(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】販売システムとその方法、およびそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0208 20230101AFI20230526BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20230526BHJP
G06Q 20/42 20120101ALI20230526BHJP
G06Q 30/0226 20230101ALI20230526BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230526BHJP
【FI】
G06Q30/0208
G06Q10/087
G06Q20/42
G06Q30/0226
G06Q30/0601 340
(21)【出願番号】P 2023063787
(22)【出願日】2023-04-10
(62)【分割の表示】P 2023063785の分割
【原出願日】2023-04-10
【審査請求日】2023-04-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521308746
【氏名又は名称】インフィニスパーク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西原 広徳
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179362(JP,A)
【文献】特開2021-108200(JP,A)
【文献】特開2003-223572(JP,A)
【文献】特開2019-164544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0290172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0125609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する商品データを記憶する商品データ記憶部と、
ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶部と、
ユーザによるアクセスを受け付けて前記商品データを閲覧可能に出力する商品データ出力部と、
前記商品データ出力部による商品出力を制御する商品出力制御部と
、
前記商品出力制御部による制御に基づいて前記商品データ出力部にて出力されている商品の注文を受け付ける注文受付部と、
前記ユーザから注文を受け付けると、複数存在している代理店のうち前記ユーザについての前記代理店識別データが示す前記代理店の通知先へ注文データを通知し、それ以外の代理店には前記注文データを通知しない通知振り分け部と、
商品の在庫管理と発送を行う物流倉庫へ前記注文データを送信する配送用注文データ送信部とを備え、
前記ユーザデータ記憶部は、少なくとも一部の前記商品の閲覧可否または/および金額の制御を行う出力制御用データを少なくとも一部の前記ユーザについて記憶
し、前記ユーザへの販売を担う代理店を示す代理店識別データを記憶しており、
前記商品出力制御部は、ユーザからのアクセスを受け付けると、前記ユーザデータ記憶部における前記ユーザについての前記出力制御用データを参照し、前記出力制御用データに基づいて前記商品データの閲覧可否または/および金額の前記ユーザ別の制御を行う構成であ
り、
前記通知振り分け部は、前記配送用注文データ送信部における前記注文データの通知先の前記物流倉庫が同じであっても前記代理店の異なるユーザの注文データについては当該ユーザへの販売を担う代理店へ通知して他の代理店へは通知しないように振り分ける構成である
販売システム。
【請求項2】
前記ユーザからの注文を受け付けた場合に前記代理店へ分配する手数料を定めた分配手数料データ記憶部を備え、
所定期間の複数の注文について、前記ユーザからの注文にかかる前記代理店の分配手数料を前記代理店毎に集計して出力する分配手数料集計部を備えた
請求項
1記載の販売システム。
【請求項3】
前記ユーザデータ記憶部には、前記代理店もユーザとして登録されており、
前記出力制御用データには、当該代理店の代理店仕入れ価格を算出できるデータを前記割引を示すデータとして記憶している
請求項1
または2記載の販売システム。
【請求項4】
商品に関する商品データを記憶する商品データ記憶部と、
ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶部と、
ユーザによるアクセスを受け付けて前記商品データを閲覧可能に出力する商品データ出力部と、
前記商品データ出力部による商品出力を制御する商品出力制御部と
、
前記商品出力制御部による制御に基づいて前記商品データ出力部にて出力されている商品の注文を受け付ける注文受付部と、
前記ユーザから注文を受け付けると、複数存在している代理店のうち前記ユーザについての前記代理店識別データが示す前記代理店の通知先へ注文データを通知し、それ以外の代理店には前記注文データを通知しない通知振り分け部と、
商品の在庫管理と発送を行う物流倉庫へ前記注文データを送信する配送用注文データ送信部とを備えた販売システムを用いて、
前記ユーザデータ記憶部が、少なくとも一部の前記商品の閲覧可否または/および金額の制御を行う出力制御用データを少なくとも一部の前記ユーザについて記憶し、
前記ユーザへの販売を担う代理店を示す代理店識別データを記憶しており、
前記商品出力制御部が、ユーザからのアクセスを受け付けると、前記ユーザデータ記憶部における前記ユーザについての前記出力制御用データを参照し、前記出力制御用データに基づいて前記商品データの閲覧可否または/および金額の前記ユーザ別の制御を実行
し、
前記通知振り分け部が、前記配送用注文データ送信部における前記注文データの通知先の前記物流倉庫が同じであっても前記代理店の異なるユーザの注文データについては当該ユーザへの販売を担う代理店へ通知して他の代理店へは通知しないように振り分ける
販売方法。
【請求項5】
コンピュータを、
商品に関する商品データを記憶する商品データ記憶部と、
ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶部と、
ユーザによるアクセスを受け付けて前記商品データを閲覧可能に出力する商品データ出力部と、
前記商品データ出力部による商品出力を制御する商品出力制御部と
、
前記商品出力制御部による制御に基づいて前記商品データ出力部にて出力されている商品の注文を受け付ける注文受付部と、
前記ユーザから注文を受け付けると、複数存在している代理店のうち前記ユーザについての前記代理店識別データが示す前記代理店の通知先へ注文データを通知し、それ以外の代理店には前記注文データを通知しない通知振り分け部と、
商品の在庫管理と発送を行う物流倉庫へ前記注文データを送信する配送用注文データ送信部として機能させる販売プログラムであって、
前記ユーザデータ記憶部は、少なくとも一部の前記商品の閲覧可否または/および金額の制御を行う出力制御用データを少なくとも一部の前記ユーザについて記憶し
、前記ユーザへの販売を担う代理店を示す代理店識別データを記憶しており、
前記商品出力制御部は、ユーザからのアクセスを受け付けると、前記ユーザデータ記憶部における前記ユーザについての前記出力制御用データを参照し、前記出力制御用データに基づいて前記商品データの閲覧可否または/および金額を前記ユーザ別に制御
し、
前記通知振り分け部は、前記配送用注文データ送信部における前記注文データの通知先の前記物流倉庫が同じであっても前記代理店の異なるユーザの注文データについては当該ユーザへの販売を担う代理店へ通知して他の代理店へは通知しないように振り分ける
販売プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品の販売を受け付ける販売システム、販売方法、および販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する販売店は、メーカーや卸売り業者から商品を仕入れ、商品を在庫として持ち、店頭販売等で顧客に販売を行っている。
【0003】
ここで、近年においては、インターネットによる商品販売が盛んであり、顧客は店頭販売で購入することもあればインターネットで購入することもある。
店舗の商品をインターネットでも購入できるようにするものとしては、インターネット上の販売・配送システムが提案されている(特許文献1参照)。
このシステムは、購買者がインターネットを利用してデパートが供給する商品を購入する際の手続を簡略化させるものである。
【0004】
しかしながら、このようなシステムは、店舗毎に構築する必要があった。このため、直接つながっている顧客に対して実店舗等で販売することを主とする事業者にとって、その顧客のためだけにシステム構築するには負担が大きかった。
【0005】
一方で、代理店がインターネットを通じて商品販売をするインターネット通販の代理店システムも提供されている(特許文献2参照)。この代理店システムは、代理店サイトが、各業者サイトにおける消費者の利用状況を容易に把握することができるうえ、代理店サイトがさまざまな種類の商品を扱う複数の業者サイトと契約することで、消費者が、代理店サイトに接続するだけで、各種の商品を連続して発注することができるとされている。
【0006】
しかしながら、このような代理店システムも、代理店が自身でシステム構築する必要があるものであった。このため、上述した実店舗を主とするような販売店や、これから代理店販売を始めようとするような新規代理店実行者が導入するには、コストとメンテナンスの問題で困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-036400号公報
【文献】特開2002-150019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述の問題点に鑑みて、商品の販売を容易にし、利用者の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、商品に関する商品データを記憶する商品データ記憶部と、ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶部と、ユーザによるアクセスを受け付けて前記商品データを閲覧可能に出力する商品データ出力部と、前記商品データ出力部による商品出力を制御する商品出力制御部とを備え、前記ユーザデータ記憶部は、少なくとも一部の前記商品の表示に関する制御を行う出力制御用データを少なくとも一部の前記ユーザについて記憶しており、前記商品出力制御部は、ユーザからのアクセスを受け付けると、前記ユーザデータ記憶部における前記ユーザについての前記出力制御用データを参照し、前記出力制御用データに基づいて前記商品データの表示を前記ユーザ別に制御する構成である販売システム、その販売方法およびその販売プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、商品の販売を容易にし、利用者の満足度を向上させる販売システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】販売システムのシステム構成を示すブロック図。
【
図2】販売システムの各ハードウェアの機能ブロック図。
【
図3】ユーザデータと割引後金額設定データのデータ構成図。
【
図4】注文データと売上分配データのデータ構成図。
【
図6】ログイン画面とステータス別の商品閲覧購入画面の画面構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、販売システム1のシステム構成を示すブロック図である。
販売システム1は、管理サーバ2と、通知分配サーバ6と、複数の物流管理サーバ7と、複数のユーザ端末8と、複数の代理店端末9がインターネット1aに接続されて構成されている。
【0014】
管理サーバ2、通知分配サーバ6、および物流管理サーバ7は、いずれもサーバコンピュータで構成されており、ハードウェア要素として、それぞれCPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部2a,6a,7a、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部2b,6b,7b、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部2c,6c,7c、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線での通信を実行する通信部2d,6d,7d、およびハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部2e,6e,7eを有している。そして、記憶部2e,6e,7eには、プログラム2f,6f,7fと、データ2g,6g,7gが記憶されている。これにより、管理サーバ2、通知分配サーバ6、および物流管理サーバ7の各制御部2a,6a,7aは、それぞれプログラム2f,6f,7fに従って動作し、データ2g,6g,7gに記憶されているデータを適宜参照および更新して動作する。
【0015】
ユーザ端末8および代理店端末9は、パーソナルコンピュータまたはタブレット端末やスマートフォンといった携帯情報端末で構成されており、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部8a,9a、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部8b,9b、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部8c,9c、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線での通信を実行する通信部8d,9d、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部8e,9e、およびCCDまたはCMOSなどの撮像素子により撮像する撮影部8h,9hを有している。そして、記憶部8e,9eには、WEBブラウザやメーラ(電子メール送受信アプリ)などのプログラム8f,9fと、各種のデータ8g,9gが記憶されている。これにより、ユーザ端末8および代理店端末9の制御部8a,9aは、プログラム8f,9fに従って動作し、データ8g,9gに記憶されているデータを適宜参照および更新して動作する。
【0016】
図2は、販売システム1の管理サーバ2、通知分配サーバ6、物流管理サーバ7、ユーザ端末8、および代理店端末9が、それぞれのデータ2g,6g,7g,8g,9gを利用してそれぞれのプログラム2f,6f,7f,8f,9fが実行する機能を示す機能ブロック図である。
図3(A)は、ユーザデータベース31(
図2参照)に記憶されているユーザデータ110のデータ構成図である。
図3(B)は、商品表示制御部41に記憶されている割引後金額設定データ120のデータ構成図である。
図4(A)は、注文データ130のデータ構成図であり、
図4(B)は、売上分配データ140のデータ構成図である。
図5は、注文データ130に基づく通知データとしての電子メール150の構成図である。
【0017】
管理サーバ2は、WEBサーバとしての機能を有しており、ユーザ端末8や代理店端末9からのアクセスを受け付けてインターネットのホームページ上での商品販売を実行する。
【0018】
管理サーバ2は、記憶部2e(
図1参照)のデータ2gとして記憶するデータベースとして、ユーザデータベース31、商品データベース32、注文履歴データベース33、及び売上分配データベース34を備えている。
【0019】
また、管理サーバ2は、記憶部2e(
図1参照)のプログラム2fが実行する機能部として、ユーザ管理部21、商品表示可否制御管理部22、商品割引制御管理部23、商品管理部24、配送指示分配管理部25、販売側通知分配管理26、コミッション分配部27、商品表示制御部41、ログイン処理部45、閲覧受付部46、および注文受付部47を有している。
【0020】
ユーザデータベース31は、
図3(A)に示すユーザデータ110を記憶している。ユーザデータ110は、ユーザの識別情報であるユーザID(ログインIDと共通にすると良く、この例ではメールアドレスとしている)と、ログイン用のパスワードと、ユーザの氏名、名称(会社名や屋号など)、電話番号、住所、電子データ通知先アドレス、表示制御用タグ112、割引用タグ111、および代理店識別タグ113を記憶している。なお、電子データ通知先アドレスは、メールアドレスやLINEのIDなど電子メッセージを通知できるアプリ用のアドレスとすることができる。また、この電子データ通知先アドレスをユーザIDとしてもよい。
【0021】
表示制御用タグ112は、商品データベース32に記憶されている全ての商品のうちどの商品を表示しどの商品を非表示にするかを制御するための属性データである。この属性データによってどの商品を表示してどの商品を非表示とするかは、商品表示制御部41によって管理および制御されている。
【0022】
割引用タグ111は、そのユーザが商品を購入する最に割引をするか否かおよびどれだけ割引するか(割引率、割引後金額、または割引設定識別データ)を記憶している。割引設定識別データを記憶している場合は、その割引設定識別データであればどの商品をいくらに割引くかの割引後金額設定データ120(
図3(B)参照)が商品表示制御部41に記憶されており、商品表示制御部41にて割引後の金額が算出される。
【0023】
割引後金額設定データ120は、割引用タグ111毎かつ商品毎に、割引後価格122が設定されている。これにより、商品毎に割引き金額を細かく設定できる。なお、割引用タグ111には割引率のみ設定しておき、各商品の通常金額に対して割引率の割引を一律して適用する構成としてもよい。この場合は割引額の管理が容易になる。
【0024】
なお、図示の例ではパーセンテージでわかりやすく表示しているが、別途定めた適宜のコードとして一見ではパーセンテージ等がわからないコードとしても良い。
【0025】
代理店識別タグ113は、そのユーザが紐づいている代理店を識別するための代理店識別データ(ユーザIDまたは適宜の識別コード)が記憶されている。なお、代理店識別タグ113は、一次代理店を示す一次代理店タグ、二次代理店を示す二次代理店タグ、三次代理店を示す三次代理店タグといったように、メーカーなどの商品提供の元からユーザまでつながる代理店を全て記憶している。ユーザによっては、一次代理店から三次代理店まで全て記憶している場合もあれば、一部しか記憶していない場合もあれば、1つも記憶していない場合もある。これによってユーザと代理店が関連づけられている。
【0026】
商品データベース32は、商品の識別情報である商品ID、商品名、商品オプション1、商品オプション2、商品価格、商品提供元識別情報、および配送用識別情報を記憶している。商品オプション1,2は、商品のカラーバリエーションやサイズバリエーション等の適宜のオプションを記憶しており、オプションによって価格が変化する場合は価格変動値も記憶している。配送用識別情報は、商品を在庫管理していて配送を行う物流倉庫を識別する情報であり、これによって商品が保管されている物流倉庫が商品毎にそれぞれ異なっていても適切な物流倉庫へ配送指示を行えるようにしている。
【0027】
注文履歴データベース33は、注文ID、注文日時、商品ID、販売価格、適用した割引設定、購入したユーザのユーザID、および配送用タグを記憶している。
【0028】
売上分配データベース34は、ユーザが購入した購入額である売上をどの代理店にいくら分配するかを示す売上分配データ140(
図4(B)参照)と、購入したユーザのユーザIDを記憶している。この売上分配データ140は、注文したユーザに紐づいている全ての代理店に対しての分配割合を記憶している。すなわち、売上分配データ140は、
図4(B)に示すように、ユーザID(この例では電子メールアドレス)、そのユーザに紐づいている代理店の代理店識別タグ113、その代理店が受け取る手数料割合144、その代理店が負担する決済手数料項目145(図示の例ではクレジットカード手数料)、およびその代理店がその決済手数料項目として負担する決済手数料割合146(図示の例ではクレジットカード手数料割合)を記憶している。この売上分配データ140は、1人のユーザに複数の代理店が紐づいている場合、その代理店の数だけ登録されており、1人のユーザに関連づけられた全ての代理店の手数料割合114を合計しても100%以下の所定割合以下となるように設定されている。これにより、ユーザの購入した金額である売上を、一次代理店、二次代理店、および三次代理店といった紐づいている代理店にそれぞれ適正な割合で分配することができる。
【0029】
ユーザ管理部21は、ユーザデータベース31および売上分配データベース34の内容の追加、修正、削除といった管理を行う。
商品表示可否制御管理部22は、商品表示制御部41に記憶している表示制御用タグ112の追加、修正、削除といった管理を行い、閲覧可否の制御を可能にしている。
商品割引制御管理部23は、商品表示制御部41に記憶している割引設定データの追加、修正、削除といった管理を行う。
【0030】
商品管理部24は、商品データベース32に登録している商品の商品データの追加、修正、削除といった管理を行う。
【0031】
配送指示分配管理部25は、商品データベース32の配送用タグの追加、修正、削除といった管理、および通知分配サーバ6における配送分配処理部62に記憶されている配送先情報の追加、修正、削除といった管理を行う。
【0032】
販売側通知分配管理26は、ユーザデータベース31の代理店識別タグ113および通知分配サーバ6の通知分配処理部61に記憶されいてる商品保管倉庫識別タグの追加、削除、修正といった管理を行う。
【0033】
コミッション分配部27は、注文履歴データベース33と売上分配データベース34を参照して、どの代理店にどれだけ分配するかを決定する。この分配の決定は、例えば、1ヶ月毎、2週間毎、あるいは1週間毎など、所定期間毎に集計して実行する。なお、決定した分配に沿って電子メールを送る、あるいはLINEを送るといったこともできる。
【0034】
商品表示制御部41は、閲覧受付部46から商品データの閲覧要求を受け、ユーザデータベース31からログインしているユーザのユーザデータの表示制御用タグ112および割引用タグ111を参照する。そして、商品表示制御部41は、商品データベース32に登録されている商品データのうち、商品表示可否制御管理部22によって設定された商品表示可否の設定データにおける前記表示制御用タグ112に該当する設定データを参照して表示可とされている商品データのみを表示可に設定する。また、商品表示制御部41は、商品データベース32に登録されている商品データで表示可とした商品について、前記割引用タグ111による割引を適用した金額をそのユーザへの販売価格とする。このようにして表示可とした商品データを、割引適用した販売価格にて閲覧受付部46へ通知する。なお、割引適用については、割引なしのユーザであれば割引適用のない通常価格を当該ユーザへの販売価格とする。
【0035】
ログイン処理部45は、ユーザ端末8や代理店端末9からのログインを受け付け、ユーザデータベース31に記憶されているユーザデータのIDおよびパスワードと一致するかユーザ認証を行う。なお、ログインに成功した場合は、以降のアクセスについてそのユーザに対して閲覧可能な商品をそのユーザに設定された割引後の販売価格で表示するが、ログインに成功しなかった場合は、商品を表示しない構成とすることが望ましい。これにより、登録されていないユーザが購入することを防止でき、また、ユーザ毎の購入可否や販売価格を適切かつ確実に制御することができる。
【0036】
なお、ログインに失敗した場合は、購入ボタンを表示しない商品情報のみ表示する構成としてもよい。この場合、販売価格を表示しても良いが、販売価格は表示しない方が好ましい。また、この場合、商品購入を希望する場合にユーザ登録を行えるように、ユーザ登録用画面へ案内する案内表示を行うことが好ましい。このように構成することで、商品に魅力を感じた人がユーザ登録してユーザとなることを促すことができ、かつ、登録されていないユーザが購入することを防止し、ユーザ毎の購入可否や販売価格を適切かつ確実に制御することができる。
【0037】
閲覧受付部46は、ユーザによるユーザ端末8や代理店端末9からのアクセスを受け付け、商品表示制御部41を介して商品データを表示する。表示される商品は上述したようにそのユーザに対して表示可能な商品のみとなり、そのユーザに設定された割引を適用した販売価格にて表示される。閲覧受付部46は、商品データの一覧表示や、各商品を個別に表示する商品ページ等をユーザの操作に従って表示し、購入ボタンが選択されるとショッピングカートに商品を登録していく。
【0038】
注文受付部47は、ショッピングカートに登録された商品の注文操作(購入操作)をユーザ端末8や代理店端末9から受け付ける。この注文受付を行う注文処理は、ショッピングカートに登録された商品の確認、決済方法の入力または選択、配送先の入力または選択、配送希望日や配送希望時間帯の指定を受け付ける。そして、注文受付部47は、注文された注文データを、注文履歴データベース33に登録するとともに、通知分配サーバ6へ電子メール150(
図5参照)として送信する。なお、通知分配サーバ6へ送信する注文データは、電子メールの形式に限らず、適宜のデータ形式とすることができる。また、注文受付部47は、注文データに少なくとも割引用タグ111、代理店識別タグ113、および配送用タグを含めている。これにより、割引額の把握、そのユーザに紐づいている代理店の把握、および注文された商品が保管されている倉庫を判別することができる。
【0039】
注文履歴データベース33に記憶されている注文データ130は、
図4(A)に示すように、注文ナンバー、販売日付、ユーザID(顧客を示す)、注文商品と個数と金額、合計金額、配送方法、配送先、支払い状況、配送状況、およびタグデータ(表示制御用タグ112、割引用タグ111、および代理店識別タグ113)を記憶している。
【0040】
通知分配サーバ6は、通知分配処理部61と配送分配処理部62を有している。
通知分配処理部61は、電子メール150(
図5参照)に含まれている代理店識別タグ113を抽出し、この代理店識別タグ113に対応する通知先(電子メールアドレスやLINEIDなど)をユーザデータベース31の参照により把握し、把握した通知先へ注文データを転送する。これにより、ユーザに紐づいている代理店に電子メール150が転送され、代理店は自身のユーザが注文したことを即座に知ることができる。したがって、すぐにフォローメールやお礼メールを送るなどきめ細かな対応をすることができる。
【0041】
配送分配処理部62は、電子メール150に含まれている配送用タグ155を抽出し、この配送用タグ155に対応する通知先(電子メールアドレスやLINEIDなど)を商品データベース32の参照により把握し、把握した通知先へ電子メール150を転送する。これにより、商品が保管されている倉庫の物流管理サーバ7に電子メール150が転送され、物流管理サーバ7は注文された商品を注文したユーザの指定した配送先に届けるべく発送することができる。したがって、商品によって保管する倉庫を分けていても、その商品を管理している倉庫に自動的に注文データが送信され、商品が適切に発送される。なお、1つの注文に複数の商品が含まれて異なる倉庫に保管されている商品が存在している場合、電子メール150をそのまま両方の倉庫の物流管理サーバ7へ転送しても良いが、各倉庫に保管されている商品のみを抽出し、その商品名と個数と配送用コードと配送先を新たな電子メール150(もしくは配送用データ)として各倉庫の物流管理サーバ7へ通知する構成にしてもよい。
【0042】
物流管理サーバ7は、通知分配サーバ6からの電子メール150(通知データ)を受信するデータ受信部としてメーラ71を備えている。このメーラ71は、電子メールを受信するメールアプリであり、電子メール150として送信された注文データ(通知データ)に含まれている配送データを確認する。この物流管理サーバ7には、図示省略する配送管理システムが搭載されており、配送データに含まれている商品コード、配送先、配送日時に基づいて、自動倉庫から商品をピッキングし、その商品の提供企業(メーカー)が定めた梱包ルール(包装容器、同封する案内、緩衝材等)に従って梱包し、商品毎に定められた配送方法(通常配送、冷蔵配送、冷凍配送など)に従って、配送希望日および配送希望時間帯に到着するように発送手配をする。また、配送データに従って、配送業者向けの配送伝票も出力する。
【0043】
ユーザ端末8および代理店端末9は、QR処理部81,91、ブラウザ82,92,メーラ83,93を有している。QR処理部81,91(コード画像処理部)は、撮影部8h,9h(
図1参照)で撮影されたQRコード(登録商標)等の二次元コード画像(二次元コードに限らず様々なコード画像)を認識して当該二次元コード(二次元コードに限らず様々なコード)に記録されている文字列を読み取り、この文字列をブラウザ82へ送る。この文字列は、ホームページを表示するURLであり、ユーザに発行された識別子が付加されている。この識別子は、その二次元コード(コード)でアカウント作成するユーザに対して付与するタグデータ(表示制御用タグ112、割引用タグ111、および代理店識別タグ113)をそのままあるいは暗号化したデータ若しくはこれを呼び出せるデータにより構成されている。
【0044】
ブラウザ82,92は、適宜のホームページにアクセスして処理できるアプリであり、QR処理部81,91から受け取ったURLデータにより管理サーバ2の閲覧受付部46にアクセスする。QR処理部81,91から受け取ったURLデータは、アカウント作成用のユーザ登録画面(図示省略)を開くためのURLであり、かつ、識別子が付与されている。したがって、このユーザ登録画面でユーザID(メールアドレスなど)とパスワードが登録されたユーザには、その識別子に対応するタグデータ(表示制御用タグ112、割引用タグ111、および代理店識別タグ113)が登録される。このため、代理店は、自身の顧客に対して、自分の代理店用に発行された二次元コード画像(コード画像)を読み取ってアカウント登録するように促せば、自分の代理店を識別する代理店識別タグ113と、その顧客に対して販売する商品を表示可能とする表示制御用タグ112と、その顧客に対する割引を適用するための割引用タグ111が設定されたユーザとして顧客をユーザ登録できる。
【0045】
メーラ83,93は、通知分配サーバ6から通知される注文データを受信してユーザ(代理店担当者を含む)による注文データの確認を許容する。ここで、ユーザ端末8のメーラ83には、そのユーザが注文した注文データだけが届き、代理店端末9のメーラ93には、その代理店に紐づいているユーザが注文した注文データと代理店自身が注文した注文データが届く。これにより、関係のない他人の注文データが届くことはなく、かつ、代理店は自身の顧客が注文した内容を即座に知ることができ、お礼のメッセージを送ることや使い方のアドバイスを送るといったことができる。
【0046】
以上の構成により、商品の販売を容易にし、利用者の満足度を向上させることができる。詳述すると、代理店は二次元コード画像の発行を受け、この二次元コード画像でユーザにアカウント作成することを促せば、以降はユーザがその代理店の顧客として自由に商品を購入(注文)することができる。ログインするユーザによって表示価格と表示される商品、すなわち商品の閲覧可否または/および金額が変更(制御)され、各ユーザに対して適切な商品を適切な価格で販売できる。
【0047】
詳述すると、アカウント作成したユーザは、
図6(A)に示すログイン画面にてユーザID(メールアドレス)とパスワードを入力してログインすると、自身のステータス(表示制御用タグ112、割引用タグ111)に応じて、
図6(B)、
図6(C)、
図6(D)のいずれかの商品閲覧購入ページ(商品閲覧購入画面)を閲覧できる。この例では、エステ店が代理店となって化粧品販売を行う例を示しており、
図6(B)は代理店であるエステ店がログインしたときの画面を示している。エステ店は、顧客に販売する商品だけではなく、エステ店でエステサービスをするために使用するマッサージクリーム等の商品も表示されて購入でき、また、価格も卸値価格で購入できる。したがって、エステ店で直接顧客に販売する商品もこの販売システム1で代理店仕入れ価格(割引適用した価格)にて仕入れておくことができる。なお、割引適用した卸値価格だけでなく、元の通常販売価格も取り消し線を付した状態で表示されているため、卸値としてどれだけ割引されているかも確認できる。また、割引適用している商品に割引価格であることを示す「SALE」の文字が表示されていることにより、割引適用されている商品を容易に認識することができる。
【0048】
図6(C)は、エステ店の顧客がログインした場合の商品閲覧購入ページを示している。この場合、エステ店がエステサービスに使用するマッサージクリーム等の商品は表示されず、エステ店の顧客が購入できる商品が表示されている。また、その商品価格は、エステ店の顧客に特別に割引きした価格(図の例では5%引き)で表示される。従って、エステ店の顧客は、エステ店で商品を直接購入するだけでなく、次回エステ予約日の前に化粧品が無くなるような場合にこの商品閲覧購入ページで商品購入をすることができる。そして、この商品閲覧購入ページで購入した売上は、エステ店の売上となり、管理サーバ2のコミッション分配部27(手数料分配部)によりエステ店が店舗で小売りしたときと同等の手数料(同一とする、送料や決済手数料を引いた額とするなど、適宜設定できる)を得ることができる。なお、割引適用した販売価格だけでなく、元の通常販売価格も取り消し線を付した状態で表示されているため、どれだけ割引されているかも確認できる。また、割引適用している商品に割引価格であることを示す「SALE」の文字が表示されていることにより、割引適用されている商品を容易に認識することができる。
【0049】
図6(D)はエステ店に通っていない一般ユーザがログインした場合の商品閲覧購入ページを示す。この場合、エステ店の顧客限定で販売されている商品(図の例ではスキンRBエッセンスなど)が表示されず、商品の販売価格も割引の無い定価で表示されている。
【0050】
このようにして、ログインするユーザに応じて、商品表示制御部41が表示する商品および表示する販売価格を制御し、様々なステータス(商品購入可否、商品購入価格、関連づけられる代理店等のステータス)のユーザへの販売を1つの販売システム1で一括して処理することができる。
【0051】
代理店は、自身で商品を仕入れて店頭販売することができるとともに、自身の顧客に二次元コードを提示して販売システム1を通じた購入を促すこともできる。これにより、在庫をもたずに代理店として活動することも可能となり、販売代理店の増加および販売量の増加を図ることができる。また、代理店が自身で仕入れる場合には、代理店のユーザとしてのユーザデータ110には自信を示す代理店識別タグは設定されないため、自身への分配は無い形で通常の仕入れを実現できる。また、販売システム1で取り扱う商品を1つのメーカーの商品、あるいは1つの販売総代理店の商品とすることで、そのメーカーあるいは総代理店の強力な販促ツールとすることができ、他のメーカーあるいは他の総代理店の商品に顧客が流れることを防止できる。
【0052】
この発明と実施例の対応において、この発明の分配手数料集計部は、コミッション分配部27に対応し、以下同様に、
ユーザデータ記憶部は、ユーザデータベース31に対応し、
商品データ記憶部は、商品データベース32に対応し、
分配手数料データ記憶部は、売上分配データベース34に対応し、
商品出力制御部は、商品表示制御部41に対応し、
商品データ出力部は、閲覧受付部46に対応し、
通知振り分け部は、通知分配処理部61に対応し、
配送用注文データ送信部は、配送分配処理部62に対応し、
出力制御用データは、割引用タグ111および表示制御用タグ112に対応し、
代理店識別データは、代理店識別タグ113に対応するが、この発明は、上述した本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
【0053】
例えば、管理サーバ2とは別にホームページ用のWEBサーバを設け、このWEBサーバ上のホームページとAPIデータのやり取りを行って、このホームページにてユーザが購入できるようにしても良い。この場合、ホームページでの注文に対して、商品の在庫数などをAPIデータで共有することで、販売チャネルを増加させつつ商品管理や受発注管理を一元化することができる。
【0054】
また、注文があると関連付けられた代理店に電子メールを送信する構成としたが、これに限らず、LINE(登録商標)のメッセージを送信する、Facebook(登録商標)のメッセンジャーでの通知を行うなど、適宜の通知方法とすることができる。これにより、代理店の希望に沿った通知方法で通知することができる。
【0055】
また、物流管理サーバ7への通知は、電子メールでの通知に限らず、API等でデータ連携をして注文データに基づく配送指示データを送信する構成としてもよい。このようにすることで、物流倉庫の管理システムに合わせたデータ送信を実現でき、効率よく迅速な配送を実現できる。
【0056】
また、割引用タグ111と表示制御用タグ112は、いずれもユーザデータベース31のユーザデータに記憶する構成としたが、これに限らず、いずれも商品データベース32の商品データに記憶する、あるいは一方をユーザデータベース31のユーザデータに記憶し他方を商品データベース32の商品データに記憶するなど、適宜の設定とすることができる。この場合も、ログインしているユーザに対する商品表示の可否と表示する価格を制御できる。
【0057】
また、販売システム1で取り扱う商品を1つのメーカーの商品や1つの販売総代理店の商品に限らず、様々なメーカー、様々な販売総代理店が扱う商品としても良い。この場合は、より多くの商品をユーザーに提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明は、多数の代理店を通じて共通の商品を提供するような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…販売システム
26…コミッション分配部
31…ユーザデータベース
32…商品データベース
34…売上分配データベース
41…商品表示制御部
46…閲覧受付部
47…注文受付部
61…通知分配処理部
62…配送分配処理部
110…ユーザデータ
111…割引用タグ
112…表示制御用タグ
113…代理店識別タグ
130…注文データ
【要約】
【課題】商品の販売を容易にし、利用者の満足度を向上させる。
【解決手段】ユーザデータ記憶部は、少なくとも一部の商品の閲覧可否または/および割引を示す出力制御用データを少なくとも一部のユーザについて記憶しており、商品出力制御部は、ユーザからのアクセスを受け付けると、ユーザデータ記憶部におけるユーザについての出力制御用データを参照し、出力制御用データに基づいて商品データの閲覧可否または/および金額を制御する構成である販売システム。
【選択図】
図2