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特許7285584画面共有時における同一性を共有者に検知させるシステムと入力された回答欄に関する情報を共有者に検知させるシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】画面共有時における同一性を共有者に検知させるシステムと入力された回答欄に関する情報を共有者に検知させるシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20230526BHJP
【FI】
G06F3/0481
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021146249
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2021094703の分割
【原出願日】2021-06-04
(65)【公開番号】P2022186565
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】511113970
【氏名又は名称】株式会社インタラクティブソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】関根 潔
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-164560(JP,A)
【文献】特開2008-040703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末(3)と第2の端末(5)と接続されたシステム(1)であって,
第1の端末(3)の画面に表示された対象物を第1の対象物とし,第2の端末の画面に表示された第1の対象物に対応する対象物を第2の対象物としたときに,
第1の対象物と第2の対象物とが同じであることに関する表示である同一表示(11),及び
第1の対象物と第2の対象物とが異なることに関する表示である相違表示(13)のいずれか又は両方を,
第1の端末(3)の画面及び第2の端末(5)の画面のいずれか又は両方に表示し,
第1の対象物は,複数の質問項目(26)と,前記複数の質問項目(26)に対応した複数の回答欄(28)とを含む質問票(24)であり,
第2の端末(5)が,前記質問票(24)のある回答欄(28)に情報を入力した際に,前記ある回答欄(28)に対応する質問項目(26)に関する情報が,第1の端末(3)に表示される,システム(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(1)であって,
前記同一表示(11)及び前記相違表示(13)の両方を第1の端末(3)の画面及び第2の端末(5)の画面のいずれか又は両方に表示し,
前記同一表示(11)及び前記相違表示(13)は,色,アイコン,図形及び表示文字のいずれか1種又は2種以上が異なる,
システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステム(1)であって,
前記対象物が,第1の端末(3)からの共有指示により第2の端末(5)の画面に表示される場合,
第1の端末(3)には,
第2の端末(5)に関する識別情報と,
前記同一表示(11)及び前記相違表示(13)のいずれか又は両方とが表示される,システム(1)。
【請求項4】
請求項3に記載のシステム(1)であって,
前記システム(1)は,第1の端末(3)及び第2の端末(5)以外の1又は複数の端末と接続され,
前記同一表示(11)が第1の端末(3)に表示される場合,第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示された第1の端末(3)以外の端末の数であるか,又は第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示された第1の端末(3)以外の端末の割合が表示され,
前記相違表示(13)が第1の端末(3)に表示される場合,第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示されていない端末の数であるか,又は第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示されていない端末の割合が表示されるシステム(1)。
【請求項5】
コンピュータを,
第1の端末(3)と第2の端末(5)と接続されたシステム(1)であって,
第1の端末(3)の画面に表示された対象物を第1の対象物とし,第2の端末の画面に表示された第1の対象物に対応する対象物を第2の対象物としたときに,
第1の対象物と第2の対象物とが同じであることに関する表示である同一表示(11),及び
第1の対象物と第2の対象物とが異なることに関する表示である相違表示(13)のいずれか又は両方を,
第1の端末(3)の画面及び第2の端末(5)の画面のいずれか又は両方に表示し,
第1の対象物は,複数の質問項目(26)と,前記複数の質問項目(26)に対応した複数の回答欄(28)とを含む質問票(24)であり,
第2の端末(5)が,前記質問票(24)のある回答欄(28)に情報を入力した際に,前記ある回答欄(28)に対応する質問項目(26)に関する情報が,第1の端末(3)に表示される,システム(1)として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,画面共有時の同一性を共有者に検知させるシステムに関する。より詳しく説明すると,この発明は,複数のユーザ間の端末で表示される内容が同一であるかを共有者に知らせるためのシステムに関する。また,この発明は,入力された回答欄に関する情報を共有者に知らせるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端末間で画面コンテンツを共有表示しても,ある共有者がその画面コンテンツのどの位置を画面表示させているかを把握することは,難しく共有者間で適切に情報共有できないという問題があった。
【0003】
特開2016-053773号公報には,共有表示すべき要素を効率的に表示するシステムが記載されている。共有表示に設定されているかを判定し,共有表示すべき要素を効率的に表示するシステムは公知である。しかしながら,画面共有時における画面表示の同一性を共有者に検知させるシステムと入力された回答欄に関する情報を共有者に知らせるシステムは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-053773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は,例えば複数のユーザ間の端末で表示される内容が同一であるかをユーザに知らせるためのシステムを提供することを目的とする。この発明は,入力された回答欄に関する情報を共有者に知らせるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数のユーザ間の端末で表示される内容が同一であるかをユーザに知らせるためのシステムを提供する。また,ある端末で質問票のある回答欄に入力があった際に,上記の回答欄に対応する質問項目に関する情報が,他の端末に表示されるシステムを提供する。


この発明は,複数のユーザ間の端末で表示される内容が同一であるかを共有者に知らせることと,入力された回答欄に関する情報を共有者に知らせることによって効率的にプレゼンテーション等を行えるという知見に基づく。
【0007】
このシステムは,以下の態様の第1の端末と第2の端末が接続されたものである。
第1の端末に表示される対象物を第1の対象物とする。第2の端末に表示される対象物を第2の対象物とする。第1の対象物と第2の対象物が同じであることに関する表示を同一表示とする。第1の対象物と第2の対象物が異なることに関する表示を相違表示とする。
同一表示と相違表示は,第1の端末の画面と第2の端末の画面のいずれか又は両方に表示
される。
【0008】
このシステムのある好ましい態様は,第1の端末の画面に表示される対象物は,プレゼンテーション資料,質問票,写真,画像,動画又は文章であるものである。
【0009】
このシステムのある好ましい態様は,同一表示及び相違表示の両方を第1の端末の画面及び第2の端末の画面のいずれか又は両方に表示する。そして,同一表示及び相違表示は,色,アイコン,図形及び表示文字のいずれか1種又は2種以上が異なるシステムである。
【0010】
このシステムのある好ましい態様は,対象物が,第1の端末からの共有指示により第2の端末の画面に表示される場合,第1の端末には以下の様に情報が表示される。
上記の場合,第1の端末には,第2の端末に関する識別情報と,同一表示及び相違表示のいずれか又は両方が表示される。
【0011】
このシステムのある好ましい態様は,以下の態様のものである。
システム1は,第1の端末及び第2の端末以外の1又は複数の端末と接続される。
同一表示が第1の端末に表示される場合,第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示された第1の端末以外の端末の数であるか,又は第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示された第1の端末以外の端末の割合が表示される。
相違表示が第1の端末に表示される場合,第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示されていない端末の数であるか,又は第1の対象物と同一の対象物が表示部に表示されていない端末の割合が表示される。
【0012】
このシステムのある好ましい態様は,以下の態様のものである。第1の対象物は,複数の質問項目とそれら複数の質問項目に対応した複数の解答欄とを含む質問票である。そして,第2の端末にて上記の質問票のある回答欄に入力があった際に,上記の回答欄に対応する質問項目に関する情報が,第1の端末に表示される。
【発明の効果】
【0013】
複数のユーザ間の端末で表示される内容が同一であるかをユーザに知らせるためのシステムを提供する。また,ある端末で質問票のある回答欄に入力があった際に,上記の回答欄に対応する質問項目に関する情報が,他の端末に表示されるシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は,本発明のシステムの構成を説明するための概念図である。
図2図2は,本発明のシステムを説明するためのブロック図である。
図3図3は,本発明のシステムにおいて2台の端末の間で処理が行なわれる場合の流れを示した図である。
図4図4は,本発明のシステムにおいて各端末に表示される対象物の例を示した図である。
図5図5は,本発明のシステムにおいて表示される同一表示と相違表示の例を示した図である。
図6図6は,本発明のシステムにおいて表示される同一表示の割合及び端末数と,相違表示の割合及び端末数を示した図である。
図7図7は,本発明のシステムにおいて,第2の端末にて回答欄に入力があった場合に,第1の端末に表示される表示内容を例示した図である。
図8図8は,本発明のシステムにおいて3台の端末の間で処理が行なわれる場合の流れを示した図である。
図9図9は,本発明のシステムにおいて2台の端末の間で処理が行なわれる場合であって質問票が画面に表示される場合の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明のシステム1は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0016】
<情報処理システムの概要>
まず,本発明のシステム1の概要について説明する。図1は,本発明のシステム1の構成を説明するための概念図である。
図1に示すように,本発明のシステム1には,第1の端末3と第2の端末5が接続される。さらに,システム1には,これら以外にも,上記の端末と同等の機能を有する複数の端末(第3の端末6等)が接続されてよい。また,上記の各端末は,インターネットなどの情報通信回線を通じて相互に情報の授受ができるように接続されている。上記各端末の具体例は,コンピュータ,タブレット端末及びスマートフォン等の情報処理端末である。
なお,システム1には,後述する各端末の画面の表示情報の比較を行うための,解析サーバ等が接続されていてもよい。なお,上記の表示情報の比較処理が各端末で行なわれる場合は,解析サーバの接続は必須ではない。
【0017】
また,このシステム1は,表示情報比較部(14a又は14b)と,入力済回答欄特定部15aとを有する。
表示情報比較部(14a又は14b)は,各端末で表示された対象物の表示内容を比較するための要素である。
入力済回答欄特定部15aは,第2の端末5で入力された質問票の回答欄に対応する質問項目に関する情報を第1の端末に通知し,その情報を第1の端末に表示させるための要素である。
システム1は,各端末の画面で表示されている対象物が同一であるかを確認するためのものである。また,システム1は,第2の端末5で質問票24の回答欄に情報が入力された際に,その回答欄に対応する質問項目に関する情報を第1の端末3に表示させるためのものである。
例えば,本発明のシステム1において,上記の対象物の同一性を確認する端末が,第1の端末3と第2の端末5の2つである場合は,互いの端末同士で,各端末で表示されている対象物に関する表示情報を送信し合ってよい。そして,その表示情報に基づいて表示情報の比較処理を行い,同一表示11と相違表示13の表示制御を行う。
また,3台以上の端末間において,システム1での上記の対象物の同一性を確認する場合は,いずれか1つの端末をプレゼンター端末とすることが好ましい。例えば,第1の端末3をプレゼンター端末として設定してよい。この場合,第1の端末3以外の複数の端末に表示されている対象物に関する表示情報を,通信部を介して,第1の端末3に送信する。
そして,第1の端末3(プレゼンター端末)の表示情報比較部14aでは,上記の対象物に関する表示情報に基づいて,第1の端末3以外の複数の端末に表示された対象物が,第1の端末3に表示される対象物が同一であるかの比較処理を行う。
【0018】
また,質問票24は,ユーザに対する質問を表す質問項目26と,それに対する回答を入力するための回答欄28を有する。質問項目26は,1つの質問票24につき,1つでもよいし,複数あってもよい。同様に,回答欄28は,1つの質問票7につき,1つでもよいし,複数あってもよい。質問票24は,各端末のユーザの操作によって,各端末の画面に表示される。各質問項目26は,いずれかの回答欄28に対応する。質問項目26は,例えば,ユーザの属性やプロフィールに関する質問内容を表す文章であってもよいし,単語表記されたものであってもよい。回答欄28は,上記の質問項目26に対する回答をユーザが入力する入力欄である。その回答欄28はリストボックスであってもよいし,テキストボックスであってもよいし,チェックボックス等であってもよい。質問票24は,記憶部に保存されたアプリケーションプログラムを実行することで表示されるものであってもよいし,ドキュメントファイルとして保存され読み出されるものであってもよい。
【0019】
(第1の端末3,第2の端末5及び各端末の構成)
第1の端末3,第2の端末5,第3の端末6及び各端末の構成について説明する。
図2に示すように,第1の端末3と第2の端末5とシステム1に接続される端末は,各々,表示部(16a,16b又は16c)と通信部(18a,18b又は18c)と制御部(20a,20b又は20c)と操作部(22a,22b又は22c)と記憶部(23a,23b又は23c)とを有する。さらに,第1の端末3,第2の端末5,第3の端末6及び各端末は,表示情報比較部(14a,14b又は14c等)を有する。また,第1の端末3は,入力済回答欄特定部15aを有する。
各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。
また,各端末のコンピュータは,演算部を有していてよい。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。操作部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,表示部から表示する。このようにして,各種処理が実行される。以下説明する各要素は,コンピュータのいずれかの要素に対応していてもよい。
【0020】
(表示情報比較部)
表示情報比較部は,第1の端末3の表示部に表示される対象物と,他の端末での表示部に表示される対象物が同一であるかを判定するための要素である。例えば以下の様な処理で上記の判定が行なわれる。
まず,第1の端末3と第2の端末5の間でこの処理が実行される場合について説明する。
図3は,本発明のシステムにおいて2台の端末の間で処理が行なわれる場合の流れを示した図である。
第1の端末3の表示部16aに,ユーザの操作部への入力によってプレゼンテーション資料,質問票,写真,画像,動画又は文章が表示される。
例えば第1の端末3の表示部16aに表示される第1の対象物が,質問票である場合,第1の対象物は,図4に示されるようなものであってよい。
所定の時間における上記の表示された内容の情報が,通信部を介して第2の端末5に送信される。同様に,第2の端末5の表示部16bに,ユーザの操作部への入力によって,プレゼンテーション資料,質問票,写真,画像,動画又は文章が表示される。その際,第1の端末3からの共有指示が通信部を介して第2の端末に送信され,制御部20bを介して上記の内容が第2の端末5の表示部16bに表示されることが好ましい。ここで共有指示とは,そのある端末に表示される内容を他の端末に表示する際に,その表示の許可を上記他の端末に与えることである。そして,所定の時間における第2の端末5に表示された対象物の表示情報が,通信部を介して第1の端末3に送信される。
【0021】
次に,第1の端末3の表示情報比較部14aでは,第2の端末5から通信部を介して送信された第2の対象物の表示情報と,第1の端末3の表示部16aに表示された第1の対象物の表示情報の比較処理が行われる。例えば,上記の端末の画面中,比較処理において比較の対象となる部分(表示画像比較部分とする)を予め設定しておき,表示情報の比較処理にて第1の端末3の対象物に関する表示画像比較部分と第2の端末の対象物に関する表示画像比較部分の画像情報の比較が行われてもよい。この画像情報の比較においては,公知の画像情報解析手段が用いられてよい。同様に第2の端末5の表示情報比較部14bでは,第1の端末3から送信された第1の対象物の表示情報と第2の端末3の表示部16bに表示された第2の対象物の表示情報の比較処理が行われる。
【0022】
上記の画像情報の比較処理においては,上記の表示画像比較部分同士の情報が所定の割合以上で重複する場合に第1の対象物と第2の対象物が同一であると判断されてもよい。
一方,上記以外であれば,第1の対象物と第2の対象物は相違すると判断されてよい。
そして,端末の識別番号と上記の比較結果とを紐づけた情報を作成する。上記の重複範囲の測定には,公知の画像解析技術が用いられてよい。
【0023】
なお,上記表示画像比較部分の比較における所定の割合は,50%以上100%以下でもよいし,60%以上90%以下でもよいし,70%以上85%以下でもよいし,システム1のユーザが設定した任意の値でもよい。さらに,表示画像比較部分は,システム1の各ユーザが,操作部を通じて任意に設定し記憶部に記憶できるものとしてもよい。
これ以外にも,各端末の画面上のスクロール位置の座標を取得して,それらを比較し所定の範囲で重複しているか否かをチェックして,上記の表示情報の比較処理をすることとしてもよい。以上が,2台の端末間において各画面で表示される対象物の比較処理が行われた場合である。なお,上記の比較処理においては,これ以外の公知の方法に基づいて各端末で表示されている対象物の表示情報の比較を行ってもよい。
【0024】
さらに,表示情報比較部は,第1の端末3とで表示される入力内容とそれ以外の端末で
表示される入力内容が,同一であるか否かの比較処理を行ってもよい。
以下,上記の比較処理の具体例を説明する。まず,例えば第1の端末3の表示部16aにユーザの操作によって質問票24が表示される。さらに,質問票24のファイルの送受信及び共有指示を介して,第1の端末3以外の端末(ここでは第2の端末5とする)の表示部に上記の質問票24が表示される。
次に,第2の端末5のユーザによって,操作部22bを介して,質問票24の,ある質問項目に対応する回答欄(回答欄A1とする)に情報が入力されたとする。その後,上記の入力内容が,第1の端末3の表示部に表示された質問票24の,上記の回答欄A1に対応する回答欄(回答欄A2)に反映されたとする。なお,回答欄A1と回答欄A2は,同一の質問内容に対応する回答項目である(例えば,ユーザの属性)。
【0025】
この時,上記の入力内容の反映は,通信回線を通じた自動的な処理であってもよいし,第1の端末3のユーザによって,直接,操作部22aを介して入力されるものであってもよい。
そして,第2の端末5に表示された質問票24の回答欄A1に対する上記の入力内容の表示情報が,第1の端末3に送信される。そして,第1の端末3に表示された回答欄A2の入力内容の表示情報と,第2の端末5の回答欄A1の入力内容の表示情報の比較処理が,表示情報比較部14aにて行われる。 その情報が同一であれば,それらの回答欄の表示内容が同一であると判断されてよい。また,上記の情報が相違すれば,それらの回答欄の表示内容が相違すると判断されてよい。なお,上記の比較結果に基づいて,端末の識別番号及び質問項目毎に上記の比較結果を,各端末の表示部に一覧表示する仕様であってもよい。
【0026】
上記の比較方法以外にも,各端末で表示される対象物を表示させるためのファイルが,正常に送受信されたことを確認するための,送信完了ファイルと受信完了ファイルの情報を比較することによって,対象物の表示情報の比較を行ってもよい。具体的には,例えば,第1の端末3から,他の端末(ここでは,第2の端末5とする)に対して,その端末の表示部に表示させる対象物のファイル(対象物表示ファイルとする)を送信する。続いて,第1の端末3から,上記対象物表示ファイルの送信処理が完了したことを通知するための,送信完了ファイルを第2の端末5に送信する。この時,第1の端末3側で,上記の送信完了ファイルの複製ファイルを保存することが好ましい。
【0027】
次に,第2の端末5(他の端末でもよい)は,受信した上記送信完了確認ファイルを,上記対象物表示ファイルの受信処理が第2の端末5側で完了したことを通知するためのファイル(受信完了確認ファイル)として,第1の端末3に送信する。この時,受信完了確認ファイルの複製を第2の端末5で保存することが好ましい。なお,上記の送信処理で,第1の端末3に対して送信するファイルは受信完了確認ファイルでなく,受信完了確認ファイルの複製ファイルであってもよい。
そして,第1の端末3では,表示情報比較部14aを介して,上記の送信完了確認ファイルと受信完了確認ファイルの情報が比較され,その情報が同一であれば,第1の対象物と第2の対象物が同一であると判断されてもよい。また,上記の情報が相違すれば,第1の対象物と第2の対象物が相違すると判断されてもよい。この場合の比較の処理ではファイル同士の識別情報を比較してもよいし,ファイルに含まれるバイナリデータや任意の情報を比較してもよい。なお,上記の送信完了確認ファイルと受信完了確認ファイルは,上記の対象物表示ファイルで代用されてもよい。
【0028】
次に3台以上の端末でシステム1を用いた場合について説明する。この場合は,いずれかの端末をプレゼンター用の端末(第1の端末3であってよい)として機能させてよい。つまり,その表示部16aに表示される第1の対象物を基準として,その基準の対象物と他の各端末で表示される対象物が同一であるかの確認を行う。
【0029】
具体的に説明すると,まず,プレゼンター用の端末である第1の端末3に対して,システム1に接続された複数の端末から,通信部を介して各々の端末に表示された対象物の表示画像の情報が送信される。この時,表示画像の情報は,送信元の端末に関する識別情報と紐付いていることが好ましい。そして,上述した2台の端末間で行われる場合と同様の画像比較方法により,第1の対象物と,第1の端末3以外の端末に表示された各々の端末の対象物を比較する処理が,表示情報比較部14aによって行われる。そして,各端末の対象物の比較結果情報が作成される。
この比較結果情報は,端末に関する識別番号毎の対象物の比較結果情報であることが好ましい。この比較結果の情報を基に,以下で述べる同一表示11又は相違表示13が行われる。さらに,上記の情報を基に,第1の対象物と同一の対象物が表示されている端末の割合又は数が表示されてよい。同様に,上記の情報を基に,第1の対象物と同一の対象物が表示されていない端末の割合又は数が表示されてよい。なお,第1の端末3以外の端末に,第1の端末3に表示される対象物が表示される際, 第1の端末3からの他の端末に対しての,その対象物に関する共有指示に基づいて行われることが好ましい。
【0030】
(同一表示,相違表示,端末数及び割合表示(表示対象結果の表示))
図5は,本発明のシステムにおいて表示される同一表示11と相違表示13の例を示した図である。
図6は,本発明のシステムにおいて表示される同一表示の割合及び端末数と,相違表示の割合及び端末数を示した図である。図6(a)は,本発明のシステムにおいて表示される同一表示の割合及び端末数の例である。図6(b)は,本発明のシステムにおいて表示される相違表示の割合及び端末数を示した図である。
表示情報の比較処理によって得られた比較結果情報に基づいて,同一表示11,相違表示13,端末数及び割合の表示が行われてよい。同一表示11及び相違表示13は,色,アイコン,図形及び表示文字のいずれか1種又は2種以上が異なるものである。
まず,2台の端末(第1の端末3と第2の端末5)間でシステム1を用いて,上記の比較処理が行われた場合について説明する。第1の端末3の制御部20aは,上記の比較処理によって作成された比較結果情報を参照し,比較結果が同一であれば,第1の端末3の表示部16aに同一表示11を表示させる。比較結果が相違するものであれば,第1の端末3の表示部16aに相違表示13を表示させる。この時,上記の表示は端末の識別番号毎又は,ユーザ名が表示されることが好ましい。
【0031】
この場合,第2の端末5の表示部16bにも,上記の方法及び条件で同一表示11又は相違表示13が表示される。同一表示11及び相違表示13の具体例は,色,アイコン,図形,または文字表示である。例えば,同一表示11及び相違表示13が色で示される場合,画面に緑色のマーカーが表示されれば,上記の比較結果が同一であることを示し,黄色のマーカーが表示されれば,上記の比較結果が相違することを示す。この他にも,上記の比較結果が同一であった場合に○,相違する場合に×を表示させてもよい。また,上記の比較結果において相違がある場合のみ,上記の相違表示を行う仕様であってもよい。
【0032】
次に,第1の端末3と第2の端末5と上記以外の端末の3台以上の端末の間で,システム1の処理が実行され,同一表示,相違表示,端末数及び割合表示の制御が行われる場合について説明する。
この場合,第1の端末3が,プレゼンター用端末として機能してよい。第1の端末3の制御部20aは,上記の比較処理によって作成された識別番号毎の比較結果を参照し,比較結果が同一であれば,第1の端末3の表示部16aに同一表示11の表示を行う。上記比較結果が相違するものであれば,第1の端末3の表示部16aに相違表示13の表示を行う。さらに,第1の端末3の制御部20aは,上記の識別番号毎の比較結果を参照し,第1の対象物と同一のものが表示されている端末の割合を第1の端末3に表示させてよい。
また,第1の端末3の制御部20aは,上記の識別番号毎の比較結果を参照し,第1の対象物と相違するものが表示されている端末の数又は割合を第1の端末3の表示部に表示させてよい。
【0033】
(入力済回答欄特定部)
入力済回答欄特定部15aは,第2の端末5において入力回答された質問票24の質問項目に対応する回答欄を特定するための要素である。以下,その機能について説明する。まず,ユーザの操作部22aに対する入力によって,第1の端末3の表示部16aに複数の質問項目とこれらの質問項目に対応した回答欄を含む質問票24が表示される。そして,通信部及び制御部を介して第2の端末5の表示部16bにも,上記の質問票24が表示される。
この時,上記の質問票24の表示レイアウトが縦又は横に長かったり,質問票24の画面上のサイズが大きいことが理由で各端末の表示部に上記の質問票24が表示しきれないことがある。その場合,画面をスクロールさせないと質問票の内容全体を視認できない。そのため,以下の様な問題が発生してしまう。
【0034】
例えば,第2の端末5にて表示されている上記の回答欄のうち,第1の端末3の表示部16aに表示しきれていない回答欄に対応する,第2の端末の回答欄に入力があったとする。そして,その入力内容が第1の端末3に通信部を介して送信され,表示部16aに反映されたとする。この時,画面のスクロール等をしなければ第1の端末3の表示部16aに表示しきれない位置に上記の回答欄が位置しているために,第1の端末3のユーザは,上記入力があったことを感知し得ないことがある。
【0035】
そこで,本発明のシステム1においては,以下の態様をとることで,上記の場合でも,第1の端末3のユーザが,上記の入力があったことを感知することができるものとしている。
第1の端末3と第2の端末5の表示部において,同一の質問票24が表示されている状態で,第2の端末の操作部22bを介していずれかの回答欄に入力があったとする。その際,第2の端末5から通信部を介して,第1の端末3に,上記の質問項目と回答欄の識別情報が送信される。上記の送信内容には,第2の端末5に関する識別情報が含まれていることが好ましい。
【0036】
そして,第1の端末3で通信部を介して上記の情報を受信すると,その情報に基づいて,入力済回答欄特定部15aにて第1の端末3のユーザに上記の回答の入力箇所を通知するためのメッセージや表示内容の情報が作成される。
入力済回答欄特定部15aでは,入力された回答欄の識別番号をもとに,対応する質問項目を特定し,端末1に該当する質問項目に関するメッセージや表示内容を作成する。上記のメッセージや表示内容は,回答欄に入力を行ったユーザ名(端末の識別情報でもよい)と入力のあった質問項目表すものであることが好ましい。
このメッセージや表示内容は,「世帯欄」の回答欄が第2の端末3のユーザ(Aさんとする)によって入力された場合,「Aさんが世帯欄を入力しました」といったものでよい。そして第1の端末3の制御部20aを介して,表示部16aにそのメッセージや表示内容が表示される。
図7は,「世帯欄」の回答欄に第2の端末3のユーザが入力した場合を例示した図である。
この他にも,第2の端末3のユーザが操作部を介して,回答欄の入力情報に同意する旨の入力をした場合に,そのユーザ名と同意した旨のメッセージを第1の端末の表示部に表示させてもよい。
【0037】
(表示部,通信部,制御部及び操作部)
第1の端末3と第2の端末5及びシステム1に接続される端末は,基本的に表示部と通信部と制御部を有してよい。
【0038】
表示部(16a,16b又は16c)は,画像や動画等の視覚情報を表示するための要素である。表示部(16a,16b又は16c)は,例えば,各種のディスプレイ装置であってよい。
【0039】
通信部(18a,18b又は18c)は,通信インタフェースから構成されるものであり,システム1に接続される各端末の間で情報の送受信を行うための機能を有する。各端末は,この要素を介して,例えば,各端末の表示部に表示される対象物の表示情報等の各種情報を他の端末に送信したり,他の端末の表示部に表示される対象物の表示情報等各種情報を受信する。
【0040】
制御部(20a,20b又は20c)は,情報の送受信や情報の記憶部への保存,表示部への表示内容の制御等,各部の制御を行うための手段である。
【0041】
操作部(22a,22b又は22c)は,上記の各端末のユーザから操作情報の入力を受け付けるための要素である。操作部を介して入力された操作情報は,制御部へと伝達され,各端末の制御に利用される。
操作部は,公知の情報処理端末に利用されている種々のキーボード,マウス,タッチパネルを採用することができる。また,操作部を構成するタッチパネルは,表示部を構成するディスプレイと共に,タッチパネルディスプレイを構成していてもよい。
【0042】
<1.システム1の情報処理の動作(3台以上の端末がシステム1に接続される場合)>
続いて本発明の実施形態の一例による情報処理システムの処理について説明する。図8は,本発明のシステムにおいて3台の端末の間で処理が行なわれる場合の処理フローを示した図である。
なお,以下で述べる処理フローは,本発明のシステム1を実現するための,内部処理の一例であり,本発明のシステム1に用いることができる内部処理は,以下の例に限定されない。
【0043】
(1-1.端末に表示される対象物の表示情報の送受信)
以下の例は,システム1に3台以上の端末が接続されている場合であって,第1の端末3のユーザがシステム1にて資料を提示するプレゼンターである場合について説明する。
第1の端末3(プレゼンター端末)のユーザによる操作部22aに対する操作によって,第1の端末3の表示部16aに第1の対象物が表示される。そして,第1の対象物に関する共有指示が通信部を介して,システム1に接続された第1の端末3以外の端末に送信され,それらの端末の表示部に上記第1の対象物の画像が表示される(対象物の表示:S01)。
【0044】
(1-2.端末に表示される対象物の表示情報の比較処理と比較結果の取得)
第1の端末3の表示情報比較部14aにおいて,第2の端末5から受信した第2の対象物の表示情報と第1の端末3に表示されている第1の対象物の表示情報の比較処理が,前述した方法で行なわれる(表示情報の比較処理:S02)。
同様に,第1の端末3の表示情報比較部14aにおいて,第3の端末6から受信した第3の対象物の表示情報と第1の端末3に表示されている第1の対象物の表示情報の比較処理が,前述した方法で行なわれる(表示情報の比較処理:S02)。この表示情報の比較処理に基づいて,第1の端末3は,第1の対象物と他端末に表示された対象物が同一か否かについての,表示情報の比較結果情報を得ることができる。
なお,上記の比較結果が相違している場合,第1の端末3から,他の端末(第2の端末5や第3の端末6等)に対して,上記の表示情報の再送(第1の端末3以外からの,第1の端末3に対する,情報の再送信)を促すための再送指示が,制御部及び通信部を介して送信されてもよい。この再送指示は,画面に表示されるメッサージ情報等であってよい。比較結果が相違している場合,この処理の例では,この再送指示は,第1の端末3から,第2の端末5や第3の端末6等(第1の端末と表示情報の比較結果が相違する端末)に送信されてよい。
これにより,第1の端末3にて表示される最新の情報が,他の各端末にて表示されることが促される。
【0045】
なおこの比較処理は,第1の端末で行なわれず,システム1に接続された解析サーバ等で実行され,その比較結果だけが,解析サーバから第1の端末3等に送信される態様であってもよい。
【0046】
(1-3.表示対象比較結果の表示)
次に,第1の端末3では,上記の表示情報の比較結果に基づいて同一表示11と相違表示13の表示制御が行なわれる。上述した様に表示情報の比較結果が同一か否かに合わせて,各端末の識別番号毎に同一表示11及び相違表示13とその割合と端末台数の表示制御を行ってよい(表示対象比較結果の表示:S03)。
【0047】
<2.システム1における情報処理の動作(質問票が表示される場合)>
以下の例では,2台の端末間でシステム1の処理が実行され,第1の端末3と第2の端末5の表示部に質問票24が表示される場合について説明する。図9は,本発明のシステムにおいて2台の端末の間で処理が行なわれる場合であって,表示される対象物が質問票24の場合の処理フローを示した図である。
(2-1.入力箇所の通知)
まず,ユーザの操作部への入力と上記で述べた共有指示と表示情報の比較処理を経て,第1の端末3と第2の端末の表示部に同一の質問票24が表示される。
次に第2の端末5で上記の質問票24のいずれかの回答欄に入力(質問票の回答欄に情報入力:S04)があると,回答欄の識別情報と,入力があった端末の識別情報が,第1の端末3に送信される。そして,第1の端末の入力済箇所特定部15aで,前述した方法で,第1の端末3のユーザに上記の回答の入力箇所を通知するためのメッセージや表示内容を作成する(入力箇所通知メッセージ作成:S05)。そして,その入力箇所を通知するメッセージが,第1の端末3に表示される(入力箇所の通知:S06)。
【0048】
以上,本願明細書では,本発明の内容を実現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【0049】
この明細書は,コンピュータを上記のシステムとして機能させるためのプログラムや,そのプログラムを格納した情報記録媒体を提供する。このプログラムは,コンピュータに実装され,コンピュータを,第1の端末に表示されている対象物と他の端末に表示されている対象物が同一であるか否かの確認を行うための,表示情報の比較処理をする手段と,質問票にて入力された回答欄に関する情報をユーザに通知するための,入力箇所通知メッセージを作成する手段とを有する,システムとして機能させる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は,情報通信産業において利用され得る。
【符号の説明】
【0051】
1 システム
3 第1の端末
5 第2の端末
6 第3の端末
11 同一表示
13 相違表示
14a 表示情報比較部
14b 表示情報比較部
14c 表示情報比較部
15a 入力済回答欄特定部
16a 表示部
16b 表示部
16c 表示部
18a 通信部
18b 通信部
18c 通信部
20a 制御部
20b 制御部
20c 制御部
22a 操作部
22b 操作部
22c 操作部
23a 記憶部
23b 記憶部
23c 記憶部
24 質問票
26 質問項目
28 回答欄

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9