(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】路盤の施工方法、路盤及び人工芝舗装体
(51)【国際特許分類】
E01C 3/00 20060101AFI20230526BHJP
E01C 13/08 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
E01C3/00
E01C13/08
(21)【出願番号】P 2019239410
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】506011087
【氏名又は名称】株式会社セリタ建設
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】芹田 章博
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-036496(JP,A)
【文献】特開2005-325536(JP,A)
【文献】特開平03-235801(JP,A)
【文献】特許第5753139(JP,B2)
【文献】特許第3434253(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00-17/00
A63C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材を含む路盤組成物を敷設し、敷均す敷設工程と、
敷設した路盤組成物を転圧して締め固め、骨材層を形成する骨材層形成工程と、
前記骨材層の上部領域を乾燥する乾燥工程と、
前記骨材層表面にアスファルト乳剤を塗布して浸透させ、前記骨材層の上部領域を多孔質状の混合層として形成する混合層形成工程とを有
し、
前記乾燥工程では、含水比が8~20%の範囲内に調整された前記骨材層の上部領域における含水比を5~10%の範囲内に調整することを特徴とする路盤の施工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の路盤の施工方法において、
前記混合層形成工程では、前記アスファルト乳剤の塗布量を0.3~1.2L/m
2
の範囲内とすることを特徴とする路盤の施工方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の路盤の施工方法において、
前記アスファルト乳剤が、カチオン系乳剤であることを特徴とする路盤の施工方法。
【請求項4】
骨材を含む路盤組成物からなる骨材層と、
前記骨材層上に、8~20%の範囲内とされた含水比を5~10%の範囲内に減少させた骨材がアスファルト乳剤によって架橋され、多孔質状に形成された混合層とを備えることを特徴とする路盤。
【請求項5】
骨材を含む路盤組成物からなる骨材層と、前記骨材層上に、8~20%の範囲内とされた含水比を5~10%の範囲内に減少させた骨材がアスファルト乳剤によって架橋され、多孔質状に形成された混合層とを有する路盤と、
前記路盤上に配設され、複数のパイルがシート状基材に植設された人工芝とを備えることを特徴とする人工芝舗装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路盤の施工方法、路盤及び人工芝舗装体に関し、特に、透水性に優れた路盤の施工方法、路盤及び人工芝舗装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面や人工芝の下地用路盤として、安定性や平滑性に優れたアスファルト舗装が採用されている。アスファルト舗装は、雨水等を地盤に通さないように水密性を有して構成されている。
【0003】
一方で、例えば、人工芝を敷設したグラウンド等では、特に下地となる路盤に透水性(排水性)が要求される。路盤に透水性がなければ、降雨時や降雨後にグラウンド表面に雨水がたまり、人工芝の流動や、冬場にグランウド表面の雨水が凍結し、競技を中断・中止せざるを得なくなってしまう。また、透水性のない路面等であれば、凍結・冠水などにより、歩行者等の通行に支障をきたしてしまう。
【0004】
また、アスファルトは太陽熱の影響を受けて高温状態となり、人体に対して危険となるだけでなく、路面等の表面変形の原因となってしまう。
【0005】
アスファルト舗装の高温化に対し、例えば、特許文献1には、保水性骨材を主材料とする路盤材料により形成された保水性路盤と、該保水性路盤の上方に敷設された透水性アスファルト舗装とからなる透水性アスファルト舗装構造が開示されている。
特許文献1に開示の技術は、保水性路盤を透水性アスファルト舗装の下方に形成することにより、アスファルト舗装が高温となりやすい夏場であっても、保水性路盤に保持された水分が蒸発することで打ち水的効果を発揮し、アスファルト舗装の高温化を低減させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の透水性アスファルト舗装構造は、透水性アスファルト舗装と保水性路盤とを有しているものの、降雨が続いてしまうと、いずれ下層の保水性路盤が保水限界に達し、結果として、表面に雨水がたまってしまう。特に、人工芝グラウンドの場合、表面に雨水がたまると路盤上に植設されている人工芝が雨水により浮上、流出してしまい、管理、補修に多大な労力、費用を要することとなる。
【0008】
また、舗装表面の安定性(固定力)等の確保にはアスファルト舗装が適しているが、その反面、クッション性が要求される、例えば、その上で競技が行われる人工芝グラウンドのような場合などアスファルト舗装が適していない場面もある。
【0009】
本発明は上記問題を解消するためになされたものであり、透水性に優れるとともに、路盤表面の安定性とクッション性とを両立させる路盤の施工方法、路盤及び人工芝舗装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る路盤の施工方法は、骨材を含む路盤組成物を敷設し、敷均す敷設工程と、敷設した路盤組成物を転圧して締め固め、骨材層を形成する骨材層形成工程と、骨材層表面にアスファルト乳剤を塗布して浸透させ、骨材層の上部領域を多孔質状の混合層として形成する混合層形成工程とを有することを特徴とする。
【0011】
このように本発明においては、骨材を含む路盤組成物を敷設し、敷均す敷設工程と、敷設した路盤組成物を転圧して締め固め、骨材層を形成する骨材層形成工程と、骨材層表面にアスファルト乳剤を塗布して浸透させ、骨材層の上部領域を多孔質状の混合層として形成する混合層形成工程とを有していることから、骨材層の上部領域における骨材間を空隙部を残したままアスファルト乳剤を介して架橋できることとなり、透水性が得られるとともに、骨材層(路盤)表面の固定力とクッション性を両立できるという効果を有する。また、アスファルトを使用していないため、路盤表面の高温化を抑制できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る人工芝舗装体の概略構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のA部における部分拡大端面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法を示す動作フローチャートである。
【
図3】第2の実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法を示す動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。また、本発明において、「~」はその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る路盤、及び当該路盤を備えた人工芝舗装体について説明する。
図1は、本実施形態に係る人工芝舗装体の概略構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のA部における部分拡大端面図である。
【0015】
図1に示すとおり、本実施形態に係る人工芝舗装体1は、基盤となる路床10上に、透水性を有する路盤20と、人工芝30とを備えている。
【0016】
路盤20は、骨材21を含む路盤組成物からなる骨材層22と、骨材21がアスファルト乳剤23によって架橋され、多孔質状に形成された混合層24とを備えている。
【0017】
骨材層22及び混合層24における骨材21としては、特に制限されず、天然骨材(砂利、砂)、砕石、砕砂、スラグ骨材、再生骨材、軽量骨材、及びこれらの混合骨材などを用いることができる。また、粗骨材(平均粒径2.36mm以上)や細骨材(平均粒径2.36mm未満)のいずれも使用(併用)することができる。さらに、骨材層22と混合層24とで、使用する骨材種を異なるものとしてもよいが、施工効率の点から、同一種の骨材であることが好ましい。
その他、路盤組成物中には、骨材21に加えて、乾燥強度を向上させるためのフィラーが含まれていてもよい。フィラーとしては、砂、フライアッシュ、炭酸カルシウム、消石灰などが挙げられる。
【0018】
混合層24は、後述するように路盤20の施工過程において、骨材層22の上部領域における骨材21がアスファルト乳剤23で架橋され、骨材層22と同様に、多孔質構造が維持された層である。ここで、「骨材層22の上部領域」とは、混合層24とする前の骨材層22表面からアスファルト乳剤23が浸透する所定の深さまでのことをいい、当該深さは使用する骨材種や粗骨材と細骨材との構成比等により一概には言えないが、好ましくは骨材層22表面から深さ30mmまでの領域である。
【0019】
図1(a)に示すように、骨材層22と混合層24との境界面は平坦になっておらず、アスファルト乳剤23の浸透の程度によって波面状となっている。
【0020】
図1(b)に示すように、骨材層22表面に塗布されたアスファルト乳剤23は、骨材21表面になじむようにしてその一部又は全体に被膜を形成しながら浸透していく。アスファルト乳剤23による被膜は、隣接する骨材21の表面間距離に応じて、架橋点又は架橋面を形成して骨材21同士を架橋する。後述する骨材21の締固めにより骨材21同士がすでに接触している場合には、その接触部周辺がアスファルト乳剤23で被覆されて、より強固に架橋されることとなる。
隣接する骨材21の表面間距離が大きい場合、骨材21表面に形成されたアスファルト乳剤23による被膜同士が接触できないため、骨材21間を架橋させることはない。この被膜同士が接触できない空間が、アスファルト乳剤23の塗布、浸透後も混合層24の空隙部25として残存する。この空隙部25により、混合層24(路盤20)の透水性が発揮される。
【0021】
アスファルト乳剤23としては、カチオン系のアスファルト乳剤(以下、カチオン系乳剤)を用いることができる。
カチオン系乳剤は、天然アスファルト、石油アスファルト、重油、タール、ピッチ等の1種又は2種以上を混合した瀝青物をカチオン系の乳化剤により乳化させたものである。
カチオン系の乳化剤としては、長鎖アルキル基を有する脂肪族又は脂環族のモノアミン、ジアミン、トリアミン、アミドアミン、ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒドロキシアルキルジアミン、ロジンアミン、これらアミン類の酸化エチレン付加物、アミンオキサイド、これらのアミン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸などの酸を作用させた水溶性又は水分散性の塩、これらのアミン系界面活性剤の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0022】
以上のように、骨材21をアスファルト乳剤23で架橋することにより、路盤20全体で多孔質状となるため、路盤20の透水性を確保することができる。
また、路盤20表面の骨材21間の固定力(拘束力)が得られ、路盤20表面に与えられる外力に対する耐久性を得ることができる。人工芝グラウンドのように、競技が行われている場合、路盤20表面に掛かる外力は大きいものとなるが、パイル(特に、ロングパイル)により当該外力は軽減されるため、アルファルト乳剤23による表面固定でも十分な耐久性を確保することができる。同時に、路盤20表面における骨材21の拘束をアスファルト乳剤23による架橋のみで実施しているため、路盤20表面のクッション性を得ることができる。
さらに、路盤20の施工過程においてアスファルトを使用していないため、従来の問題である路盤表面の高温化を抑制することもできる。
【0023】
人工芝30は、シート状基材31上に、所定の間隔で複数のパイル32が植設されている。パイル32間には、充填材33が充填されている。人工芝30は、透水性を有している。
【0024】
シート状基材31としては、公知の人工芝用基材(基布)を用いることができ、例えば、ポリプロピレン製又はポリエチレン製の平織りの織布を挙げることができる。
【0025】
パイル32としては、公知の人工芝用パイルを用いることができ、モノフィラメントパイル、フィルムヤーンパイル、スリットヤーンパイル、スプリットヤーンパイル等が挙げられる。
また、パイル32の素材としては、特に制限されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイン系合成樹脂やポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の各種合成樹脂が挙げられる。
【0026】
充填材33は、クッション材としての機能する他、パイル32を保護することを目的とするものであり、パイル32間に充填されていることが好ましい。
充填材33としては、弾性充填材又は硬質充填材を用いることができる。弾性充填材としては、ゴムや樹脂など弾性を有する材料が挙げられる。硬質充填材としては、砂等が挙げられる。
【0027】
次に、路盤20を備えた人工芝舗装体1の施工方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法を示す動作フローチャートである。
【0028】
敷設工程(ステップS100)では、基盤となる路床10上に、骨材21を含む路盤組成物をフローティングスクリードのフィニッシャにより敷設して敷均す。
【0029】
骨材層形成工程(ステップS110)では、路床10上に敷設した路盤組成物をタンデムローラを用いて転圧して締め固め、骨材層22を形成する。
【0030】
混合層形成工程(ステップS120)では、締め固められた骨材層22表面にアスファルト乳剤23を塗布、浸透させ、骨材層22の上部領域における骨材21をアスファルト乳剤23によって架橋させる。
骨材層22表面に対するアスファルト乳剤23の塗布量は、0.3~1.2L/m2の範囲内であることが好ましく、実際の現場環境等を考慮して0.4~1.0L/m2の範囲内であることがより好ましい。
また、アスファルト乳剤23の塗布温度は、10~80℃の範囲内であることが好ましく、実際の現場環境等を考慮して15~60℃の範囲内であることがより好ましい。
このようにして、骨材層22の上部領域を骨材層22と同様の多孔質状を呈する混合層24として形成する。
【0031】
人工芝形成工程(ステップS130)では、複数のパイル32が植設されたシート状基材31を路盤20(混合層24)上に配設した後、回転ブラシでパイル32を起こしながらパイル32間に充填材33を充填し、人工芝30を形成する。
パイル32は、タフティングマシンを用いてシート状基材31上に連続的に植設し、シート状基材31の裏面に塗布したパッキング剤により、高温環境下で乾燥させてシート状基材31に固定する。
【0032】
以上のようにして、透水性に優れ、路盤20表面の安定性とクッション性とを両立させた路盤20及び人工芝舗装体1を施工することができる。
【0033】
このように本発明においては、混合層形成工程では、アスファルト乳剤23の塗布量を0.3~1.2L/m2の範囲内とすることから、骨材21間をアスファルト乳剤23により適度な深さで適度に架橋できるとともに、骨材21間がアスファルト乳剤23により過度に目詰まりすることを抑制することとなり、路盤20の透水性を十分に確保できるという効果を有する。
【0034】
このように本発明においては、アスファルト乳剤23がカチオン系乳剤であることから、アスファルト乳剤23を塗布後、コアとなるアルファルトと乳化剤間の結合が切れることなく、アスファルト乳剤23としての状態を保持したまま骨材21同士を架橋することとなり、混合層24の多孔質構造をより確実に形成し、路盤20の透水性を確保することができるという効果を有する。
【0035】
このように本発明においては、骨材21を含む路盤組成物からなる骨材層22と、骨材21がアスファルト乳剤23によって架橋され、多孔質状に形成された混合層24とを備えることから、混合層24における骨材21間に空隙部25を残したまま、骨材21同士をアスファルト乳剤23を介して架橋できることとなり、透水性が得られるとともに、骨材層22(路盤20)表面の固定力とクッション性を両立できるという効果を有する。また、アスファルトを使用していないため、路盤20表面の高温化を抑制できるという効果を有する。
【0036】
このように本発明においては、骨材21を含む路盤組成物からなる骨材層22と、骨材21がアスファルト乳剤23によって架橋され、多孔質状に形成された混合層24とを有する路盤20と、路盤20上に配設され、複数のパイル32がシート状基材31に植設された人工芝30とを備えることから、路盤20の透水性により人工芝舗装体1表面に雨水がたまることがなく、パイル32やパイル32間に充填されている充填材33が雨水により浮上、流出することを防止できることとなり、人工芝舗装体1の管理を容易とし、また、雨天時の競技中にクッション性が損なわれることがないという効果を有する。
【0037】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法について、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法を示す動作フローチャートである。
【0038】
本実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法が、上記第1の実施形態に係る人工芝舗装体の施工方法と異なっている点は、骨材層表面を乾燥する乾燥工程を有している点である。
以下では、混合層形成工程(ステップS120)、人工芝形成工程(ステップS130)は、上記第1の実施形態と同様であるため、記載を省略する。
【0039】
敷設工程(ステップS200)では、基盤となる路床10上に、骨材21を含む路盤組成物をフローティングスクリードのフィニッシャにより敷設して敷均し、骨材層形成工程(ステップS210)では、路床10上に敷設した路盤組成物をタンデムローラを用いて転圧して締め固め、骨材層22を形成する。この際、骨材層22の含水比が8~20%の範囲内となるように、路盤組成物の組成や施工時間等が調整される。
【0040】
ここで、本実施形態に係る「含水比」は、JIS A 1203:2009(炉乾燥法)に準拠して測定される値であり、採取した路盤組成物の炉内での乾燥前後の質量から算出される。
施工現場でのリアルタイムな測定法として、RI測定法が挙げられる。RI測定法は、ラジオアイソトープを用いた計器で土の密度及び含水比を測定する測定法で、詳しくは地盤工学会基準(JGS 1614-2012,RI計器による土の密度試験方法)に定められている。RI測定法は、炉乾燥法により求められる水分量のみでなく、結晶水や吸着水なども含めた土中の全ての水分量を対象としているため、結晶水や吸着水に相当する量を算出して補正する。
【0041】
乾燥工程(ステップS220)では、含水比が8~20%の範囲内に調整された骨材層22の上部領域における含水比を好ましくは5~10%の範囲内、より好ましくは6~8%の範囲内に調整する。骨材層22の上部において含水比の調整の対象となる範囲(深さ)と、後続の混合層形成工程においてアスファルト乳剤23が浸透する深さとは、必ずしも一致している必要はない。
骨材層22の上部領域の乾燥方法としては、雨が降らない条件にて路盤組成物を敷設した後、乾燥する、又は養生シートを転圧した骨材層22上方から被せることにより行うことができる。また、風乾、加熱乾燥等も好適に用いることができる。
【0042】
乾燥工程(ステップS220)に続いて、混合層形成工程(ステップS120)、人工芝形成工程(ステップS130)を施すことにより、人工芝舗装体1を施工することができる。
【0043】
このように本発明においては、骨材層形成工程と混合層形成工程との間に、骨材層22の上部領域を乾燥する乾燥工程を更に有し、乾燥工程では、含水比が8~20%の範囲内に調整された骨材層22の上部領域における含水比を5~10%の範囲内に調整することから、骨材層22の締め固めを維持するとともに、アスファルト乳剤23を骨材層22の上部領域に適度に浸透させることができることとなり、路盤20の透水性を確保しつつ、骨材層22(路盤20)表面の固定力をより大きくすることができるという効果を有する。
【0044】
なお、本発明において、上記した路盤20の構成は最小構成であり、路盤20に適用可能な公知のその他の層を有していてもよい。
また、人工芝舗装体1における人工芝30の構成は一例であり、従来公知の透水性を有する人工芝の構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 人工芝舗装体
10 路床
20 路盤
21 骨材
22 骨材層
23 アスファルト乳剤
24 混合層
25 空隙部
30 人工芝
31 シート状基材
32 パイル
33 充填材