(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】宅配ボックス管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20230526BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2019138647
(22)【出願日】2019-07-29
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190420(JP,A)
【文献】特開2011-108285(JP,A)
【文献】特開2002-177127(JP,A)
【文献】特開2008-169004(JP,A)
【文献】特許第6352849(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸出可能な宅配ボックスを所有している戸建て住宅の住民からの貸し出し登録を受け付ける貸出受付部と、
民泊施設の宿泊と前記宅配ボックスの利用を希望する利用者からの前記宅配ボックスの利用申請を受け付ける利用申請受付部と、
を有し、
貸出登録が受け付けられた前記宅配ボックスについて、前記利用者の利用申請を受け付けた場合に、前記戸建て住宅の住民である前記宅配ボックスの貸主に前記利用者の利用申請が受け付けられたことを通知する機能を有する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の宅配ボックス管理システムにおいて、
前記利用者が宿泊する民泊施設近くの複数の前記宅配ボックスの中から1つの前記宅配ボックスを前記利用者が選択できるように、貸し出し可能な複数の前記宅配ボックスを抽出する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の宅配ボックス管理システムにおいて、
前記貸出受付部は、前記貸主からの前記宅配ボックスを貸し出し可能な日時の登録を受け付ける機能を有する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の宅配ボックス管理システムにおいて、
前記利用者により前記宅配ボックスの利用申請時に支払われた利用料を、前記貸主、及び前記宅配ボックス管理システムの管理者を含む者に分配する機能を有する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の宅配ボックス管理システムにおいて、
宅配事業者の端末からの前記宅配ボックスへの荷物の配送完了通知を前記利用者の端末に通知する機能を有する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の宅配ボックス管理システムにおいて、
前記利用申請受付部は、前記利用者の端末からの前記宅配ボックスの利用場所及び利用日時の予約を受け付ける機能を有し、
前記宅配ボックス管理システムは、
前記利用申請受付部が前記宅配ボックスの利用場所及び利用日時の予約を受け付けた場合に前記宅配ボックスの解錠キーを前記利用者の端末に通知する機能と、
前記利用者が端末による前記解錠キーで前記宅配ボックスを解錠し、前記宅配ボックス内の荷物が取り出されたことを表す通知を受け取ったときに、前記貸主に荷物が取り出されたことを表す通知を行う機能と、を有する、
宅配ボックス管理システム。
【請求項7】
コンピュータを用いて請求項1に記載の宅配ボックス管理システムの機能を実行させるためのプログラムであって、
貸出可能な前記宅配ボックスを所有している前記戸建て住宅の住民からの貸し出し登録を受け付ける機能と、
前記利用者からの前記宅配ボックスの利用申請を受け付ける機能と、
貸出登録が受け付けられた前記宅配ボックスについて、前記利用者の利用申請を受け付けた場合に、前記戸建て住宅の住民である前記宅配ボックスの貸主に前記利用者の利用申請が受け付けられたことを通知する機能とを、
前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、宅配ボックス管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駅前、郵便局、またはコンビニエンスストアに設置された宅配ボックスを用いた配送支援システムが記載されている。このシステムでは、荷物の受取人の地点情報と、宅配ボックスの設置位置情報と、宅配ボックスの各ロッカーの使用状態とに基づいて、受取人の登録地点から所定範囲内の宅配ボックスを特定する。そして、その宅配ボックスを含む配送先候補リストを受取人端末に送信して受取人端末に表示させる。
【0003】
一方、近年、民泊事業者が旅行者に、自己が所有している戸建てやマンションの住宅の空室等を、民泊施設として宿泊のために有料で貸し出すことが行われている。また、民泊事業者が、住宅の貸し出しを希望する者の仲介業者として住宅の空室等を、民泊施設として有料で貸し出すことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
旅行者が民泊事業者の民泊施設、または民泊事業者が仲介した民泊施設に宿泊する際に、出発場所から大きな荷物を持って民泊施設に移動する場合がある。このような移動は旅行者が荷物を持ったまま歩き回ることになり旅行者の負担が大きい。また、鉄道等の公共の移動手段で旅行者の荷物が旅行者自身及び周囲の人の邪魔になることによって、旅行者及び周囲の人の負担が大きくなる。一方、民泊施設では管理している人が不在の場合が多く、旅行者は出発前に荷物を先に民泊施設に送りたいと考えても、受取人がいないので荷物を送ることができない。一方、民泊施設の近くの戸建て住宅の住民が玄関先等の戸建て住宅の付近に宅配ボックスを持っている場合があり、その宅配ボックスの住民による未使用時に、宅配ボックスの有効活用を図りたい要望がある。
【0006】
本開示の目的は、民泊施設に宿泊を希望する旅行者及び周囲の人の負担を小さくでき、かつ、戸建て住宅の付近に設置された宅配ボックスの有効活用を図れる宅配ボックス管理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の宅配ボックス管理システムは、貸出可能な宅配ボックスを所有している戸建て住宅の住民からの貸し出し登録を受け付ける貸出受付部と、民泊施設の宿泊と宅配ボックスの利用を希望する利用者からの宅配ボックスの利用申請を受け付ける利用申請受付部と、を有し、貸出登録が受け付けられた宅配ボックスについて、利用者の利用申請を受け付けた場合に、戸建て住宅の住民である宅配ボックスの貸主に利用者の利用申請が受け付けられたことを通知する機能を有する、宅配ボックス管理システムである。
【0008】
本開示のプログラムは、コンピュータを用いて本開示の宅配ボックス管理システムの機能を実行させるためのプログラムであって、貸出可能な宅配ボックスを所有している戸建て住宅の住民からの貸し出し登録を受け付ける機能と、利用者からの宅配ボックスの利用申請を受け付ける機能と、貸出登録が受け付けられた宅配ボックスについて、利用者の利用申請を受け付けた場合に、戸建て住宅の住民である宅配ボックスの貸主に利用者の利用申請が受け付けられたことを通知する機能とを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る宅配ボックス管理システム及びプログラムによれば、民泊施設に宿泊を希望する旅行者が宅配ボックスの利用を希望する利用者として、民泊施設への移動前に宅配ボックスの利用申請を行う。これにより、宅配ボックスの貸主が、宅配ボックスに荷物が送られる予定であることを認識できる。このため、貸主が、宅配ボックスを空とすることができる。したがって、利用者が旅行前に荷物を宅配ボックスに送ることができ、それにより、利用者及びその周囲の人の負担を小さくでき、かつ、戸建て住宅の付近に設置された宅配ボックスの有効活用を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態の宅配ボックス管理システムの1例における処理を示す図である。
【
図2】
図1の宅配ボックス管理システムを構成する管理サーバの構成図である。
【
図3A】本開示の実施形態の宅配ボックス管理システムの事前準備を示す図である。
【
図3B】宅配ボックスの貸主が携帯端末を用いて宅配ボックスを貸し出し可能な日時を設定する状態を示す図である。
【
図5A】宅配ボックス管理システムにおいて、利用者端末から宅配ボックスの利用申請がされたときの、利用者及び貸主の端末と、予約システムと、管理サーバとの間での処理を示すシーケンス図である。
【
図5B】利用者が宅配事業者に荷物の配送を依頼したときの処理と、管理サーバが配送完了通知を受け取ったときの処理とを示すシーケンス図である。
【
図6】利用者の端末の画面に表示された画像であって、民泊施設近くにある複数の宅配ボックスのうち、利用者に貸し出し可能で選択可能な複数の宅配ボックスが表示された画像を示す図である。
【
図7】宅配事業者が飛行機から荷物を受け取り、利用予約がされた宅配ボックスに荷物を配送する状態を示す図である。
【
図8】利用者が宅配ボックスから荷物を受け取って、民泊施設に移動する状態を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態の別例の宅配ボックス管理システムにおける処理を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態の別例の宅配ボックス管理システムにおける処理を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態の別例の宅配ボックス管理システムにおける処理を示す図である。
【
図12】宅配ボックス管理システムの別例において、利用者端末から宅配ボックスの利用申請がされたときの、利用者、貸主及び民泊事業者の端末と、予約システムと、管理サーバとの間での処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本開示の実施形態の宅配ボックス管理システム10の1例における処理を示す図である。宅配ボックス管理システム10は、1つ以上の宅配ボックス12と、予約システム20と、管理サーバ24と、ネットワーク40とを含んで構成される。宅配ボックス12は、戸建ての住宅の玄関等の入口に設置される。宅配ボックス12は、通信装置(図示せず)を持っており、通信装置によりネットワーク40に接続される。
【0013】
宅配ボックス12は、後述の
図7、
図8に示すように、略直方体状の外装体(本体)14と扉15を有する。外装体14は、内側に宅配された荷物100(
図7)を収容可能な収容部16(
図7)を有する。扉15は、収容部16の開口を開閉するために用いられる。
【0014】
扉15は、例えば、片開き型であり、電気錠によって扉の施開錠が電気的に行われる。扉15は、通信装置を介して解錠情報としての解錠キー、例えば解錠番号、解錠記号等が受信された場合にのみ電気錠が解錠されるスマートロック型である。例えば、宅配事業者42の配送人43(
図7)等は、先ず、扉15が閉じられた宅配ボックス12の解錠キーを携帯端末等の端末により、ネットワーク40を介して宅配ボックス12の通信装置に送信することで、扉15を解錠できる。配送人43は、扉15の内側の収容部16に荷物100を入れることができる。その後、配送人43は、扉15の内側操作部(図示せず)を操作した後、扉15を閉じることで、施錠を実行できる。また、配送人43が、例えば、伝票を伝票差込口に入れ、捺印ボタンを押すことにより、外装体14に事前にセットされたスタンプ部材により伝票への押印が実行されるとともに、扉15が施錠される構成としてもよい。
【0015】
解錠キーは、荷物100の配送及び受取の一連の手続き毎に設定されるワンタイムキーとしてもよい。例えば、宅配ボックス12の制御装置が手続き毎に変わるワンタイムキーを設定し、そのワンタイムキーが管理サーバ24に通知され、管理サーバ24から後述の利用者45や宅配事業者42に電子メール等でワンタイムキーが通知されてもよい。ワンタイムキーを受け取った宅配事業者42の配送人43は、宅配ボックス12の近くでそのワンタイムキーを宅配ボックス12の通信装置に送信することで宅配ボックス12を解錠し、荷物の預け入れを行える。また、ワンタイムキーを受け取った利用者45は、宅配ボックス12の近くでワンタイムキーを宅配ボックス12の通信装置に送信することで宅配ボックス12を解錠し、荷物の受け取りを行える。
【0016】
宅配ボックス12の底部には荷物センサ(図示せず)が設けられる。荷物センサは、収容部16内の荷物の有無を検知する。荷物センサは、例えば歪みゲージで構成される。歪みゲージは、金属抵抗材料を含み、金属抵抗材料は外部から圧縮力を加えられると縮み、その抵抗値は減少する。荷物センサで検知された情報は、該抵抗値を算出できる電気信号を宅配ボックス12に設けられた荷物センサ用制御部(図示せず)を介して、またはこの制御部を介さずに制御装置に送信される。荷物センサ用制御部は、該電気信号に基づいて収容部16内に配置された荷物の重量から、荷物の有無を検知し、荷物があることが検知された場合に荷物検知情報を宅配ボックス12の制御装置に送信する。制御装置は、荷物検知信号または荷物センサの検知情報を受信し、さらに扉15の電気錠が施錠されたことを表す信号が入力された場合に、配送完了検知信号を、通信装置を介して外部、例えば管理サーバ24に送信する。これにより、宅配ボックス12の通信装置から外部に配送完了が通知される。荷物センサは、収容部16内に設けられ、赤外線センサ等の光センサによって収容部16内の荷物の有無を検出する構成であってもよい。
【0017】
荷物検知情報の外部への送信後、収容部16から荷物が取り出され、収容部16が空になったことが検知された場合には、宅配ボックス12の制御装置は、荷物受取完了検知信号を、通信装置を介して外部、例えば管理サーバ24に送信する。これにより、宅配ボックス12の通信装置から外部に荷物受取完了が通知される。
【0018】
予約システム20は、Webページである予約サイトを提供するものであり、コンピュータを含んで構成される。予約システム20の予約サイトは、管理サーバ24とネットワーク40を介してリンクしている。予約サイトの管理者は、旅行代理店や、民泊事業者としてもよい。コンピュータは、演算処理部であるCPUと、RAM、ROM等の記憶部とを有する。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。記憶部は、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する機能と、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する機能を有する。演算処理部は、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。演算処理部は、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。記憶部として、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体が用いられてもよい。コンピュータには、記憶部として外部記憶装置が接続されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0019】
予約システム20は、民泊への宿泊予約と、オプションとしての宅配ボックス12の利用申請とを、宿泊及び宅配ボックス12のレンタルとしての利用を希望する利用者45の利用者端末46からネットワーク40を介して受け付ける。利用者端末46は、携帯端末やパーソナルコンピュータ(PC)である。携帯端末は、スマートフォンや、タブレット端末である。予約システム20は、利用者45が宿泊を希望する民泊施設の空き情報を確認し、利用者45の予約希望日に空きがあり、後述の管理サーバ24により宅配ボックス12の予約の成立を確認した場合には、予約を受け付ける。予約システム20は、民泊施設の予約を受け付けた場合に、その受付結果を利用者45及び民泊事業者50に通知する。予約システム20は、予約の受付後に、利用者45からのクレジットカードの情報の入力等を用いた、宿泊代を含む旅行代金、及び宅配ボックス12の利用料の支払いの決済を行う。
【0020】
例えば、予約システム20は、クレジットカード決済、銀行振り込み決済、コンビニ決済、その他を選択できる予約サイトを提供する。ここで、クレジットカード決済が選択された場合には、予約システム20は、利用者45からのクレジットカード番号の入力を受け付けることで決済が完了する。銀行振り込み決済は、利用者45からの予約システム20の管理者の口座番号への銀行振り込みが完了することで決済が完了する。コンビニ決済が選択された場合は、コンビニエンスストアで予約システム20の管理者への送金が行われた場合に、決済が完了する。予約システム20には、コンビニエンスストア、または決済を代行する業者から例えば電子メールで送金が行われたことが通知される。決済の完了、非完了の情報は、予約システム20の記憶部に記憶される。その他の決済方法として、電子マネーの送金等がある。予約システム20は、民泊施設への宿泊予約と、宅配ボックス12の利用予約とが受け付けられ、決済が完了した後に、民泊施設、宿泊日、宿泊人数、宅配ボックスの設置位置、その利用日時等を含む全旅程予約完了情報を予約サイトで利用者45に通知する。全旅程予約完了情報には宅配ボックス12の解錠キーも含まれる。
【0021】
管理サーバ24は、予約システム20を介して利用者45からの宅配ボックス12の利用申請を受け付ける。管理サーバ24は、演算処理部であるCPUと、RAM、ROM等の記憶部とを有するコンピュータであり、ネットワークに接続されたクラウド型のサーバである。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。記憶部は、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する機能と、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する機能を有する。演算処理部は、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。演算処理部は、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。記憶部として、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体が用いられてもよい。コンピュータには、記憶部として外部記憶装置が接続されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。管理サーバ24用のプログラムは、後で説明する。
【0022】
図2は、管理サーバ24の構成図である。管理サーバ24は、貸出受付部25と、利用申請受付部26と、活用登録受付部27と、利用受付通知部28と、解錠キー通知部29と、配送完了通知部30と、荷物受取完了通知部31とを有する。貸出受付部25は、貸出可能な宅配ボックス12を所有している1つまたは複数の戸建て住宅70(
図7、
図8)の1人または複数の住民である貸主52の携帯端末やPC等の貸主端末53からの貸し出し登録を、ネットワーク40を介して受け付ける。戸建て住宅70の住民は、基本的には自分用の荷物を無人で受け取るために宅配ボックス12を所有しているが、自分用の荷物を受け取らないときに貸し出すことにより、利用料を受け取ることができる。これにより、宅配ボックス12の有効活用を図れる。
【0023】
貸出受付部25は、貸主名と、貸主からの宅配ボックス12を貸し出し可能な日時と、宅配ボックス12の設置位置の住所との登録を受け付ける機能を有する。貸出受付部25は、登録を受け付けた貸主名、貸出可能な日時、及び宅配ボックスの設置位置住所を記憶部に記憶する。宅配ボックス12の設置位置は、識別番号等の識別情報と関連付けて記憶部に記憶されてもよい。
【0024】
利用申請受付部26は、予約システム20の予約サイトを介して、宅配ボックス12の利用を希望する利用者45からの宅配ボックス12の利用申請を受け付ける。利用申請受付部26は、利用者45からの利用申請を、利用を希望する宅配ボックス12の利用場所と、利用を希望する利用日時の予約とともに受け付ける機能を有し、受け付けた利用申請を、利用場所及び利用日時とともに記憶部に記憶する。宅配ボックス12の利用場所は、後述のように、複数の設置位置にある宅配ボックス12の中から利用者45が選択した1つの宅配ボックス12の設置位置である。
【0025】
管理サーバ24は、さらに、利用者45により宅配ボックス12の利用申請時に支払われた利用料を、宅配ボックス12の貸主52、及び宅配ボックス管理システム10の管理者を含む者に自動割り付けで分配する機能を有する。例えば管理サーバ24は、貸主52、及び宅配ボックス管理システム10の管理サーバ24の管理者、及び予約システム20の予約サイトの管理者に利用料を、予め設定された規則に従って分配する機能を有する。分配は、EC(Electronic Commerce)によって行ってもよく、また、通常の銀行振り込み等によって行ってもよい。例えば、分配は、管理サーバ24が銀行振り込みを指示する通知を出すことによって行われてもよい。
【0026】
活用登録受付部27は、民泊事業者50の携帯端末やPC等の端末からの宅配ボックス12の活用登録を、ネットワーク40を介して受け付ける。民泊事業者50は複数あってもよい。民泊事業者50が活用登録を行うことで、管理サーバ24は、予約サイトを介して民泊施設の近くの1つ以上の宅配ボックス12を利用者45に選択可能に提示することができる。このため、活用登録では、民泊施設の位置情報も含んで、管理サーバ24に記憶されることによって登録される。
【0027】
利用受付通知部28は、民泊事業者50により宅配ボックス12の活用登録の受け付けがあり、かつ貸出登録が受け付けられた宅配ボックス12について、利用者45の利用申請を受け付けた場合に、戸建て住宅70(
図7、
図8)の住民である宅配ボックス12の貸主52に、利用者45の利用申請が受け付けられたことを通知する機能を有する。
【0028】
解錠キー通知部29は、利用者45の利用申請と、宅配ボックス12の利用場所及び利用日時の予約を受け付けた場合に、予約システム20を介して、利用者45の利用者端末46に解錠キー及び宅配ボックス12の設置位置(住所)の情報を通知する機能を有する。
【0029】
配送完了通知部30は、宅配ボックス12の通信装置及び宅配事業者42の配送人端末44の一方または両方から、宅配事業者42による宅配ボックス12への荷物の配送完了通知を受けたときに、電子メール等により、配送完了通知を利用者端末46に通知する機能を有する。
【0030】
荷物受取完了通知部31は、宅配ボックス12の通信装置及び利用者45の利用者端末46の一方または両方から、利用者45が利用者端末46による解錠キーで宅配ボックス12を解錠し、宅配ボックス内の荷物が取り出されたことを表す荷物受取完了通知を受け取ったときに、貸主52に電子メール等により、荷物受取完了通知を行う機能を有する。
【0031】
管理サーバ24の上記の各機能は、管理サーバ用のプログラムが実行されることにより実現される。プログラムは、管理サーバ24を用いて宅配ボックス管理システム10の機能を実行させるために用いられる。例えばプログラムは、宅配ボックス12の貸主52からの貸し出し登録を受け付ける機能と、利用者45からの宅配ボックス12の利用申請を受け付ける機能と、貸出登録が受け付けられた宅配ボックス12について、利用者45の利用申請を受け付けた場合に、貸主52に利用者45の利用申請が受け付けられたことを通知する機能とを、管理サーバ24に実行させるためのプログラムである。プログラムは、利用申請が受け付けられたことを通知する機能の代わりに、利用申請があったことを通知する機能を実行させるためのものでもよい。プログラムは、光ディスク、ハードディスクドライブなどの記録媒体に記録されてもよい。
【0032】
ネットワーク40は、通信ネットワークであり、例えばインターネットを含む。インターネットには、中継サーバを介して携帯電話網の基地局が接続されており、インターネットは、中継サーバ、基地局を介して携帯端末にアクセス可能である。利用者端末46、貸主端末53と管理サーバ24との間で、ネットワークを介して電子メールが送信されてもよい。電子メールは、SNS(Social Networking Service)の一種であるLINE(登録商標)のアプリケーションソフトウェアを用いて送信されるものでもよい。LINE(登録商標)は、インターネット上でグループを形成しグループ内のユーザが相互に情報を交換する機能を有する通信サービスの一種である。
【0033】
図3Aは、実施形態の宅配ボックス管理システム10の事前準備を示す図である。事前準備は、システム10の使用の前に行う準備である。事前準備では、民泊事業者50がネットワークを介して、管理サーバ24の活用登録受付部27(
図2)で活用登録を行う。この活用登録では、民泊事業者50の民泊施設位置を含む情報が、管理サーバ24の記憶部に記憶されるように登録が行われる。民泊事業者50は、予約システム20にも活用登録を行う。また、管理サーバ24の貸出受付部25(
図2)には、宅配ボックス12を所有している貸主52からの宅配ボックス12の貸し出しの登録の受付も行われる。管理サーバ24での貸出登録では、宅配ボックス12の設置位置を含む情報が管理サーバ24の記憶部に記憶されるように登録が行われる。さらに貸出受付部25には、貸主52の貸主名、宅配ボックス12の貸し出し可能な日時及び場所の登録の受付も行われる。
【0034】
図3Bは、宅配ボックスの貸主52が貸主端末53を用いて宅配ボックスを貸し出し可能な日時を設定する状態を示す図である。貸主52は、宅配ボックス管理システム10の管理者側から提供されたアプリケーションソフトウェアをダウンロードして、それを起動させることにより、
図3Bの右側に示すような貸出可能日時の入力用画像54が貸主端末53に表示される。入力用画像54は、週単位または月単位の入力部55が設定される。例えば、1週間の各曜日の午前と午後とに入力部55が設定され、貸主52が貸主端末のタッチパネルで入力部55をタッチ操作したときに表示される操作案内にしたがって貸出可能か否かを設定する。このとき、貸出可能を設定した場合にはその入力部55に丸が表示され、貸出不能を設定するか、または貸出可能か否かが未設定の場合にはその入力部55にPが表示される。管理サーバ24は、貸主52により設定された貸出可能日時の情報を、アプリケーションソフトウェアから受け取って記憶部に記憶する。
【0035】
さらに、管理サーバ24は、予約システム20から、利用者45が宿泊を希望する民泊施設の位置情報を受け取ったときに、その民泊施設近くの利用希望日時に空きがある複数の宅配ボックス12の中から1つの宅配ボックス12を利用者45が選択できるように、貸し出し可能な複数の宅配ボックス12を抽出する。抽出された複数の宅配ボックス12の位置情報は、管理サーバ24から予約システム20に送信される。後述の
図6に示すように、予約システム20は、予約サイトを通じて、利用者45に、民泊施設60の設置位置と、抽出された複数の宅配ボックス12の設置位置とを含む地図または配置関係を表す画像を提供する。この画像は、利用者端末46のタッチパネルでのタッチ操作等により、複数の宅配ボックス12の中から1つの宅配ボックス12を選択可能としている。
図6では、抽出された宅配ボックス12は、四角形で示される。タッチ操作により選択された宅配ボックス12は、四角形の内側に斜格子が付された丸によって示される。
【0036】
図1と、
図4、
図5A~
図5Cを用いて、宅配ボックス管理システム10の運用方法を説明する。
図4は、
図1の各処理を示す図である。
図4のSを付した数字の処理は、
図1のSを付した数字の矢印に対応する。
図5Aは、宅配ボックス管理システム10において、利用者端末46から宅配ボックス12の利用申請がされたときの、利用者45及び貸主52の端末46,53と、予約システム20と、管理サーバ24との間での処理を示すシーケンス図である。
図5Bは、利用者45が宅配事業者42に荷物の配送を依頼したときの処理と、管理サーバ24が配送完了通知を受け取ったときの処理とを示すシーケンス図である。
【0037】
運用方法は、まず、
図1、
図4のS1、
図5Aに示すように、利用者45が、利用者端末46から予約システム20の予約サイトで民泊施設の宿泊予約の申し込みと宅配ボックス12の利用申請とを行う。
図5A、
図5Bの実線矢印は、通信が行われることを示している。利用者45の予約希望日に民泊施設の空きがあり、管理サーバ24により宅配ボックス12の予約の成立を確認した場合には、予約が受け付けられる。例えば、
図1、
図4のS2、
図5Aに示すように、管理サーバ24は、宅配ボックス12の利用申請を利用申請受付部26(
図2)で受け付ける。管理サーバ24は、予約システム20から、利用者45が宿泊を希望する民泊施設の位置情報を受け取って、その位置情報から、民泊施設の近くの予約希望日時に空きがある複数の宅配ボックス12を抽出して、予約サイトを通じて、利用者45に選択画面を提供する。
【0038】
図6は、利用者45の利用者端末46の画面に表示された画像であって、民泊施設60近くにある複数の宅配ボックス12のうち、利用者45に貸し出し可能で選択可能な複数の宅配ボックス12が表示された画像を示す図である。
図6に示すように、予約システム20は、予約サイトを通じて、利用者端末46に、民泊施設60の設置位置と、抽出された複数の宅配ボックス12の設置位置とを含む地図または配置関係を表す画像を表示させる。この画像は、利用者端末46のタッチパネルでのタッチ操作等により、複数の宅配ボックス12の中から1つの宅配ボックス12を選択可能としている。
【0039】
利用者45が利用を希望する、予約希望日時に空きがある宅配ボックス12を選択し、管理サーバ24でその選択結果が確認された場合には、宅配ボックス12の利用申請の受付が行われ、予約が成立する。そして、
図1、
図4のS3、
図5Aに示すように、管理サーバ24の利用受付通知部28(
図2)が、予約システム20及び宅配ボックス12の貸主52に、宅配ボックス12の利用申請が受け付けられ予約が成立したことを通知する。このとき、管理サーバ24は、予め貸主52から通知されていた宅配ボックス12の解錠キーを、予約システム20に通知する。
【0040】
また、管理サーバ24は、予約サイトを通じて利用料の決済を、利用者45に求める。利用者45が、予約システム20を通じて、宿泊代を含む旅行代金、及び宅配ボックス12の利用料の支払いの決済を行うと、その利用料は管理サーバ24に送金される。その後、管理サーバ24は、宅配ボックス12の貸主52、及び管理サーバ24の管理者、及び予約システム20の予約サイトの管理者に利用料を分配する。
【0041】
また、予約システム20は、民泊施設60の予約を受け付けた場合に、その受付結果として、予約が受け付けられたことを利用者45及び民泊事業者50に通知する。さらに、
図1、
図4のS4、
図5Aに示すように、予約システム20は、宅配ボックス12の予約を受け付けた場合に、その受付結果として、利用申請が受け付けられ予約が成立したことを、予約サイトを通じて利用者45に通知する。このとき、予約サイトは、民泊施設60及び宅配ボックス12の予約受付結果と、解錠キーと、宅配ボックス12の設置位置情報等を含む全旅程予約完了情報を、利用者端末46に通知する。予約サイトでの利用申請情報及び全旅程予約完了情報は、利用者45が利用者端末46で識別情報とパスワードでログインした場合の利用者端末46にのみ送信され、利用者端末46の表示部に表示されるようにしてもよい。
【0042】
次に、
図1、
図4のS5、
図5Bに示すように、利用者45は、旅行の前に宅配事業者42に荷物を預けて、利用予約を行った宅配ボックス12に配送してもらう依頼を行う。
図5Bの一点鎖線矢印は、利用者45等の人が実際に移動することを示している。このとき、利用者45は、宅配事業者42に解錠キーと荷物の配送場所である宅配ボックス12の設置位置等の情報を、口頭または書面または電子メール等で連絡するとともに、荷物の配送料を支払う。
【0043】
図7は、宅配事業者42が飛行機から荷物を受け取り、利用予約がされた宅配ボックス12に荷物100を配送する状態を示す図である。
図8は、利用者45が宅配ボックス12から荷物100を受け取って、民泊施設に移動する状態を示す図である。
図1、
図4のS6、
図5Bに示すように、宅配事業者42の配送人43は、利用予約が行われた宅配ボックス12に、荷物100を配送する。例えば、
図7(a)(b)に示すように、旅行元から民泊施設がある旅行先に利用者45が向かう場合に、宅配事業者42が利用者45の荷物を飛行機61で輸送し、その後、配送人43が乗車する配送車62に荷物100を積み替えて、宅配ボックス12がある家に向かう。
図7(c)に示すように、宅配ボックス12の近傍では、配送人43が配送人端末44を用いて、解錠キーを宅配ボックス12の通信装置に送信し、宅配ボックス12の電気錠を解錠する。配送人43は、解錠された扉15を開いて宅配ボックス12の収容部16に荷物100を預け入れし、扉15を閉めて施錠する。これにより、
図1、
図4のS7、
図5Bに示すように、宅配ボックス12の通信装置から管理サーバ24に配送完了が通知される。そして、
図1、
図4のS8、
図5Bに示すように、管理サーバ24から利用者端末46に電子メール等で配送完了が通知される。
【0044】
図1、
図4のS9、
図5Bに示すように、配送完了通知を受け取った利用者45は、宅配ボックス12に移動し、利用者端末46を用いて、解錠キーを宅配ボックス12の通信装置に送信し、宅配ボックス12の扉15を解錠する。そして
図8に示すように、利用者45は、宅配ボックス12から荷物を取り出して、民泊施設等に移動する。これにより、
図1、
図4のS10、
図5Bに示すように、宅配ボックス12の通信装置から管理サーバ24に荷物受取完了が通知され、管理サーバ24から貸主端末53に荷物受取完了が通知されるので、貸主52は、宅配ボックス12の内部が空になったことを認識できる。
【0045】
上記の宅配ボックス管理システム10及び宅配ボックス管理システム10の機能を実行させるためのプログラムによれば、民泊施設に宿泊を希望する旅行者が宅配ボックス12の利用を希望する利用者45として、民泊施設への移動前に宅配ボックス12の利用申請を行う。これにより、宅配ボックス12の貸主52が、宅配ボックス12に荷物が送られる予定であることを認識できる。このため、貸主52が、宅配ボックス12を空とすることができる。したがって、利用者45が旅行前に荷物を宅配ボックス12に送ることができ、それにより、利用者45及びその周囲の人の負担を小さくでき、かつ、戸建て住宅70の付近に設置された宅配ボックス12の有効活用を図れる。
【0046】
また、宅配ボックス管理システム10が、利用者45が宿泊する民泊施設近くの複数の宅配ボックス12の中から1つの宅配ボックス12を利用者45が選択できるように、貸し出し可能な複数の宅配ボックス12を抽出する。これにより、利用者45が自分だけで民泊施設の近くの宅配ボックス12等の荷物の配送先を探す場合と異なり、利用者45の負担を大きく軽減できる。
【0047】
また、宅配ボックス管理システム10の貸出受付部25が、貸主52からの宅配ボックス12を貸し出し可能な日時の登録を受け付ける機能を有する。これにより、宅配ボックス管理システム10が、利用者45に宅配ボックス12の貸出可能な日時の情報を提供しやすくなり、利用者45に宅配ボックス12が利用されやすくなる。
【0048】
また、宅配ボックス管理システム10が、利用者45により宅配ボックス12の利用申請時に支払われた利用料を、貸主52、及び宅配ボックス管理システム10の管理者を含む者に分配する機能を有する。これにより、利用料の分配に要する手間を軽減できる。
【0049】
本例の構成において、
図1、
図4のS5で宅配事業者42に荷物を預けるときに解錠キーを宅配事業者42に連絡せずに、
図1、
図4の(S5)に示すように、利用者45から管理サーバ24に宅配依頼が完了したことを通知してもよい。このとき、管理サーバ24から宅配事業者42に解錠キーが通知される。この場合には、
図1、
図4のS3,S4で管理サーバ24から予約システム20及び利用者45に解錠キーを通知する必要がない。
【0050】
さらに、
図1、
図4の(S7)に示すように、宅配ボックス12に荷物を配送した配送人43が、配送人端末44から管理サーバ24に、配送完了の通知を行うようにしてもよい。このとき、宅配ボックス12から管理サーバ24に配送完了の通知があってもよい。管理サーバ24は、配送人端末44と宅配ボックス12との両方から配送完了の通知を受けたときに、利用者45に配送完了の通知を行ってもよい。宅配ボックス12から管理サーバ24に配送完了の通知を行うことなく、配送人端末44のみから管理サーバ24に配送完了の通知を行う構成としてもよい。
【0051】
さらに、
図1、
図4の(S10)に示すように、宅配ボックス12から荷物を取り出した利用者45が、利用者端末46から管理サーバ24に、荷物受取完了の通知を行うようにしてもよい。このとき、宅配ボックス12から管理サーバ24に荷物受取完了の通知があってもよい。管理サーバ24は、利用者端末46と宅配ボックス12との両方から荷物受取完了の通知を受けたときに、貸主52に荷物受取完了の通知を行ってもよい。宅配ボックス12から管理サーバ24に荷物受取完了の通知を行うことなく、利用者端末46のみから管理サーバ24に荷物受取完了の通知を行う構成としてもよい。
【0052】
図9は、実施形態の別例の宅配ボックス管理システム10aにおける処理を示す図である。本例の構成では、
図9のS7に示すように、宅配ボックス12に荷物を配送した配送人43(
図7)が、配送人端末44から、管理サーバ24ではなく、宅配事業者42の通信センター等に配置された通信装置に、電子メール等で配送完了の通知を行う。その通知を受け取った通信装置は、利用者端末46に、電子メール等で配送完了の通知を行う。これにより、利用者45は宅配ボックス12に荷物が配送されたことを認識できる。
【0053】
その後、宅配ボックス12に移動した利用者45が宅配ボックス12から荷物を取り出した後、
図9のS10に示すように、利用者45は、利用者端末46から、管理サーバ24に電子メール等で荷物受取完了の通知を行う。その通知を受け取った管理サーバ24は、宅配ボックス12の貸主52に、電子メール等で配送完了の通知を行う。これにより、貸主52は宅配ボックス12が空になったことを認識できる。このとき、
図9の(S10)に示すように、宅配ボックス12から管理サーバ24に荷物受取完了の通知があってもよい。管理サーバ24は、利用者端末46と宅配ボックス12との両方から荷物受取完了の通知を受けたときに、貸主52に荷物受取完了の通知を行ってもよい。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図8の構成と同様である。
【0054】
図10は、実施形態の別例の宅配ボックス管理システム10bにおける処理を示す図である。本例の構成では、宅配ボックス12aは、スマートロック付きの構造ではなく、テンキーロック付きの構造である。具体的には、宅配ボックス12aにはテンキー型の操作部が配置される。宅配ボックス12aの電気錠は、予め設定された暗証番号を操作部に打ち込むことで解錠される。利用者45から荷物の配送を依頼された宅配事業者42の配送人は、
図10のS6に示すように宅配ボックス12aに移動して、操作部で暗証番号を打ち込んで宅配ボックス12aを解錠し、荷物の預け入れを行う。このため、配送人が端末を持って宅配ボックス12aに移動する必要がなくなる。暗証番号は、管理サーバ24から予約サイトを介して、または予約サイトを介さずに電子メール等で利用者端末46に送信される。暗証番号は解錠キーに相当する。利用者は、荷物の配送依頼を行うときに、宅配事業者に暗証番号を連絡する。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図8の構成と同様である。
【0055】
図11は、実施形態の別例の宅配ボックス管理システム10cにおける処理を示す図である。
図12は、宅配ボックス管理システム10cの別例において、利用者端末46から宅配ボックス12の利用申請がされたときの、利用者45、貸主52及び民泊事業者50の端末46,53,51と、予約システム20と、管理サーバ24との間での処理を示すシーケンス図である。
【0056】
本例の構成では、管理サーバ24に利用者端末46から予約システム20を介して、宅配ボックス12の利用申請があり、宅配ボックス12の予約が成立したときに、
図11のS3、
図12に示すように、管理サーバ24の利用受付通知部28(
図2)が、その予約が成立したことを、予約システム20及び貸主端末53に加えて、民泊事業者50の端末51(
図12)にも通知する。また、利用者45が、予約システム20を通じて利用料の決済を行ったときに、利用料は管理サーバ24に送金される。その後、管理サーバ24は、貸主52、管理サーバ24の管理者、予約システム20の予約サイトの管理者、及び民泊事業者50に、利用料を分配する。このとき、利用者45が、予約を行った民泊施設の近くの1つの宅配ボックスを選択するのではなく、民泊事業者50が、予約があった民泊施設に最も近い宅配ボックス12を選択する。そして、民泊事業者50が、利用者45から宅配事業者42に荷物の配送依頼を行ったことの通知を受けたときに、その宅配事業者42に、選択した宅配ボックス12の設置位置の住所を連絡する。このとき、
図6に示した画像と同様の画像を、民泊事業者50の端末51の画面に表示させるように、管理サーバ24の管理者側から提供されるアプリケーションソフトウェアが起動されてもよい。民泊事業者50は、そのソフトウェアを用いて、端末51のタッチパネルでのタッチ操作等により、複数の宅配ボックス12の中から1つの宅配ボックス12を選択可能としてもよい。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図8の構成と同様である。
【0057】
上記の各例において、管理サーバ24の各機能は、複数のコンピュータで分担し、各コンピュータが連携することにより実行されてもよい。このとき、複数のコンピュータは、ネットワークでリンクされていてもよい。また、予約システム20と管理サーバ24とを1つの業者が所有し、管理サーバ24の管理者が予約サイトを管理してもよい。また、民泊事業者50が管理サーバ24を管理してもよい。また、宅配ボックス管理システムは、管理サーバ24等のコンピータと、予約システム20とから構成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10,10a,10b,10c 宅配ボックス管理システム、12,12a 宅配ボックス、14 外装体、15 扉、16 収容部、20 予約システム、24 管理サーバ、25 貸出受付部、26 利用申請受付部、27 活用登録受付部、28 利用受付通知部、29 解錠キー通知部、30 配送完了通知部、31 荷物受取完了通知部、40 ネットワーク、42 宅配事業者、43 配送人、44 配送人端末、45 利用者、46 利用者端末、50 民泊事業者、51 端末、52 貸主、53 貸主端末、54 入力用画像、55 入力部、60 民泊施設、61 飛行機、62 配送車、100 荷物。