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特許7285385法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/02 20060101AFI20230525BHJP
   E02D 17/20 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
E02D29/02 301
E02D17/20 103H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023028120
(22)【出願日】2023-02-27
【審査請求日】2023-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029012
【氏名又は名称】株式会社エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100124316
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】加来 哲也
(72)【発明者】
【氏名】早川 道洋
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6746264(JP,B1)
【文献】特許第7194853(JP,B1)
【文献】特開平07-090827(JP,A)
【文献】特開平06-057756(JP,A)
【文献】特開平07-034464(JP,A)
【文献】特許第7234438(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
E02D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面の上部に、軸方向を前記法面の上部に沿った方向に向けて配置され、前記法面に設置される墨出しブロックと、この墨出しブロックの下方に配置されて前記墨出しブロック支持される擁壁パネルとを備える法面安定化擁壁において、
前記墨出しブロックの背面に接合され、前記墨出しブロックに一体化する保持プレートと、この保持プレートの下方に配置され、下端部が前記擁壁パネルの下端の下方の地山に形成された支持面に支持され、前記保持プレートが一体化した前記墨出しブロックを前記擁壁パネルと共に前記支持面に支持させる支柱とを備え、
前記保持プレートの背面側に前記法面に接触し得る調整プレートが、前記保持プレートの前記背面からの距離の調整と、前記保持プレートの前記背面との角度の調整が自在に接続されていることを特徴とする法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置。
【請求項2】
前記支柱は前記支持面から前記保持プレートまでに到達する長さを持ち、前記保持プレートは、前記支柱に支持、もしくは保持される被支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置。
【請求項3】
前記支柱の下端部に前記支柱の高さを調整する昇降装置が着脱自在に接続されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は法面に沿って配列し、法面安定化の目的を持つ擁壁を構成する擁壁パネルを設置完了までの間、擁壁パネルに先行して法面に固定される墨出しブロックに仮支持させる場合に、法面と墨出しブロック背面との距離等の影響を受けずに墨出しブロックを法面に固定するために使用される、法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地山への掘削(切土)により形成された法面を崩落に対して安定化させる目的で、法面に沿って擁壁パネルを高さ方向に配列させて擁壁を構築する場合に、最上段に設置されるべき擁壁パネルの位置が決まっているような場合、擁壁パネルは上段側から下段側へ向かって設置されていくことになる。この場合、法面に最初に設置される最上段の擁壁パネルは切土される前の地山に支持されながら、法面に設置され、支持される。
【0003】
この方法で、ある段の擁壁パネルを法面に設置するときに、その擁壁パネルを上段側の擁壁パネルに支持させることができなければ、擁壁パネルはその下端において地山に支持されることになる。この関係で、設置すべき擁壁パネルの下端が位置する箇所の地山を残し、地山に水平面等の支持面を形成しながら、地山を掘削することが必要になる(特許文献1~特許文献5参照)。
【0004】
これらの方法に対し、下段側の擁壁パネルを上段側の擁壁パネルに支持させながら、擁壁パネルを下向きに設置していくことを可能にする法面安定化擁壁の構築方法を出願人は先に提案している(特許文献6参照)。
【0005】
この方法では法面の上部に、直下に配置される擁壁パネルを支持する能力を持つ墨出しブロックを擁壁パネルに先行して固定し、墨出しブロックに擁壁パネルを係合させることで、擁壁パネルを墨出しブロックに支持させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-34464号公報(請求項1、段落0005~0018、図6図8
【文献】特開2010-106433号公報(段落0020、図4図8
【文献】特開2012-246706号公報(請求項1、段落0012~0016、図2図5
【文献】特開2014-109189号公報(請求項1、段落0002~0006、図1図2
【文献】特開2015-1084号公報(図1図5
【文献】特許第6746264号公報(請求項1、段落0009~0036、図1図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
但し、擁壁パネルに先行して法面に固定される墨出しブロックを法面に固定する際に、法面から墨出しブロックまでの距離と法面の傾斜角度が墨出しブロックの設置箇所毎に相違することがあるため、墨出しブロックの設置に先立ち、法面を整形(整地)することが必要になることもある。
【0008】
本発明は上記背景より、上記した墨出しブロックに擁壁パネルを支持させながら、擁壁パネルを法面に設置する場合に、法面への整形を不要にするか、簡略化させることを可能にする擁壁パネルの支持装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明の法面安定化擁壁における擁壁パネルの支持装置は、法面の上部に、軸方向を前記法面の上部に沿った方向に向けて配置され、前記法面に設置される墨出しブロックと、この墨出しブロックの下方に配置されて前記墨出しブロックに支持される擁壁パネルとを備える法面安定化擁壁において、
前記墨出しブロックの背面に接合され、前記墨出しブロックに一体化する保持プレートと、この保持プレートの下方に配置され、下端部が前記擁壁パネルの下端の下方の地山に形成された支持面に支持され、前記保持プレートが一体化した前記墨出しブロックを前記擁壁パネルと共に前記支持面に支持させる支柱とを備え、
前記保持プレートの背面側に前記法面に接触し得る調整プレートが、前記保持プレートの前記背面からの距離の調整と、前記保持プレートの前記背面との角度の調整が自在に接続されていることを構成要件とする。
【0010】
「法面の上部に沿った方向」とは、擁壁パネル6が長さ方向に配列する場合の長さ方向であり、主に水平方向であるが、水平に対して傾斜した方向であることもある。「法面の上部」は基本的に図8に示す法面10の最上部の縦断面上、隅角部となった部分を指す。擁壁パネル6の長さ方向(法面10の上部に沿った方向)は墨出しブロック5の軸方向である。この水平方向等に軸方向を向けて墨出しブロック5が法面10に配置される。擁壁パネル6の幅方向は法面10に沿った高さ方向になる。
【0011】
墨出しブロック5は本来、その背面側から突出する定着具(アンカー)が地山中に埋設(定着)されることで、法面10に固定される(特許文献6)。但し、本発明では定着具のみによって墨出しブロック5を法面10に固定することが難しい状況の場合に、支持装置1が定着具に代わって墨出しブロック5を支持面11にされた支持装置1が仮支持する役目を果たすため、必ずしも定着具は使用されない。
【0012】
擁壁パネル6は墨出しブロック5には基本的にそれぞれの対向する面に形成される凸部62と凹部54、及び凹部61と凸部53が対向する方向に互いに嵌合し、擁壁パネル6が墨出しブロック5に下向きに係合することで、支持される(特許文献6)。本発明では墨出しブロック5は支持面11に支持される支持装置1に支持される。擁壁パネル6は、図10に示すように擁壁パネル6を厚さ方向に貫通する補強材8が地山中に形成される削孔中に挿入され、グラウト材中に埋設されて定着されることで、法面10に固定された状態を永続的に維持する。
【0013】
請求項1における「墨出しブロックに支持される擁壁パネル」とは、本発明では上記のように擁壁パネル6が墨出しブロック5と支持装置1に支持されることを言う。但し、墨出しブロック5は支持装置1を介して支持面11に支持され、擁壁パネル6は図9図10に示すように支持装置1に支持された墨出しブロック5に支持されるため、擁壁パネル6は墨出しブロック5を通じ、支持装置1を介して支持面11に支持されることになる。
【0014】
補強材8の地山中への挿入後には、擁壁パネル6はグラウト材中に定着された補強材8により地山(法面10)に固定され、支持される。支持装置1に支持されていた墨出しブロック5は、地山に固定された擁壁パネル6の背面と法面10との間に充填される充填材に支持される状態になるため、補強材8の地山中への挿入後には、墨出しブロック5を支持していた支持装置1(支柱3)の役目は終える。補強材8による擁壁パネル6の法面10への固定と擁壁パネル6の背面への充填材の充填後に墨出しブロック5は法面10に固定される。
【0015】
図8図9に示すように法面10に先行して設置され、支持装置1に支持される墨出しブロック5と、これに直接、支持される1段目(最上段)の擁壁パネル6を設置するために地山は掘削される。このときに形成された法面10に墨出しブロック5と1段目の擁壁パネル6が設置され、支持装置1に支持される。法面10(擁壁パネル6)の下には未掘削の地山が残されている。この法面10下の地山の上面が支持面11になる。(法面安定化)擁壁1は最小では1本の墨出しブロック5とこの墨出しブロック5に支持される1枚の擁壁パネル6とで成立する。
【0016】
「墨出しブロックの背面に接合され、墨出しブロックに一体化する保持プレート」とは、墨出しブロック5の法面側の面に保持プレート2が直接、もしくは間接的に重なって図5に示すボルト等の連結具21により接合され、墨出しブロック5の一部になることを言う。保持プレート2は墨出しブロック5の一部になることで、墨出しブロック5が法面10に固定されたときに法面10に固定される。保持プレート2と後述の支柱3には主に鋼材が使用されるが、特に材料は問われない。
【0017】
保持プレート2の下方には、擁壁パネル6の下端の下方の地山に形成された上記支持面11に支持される支柱3が配置され、支柱3に保持プレート2が支持される。「擁壁パネルの下端の下方の地山に形成された支持面」とは、墨出しブロック5と支持装置1に支持された擁壁パネル6の下端の位置より下方に支持面11が形成されることを言う。支柱3の下端はこの支持面11に直接、もしくは間接的に接触し、支持面11(地山)に支持される。
【0018】
支柱3は保持プレート2の下方に配置され、何らかの形で保持プレート2を支持できればよく、保持プレート2が直接、または保持プレート2が一体化した墨出しブロック5が支柱3の上端に載置されることで、保持プレート2が支柱3に支持される。墨出しブロック5と擁壁パネル6の法面10への固定後には、擁壁パネル6の背面側に充填される充填材中に保持プレート2と共に埋設(埋殺し)されることもあるため、支柱3は保持プレート2に接合(固定)されることもある。
【0019】
この他、例えば保持プレート2の、墨出しブロック5との接触箇所以外の位置に、支柱3に支持、もしくは保持される被支持部22が接続されるか一体化し、この被支持部22が支柱3に支持されることで、保持プレート2が一体化した墨出しブロック5を支持面11に支持させることもある(請求項2)。「被支持部22が支柱3に支持される」とは、被支持部22が支柱3に直接、もしくは間接的に支持されることを言い、「支柱に保持」とは、被支持部22が支柱3に保持、または把持されて支持されることを言う。「間接的に支持」とは、被支持部22が一体化した保持プレート2が、または保持プレート2が一体化した墨出しブロック5が支柱3に支持されることを言う。
【0020】
この場合、支柱3は支持面11から保持プレート2までに到達する長さを持ち(請求項2)、被支持部22は支柱3には、支持等された状態で支柱3から離脱しないように支持等されればよい。例えば支柱3が中空材であれば、図1図8に示すように被支持部22が支柱3の内部に挿入されながら、被支持部22か保持プレート2等が支柱3の上端に下向きに係止する形状に形成される。被支持部22が支柱3の内部に挿入される場合、保持プレート2は支柱3からの抜け出しに対して安定する。
【0021】
「保持プレートの背面側に法面に接触し得る調整プレートが接続され」とは、保持プレート2の法面10側に調整プレート4が、調整プレート4の法面10側の面が法面10に接触可能な状態に接続されることを言う。「接触」は調整プレート4の全面が法面10に接触する場合と一部が接触する場合がある。
【0022】
「保持プレートの背面からの距離の調整と、背面との角度の調整が自在」とは、保持プレート2の背面から法面10(調整プレート4)までの距離の調整と、保持プレート2の背面と、調整プレート4の保持プレート2側の面とのなす角度の調整が自在な状態に調整プレート4が保持プレート2に接続されることを言う。調整プレート4が接続される保持プレート2は墨出しブロック5に一体化するため、調整プレート4は間接的に墨出しブロック5に接続される。
【0023】
「保持プレートの背面から法面までの距離の調整」は例えば図2-(a)、(c)に示すように保持プレート2の背面側に突設されたボルト41等の調整プレート4への螺合位置等、接続位置を調整することで可能になる。「角度の調整」は例えば調整プレート4に形成される、ボルト41用の挿通孔をボルト41の径より大きくする等により調整プレート4をボルト41に対して任意の方向に回転自在に連結されることで可能になる。「ボルト41等」とは、ボルト41以外のピン等を含む趣旨である。
【0024】
以上のように支柱3が、墨出しブロック5に一体化した保持プレート2を支持しながら、墨出しブロック5の荷重を支柱3の下端を通じて支持面11に支持させることで、墨出しブロック5自体は法面10に固定される必要がなくなる。
【0025】
また墨出しブロック5に接続される調整プレート4が、保持プレート2の背面からの距離の調整と、背面との角度の調整が自在に保持プレート2に接続されることで、墨出しブロック5を直接、法面10に固定する場合のように、墨出しブロック5の背面を法面10に密着させるための、法面10への整形作業が不要になり、その分、墨出しブロック5と擁壁パネル6の設置に要する時間が短縮される。
【0026】
支柱3の支持面11上への設置に当たり、例えば擁壁パネル6の下端より下方の支持面11の形成時に、施工誤差が生じた場合のように、支柱3の下端と支持面11との間の距離の調整が必要な場合には、支柱3の下端部に支柱3の高さを調整する昇降装置30が着脱自在に接続される(請求項3)。「支柱の高さ」は支持面11からの支柱3の設置高さ、あるいは支持面11から支柱3の上端部までの高さを言い、この高さの調整により支持面11から墨出しブロック5の設置位置までの位置が調整される。
【0027】
昇降装置30は例えば図1図8に示すように支持面11に接触するベースプレート34と、これに接続され、支柱3の下端部に接続される軸部31を有し、支持面11が水平面でなくとも、ベースプレート34の底面が支持面11に面接触できるよう、軸部31はベースプレート34に対して任意の方向に回転自在に(自在継手で)連結される。
【0028】
昇降装置30は例えば筒状の支柱3の内部に挿入可能な、外周面に雄ねじが形成された鋼棒等、鋼材の軸部31と、この雄ねじに螺入するハンドル33付きのナット32から構成され、ハンドル33(ナット32)の軸部31の軸(中心)回りの回転に伴い、ハンドル33が軸部31に対して昇降し、それに応じ、ハンドル33かナット32に支持された支柱2が昇降することで、支柱3の高さが調整される。
【発明の効果】
【0029】
支持装置は墨出しブロックの背面に接合されて一体化する保持プレートと、この下方に配置され、下端部が擁壁パネルの下方の地山に形成された支持面に支持され、墨出しブロックを支持面に支持させる支柱とを備え、支柱が墨出しブロックに一体化した保持プレートを支持しながら、墨出しブロックの荷重を支柱の下端を通じて支持面に支持させるため、墨出しブロック自体を法面に固定する必要がなくなる。
【0030】
また保持プレートの背面側に法面に接触し得る調整プレートを、保持プレートの背面からの距離の調整と、背面との角度の調整が自在に接続しているため、墨出しブロックを直接、法面に固定する場合のように、墨出しブロックの背面を法面に密着させるための、法面への整形が不要になり、その分、墨出しブロックと擁壁パネルの設置に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】(a)は支持装置と墨出しブロック及び擁壁パネルの関係を示した立面図、(b)は(a)のx-x線断面図である。
図2】(a)は支持装置を構成する保持プレートを含む保持部材の製作例を示した平面図、(b)は(a)の立面図、(c)は(b)の側面図である。
図3】(a)は図2に示す保持部材の内の保持プレートの製作例を示した立面図、(b)は(a)の側面図である。
図4】(a)は保持プレートに接続される調整プレートの製作例を示した立面図、(b)は保持プレートの調整プレート側に固定され、支柱内に挿入される被支持部を示した立面図、(c)は保持プレートを墨出しブロックに接合するためのボルトを受けるナットを示した立面図である。
図5】(a)は支持装置の保持部材を墨出しブロックの背面に接合した様子を示した平面図、(b)は(a)の立面図、(c)は(b)のx-x線断面図である。
図6】(a)は図1に示す墨出しブロックの表面側を示した斜視図、(b)は(a)の墨出しブロックの背面側(法面側)を示した斜視図である。
図7】(a)は擁壁パネルの製作例を示した立面図であり、中心線の左側が表面側を、右側が背面側(法面側)を示している。(b)は(a)のx-x線断面図、(c)は(a)の平面図である。
図8】支持装置を用いて墨出しブロックを支持面に支持させ、法面に墨出しブロックを仮固定したときの様子を示した縦断面図である。
図9図8の次の工程として墨出しブロックに擁壁パネルを仮支持させたときの様子を示した縦断面図である。
図10図9の次の工程として擁壁パネルの下端部の位置を調整したときの様子を示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1図8に示す法面10の上部に、軸方向を法面10の上部に沿った方向に向けて配置され、法面10に設置される墨出しブロック5と、墨出しブロック5の下方に配置されて墨出しブロック5に支持される擁壁パネル6を備える図10に示す法面安定化擁壁(擁壁)12において、墨出しブロック5を擁壁パネル6と共に、擁壁パネル6下方の地山に形成された支持面11に支持させる支持装置1の構成例を示す。
【0033】
支持装置1は墨出しブロック5の背面に接合され、墨出しブロック5に一体化する保持プレート2と、保持プレート2の下方に配置され、下端部が擁壁パネル6の下端の下方の地山に形成された支持面11に支持され、保持プレート2が一体化した墨出しブロック5を擁壁パネル6と共に支持面11に支持させる支柱3とを備え、保持プレート2の背面側に、法面10に接触し得る図4-(a)に示す調整プレート4が接続されている。
【0034】
保持プレート2は墨出しブロック5と接合される前に、図2に示すように保持プレート2と調整プレート4を有する保持部材20として製作される。保持部材20は平板状の保持プレート2の背面(法面10)側に調整プレート4が接続され、支柱3内に挿入される等により支柱3に支持される図4-(b)に示す被支持部22が接合された状態で製作される。被支持部22は支柱3に接続されることもある。
【0035】
墨出しブロック5の軸方向の長さは、墨出しブロック5の下方に支持される1枚の擁壁パネル6の長さと等しいか、それ以上の長さを持つ。墨出しブロック5は1枚以上の擁壁パネル6の設置時の位置決めの基準になり、主に直下の擁壁パネル6を仮支持する役目を持つ。保持部材20を墨出しブロック5に組み合わせた様子を図5に示すが、図5中、二点鎖線は墨出しブロック5が実線で示す通常長さの1.5倍の長さを持つ場合の状況を示している。
【0036】
墨出しブロック5に重なる保持プレート2には、図2-(b)に示すように保持プレート2自身を墨出しブロック5に接合するための図5に示すボルトやピン等の連結具21が挿通する挿通孔2aが軸方向に適度の間隔を置いて形成され、この挿通孔2aに対応した墨出しブロック5の位置に連結具21が挿通するか、螺合する挿通孔5aが形成される。図面では連結具21としてボルトを使用した場合の例を示している。
【0037】
図面ではまた、図5に示すように墨出しブロック5の各挿通孔5aに対応した位置の上面側から高さ方向に縦溝51を形成し、この縦溝51の深さ方向の一部に、墨出しブロック5を貫通する挿通孔5aを形成している。縦溝51には墨出しブロック5の、法面10の反対側の表面側から縦溝51の内周面に適合した形状の、図4-(c)に示すフラットバー状のナット52が挿入され、ナット52に上記ボルト等の連結具21が螺合等する。
【0038】
図5-(a)に示すように挿通孔2aに法面10側から挿通する連結具(ボルト)21が墨出しブロック5の挿通孔5aを挿通し、縦溝51内のナット52に螺合等することで、保持プレート2(保持部材20)が墨出しブロック5に接合される。
【0039】
図6に示すように墨出しブロック5の表面側の下方側には、表面側が凸となった、擁壁パネル6を擁壁パネル6の設置時に仮受け(仮支持)するための凸部53が形成される。凸部53は墨出しブロック5の軸方向に連続して、または断続的に形成される。墨出しブロック5は図8に示すように擁壁12を構成する擁壁パネル6に先行して法面10に設置される。図5に実線で示す墨出しブロック2の表面をやや斜め上方から見た様子を図6-(a)に、背面をやや斜め上方から見た様子を図6-(b)に示す。
【0040】
墨出しブロック5の表面側に凸部53が形成されることで、凸部53の上方には相対的な凹部54が形成される。墨出しブロック5を軸方向に見たときの縦断面上、凸部53と凹部54の断面形状は任意であるが、後述の擁壁パネル6の凸部62が墨出しブロック5の凸部53に下向きに係合したときに、凸部62が凹部54に、擁壁パネル6の凹部61が凸部53に擁壁パネル6の厚さ方向に嵌合するような、例えば多角形状、または曲面状に形成される。
【0041】
調整プレート4は図2に示すように保持プレート2の背面側である法面10側に溶接等により突設されたボルト41に、ボルト41の軸方向に移動自在に接続される。ボルト41は例えば保持プレート2の背面側に形成された、図3に示す定着孔2bに螺合するか、螺合して溶接される等により保持プレート2に固定され、背面側に突設される。
【0042】
ボルト41の軸部は調整プレート4の挿通孔を挿通し、調整プレート4を挟んだ両側において軸部にナット42、42が螺合することで、調整プレート4はボルト41の軸方向に自由に移動自在でありながら、ボルト41の軸方向の任意の位置で固定(拘束)可能になる。また調整プレート4の挿通孔がボルト41の軸部の径等の太さより大きく形成されることで、軸部に対する調整プレート4の軸回りの傾斜角度が自由に調整可能になる。保持プレート2は図1図5-(c)に示すように墨出しブロック5の法面10への設置前に墨出しブロック5に一体化した状態にある。なお、ボルト41の軸部(雄ねじ)が調整プレート4の挿通孔に螺合する場合には、ナット42は不要である。
【0043】
図2-(a)、(c)に示すようにボルト41の軸部は調整プレート4を貫通し、調整プレート4の背面から法面10側へ突出する。ボルト41は調整プレート4を貫通し、調整プレート4からの突出長さが調整された状態で、調整プレート4の両面側に配置されるナット42、42で調整プレート4に拘束される。
【0044】
保持プレート2の背面側には図2-(a)~(c)に示すように支柱3に直接、支持、もしくは保持される被支持部22が溶接等により接合されている。保持プレート2の表面は墨出しブロック5の背面に接触する関係で、被支持部22は保持プレート2の背面側に位置する。被支持部22の軸方向は実質的に支柱3の軸方向に一致させられる。
【0045】
被支持部22は支柱3に支持される形状であればよく、例えば支柱3が鋼管等の中空断面材であれば、被支持部22には支柱3内に挿入可能な、鉄筋やフラットバー等の棒状材が使用される。その場合、支柱3内に被支持部22が挿入され、保持プレート2、もしくは調整プレート4の下端、または保持プレート2が一体化した墨出しブロック5の下端が支柱3の上端に載置されることで、墨出しブロック5が保持部材20と共に支柱3に支持される。被支持部22は図2に示すように保持プレート2の長さ方向(軸方向)に間隔を置き、複数箇所、固定される。
【0046】
支柱3は保持プレート2の被支持部22を支持可能で、保持プレート2と共に墨出しブロック5を支持可能な構造と形状をしていればよいが、図面では単純な形状の鋼管を支柱3に使用している。この場合、支柱3は図1図8に示すように下端において擁壁パネル6下の支持面11に直接、もしくは間接的に支持され、上端から被支持部22が挿入されながら、上端において墨出しブロック5の下端が載置され、支持する。支柱3は被支持部22の配置位置に対応した位置に配置される。
【0047】
支持面11の施工状態に応じ、支柱3の下端のレベルの調整が必要な場合には、支柱3の下端部に、図1に示すように支持面11からの支柱3の高さを調整する昇降装置30が着脱自在に接続される。昇降装置30は例えばジャッキベース等、筒状の支柱3の内部に螺入可能な、外周面に雄ねじが形成された鋼棒等、鋼材の軸部31と、軸部31の雄ねじに螺入するハンドル33付きのナット32と、軸部31の下端に接続されるか、一体化するベースプレート34から構成される。軸部31の上部は支柱2内に単純に挿入されることもある。
【0048】
軸部31が支柱3に螺入する場合、ハンドル33(ナット32)の軸回りの回転に伴い、ハンドル33が軸部31に対して昇降し、それに応じ、ハンドル33かナット32に支持された支柱2が昇降する。昇降装置3は軸部31の下端に接続、または接合されたベースプレート34において支持面11上に載置される。
【0049】
ここで、図8図10に基づき、支持装置1による墨出しブロック5の支持面11への支持の作業手順を説明する。法面10に墨出しブロック5を設置するときには、図5に示すように墨出しブロック5の背面には、被支持部22が一体化した保持プレート2が予め接合されている。この時点で保持プレート2に対する調整プレート4の位置は調整されており、調整プレート4のボルト41に対する位置は両面側のナット42、42で拘束されている。図8図10では法面10に支柱3が接触しているように見えるが、支柱3は法面10に接触しないこともある。
【0050】
支柱3を支持すべき支持面11の形成後、図8に示すように支持面11上に昇降装置30が接続された支柱3を設置し、支柱3の上端のレベル、すなわち墨出しブロック5の設置位置を調整する。このとき、調整プレート4を貫通するボルト41の軸部は地山中に差し込まれる。
【0051】
隣接する支柱3、3間には、図1-(a)に示すように墨出しブロック5を支持した状態での支柱3、3の下端部間の間隔を保持し、両支柱3、3の安定性を確保するつなぎ材7が架設され、各支柱3に接続される。つなぎ材7は支柱3には直交クランプ等の把持具71で接続される。
【0052】
支持装置1を用いて擁壁パネル6を支持面11に支持させ、法面10に設置する際、擁壁パネル6の重心に作用する荷重(質量)の内、支柱3の軸方向に平行な成分は支柱3の軸方向圧縮力として支柱3に作用し、支柱3の軸方向に垂直な方向の成分は支柱3を法面10に押し付けるように支柱3に作用する。このため、法面10が傾斜面で、支柱3の軸方向が鉛直方向でない限り、墨出しブロック5と擁壁パネル6を支持した支柱3を含めた支持装置1の安定性が損なわれることはなく、擁壁パネル6が法面10の反対側へ転倒することはない。支柱3の軸方向が鉛直方向であっても、ベースプレート34が十分な面積を持てば、擁壁パネル6を支持した支柱3の転倒は回避される。
【0053】
墨出しブロック5が支持装置1を介して支持面11に支持され、法面10に設置された後、図9に示すように擁壁パネル6を墨出しブロック5に仮支持させる。擁壁パネル6の背面側の上方側(上方寄り)の、墨出しブロック5の凸部53に対応した位置には、図7に示すように背面側が凹となった凹部61が形成され、この凹部61の上に背面側が凸となった凸部62が形成されている。凹部61と凸部62も擁壁パネル6の長さ方向には連続的に、または断続的に形成される。
【0054】
擁壁パネル6の上方側の背面側は図9に示すように墨出しブロック5の表面側に対向して組み合わせられる、あるいは厚さ方向に重ね合わせられる。このとき、擁壁パネル6の凸部62が墨出しブロック52の凸部53に下方側へ係合することにより擁壁パネル6が墨出しブロック5に支持され、支持装置1を介して支持面11に支持される。擁壁パネル6の凸部62は墨出しブロック5の凹部54に厚さ方向に嵌合し、墨出しブロック5の凸部53は擁壁パネル6の凹部61に厚さ方向に嵌合する。
【0055】
擁壁パネル6が重なる墨出しブロック5の凸部53には、図6に示すように墨出しブロック5の軸方向に間隔を置き、擁壁パネル6を接合するためのインサート55が厚さ方向を向いて埋設されている。擁壁パネル6のインサート55に対応した位置には図7-(a)に示すようにインサート55に螺入するボルトが挿通するための挿通孔63が形成されている。図6に示す墨出しブロック5と図7に示す擁壁パネル6は、1本の墨出しブロック5が長さ方向に隣接する2枚の擁壁パネル6、6に跨って配置される場合の例を示している。
【0056】
この場合、擁壁パネル6は墨出しブロック5に支持されたときの安定性の確保上、墨出しブロック5の軸方向に隣接する2本の墨出しブロック5、5間に跨るように配置される関係で、墨出しブロック5のインサート55は軸方向に中心寄りには位置し、擁壁パネル6の挿通孔63は擁壁パネル6の長さ方向の両側寄りに位置している。擁壁パネル6の長さ方向は墨出しブロック5の軸方向である。擁壁パネル6の挿通孔63を貫通するボルトは後述のように墨出しブロック5のインサート55に螺合することで、擁壁パネル6を墨出しブロック5に接合する。
【0057】
擁壁パネル6を表面側から、または背面側から見たときの立面上の中心部の1箇所、または幅方向の中心線付近の複数箇所には、図7に示すように地山中に埋設され、定着される補強材8が擁壁パネル6を厚さ方向に貫通するための挿通孔64が形成される。補強材8の、擁壁パネル6の表面から突出する頭部は擁壁パネル6表面の、挿通孔64の周囲に定着される。
【0058】
擁壁パネル6が高さ方向に複数段、配列する場合には、図9に示すように擁壁パネル6の表面側の下方側(下方寄り)の、下段側に配置される擁壁パネル6の上方側の凸部62に対応した位置に、表面側が凹となった凹部65が形成され、凹部65の下の凹部61に対応した位置に、表面側が凸となった凸部66が形成される。
【0059】
この場合、相対的に下方側に位置する擁壁パネル6の上方側の背面側は上方側に隣接する擁壁パネル6の下方側の表面側に対向して組み合わせられ(厚さ方向に重ね合わせられ)、相対的に下方側に位置する擁壁パネル6の上方側の凸部62は上方側に隣接する擁壁パネル6の下方側の凸部66に下方側へ係合し、上方側の擁壁パネル6に支持される。下方側の擁壁パネル6の凸部62は上方側の擁壁パネル6の凹部65に厚さ方向に嵌合し、上方側の擁壁パネル6の凸部66は下方側の擁壁パネル63の凹部61に厚さ方向に嵌合する。
【0060】
下方(下段)側の擁壁パネル6は例えば図7に示す、上方側の凹部61の位置に形成された挿通孔63を挿通し、上方(上段)側の擁壁パネル6の下方側の凸部66の表面側に形成された挿通孔(インサート)63に螺入するボルト等により上方側の擁壁パネル6に接合される。
【0061】
擁壁パネル6の背面と法面10との間には擁壁パネル6を法面10に安定的に固定する目的で、モルタル等の充填材(裏込め材)が充填されることから、図7-(a)、(b)に示すように擁壁パネル6の背面には充填材の漏れを阻止し、充填材の充填領域を区画するための止液材67が埋め込み等により固定(装着)される。充填材は法面10に鉛直面をなして、または傾斜して設置された擁壁パネル6の背面に充填されるため、止液材67は擁壁パネル6の少なくとも下側(下方)に装着される。充填材は擁壁パネル6の上方に、厚さ方向を貫通して形成される注入孔68から充填される。
【0062】
図9に示すように擁壁パネル6の凹部61と凸部62を墨出しブロック5の凸部53と凹部54に嵌合させた後、擁壁パネル6の挿通孔63を貫通するボルトを墨出しブロック5のインサート55に螺入させ、擁壁パネル6を墨出しブロック5に接合する。
【0063】
擁壁パネル6の墨出しブロック5への接合後、図10に示すように擁壁パネル6の下方に接続される引寄せ装置9と、擁壁パネル6の下端部の凸部66の表面に重なって接合された調整材69を用いて擁壁パネル6の下端部の厚さ方向の位置が調整される。
【0064】
引寄せ装置9は地山との間の引張力を直接、利用して擁壁パネル6の下端部を法面10側へ引き寄せるか、または引張力を反力として利用して擁壁パネル6の下端部を法面10側へ押し込む働きをする。引張力の反力を取る地山にはアンカーピン等の定着具91が定着される。引張力を利用する場合の引寄せ装置9としては図10に示すようなレバーブロック(登録商標)の使用が適する。
【0065】
レバーブロック(登録商標)の場合、チェーン92の一端に接続されたフック93が、擁壁パネル6の下端部に接続された連結具96に接続され、他端に接続されたフック94が定着具91に接続された状態で、レバー95を往復動させることで、チェーン92に張力が付与される。チェーン92への張力導入に伴い、フック93、94間距離が短縮され、調整材69が接合された擁壁パネル6の下端部が法面10に接近し、擁壁パネル6の設置角度が調整され、同時に下端部の高さが調整される。
【0066】
このとき、擁壁パネル6の上部の凸部62と凹部61がそれぞれ墨出しブロック5の凹部54と凸部53に擁壁パネル6の厚さ方向に嵌合し、凸部62が凸部53に下向きに係合することで、擁壁パネル6の荷重の一部は墨出しブロック5を通じて支持装置1に支持される。
【0067】
擁壁パネル6の設置角度等の調整後、擁壁パネル6の挿通孔64を通じ、二重管のケーシングパイプ等の削孔器具を用いて挿通孔64を挿通する補強材8を挿入するための削孔を形成する。削孔内への補強材8の挿入後か挿入前、または同時に削孔内にモルタル等のグラウト材が充填され、グラウト材の硬化によって補強材8を削孔内(グラウト材中)に定着させる。
【0068】
補強材8の定着と並行して、または前後して擁壁パネル6の背面と法面10との間の空隙に、擁壁パネル6の注入孔68を通じて充填材が充填(注入)され、擁壁パネル6が法面10に固定される。充填材は補強材8が挿入された削孔内に充填されるグラウト材と実質的に同一材料である。擁壁パネル6の背面には図7図9に示すように充填材の充填領域を区画し、充填領域からの充填材の漏れ(充填材の無秩序な流出)を阻止するための止液材(シール材)67が固定されているため、削孔内へのグラウト材の充填時に充填材としてのグラウト材を削孔内から溢れ(流出)させて擁壁パネル6の背面側へ回り込ませることもある。
【0069】
設置後の擁壁パネル6の下段側に、隣接する擁壁パネル6を設置する場合には、擁壁パネル6の幅(高さ)相当分の地山を最上段の擁壁パネル6の設置時の支持面11から下方へ掘削し、新たな支持面11が形成される。最上段の擁壁パネル6を支持した支持装置1の支柱3は上記した充填材中に埋設されるため、基本的に埋め殺しされ、昇降装置30のみ回収され、下段側の擁壁パネル6の設置時に、新たな支持面11上に新たに設置される支柱3の下端に接続される。
【符号の説明】
【0070】
1……支持装置、
20……保持部材、2……保持プレート、2a……挿通孔、2b……定着孔、21……連結具(ボルト)、22……被支持部、
3……支柱、30……昇降装置、31……軸部、32……ナット、33……ハンドル、34……ベースプレート、
4……調整プレート、41……ボルト、42……ナット、
5……墨出しブロック、5a……(連結具21用)挿通孔、51……縦溝、52……ナット、53……凸部、54……凹部、55……インサート、
6……擁壁パネル、61……(上方側の)凹部、62……(上方側の)凸部、63……(ボルト用)挿通孔、64……(補強材8用)挿通孔、65……(下方側の)凹部、66……(下方側の)凸部、67……止液材、68……注入孔、69……調整材、
7……つなぎ材、71……把持具、
8……補強材、
9……引寄せ装置、91……定着具、92……チェーン、93……フック、94……フック、95……レバー、96……連結具、
10……法面、
11……支持面、
12……法面安定化擁壁(擁壁)。
【要約】
【課題】法面に沿って配列する擁壁パネルを設置完了までの間、擁壁パネルに先行して法面に固定される墨出しブロックに仮支持させる場合に、法面と墨出しブロック背面との距離等の影響を受けずに墨出しブロックを法面に固定する。
【解決手段】法面10の上部に配置され、法面10に設置される墨出しブロック5と、墨出しブロック5の下方に配置されて墨出しブロック5に支持される擁壁パネル6とを備える法面安定化擁壁12において、墨出しブロック5の背面に接合されて一体化する保持プレート2と、保持プレート2の下方に配置され、下端部が擁壁パネル6の下方に形成された支持面11に支持され、墨出しブロック5を擁壁パネル6と共に支持面11に支持させる支柱3から支持装置1を構成し、法面10に接触し得る調整プレート4を、保持プレート2の背面からの距離と背面との角度の調整を自在に保持プレート2の背面に接続する。
【選択図】図1
図1
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図10