(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】ガセット袋の拡開装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/28 20060101AFI20230526BHJP
【FI】
B65B43/28
(21)【出願番号】P 2019128534
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-05-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)販売先;関西アライドコーヒーロースターズ株式会社 2)販売日;令和1年6月22日 3)販売者;株式会社 古川製作所 4)販売した場所;関西アライドコーヒーロースターズ株式会社 大阪工場
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】枝廣 健次
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3167406(JP,U)
【文献】実開昭59-126805(JP,U)
【文献】実開昭55-115908(JP,U)
【文献】特開平07-069325(JP,A)
【文献】特開2003-276709(JP,A)
【文献】実開昭53-131972(JP,U)
【文献】特開平10-114316(JP,A)
【文献】特開2012-071840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に折り込み用のマチが形成されたガセット袋を拡開するガセット袋の拡開装置であって、
前記ガセット袋の拡開装置は、ガセット袋の拡開装置本体を昇降動する昇降機構と、前記ガセット袋内に挿入してガセット袋のマチを左右に開く第1アーム及び第2アームと、前記第1アーム及び第2アームを左右に開閉駆動するアクチュエータと、前記第1アーム及び第2アームの先端に取付けられたローラーと、を備え、
前記ローラーの取り付けられた前記第1アーム及び第2アームにより、前記ガセット袋の
折込み用のマチが折癖により元の状態に戻らないところまでガセット袋を押し広げる、ことを特徴とするガセット袋の拡開装置。
【請求項2】
前記第1アーム及び第2アームを左右に開閉駆動するアクチュエータは、エアシリンダであって、エアシリンダの駆動力は、クランク機構又は扇形歯車を介して前記第1アーム及び第2アームに伝達されて左右に開閉することを特徴とする請求項1に記載のガセット袋の拡開装置。
【請求項3】
前記第1アーム及び第2アームを左右に開閉駆動するアクチュエータは、エアーチャックであって、前記エアーチャックのフィンガー部に取付けられた第1アーム及び第2アームが前記エアーチャックにより直接開閉すること特徴とする請求項1に記載のガセット袋の拡開装置。
【請求項4】
前記第1アーム及び第2アームのローラーは車輪状であって、前記車輪状のローラーは、回転するか又は回転しないものであり、ローラーの中心は前記第1アーム及び第2アームの各中心軸線より外側に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のガセット袋の拡開装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガセット袋を拡開した後、その拡開状態を自律的に維持させることのできるガセット袋の拡開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包材の一種としてガセット袋が知られている。このガセット袋は、収納容積を大きくすることを目的として、袋本体の側面に折り込みによるいわゆる「マチ」が設けられている。前記ガセット袋内に被包装物を充填する際、被包装物が入りやすいように、ガセット袋内にエアーを吹き込んでガセット袋のマチを拡げている。
【0003】
しかし、前記ガセット袋に折り癖がついていると、エアーを吹き込んで、一時的に本体側面のいわゆるマチを拡げて拡開させても、エアーの吹き込みを停止すると、マチの部分が折り込みによる復元力により再び折り畳んだ状態に戻ろうとし、被包装物の充填がやり難くなるという問題があった。
【0004】
これを防止するため、特許文献1の
図2(a)~(f)に図示されているように、袋口を開いた後、開袋ブロックを挿入し、袋底まで開くとその状態のまま袋底の両外側面を吸盤で吸着支持し、折り畳み復元による収縮を防ぎ、被包装物を充填するといったようなことが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この特許文献1のように、ガセット袋を拡開した後、吸盤で拡開状態を強制的に維持するには、包装装置にさらに吸盤のような機構を設けなければならないので、機構が複雑となると共にコスト高になるという問題があった。さらに、吸盤の位置もガセット袋の大きさが変わる都度位置調整が必要となって、調整も面倒である。
【0007】
本発明は上記問題を解消するため、ガセット袋を拡開した時、一度拡開すれば以後は吸盤のような機構を用いなくてもガセット袋が自律的に拡開維持され、その後の被包装物の充填作業も容易に行えるガセット袋の拡開装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のガセット袋の拡開装置は、側面に折り込み用のマチが形成されたガセット袋を拡開するガセット袋の拡開装置であって、前記ガセット袋の拡開装置は、ガセット袋の拡開 装置本体を昇降動する昇降機構と、前記ガセット袋内に挿入してガセット袋のマチを左右 に開く第1アーム及び第2アームと、前記第1アーム及び第2アームを左右に開閉駆動するアクチュエータと、前記第1アーム及び第2アームの先端に取付けられたローラーと、を備え、ローラーの取り付けられた前記第1アーム及び第2アームにより、前記ガセット 袋の底部の折込み用のマチが折癖により元の状態に戻らないところまでガセット袋を押し広げる、ことを特徴とする。
【0009】
このガセット袋の拡開装置は、前記第1アーム及び第2アームの拡開半径が前記ガセット袋のマチが外側へ拡開して折癖により元の状態に戻らないところまでガセット袋を押し広げることができる長さであり、前記第1アーム及び第2アームが前記ガセット袋内に挿入されて互いに反対方向へ拡開すると、ガセット袋のマチが拡開した後、元の状態に戻ることがない。
【0010】
本発明は前記構成により、ガセット袋が、被包装物充填に先立ち、いわゆるマチの折り込み部分が折癖により元の状態に戻らないところまで逆方向へ拡開されるので、いったん拡開すれば元へ戻ることはなく、ガセット袋外から吸盤で拡開の状態を支持したりする手段は不要となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のガセット袋の拡開装置の構造が非常に単純化されると同時に、後の被包装物の充填作業もやりやすくなる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のガセット袋の拡開装置を配備したロータリー式包装装置の概略平面図
【
図4】本発明のガセット袋の拡開装置本体の部分拡大図
【
図7】本発明のガセット袋の拡開装置本体の実施例2の正面図
【
図8】本発明のガセット袋の拡開装置の実施例3の平面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
【実施例1】
【0014】
以下において、前記の図面に基づいて本発明のガセット袋の拡開装置を説明する。ただし、本発明は、この発明を実施するための最良の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0015】
図1において、1は前記ロータリー式包装装置であって、このロータリー式包装装置1に隣接して被包装物を袋内に挿入する袋詰め装置2が配置されている。
【0016】
前記ロータリー式包装装置1は、45度毎に何らかの包装作業を行うことができる構造となっている。例えば、八角形の回転ローターの外周の(A)のポジションにおいて、ガセット袋3が給袋装置4から90°回転する吸着装置5を介してチャック6に受け渡される。
【0017】
(B)のポジションで、チャック6によりガセット袋口3Aを吸盤6Cのみで吸引、開口すると供に、ノズル7からエアーを吹き込んでガセット袋3を膨らませる。ただし、ノズル7は、必ずしも必要ではない。
【0018】
(C)のポジションで、本発明のガセット袋3の拡開装置によりガセット袋3のマチの折り目が広げられる。その直後に(C)から(D)のポジションへガセット袋3が移行する途中で、チャック6の作動部6Aがヒンジ部6Bで下方に曲がり、ガセット袋3を垂直から水平姿勢に変換してガセット袋口3Aを横方向に向ける。ガセット袋3全体を水平な状態に維持するために、ガセット袋3の下から櫛歯状の支持具 (図示せず)で支持する。
【0019】
(D)のポジションで、袋詰め装置2のメインプッシャー8を用いて、前記支持具により水平に支持されたガセット袋3内へ被包装物9の充填が行われる。袋詰め装置2は、舟形の支持台12がキャタピラー形コンベア13としてスプロケット14、15に架け渡された平行な2連のチェン16、17間に、架設されている。前記支持台12上に被包装物9が作業者により載置され、複数の前記支持台12がコンベアのように回転して被包装物9を搬送する。
【0020】
(E)のポジションで、作動部6Aがヒンジ部6Bから90°水平方向に回転し、チャック6の吸盤6Cに吸着されたガセット袋3が垂直な状態に吊り下げられる。
【0021】
(F)のポジションで、チャック6により垂直に吊り下げられたガセット袋口3Aをシール装置10によりシールする。
【0022】
(G)のポジションで、ガセット袋口3Aをシールしたガセット袋3の袋体を排出用コンベヤ11により排出する。
次に、本発明のガセット袋の拡開装置20について詳細に説明する。前記のように、ガセット袋の拡開装置20は、
図1のロータリー式包装装置1のセクション(C)に配置されている。
【0023】
図2に示すように、ガセット袋の拡開装置20は、ロータリー式包装装置1のセクション(C)の外周部に立設したポール18の上部に取り付けられた水平な支持棒19に支持されている。
図3に示すように、基台1A内に収納された昇降機構を構成するクランク機構(図示省略)により、ポール18の昇降軸18Aが昇降動するよう構成され、ガセット袋3の間欠停止と同時に、
図3の矢印Wで示す方向に前記ガセット袋の拡開装置本体20Aが下降できるように配置されている。
【0024】
図3及び
図4に示すように、前記支持棒19の先端部には、取付けプレート21が取り付けられている。前記取付けプレート21は、支持棒19側の略テーパ状の本体部分21Aと、前記本体部分21Aの先端側の略C字形状の先端部分21Bとからなり、本体部分21Aの上縁に、直角に折り曲げられた取付け片21Cが形成され、この取付け片21Cが前記支持棒19の上面に固定されている。従って、昇降軸18Aの昇降動が支持棒19を介して取付けプレート21に伝達され、ガセット袋の拡開装置本体20Aが上下方向に昇降する。
【0025】
前記取付けプレート21の本体部分21Aの上側部に、エアシリンダなどのアクチュエータ22が水平に取り付けられている。前記取付けプレート21の先端部分21Bに、アクチュエータ22により開閉駆動される第1アーム23Lと第2アーム23Rが取り付けられている。
図4に示すように、前記第1アーム23Lと第2アーム23Rは、平行な状態からガセット袋3の底部のいわゆるマチが横方向に突出する状態まで矢印Qで示すように八の字状に拡開する。
【0026】
第1アーム23Lは、ブラケット23lを
介して第1回動軸24Lに、第2アーム 23Rは、ブラケット23rを
介して第2回動軸24Rに連結している。
図5に示すように、第2回動軸24Rは、取付けプレート21に軸受24rが水平に固定され、回動軸241rが前記軸受24r内に軸支している。第1回動軸24Lも構造的には第2回動軸24Rと同じである。
【0027】
また、第1と第2アーム23L、23Rの下端にはローラー25、25が設けられている。ローラー25、25の中心は、第1と第2アーム23L、23Rの各中心軸線23Cより外側に位置している(
図4参照)。なお、ローラー25、25は、車輪状の外周部が第1と第2アーム23L、23Rの各中心軸線23Cより外側に位置することが好ましい。
【0028】
前記のような構成により、各アーム23L、23Rが拡開したときに先端がガセット袋3の底部両側を損傷させずにマチ3Bの折り込み部分を折癖により元の状態に戻らないところまで突出し、ガセット袋3のマチ3Bを押し広げる。このため、従来のガセット袋3のように、折り癖によりマチ3Bが元に復帰することがない。
【0029】
前記ローラー25は合成樹脂製であって、
図5に示すように中央に比べて両側の径が大きく形成されており、逆L字形のブラケットに回転可能に軸支されている。なお、ローラー25は合成樹脂に限定されるものではない。また、前記のローラー25は、前記のような形状のローラー25に限定されず、径が同じ円柱状であってもよいし、中央が膨らんだ形状や球状のものであってもよい。さらに、前記のローラー25は、逆L字形のブラットに軸で回転可能に軸支されていたが、回転しないものであってもよい。
【0030】
アクチュエータ22と第1アーム23Lと第2アーム23Rとの間にはアクチュエータ22の往復動を回動運動に変換して伝達するリンク機構26が設けられている。即ち、アクチュエータ22から出退可能に突き出ているピストンロッド22Aの先端に略V字型のレバーアーム26Aの一端がピン26Bにより連接されている。前記レバーアーム26Aは、V字の曲がり部分が第1回動軸24Lに回動可能に軸支され、ピストンロッド22Aの出退により第1回動軸24Lを中心に回動する。前記レバーアーム26Aの回動によって、第1回動軸24Lが回動すると、それに伴い第1アーム23Lも回動する。
【0031】
前記レバーアーム26Aの他端には、ピン26Cにより連結ロッド26Dの一端が連接され、前記連結ロッド26Dの他端がピン26Eを介して略三角形状の回転アーム26Fの下部に連接している。なお、前記回転アーム26Fは、上部が第2回転軸24Rに回動自在に軸支され、この第2回転軸24Rを中心に回動する。
【0032】
以上のような構成で、ピストンロッド22Aが出退すると、レバーアーム26Aが回動すると共に、前記第1アーム23Lが回動する。さらに、レバーアーム26Aの回動が連結ロッド26Dを介して回転アーム26Fに伝達されて第2回転軸24Rが回動し、これに伴い第2アーム23Rも第1アーム23Lと逆方向へ回動する。
【0033】
なお、前記取付けプレート21の略C字形状の上側の先端部分には、アクチュエータ22のピストンロッド22Aのストロークを調整するストローク調整機構が設けられている。27は、その回動範囲を調整するストローク調整機構のアジャストネジを示している。またアーム23Rの回動範囲を調整するアジャストネジ26eが連結ロッド26Dに設けられ、第2アーム23Rの回動角が適正になるように調整できる。
【0034】
次に上記ガセット袋の拡開装置の作動を説明する。 まず、
図1におけるセクション(B)でガセット袋口3Aが開口されたガセット袋3が セクション(C)で停止
し、ポール18の昇降軸18Aが下降し
てガセット袋3の開口上部より閉じた状態の第1アーム23L、第2アーム23Rがガセット袋3内に差し込まれる 。
【0035】
第1アーム23L、第2アーム23Rの下端がガセット袋3の底部近くにまで下降すると、アクチュエータ22のピストンロッド22Aが突き出される。このピストンロッド22Aの動きによりレバーアーム26Aは、第1回動軸24Lを中心として
図4の時計回りに回転し、第1アーム23Lも同方向へ回動する。
【0036】
同時に、レバーアーム26Aの先端に連接された連結ロッド26Dを介して回転アーム26Fも反時計回りに回転し、この回転アーム26Fと連結する第2回動軸24Rが回動すると共に、第2回動軸24Rと連結する第2アーム23Rも
図4の
反時計回りに回動する。
【0037】
前記のように、第1アーム23Lと第2アーム23Rが左右に拡開することにより、第1アーム23Lと第2アーム23Rの下端に設けられたローラー25、25がガセット袋3のいわゆるマチ3Bの折れ線を外側へ向けて拡開する。このため、
図4に示すように、ガセット袋3のマチ3Bの両折れ線部分が、折癖によりマチ3Bが元の状態に戻らない
ところまで外側へと拡開される。マチ3Bが
元の状態に戻らないところまで拡開すると、マチ3Bの折れ線は元に戻らなくなるので、ガセット袋3の底部の拡開状態が維持される。
【0038】
前記の状態で
図1に示したセクション(C)から(D)へ移行する途中で、ガセット袋3が垂直から水平姿勢に変換され、ガセット袋口3Aが横方向に向けられる。このようにガセット袋3の姿勢を変換しても、ガセット袋3の底部の拡開状態が維持される。このため、(D)のポジションで、袋詰め装置2のメインプッシャー8を用いて、前記支持具により水平に保持されたガセット袋3内へ被包装物9の充填がスムースに行われる。
【0039】
セクション(D)で被包装物が充填された後、セクション(E)でガセット袋3は垂直に戻され、セクション(F)でシール装置10によりガセット袋口3Aがシールされる。さらに、セクション(G)では、ガセット袋口3Aがシールされ被包装物9が包装された袋体が排出用コンベヤ11により排出される。
【0040】
なお、ガセット袋の拡開装置20をロータリー式包装装置1に装備した場合を示したが、これに限らず、直線式の包装装置に装備してもよい。また、ロータリー式包装装置1は、ガセット袋3が垂直から水平姿勢に変換され、ガセット袋口3Aが横方向に向けられたが、ガセット袋3が垂直な状態で被包装物9を充填する構成のものであってもよい。
【実施例2】
【0041】
図7は、実施例2のガセット袋の拡開装置本体20Aの一部分を示す正面図である。実施例1と同じ機能を持つ部材については同じ符号を使用して説明は省略する。実施例1と、この実施例2との相違点は、リンク機構26の代わりに一対の扇形歯車28が用いられている点である。一方の扇形歯車28Aは、第1回動軸24Lに取付けられ、他方の扇形歯車28Bは、第2回転軸24Rに取付けられ、一方と他方の扇形歯車28A、28Bは歯合している。
【0042】
アクチュエータ22のピストンロッド22Aが出退すると、レバーアーム26Aが第1回動軸24Lを中心に回動すると共に、第1回動軸24Lにブラケット23lを介して取付けられた第1アーム23Lが回動する。
【0043】
レバーアーム26Aが回動すると、レバーアーム26Aと一体の一方の扇形歯車28Aが第1回動軸24Lを中心に回動する。同時に、一方の扇形歯車28Aと歯合する他方の扇形歯車28Bが第2回動軸24Rを中心に回動すると共に、第2回動軸24Rにブラケット23rを介して取付けられた第2アーム23Rが第1アーム23Lと逆方向に回動する。
【0044】
前記のように、第1回動軸24Lと第2回動軸24Rが互いに逆方向に回動することにより、第1回動軸24Lと第2回動軸24Rに取付けられた第1アーム23Lと第2アーム23Rが逆方向に開閉して、前記実施例1と同様にローラー25、25がガセット袋3のいわゆるマチ3Bの折れ線を外側へ向けて拡開し、マチ3Bの折れ線が元に戻らなくなる。
【実施例3】
【0045】
図8は、実施例3のガセット袋の拡開装置20を示す正面図である。同じ機能を持つ部材については同じ符号を使用して説明は省略する。この実施例3は、取り付板29の先端部に、下方向に支持棒30が取り付けられ、この支持棒30の下端に実施例3のガセット袋の拡開装置本体20Aが設けられている。
【0046】
この実施例3のガセット袋の拡開装置本体20Aは、既存のエアーチャック31を用いている。エアーチャック31には、色々の種類があるが、いずれの種類であってもよく、第1アーム23Lと第2アーム23Rが左右に開閉するものであればよい。具体的には、カム式エアーチャック、トグル形のエアーチャック、ギヤ式エアーチャック等を用いればよい。チャックのフィンガー部31Aの開閉は180°が理想的ではあるが、180°には限定されない。
【0047】
エアーチャックのフィンガー部31Aには、実施例1、実施例2と同様な、ローラー25、25の付いた第1アーム23Lと第2アーム23Rが取り付けられている。袋サイズが異なれば、この第1アーム23Lと第2アーム23Rを取り替えるようにする。
【0048】
エアーチャック31は、エアーチューブ31Bを通してエアーチャック31内に圧搾したエアーを導入されフィンガー部31Aを開いて、第1アーム23Lと第2アーム23Rを開く。
【産業上の利用可能性】
【0049】
ロータリー式包装装置など、ガセット袋を自動的に拡開しその状態の袋内に被包装物を充填する装置に広く使用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ロータリー式包装装置、1A 基台、2 袋詰め装置、3 ガセット袋、3A ガセット袋口、3B マチ、4 給袋装置、5 吸着装置、6 チャック、6A 作動部、6B ヒンジ部、6C 吸盤、7 ノズル、8 メインプッシャー、9 被包装物、10 シール装置、11 排出用コンベヤ、12 舟形の支持台、13 キャタピラー形コンベア、14,15 スプロケット、16,17 チェン、18 ポール、18A 昇降軸、19 支持棒、20 ガセット袋の拡開装置、20A ガセット袋の拡開装置本体、21 取付けプレート、21A 本体部分、21B 先端部分、21C 取付け片、22 アクチュエータ(エアシリンダ)、22A ピストンロッド、23L 第1アーム、23l ブラケット、23R 第2アーム、23r ブラケット、23C 中心軸線、24L 第1回動軸、24R 第2回動軸、24r 軸受、25 ローラー、26 リンク機構、26A レバーアーム、26B ピン、26C ピン、26D 連結ロッド、26E ピン、26e アジャストネジ、26F 回転アーム、27 アジャストネジ、28 扇形歯車、28A 一方の扇形歯車、28B 他方の扇形歯車、29 取り付板、30 支持棒、31 アクチュエータ(エアーチャック)、31A フィンガー部、31B エアーチューブ