され、一部が水平方向に移動可能に備えられたアームユニットと、前記アームユニットの一部先端に着脱可能に装着される結合ユニットと、後端部が前記結合ユニットに対して上下方向に所定角度ティルティング可能に結合されたティルティングユニットと、前記ティルティングユニットの先端部に左右方向にローテーティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するローテーションユニットとを含み、前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくともいずれか1つには、回動角度を調節するように備えられた回動調整部が備えられる。
【0012】
ここで、前記回動調整部は、前記ローテーションユニットに備えられて、左右方向の回動角度を調節するローテーション回動調整ギヤセット、および前記ティルティングユニットに備えられて、上下方向の回動角度を調節するティルティング回動調整ギヤセット、の少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0013】
また、前記回動調整部は、前記ローテーションユニットのローテーティング軸または前記ティルティングユニットのティルティング軸と軸結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記ローテーティング軸または前記ティルティング軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛合するウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含むことができる。
【0014】
また、前記ウォームギヤは、前記ローテーションユニットの外側または前記ティルティングユニットの外側に備えられ、前記ウォームギヤと軸結合される少なくとも1つの調節レバーキャップによって手動駆動される。
【0015】
また、前記ウォームギヤは、前記ローテーションユニットの内部または前記ティルティングユニットの内部に備えられ、前記ウォームギヤと軸結合される少なくとも1つの回動モータによって自動駆動される。
【0016】
また、前記回動調整部のうち前記ローテーション回動調整ギヤセットは、前記結合ユニットおよび前記ティルティングユニットのいずれか1つの内部に設けられ、前記回動調整部のうち前記ティルティング回動調整ギヤセットは、前記結合ユニットおよび前記ティルティングユニットの他の1つの内部に設けられる。
【0017】
また、前記結合ユニットは、前記ティルティングユニットが支持されるティルティング支持ブロックと、前記ティルティング支持ブロックから延び、前記アームユニットに結合されるアーム締結ブロックとを含み、前記ティルティングユニットは、前記ローテーションユニットが支持されるローテーティング支持ブロックと、前記ローテーティング支持ブロックから延び、前記結合ユニットにティルティング可能に結合されるティルティングブロックとを含み、前記ローテーションユニットは、前記アンテナ機器が結合されるアンテナ結合ブロックと、前記アンテナ結合ブロックから延び、前記ティルティングユニットにローテーティング可能に結合されるローテーティングブロックとを含み、前記回動調整部のうち前記ローテーション回動調整ギヤセットは、前記ローテーティング支持ブロックの設置空間に備えられ、前記回動調整部のうち前記ティルティング回動調整ギヤセットは、前記ティルティング支持ブロックの設置空間に備えられる。
【0018】
また、前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットに備えられ、外力による振動または衝撃による角度変更を防止する回動防止部をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記回動防止部は、前記ローテーションユニットのローテーティング面に備えられたローテーティングブレーキワッシャパッドと、前記ティルティングユニットのティルティング面に備えられたティルティングブレーキワッシャパッドとで備えられる。
【0020】
また、前記回動防止部は、前記ローテーションユニットの内部のうちローテーティング軸上に介在した一対のローテーティングブレーキワッシャパッドと、前記ティルティングユニットの内部のうちティルティング軸上に介在した一対のティルティングブレーキワッシャパッドとで備えられる。
【0021】
また、前記結合ユニットは、前記ティルティングユニットが支持されるティルティング支持ブロックと、前記ティルティング支持ブロックから延び、前記アームユニットに結合されるアーム締結ブロックとを含み、前記ティルティングユニットは、前記ローテーションユニットが支持されるローテーティング支持ブロックと、前記ローテーティング支持ブロックから延び、前記結合ユニットにティルティング可能に結合されるティルティングブロックとを含み、前記ローテーションユニットは、前記アンテナ機器が結合されるアンテナ結合ブロックと、前記アンテナ結合ブロックから延び、前記ティルティングユニットにローテーティング可能に結合されるローテーティングブロックとを含み、前記一対のローテーティングブレーキワッシャパッドは、前記ローテーティング支持ブロックの設置空間に備えられた前記ローテーティング軸上に介在し、前記一対のティルティングブレーキワッシャパッドは、前記ティルティング支持ブロックの設置空間に備えられた前記ティルティング軸上に介在してもよい。
【0022】
また、前記回動防止部は、前記ローテーティング軸または前記ティルティング軸上に介在しかつ、軸回動可能に備えられ、前記一対のローテーティングブレーキワッシャパッドおよび前記一対のティルティングブレーキワッシャパッドを相互密着または離脱させる回動防止ギヤと、前記回動防止ギヤを回動させる回動防止モータとをさらに含むことができる。
【0023】
また、前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび 前記結合ユニットのいずれか1つに備えられ、外力による振動または衝撃によって前記ウォームギヤが前記ウォームホイールギヤとの噛合が解除されないように前記ウォームギヤが設けられた設置ブラケットの外側端に板スプリング形態で備えられて、前記設置ブラケットを弾性支持するダンピング部をさらに含むことができる。
【0024】
また、前記ダンピング部は、前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび前記結合ユニットの各外観を形成するローテーティングハウジング、ティルティングハウジングおよび結合ハウジングのいずれか1つの内側面の一部に弾性支持される。
【0025】
また、前記ダンピング部は、前記設置ブラケットの外側端に固定される固定面と、前記固定面から外側に所定角度折曲げられた折曲面と、前記折曲面から延び、前記ローテーションユニット、前記ティルティングユニットおよび前記結合ユニットの各外観を形成するローテーティングハウジング、ティルティングハウジングおよび結合ハウジングのいずれか1つの内側面の一部に接する弾性支持面とを含むことができる。
【0026】
また、前記アームユニットは、前記支柱ポールの外周面に結合されるように配置されたマウンティングアームと、前記マウンティングアームから前記支柱ポールと直交する水平方向に所定長さ延び、先端部に長手方向に対して直交する方向に延びるように結合されたブラケットアームが備えられた水平固定アームと、前記水平固定アームの前記ブラケットアームに結合されかつ、前記ブラケットアームの長手方向に長さ調節可能に備えられ、先端部に前記結合ユニットが結合される水平移動アームとを含むことができる。
【0027】
また、前記ブラケットアームは、前記水平移動アームの下端部を支持する下部ブラケットと、前記水平移動アームの上端部を支持する上部ブラケットとを含み、前記下部ブラケットと前記上部ブラケットが形成する内部空間のうち対角線部位には、前記水平移動アームの移動時の摩擦を防止するための少なくとも1つのガイドローラが備えられる。
【0028】
また、前記水平移動アームには、上下に貫通する複数の固定ホールが備えられ、前記ブラケットアームには、前記複数の固定ホールとマッチングされる少なくとも1つ以上の固定ピンホールが形成され、前記水平移動アームは、前記少なくとも1つ以上の固定ピンホールを貫通して、前記複数の固定ホールのいずれか1つを貫通する固定ピンによって固定される。
【0029】
また、前記水平移動アームの先端部には移動調節取っ手が備えられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例によれば、次の多様な効果を達成することができる。
【0031】
第一、アームユニットの長さを多様に製造して設置適用することにより、1つの支柱ポールに対して設置される複数のアンテナ機器の空間配置設計が容易である効果を有する。
【0032】
第二、ティルティングユニットおよびローテーションユニットを介してアンテナ機器のティルティング動作およびローテーティング動作が容易なため、作業性およびアンテナ機器の周波数の歩留まり性能を向上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明によるアンテナ用クランピング装置の設置例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の構成のうちアームユニットを示す斜視図である。
【
図4】本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例を示す斜視図である。
【
図6】本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例を示す斜視図である。
【
図8】本発明によるアンテナ用クランピング装置のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【
図10A】
図8の回動防止部の他の例を示す分解斜視図である。
【
図10B】
図8の回動防止部の他の例を示す分解斜視図である。
【
図11】
図8のティルティング回動調整ギヤセットのさらに他の例を示す内部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0036】
図1は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の設置例を示す斜視図であり、
図2は、
図1の構成のうちアームユニットを示す斜視図であり、
図3は、
図2の分解斜視図である。
【0037】
本発明によるアンテナ用クランピング装置10の一実施例は、
図1~
図3に示すように、支柱ポール1に結合されるアームユニット1100と、アームユニット1100と結合される結合ユニット30と、結合ユニット30に対して上下方向にティルティング回動可能に結合されるティルティングユニット100と、ティルティングユニット100に左右方向にローテーティング回動可能に結合され、アンテナ機器Aが結合されるローテーションユニット200とを含む。
【0038】
ここで、支柱ポール1には、支柱ポール1の下端部外周面から下方に傾斜して延びかつ、放射状に所定角度離隔して延びる複数の支持棒3と、複数の支持棒3の下端に備えられて、設置場所のグラウンドまたは壁面に支持結合されるサポーティングブロック5とがさらに備えられる。
【0039】
複数の支持棒3は、支柱ポール1の外周面に溶接方式で固定される方式で一体に形成できるのはもちろん、別途に製作されてボルティング結合方式など多様な結合方式で支柱ポール1に結合されることも可能である。複数の支持棒3は、上下垂直方向または左右水平方向に設けられた支柱ポール1を立体的に3箇所以上で強固に支持できるように少なくとも3個以上で備えられる。
【0040】
また、サポーティングブロック5は、設置場所のグラウンド(底面)に支柱ポール1を強固に載置させる重り(または重量体)の役割を果たすものであるが、必ずしもブロック形態で備えられなければならないわけではなく、図示しないが、グラウンド(底面)または壁面にボルトなどの締結部材を用いて強固に結合されるように、不図示のボルト締結孔が形成されたパネル形態で備えられることも可能である。
【0041】
一方、アームユニット1100は、アンテナ機器Aの支柱ポール1に対する結合を媒介する役割を果たす。このようなアームユニット1100は、実質的に単一の支柱ポール1の外周面の一側および他側にボルティング結合方式で結合されかつ、支柱ポール1の長手方向とは直交する水平方向の一側または他側および水平方向の一側と他側にそれぞれ所定長さ延びて、支柱ポール1からアンテナ機器Aが所定長さ離隔して設置される形態で形成される。このようなアームユニット1100は、支柱ポール1に対するシングルビーム(single beam)形態で少なくとも1つが結合されて、複数のアンテナ機器Aの設置を可能にする役割を果たす。
【0042】
さらに、アームユニット1100は、
図1~
図3に示すように、アンテナ機器Aの設置時、アンテナ機器Aが設置されたまま一部が前方または後方の水平方向に移動するように備えられることにより、支柱ポール1からのアンテナ機器Aの離隔距離が調節可能である。
【0043】
より詳しくは、アームユニット1100は、
図1~
図3に示すように、支柱ポール1に結合されて、左右方向の少なくともいずれか一側(本実施例の場合は、左右両側)の水平方向に所定長さ延びる水平固定アーム1120と、水平固定アーム1120の先端部に直交する方向に延びるように結合されたブラケットアーム1130と、ブラケットアーム1130に対してブラケットアーム1130の長手方向に長さ調節可能に備えられた水平移動アーム1140とを含むことができる。
【0044】
水平固定アーム1120の支柱ポール1側の一端には、支柱ポール1に対する結合を媒介するマウンティングブロック1110が形成される。支柱ポール1の両側に水平固定アーム1120がそれぞれ備えられた場合には、支柱ポール1の外周面左右で相互向かい合うように備えられたマウンティングブロック1110を貫通して締結される複数の固定ボルト1105によって、一対の水平固定アーム1120が相互固定できる。もし、支柱ポール1の左右のいずれか一方にのみ水平固定アーム1120が備えられた場合には、マウンティングブロック1110に対向する支柱ポール1の外周面の他側にマウンティングブロック1110の形状に対応する分離型マウンティングブロック(図示せず)を用いて水平固定アーム1120を結合させることができる。
【0045】
マウンティングブロック1110と水平固定アーム1120との連結部位は、重量によるモーメントに耐えられるように複数の補強リブ1115によって補強連結可能である。複数の補強リブ1115は、溶接結合方式によりマウンティングブロック1110の外側面と水平固定アーム1120の外側面とを相互連結させるように備えられる。
【0046】
水平固定アーム1120は、ほぼ内部の空いている四角形の垂直断面を有するパイプ形状に備えられかつ、少なくとも後述するブラケットアーム1130と、水平移動アーム1140と、結合ユニット30と、クランピング部10およびアンテナ機器Aの全体重量に耐えられる程度の剛性を有するように備えられることが好ましい。
【0047】
ブラケットアーム1130は、
図3に示すように、水平移動アーム1140の下端部を支持する下部ブラケット1130aと、水平移動アーム1140の上端部を支持する上部ブラケット1130bとを含むことができる。
【0048】
下部ブラケット1130aおよび上部ブラケット1130bは、水平固定アーム1120の下面または上面を支持する水平支持フランジ1131と、水平支持フランジ1131の左右両端から上部に所定長さ延びた垂直支持フランジ1132と、垂直支持フランジ1132の上端からそれぞれ左右外側に所定長さ延びた結合フランジ1133とを含む。下部ブラケット1130aおよび上部ブラケット1130bの結合フランジ1133それぞれには、複数の締結ねじ1136がそれぞれ貫通締結される締結孔1134が複数個備えられる。
【0049】
下部ブラケット1130aは、水平固定アーム1120の先端部の上面に前端部の下面が密着して溶接結合方式で固定されるか、ボルティング締結方式により固定される。
【0050】
下部ブラケット1130aの上側に上部ブラケット1130bがそれぞれ結合フランジ1133の締結孔1134を介して締結される複数の締結ねじ1136によって締結されると、水平移動アーム1140の垂直断面の外形に対応する内部空間を形成することができる。
【0051】
このようなブラケットアーム1130は、水平移動アーム1140が下部ブラケット1130aおよび上部ブラケット1130bの間を介して前後方向に直線移動する時、これを案内する役割を果たすことができる。
【0052】
これとともに、下部ブラケット1130aと上部ブラケット1130bが形成する内部空間のうち対角線部位には、水平移動アーム1140の移動時の摩擦を防止するための少なくとも1つのガイドローラ1139が備えられる。ガイドローラ1139は、下部ブラケット1130aおよび上部ブラケット1130bの各当該部位に備えられたローラ設置溝1138に固定設置される。
【0053】
より詳しくは、水平移動アーム1140は、ブラケットアーム1130の一側にシングルビーム(single beam)形態、すなわち偏心して突出した状態で先端部にクランピング部10が設置されるが、その重心が一方に偏ってブラケットアーム1130の内側面と水平移動アーム1140の外側面との間に所定の摩擦力が形成されることで、その移動を困難にして長さ調節が難しい問題が発生しうる。
【0054】
少なくとも1つのガイドローラ1139は、それぞれ上部ブラケット1130bの後端部で水平移動アーム1140の上面を支持するように備えられるとともに、下部ブラケット1130aの前端部で水平移動アーム1140の下面を支持するように備えられることにより、作業者による長さ調節時に摩擦力を最小化して容易に作業が行われるようにする役割をする。
【0055】
一方、水平移動アーム1140には、上下に貫通する複数の固定ホール1147が備えられ、ブラケットアーム1130には複数の固定ホール1147とマッチングされる少なくとも1つ以上の固定ピンホール1135が形成され、水平移動アーム1140は、少なくとも1つ以上の固定ピンホール1135を貫通して、複数の固定ホール1147のいずれか1つを貫通する少なくとも1つの固定ピン1137によって固定される。
【0056】
このように固定ピン1137によって固定される場合、それ以上水平移動アーム1140がブラケットアーム1130に対して直線移動できないので、アンテナ機器Aの支柱ポール1からの離隔距離が強固に固定できる。
【0057】
一方、水平移動アーム1140の先端部には移動調節取っ手1150が備えられる。移動調節取っ手1150は、水平移動アーム1140の先端部に形成されたねじ締結ホール1143に結合される締結ねじ1154が移動調節取っ手1150のねじ貫通ホール1156を貫通して締結される動作で強固に固定できる。
【0058】
ここで、通常、作業者は、建物の屋上または欄干エリアで支柱ポール1に予め設けられた水平移動アーム1140を、移動調節取っ手1150をアンテナ機器Aの設置が安全な空間が備えられた方向に引っ張って水平移動アーム1140のクランピング部10が設けられる端部を移動させた後に設置することができる。
【0059】
この時、ブラケットアーム1130の下部ブラケット1130aと上部ブラケット1130bとを相互締結する締結ねじ1136を締結孔1133からやや緩やかにした後、移動調節取っ手1150を用いて水平移動アーム1140を引っ張って設置作業が安全な方向に移動させた後、前記クランピング部10の設置作業およびアンテナ機器Aの設置作業を行うことが好ましい。
【0060】
図4は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例を示す斜視図であり、
図5は、
図4の分解斜視図である。
【0061】
アームユニット1100の先端部には、後述のように、多様な実施例で実現されるクランピング部10、10’、10”が設けられる。クランピング部10、10’、10”は、アンテナ機器Aの設置を媒介すると同時に、アンテナ機器Aの方向性を設定できるようにローテーティング回動するかティルティング回動するように備えられたものであって、上述したティルティングユニット100およびローテーションユニット200を通称して定義される構成の概念であり得る。
【0062】
より詳しくは、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置において、クランピング部10は、アームユニット1100の先端部に結合された結合ユニット30を介在して結合されるティルティングユニット100と、ティルティングユニット100に結合されるローテーションユニット200とを含むことができる。
【0063】
特に、
図4および
図5を参照すれば、ローテーションユニット200は、前端部にアンテナ機器Aがボルティング結合されるボルティング締結ホール213が形成されたボルトフランジ212が角部位にそれぞれ備えられたアンテナ結合ブロック210と、アンテナ結合ブロック210から一側(特に、後方側)に延びたローテーティングブロック220とを含むことができる。
【0064】
アンテナ結合ブロック210とローテーティングブロック220は、説明の便宜のために区分したものに過ぎず、ローテーションユニット200は、アンテナ結合ブロック210とローテーティングブロック220とが一体に形成できることは当然である。
【0065】
アンテナ結合ブロック210は、
図4に示すように、実質的にアンテナ機器Aが装着固定される部位であって、平らな垂直面を有する4角形のパネル形状に備えられる。アンテナ結合ブロック210の各角部位には、外側に所定長さ突出延長されたフランジ212が備えられる。ここで、フランジ212には、前後方向に貫通するアンテナ締結ホール213がそれぞれ備えられ、アンテナ締結ホール213を介してそれぞれ締結される、不図示の固定ねじを介してアンテナ機器Aがアンテナ結合ブロック210に強固に固定される。
【0066】
ローテーティングブロック220には、後述するティルティングユニット100に備えられた軸ホール111上に挿入結合されるローテーティング軸227が備えられ、ローテーティング軸227は、ローテーションユニット200の左右方向のローテーティング回動中心となる。
【0067】
これとともに、ローテーティングブロック220には、不図示のローテーティングガイドボルトが貫通するローテーティングガイドスロット225が形成され、その外側面には、ローテーティング角度ラベル226が印刷または付着できる。
【0068】
ローテーティングガイドボルトは、ティルティングユニット100にローテーティングブロック220の下部面と面接する部位(後述するローテーティング支持ブロック110の上面参照)に形成された複数のガイドボルト締結ホール115にそれぞれ上側に露出するように締結される。ローテーティングガイドボルトの上端部はローテーティングガイドスロット225側に挿入されて、ローテーションユニット200の左右方向へのローテーティング回動をガイドすると同時に、その回動量を制限することができる。作業者は、ローテーティング角度ラベル226を通してアンテナ機器Aのローテーティング回動量を視覚的に認知して、正確な位置でローテーションブロック220を固定させることができる。
【0069】
一方、ティルティングユニット100は、
図4および
図5に示すように、ローテーティングブロック220のローテーティング軸227が結合される軸ホール111が形成され、ローテーティングブロック220の下端面を回動支持するローテーティング支持ブロック110と、ローテーティング支持ブロック110から延び、後述する結合ユニット30にティルティング可能に結合されるティルティングブロック120とを含むことができる。
【0070】
ローテーティング支持ブロック110とティルティングブロック120とは一体に形成され、ローテーティングブロック110の内部には、後述する回動調整部250、350のいずれか1つ250が設けられる設置空間が形成される。より詳しくは、ティルティングユニット100は、上述した設置空間が内部に形成されるティルティングハウジング231と、設置空間を遮蔽するようにティルティングハウジング231の下側に結合されたティルティングカバーハウジング232とを含むことができる。
【0071】
ティルティングブロック120の一側面は、後述する結合ユニット30の一側面と面接するように結合されかつ、この一側面には、ティルティング軸127が側方向の結合ユニット30側に延びるように備えられ、結合ユニット30には、ティルティング軸127が貫通する、不図示の軸ホールが形成される。ティルティング軸127は、後述する回動調整部350に連結可能である。
【0072】
一方、ローテーティング支持ブロック110と前述したローテーティングブロック220との面接部分には、任意の外力によって任意回動しないように相互摩擦力を形成するローテーティングブレーキワッシャパッド(図示せず)が備えられ、ティルティングブロック120と後述する結合ユニット30との面接部分には、任意の外力によって任意回動しないように相互摩擦力を形成するティルティングブレーキワッシャパッド129が備えられる。ここでのローテーティングブレーキワッシャパッドおよびティルティングブレーキワッシャパッド129は、それぞれローテーションユニット200およびティルティングユニット100の任意回動を防止する回動防止部と定義される。
【0073】
これとともに、結合ユニット30は、ティルティングブロック120が面接締結されるティルティング支持ブロック31と、ティルティング支持ブロック31から延び、アームユニット1100に結合されるアーム締結ブロック32とを含むことができる。
【0074】
ティルティング支持ブロック31とアーム締結ブロック32とは一体に形成され、ティルティング支持ブロック31の一側内部には、後述する回動調整部250、350のいずれか1つ350が設けられる設置空間が形成される。より詳しくは、結合ユニット30は、上述した設置空間が内部に形成される結合ハウジング331と、設置空間を遮蔽するように結合ハウジング331の一側に結合された結合カバーハウジング332とを含むことができる。
【0075】
アーム締結ブロック32には、アームユニット1100の先端部に備えられた装着空間(図示せず)の内側に挿入されて、ボルト(
図3の図面符号142参照)のような締結部材を介して締結されるための複数のボルト締結ホール33、34が形成される。
【0076】
このように、本発明によるクランピング部10は、結合ユニット30を介在してティルティングユニット100がティルティング軸127を中心として上下方向にティルティング可能に結合されることにより、アンテナ機器Aの上下方向ティルティング回動が可能に備えられるとともに、ティルティングユニット100にローテーションユニット200がローテーティング軸227を中心として左右方向ローテーティング回動が可能に結合されることにより、アンテナ機器Aを上下方向または左右方向にティルティング回動させて方向性を調節することができる。
【0077】
ここで、本発明によるクランピング部10は、
図5に示すように、ローテーションユニット200のローテーティング回動操作可能にティルティングユニット100のローテーティング支持ブロック110の設置空間に設けられるか、ティルティングユニット100のティルティング回動操作可能に結合ユニット30のティルティング支持ブロック31の設置空間に設けられた回動調整部250、350をさらに含むことができる。
【0078】
より詳しくは、回動調整部250、350は、
図5に示すように、ティルティングユニット100の構成のうちローテーティング支持ブロック110の設置空間に設けられて、ローテーションユニット200のローテーティング回動を操作するローテーティング回動調整ギヤセット250と、結合ユニット30の構成のうちティルティング支持ブロック31の設置空間に設けられて、ティルティングユニット100のティルティング回動を操作するティルティング回動調整ギヤセット350とを含むことができる。
【0079】
本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置では、
図5に示すように、ローテーションユニット200およびティルティングユニット100の各回動を操作できるローテーティング回動調整ギヤセット250とティルティング回動調整ギヤセット350がすべて備えられたものとして開示しているが、必ずしもすべて備えられるべきではない。仮に、後述する本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置(
図6および
図7参照)のように、ティルティングユニット100のティルティング回動動作のみを操作するティルティング回動調整ギヤセット350だけが備えられることも可能であることは当然である。これについては、後でより詳しく説明する。
【0080】
ローテーティング回動調整ギヤセット250とティルティング回動調整ギヤセット350は、後述のように、その構成は同一であるので、以下、ローテーション回動調整ギヤセット250のみを代表的に説明し、ティルティング回動調整ギヤセット350の説明は、それぞれ対応する当該構成の説明に代えて省略することとする。
【0081】
ローテーション回動調整ギヤセット250は、
図5に示すように、ローテーティング支持ブロック110の設置空間の内部を遮蔽するティルティングカバーハウジング232を介在して設けられる。
【0082】
より詳しくは、ティルティングカバーハウジング232に固定されたウォームギヤブラケット256に設けられたウォームギヤ252と、ウォームギヤ252と噛合するように備えられたウォームホイールギヤ253とを含む。ここで、ウォームホイールギヤ253は、ローテーティング軸227と軸結合されて、ウォームホイールギヤ253がウォームギヤ252によって噛合して回転すると、ローテーティング軸227が回動しながらローテーションユニット200を左右方向にローテーティング回動させるのである。
【0083】
一方、ウォームギヤ252の軸方向外側(すなわち、ローテーティング支持ブロック110の外側)には、ウォームギヤ252と軸結合されるキャップ軸303aが備えられたローテーティング調節キャップ303が結合可能である。
【0084】
したがって、作業者は、ローテーティング調節キャップ303を介して外部から手動操作することにより、順次にウォームギヤ252およびウォームホイールギヤ253を介してローテーションユニット200を手動でローテーティング回動動作させることができる。すなわち、ローテーティング調節キャップ303は、ティルティングユニット100の設置空間に備えられたローテーティング回動調整ギヤセット250の電気的な駆動が難しい場合、作業者が手動でアンテナ機器Aの方向性を調節するためのものである。
【0085】
次に、ティルティング回動調整ギヤセット350は、ティルティング軸127とウォームホイールギヤ353とが連結されることを除けば、すべての構成は同一であるので、その具体的な説明は関連図面(
図5)に代える。ただし、ティルティング回動調整ギヤセット350は、ウォームギヤ352の一端と他端側にそれぞれティルティング調節キャップ301、302がキャップ軸302aを介在して軸連結される点で異なる。
【0086】
図6は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例を示す斜視図であり、
図7は、
図6の分解斜視図である。
【0087】
図4および
図5を通して説明した本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置は、結合ユニット30にティルティングユニット100が結合され、ティルティングユニット100にローテーションユニット200が結合され、ローテーションユニット200にアンテナ機器Aが装着される実施例として説明したのである。
【0088】
しかし、後述する本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例は、
図6および
図7に示すように、結合ユニット30の前端にローテーションユニット200が左右方向にローテーティング回動可能に設けられ、ローテーションユニット200の前端にティルティングユニット100が上下方向にティルティング回動可能に設けられ、ティルティングユニット100にアンテナ機器Aが設置されるボルトフランジ112のボルティング締結ホール113に装着される。
【0089】
ティルティングおよびローテーティング動作は、アンテナ機器Aが設置された位置を中心として上下方向に回動する場合に「ティルティング」と定義し、アンテナ機器Aが設置された位置を中心として左右方向に回動する場合に「ローテーティング」と定義される、結果による差異に過ぎないので、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置10’は、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置10を90度方向に回転させた実施例の差異に過ぎない。
【0090】
ただし、上述のように、回動調整部は、ティルティングユニット100とローテーションユニット200のすべてに備えられなければならないわけではなく、
図7に示すように、ティルティングユニット100にのみティルティング回動調整ギヤセット350が備えられることも可能である。
【0091】
ティルティング回動調整ギヤセット350の具体的な構成および結合関係については、先に説明した本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置10の構成のうちティルティング回動調整ギヤセット350の説明に代える。
【0092】
このように、回動調整部がティルティングユニット100にのみ備えられる理由は、アンテナ機器A自体の重量に加えて、風などが吹く外部にアンテナ機器Aが設置される結果、外部から伝達される微振動によってティルティングユニット100の上下の任意ティルティングがより憂慮される点からである。すなわち、ローテーションユニット200の場合、アンテナ機器Aの自重の影響は減るので、ティルティングユニット100に比べて任意回動の余地が減少するからである。
【0093】
ここで、ティルティング回動調整ギヤセット250は、単純にティルティングユニット100をティルティング回動操作するための機能からより進んで、ウォームギヤ252およびウォームホイールギヤ253の噛合による微振動による任意回動を防止する回動防止部としての付加的機能も行うのである。これは、後述する
図8~
図10Bを参照して説明される本発明のさらに他の実施例によるアンテナ用クランピング装置において、別の回動防止部といった構成の追加という新たな形態で実現されることからより容易に理解できる。
【0094】
図8は、本発明によるアンテナ用クランピング装置のさらに他の実施例を示す斜視図であり、
図9Aおよび
図9Bは、
図8の簡略分解斜視図および詳細分解斜視図であり、
図10Aおよび
図10Bは、
図8のローテーティング回動調整ギヤセットおよびティルティング回動調整ギヤセットの他の例を示す分解斜視図である。
【0095】
本発明によるアンテナ用クランピング装置10”のさらに他の実施例は、
図8~
図9Bに示すように、結合ユニット30を介在して左右方向にローテーティング回動可能に結合されたローテーションユニット200と、ローテーションユニット200に上下方向にティルティング回動可能に結合されたティルティングユニット100とを含む。
【0096】
ここで、本発明によるアンテナ用クランピング装置10”のさらに他の実施例は、
図8~
図9Bに示すように、回動調整部として、ローテーティング回動調整ギヤセット350およびティルティング回動調整ギヤセット250を含み、回動調整部250、350は、いずれも電気的に駆動される回動モータ251、351によって自動駆動される。
【0097】
これとともに、本発明のさらに他の実施例によるアンテナ用クランピング装置10”は、
図9Aおよび
図9Bに示すように、ローテーションユニット200およびティルティングユニット100の少なくともいずれか1つに備えられ、外力による振動または衝撃による角度変更を防止する回動防止部270、370をさらに含むことができる。
【0098】
ここで、ローテーティング回動調整ギヤセット350およびティルティング回動調整ギヤセット250は、
図9Aおよび
図9Bに示すように、ウォームギヤ252、352と軸結合される少なくとも1つの回動モータ251、351によって自動駆動されることができる。
【0099】
より詳しくは、ローテーティング回動調整ギヤセット350は、
図9Bに示すように、ローテーティング回動モータ351と、ローテーティング回動モータ351によって軸回動するウォームギヤ352と、ウォームギヤ352と噛合するように備えられたウォームホイールギヤ353と、ウォームホイールギヤ353が軸結合されるローテーティングシャフト359とを含むことができる。
【0100】
ここで、ローテーティングシャフト359の先端には、ローテーションユニット200のローテーティング軸221が軸結合される軸ホール359aが形成され、軸ホール359aにローテーティング軸221が嵌合されて連動回動できる。
【0101】
ローテーティング回動調整ギヤセット350は、ローテーティング回動モータ351が回転駆動される方向による、ウォームギヤ352およびウォームホイールギヤ353の噛合回動によってローテーティングシャフト359を回動させる動作でこれに連結されたローテーティング軸221を自動回動させることにより、ローテーションユニット200を左右方向にローテーティング回動させることができる。
【0102】
一方、ティルティング回動調整ギヤセット250は、ローテーティング回動調整ギヤセット350と軸結合されるティルティング軸111のみが異なるだけで、すべてローテーティング回動調整ギヤセット350と同一の構成および結合関係を有するので、その具体的な説明は省略する。
【0103】
回動防止部270、370は、本発明の一実施例10および他の実施例10’で説明したように、ローテーションユニット200のローテーティング面に備えられたローテーティングブレーキワッシャパッドまたはティルティングユニット100のティルティング面に備えられたティルティングブレーキワッシャパッド129で備えられる。
【0104】
しかし、本発明のさらに他の実施例10”では、回動防止部270、370が、ローテーティング軸221またはティルティング軸111を相互連結するローテーティングシャフト359およびティルティングシャフト259上に介在しかつ、軸回動可能に備えられた一対のローテーティングブレーキワッシャパッド374または前記一対のティルティングブレーキワッシャパッド274を相互密着または離脱させる回動防止ギヤ373、273で備えられる。
【0105】
それぞれの回動防止ギヤ373、273は、結合ユニット30およびローテーションユニット200の内部に備えられた回動防止モータ371、271によって駆動できる。
【0106】
ここで、回動防止モータ371、271は、
図9Aおよび
図9Bに示すように、直接モータ軸に結合されて軸回転する平ギヤ372a、272a(平ギヤはモータボックスの内部に備えられるので、別途に示さず、点線指示線で表示する)と回動防止ギヤ373、273とが直接噛合するように備えられる。
【0107】
このように、回動防止部370、270は、ティルティングユニット100の場合、一対のティルティングブレーキワッシャパッド274の相互摩擦力を利用するか、ローテーティングユニット200の場合、一対のローテーティングブレーキワッシャパッド374の相互摩擦力を利用して、ティルティングシャフト259およびローテーティングシャフト359が任意回動しないようにすることで、外部環境による微振動でティルティングユニット100およびローテーティングユニット200が損傷するのを防止することができる。
【0108】
より詳しくは、ティルティングユニット100の場合、回動防止部270の回動防止モータ371が電気的に駆動されると、モータボックス内に備えられた平ギヤ372aが回転しながら、これと噛合した回動防止ギヤ273を回転させ、回動防止ギヤ273がティルティングシャフト259上で回転しながら一対のティルティングブレーキワッシャパッド274を相互密着させて所定の摩擦力を生成させる。このような摩擦力が発生した状態では、外部から微振動が伝達されてもティルティング回動調整ギヤセット250のギヤ噛合を持続的に維持しながら任意ティルティングを防止することができる。
【0109】
ローテーションユニット200の場合にも同じく、回動防止部370を用いてティルティングユニット100と同一の機能を行うことができる。その具体的な説明は、ティルティングユニット100の回動防止部270の説明に代えることとする。
【0110】
【0111】
本実施例による回動防止部270、370は、
図10Aおよび
図10Bに示すように、モータボックスの内部に備えられたモータ軸(図示せず)にウォームギヤ272、372が結合され、ウォームギヤ272、372と回動防止ギヤ273、373との間にスパーギヤ276、376が位置して、伝達ギヤの役割をするように備えられる。
【0112】
スパーギヤ276、376は、ウォームギヤ272、372に噛合する第1ギヤ部278、378と、回動防止ギヤ273、373と噛合する第2ギヤ部277、377とを含むことができる。
【0113】
本実施例の場合、既存の
図9Aおよび
図9Bに示された平ギヤ272a、372aのみ存在する場合より、ウォームギヤ272、372およびスパーギヤ276、376の構造変更によって、ローテーションユニット200および結合ユニット30内の設置空間の設計自由度を増進させることができる。例えば、ウォームギヤ272、372が備えられていない
図9Aおよび
図9Bの実施例の場合、回動防止モータ271、371の回転軸が必ずしも平ギヤ272a、372aの回転軸と同軸で設計されなければならないが、
図10Aおよび
図10Bのようにウォームギヤ272、372に代替された場合には、ウォームギヤ272、372がスパーギヤ276、376に噛合する限度でウォームギヤ272、372の長さを調節して適用することにより、回動防止モータ271、371の固定位置に対する設計自由度を増進させることができる。
【0114】
一方、
図10Bに示すように、別のウォームギヤ272、372が備えられていない場合には、上述のようにモータボックス内の平ギヤ272a、372aと噛合すると同時に、回動防止ギヤ273、373と噛合する2段伝達ギヤ276、376で備えられて、回動防止モータ271、371の回転駆動力が平ギヤ272a、372aおよび2段伝達ギヤ276、376を介在して回動防止ギヤ273、373に伝達されるように備えられることも可能である。
【0115】
本実施例による回動防止部270、370も、回動防止ギヤ273、373が回動防止モータ271、371によって駆動回転すると、一対のローテーティングブレーキワッシャパッド374または前記一対のティルティングブレーキワッシャパッド274が相互密着しながら摩擦力が増加し、これによって外力による任意回動が防止できる。
【0116】
一方、
図8~
図10Bを参照して説明された本発明のさらに他の実施例によるアンテナ用クランピング装置10”において、それぞれの回動調整部250、350および回動防止部270、370は、回動モータ251、351および回動防止モータ271、371の電気的な駆動が必要なため、結合ユニット30とローテーションユニット200は相互電気的なワイヤの連結が必要である。このために、ローテーションユニット200の下端部にはワイヤ保護ケース223が別途に備えられ、ワイヤ保護ケース223に形成された電線結合ホール224を介してローテーションユニット200および結合ユニット30の電気的なワイヤの連結が可能である。
【0117】
未説明の図面符号260および360は、それぞれティルティング軸111およびローテーティング軸221を中心として回転するティルティングシャフト259およびローテーティングシャフト359の回転を支持する回転支持ベアリングである。
【0118】
一方、
図8に示すような、本発明によるアンテナ用クランピング装置のさらに他の実施例10”は、ローテーティング回動調整ギヤセット350およびティルティング回動調整ギヤセット250がそれぞれの回動モータ351、251による駆動が難しい場合(例えば、ワイヤの断線または回動モータ351、251の故障など)、手動操作が可能となるようにエマージェンシーホールE1、E2がさらに備えられる。
【0119】
エマージェンシーホールE1、E2は、結合ユニット30に備えられたローテーティング回動調整ギヤセット350のウォームギヤ352の軸端に形成されたツール固定溝352aに所定のツール(tool)が貫通結合されるように備えられたローテーティングエマージェンシーホールE1と、ローテーションユニット200に備えられたティルティング回動調整ギヤセット250のウォームギヤ252の軸端に形成されたツール固定溝252aに上述したツールが貫通結合されるように備えられたティルティングエマージェンシーホールE2とを含むことができる。
【0120】
これとともに、図示しないが、回動防止部270、370の構成のうちウォームギヤ272、372が備えられた実施例では、一対のローテーティングブレーキワッシャパッド374または一対のティルティングブレーキワッシャパッド274による相互摩擦力を解除するためのエマージェンシーホールが備えられることも可能である。
【0121】
ここでのツール(tool)は、
図4および
図5に示すような、ティルティング調節キャップ301、302またはローテーティング調節キャップ303と同一の構成であって、作業者が容易に携帯するように備えられたものと定義することができる。
【0122】
【0123】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例乃至さらに他の実施例10、10’、10”は、
図11~
図13に示すように、上述した回動防止部270、370の代替構成として、ダンピング部370’をさらに含むことができる。
【0124】
例えば、
図11~
図13に示すように、回動調整部250、350の構成のうちティルティング回動調整ギヤセット350のウォームギヤ352とウォームホイールギヤ353は、その構造上直交する軸が相互噛合する構造であって、外部環境による微振動が伝達される場合、各軸に所定距離遊びが生じることでギヤ噛合が解除されて、任意ティルティング回動が発生する恐れがある。これを防止するための構成として、上述したギヤ噛合構造による回動防止部270、370が提案されたのであるが、本実施例では、より簡明な構造の回動防止部270、370を代替できるダンピング部370’を開示する。
【0125】
より詳しくは、本実施例におけるダンピング部370’は、ローテーションユニット200、ティルティングユニット100および結合ユニット30の各外観を形成するローテーティングハウジング231、ティルティングハウジング131および結合ハウジング331の少なくともいずれか1つの内部に配置される。
【0126】
本実施例では、ティルティングユニット100の任意回動を防止するためのものとして、ダンピング部370’がティルティングユニット100のティルティング回動調整ギヤセット350が内蔵された結合ユニット30の結合ハウジング331の内部に備えられたことを前提に説明する。
【0127】
結合ハウジング331の内部には、
図11および
図12に示すように、ティルティング回動調整ギヤセット350のウォームギヤ352が設けられる設置ブラケット340の外側部に付着して、結合ハウジング331の内側面の一部に両端部が密着して設置ブラケット340のすべてをウォームホイールギヤ353側に弾性支持する板スプリング形態で備えられる。
【0128】
より詳しくは、ダンピング部370’は、設置ブラケット340の外側端に固定される固定面370aと、固定面370aから外側に所定角度折曲げられた折曲面370bと、折曲面370bから延び、結合ハウジング331の内側面の一部に接する弾性支持面370cとを含むことができる。
【0129】
固定面370aと折曲面370bは、相互鈍角を形成するように折曲げられるとともに、固定面370aの両端にそれぞれ折曲面370bが対称に備えられる。また、折曲面370bから延びた弾性支持面370cは、結合ハウジング331の接する内側面の一部に対応する角度に折曲形成されることが好ましい。
【0130】
このように、板スプリング形態のダンピング部370’は、持続的に設置ブラケット340をウォームホイールギヤ353側に密着させることにより、ウォームギヤ352とウォームホイールギヤ353との噛合が任意に解除されないようにして、上述した微振動による遊び現象を防止することができる。
【0131】
以上、本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した一実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然であろう。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、空間の制約が多い単一支柱ポールに対する設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供する。
【符号の説明】
【0133】
1:支柱ポール
3:複数の支持棒
5:サポーティングブロック
10、10’、10”:クランピング部
30:結合ユニット
100:ティルティングユニット
200:ローテーションユニット
250:ローテーティング回動調整ギヤセット
350:ティルティング回動調整ギヤセット
1100:アームユニット