(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】感震LED照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230526BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230526BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230526BHJP
G01H 1/00 20060101ALI20230526BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230526BHJP
F21Y 105/18 20160101ALN20230526BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V23/00 110
F21V23/00 150
F21V23/04 300
F21V23/04 500
G01H1/00 E
F21Y115:10
F21Y105:18
(21)【出願番号】P 2022094056
(22)【出願日】2022-06-10
(62)【分割の表示】P 2021017090の分割
【原出願日】2016-06-13
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】泰平 正博
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-82067(JP,A)
【文献】特開2011-228367(JP,A)
【文献】登録実用新案第3154761(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
F21V 23/04
G01H 1/00
F21Y 115/10
F21Y 105/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、電源基板、電源カバー、LED基板及びカバーを含み、
前記本体は、中央よりであって上面側に凹んだ凹部を有し、
前記電源基板は、制御電源を有する電源モジュールを備え、前記凹部に配置されて、複数のLEDの発光を駆動し、
前記電源カバーは、上面が前記電源基板に対向するとともに、下面が前記LED基板に対向し、
前記LED基板は、前記複数のLEDが実装された実装領域と、前記実装領域の周囲に前記複数のLEDが実装されていない非実装領域を有し、前記非実装領域よりも中心側の前記実装領域に対応する部位に感震センサが配置され、
前記カバーは、透光性と拡散性を有し、前記LED基板の実装面と対向していることを特徴とする感震LED照明器具。
【請求項2】
前記LED基板の前記実装領域内に対応する位置に前記電源基板の下面側と距離を置いてユニットケースが配置され、
前記ユニットケース内にユニット基板が設けられ、
前記ユニット基板の下面側に前記感震センサが固定化されていることを特徴とする請求項1に記載の感震LED照明器具。
【請求項3】
前記ユニットケースは前記感震センサとともにリモコン信号の受信部を備え、
前記電源カバーと前記LED基板は前記リモコン信号を通過させる開口を有することを特徴とする請求項2に記載の感震LED照明器具。
【請求項4】
さらに、残光モジュールと残光モジュール制御手段を備え、
前記電源モジュールは、さらに、電気エネルギーを蓄電する蓄電部を備え、
前記残光モジュールは、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーにより発光し、
前記残光モジュール制御手段は、前記感震センサが振動を検知した際、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーを、前記残光モジュールに供給して、前記残光モジュールの発光をONにすることを特徴とする請求項1または2に記載の感震LED照明器具。
【請求項5】
前記感震センサは加速度センサであり、前記加速度センサによる加速度の測定結果から波形の周期を演算し、前記波形の周期が、閾値範囲内の場合には、揺れと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の感震LED照明器具。
【請求項6】
前記閾値範囲は、周期0.2s~2sであることを特徴とする請求項5に記載の感震LED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感震LED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地震の多発から、振動の感知により、消灯時でも、点灯したり、ブザーが鳴るような機能を備えた感震LED照明器具の需要が高まっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感震LED照明器具は、感震センサにより振動を検知するが、地震によって家屋そのものが揺れることによる前記照明器具の揺れだけでなく、地震によらない前記照明器具の揺れも感知してしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、精度よく地震による揺れや振動を検知することができる感震LED照明器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の感震LED照明器具は、本体、電源基板、電源カバー、LED基板及びカバーを含み、前記本体は、中央よりであって上面側に凹んだ凹部を有し、前記電源基板は、制御電源を有する電源モジュールを備え、前記凹部に配置されて、複数のLEDの発光を駆動し、前記電源カバーは、上面が前記電源基板に対向するとともに、下面が前記LED基板に対向し、前記LED基板は、前記複数のLEDが実装された実装領域と、前記実装領域の周囲に前記複数のLEDが実装されていない非実装領域を有し、前記非実装領域よりも中心側の前記実装領域に対応する部位に感震センサが配置され、前記カバーは、透光性と拡散性を有し、前記LED基板の実装面と対向していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
LED基板には、一般的に、中心から外周側に向かって複数のLEDが実装されており、前記LEDが実装された実装領域の周囲には、LEDが実装されていない帯状の非実装領域が存在している。従来の感震LED照明器具は、前記非実装領域に感震センサが配置されているのに対し、本発明の感震LED照明器具は、前記非実装領域よりも中心側の前記実装領域に対応する箇所に感震センサを備えている。これによって、本発明の感震LED照明器具は、例えば、家屋の揺れにはよらない振動の誤検知を防ぐことができ、より精度よく揺れや振動を感知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1の感震LED照明器具の各構成部材の一例を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の感震LED照明器具におけるLED基板の一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の感震LED照明器具における、ユニットケースを拡大した斜視図である。
【
図4】
図4(A)および(B)は、実施形態1の感震LED照明器具における本体と緩衝部材との関係の概略を示す断面図である。
【
図5】
図5(A)は、実施形態1の感震LED照明器具において、実装領域と非実装領域とを含むLED基板の一例を示す平面図であり、実施形態1の感震LED照明器具において、
図5(B)は、実装面の全面が実装領域となるLED基板の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記LED基板の前記実装領域は、前記LED照明器具の中心から外側に向かって広がる領域であり、前記実装領域の外周は、面方向の全方位において前記中心から最も離れて実装されたLEDの位置が、前記実装領域の外周である。
【0010】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記本体は、一方の面が、LED照明器具の設置対象と対向する設置面であり、前記本体の前記設置面は、周方向に、前記設置対象に接する緩衝部材が配置され、前記感震センサは、前記緩衝部材の配置位置よりも、前記LED照明器具の中心側に対応する部位に配置されている。
【0011】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、さらに、リモコン信号の受信部を備える。
【0012】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、前記受信部と前記感震センサとが、一つのユニットケースの内部に収容されている。
【0013】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記感震センサは、前記電源モジュールにより駆動するセンサである。
【0014】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、さらに、ブザーモジュールおよびブザー制御手段を備える。前記ブザー制御手段は、前記感震センサが振動を検知した際、前記ブザーモジュールのブザーをONにする。
【0015】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、さらに、LED制御部を備える。前記LED制御部は、前記感震センサが振動を検知した際、前記電源モジュールの駆動により前記LEDの発光をONにする。
【0016】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記感震センサは、加速度センサである。
【0017】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記加速度センサは、三軸の加速度センサである。
【0018】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記感震センサは、前記電源基板と前記LED基板との間に配置されている。
【0019】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記感震センサは、前記電源基板の表面から離間した状態で配置されている。
【0020】
本発明の感震LED照明器具において、例えば、前記感震センサは、前記LED基板の表面から離間した状態で配置されている。
【0021】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、さらに、残光モジュールを備え、前記電源モジュールは、さらに、電気エネルギーを蓄電する蓄電部を備え、前記残光モジュールは、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーにより発光するモジュールである。
【0022】
本発明の感震LED照明器具は、例えば、さらに、残光モジュール制御手段を備え、前記残光モジュール制御手段は、前記感震センサが振動を検知した際、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーを、前記残光モジュールに供給して、前記残光モジュールの発光をONにする。
【0023】
以下、本発明の感震LED照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、
図1から
図5において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0024】
[実施形態1]
本実施形態は、感震LED照明器具の一例である。
図1に、本実施形態の感震LED照明器具の構成の一例を示す。
図1は、感震LED照明器具の主な構成部材を分解して示した斜視図である。本実施形態において、感震LED照明器具は、略円形としたが、これには制限されない。
【0025】
本実施形態の感震LED照明器具は、例えば、天井に取り付けるLEDシーリングライトとして使用できる。この場合、前記感震LED照明器具は、例えば、取付部を有し、他方、天井は、引掛けシーリングボディ等の屋内配線器具と、これに電気的に接続されたアダプタとを備える。そして、前記感震LED照明器具は、前記取付部により、前記アダプタに取付けられ、且つ、前記屋内配線器具と電気的に接続される。なお、以下の説明において、特に説明しない限り、前記感震LED照明器具は、天井に取り付けられた状態を基準とし、天井側を上面側、その反対側(床側)を下面側という。また、設置対象の面と平行な方向を面方向といい、前記面方向に垂直な方向、すなわち、上面側と下面側とを結ぶ方向を厚み方向(または軸方向)という。
【0026】
図1に示すように、感震LED照明器具1は、上面側から、本体10、電源基板11、電源カバー15、LED基板12およびカバー13が、この順序で配置されて、電源基板11とLED基板12との間にユニットケース14が配置されている。ユニットケース14は、リモコン信号の受信部と感震センサとを備える。感震LED照明器具1において、電源カバー15は、任意の構成部材であり、有してもよいし、有さなくてもよい。
【0027】
本体10は、前記天井に対向する部材であり、その上面は、前記天井に対向する面であり、その下面は、電源基板11が配置される面である。本体10は、中央に、下面側に突出した開口101を有し、中央よりであって前記開口の周囲に、上面側に凹んだ円周帯状の凹部102を有する。前者の前記突出した開口101は、前記天井に対する取付部が配置され、後者の前記円周帯状の凹部102には、電源基板11が配置される。本体10の素材は、特に制限されず、スチール等の金属があげられる。
【0028】
本体10の上面は、感震LED照明器具1の設置対象(前記天井)に対向する設置面であり、前記設置面は、例えば、前記設置対象に接する緩衝部材が配置されてもよい。前記緩衝部材は、特に制限されず、例えば、スポンジ等があげられる。このような形態によれば、感震LED照明器具1を設置対象に設置した際、感震LED照明器具1と前記設置対象との間に前記緩衝部材が存在するため、例えば、前記設置対象への感震LED照明器具1の固定化をより安定にすることができる。
【0029】
前記緩衝部材の設置位置は、特に制限されない。前記緩衝部材は、例えば、本体10の前記設置面において周方向に配置され、具体例として、感震LED照明器具1の中心から、本体10の外周までの長さを1とした場合、前記中心から3/10~1の範囲があげられる。前記緩衝部材は、例えば、周方向において、連続して配置されてもよいし、非連続で配置されてもよい。
【0030】
本体10における前記緩衝部材の配置位置は、例えば、前記設置対象に対向する本体10の上面の形状により、適宜設定することもできる。
図4に、前記設置対象である天井に対する前記本体の上面の形状と前記緩衝部材の配置位置との関係を示す概略断面図を示す。
図4において、(A)は、本体20の上面が、設置対象に対して凸部を有する形態であり、(B)は、本体21の上面が、設置対象に対してフラットな形態である。
図4(A)に示すように、本体20の上面が凸部を有する場合、緩衝部材22は、例えば、前記凸部の外周側に配置する。この場合、緩衝部材22は、本体20の半径において、例えば、中心から3/10~3/5の付近、具体例としては、27/50付近に配置される。また、
図4(B)に示すように、本体21の上面がフラットな場合、緩衝部材22は、例えば、本体21の外周側に配置され、外観の点から、外部から見えない程度に内よりであることが好ましい。
【0031】
電源基板11は、その上面が、本体10に対向し、その下面に、LEDの発光を駆動する電源モジュールが配置されている。前記電源モジュールは、特に制限されず、従来公知の回路部品等があげられる。電源基板11の前記電源モジュールは、感震LED照明器具1が、天井のアダプタに電気的に接続されると、前記アダプタを介して交流電源に接続される。そして、前記電源モジュールは、受けた交流電流から直流電流を生成し、これをLED基板12の各LED121に供給して、LED121の発光を駆動させることができる。前記電源モジュールは、例えば、電源制御用の制御電源を有し、前記制御電源の電圧は、例えば、1.5~17Vである。前記制御電源は、例えば、1系統でもよいし、2系統でもよく、一例として、5Vと14Vの2系統があげられる。
【0032】
電源カバー15は、その上面が、電源基板11に対向し、その下面が、LED基板12に対向する。感震LED照明器具1が電源カバー15を有する場合、例えば、電源カバー15によって、本体10内の空間を2室に区切ることができる。そして、電源カバー15によれば、例えば、LED121からの放熱の促進、電源基板11が発する放熱の遮断、LED基板12の固定等を、より効率よく行うことができる。電源カバー15の素材は、特に制限されず、例えば、アルミニウム、スチール等の金属等があげられる。
【0033】
LED基板12は、その上面が、電源基板11に対向し、電源カバー15を有する場合は、電源カバー15に対向し、その下面が、カバー13と対向し、且つ、LED121が実装された実装面である。感震LED照明器具1を天井に設置した際、LED121の実装面は、前面側となり、下方を照射することになる。
【0034】
LED基板12の実装面は、複数のLED121が実装された実装領域を有する。LED基板の実装面は、例えば、前記実装領域とLEDが実装されていない非実装領域とを有し、前記非実装領域が、前記実装領域の周囲における円周帯状の領域であってもよいし、前記実装面の全領域が実装領域であってもよい。前者の場合、例えば、前記実装領域と前記非実装領域との境界が、前記実装領域の外周となり、後者の場合、例えば、前記LED基板の外周が、前記実装領域の外周となる。
【0035】
図1において、LED基板12は、前者の形態、すなわち前記実装領域と前記非実装領域とを有する。すなわち、LED基板12の実装面は、複数のLED121が実装された実装領域を有し、前記実装領域の周囲に、LED121が実装されていない円周帯状の非実装領域を有する。前記実装領域は、例えば、感震LED照明器具1の中心から外側に向かって広がる領域である。この場合、前記実装領域の外周は、面方向の全方位において前記中心から最も離れて実装されたLED121の位置が、前記実装領域の外周である。
図2の平面図に、
図1のLED基板12の概略を示す。
図2に示すように、LED基板12の実装面には、中央から全方位に向かって、複数のLED121が配置されており、点線より内部の領域が、前記実装領域であり、点線より外部の領域が、前記非実装領域である。
【0036】
LED基板12において、複数のLED121の実装形態は、特に制限されない。複数のLED121は、例えば、LED基板12において、円周上に実装されている。円周の数は、特に制限されず、例えば、同心円状の複数の円周上が好ましい。同じ円周上におけるLED121の実装間隔は、例えば、等間隔でもよいし、異なる間隔でもよい。隣接する円周上間において、LED121は、中心から外周方向に向かって、同じ線状に実装されてもよいし、ずれた位置関係となるように実装されてもよい。
【0037】
図1および
図2において、LED基板12の中央は、開口部を有しているが、開口部を有していなくてもよい。
【0038】
カバー13は、その上面がLED基板12に対向し、その下面が、照射面となる。カバー13の部材は、例えば、透光性を有し、また、さらに拡散性を有する部材があげられ、具体例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の透光性樹脂等があげられる。
【0039】
感震LED照明器具1は、LED基板12の実装領域内に対応する部位に、感震センサを備える。このように、感震LED照明器具1は、LED基板12の非実装領域ではなく、それよりも中心側の前記実装領域に対応する部位に、前記感震センサを備えることにより、例えば、地震以外の揺れに対する感度を低減させ、地震による揺れに対する感度を向上させることができる。
【0040】
前記感震センサの種類は、特に制限されず、例えば、後述するような加速度センサ、導電ボール接点方式振動センサ等があげられる。また、前記感震センサは、例えば、LED121の発光を駆動させるための前記電源モジュールにより駆動するセンサが好ましく、具体例として、加速度センサがあげられる。
【0041】
前記感震センサの配置位置は、前記実装領域内に対応する部位に配置されていればよく、例えば、以下のような条件が例示できる。
【0042】
前記感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の中心から、LED基板12の前記実装領域の外周までの長さを基準に設定することができる。すなわち、前記感震センサの配置位置は、感震LED照明器具1の中心から、LED基板12の前記実装領域の外周までの長さ(半径ともいう)を1とした場合、例えば、前記中心から0~1の範囲、前記中心から1/5~1の範囲、前記中心から1/5~2/3の範囲である。
【0043】
感震LED照明器具1におけるLED基板12は、前述のように、前記実装領域と前記非実装領域とを含む形態がある。この形態を、
図5(A)の概略図に示す。
図5(A)において、斜線領域が、前記実装領域に対応する。この場合、前記感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の中心から、LED基板の外周までの長さ(半径ともいう。
図5(A)において矢印)を基準に設定することもできる。すなわち、前記感震センサの配置位置は、感震LED照明器具1の中心から、LED基板12の外周までの長さを1とした場合、例えば、前記中心から0~1未満の範囲、前記中心から1/5~1未満の範囲が好ましい。
【0044】
感震LED照明器具1におけるLED基板12は、前述のように、前記実装面の全面が前記実装領域となる形態がある。この形態を、
図5(B)の概略図に示す。
図5(B)において、斜線領域が、前記実装領域に対応する。この場合、前記感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の中心から、感震LED照明器具1の外周までの長さ(半径ともいう。
図5(B)において矢印)を基準に設定することもできる。すなわち、前記感震センサの配置位置は、感震LED照明器具1の中心からその外周までの長さを1とした場合、例えば、前記中心から0~10/12の範囲、前記中心から1/5~10/12の範囲、前記中心から1/5~2/3の範囲が好ましい。
【0045】
前記感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の中心からの距離で表すこともできる。この場合、前記感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の半径に応じて適宜決定できるが、感震LED照明器具1の中心から、例えば、4cm~25cmの範囲である。感震LED照明器具1の半径は、特に制限されない。感震LED照明器具1の半径が、例えば、半径20cm~25cmの場合、感震センサの配置位置は、例えば、感震LED照明器具1の中心からの距離が、前記範囲であることが好ましい。
【0046】
前記感震センサは、前記実装領域内に対応する部位であれば、感震LED照明器具1のいずれの箇所に配置されてもよいが、例えば、厚み方向において、電源基板11とLED基板12との間に配置されることが好ましい。この際、前記感震センサは、例えば、電源基板11の面およびLED基板12の面と、それぞれ直接的に接触せず、距離を置いた状態で配置されることが好ましい。このように、電源基板11およびLED基板12と距離を置いて配置することにより、例えば、近傍の大電流によるノイズの影響をより回避し、感震精度をより向上できる。感震LED照明器具1が電源カバー15を有する場合は、後述するように、電源基板11とLED基板12との間であって、前記加速度センサが配置される領域において、電源カバー15は開口を有していることが好ましい。
【0047】
前記感震センサは、
図1に示すように、例えば、ユニットケース14に収容されている。ユニットケース14は、LED基板12の実装領域内に対応する位置であって、電源基板11の下面(LED基板12との対向面)側に、配置されている。
【0048】
図3に、ユニットケース14を拡大した斜視図を示す。ユニットケース14内には、ユニット基板141が配置され、ユニット基板141の下面側に感震センサが固定化されている。ユニット基板141は、前述のように、電源基板11側の上面が、電源基板11の下面と距離を置いた状態で配置されていることが好ましい。
【0049】
感震LED照明器具1は、例えば、さらに、リモコン信号の受信部を備えてもよい。前記受信部は、例えば、前記感震センサとともに、一つのユニットケースの内部に収容されてもよい。
図1において、前記受信部は、ユニット基板141の下面側に、前記感震センサとともに固定化され、ユニットケース14に収容されている。
【0050】
前記リモコン信号は、床側から天井側の感震LED照明器具1に向かって、リモコン操作により送信される。このため、感震LED照明器具1において、前記受信部よりも下面側が、前記リモコン信号を透過可能であることが好ましい。このため、
図1において、ユニットケース14の下面側において、LED基板12および電源カバー15は、ユニットケース14内の前記受信部に前記リモコン信号が届くように、それぞれ、開口122および開口152を有している。また、LED基板12において、前記受信部と対向する領域は、例えば、開口122および開口152に代えて、前記リモコン信号を透過する透過性部材で形成されてもよい。なお、
図1の感震LED照明器具1は、前記感震センサと前記受信部とを同じユニットケース14に収容する形態を例示したが、これには制限されず、例えば、それぞれを別個のユニットケース14に収容した状態で配置してもよい。
【0051】
感震LED照明器具1は、例えば、さらに、ブザーモジュールおよびブザー制御手段を備えてもよい。この形態によれば、前記ブザー制御手段は、前記感震センサが振動を検知した際、前記ブザーモジュールのブザーをONすることができるため、ブザーにより、地震の発生を使用者に知らせることができる。前記ブザーの条件として、例えば、ブザーの種類、ブザーの時間等を予め設定してもよい。
【0052】
感震LED照明器具1について、前記感震センサを駆動させるには、例えば、主電源(「外部電源」または「固定のスイッチ」ともいう)をONにしておく。また、感震LED照明器具1が、前述のように、副電源であるリモコン(「リモコンスイッチ」ともいう)によりON-OFFを制御できる場合、感震センサを駆動させるには、リモコンスイッチはONでもOFFでもよい。主電源をONにしておくことで、感震LED照明器具1には、前記リモコン信号を受信するための電流が流れているため、その電気エネルギーによって、前記感震センサが振動を検知し、前記電源モジュールの駆動により前記LEDの発光をONにすることができる。
【0053】
感震LED照明器具1は、例えば、内部に、さらに反射板を備えてもよい。
【0054】
[実施形態2]
本実施形態は、感震センサが加速度センサである感震LED照明器具の一例である。特に示さない限り、本実施形態2は、他の実施形態を援用できる。
【0055】
前記加速度センサは、特に制限されず、例えば、静電容量検出方式があげられ、具体的に、三軸加速度センサ(例えば、STMicroelectronics製LIS2DH12等)等があげられる。
【0056】
このように、前記感震センサとして、前記加速度センサを使用することにより、例えば、天井に対する前記感震LED照明器具の取付け角度の影響を受けることなく、より精度よく、地震の感知を行うことが可能となる。また、前記加速度センサは、例えば、加速度センサ用に別途電池を必要とせず、LEDの発光を駆動する前記電源モジュールにより駆動させることが可能である。
【0057】
本実施形態の感震LED照明器具において、前記加速度センサは、前述のように、例えば、前記電源基板と前記LED基板との間に配置される。また、前記感震センサは、前記電源基板の表面から離間した状態で配置されていること、前記LED基板の表面から離間した状態で配置されていることが好ましい。このように、前記加速度センサを前記電源基板および前記LED基板の両方から離間することによって、例えば、大電流および温度上昇等の影響を回避し、ノイズを減らすことができるため、より精度よい感震が可能となる。
【0058】
本実施形態の感震LED照明器具は、前記感震センサが前記加速度センサの場合、さらに、前記加速度センサの検出結果から揺れを演算する演算手段を有することが好ましい。
【0059】
前記加速度センサによる揺れの判定は、特に制限されず、例えば、波形の周期の閾値範囲を予め設定し、加速度センサによる加速度の測定結果から波形の周期を演算し、前記波形の周期が、閾値範囲内の場合には、揺れと判定とし、閾値範囲より小さいまたは閾値範囲より大きい場合には、揺れではないと判定とすることができる。前記閾値範囲としては、例えば、周期0.2s~2sが例示でき、この範囲内の場合は揺れ、この範囲から外れる場合は揺れではないと判断できる。また、周期だけでなく、例えば、周期が所定の範囲内であり、且つ、加速度が一定の値以上である場合に、揺れと判断し、周期が所定の範囲から外れる、または、加速度が一定の値未満である場合に、揺れではないと判断してもよい。加速度の測定結果からの震度の算出は、特に制限されず、例えば、気象庁のURL(http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/comp.htm)等にも開示されており、既存の手法を採用できる。
【0060】
[実施形態3]
本実施形態は、さらに、前記蓄電部および前記残光モジュールを備える感震LED照明器具の一例である。特に示さない限り、本実施形態3は、他の実施形態を援用できる。なお、本実施形態において、前記LED基板のLEDの発光は、通常の通電による発光を主照明と呼び、前記残光モジュールの発光を副照明または残光照明と呼ぶ。
【0061】
本実施形態の感震LED照明器具は、さらに、前記残光モジュールを備え、前記電源モジュールが、さらに、電気エネルギーを蓄電する蓄電部を備える以外は、特に示さない限り、前記実施形態1および2と同様である。前記残光モジュールは、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーにより発光するモジュールであり、例えば、前記LED基板に実装されたLEDが、前記残光モジュールを兼ねる。
【0062】
この形態によれば、前記感震センサが振動を検知した際、前記実施形態1と同様に、まず、前記電源モジュールの駆動により前記LEDの発光(主照明)をONにする。しかし、停電等により、主電源(「外部電源」ともいう)が遮断されている場合、主照明を点灯させることができない。そうすると、前記感震LED照明器具は、前記残光モジュールの発光(副照明)の点灯モードに切り替わり、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーが、前記残光モジュールに供給され、前記残光モジュールの発光をONにすることができる。
【0063】
このように、蓄電された電気エネルギーにより発光する残光モジュールを備えることにより、例えば、地震で停電が起きた場合でも、蓄電された電気エネルギーを利用して、強制的に、残光モジュールを発光させることができる。つまり、停電時の自動的な点灯も可能になるため、より安全性を確保することができる。
【0064】
前記残光モジュールは、例えば、発光する残光照明負荷を備え、前記蓄電部と電気的に接続されている。前記残光モジュールの前記残光照明負荷は、例えば、LEDであり、前記LED基板に実装されたLEDが、前記残光照明負荷を兼ねてもよい。この場合、前記LED基板に実装された複数のLEDのうち、全てまたは一部について、さらに、前記蓄電部と電気的に接続させることで、それらのLEDは、前記残光モジュールとしても機能することになる。
【0065】
本実施形態においては、前記電源モジュールは、前述のように、さらに前記蓄電部を備える以外は、特に制限されず、従来公知の回路部品等があげられる。前記電源モジュールは、具体的に、例えば、電流生成部と前記蓄電部とを備える。本実施形態の感震LED照明器具は、天井のアダプタに電気的に接続されると、前記アダプタを介して交流電源に接続される。そして、前記電源モジュールの前記電流生成部は、受けた交流電流から直流電流を生成し、これを前記LED基板の各LEDに供給して、LEDの発光(主照明)を駆動させることができ、前記蓄電部は、蓄積した電気エネルギーにより前記残光モジュールの発光(副照明)を駆動させることができる。
【0066】
前記残光モジュールおよび前記残光モジュールを発光させるための蓄電部に関しては、特に制限されず、従来公知の技術が使用できる。具体例としては、特開2013-80702号公報における残光回路モジュールの記載が援用できる。
【0067】
また、感震LED照明器具1は、例えば、さらに、LED制御手段を備えてもよい。この場合、前記LED制御手段によって、例えば、前述のように、前記感震センサが振動を検知した際、前記電源モジュールの駆動により前記LEDの発光をONにすることができる。このため、発光により、地震の発生を使用者に知らせることができ、また、就寝時等であっても、自動的に灯りをつけて安全性を確保することができる。前記発光の条件として、例えば、明かりの種類、色調、発光時間等を予め設定してもよい。
【0068】
また、感震LED照明器具1は、例えば、さらに、残光モジュール制御手段を備えてもよい。この場合、前記残光モジュール制御手段によって、例えば、前述のように、前記感震センサが振動を検知した際、前記電源モジュールの駆動により前記LEDの発光をONにすることができる。より詳細には、例えば、主電源が遮断されている場合、前記残光モジュール制御手段により、前記残光モジュールの発光の点灯モードに切り替わり、前記蓄電部に蓄電された電気エネルギーが前記残光モジュールに供給され、前記残光モジュールの発光をONにする。
【0069】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の感震LED照明器具によれば、例えば、家屋の揺れにはよらない振動の誤検知を防ぐことができ、より精度よく揺れや振動を感知することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 感震LED照明器具
10、20、21 本体
11 電源基板
12 LED基板
13 カバー
14 ユニットケース
15 電源カバー
141 ユニット基板
22 緩衝部材