(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】多機能梯子構造
(51)【国際特許分類】
E06C 1/393 20060101AFI20230526BHJP
E06C 5/02 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
E06C1/393
E06C5/02
(21)【出願番号】P 2022522326
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2021093573
(87)【国際公開番号】W WO2022121233
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】202011461139.8
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】595084276
【氏名又は名称】聖州企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊明舜
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9500029(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0157301(US,A1)
【文献】米国特許第9821716(US,B1)
【文献】登録実用新案第3061504(JP,U)
【文献】特開平6-144237(JP,A)
【文献】実開昭61-14164(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/393
E06C 5/02
B60R 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能梯子構造であって、
第1の梯子フレームであって、前記第1の梯子フレームは、
頑健なU字型チューブである上部ロッドと、
2つの第1のフレームチューブであって、それぞれが一方の端部で前記上部ロッドの異なる端部に堅固に固定され、それぞれが他方の端部側にチューブ開口部を含む、2つの第1のフレームチューブと、
前記2つの第1のフレームチューブの間に堅固に連結され、前記2つの第1のフレームチューブを結合する、少なくとも1つの第1のステップユニットと、
2つの第1の締結ユニットであって、それぞれが1つの前記第1のフレームチューブに堅固に固定される、2つの第1の締結ユニットと、を含む第1の梯子フレームと、
第2の梯子フレームであって、前記第2の梯子フレームは、
前記第1のフレームチューブに隣接して設置された、頑健な2つの第2のフレームチューブであって、前記2つの第2のフレームチューブは、一方の端部にチューブ開口部を含む、2つの第2のフレームチューブと、
2つの第2の締結ユニットであって、それぞれが前記第1の締結ユニットに対して固定されるとともに1つの前記第2のフレームチューブに堅固に固定される、2つの第2の締結ユニットと、
前記2つの第2のフレームチューブの間に堅固に連結され、それらを結合する、少なくとも1つのステップチューブと、を含む、第2の梯子フレームと、
1対の結合アセンブリであって、それぞれが前記上部ロッドと前記第1のフレームチューブとの合致位置に固定式に連結され、2つの前記結合アセンブリが、前記第2の梯子フレームを前記第1の梯子フレームに結合する、1対の結合アセンブリと、
を備える、多機能梯子構造。
【請求項2】
支持ロッドが前記上部ロッドと前記2つの第1のフレームチューブとの結合部でさらに連結される、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項3】
複数の脚部ロッドをさらに含み、前記各脚部ロッドは、チューブ開口部を介して、1つの前記第1のフレームチューブ、または1つの前記第2のフレームチューブ内に配置される、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項4】
前記各脚部ロッドは位置決め突起を含み、前記各第1のフレームチューブおよび前記各第2のフレームチューブ上に前記位置決め突起に対応する複数の位置決め孔が形成される、請求項3に記載の多機能梯子構造。
【請求項5】
前記第2の梯子フレームは、リベットまたはネジで留められ、回転しまたは前記結合アセンブリで堅固に固定され、そして、前記結合アセンブリによって前記第1の梯子フレームに固定式に連結される、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項6】
前記第2の梯子フレームは、前記結合アセンブリで堅固に固定され、前記第1の梯子フレームとともにタイヤ用梯子を形成する、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項7】
前記第2の梯子フレームは前記結合アセンブリで堅固に固定され、前記第1の梯子フレームとともにA字型梯子を形成する、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項8】
調節可能バンドが、前記第1のフレームチューブを横切るようにさらに形成され、前記調節可能バンドの一方の端部が一方の前記第1のフレームチューブに固定して取り付けられ、前記調節可能バンドの他方の端部が、他方の前記第1のフレームチューブに固定して取り付けられる、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項9】
前記U字型上部ロッドを横切って形成される第2のステップユニットをさらに含む、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【請求項10】
一方の前記第1のフレームチューブは、前記上部ロッドの一方の端部から延びる方向を向いた、曲がり延伸部であり、他方の前記第1のフレームチューブは、前記上部ロッドの他方の端部から延びる方向を向いた、曲がり延伸部である、請求項1に記載の多機能梯子構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
【0002】
本発明は梯子構造に関し、より具体的には、タイヤ用梯子、またはA字型梯子のいずれかとして使用可能な、および、様々な種類またはモデルの自動車に適用可能な多機能梯子構造に関する。
【背景技術】
【0003】
2.従来技術の説明
【0004】
現在、自動車はレジャー活動やレクリエーションのために幅広く使用されており、MPV、SUVまたはCUVは自動車を所望する人々の人気を集めている。一般的な、実際の特徴として、これらの車両は一般に高さがあり、通常、物を車の屋根に置いたり、そこから降ろしたりする際、または屋根を洗浄する際に不便である。時に、気づかないうちに予期せぬ危険を引き起こす可能性もある。梯子、より具体的には、自動車のためのタイヤ用梯子を使用することが、一般的かつ需要のある解決法となる。
【0005】
現在、タイヤ用梯子、すなわち、自動車に使用される梯子は、起立型の階段式梯子として使用されるか、自動車にもたれさせる種類の階段式梯子として使用される、限られた機能の梯子であり、それらは使用時の構造的安定性、または使用時に滑ったり、倒れたりする原因となるでこぼこの、または傾斜した道路の上での起立時安定性に欠けているか、あるいは、使用後の収納または移動に不便であり困難である。これらすべての不都合な点は、一般に、予期せぬ危険な状況を引き起こし、ユーザの使用意欲を失わせ、結果として、関連産業全体の発展を遅らせることとなる。
【0006】
上記は、使用または操作が簡単な、タイヤの上部、またはタイヤとそのホイールフェンダの間に安定して置くためのタイヤ用ハシゴとして使用可能な、自動車の近傍または他の場所に固定して起立するA字型梯子として使用可能な、移動または収納のために確実に折り畳むことが可能な、異なる接地面サイズのタイヤ上に即時に使用可能な、すなわち、ほぼすべての自動車種類およびモデルに使用可能な、革新的な梯子構造への需要につながり、さらに重要なことには、でこぼこの、または傾斜した地面、道路、または他の物体面上に、即時に安定的に起立することができる梯子構造は、自動車および関連する産業での適用に対する大きな革新および改善だけでなく、より便利で安全な自動車の使用をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は多機能梯子構造を開示し、それは、第1の梯子フレームと、第2の梯子フレーム、および、第2の梯子フレームを第1の梯子フレームに連結する1対の結合アセンブリと、含み、全体として、任意の調節可能バンド、および、第1および第2の梯子フレームにおいて、それぞれが個別にスライドまたは固定する複数の任意の脚部ロッドとを有する。本発明の実施例において、多機能梯子構造は、設置または操作が容易であること;タイヤ用梯子としてタイヤとホイールフェンダとの間に堅固に挿入および設置することができること;A字型梯子として自動車の近傍または様々な場所で安定的に起立することができること;さらに、タイヤ用梯子として使用される場合には、調節可能バンドを第1の梯子フレームに追加的に使用することで、さらなる安定性のためにタイヤをバンドで包囲し、または、より安全な収納または移動のために、第2の梯子フレームをバンドで包囲するができること;複数の脚部ロッドを採用し、各脚部ロッドが第1または第2の梯子フレームでスライドするか、または個々にとどまることができ、多機能梯子構造は、異なるサイズのタイヤにより適合し、でこぼこの、または傾斜した地面、道路、または他の物体面上に、安定的に起立することができること;第1の梯子フレームの上部ロッド、または、第2のステップユニットを取り付けることで、さらに便利な使用のために、A字型梯子の昇降高さがさらに増加することができることといった特別な利点を有している。
【0008】
本発明は多機能梯子構造を提供し、多機能梯子構造は、頑健なU字型チューブ(管)である上部ロッドを含む第1の梯子フレームと、2つの第1のフレームチューブであって、それぞれが、一方の端部で、前記上部ロッドの異なる端部に堅固に固定され、それぞれが、他方の端部側にチューブ開口部を含む2つの第1のフレームチューブと、前記2つの第1のフレームチューブの間に堅固に連結されて、それらを結合する、少なくとも1つの第1のステップユニットと、2つの第1の締結ユニットであって、それぞれが1つの前記第1のフレームチューブに堅固に固定される、第1の締結ユニットと、第2の梯子フレームであって、2つの第2のフレームチューブを含み、2つの第2のフレームチューブは前記第1のフレームチューブに隣接して設置された頑健なチューブであるとともに、一方の端部にチューブ開口部を含む、第2の梯子フレームと、2つの第2の締結ユニットであって、それぞれが前記第1の締結ユニットに対して固定されるとともに、1つの前記第2のフレームチューブに堅固に固定される、2つの第2の締結ユニットと、前記2つの第2のフレームチューブの間に固定して連結されて、それらを結合する、少なくとも1つのステップチューブと、1対の結合アセンブリであって、それぞれが上部ロッドと第1のフレームチューブの合致位置に固定式に連結され、2つの前記結合アセンブリが、第2の梯子フレームを第1の梯子フレームに結合する、1対の結合アセンブリと、を含む。
【0009】
本発明の実施例は、少なくとも以下の発明の進歩性を含む。
【0010】
1.設置または操作が容易である。
【0011】
2.タイヤの上、またはタイヤとそのホイールフェンダの間に安定して置くことができるタイヤ用梯子として使用可能である。
【0012】
3.自動車の近傍、または他の場所で安定的に起立するA字型梯子として使用可能である。
【0013】
4.U字型の上部ロッド、またはさらに実施された第2のステップユニットが、A字型梯子として使用する場合に、効果的に昇降高さを増加し、その結果、本多機能梯子構造の使用の実用性および利便性を向上させる。
【0014】
5.さらに実施された調節可能バンドによりタイヤを包囲することにより、本多機能梯子構造は、タイヤ用梯子として使用する場合、さらに安定性を増す。
【0015】
6.本多機能梯子構造は、調節可能バンドを、第2の梯子フレームを第1の梯子フレームに近接させてきつく巻き付けることにより、移動または収納のために確実に折り畳むことが可能である。
【0016】
7.さらに実施された脚部ロッドのそれぞれは別々に調節可能であり、それにより本多機能梯子構造が異なる接地面サイズのタイヤにも即時に使用可能となり、従って、ほぼすべての自動車種類およびモデルに使用可能である。
【0017】
8.別々に調節可能な、さらに実施された脚部ロッドにより、本多機能梯子構造はでこぼこの、または傾斜した地面、道路、または他の物体面上に、安定的に起立することができる。
【0018】
本発明の特徴および有利点は好適な実施形態を参照しながら、以下に詳述される。詳細な説明は、当業者が本明細書に開示された技術内容を理解し、本発明を適宜実施できるようにするためのものである。特に、当業者は、本明細書、特許請求の範囲及び添付図面の開示内容を参照することにより、本発明の目的及び利点を容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明ならびにその好ましい使用態様、さらなる目的および利点は、添付の図面と併せて読むと、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0021】
【
図2A】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る第1の梯子フレームを示す概略立体図である。
【0022】
【
図2B】
図2Bは、本発明の一実施形態に係る第2の梯子フレームを示す概略立体図である。
【0023】
【
図2C】
図2Cは、本発明の一実施形態に係る結合アセンブリを示す概略立体図である。
【0024】
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る、上部ロッドと2つの第1のフレームチューブの結合部でさらに連結された支持ロッドを示す概略立体図である。
【0025】
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る、複数の脚部ロッドをさらに含む多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0026】
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態に係る、複数の脚部ロッドをさらに含む多機能梯子構造を示す別の概略立体図である。
【0027】
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態に係る、脚部ロッドのそれぞれが位置決め突起を含み、それぞれの第1のフレームチューブおよびそれぞれの第2のフレームチューブが複数の対応する位置決め孔を含むことを示す概略立体図である。
【0028】
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施形態に係る、脚部ロッドのそれぞれが位置決め突起を含み、それぞれの第1のフレームチューブおよびそれぞれの第2のフレームチューブが複数の対応する位置決め孔を含むことを示す別の概略立体図である。
【0029】
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施形態に係る、タイヤ用梯子として使用される多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0030】
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施形態に係る、A字型梯子として使用される多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0031】
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る、調節可能バンドをさらに含む多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0032】
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る、第2の梯子フレームが第1の梯子フレームの近位に回転し、調節可能バンドで包囲されていることを示す概略立体図である。
【0033】
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る、多機能梯子構造がタイヤ用梯子として使用され、さらに高い安定性のために調節可能バンドがタイヤを包囲していることを示す概略立体図である。
【0034】
【
図10A】
図10Aは、本発明の一実施形態に係る、多機能梯子構造が第2のステップユニットをさらに含むことを示す概略立体図である。
【0035】
【
図10B】
図10Bは、本発明の一実施形態に係る、多機能梯子構造が第1のステップユニットの延長部分として形成される第2のステップユニットをさらに含むことを示す概略立体図である。
【0036】
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る、2つの第1のフレームチューブのそれぞれが、上部ロッドのいずれかの端部から延設された、同じ方向への曲がり延伸部である、多機能梯子構造を示す概略立体図である。
【0037】
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る、2つの第1のフレームチューブのそれぞれが、上部ロッドの両方の端部から延設された、同じ方向への曲がり延伸部である、多機能梯子構造を示す別の概略立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明をより深く理解し、認識するために、図示するグラフとともに実施形態を提供する。
【0039】
最初に、
図1を参照されたい。第1の梯子フレーム10と、第2の梯子フレーム20と、2つの結合アセンブリ30とを含む多機能梯子構造が、本発明の実施形態において示される。
【0040】
図1および
図2Aを参照すると、多機能梯子構造100の第1の梯子フレーム10は、上部ロッド11、2つの第1のフレームチューブ12、少なくとも1つの第1のステップ(または、踏み台、踏み板、足載せ)ユニット13、および2つの第1の締結(または、バックル)ユニット14を含んでいる。頑健なU字型チューブである前記上部ロッド11は、金属チューブ(または、管材)、合金チューブ、または耐久性のあるポリマー材料によるチューブであってもよい。
【0041】
図1および
図2Aに見られるように、同じ方向に整列した第1のフレームチューブ12は、各第1のフレームチューブ12が、一方の端部で上部ロッド11の異なる端部に連結するように形成され、同時に、各第1のフレームチューブ12の他方の端部にチューブ開口部121が形成されている。さらに、第1のフレームチューブ12のそれぞれと、U字型の上部ロッド11の間に、夾角も形成されている。
【0042】
第1のフレームチューブ12の形成材料に関しては、U字型上部ロッド11を形成するものと同じ形成材料を選択することができ、実施形態では、第1のフレームチューブ12は上部ロッド11とともに一体化させることができる。そして同時に、2つの第1のフレームチューブ12は、互いに平行に整列されるか、または互いにほぼ平行に整列されて形成することができ、ここでほぼ平行とは、2つの第1のフレームチューブ12間の夾角が0度または5度未満であることを意味する。
【0043】
図1および
図2Aに示されるように、2つの第1のフレームチューブ12の間の距離は、チューブ開口部121がタイヤ810に向いた状態で、第1の梯子フレーム10がタイヤ810とそのホイールフェンダ820の間の空間に自由に挿入されてタイヤ810上に載るように形成されることを可能とする。
【0044】
再び
図1および
図2Aを見ると、少なくとも1つのステップユニット13が前記2つの第1のフレームチューブ12の間に固く連結され、それらを結合している。第1のステップユニット13は、頑健な網状の踏み板により形成されたステップペダル、頑健な踏み板ペダル、複数の貫通孔を有する頑健な踏み板ペダル、または、その上を踏むための頑健な踏み板表面を形成するために、互いに平行に配置された少なくとも2つのチューブであってもよい。さらに、利用時により安全に使用するために、第1のステップユニット13は、滑り止め材料のうちの1つで形成することができる。
【0045】
図1および
図2Aに示されるように、第1の締結ユニット14は、それぞれが第1のフレームチューブ12に連結されるように形成されている。前記第1の締結ユニット14は、リンクロッド、フック、折り曲げ可能なリンクロッド、折り曲げ可能なフック、または少なくともバックルまたはボタンホールを有するウェビングリボンであってもよい。
【0046】
次に
図1および
図2Bを参照すると、多機能梯子構造100の第2の梯子フレーム20は、2つの第2のフレームチューブ21、2つの第2の締結ユニット22、および、少なくとも1つのステップチューブ23を含んでいる。
【0047】
図1および
図2Bに示されているように、第2のフレームチューブ21は、第1のフレームチューブ12に対応するように配置されており、頑健なチューブでありうる。2つの第2のフレームチューブ21は互いに平行に整列されるか、または互いにほぼ平行に整列されることができる。さらに、チューブ開口部211が、それぞれの第2のフレームチューブ21の一方の端部に形成されている。
【0048】
第2のフレームチューブ21のいずれかの厚みまたは大きさについては、対応する第1のフレームチューブ12と同じ厚み値または大きさを選択することができる。一方、任意の位置における2つの第2のフレームチューブ21の距離も、対応する位置における2つの第1のフレームチューブ12の距離と同じになるように選択することが可能である。
【0049】
図1および
図2Bに示されているように、第2の締結ユニット22のそれぞれが第2のフレームチューブ21に連結されるように形成され、多機能梯子構造100において、前記第2の締結ユニット22のそれぞれは、対応する第1の締結ユニット14とつながれるか、または、対応する第1の締結ユニット14から分離される。
【0050】
すなわち、2つの第2の締結ユニット22が対応する2つの第1の締結ユニット14とつながれた状態で、第2の梯子フレーム20が第1の梯子フレーム10とさらに連結されることができる。
【0051】
再び
図1および
図2Bを参照すると、ステップチューブ23は、2つの第2のフレームチューブ21の間に堅固に連結されて、それらを結合する頑健なチューブであり、第2の梯子フレーム20の昇降階段として機能するものである。
【0052】
次に
図1および
図2Cを参照すると、多機能梯子構造100の2つの結合アセンブリ30は、それぞれが上部ロッド11と第1のフレームチューブ12との合致位置に固定して連結されており、2つの結合アセンブリ30は、第2の梯子フレーム20が結合アセンブリ30で第1の梯子フレーム10に対して回転するか、または、第2の梯子フレーム20が結合アセンブリ30で第1の梯子フレーム10上に堅固に連結されるように、第2の梯子フレーム2を第1の梯子フレーム10に連結している。
【0053】
このように、多機能梯子構造100は、結合アセンブリ30によって、第2の梯子フレーム20を第1の梯子フレーム10に連結する際に形成される。そして、第2の梯子フレーム20は、第1の梯子フレーム10との所望の夾角をもって結合アセンブリ30で回転した後に堅固に固定されて、多機能梯子構造100をタイヤ梯子またはA字型梯子とする。
【0054】
当該連結方法は、第2の梯子フレーム20が、リベットまたはネジで留められ、回転し、または、結合アセンブリ30で安定に固定され、そして、結合アセンブリ30によって第1の梯子フレーム10に固定して接続さることであり得る。
【0055】
次に、
図3を参照すると、支持ロッド40が、U字型上部ロッド11と2つの第1のフレームチューブ12との結合部でさらに連結されることで、多機能梯子構造100をさらに安定、堅固かつ高耐久にすることができる。
【0056】
図4Aおよび
図4Bに示されるように、支持ロッド40の有無にかかわらず、多機能梯子構造100は、複数の脚部ロッド50をさらに含むことができる。ここで、各脚部ロッド50は、チューブ開口部121またはチューブ開口部211を介して、1つの第1のフレームチューブ12、または1つの第2のフレームチューブ21内に配置され、第1のフレームチューブ12または第2のフレームチューブ21にスライド状態または固定状態で包含される。
【0057】
実施形態において、各脚部ロッド50の脚部端部はチューブ開口部121またはチューブ開口部211の外側で延在し、同時に、脚部端部を形成する材料は、多機能梯子構造100の起立時のより高い安定性のために、および、タイヤ610とホイールフェンダ820との間の隙間に挿入するときに、タイヤ810または自動車ボディを傷つけないために、より大きな摩擦力またはより高い弾性を有する材料から選ぶことができる。
【0058】
図5Aおよび
図5Bに示されるように、各脚部ロッド50に位置決め突起60を形成することができ、同時に、各第1のフレームチューブ12および各第2のフレームチューブ21に、位置決め突起60に対応する複数の位置決め孔70が形成されている。このため、各脚部ロッド50は、位置決め突起60が第1のフレームチューブ12または第2のフレームチューブ21内をスライドしたり、または位置決め孔70で止まったりすることで、第1のフレームチューブ12または第2のフレームチューブ21でスライドまたは静止することができる。
【0059】
このように、各脚部ロッド50は、第1のフレームチューブ12または第2のフレームチューブ21のある位置で、独立してスライドまたは静止することが可能であり、それにより、各脚部ロッド50を、第1のフレームチューブ12または第2のフレームチューブ21の外側で、異なる所要長さで延在させ、従って、多機能梯子構造100が、でこぼこの地面や傾斜した道路、物体表面でも安定的に起立することを可能とし、異なるサイズのタイヤや、異なる接地面サイズのタイヤにもより良好に適用できるため、ほぼすべての車種に適用することを可能にする。
【0060】
図1および
図6Aに示されるように、第2の梯子フレーム20は、90度より大きい夾角θを有する結合アセンブリ30において、第1の梯子フレーム10に確実に固定することができ、第1の梯子フレーム10を伴って自動車タイヤ用梯子を形成する。
【0061】
図1および
図6Bに示されるように、第2の梯子フレーム20は、結合アセンブリ30において確実に固定されることができ、第1の梯子フレーム10とともにA字型の梯子を形成する。この時、各第2の締結ユニット22は、1つの第1の締結ユニット14と連結し、用途に応じて車やタイヤの近傍、または他の場所に置くためのさらに安定したA字型梯子を形成するのに役立つ。
【0062】
実施形態において、第1のフレームチューブ12をU字型上部ロッド11に連結する方法は、多機能梯子構造100がタイヤ用梯子として形成されているときに、U字型上部ロッド11が第2の梯子フレーム20を干渉するのを防止する任意の連結方法であってもよく、同時に、U字型上部ロッド11は、多機能梯子構造100がA字型梯子として形成されているときに、昇降高さレベル、またはほぼ昇降高さレベルであるステップ面を提供する。
【0063】
図7を参照すると、調節可能バンド80が、さらに、多機能梯子構造100の第1の梯子フレーム10に固定式に取り付けられている。ここで、当該調節可能バンド80は、第1のフレームチューブ12を横切るように形成され、調節可能バンド80の一方の端部が一方の第1のフレームチューブ12に固定して取り付けられ、調節可能バンド80の他方の端部が、他方の第1のフレームチューブ12に固定して取り付けられ、使用時に、調節可能バンド80の長さまたは締め付けはユーザによって調節される。
【0064】
図8に示されているように、多機能梯子構造100を収納または移動するとき、第2の梯子フレーム20および第1の梯子フレーム10は、より安全かつより便利な移動または収納のために、第2の梯子フレーム20が第1の梯子フレーム10から誤って裏返ることがないように、調節可能バンド80で第2の梯子フレーム20をきつく包囲して、互いに近接して折り畳むことができる。
【0065】
図9に示されるように、多機能梯子構造100がタイヤ用梯子として形成および使用され、タイヤ810とホイールフェンダ820との間の空間に挿入されるとき、第1の梯子フレーム10上の調節可能バンド80は、タイヤ810、より具体的にはタイヤ810の上部を、その表面を包囲するためにさらに使用されることができ、それにより、使用時のより高い安定性および安全性のために、第1の梯子フレーム10、すなわち多機能梯子構造100全体が、タイヤ810から滑り落ちることを防止する。
【0066】
次に
図10Aを参照すると、多機能梯子構造100はU字型上部ロッド11を横切って形成することができる第2のステップユニット90をさらに含むことができる。このように、多機能梯子構造100がA字型梯子として使用されるとき、第2のステップユニット90は、A字型梯子の全体的な昇降高さを効果的に増加するために、より安全かつ容易なステップ領域を、U字型上部ロッド11とともに提供する。
【0067】
前記第2のステップユニット90は、頑健な網状の踏み板により形成されたステップペダル、頑健な踏み板ペダル、複数の貫通孔を有する頑健な踏み板ペダル、または踏み台用の頑健な踏み板表面を形成するために、互いに平行に配置された少なくとも2つのチューブであってもよい。さらに、利用時により安全に使用するために、第2のステップユニット90は、滑り止め材料のうちの1つで形成することができる。
【0068】
また、
図10Bに示されているように、第2のステップユニット90が第1のステップユニット13から延在することができ、多機能梯子構造100の生産の複雑性が軽減され、第1のステップユニット13および第2のステップユニット90の構造強度および耐久性も向上する。
【0069】
さらに、
図11および
図12に示されているように、すべての実施形態において、多機能梯子構造100の2つの第1のフレームチューブ12は、U字型上部ロッド11の両端から同じ方向に延設された、曲がり延伸部であってもよい。すなわち、一方の第1のフレームチューブ12が、上部ロッド11の一方の端部から延びる方向を向いた、曲がり延伸部であり、他方の第1のフレームチューブ12が、上部ロッド11の他方の端部から延びる方向を向いた、曲がり延伸部であり、それにより、材料のより容易な準備、滑らかな外観、という利点だけでなく、多機能梯子構造100の結合部分の数を減らすことで、構造強度の向上をもたらす。
【0070】
結論として、特別な改善された構造的特徴を伴った、実施形態および例示的な
図1から
図12に示されているように、既知の解決法では成しえない以下の複数の改良点は、本発明の多機能梯子構造100によって達成される。設置または操作が容易である;タイヤ810の上、またはタイヤ810とそのホイールフェンダ820の間に安定して置くことができるタイヤ用梯子として使用可能であること。自動車の近傍、または他の場所で安定的に起立するA字型梯子として使用可能であること。さらに実施された調節可能バンド80でタイヤ810を包囲することにより、多機能梯子構造100は、タイヤ用梯子として使用されるとき、より安定性をもつことができ、また、調節可能バンド80で、第2の梯子フレーム20を第1の梯子フレーム10に近接させてきつく巻き付けることにより、移動または収納のために確実に折り畳むことが可能であること。さらに実施された脚部ロッド50のそれぞれは別々に調節可能であり、それにより本多機能梯子構造は、異なる接地面サイズのタイヤにも即時に使用可能となり、従って、ほぼすべての自動車種類およびモデルに使用可能であり、でこぼこの、または傾斜した地面、道路、または他の物体面上に、安定的に起立することができること。U字型の上部ロッド11、またはさらに実施された第2のステップユニット90が、A字型梯子として使用する場合に、効果的に昇降高さを増加し、その結果、本多機能梯子構造100の使用の実用性および利便性を向上させること。
【0071】
上述した実施形態は、当業者が本明細書に開示された内容を理解し実施できるように、本発明の技術的思想及び特徴を示すことのみを意図したものである。開示された実施形態は、本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。したがって、本発明の概念に基づくすべての等価な変更または修正は、添付の特許請求の範囲に包含されるべきものである。