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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】タッピンねじを用いた締結構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 25/04 20060101AFI20230526BHJP
   F16B 33/06 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
F16B25/04 Z
F16B33/06 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021046326
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022145076
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】592226198
【氏名又は名称】株式会社ヤマシナ
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣
(72)【発明者】
【氏名】高木 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小泉 弘幸
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0241466(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0139751(US,A1)
【文献】特開2003-322118(JP,A)
【文献】特開2013-142461(JP,A)
【文献】特開2018-044574(JP,A)
【文献】特開2014-062324(JP,A)
【文献】特開2018-112476(JP,A)
【文献】実開昭62-040319(JP,U)
【文献】特開2017-180637(JP,A)
【文献】特開2012-137131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00- 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と、少なくとも1条のねじ山部を備えた軸部とからなり、相手材の下穴にねじ込まれるタッピンねじを用いた締結構造であって、
前記ねじ山部の頂部における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、
算術平均粗さ(Ra)0.2未満としたことを特徴とするタッピンねじを用いた締結構造
【請求項2】
前記ねじ山部のフランク面における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、
算術平均粗さ(Ra)0.2未満としたことを特徴とする請求項1に記載のタッピンねじを用いた締結構造。
【請求項3】
少なくともねじ山部の頂部における表面硬度が、相手材の下穴の内周面における表面硬度よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項4】
少なくともねじ山部の頂部における表面硬度を、ビッカース硬さ(Hv)350以上としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項5】
少なくともねじ山部の頂部における表面硬度を、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項6】
軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、
少なくとも角部における表面粗度を、算術平均粗さ(Ra)0.2未満としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項7】
軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度が、相手材の下穴の内周面における表面硬度よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項8】
軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度を、ビッカース硬さ(Hv)350以上としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項9】
軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度を、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上としたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項10】
少なくともねじ山部の表面に、ビッカース硬さ(Hv)350以上の金属めっきを施したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項11】
少なくともねじ山部の表面に、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上の金属めっきを施したことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項12】
金属めっきが、ニッケル系めっきであることを特徴とする請求項10または11に記載のタッピンねじを用いた締結構造
【請求項13】
相手材の下穴にねじ込んで被締結物を固定したことを特徴する請求項1ないし12のいずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造。
【請求項14】
相手材の下穴が、バーリング穴であることを特徴とする請求項1ないし13いずれか1項に記載のタッピンねじを用いた締結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッピンねじを用いた締結構造、特に、相手材の下穴にねじ込まれたときに切粉の発生を抑制できるタッピンねじを用いた締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、相手材にねじ込まれるタッピンねじとしては、例えば、高強度ねじ及び高強度用鋼に関する特許出願で開示されたタッピンねじがある(特許文献1参照)。前記タッピンねじの一例として、鉄の腐食防止として表面に亜鉛めっきしたタッピンねじが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-247937号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記タッピンねじが、被締結物を固定するために相手材の下穴にネジ込まれると、切粉が発生しやすい。そして、前記切粉が、例えば、電子部品等が配置されたプリント基板上に落下して堆積すると、電子部品等が短絡して破損するという問題点がある。特に、プリント基板に配置される電子部品の集積度が高まるにつれ、発生する切粉の大きさや個数を低減することが強く望まれている。
本願発明は、前記問題点に鑑み、発生する切粉の大きさや個数を低減できるタッピンねじを用いた締結構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るタッピンねじを用いた締結構造は、前記課題を解決すべく、
頭部と、少なくとも1条のねじ山部を備えた軸部とからなり、相手材の下穴にねじ込まれるタッピンねじを用いた締結構造であって、
前記ねじ山部の頂部における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、算術平均粗さ(Ra)0.2未満とした構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、少なくともねじ山部の頂部における凹凸が小さいので、相手材の下穴の内周面を削ることなく塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できるという効果がある。
【0007】
本発明の実施形態としては、前記ねじ山部のフランク面における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、算術平均粗さ(Ra)0.2未満としておいてもよい。
本実施形態によれば、少なくともねじ山部の頂部における凹凸が小さいので、相手材の下穴の内周面を削ることなく塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、少なくともねじ山部の頂部における表面硬度を、相手材の下穴の内周面における表面硬度よりも大きくすることが必要である。
本実施形態によれば、ねじ山部の頂部における表面硬度が大きいので、相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できる。
【0009】
本発明の異なる実施形態としては、少なくともねじ山部の頂部における表面硬度を、ビッカース硬さ(Hv)350以上としてもよい
本実施形態によれば、少なくともねじ山部の頂部における表面硬度が相手材の表面硬度よりも大きい。このため、ねじ山部の頂部が相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成できるので、切粉の発生を抑制できる。
特に、ビッカース硬さ(Hv)350以上であれば、ビッカース硬さ(Hv)100ないし250の鋼材よりも硬い。このため、タッピンねじのねじ山部自体が削られることないので、切粉を発生させることなく、雌ねじを形成できる。
【0010】
本発明の他の実施形態としては、少なくともねじ山部の頂部における表面硬度を、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上としてもよい。
本実施形態によれば、少なくともねじ山部の頂部における表面硬度が相手材の表面硬度よりも大きい。このため、ねじ山部の頂部が相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成できるので、切粉の発生を抑制できる。
【0011】
本発明の別の実施形態としては、軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面粗度を、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下とするとともに、
少なくとも角部における表面粗度を、算術平均粗さ(Ra)0.2未満としてもよい。
本実施形態によれば、角部に位置する頂部の凹凸が小さい。このため、ねじ山部の頂部が相手材の下穴の内周面を削ることなく塑性変形させて雌ねじを形成できるので、切粉の発生を抑制できる。
なお、角部とは、軸部の横断面のうち、軸部の軸心から外方に最も遠く離れた突出する部分をいう。辺部とは、軸部の横断面のうち、隣り合う角部の間に位置する部分をいう。頂部とは、ねじ山部の最も高い部分の連なりをいう。
【0012】
本発明の他の実施形態としては、軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度を、相手材の下穴の内周面における表面硬度よりも大きくしてもよい。
本実施形態によれば、軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度が大きいので、相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できる。
【0013】
本発明の他の実施形態としては、軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度を、ビッカース硬さ(Hv)350以上としてもよい。
本実施形態によれば、角部に位置する頂部の表面硬度が大きい。このため、角部に位置する頂部が相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成できるので、切粉の発生を抑制できる。
特に、ビッカース硬さ(Hv)350以上であれば、ビッカース硬さ(Hv)100ないし250の鋼材よりも硬い。このため、タッピンねじのねじ山部自体が削られることがないので、切粉を発生させることなく、雌ねじを形成できる。
【0014】
本発明の別の実施形態としては、軸部が断面略三角形であるねじ山部の頂部のうち、少なくとも角部における表面硬度を、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上としてもよい。
本実施形態によれば、角部に位置する頂部の表面硬度が大きい。このため、角部に位置する頂部が相手材の下穴の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成できるので、切粉の発生を抑制できる。
【0015】
本発明の他の実施形態としては、少なくともねじ山部の表面に、ビッカース硬さ(Hv)350以上の金属めっきを施してもよい。
【0016】
本実施形態によれば、金属めっきすることにより、ねじ山部の頂部における表面粗度が小さくなり、かつ、表面硬度が大きくなる。すなわち、ねじ山部の頂部が平坦、かつ、硬くなる。このため、ねじ山部の頂部が、相手材の下穴の内周面を削ることなく塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できる。
特に、ビッカース硬さ(Hv)350以上であれば、ビッカース硬さ(Hv)100ないし250の鋼材よりも硬い。このため、ねじ山部に形成された金属めっき自体が削られることがないので、切粉を発生させずに雌ねじを形成できる。
【0017】
本発明の別の実施形態としては、少なくともねじ山部の表面に、ナノインデンテーション硬さ(HIT)3500以上の金属めっきを施してもよい。
本実施形態によれば、金属めっきすることにより、ねじ山の頂部における表面粗度が小さくなり、かつ、表面硬度が大きくなる。このため、ねじ山部の頂部が相手材の下穴の内周面を削ることなく塑性変形させて雌ねじを形成でき、切粉の発生を抑制できる。
【0018】
本発明の異なる実施形態としては、金属めっきはニッケル系めっきであってもよい。
本実施形態によれば、鉄の腐食を防止できる。
【0019】
本発明の他の実施形態としては、前記課題を解決すべく、前述のタッピンねじを、相手材の下穴にねじ込んで被締結物を固定してもよい。
【0020】
本実施形態によれば、ねじ山部の頂部における凹凸が小さいので、相手材の下穴の内周面を削ることなく、塑性変形させて雌ねじを形成できる。このため、切粉の発生を抑制しつつ、被締結物を固定できる締結構造が得られる。
【0021】
本発明の別の実施形態としては、相手材の下穴をバーリング穴としてもよい。
本実施形態によれば、タッピンねじの保持強度が高くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るタッピンねじの平面図である。
図2図1に示したタッピンねじの正面図である。
図3】タッピンねじをねじ込むための下穴を備えた相手材の部分断面図である。
図4図2に示したタッピンねじの拡大横断面図である。
図5図2に示したタッピンねじの部分拡大縦断面図である。
図6】実施例1の測定結果を示す棒グラフである。
図7】実施例2の測定結果を示す棒グラフである。
図8】比較例の測定結果を示す棒グラフである。
図9】測定結果をまとめた一覧表である。
図10】参考例2の測定結果を示す対比表である。
図11】参考例3の測定結果を示す対比表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明に係るタッピンねじは、図1および図2に示すように、1条のタッピンねじ10に適用した場合であり、頭部11と、軸部20とを有している。
前記タッピンねじ10は、例えば、図3に示した相手材30の下穴31であるバーリング穴にねじ込まれる。
【0024】
頭部11は、図2に示すように、バインド頭の上面に十文字ドライバで締め付け可能な十文字のねじ穴12を有し、その座面13の中央から軸部20が延在している。
なお、前記頭部11の形状は、バインド頭に限らず、例えば、トラス頭、皿頭、丸皿頭、なべ頭、六角頭であってもよく、フランジ付きであってもよい。
また、前記頭部11には、十文字のねじ穴12に限らず、例えば、すりわり、プラスマイナス穴、四角穴、六角穴、あるいは、星形穴を設けてもよい。
【0025】
前記軸部20は、図2に示すように、前記頭部11の座面13の中央から延在し、1条のねじ山部25を有している。なお、タッピンねじ10は1条ねじに限らず、例えば、2条ねじ、3条ねじであってもよい。
そして、軸部20は、首下部21と、中間部22と、先端部23と、に分けられる。中間部22は、ねじ山部25のねじ山高さが同一高さに揃っている領域である。先端部23は、ねじ山部25が形成され始める領域である。
なお、軸部20の先端部23は円錐台形となっている。しかし、前記先端部23は円錐台形に限らず、例えば、円錐形、ドーム形であってもよく、必要に応じて適宜選択できる。
【0026】
前記軸部20の横断面は、図4に示すように、いわゆるおむすび形(丸みを有する断面略三角形)である。そして、軸部20は、その横断面のうち、軸心から外方に最も遠く離れた突出する位置に角部24を有するとともに、隣り合う前記角部24,24の間に辺部28を有する。
特に、図4に示すタッピンねじ10の軸部20のうち、角部24はねじ込み作業において重要な役目を果たす。このため、角部24を中心として80度ないし90度の範囲内に位置する頂部26は、後述する表面粗度および表面硬度を備えていることが好ましい。
なお、軸部20は、断面略三角形に限らず、例えば、断面円形であってもよく、断面略四角形、断面略六角形であってもよい。
【0027】
軸部20に形成されたねじ山部25は、図5に示すように、断面台形であり、ねじ山部25の最も高い部分の連なりである頂部26を有する。前記頂部26の両側にはフランク面27がそれぞれ形成されている。
なお、断面台形のねじ山部25は断面三角形のねじ山部(図示せず)のように鋭利な頂部を有していないので、表面硬化処理前の搬送中でも頂部に傷がつきにくい。このため、頂部の表面粗度が低下しにくく、切粉が出にくいという利点がある。
また、フランク面27が形成するねじ山部25の角度は、必要に応じて適宜選択でき、例えば、20度ないし75度、好ましくは50度ないし60度であればよい。20度未満であると、タッピンねじ自体の製造が困難となり、所望の強度が得られないからであり、75度を超えると、所望の締結力が得られないからである。
【0028】
ねじ山部25は、従来のタッピンねじのように下穴31の内周面を削るのではなく、相手材30の下穴31の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成する。このため、ねじ山部25の表面粗度、特に、頂部26の表面粗度は、最大高さ粗さ(Rz)1.0以下、好ましくは0.8以下であればよい。最大高さ粗さ(Rz)が1.0を超えると、切粉が発生しやすくなるからである。なお、最大高さ粗さ(Rz)とは、所定の範囲において最も低い凹部と、最も高い凸部との差に基づく粗さをいう。
また、ねじ山部25の表面粗度、特に、少なくとも頂部26の表面粗度は算術平均粗さ(Ra)0.3以下、好ましくは0.2以下が好適である。算術平均粗さ(Ra)が0.3を超えると、切粉が発生しやすくなるからである。なお、算術平均粗さ(Ra)とは、所定の範囲における凹凸の差を平均した粗さをいう。
【0029】
従来のタッピンねじは、ねじ山部の表面粗度が大きかった。特に、ねじ山部の頂部における表面粗度が大きく、いわばノコギリ歯状の凹凸が存在していた。このため、従来のタッピンねじは、その頂部が下穴の内周面を削って雌ねじを形成するので、切粉の発生を防止できなかった。これに対し、本願発明のタッピンねじは、所定の表面粗度および/または表面硬度を有する頂部26が、下穴31の内周面を塑性変形させて雌ねじを形成するので、切粉の発生を抑制できるという利点がある。
【0030】
タッピンねじ10の表面のうち、少なくともねじ山部25の頂部26における表面硬度は、相手材30に設けた下穴31の内周面の表面硬度よりも大きいこと、すなわち、硬いことが必要である。頂部26における表面硬度が、相手材30の下穴31の表面硬度よりも小さいと、相手材30の下穴31の内周面を塑性変形させることができず、雌ねじを形成できないからである。相手材との硬度差は、ビッカース硬さ(Hv)の硬度差であれば、少なくとも250以上であることが好ましい。硬度差が250未満であると、タッピンねじのねじ山部が変形し、相手材に完全な雌ねじを形成できないからである。
【0031】
一般的な鋼材に対して、実用上の目安としてタッピンねじ10の表面硬度はビッカース硬さ(Hv)350以上、好ましくは500以上であることが好適である。ビッカース硬さ(Hv)が350未満であると、相手材に完全な雌ねじを形成できず、切粉が発生しやすくなるからである。
より具体的には、例えば、ビッカース硬さ(Hv)120のSUS鋼板であれば、タッピンねじの表面硬度はビッカース硬さ(Hv)450以上が好ましい。450未満であると、切粉が発生しやすくなるからである。
また、相手材が、例えば、ビッカース硬さ(Hv)190未満の亜鉛めっき付き鋼材であれば、タッピンねじの表面硬度はビッカース硬さ(Hv)450以上が好ましい。
そして、相手材が、例えば、ビッカース硬さ(Hv)220未満のステンレス鋼であれば、ビッカース硬さ(Hv)500以上が好ましい。
さらに、相手材が、例えば、ビッカース硬さ(Hv)320未満の高張力鋼である場合には、タッピンねじの表面硬度はビッカース硬さ(Hv)600以上が好ましい。
ついで、相手材が、例えば、ビッカース硬さ(Hv)400未満の高張力鋼である場合には、タッピンねじの表面硬度はビッカース硬さ(Hv)700以上が好ましい。
【0032】
タッピンねじの材質としては、相手材の素材に応じて選択でき、例えば、炭素鋼(SWCH10~18A)、SAE1022Si、SCM415、SUS410等から必要に応じて適宜、選択できる。
【0033】
タッピンねじ10の製造方法としては、例えば、線状材に、圧造、転造、表面硬化処理、平滑処理およびめっき処理を施して製造される。
なお、タッピンねじ10の製造方法において、圧造および/または転造の代わりに、例えば、切削加工の他、焼結合金、3Dプリンターによる製造方法を適宜、利用してもよいことは勿論である。
【0034】
圧造は、線状材を所定の長さに切断し、かつ、頭部11と軸部20とを形成する工程である。
【0035】
転造は、軸部20にねじ山部25を形成する工程である。転造で製造することにより、ねじ山部25のフランク面27における表面粗度は小さくなり、滑らかに形成できる。しかし、転造で製造すると、ねじ山部25の頂部26における表面粗度にバラツキが生じやすく、切粉が発生する原因となっていた。このため、本願発明では、ねじ山部25の頂部26における表面粗度を改善する加工を行っている。
【0036】
表面硬化処理は、軸部20、特に、ねじ山部25の表面に硬化層を形成する工程である。表面硬化処理としては、例えば、浸炭処理、窒化処理、高周波処理、火炎焼入れ処理等が挙げられる。
【0037】
平滑処理は、ねじ山部25の表面、特に、頂部26の表面粗度を低減するための工程である。平滑処理としては、例えば、タッピンねじ10の軸部20の表面に研磨剤を含有する流動体を高圧で吹き付けて研磨するラップ加工の他、バレル研磨、電解研磨が挙げられる。
【0038】
めっき処理は、タッピンねじの表面硬度を大きくし、かつ、表面粗度を改善するための工程である。めっき処理としては、例えば、ニッケルめっき、亜鉛ニッケル合金めっき、ニッケル-クロム複合めっきだけでなく、例えば、硬質クロムめっき、ニッケル-コバルト合金めっき、ニッケル-リンめっき、無電解ニッケル-リンめっき、無電解ニッケルめっき、Ni-P-SiC複合めっき、ロジウムめっき、ルテニウムめっき等の他の金属めっきが挙げられる。所定の金属めっきを行うことにより、表面硬度を大きくでき、かつ、表面粗度を改善できるという利点がある。
【0039】
なお、平滑処理は必要に応じて行えばよく、転造加工で所望の表面粗度を有するタッピンねじが得られるのであれば、必ずしも必要ではない。また、平滑処理は、表面硬化処理の前工程あるいは後工程として行ってもよい。
また、めっき処理は必要に応じて行えばよく、所望の表面粗度および表面硬度を有するタッピンねじを転造加工および表面硬化処理で得られるのであれば、必ずしも必要ではない。
【0040】
締結される相手材30は、図3に示すように、鋼板などの金属板単体だけでなく、例えば、亜鉛めっきされた鋼板が挙げられる。そして、相手材30には、ねじ込み作業を行うための下穴31を設けてある。下穴31は貫通穴であればよく、例えば、ドリル穴、パンチ穴、シェービング穴、ピアス穴、バーリング穴、押出し穴であってもよい。
特に、下穴31がバーリング穴であれば、タッピンねじ10の保持強度が高いという利点がある。なお、めっきされた金属板に下穴31としてバーリング穴を設けると、バーリング穴の開口縁部のうち、表面側の開口縁部近傍にめっき材が残存する。しかし、裏面側の開口縁部近傍には相手材30の素地が露出しているので、めっき材が切粉として落下することは少ないと考えられる。
【実施例
【0041】
(実施例1)
実施例1のタッピンねじ10として、図1図2図4および図5に示したSUS410製のタッピンねじ10本をサンプルとした。前記サンプルの外形寸法は、全長10.5mm、頭部の直径5.3mm、頭部の高さ2.5mm、軸径2.6mm、首下長さ8mmであり、1条のねじ山部を有し、ニッケル-クロム複合めっきが施されている。ただし、ラップ加工は施していない。
なお、ニッケル-クロム複合めっきとして、膜厚5μm以上のニッケル-クロム複合めっき層を形成した。
【0042】
サンプルのねじ山部の表面粗度として、下端から4山目に位置するねじ山部を、レーザ顕微鏡(キーエンス製VK-X1100 倍率50倍のレンズを使用)で、最大高さ粗さ(Rz)と、算術平均粗さ(Ra)とを測定した。
なお、ノイズとなる波長(λs)(2.5μm以下)と、うねりを示す波長(λc)(80μm以上)とはカットオフした。
測定箇所は、角部24の頂部26(測定長さ1200μm)と、辺部28の頂部26(測定長さ1200μm)とであった。ただし、フランク面の表面粗度についてはサンプルの軸部を2分割して露出したフランク面(測定長さ700μm)を測定した。測定結果を図9に示す。
【0043】
サンプルの表面硬度として、日本工業規格JIS Z 2244に基づいてビッカース硬さ(Hv)と、ISO14577に基づいてナノインデンテーション硬さ(HIT)とを測定した。測定の結果を図9に示す。
ビッカース硬さ(Hv)は、ねじ山部の頂部に試験機の圧子を測定荷重50gで押し付けて測定した。通常の測定荷重(300g)としなかったのは、測定荷重300gで圧子を押し付けると、ネジ山部の頂部における変形が大きくなりすぎ、測定不能となるためである。
ナノインデンテーション硬さ(HIT)についても、ねじ山部の頂部に試験機の圧子を押し当てて測定した。
なお、ビッカース硬さ(Hv)と、ナノインデンテーション硬さ(HIT)とを測定するのは、タッピンねじの下地の硬さによる影響を考慮したためである。
【0044】
相手材としては、図3に示すように、表裏面に亜鉛めっきを施した厚さ(T)0.8mmの鋼板に、高さ(H)1.5mm、穴径(D)2.3mmのバーリング穴を設けたものをサンプルとした。
【0045】
被締結物には、M2.5ねじに使用される厚さ0.5mmのワッシャ2枚を準備した。
【0046】
バーリング穴にタッピンねじを回転数300rpmの電動ドライバで破断するまで締結することにより、ねじ込みトルク(Driving Torque 以下、「DT」という。)と、破断トルク(Stripping Torque 以下、「ST」という。)と、を測定した。
ねじ込みトルクDTは0.41Nm、破断トルクSTは1.7Nm、トルク比は4.2であった。実用上、必要なトルク比が2.5であるので、実施例1には実用上の問題がないことを確認できた。
【0047】
締結作業によって発生した切粉を収集し、大きさ毎に分類して個数を集計した。
切粉には、締結作業時にタッピンねじのねじ山部から落下した切粉と、タッピンねじのねじ山部に付着した切粉とがあり、これらを別々に収集した。そして、長さ毎の切粉の個数を集計した。集計結果を棒グラフとして図6に示す。
【0048】
収集できた切粉の総個数はサンプル10本で計36個であった。
収集した切粉のうち、ねじ山部から落下した切粉の中に、長さ0.05mm以上の切粉は顕微鏡では発見できなかった。
また、ねじ山部に付着していた切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2未満の切粉は計4個、長さ0.2mm以上の切粉は計1個であった。
したがって、サンプル1本当たりに発生した長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉の平均個数は0.4個/本、長さ0.2mm以上の切粉の平均個数は0.1個/本であった。計算結果を図9の一覧表に示す。
【0049】
(実施例2)
実施例2に係るタッピンねじとして、ラップ加工を施した点を除き、他は実施例1と同様に製造したサンプル30本を準備した。
ラップ加工には、鏡面加工装置(株式会社ヤマシタワークス製)による鏡面加工を施した。
【0050】
サンプルの表面粗度については、実施例1と同様、角部の頂部、辺部の頂部およびフランク面を測定した。また、サンプルの表面硬度については、実施例1同様、ビッカース硬さ(Hv)およびナノインデンテーション硬さ(HIT)を測定した。測定の結果を図9に示す。
【0051】
相手材には、実施例1と同一素材および同一形状のサンプルを準備した。
【0052】
被締結物には、実施例1と同一のワッシャ2枚を使用した。
【0053】
バーリング穴にタッピンねじを回転数300rpmの電動ドライバで破断するまで締結することにより、ねじ込みトルクDTと、破断トルクSTとを測定した。
ねじ込みトルクDTは0.29Nm、破断トルクSTは1.70Nm、トルク比は5.9であった。実用上、必要なトルク比が2.5であるので、実施例2には実用上の問題がないことを確認できた。
【0054】
作業中に発生した切粉を、実施例1と同様に収集し、切粉の長さ毎に分類し、個数を集計した。
集計した長さ毎の切粉の個数を棒グラフとして図7に示す。なお、図7に示された切粉の個数はサンプル30本から発生した切粉の総個数である。
【0055】
発生した切粉の総個数は、サンプル30本で計84個であった。
しかし、収集した切粉のうち、ねじ山部から落下した切粉の中に、長さ0.05mm以上の切粉は顕微鏡では発見できなかった。
また、ねじ山部に付着していた切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2未満の切粉は計9個、長さ0.2mm以上の切粉は計4個であった。
したがって、サンプル1本当たりに発生した長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉の平均個数は0.3個/本、長さ0.2mm以上の切粉の平均個数は0.13個/本であった。計算結果を図9の一覧表に示す。
【0056】
(比較例)
比較例のタッピンねじとしては、その素材に炭素鋼を使用し、圧造・転造・熱処理後に亜鉛めっきを施したサンプル10本を準備した。ただし、ラップ加工は施していない。
【0057】
サンプルの表面粗度については、実施例1と同様、角部の頂部、辺部の頂部およびフランク面を測定した。また、サンプルの表面硬度については、実施例1同様、ビッカース硬さ(Hv)およびナノインデンテーション硬さ(HIT)を測定した。測定の結果を図9に示す。
【0058】
そして、実施例1、実施例2と同一の条件で相手材の下穴に締結作業を行い、発生した切粉を収集して長さ毎に分類し、切粉の長さ毎の個数を集計した。集計結果を棒グラフとして図8に示す。
【0059】
なお、ねじ込みトルクDTは0.16Nm、破断トルクSTは0.97Nm、トルク比は6.1であった。実用上、必要なトルク比が2.5であるので、比較例には実用上の問題がないことを確認できた。
【0060】
発生した切粉の総個数はサンプル10本で計255個であった。
そして、ねじ山部から落下した切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉は12個、長さ0.2mm以上の切粉は18個であった。
また、ねじ山部に付着していた切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉は計52個、長さ0.2mm以上の切粉は計33個であった。
したがって、サンプル1本当たりに発生した長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉の平均個数は6.4個/本、長さ0.2mm以上の切粉の平均個数は5.1個/本であった。計算結果を図9の一覧表に示す。
【0061】
以上の試験結果に加え、切粉の成分を分析した結果から、タッピンねじの亜鉛めっき層が破壊されているだけでなく、下穴の内周面素地も削られて切粉を発生していることが判った。
【0062】
(参考例1)
表面に亜鉛ニッケル合金めっきを施し、他は実施例1と同一の素材で同一外形寸法に製造したサンプル10本を準備した。ただし、ラップ加工は施していない。
【0063】
サンプルの表面粗度については、実施例1と同様、角部の頂部、辺部の頂部およびフランク面を測定した。また、サンプルの表面硬度については、実施例1同様、ビッカース硬さ(Hv)およびナノインデンテーション硬さ(HIT)を測定した。測定の結果を図9に示す。
【0064】
実施例1と同一条件で締結作業を行い、ねじ込みトルクおよび破断トルクを測定した。
ねじ込みトルクDTは0.20Nm、破断トルクSTは1.10Nm、トルク比は5.5であった。実用上、必要なトルク比が2.5であるので、比較例は実用上の問題がないことを確認できた。
【0065】
さらに、実施例1,2と同様、作業中に発生した切粉を収集し、長さ毎に分類し、個数を集計した。
【0066】
落下した切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉は4個、長さ0.2mm以上の切粉は2個であった。
ねじ山部に付着していた切粉のうち、長さ0.12mm以上ないし0.2mm未満の切粉は31個、長さ0.2mm以上の切粉は17個であった。
したがって、サンプル1本当たりに発生した0.12mm以上ないし長さ0.2mm未満の切粉の平均個数は3.5個/本、長さ0.2mm以上の切粉の平均個数は1.9個/本であった。集計結果を図9の一覧表に示す。
【0067】
図9の一覧表に示すように、0.12mm以上ないし長さ0.2mm未満の切粉の総個数と、長さ0.2mm以上の切粉の総個数と、を基準にして比較すると、実施例1および実施例2は、いずれも比較例よりも切粉の個数が著しく少ないことが判った。この結果より、ねじ山部の頂部の表面粗度として最大高さ粗さ(Rz)0.80以下とし、算術平均粗さ(Ra)0.19以下とすると共に、ビッカース硬さ(Hv)700以上、および、ナノインデンテーション硬さ(HIT)7500以上とすれば、切粉の総個数だけでなく、大きな切粉の発生を著しく低減できることが判った。
【0068】
参考例1の表面粗度が比較例の表面粗度よりも大きく、粗いにも拘わらず、ねじ山部の頂部における表面硬度がビッカース硬さ(Hv)486であれば、発生する切粉の大きさ、個数を低減できることが判った。このため、表面硬度をビッカース硬さ(Hv)486以上とすれば、切粉の発生を抑制できることが判った。
【0069】
(参考例2)
実施例1、実施例2、比較例および参考例1に係るビッカース硬さ(Hv)の測定はいずれも、タッピンねじのねじ山部の頂部に試験機の圧子を測定荷重50gで押し付けて測定した。
これに対し、参考例2では、タッピンねじの頭部に試験機の圧子を測定荷重50gおよび測定荷重300gを押し付けて測定した。測定結果を図10に示す。
【0070】
図10から明らかなように、測定荷重が50gの場合には、ねじ山部の頂部におけるビッカース硬さ(Hv)と、頭部におけるビッカース硬さ(Hv)とがほぼ同等であることを確認できた。このため、測定しやすい頭部を測定することにより、測定しにくいねじ山部の頂部におけるビッカース硬さ(Hv)の測定に代替できると考えられる。
また、測定荷重50gで測定したねじ山の頂部におけるビッカース硬さ(Hv)は、測定荷重300gで測定した頭部におけるビッカース硬さ(Hv)とも、近似した数値であることが判った。このため、通常の測定荷重(300g)で頭部を測定することにより、測定しにくいねじ山部の頂部におけるビッカース硬さ(Hv)の測定に代替しても、実用上、問題はないと考えられる。
【0071】
(参考例3)
実施例1、実施例2、比較例および参考例1に係るナノインデンテーション硬さ(HIT)の測定はいずれも、タッピンねじのねじ山部の頂部に試験機の圧子を押し付けて測定した。これに対し、参考例3では、タッピンねじの頭部に試験機の圧子を押し付けて測定した。測定結果を図11に示す。
【0072】
図11から明らかなように、実施例1、2、比較例および参考例1のいずれもが、ねじ山部の頂部におけるナノインデンテーション硬さ(HIT)と、頭部におけるナノインデンテーション硬さ(HIT)とがほぼ同等の数値であることを確認できた。このため、測定しやすい頭部の測定することにより、測定しにくいねじ山部の頂部におけるナノインデンテーション硬さ(HIT)の測定に代替できると考えられる。
【0073】
以上の試験結果から、軸部の表面粗度、特に、最大高さ粗さ(Rz)を0.8以下、算術平均粗さ(Ra)を0.2以下とすることにより、切粉を著しく低減できることが判った。
また、表面硬度をビッカース硬さ(Hv)486以上とすることにより、切粉の発生個数を効果的に抑制できるだけでなく、発生する切粉を小さくできることが判った。
【0074】
また、ラップ加工を施していない実施例1と、ラップ加工を施した実施例2とを比較したが、実施例1と実施例2とは切粉の総個数において大きな差は見受けられなかった。
しかし、ラップ加工を施した実施例2は、表面粗度のうち、最大高さ粗さ(Rz)が実施例1よりも改善されていることが判った。そして、発生する切粉の大きさに注視すると、実施例2の切粉の大きさは実施例1のそれよりも相対的に小さくなっていることが判った。これは、ラップ加工によって頂部の表面に存在する凹凸のうち、特に、大きな凹凸がラップ加工によって減少するため、発生する切粉が小さくなったと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本願発明は前述のタッピンねじに限らず、例えば、カメラ、携帯電話等の精密機器、車載電子機器などの分野に使用される他の形状のタッピンねじに適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0076】
10 タッピンねじ
11 頭部
12 ねじ穴
20 軸部
21 首下部
22 中間部
23 先端部
24 角部
25 ねじ山部
26 頂部
27 フランク面
28 辺部
30 相手材
31 下穴(バーリング穴)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11