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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】ドライブレコーダ本体及び機器
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20230526BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021163877
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2020099748の分割
【原出願日】2009-04-09
(65)【公開番号】P2022000818
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
【審査官】平野 貴也
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0426239(KR,Y1)
【文献】特開2008-305254(JP,A)
【文献】特開2008-140334(JP,A)
【文献】国際公開第2008/036965(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00 - 15/00
B60R 9/00 - 11/06
G08G 1/00 - 99/00
H04N 5/222- 5/257,
7/18,
23/00,
23/40 - 23/76,
23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器であって、
表示部を有する第1の部分であって、
前記第1の部分を車両に取り付けるための取付部材と、
前記第1の部分に連結されたケースであって、前記第1の部分に対する姿勢を変化可能なカメラを有するケースを備えた第2の部分と、
備え
前記第2の部分は、前記第1の部分に対する前記ケースの姿勢を変化させることが可能であり、かつ前記カメラのレンズを前記表示部よりも下方に位置させることが可能に構成されている
車載機器。
【請求項2】
車載機器であって、
表示部を有する第1の部分であって、
前記第1の部分を車両に取り付けるための取付部材と、
前記第1の部分に連結されたケースであって、前記第1の部分に対する姿勢を変化可能なカメラを有するケースを備えた第2の部分と、
備え
前記第2の部分は、前記第1の部分に対する前記ケースの姿勢を変化させることが可能であり、かつ前記カメラの撮影方向を前記表示部の向く方向よりも下方に向けさせることが可能に構成されている
車載機器。
【請求項3】
車載機器であって、
表示部を有する第1の部分であって、
前記第1の部分を車両に取り付けるための取付部材と、
前記第1の部分に連結され、前記第1の部分に対する姿勢を変化可能なカメラを有する第2の部分と、
を有し、
前記第1の部分は、さらに前記表示部とは異なる方向を向くカメラを有する
車載機器。
【請求項4】
前記取付部材は、前記車両のガラスに取り付けられる
請求項1から3のいずれか1項に記載の車載機器。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の車載機器を有するドライブレコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダ及び車載用オプション部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の事故発生時の前後の車両状況情報(前方映像、車両速度、急加減速など)を記憶するドライブレコーダは、自動車の衝突事故などの際の検証に有益な情報を提供することになるので、特にトラック等の運送用の車両や、タクシー,バス等の営業用車両への搭載が広まっており、さらに、一般の車両にも搭載されつつある。
【0003】
このドライブレコーダは、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像とドライバーの運転操作(ブレーキ操作、ウインカー操作、走行経路等)状況を示す走行データとを記憶可能な構成となっている。映像データの記憶をする構成について簡単に説明すると、CCDカメラにて常時、運転者の視点(視野)から自車と周辺状況を撮像するとともに、その撮像した映像をリングバッファ等の一時記憶メモリに記憶する。この一時記憶メモリに記憶する映像は、逐次最新のものに更新され、設定された時間分だけ過去の映像データが保持される。一方、ドライブレコーダは、加速度センサ等の事故や急ブレーキ・急ハンドル時に発生する衝撃を検知するセンサを備え、そのセンサの出力値が閾値を超えた場合、閾値を超えた(衝撃検出)時点より前の一定期間の映像を一時記憶メモリから読み出して不揮発性メモリ(SDメモリカード等)に格納すると共に、閾値を超えた時点以降はその後に撮像したCCDカメラの映像を不揮発性メモリに直接或いは一時記憶メモリを経由して格納することで衝撃前及び衝撃後の所定時間にわたる映像と前記走行データ等を不揮発性メモリ(SDカード)に保存する機能を備える。
【0004】
そして、事故が発生したときには、不揮発性メモリに保存されている自車の車両状況情報(映像等)に基づいて、運転者の正当性を明確に証言することを可能としている。また、ドライブレコーダは、急ハンドル、急ブレーキ等の乱暴で危険な運転操作を検出すると、警告音等を発して運転者に注意を促すことで、運転者にある種の緊張感を与えることもできる。
【0005】
このドライブレコーダは、車両の前方映像を撮影し記憶することから、通常、車両のフロントガラス等に取り付ける。具体的には特許文献1,2に示すように、CCDカメラやセンサ等が内蔵された扁平矩形状の本体の上面に、本体に対して所定角度に傾斜する取付面を有する取付部材を設け、取付面に設けられた粘着テープ,両面接着テープや、吸盤などを用いてフロントガラスの所定位置に接着・固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-193057号公報
【文献】特開2006-321423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のドライブレコーダに対する改良・開発は、事故発生時に確実に映像を記録するとともに、できるだけ多くの情報を正確に収集記録することができ、また、事故が発生していないのに誤動作により不要な情報を記録することがないようにするなど、ドライブレコーダ本来の機能の向上を主眼に行われている。そして、この種のドライブレコーダは、実際に事故が発生したときにその存在価値が発生することもあり、タクシーその他の営業車のように比較的頻繁に運転をする車両に搭載され、普段あまり運転をしない一般のドライバーの車両にはあまり搭載されていないのが実情である。
【0008】
一方、ひとたび事故を起こした場合、ドライブレコーダがあると、事故発生時の状況が客観的に確認できるので、上記の一般のドライバーにとっても有益なものとなる。そこで、ドライブレコーダを普及させ、できるだけ多くの車両に搭載させたいという課題がある。
【0009】
ドライブレコーダと、レーダー探知機等の車載用オプション部品とを、車両購入後に後付けすると、機器ごとに車両に固定をする必要があり、また、機器ごとに電源ケーブル等を配線する必要があるため、設置に手間が掛かり、車内の美観も損なうことがあるといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明は、(1)ドライブレコーダ本体(カメラや記録手段や制御部等のドライブレコーダとしての機能を備えている)と、そのドライブレコーダ本体に連結された車載用オプション部品と、を備えて構成した。車載用オプション部品を連結することで、例えば、通常の運転中その他の状況では、車載用オプション部品による機能が動作することで、多くの車載用オプション部品の場合、ユーザは、普段からその存在価値を体感することができる。そして、ひとたび事故が発生した場合には、ドライブレコーダ本体が有する本来のドライブレコーダ機能により、必要な情報を記録し、事故発生時の客観的な情報に基づき適切な処理ができる。
【0011】
(2)前記ドライブレコーダ本体に回転可能に装着されるリング部と、そのリング部の外側に連結される取付部材とを備える取付用ブラケットを有し、前記リング部は、前記ドライブレコーダ本体と前記車載用オプション部品との間で挟み込まれて固定されるようにするとよい。
【0012】
実施形態では、リング部はドライブレコーダ本体の外周面に装着され、外部に露出するように配置されているが、本発明はこれに限ることはなく、リング部の全部または一部がドライブレコーダ本体内に収納された構成を採っても良い。なお、リング部の外側に取付部材を連結させることも相まって、リング部はドライブレコーダ本体の外周面に装着し、外部に露出させるように構成すると、構成が簡単となるとともに、露出したリング部の外周面を持って回転させ、リング部とドライブレコーダ本体との相対角度位置の調整がしやすいので好ましい。また、回転可能な角度は、本実施形態では、360度の全周としているが、所定の角度範囲としても良い。さらに、ドライブレコーダ本体の形状は、実施形態のように全体的に円筒形を基調とすると、リング部とのデザインの統一性もあり見た目にも好ましいが、必ずしも円筒形にする必要はなく、任意の形状を採ることができる。さらには、リング部の取付位置は、実施形態のようにドライブレコーダ本体の一方端部側に取り付けるようにすると、角度の調整並びに固定も行いやすいが、中央よりに設置するレイアウトを採っても良い。
【0013】
本発明では、リング部は、ドライブレコーダ本体に対して回転可能に装着されるので、ドライブレコーダ本体に固定する前は、リング部とドライブレコーダ本体とを相対的に回転させドライブレコーダ本体とリング部(ブラケット)の相対角度位置を所望の状態に設定できる。そして、その状態で固定することで、フロントガラス等に接着等により固定する取付部材と、ドライブレコーダ本体との相対角度位置を変更・調整することができ、単一のユニット構成を採りながら、異なる車両(フロントガラスの角度が異なる)に実装できる。さらに、本発明では、係る固定が、車載用オプション部品のドライブレコーダ本体に対する連結により行え、しかも、挟み込みという簡単な作業で行えるので好ましい。
【0014】
(3)前記ドライブレコーダ本体に回転可能に装着されるリング部と、そのリング部の外側に連結される取付部材とを備える取付用ブラケットと、前記リング部と前記車載用オプション部品を前記ドライブレコーダ本体に固定する固定部材と、を備えるとよい。固定部材は、実施形態では、ナット部材40に対応する。なお、ナット部材のようにネジ機構を用いて固定部材をドライブレコーダ本体に締結するようにすると、簡単な構成で実現できるので好ましいが、バネを用いて固定したり、適宜のロック機構により固定するようにしてもよい。さらには、実施形態のように固定部材とドライブレコーダ本体とでリング部を挟み込んで固定するものに限ることはなく、たとえば、リング部の外側から内側に向けて延びるネジ(ボルト)等を用い、ネジ止めにより固定するなど、各種の機構を採ることかできる。また、実施形態では、固定部材であるナット部材内に車載用オプション部品である目標物検出ユニットを収納した状態で当該固定部材をドライブレコーダ本体に連結することで、リング部を挟み込んで固定すると共に、車載用オプション部品も併せて挟み込むようにして固定したが、本発明はこれに限ることはなく、固定部材の外側に車載用オプション部品を連結する構成を採ってもよい。また、固定部材と車載用オプション部品とは、予め一体化していても良い。
【0015】
(4)前記固定部材は、前記本体との間で前記リング部を挟み込んでそのリング部を固定するものとすることができる。このようにすると、リング部の固定(回転停止による位置決め)と、解除(回転可能で角度調整できる状態)との切り替えが簡単に行えるので好ましい。とくに、挟み込みの力を調整できると、軽く締めた状態で仮止めを行うことができ、位置調整作業がより簡便に行えるのでよい。特に、実施形態のようにネジ機構により連結されるようにすると、ネジを締結することで、本体と固定部材との間隔を狭くすることができ、簡単な構成でしっかりと取付用ブラケットを固定することができる。なお、ネジ機構を構成するねじ山であるが、本実施形態では、本体側に雄ねじを形成し、固定部材であるナット部側に雌ねじを形成するようにしたが、逆の配置としてももちろん良い。
【0016】
なお、上記(2)から(4)の各発明において、ドライブレコーダ本体とリング部との対向する対向面の少なくとも一部に、凹凸が形成され、前記固定部材或いは車載用オプション部品により前記リング部が固定された際には、その凹凸が符合し合うようにするとよい。固定部材等とドライブレコーダ本体との締め付け力によって、取付用ブラケットの回転をある程度抑止することができるが、適宜位置に凹凸を設けることで、より確実に回転が抑止できる。また、実施形態では全周に渡って凹凸を連続して形成したが、離散的に配置しても良い。ただし、連続して形成した方が回転角度の調整は細かくできるので好ましい。
【0017】
(5)前記車載用オプション部品は、車両内での設置状態における前記ドライブレコーダ本体の左側或いは右側に取り付けられるようにするとよい。係る構成を採ると、特に、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付ける場合、車載用オプション部品が邪魔にならないので好ましい。すなわち、ドライブレコーダ本体の上方向はスペース的な余裕がなく、下方向は視界の邪魔になるので、左右いずれか(両方につけてももちろん可)に取り付けるのが好ましい。
【0018】
(6)前記車載用オプション部品を前記ドライブレコーダ本体に連結する際には、両者に設けられたコネクタにより電気的に接続されるようにするとよい。このようにすると、一部の機能を他方の機器(ドライブレコーダ本体/車載用オプション部品)内に組み込んだり、兼用したりすることができ、実装する部品のレイアウトの柔軟性が増すと共に、効率的に配置することで全体の小型化が図れる。そして、コネクタの数は任意であり、1個でも良いし複数個設けても良い。
【0019】
(7)前記車載用オプション部品に設けたコネクタと、前記ドライブレコーダ本体に設けたコネクタのうち、少なくとも一方はケーブルを有するとよい。このようにすると、ケーブルの長さ分だけ車載用オプション部品とドライブレコーダ本体間での回転の余裕ができるとともに、取り付け時にも両者の間に空間が確保(少なくともケーブル長分は、ケーブルがないものに比べて広くなる)できるので、コネクタ接続作業が容易になるので好ましい。
【0020】
(8)前記車載用オプション部品に設けたコネクタと、前記ドライブレコーダ本体に設けたコネクタは、それぞれ前記車載用オプション部品と前記ドライブレコーダ本体の対向面に固定設置された雄型コネクタと雌型コネクタであり、それら両コネクタを連結することで前記車載用オプション部品と前記ドライブレコーダ本体の相対的な角度位置の位置決めがなされるようにするとよい。このようにすると、車載用オプション部品をドライブレコーダ本体に連結することで、相互の回転角度位置が規定されるため、ユーザは、特別な位置決め作業が不要となると共に、車載用オプション部品内に電波受信部や撮影装置などのその設置方向が重要となるものであっても、適切な位置・姿勢に設定できる。
【0021】
(9) 前記コネクタは、電源ラインと信号ラインの少なくとも一方を有するものとする。実施形態では、電源ラインと信号ラインの両方を含むものとしたが、もちろん一方のみでも良い。
【0022】
(10)前記コネクタは、信号ラインを含み、前記車載用オプション部品から前記ドライブレコーダ本体へイベント信号を送り、前記ドライブレコーダ本体側での入力情報と併せてイベント処理を行う機能を備えるとよい。このイベント信号は、実施形態では、目標物検出ユニットにおける各種電波の受信信号であったり、増設用の本体10′からの撮像した映像データであったりする。イベント処理は、実施形態では、本体10側の制御部が行う、受信した電波に基づき報知対象の目標物の有無を判断し、存在する場合には目標物の存在の報知・警報をしたり、ステレオカメラとしての映像を生成すると共に記録することなどがある。
【0023】
(11)前記コネクタは、信号ラインを含み、前記ドライブレコーダ本体から出力される機能設定信号により、前記車載用オプション部品の設定を行う機能を備えるとよい。このようにすると、車載用オプション部品側に設定用のスイッチ等を設ける必要がなくなり、小型化が図れる。
【0024】
(12)前記車載用オプション部品の側面に、外部からの電源供給口を設け、前記車載用オプション部品並びに前記ドライブレコーダ本体内の電子機器は、前記電源供給口から供給される外部電源により動作可能とするとよい。この場合において、内部に充電池(二次電池)とともに充放電回路を実装し、外部電源からの供給がない場合に、二次電池からの放電により動作する機能を備えるのを妨げない。特に、車載用オプション部品がセキュリティ装置のように、車両停車時の外部電源の供給がない場合には、二次電池を設けるのが好ましい。もちろん、外部電源の供給がない場合、一次電池からの供給を行うことも可能であるので、二次電池は必ずしも必須ではない。また、二次電池の設置位置は、ドライブレコーダ本体,車載用オプション部品のいずれか或いは双方のどこにしても良い。
【0025】
(13)前記ドライブレコーダ本体内には、記録データを格納するメモリカードを装着するためのカードスロットを備え、そのカードスロットの取出口が、前記取付用ブラケットとは反対側の端面に設定されるとよい。このようにするとカードスロットに対するSDカード等のメモリカードの取付、取出がしやすくなる。
【0026】
(14)前記ドライブレコーダ本体の前面に操作スイッチを配置し、前記ドライブレコーダ本体或いは前記車載用オプション部品の側面に、前記ドライブレコーダ本体に内蔵するスピーカの音量調整用のボリューム操作部を配置するとよい。このようにすると、使用頻度の高いスイッチが前面にくることから、操作がしやすい。
【0027】
(15)前記車載用オプション部品は、電波受信部を備え、その電波受信部のアンテナの受信面と、前記ボリューム操作部の操作方向が平行に配置するとよい。このようにすると、電波受信部の向きをボリューム操作部の操作方向により推測することができるので、電波受信部の適切な向き・姿勢に調整するのが容易に行えるので好ましい。
【0028】
(16)前記ドライブレコーダ本体内に内蔵するGPSアンテナは、斜め上方に傾けて配置するとよい。斜め上方に傾けて配置とは、GPSのアンテナ面が、本体の基本姿勢(車載機器を車両に設置する際の標準的な姿勢)を基準とした斜め上方を向くようにすることを意味する。このようにすると、たとえば、本体の向き(たとえば、カメラを内蔵する場合にそのカメラの向き)を下向きにしたとしても、GPSアンテナは良好なGPS受信感度を得ることができる。
【0029】
(17)前記車載用オプション部品は、電波受信部を備え、前記車載用オプション部品と前記ドライブレコーダ本体間に設けられた位置決め機構により、両者間の相対的な角度位置が設定されることで、前記電波受信部のアンテナの向きが、特定されるように構成するとよい。ユーザが電波受信部の向きを意識することなく適切な位置に自動的に設定できるので好ましい。
【0030】
(18)前記ドライブレコーダ本体の表面に形成されるスイッチの設置面を平坦面にし、その設置面と反対側にカメラの視野が向くように向くようにするとよい。(19)この場合において、前記平坦面と前記視野の方向が直交するように設定されるとより好ましい。カメラを設けた場合であって、ドライブレコーダのように前方を撮影するようにした場合、車内側からは前方を向いているカメラの向きを直接確認することはしにくい。しかし、スイッチの設置面(運転者等が操作することから車内を向いている)を平坦面にすると共に、その平坦面の反対側にカメラの視野を向かせるようにしたので、設置面(平坦面)に対するカメラの向きはわかっていることから、係る設置面の向きからカメラの向きを推定することができる。このとき、(19)の発明のように、カメラの向きが平坦面に対して直交していると、たとえば、設置面を上下方向に平行にすれば、カメラは水平方向を向くことになるので、その方向の推測がより簡単に行える。ただし、必ずしも直交していなくても、設置面に対するカメラの向きが決まっていれば推測はできるので問題はない。
【0031】
(20)前記車載用オプション部品の、前記ドライブレコーダ本体との非連結側に、他の車載用オプション部品を連結可能にするとよい。(21)前記車載用オプション部品は、周囲に存在する目標物を検出する目標物検出ユニットとしたり、(22)増設用のドライブレコーダ本体であり、それら2つのドライブレコーダ本体に内蔵されるカメラに基づき、ステレオカメラとして記録する機能を備えるようにしたり、(23)室内撮影装置,セキュリティ装置,居眠り防止装置のいずれかとするなどの他、各種のものを適用できる。
【0032】
また、車両の種類によってフロントガラスの傾きが異なるため、取付構造が固定的な1つであると、車両によっては取り付けられないという問題がある。特許文献2に開示された発明では、ドライブレコーダの本体の取付姿勢が変更されることを前提とし、本体の姿勢を検出し、CCDカメラで撮影された映像に対する補正を行う技術について提案されている。そして、フロントガラスの傾きに合わせて複数種類の取付部材(取付治具)を用意し、装着する車両に適する取付治具を用いてドライブレコーダを取り付けることはできるものの、そのような構成では、係る複数種類の取付部材をセットにして販売することになるとユーザにとって不必要な取付治具も購入することになり好ましくない。そこで、(2),(3)等の発明によれば、取付用ブラケットのリング部を回転可能に装着するため、取付用ブラケットの取付部材と本体との相対的な回転角度関係を変更することができ、一つのユニットの構成で異なる種類の車両に対応できる。
【0033】
(24)本発明の車載用オプション部品は、上記の(1)~(23)のいずれか1項に記載のドライブレコーダを構成するための、前記ドライブレコーダ本体と接続可能な車載用オプション部品である。
【0034】
車載用オプション部品は、ドライブレコーダ本体に連結するものであるため、当該ドライブレコーダ本体に対するオプションという意味で、「車載用オプション部品」と称しているが、本発明では、その呼び名にとらわれることなく、ドライブレコーダ本体に連結される各請求項の要件を満たす機器は、すべて含むものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明では、車載用オプション部品により、多くの場合、普段から各種のサービスを提供することができ、事故発生時に有益なドライブレコーダを普及させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の好適な一実施形態を示す外観斜視図である。
図2】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図3】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図4】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図5】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図6】取付用ブラケット30を示す図である。
図7】本発明の好適な一実施形態を示す分解正面図である。
図8】本発明の好適な一実施形態を示す正面図である。
図9】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図10】本発明の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
図11】(a)は本発明の好適な一実施形態の本体を示す斜視図であり、(b)は第1ケースを取り外した本体を示す斜視図である。
図12】(a)は本発明の好適な一実施形態を示す側面図における第1ケース並びにCCDカメラを外した状態を示す図であり、(b)は本発明の好適な一実施形態を示す側面図である。
図13】本発明の好適な一実施形態における第1ケース,取り付けブラケット並びにナット部材を取り外した状態を示す斜視図である。本発明の好適な一実施形態を示す分解正面図である。
図14図13の状態からケースを取り外した状態を示す斜視図である。
図15】本発明の好適な一実施形態におけるナット部材並びにケースを取り外した状態を示す斜視図である。本発明の好適な一実施形態を示す平面図である。
図16】本発明の好適な他の実施形態を示す図である。
図17】本発明の好適な他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係るドライブレコーダの好適な一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。まず、本実施形態のドライブレコーダは、円筒形状の本体10を備え、その本体10の軸方向の一方端部側に、取付用ブラケット30を装着するとともに、その取付用ブラケット30を固定部材たるナット部材40で固定する構成を採る。
【0038】
本体10は、前後で2分割(半割)された第1ケース11と第2ケース12とを突き合わせることで構成される。図2から図5等に示すように、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aは、その外形寸法が一回り小さく形成され、その一方端部11a,12aと本体の軸方向の中央部位との間には段差が形成される。この段差を生じた壁面に三角波状(鋸刃状)の歯部17が形成されている。さらに、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの先端側外周面には、雄ねじ18が形成されている。
【0039】
取付用ブラケット30は、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの外径に略一致(若干大きい)する内径を有するリング部31と、リング部31の外周面に起立された連結柱部32と、その連結柱部32の先端に設けられた取付板33と、を備えている。図6に示すように、取付板33は、リング部31の直径方向に対して、所定角度に斜め傾斜状に配置している。
【0040】
また、リング部31の片面(本体10に対向する面)には、その全周に渡って歯部34が形成されている。この歯部34は、本体10に形成した歯部17と符合し合うように、同一寸法形状に設定される。さらに、図7に示すように、リング部31の幅Dは、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの平坦部分(雄ねじ18の未形成領域)の幅D1とほぼ同じにしている。もちろん、D1よりも幅広(D1<D)に設定してもよいが、その場合には、雄ねじ18を含めた先端までの幅D2よりは短く設定するようにする(D1<D<D2)。
【0041】
そして、雄ねじ18には、ナット部材40が装着される。ナット部材40は、両端が開口した所定長さの円筒状からなり、その一方端部の内周面41に雄ねじ18に符合する雌ねじが形成されている。これにより、リング部31を第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着すると、リング部31はその中心軸を回転中心として第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに対して相対的に正逆回転させることができる。そして、本体10に設けた歯部17と、リング部31に設けた歯部34とを噛み合わせることで、回転が抑止される。
【0042】
一方、リング部31を上記のように第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着した状態では、雄ねじ18は、リング部31よりも外側に突出する。そこで、その突出した雄ねじ18に対してナット部材40を装着する。そして、図8等に示すように、ナット部材40の雌ねじと、本体10の雄ねじ18とをしっかりと締結することで、ナット部材40と、本体10の歯部17を形成した段差部分までの間隔を狭くし、本体10とナット部材40との間でリング部31を所定の力で挟み付けることができる。このようにしっかりと締結した状態では、歯部17,34同士が噛み合ってリング部31ひいては取付用ブラケット30の回転が抑止され、ナット部材40をゆるめた状態では、当該回転が許容される。よって、本体10と取付用ブラケット30との相対角度位置関係を任意の位置に設定(調整)すると共に、その位置で固定することができる。つまり、第1ケース11と第2ケース12の接合面と平行な面(方向)を本体10の基本の上下方向とした場合、その上下方向と取付用ブラケット30の取付板33とのなす角を変更することができる。
【0043】
取付板33の上面には、両面テープ(図示省略)その他の接着部材が取り付けられ、その両面テープを用いて車両のフロントガラスに接着して固定する。よって、本実施形態のドライブレコーダは、各種フロントガラスの角度(25~75度)に合わせて調整可能となる。つまり、取付板33はフロントガラスの角度と平行になるが、上述のように、取付板33(取付用ブラケット30)に対する本体10の相対角度を調整できるので、取付板33(フロントガラス)の角度に関係なく、本体10を基本の上下方向をたとえば垂直面(地面に対する)と平行にすることができる。もちろん、本体10を基本の上下方向と、地面に対する垂直面とのなす角を適宜の角度に設定することもできる。従って、1つのドライブレコーダにて、異なる種類の車両に実装することができる。
【0044】
さらに、ナット部材40をしっかりと締結することで、本体10の歯部17と取付用ブラケット30の歯部34同士がしっかりと噛み合ってその回転が確実に阻止されるので、仮に事故等によりドライレコーダに衝撃が加わったとしても、本体10の向き・姿勢は、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付けたときの基本姿勢を維持し(取付板33がフロントガラスから剥がれ落ちない限り)、しっかり固定することができる。
【0045】
さらにまた、図示省略するが、ナット部材40の内側(本体10側)には、ゴム等の弾性体からなるパッキンを配置する構成を採るとよい。この場合において、このパッキンの内径は、本体10の雄ねじ18の外径とほぼ同じか若干広く設定し、パッキンの外径はリング部31の外径よりも一回り小さく設定するのがよい。そして、パッキン50の肉厚は、全周に渡って均一にしている。本実施形態では、リング部31の幅Dと、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの平坦部分(雄ねじ18の未形成領域)の幅D1とほぼ同じにしているため、リング部31を係る一方端部11a,12aに装着した状態では、一方端部11a,12aの平坦部分の先端と、リング部31のナット部材40側の端面とはほぼ面一となるので、パッキンの一方の面は、雄ねじ18を超えて本体10並びにリング部31に接することでき、パッキンの他方の面は、ナット部材40の内面に接触する。
【0046】
なお、リング部の幅Dと一方端部11a,12aの各部の長さD1,D2が、D1<D<D2となるように設定した場合、パッキンは均一な厚さのリング状(ドーナツ状)とするのでなく、リング部に対してD・D1間の段差部分に嵌めあう環状凸部を設けるとよい。
【0047】
このようにパッキンを追加配置してパッキンの弾性力を利用することで、固定部材と本体との間隔を狭めることでリング部を締め付ける効果に加え、パッキンの弾性力により、締め付け力を向上させることができる。よって、たとえば固定部材と本体との間の間隔をリングの幅よりやや広く設定し(このやや広くする場合の距離は、パッキンの厚み等その他の要因により適宜変更される)、パッキンの弾性力を利用してリング部を固定するようにすると、仮止めをすることができる。このように仮止め効果が発揮することで、たとえば、車内での取り付け時に、パッキンがないと常に本体を手で支えなければならないが、パッキンがあれば手を離すこともできる。そして、角度等の調整をする際も、たとえばリング部を本体側に押し当てた状態で、手で支持して角度を確認するのは困難であるが、パッキンで仮止めされるので手で支持しなくても、角度を仮に固定した状態で、その角度で固定してよいか容易に確認することができる。したがって、車内という狭い空間でも、取付けや調整が容易になるという優れた効果を発揮する。
【0048】
さらに、パッキンとしてゴム素材を用いた場合、上記の仮止め効果に加え、振動防止効果やすべり止め効果も発揮するので、振動によってナット部材40が緩むことを防止でき、車載機器の取り付け時のみならず使用時安定性にも優れた効果を発揮するのでより好ましい。つまり、ドライブレコーダとしての振動をトリガーとした無用な記録を防止できるとともに、衝撃時に事故映像をより確実に記録できる。もちろん、このパッキンは必ずしも設ける必要はない。
【0049】
さらに、本実施形態では、筒状のナット部材40内に、目標物検出ユニット50を配置している。この目標物検出ユニット50は、検出対象の目標物から出射される各種の電波を受信し、受信した電波の内容に応じて所定の警報を報知したり、現在位置を取得し、その現在位置の周囲に存在する警報・報知すべき情報がある場合には、その情報の種類に応じた報知をしたりするものである。
【0050】
この目標物検出ユニット50は、図9図10に示すように円柱状のケース51の内部に所定の部品が組み込まれて構成される。このケース51の外径R1は、ナット部材40の内径とほぼ等しいか、適度な大きさだけ小さく設定され、ナット部材40の内部に収納可能となっている。そして、ナット部材40内に目標物検出ユニット50が収納された状態では、ナット部材40と目標物検出ユニット50とは、中心軸がほぼ一致するように配置されるとともに、中心軸周りに相対的に回転可能となっている。つまり、仮に目標物検出ユニット50が回転せずにその位置を保持していた場合であっても、ナット部材40は回転可能となる。
【0051】
ナット部材40の他方端部(本体10の雄ねじ18に連結されない先端側)は、中心側に向け突出する鍔部42が設けられる。この鍔部42の内径R2は、目標物検出ユニット50のケース51の外径R1よりも小さく設定している。これにより、図10等に示すように、ナット部材40内に目標物検出ユニット50を収納した状態では、ケース51の先端面51aはナット部材40の他方端部から外部に露出するが、ケース51の先端面51aの周縁部が鍔部42に接触し、それ以上前方(ナット部材40から飛び出る方向)へ移動することが阻止される。よって、ナット部材40内に収納され目標物検出ユニット50は、ナット部材40の他方端部の開口部から外部に離脱することが抑制される。
【0052】
よって、ナット部材40を本体10の雄ねじ18に締結すると、ナット部材40内の目標物検出ユニット50は、内部に収納された状態が保持される。上述したように、本実施形態では、ナット部材40と目標物検出ユニット50は相互に相対的に回転可能となっているので、ナット部材40の締結/解除のために正逆回転させるに際し、目標物検出ユニット50が回転可能な状態であるか否かを問わず操作ができる。
【0053】
また、目標物検出ユニット50のケース51の先端面51aには、ボリュームダイヤル53、DCジャック55等のユーザの操作対象のものが設けられている。上述したように、ナット部材40の他方端部が開口され、ケース51の先端面51aが外部に露出するので、ボリュームダイヤル43等も露出する。係る構成を採ることで、本装置の限られたスペースにユーザの操作対象を設置することができるとともに、操作時にユーザの注意をひきつけられる結果、ナット部材40に緩みがないか確認することを容易にできる。
【0054】
本実施形態では、ナット部材40と目標物検出ユニット50とを別部材で構成したが、両者を一体に形成、すなわち、目標物検出ユニット50のケース51の他端面51b側に同軸状にナット部材を回転自在に連結した構成を採る。これにより、ナット部材部分を正逆回転させることで目標物検出ユニット50を本体10に取り付けたり、離脱させたりすることができる。
【0055】
次に、本体10内に実装する各部品の配置構造と、その部品の外部露出構造について説明する。図11に示すように、第1ケース11側には、CCDカメラ13と、GPSアンテナ14と、第1コネクタ15並びに電源回路等が実装される。第1ケース11の所定位置(CCDカメラ13の対向位置)には、円形の開口部11bが形成されており、CCDカメラ13は、その開口部11bから外部に露出させている。
【0056】
また、GPSアンテナ14は、本体10の上下方向(第1ケース11と第2ケース12の接合面と平行な面(方向))に対して所定角度傾けて配置し、斜め上方を向くようにしている(図12(a)等参照)。これにより、たとえば、トラックなどに実装するに際しCCDカメラ13の視野を斜め下方に向くように設定した場合でも、良好なGPS受信感度を得ることができる。
【0057】
さらに、第1コネクタ15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側から外側に突出するようにしている。つまり、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11dが形成され、第1コネクタ15は、その窓孔11dを介して外部に露出(先端は突出)する。この第1コネクタ15は、目標物検出ユニット50に連結され、本体10内の回路と、目標物検出ユニット50内の回路が導通する。
【0058】
さらに図11(b)等に示すように、第2ケース12の接合面の所定位置には、係止爪12cを設けている。第1ケース11の接合面には、この係止爪12cに対応する位置に係止用の凹部が形成され、第1,第2ケース11,12を突き合わせた際には、当該係止爪12cと凹部が噛み合い、位置決めするとともに、位置ずれ(特に軸方向の移動)を防止する。
【0059】
一方、図3図5等に示すように、第2ケース12側には、スイッチ部20,表示部21,SDカードスロット22等のマンマシンインタフェースや、制御回路が実装される。制御回路は、ドライブレコーダの基本機能を実現するための回路であり、CCDカメラ13で撮影された映像を記憶したり、図示省略する加速度センサ等の衝撃検知センサからの検出信号に基づき、上記の撮像した映像等のデータを不揮発性メモリに格納したりする。また、図示省略するが、スピーカなどの出力装置も実装される。スピーカからは、たとえば、スイッチ部20における操作音や、各種のメッセージ(ガイド・警報等)が報知される。また、第2ケース12側には、衝突等を検知するための加速度センサその他のドライブレコーダの機能を実現するための電子部品・電子回路が組み込まれている。
【0060】
さらに第1ケース11と第2ケース12は、図12(b)に示すように、接合面と反対側の表面が接合面と平行な平坦面11e,12eとなる。よって、その両平坦面11e,12eは、平行に設定される。そして、CCDカメラ13は、第1ケース11の平坦面11eから外部に露出する(円形の開口部11bは、この平坦面11eに形成する)とともに、そのCCDカメラ13の視野の方向が、平坦面11eと直交する方向になるように設定されている。
【0061】
一方、第2ケース12の平坦面12eには、スイッチ部20並びに表示部21が配置される。そして、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付ける際には、第1ケース11(CCDカメラ13)が車両の前面を向き、第2ケース12が車内を向くように設置する。従って、車内にいる運転者等のユーザは、CCDカメラ13の向きを直接確認することはしにくい。しかし、本実施形態では、第1ケース11の平坦面11eと第2ケース12の平坦面12eとが平行になるように設定されているので、車内を向いている第2ケース12の平坦面12eの向きが、そのまま第1ケース11の平坦面11eひいてはCCDカメラ13の向きとなるので、スイッチ部20,表示部21の向き(平坦面12e)の向きを見ればCCDカメラ13の向きを推定することができ、CCDカメラ13の向きの調整が容易に行える。
【0062】
さらにまた、SDカードスロット22は、第2ケース12の一方端部12aと反対側の側面に配置している(図11等参照)。このように、マンマシンインタフェースのうち、スイッチ部20のように使用頻度の高いものを前面に配置し、ボリュームダイヤル23やSDカードスロット22のように使用頻度の低いものを側面に配置することで、操作性が向上する。さらに、SDカードスロット22を側面に配置したので、SDカード60の抜き差し方向に、フロントカラスやルーフ等が存在せず、ドライブレコーダを取り付けるフロントガラスの傾斜角度や、ドライブレコーダの向きに関係なくSDカード60の着脱が容易に行える。しかも、SDカードスロット22を取付用ブラケット30とは反対側の側面に配置しているので、SDカード60のSDカードスロット22に対する取付・取出がさらに行いやすい。
【0063】
さらに、本実施形態の構造では、運転者から見た場合、CCDカメラ13が車両の前方を向き、第2ケース12が運転者側に位置するため、SDカードスロット22は向かって右側に位置し、取付用ブラケット30(ボリュームダイヤル53,DCジャック55)は向かって左側に位置することになる(図3参照)。そして、本体10(一方端部11a,12a)と取付用ブラケット30(リング部31)とは、ナット部材40をゆるめることで相対的に360度回転可能となる。そこで、図1等に示す状態から、本体10を180度回転させて天地を反転させた場合、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付けると上記と逆に、運転者から見た場合、SDカードスロット22は向かって左側に位置し、取付用ブラケット30(ボリュームダイヤル53,DCジャック55)は向かって右側に位置することになる。よって、左右反転させて取り付けることができ、右ハンドル、左ハンドルのいずれにも対応することができる。さらに、取付用ブラケット30を複数の車両に予め取り付けておき、1つの本体をこれらの複数の車両で載せ変えて利用することも容易にできる。
【0064】
オプション部品となる目標物検出ユニット50は、図13図15等に示すように、第1コネクタ15に連結され、本体10内の回路と連係される。つまり、図示省略するが、ケース51の他端面51bの所定位置(第1コネクタ15に対向する位置)には、貫通孔が設けられ、第1コネクタ15の先端は、貫通孔を介してケース51の内部に挿入されると共に、ケース51の内部に設けた受けコネクタ部に連係される。また、目標物検出ユニット50側には第2コネクタ52を設け、その第2コネクタ52を本体10に連結する。本実施形態では、第1,第2コネクタ15,52を用いて本体10内の回路と、目標物検出ユニット50内の回路との連係を図ったが、コネクタの数は任意であると共に、設置する位置も任意である。
【0065】
また、本実施形態では、本体10に設けた第1コネクタ15は本体と一体となっており、本体10が固定した状態では第1コネクタ15もその位置をとどめる構成を採る。同様に、目標物検出ユニット50のケース51に設けた第2コネクタ52も、ケース51に対して固定設置される。従って、第1コネクタ15と第2コネクタ52を、それぞれ対応する相手方に連係し合うことで、本体10と目標物検出ユニット50とは一体化され、連結部分が2カ所になることから本体10と目標物検出ユニット50の両者が相対的に回転移動することが抑制され、両者は本体10の中心軸を中心に一体となって回転することになる。特に、コネクタの先端部分(連結する部分)をピンなどの比較的堅いものを用い、それを相手方の雌型コネクタに直結するタイプとすると、その連結により、より一体化され、相対的な回転移動が確実に抑止される。そのように本体10と目標物検出ユニット50とが一体となっていたとしても、ナット部材40は、目標物検出ユニット50に対して相対的に回転移動可能であるので、ナット部材40を本体10の雄ねじ18に対して締め付けたり、解除したりすることができる。
【0066】
そして、上記のように本体10と目標物検出ユニット50とが相対的に回転しない(回転するとしても、その角度が狭い)とすると、本体10に対する目標物検出ユニット50との回転角度位置を一定にすることができる。後述するように、目標物検出ユニット50には、電波受信部を備えているので、車両前方や車両上方等の所定方向からの電波受信を感度よく行うために、その電波受信部は適宜の向きを向かせる必要があるが、ユーザの位置決め調整等をすることなく適切な角度位置に設定できる。
【0067】
図14図15に示すように、目標物検出ユニット50は、ケース51内に、電波受信部となるマイクロ波受信用のマイクロ波受信アンテナ56並びに受信回路ユニット57と、ボリュームダイヤル53と、DCジャック55を備える。また、所定周波数の無線を受信するための無線受信アンテナユニットを内蔵しても良い。
【0068】
上述したように、DCジャック55は、ケース51の軸方向と平行に配置するとともに、ケース51の一方端部側から外側に露出するように構成する。つまり、ケース51の先端面51aの所定位置に窓孔51cが形成され、DCジャック55は、その窓孔51cを介して外部に露出する。このDCジャック55には、たとえばシガーソケットに接続する電源ケーブルの一端に取り付けたDCプラグ(図示せず)を装着することで、本実施形態のドライブレコーダは、車両のバッテリーからの電源供給を可能とする。このように、電源ケーブルの引き出しをドライブレコーダ(目標物検出ユニット50)の側面から行なうようにしたので、ルームミラーの横或いは近傍にドライブレコーダを取り付けることで、ルームミラーに電源ケーブルを隠すことができ、見た目にも美しくすることができる。
【0069】
同様に、ボリュームダイヤル53は、目標物検出ユニット50の一端(ケース51の先端面51a)側に配置し、その先端面51に設けた縦方向のスリット51fからボリュームダイヤル53の一部が外部に突出し、回転操作可となっている。この目標物検出ユニット50に設けたボリュームダイヤル53は、本体10内に実装したスピーカの出力レベルを調整するものであり、上記の第2コネクタ52等を介してボリュームダイヤル53に対する操作に基づく情報が本体10内側に送られる。
【0070】
また、上記のDCジャック55から供給される電力は、目標物検出ユニット50内の装置の電源供給に用いられると共に、第2コネクタ52を経由して本体10側に伝達され、本体10内の回路に対する電源供給にも用いられる。また、本体10内に充電可能な二次電池を実装した場合、充放電可能な電源回路により、上記の第2コネクタ52経由で供給される電力により当該二次電池を充電し、車両側からの電源供給がカットされている期間は、二次電池からの放電により本体10内の回路への電源供給を行うようにするとよい。この場合に、目標物検出ユニット50内の回路への電源供給も、その二次電池からの放電を利用すると良い。これは、二次電池を含む電源回路を目標物検出ユニット50内に実装すると、目標物検出ユニット50が大型化し、ひいてはナット部材40が大型化するので、それを防止するためである。
【0071】
さらに、目標物検出ユニット50内には、ドライブレコーダの機能のため不要で、本体10内に実装されない電波の受信機能を実装するようにし、取得した情報に基づいて警報の必要の有無を判断し、必要な場合に警報を発するための制御を行う制御部や、実際に外部に警報を行う出力部等は、本体10に実装されているものを兼用するとよい。このようにすると、目標物検出ユニット50の小型化並びに、ドライブレコーダ全体の小型化を図ることができる。
【0072】
具体的には、本体10内に実装される制御部(MPU)は、ドライブレコーダ本来の機能に加え、目標部検出・報知機能も備えている。また、本体10内の記憶手段(EEPROMや、SDカードスロット22内に装着したSDカード60等)にも目標物についての情報(位置情報,種類等)を格納しておく。制御部は、本体10内のGPSアンテナ14で検出した現在位置に基づき記憶手段にアクセスし、現在位置の周囲に検出対象の目標物があるか否かを判断し、存在する場合には所定の警報を発する。本実施形態の場合、スピーカら音声により目標物の種類と方向や残り距離等を報知したり、表示部21に文字あるいはマーク等でメッセージを出力したりする。また、目標物検出ユニット50内に実装したマイクロ波受信アンテナ56で所望のマイクロ波を受信した場合は、当該マイクロ波を受信した旨の警報を発する。また、無線受信アンテナユニットで所定周波数の無線を受信した場合に、その旨の警報をする。所定周波数は、たとえば、カーロケーターシステムで緊急車両が自車位置を通知するために使用する電波の周波数や、緊急無線に使用する周波数などがある。
【0073】
なお、上述した実施形態では、第1,第2のコネクタ15,52をそれぞれ別々に相手方に設けた図示省略のコネクタに直結するようにしたが、第1コネクタ15と第2コネクタ52の一方または双方が、ケーブルを備えたものにしてもよい。その場合、ケーブル長の余裕からコネクタ接続する際に、本体10と目標物検出ユニット50との間に多少隙間をおいた状態で作業ができるので、コネクタ接続作業が容易に行える。この場合において、必要に応じて、本体10と目標物検出ユニット50間の位置決め機構を別途設けると良い。すなわち、たとえば、目標物検出ユニット50の他端面51bと、その他端面51bに対向する本体10の先端面の一方または双方に突起を設け、その突起に対向する位置に凹部を設け、上記のコネクタ接続した後に突起と凹部を嵌め合わせることで位置決めすることができる。また、目標物検出ユニット50内に実装される基板の一部をケース51の他端面51bから外部に突出させ、その突出した部分を本体10側の所定位置に設けた後部内に挿入することで位置決めするようにしてもよい。特に、マイクロ波受信回路ユニット57が装着される基板は、マイクロ波受信アンテナ56と平行になっていることから、基板の位置(向き)がそのままマイクロ波受信アンテナ56の向きとなるので、電波受信部の向きの調整・設定が直接的にできるので好ましい。
【0074】
また、第1コネクタ15と第2コネクタを接続する(本体10と目標物検出ユニット50とは1つのコネクタで連係される)構成を採ることもできる。その場合に、たとえば第2コネクタ52にケーブルを設けることで、第2コネクタ52の引き出し位置が偏心した本実施形態の状態でも接続可能となる。もちろん、たとえば第2コネクタの引き出し位置(設置位置)を他端面51bの中心付近で第1コネクタ15と対向する位置に設定し、両者を直結するようにしてもよい。
【0075】
また、目標物検出ユニット50は、オプション部品であるので、オプション部品を装着しない構成ももちろんとれる。この場合に、音量調整や、車両から電源供給を受ける機能を設けるためには、目標物検出ユニット50のケース51内に実装したボリュームダイヤル53と、DCジャック55等を備えた基本ユニットを用意し、その基本ユニットをナット部材40で本体と一体化するようにするとよい。つまり、目標物検出ユニット50のケース51内に実装する部品のうち、電波受信部等の目標物検出のために必要なものを取り除いたものを基本ユニットとすると、ナット部材40は兼用できる。また、ボリュームダイヤル53等は、電波受信部に比べて寸法が小さいので、基本ユニットの軸方向の長さを短くし、ドライブレコーダ全体として小型化を図るようにしても良い。もちろん、ナット部材と基本ユニットを一体に形成しても良い。
【0076】
また、音量の調整は、本体10に設けたスイッチ部20の操作や、リモコンによる操作信号の送受機能を設けることで当該リモコンを用い、さらに、DCジャックは、本体10の反対側(SDカードスロット22を設けた側)に配置すると、第1コネクタ15は、オプション部材が存在する場合に、当該オプション部材との通信或いは本体側からオプション部材側への電力供給のために用いられるものとなるので、目標物検出ユニット50等のオプションが装着されない場合には、幅の短いナット部材を装着して取付用ブラケット30の固定のみをするようにしても良い。
【0077】
図16図17は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態では、本体10に連結するオプション部品を異ならせている。つまり、上述した実施形態における本体を2つ用意し、一方の本体10には、取り付けブラケット30を装着し、他方の本体10′は上下反転させるとともに、CCDカメラ13を同一面側に位置させた状態で連結部材70を介して両本体10,10′を連結して一体化する。このとき、本体10′は、本体10と同一の構成のものを用いているが、増設用の本体として専用のものを用意しても良い。
【0078】
連結部材70は、軸方向両側にそれぞれ雌ねじが切られていると共に、両端がそれぞれ相互に自在に回転することができるようになっている。これにより、連結部材70の両端は、それぞれ独立して対向する本体10,10′の雄ねじ18に対して回転させて連結することができる。そして、両本体10,10′を連結した状態では、両本体10,10′に設けられたCCDカメラの撮影領域、撮影方向ができるかぎり一致する位置で、固定されるように設定される。
【0079】
連結部材70は、本体10,10′に設けられた第1コネクタ15を連結し、また、図示省略するが、連結部材70の所定位置にDCジャックを備え、そのDCジャックを介して車両側から供給された電力を、それぞれの本体10,10′へ供給する電力供給機能を備える。この電力供給機能は、目標物検出ユニット50の第2コネクタに連結されるコネクタ部分に接続するコネクタと、DCジャックと、そのDCジャックとコネクタを接続する配線等を備えて構成される。
【0080】
増設した本体10′のCCDカメラ13で撮像した映像は、第1コネクタ15連結部材70を経由してメインの本体10側へ送られる。そして、メインの本体10側では、自己のCCDカメラ13で撮像した映像と、送られてきた映像に基づきステレオカメラとして記録させることができる。ステレオカメラは、両カメラの映像の差から距離を得ることができることから、事故の分析に役立つので好ましい。本体10の制御部は、単体で動作している場合には、普通のドライブレコーダとして機能し、事故発生時に必要な情報を記録し、増設した本体10′が接続されたことを認識した場合には、ステレオカメラとして記録させるように動作する機能を有する。増設した本体10′が接続されたか否かは、オプション部品が接続されているか否か、並びに、接続されている場合にはその種類を確認する機能を備えているので、その機能により認識できる。つまり、第1コネクタ経由で接続された相手と通信(コネクションの確立)をすることで、相手を確認することかできる。また、増設した本体10′は、上記のように撮像した映像等を相手に送るが、自己の不揮発性メモリに記録する機能をさらに備えても良い。その場合、増設した本体10′側では、通常のドライブレコーダとして機能しており、本体10側でのステレオカメラでの記録に不具合があっても、通常のドライブレコーダとしての情報の確保はできる。
【0081】
本体10,10′のそれぞれにおいてSDカードにデータを記録する場合、記録した2つのSDカードのデータをPCで読み出して、両者のデータに含まれる撮影時刻データ等の同期用のデータに基づいて、2つの映像等のデータの同期をとって再生するようにするとよい。
【0082】
なお、2つの本体10,10′は、それぞれ別々のセンサで記録開始・終了するので、
記録範囲のずれが生じることがあるが、このずれは、時刻情報等に基づき補正し、同一時刻で撮像したフレーム同士に基づいてステレオ画像を作成するなどの適宜の補正処理をすることで対応できる。
【0083】
また、連結部材70の内部は、本体10側から本体10′側へ貫通する貫通孔を設けており、電気的な接続は、その貫通孔を通すケーブルを介して行うようにしてもよい。また、本体10は、車両前方を撮影する方向を向け、本体10′は車両後方側や車室内を向けるようにして固定してもよい。このようにすれば、複数の方向を同時に撮影することができる。本体10は、取り付け取り外しが容易であるので、例えば、通常は2台の車に本体を1台ずつ取り付けて利用し、ステレオ画像の必要なときのみ1台の車に本体2台を合体して取り付けなおして使うことも容易にできる。また、本体10、10′では、両者の取り付け角度に関する情報(例えば本体10内に設けた加速度センサの出力する情報)をSDカードに記録しておき、このSDカードの情報をPCで取り込んで、PCのアプリケーションソフト(ビューアー)にて、それぞれの本体の取り付け方向を2つの本体の取り付け角度に関する情報に基づいて表示(図示)したり、当該ドライブレコーダの機能により記録された映像や車両挙動の表示を2つの本体の取り付け角度に関する情報に基づいて合成して表示する処理等を行うようにしてもよい。
【0084】
オプション部品は、上述した目標物検出装置や2つめのドライブレコーダに限ることはなく、たとえば、室内撮影用(タクシー強盗等の対策)のカメラ記録装置や、セキュリティ装置や、居眠り防止装置等、車載用の各種のものを組み込むことができる。
【0085】
さらに、オプションの連結は、本体に対して1つのみ行うものに限ることはなく、オプション用のユニットの本体側とは反対側にさらなるオプションを連結できる同様の構造を設け、複数個(種類は同じでも異なるものでも良い)を連結することができるようにすると良い。
【符号の説明】
【0086】
10,10′ 本体
13 CCDカメラ
20 スイッチ部
22 SDカードスロット
30 取付用ブラケット
31 リング部
33 取付板
40 ナット部(固定部材)
50 目標物検出ユニット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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図16
図17