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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20230526BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20230526BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
F24C3/12 D
F24C3/12 L
F24C15/00 H
A47J37/06 366
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019091377
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020186854
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐古 敦士
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄一郎
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036025(JP,A)
【文献】特開2013-024475(JP,A)
【文献】特開2016-008804(JP,A)
【文献】特開2018-136042(JP,A)
【文献】特開2015-001351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 15/00
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱するガスバーナと、前記ガスバーナの燃焼作動を制御する運転制御部と、加熱調理中に前記ガスバーナの火力を変更する火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナを燃焼作動させる火力変更式調理メニューを指令する調理メニュー指令部とが備えられ、
前記運転制御部が、前記火力変更式調理メニューの調理運転の開始が指令されると、前記火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナの燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行するように構成された加熱調理器であって、
前記運転制御部が、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報を音声式報知部にて報知する音声式報知処理を、前記火力変更式調理処理を開始する際に実行するように構成されている加熱調理器。
【請求項2】
前記運転制御部が、前記火力変更式調理処理の実行中において、設定時間が経過する毎に前記音声式報知処理を実行するように構成されている請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記火力変更式調理メニューとして、前記火力変更式調理用加熱条件が前記ガスバーナを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューと、前記火力変更式調理用加熱条件が前記ガスバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューとがあり、
前記調理メニュー指令部にて、前記継続燃焼式調理メニューと前記間欠燃焼式調理メニューとを指令できるように構成されている請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記運転制御部が、前記継続燃焼式調理メニューと前記間欠燃焼式調理メニューとのうちの前記間欠燃焼式調理メニューについて、前記音声式報知処理を実行するように構成されている請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記ガスバーナが、調理用加熱室の内部に複数配置され、
前記間欠燃焼式調理メニューの前記火力変更式調理用加熱条件が、複数の前記ガスバーナのうちの少なくとも一つのガスバーナを前記燃焼状態と前記消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められている請求項3又は4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記運転制御部が、前記間欠燃焼式調理メニューについての前記火力変更式調理処理の実行中において、前記ガスバーナを前記消火状態から前記燃焼状態に切換えるために点火作動させる際に、前記ガスバーナが点火されるタイミングであることを示す点火報知情報を点火報知部にて報知する点火報知処理を実行するように構成されている請求項3~5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記点火報知部が、前記点火報知情報を非音声情報として報知するように構成されている請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記運転制御部が、設定回数毎の前記点火報知処理において、前記点火報知情報を非音声情報に代えて、前記音声式報知部にて音声情報として報知するように構成されている請求項7に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱物を加熱するガスバーナと、前記ガスバーナの燃焼作動を制御する運転制御部と、加熱調理中に前記ガスバーナの火力を変更する火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナを燃焼作動させる火力変更式調理メニューを指令する調理メニュー指令部とが備えられ、
前記運転制御部が、前記火力変更式調理メニューの調理運転の開始が指令されると、前記火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナの燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行するように構成された加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱調理器の従来例として、加熱調理器としてのガスコンロにおいて、コンロバーナを、第1火力(小火力)と第1火力よりも大きな第2火力(中火力)とに繰り返し切換える形態で燃焼させて、当該コンロバーナにて加熱される調理容器を設定温度(例えば、140℃~150℃の温度帯)で温調制御する温調調理モードを実行するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
つまり、特許文献1においては、温調調理モードが、火力変更式調理メニューに相当することになり、また、温調調理モードが、火力変更式調理用加熱条件を、ガスバーナでああるコンロバーナを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューを構成することになる。
【0004】
また、加熱調理器の別の従来例として、加熱調理器としてのグリルにおいて、調理用加熱室としてのグリル庫内に設けたグリルバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させて、グリルバーナにて加熱される調理容器を設定温度(例えば、35℃~38℃の温度帯)で温調制御するパン生地発酵モードを実行するように構成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
つまり、特許文献2においては、パン生地発酵モードが、火力変更式調理メニューに相当することになり、また、パン生地発酵モードが、火力変更式調理用加熱条件を、ガスバーナとしてのグリルバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューを構成することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014‐55724号公報
【文献】特開2018‐121867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
火力変更式調理メニューを備えた加熱調理器においては、ガスバーナの火力の変更(ガスバーナの火力を強弱に変更すること、又は、ガスバーナを燃焼状態と消火状態とに変更すること)が自動的に行われることになる。
そのため、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者(調理者)が、ガスバーナの火力の変更(ガスバーナの火力の強弱の変更又は燃焼状態と消火状態との変更)を見て、ガスバーナが故障していると判断する等の誤判断を起す虞や、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者が、ガスバーナの火力の変更(ガスバーナの火力の強弱の変更又は燃焼状態と消火状態との変更)に驚いてしまう等の虞があり、火力変更式調理メニューを良好に使用できない不都合が発生する虞があり、改善が望まれるものであった。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者でも、火力変更式調理メニューを良好に使用できる加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の加熱調理器は、被加熱物を加熱するガスバーナと、前記ガスバーナの燃焼作動を制御する運転制御部と、加熱調理中に前記ガスバーナの火力を変更する火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナを燃焼作動させる火力変更式調理メニューを指令する調理メニュー指令部とが備えられ、
前記運転制御部が、前記火力変更式調理メニューの調理運転の開始が指令されると、前記火力変更式調理用加熱条件にて前記ガスバーナの燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行ように構成されたものであって、その特徴構成は、
前記運転制御部が、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報を音声式報知部にて報知する音声式報知処理を、前記火力変更式調理処理を開始する際に実行するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、火力変更式調理処理が開始される際に、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報が音声式報知部にて報知されることになるから、火力変更式調理メニューを指令した使用者が、火力変更式調理メニューの加熱調理が行われる最中には、ガスバーナの火力が変更されること(火力が強弱に変更されること又は燃焼状態と消火状態とに変更されること)を認識できることになる。
【0011】
したがって、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者でも、ガスバーナの火力が変更(ガスバーナの火力の強弱の変更又は燃焼状態と消火状態との変更)されることを見て、ガスバーナが故障していると判断する等の誤判断を起すことや、ガスバーナの火力の変更(ガスバーナの火力の強弱の変更又は燃焼状態と消火状態との変更)に驚くことが無くなり、火力変更式調理メニューを良好に使用できることになる。
【0012】
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部にて報知する際には、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を発生させるようにしてもよい。
【0013】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者でも、火力変更式調理メニューを良好に使用できる。
【0014】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記火力変更式調理処理の実行中において、設定時間が経過する毎に前記音声式報知処理を実行するように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、火力変更式調理メニューについての火力変更式調理処理の実行中において、設定時間が経過する毎に、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報が音声式報知部にて報知されることになるから、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者に対して、加熱調理が行われる最中には、ガスバーナの火力が変更されること(火力が強弱に変更されること又は燃焼状態と消火状態とに変更されること)を十分に認識させることができることになる。
【0016】
特に、火力変更式調理メニューについての火力変更式調理処理が長時間(例えば、2時間)に亘る場合において、設定時間(例えば、30分)が経過する毎に、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報を音声式報知部にて報知させるようにすれば、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者に対して、加熱調理が行われる最中には、ガスバーナの火力が変更されること(火力が強弱に変更されることや燃焼状態と消火状態とに変更されること)を十分に認識させることができるものとなる。
【0017】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、火力変更式調理メニューについて不慣れな使用者に対して、加熱調理が行われる最中には、ガスバーナの火力が変更されることを十分に認識させることができる。
【0018】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記火力変更式調理メニューとして、前記火力変更式調理用加熱条件が前記ガスバーナを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューと、前記火力変更式調理用加熱条件が前記ガスバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューとがあり、
前記調理メニュー指令部にて、前記継続燃焼式調理メニューと前記間欠燃焼式調理メニューとを指令できるように構成されている点にある。
【0019】
すなわち、火力変更式調理メニューとして、ガスバーナを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューと、ガスバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューとを選択して指令しながら、継続燃焼式調理メニューと間欠燃焼式調理メニューとを行うことができるから、各種の加熱調理を良好に行うことができる。
【0020】
ちなみに、ガスバーナがコンロバーナである場合において、継続燃焼式調理メニューとしては、被加熱物としての調理容器の温度を100℃以上(例えば、140℃)に維持する高温温調モードを挙げることができ、間欠燃焼式調理メニューとしては、被加熱物としての調理容器の温度を100℃未満(例えば、50℃)に維持する低温温調モードを挙げることができる。
【0021】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、継続燃焼式調理メニューと間欠燃焼式調理メニューとを用いて、各種の加熱調理を良好に行うことができる。
【0022】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記継続燃焼式調理メニューと前記間欠燃焼式調理メニューとのうちの前記間欠燃焼式調理メニューについて、前記音声式報知処理を実行するように構成されている点にある。
【0023】
すなわち、ガスバーナが燃焼を継続する継続燃焼式調理メニューと、ガスバーナが燃焼状態と消火状態とを繰り返す間欠燃焼式調理メニューとを比較すると、間欠燃焼式調理メニューの方が、継続燃焼式調理メニューよりも、ガスバーナが故障していると使用者が判断する虞や、間欠燃焼式調理メニューについて不慣れな使用者を驚かせてしまう等の虞が高いと考えられる。
【0024】
つまり、ガスバーナが燃焼状態から消火状態になると、ガスバーナが故障したと誤判断し易く、また、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になること(ガスバーナが自動で点火されること)による火炎の発生や点火プラグの点火作動が、使用者を驚かせ易いものと考えられる。
【0025】
このように、ガスバーナが故障していると判断する虞や、使用者を驚かせてしまう等の虞が高い間欠燃焼式調理メニューに対して、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報が音声式報知部にて報知されるから、間欠燃焼式調理メニューを良好に行うことができる。
ちなみに、間欠燃焼式調理メニューについての加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報としては、加熱調理中に消火状態から燃焼状態になること(ガスバーナが自動で点火されること)を示す情報とすることにより、加熱調理中に消火状態から燃焼状態になること(ガスバーナが自動で点火されること)を的確に認識させることができるものとなってよい。
【0026】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、間欠燃焼式調理メニューを良好に行うことができる。
【0027】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記ガスバーナが、調理用加熱室の内部に複数配置され、
前記間欠燃焼式調理メニューの前記火力変更式調理用加熱条件が、複数の前記ガスバーナのうちの少なくとも一つのガスバーナを前記燃焼状態と前記消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められている点にある。
【0028】
すなわち、間欠燃焼式調理メニューの火力変更式調理用加熱条件が、調理用加熱室の内部に配置した複数のガスバーナのうちの少なくとも一つのガスバーナを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められているから、調理用加熱室の内部に配置した複数のガスバーナの全てを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる状態、又は、調理用加熱室の内部に配置した複数のガスバーナの一部を燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる状態で燃焼させながら、調理用加熱室の内部に収納した被加熱物を間欠燃焼式調理メニューにて良好に加熱調理することができる。
【0029】
ちなみに、調理用加熱室が、グリドル用調理容器を収納するグリドル用の調理用加熱室の場合においては、複数のガスバーナとして、グリドル用調理容器の上部を加熱する上部バーナとグリドル用調理容器の底部を加熱する下部バーナとを設けて、グリドル用調理容器を低温状態で加熱しながら各種の調理を行うことができる。
【0030】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、調理用加熱室の内部に収納した被加熱物を間欠燃焼式調理メニューにて良好に加熱調理することができる。
【0031】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記間欠燃焼式調理メニューについての前記火力変更式調理処理の実行中において、前記ガスバーナを前記消火状態から前記燃焼状態に切換えるために点火作動させる際に、前記ガスバーナが点火されるタイミングであることを示す点火報知情報を点火報知部にて報知する点火報知処理を実行するように構成されている点にある。
【0032】
すなわち、間欠燃焼式調理メニューについての火力変更式調理処理の実行中において、ガスバーナを消火状態から燃焼状態に切換えるために点火作動させる際に、ガスバーナが点火されるタイミングであることを示す点火報知情報が点火報知部にて報知されるから、使用者(調理者)は、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になることを、事前に知ることができる。
【0033】
このように、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になることを、使用者(調理者)は事前に知ることができるから、使用者(調理者)が意識していないときに、点火プラグの点火作動によりガスバーナが消火状態から燃焼状態になって、使用者(調理者)が驚く等の不都合が発生することを回避して、使い勝手を向上できる。
【0034】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になることを、使用者に事前に知らせることによって、使い勝手を向上できる。
【0035】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記点火報知部が、前記点火報知情報を非音声情報として報知するように構成されている点にある。
【0036】
すなわち、点火報知部が、点火報知情報を非音声情報として報知するものであるから、省エネを図りながら、点火報知情報を良好に報知することができる。
つまり、非音声情報は音声報知情報に較べて電力消費量を少なくしながら、報知できるものであるから、点火報知情報を非音声情報として報知することにより、省エネを図ることができる。
ちなみに、非音声情報である点火報知情報としては、例えば、ピッピー等の電子音を発生させることが考えられる。
【0037】
要するに、本発明の加熱調理器の更なら特徴構成によれば、省エネを図りながら、点火報知情報を良好に報知することができる。
【0038】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、設定回数毎の前記点火報知処理において、前記点火報知情報を非音声情報に代えて、前記音声式報知部にて音声情報として報知するように構成されている点にある。
【0039】
すなわち、設定回数毎の点火報知処理において、点火報知情報が非音声情報に代えて、音声式報知部にて音声情報として報知されるから、使用者(調理者)が、音声情報にて、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になることを的確に認識できる。
ちなみに、点火報知情報を音声情報にて報知する場合には、例えば、点火作動することを示す音声情報を報知することになる。
【0040】
このように、使用者(調理者)が、音声情報にて、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になること(点火作動されること)を的確に認識できるから、点火プラグの点火作動によりガスバーナが消火状態から燃焼状態になって、使用者(調理者)が驚く等の不都合が発生することを的確に回避して、使い勝手を一層向上できる。
【0041】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、ガスバーナが消火状態から燃焼状態になることを的確に認識させて、使い勝手を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】ガスコンロの斜視図である。
図2】燃料ガス供給構成及び点火用構成を示す回路図である。
図3】グリドルの縦断側面図である。
図4】容器支持部をグリドル庫から引き出した状態の斜視図である。
図5】調理鍋と調理容器支持部との関係を示す斜視図である。
図6】コンロバーナ用設定操作部の平面図である。
図7】温度設定モードの底部温度の変化を示す図である。
図8】パン生地発酵焼成モードの底部温度の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、ビルトイン式のガスコンロGCが、コンロ本体Hの上面部に、コンロバーナ1(ガスバーナBの一例)として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを有するコンロ部CRを備え、且つ、コンロ本体Hの横幅方向中央部に、加熱室式調理部としてのグリドルG(図3参照)を備える形態に構成されている。
尚、コンロ部CRを備えるガスコンロGCは、本発明の加熱調理器に相当し、また、当該ガスコンロGCに装備されるグリドルGも、本発明の加熱調理器に相当する。
【0044】
コンロ本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成され、コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、グリドルGが、天板3の下側箇所に配置されている。
天板3の後部側には、グリドルGの調理排気を排気するためのグリドル排気口4が形成されている。
【0045】
3つのコンロバーナ1のうちの、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cが、天板3の前側に左右に並ぶ状態で配置され、且つ、小火力バーナ1Bが、天板3の後側における左右方向の中央に位置する状態で配置されている。
つまり、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cが、天板3の前側に配置される前側コンロバーナ1に相当し、小火力バーナ1Bが、天板3の後側に配置される後側コンロバーナ1に相当する。
【0046】
天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される被加熱物としての鍋やフライパン等のコンロ用調理容器J(図2参照)を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
コンロバーナ1の中央部には、鍋等の調理容器の存在及びコンロ用調理容器J(図2参照)の底壁温度Thを検出するコンロバーナセンサ1Sが設けられている。
【0047】
ケーシング2の内部には、図3に示すように、グリドルGを構成する調理用加熱室としてのグリドル庫6が設けられ、当該グリドル庫6には、グリドルバーナ7(ガスバーナBの一例)として、グリドル庫6の天井部に設けられる上部バーナ7Uと、グリドル庫6の底部に設けられる下部バーナ7Sとが設けられている。
【0048】
図1に示すように、天板3の手前側の左右中央箇所には、コンロバーナ1やグリドルバーナ7の運転に関する情報を表示画面に表示する液晶式の表示部Dが設けられている。この表示部Dの表示内容については、後述する。
【0049】
(グリドルの詳細)
図3に示すように、グリドルGには、上述したグリドル庫6が設けられている。このグリドル庫6は、前部及び後部が開口する筒状に形成され、グリドル庫6の後方側には、グリドルバーナ7の燃焼排ガスや被調理物からでる水蒸気等の調理排気を排気する排気路Eを形成する排気筒6Aが上方側に延びる状態で連設され、その排気路Eにて調理排気を上述のグリドル排気口4に導くように構成されている。
ちなみに、ガスコンロGCに搭載されたグリドルGは、マルチグリルと呼称される場合があり、本明細書においても、グリドルGを、マルチグリルと呼称する場合がある。
【0050】
図3及び図4に示すように、被加熱物としてのグリドル用調理容器Kを支持する調理容器支持部Lが、グリドル庫6に対して出退自在に設けられている。
本実施形態においては、グリドル用調理容器Kとして、被調理物の載置面が平坦状に形成されたプレートパン9A(図3及び図4参照)、被調理物の載置面が波型に形成された波型プレートパン(図示せず)、及び、被調理物を収納する蓋付きの調理容器である調理鍋(キャセロール容器など)9C(図5参照)の3種類が存在するものとする。
【0051】
図4に示すように、調理容器支持部Lは、グリドル庫6の内部に設けた固定レールに対して出退自在に案内される左右の可動レールLaと、グリドル用調理容器Kの前縁部及び後縁部を載置支持する形態に棒状部材を曲げ加工して形成される支持枠Lb(図5参照)とを備える形態に構成されている。
そして、プレートパン9A、波型プレートパン、及び、調理鍋9Cが、調理容器支持部Lにおける支持枠Lbに対して、付け替え自在に装着されるように構成されている。
【0052】
図4に示すように、左右の可動レールLaの先端部に、グリドル庫6の前部に形成された前開口部6fを開閉するグリドル扉8(図1参照)を取付ける扉支持体8Aが設けられ、支持枠Lbの先端部が扉支持体8Aに係止連結されている。
尚、図示は省略するが、支持枠Lbの後端部が、グリドル庫6の内部に設けた載置案内体にて、摺動自在に載置支持されている。
【0053】
図3に示すように、グリドルバーナ7が、グリドル庫6の内部に収納されたグリドル用調理容器Kの上部を上部バーナ7Uにて加熱し、グリドル庫6の内部に収納されたグリドル用調理容器Kの底部を下部バーナ7Sにて加熱するように構成されている。
つまり、下部バーナ7Sが、グリドル庫6内に収納されたグリドル用調理容器Kを下方から加熱し、グリドル庫6の天井部に設けた上部バーナ7Uが、グリドル庫6内に収納されたグリドル用調理容器Kを上方から加熱するように構成されている。
【0054】
下部バーナ7Sは、円筒状のバーナ本体部10Aと、そのバーナ本体部10Aに接続されるバーナ混合管部10Bとを備え、バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下部バーナ7Sは、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
上部バーナ7Uは、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、詳細な説明は省略するが、平板状の上バーナ本体部やその上バーナ本体部に接続される上バーナ混合管部を備え、上バーナ本体部の下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0055】
図2に示すように、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの夫々に対して、点火プラグとしてのグリドルバーナ用点火プラグPg、及び、着火検出装置としてのグリドルバーナ用着火センサRgが装備されている。
また、コンロバーナ1についても、点火プラグとしてのコンロバーナ用点火プラグPc、及び、着火検出装置としてのコンロバーナ用着火センサRcが装備されている。
ちなみに、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcが、小火力バーナ1Bの後側箇所に配設されている(図1参照)。
【0056】
図3に示すように、下部バーナ7Sの内部には、グリドル用調理容器Kの底部温度Tsを検出する容器温度検出部として、グリドル用調理容器Kの底壁部に接触して底部温度Tsを検出する容器温度検出センサ11Aが装備されている。
また、排気筒6Aには、グリドル庫6の内部と連通する排気路Eの内部温度をグリドル庫6の庫内温度Tnとして検出する庫内温度検出部として、庫内温度検出センサ11Bが設けられている。
【0057】
(ガス燃料の供給構成)
図2に示すように、都市ガス供給管等のガス供給源に接続される元ガス供給路12に、電磁操作式の元ガス弁13が設けられ、元ガス供給路12からは、標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b、大火力バーナ用分岐路14c及びグリドルバーナ用分岐路15の4系統のガス流路が分岐されている。
【0058】
グリドルバーナ用分岐路15に、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ16が設けられ、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を下部バーナ7Sに導く下部バーナ用供給路17S、及び、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を上部バーナ7Uに導く上部バーナ用供給路17Uが、グリドルバーナ用分岐路15から分岐されている。
【0059】
標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b及び大火力バーナ用分岐路14cの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのコンロ用ガス量調整弁18が備えられている。
また、下部バーナ用供給路17S及び上部バーナ用供給路17Uの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのグリドル用ガス量調整弁19が備えられている。
【0060】
コンロバーナ1の火力は、コンロ用ガス量調整弁18にて種々の火力に変更できるが、本実施形態においては、コンロバーナ1の火力が「強」「中」「弱」の3段階に変更されるものとする。
同様に、グリドルバーナ7における下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力は、グリドル用ガス量調整弁19にて種々の火力に変更できるが、本実施形態においては、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの夫々の火力が、「強」「中」「弱」の3段階に変更されるものとする。
【0061】
(点火プラグの点火作動構成)
図2に示すように、イグナイタNとして、第1イグナイタN1と、第2イグナイタN2が設けられている。
そして、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの夫々に対して配設された一対のグリドルバーナ用点火プラグPgが、第2イグナイタN2に接続されている。
【0062】
また、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cの夫々に対して配設された一対のコンロバーナ用点火プラグPcが、第1イグナイタN1に接続され、且つ、小火力バーナ1Bに対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPcが、第2イグナイタN2に接続されている。
【0063】
(ガスコンロの操作構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの右側の上方箇所には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対して各別に点火及び消火や火力調節を指令するための3つのコンロ操作具20が設けられている。つまり、標準火力バーナ用操作具20a、小火力バーナ用操作具20b、及び、大火力バーナ用操作具20cが設けられている。
コンロ操作具20は、押し操作されるごとに、点火指令と消火指令を交互に指令し、また、回転操作することにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
【0064】
コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの右側の下方箇所には、コンロバーナ1による自動調理運転モードの設定を行うコンロバーナ用設定操作部21(調理メニュー指令部の一例)が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられ、当該コンロバーナ用設定操作部21の上面部には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対する設定操作を行うコンロ用操作パネル21Pが設けられている。
【0065】
コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの左側の下方箇所には、グリドルバーナ7に対する設定を行うグリドル用設定操作部22(調理メニュー指令部の一例)が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられ、当該グリドル用設定操作部22の上面部には、点火指令、消火指令、火力調節指令、加熱調理時間調節指令、複数の調理メニューの選択指令等の種々の情報を指令するグリドル用操作パネル22Pが設けられている。
【0066】
(コンロバーナの調理メニューについて)
コンロバーナ用設定操作部21は、湯沸し処理モード(湯沸しメニュー)、設定時間が経過すると自動消火するタイマー運転処理モード(タイマー運転メニュー)、コンロ用調理容器Jを設定温度に加熱する温調処理モード(温調処理メニュー)等の各種の自動調理運転モード(調理メニュー)を設定自在に構成されている。
標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対する設定操作構成は同様であるので、図6に基づいて、小火力バーナ1Bに対する設定構成を代表にして説明する。
【0067】
つまり、調理メニューとしての湯沸し処理モードと温調処理モードとタイマー運転処理モードとを押操作するごとに切換え選択するメニュースイッチ23、温調処理モードが選択されているときには、コンロ用調理容器Jを加熱する設定目標温度を増減し、かつ、タイマー運転処理モードが選択されているときに、タイマー運転処理モードの設定目標時間を増減する増減スイッチ24、増減スイッチ24にて設定された設定目標温度や設定目標時間を表示する表示部25、及び、設定した内容を消去する取消スイッチ26が設けられている。
【0068】
本実施形態においては、温調処理モードは、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対して設定できるが、小火力バーナ1Bについての温調処理モードとして、燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させて温調する低温温調処理モード、及び、小火力バーナ1Bを消火することなく火力を強弱に変更する形態で温調する高温温調処理モードが設定できる。
【0069】
これに対して、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cについての温調処理モードとして、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cを消火することなく火力を強弱に変更する形態で温調する高温温調処理モードが設定できる。
【0070】
つまり、小火力バーナ1Bについての低温温調処理モードにおいては、設定目標温度を100℃未満に設定でき、小火力バーナ1B、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cについての高温温調処理モードにおいては、設定目標温度を100℃以上に設定することになる。
尚、低温温調処理モードは、例えば、肉類等を低温で加熱調理するとき等に使用でき、また、高温温調処理モードは、例えば、揚げもの調理を行うとき等に使用できる。
【0071】
ちなみに、温調処理モードは、加熱調理中にコンロバーナ1の火力を変更する火力変更式調理用加熱条件にてコンロバーナ1を燃焼作動させる火力変更式調理メニューに相当するものである。
そして、低温温調処理モードは、火力変更式調理用加熱条件がガスバーナBを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューに相当し、高温温調処理モードは、火力変更式調理用加熱条件がガスバーナBを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューに相当することになる。
【0072】
また、本実施形態においては、メニュースイッチ23にて調理メニューを設定した後において、コンロ操作具20にて点火指令を指令することにより、設定される調理メニューを実行でき、また、コンロバーナ1の燃焼中において、メニュースイッチ23にて調理メニューを設定した際にも、設定される調理メニューを実行できるように構成されている。
【0073】
(グリドルの調理メニューについて)
グリドル用設定操作部22による複数の調理メニューは、グリドル用操作パネル22Pの操作により、複数の調理メニューのいずれかを指令(選択)するための各種の情報を表示部Dにて表示しながら選択され、加えて、グリドル用操作パネル22Pの操作により、選択された調理メニューを開始するための点火指令、火力調節指令、加熱時間調節指令等の種々の情報を指令するように構成されている。
【0074】
本実施形態においては、グリドルバーナ7について、グリドルバーナ7を消火することなく火力を強弱に変更する形態で温調する火力切替え式加熱室調理モード、及び、燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる間欠燃焼式加熱室調理モードが設定自在に構成されている。
尚、火力切替え式加熱室調理モードは、冷凍食品等の種々の調理物を設定温度で加熱調理する場合等において使用でき、また、間欠燃焼式加熱室調理モードは、後述する「パン生地発酵焼成モード」や「ローストビーフ」等の加熱調理に使用できる。
【0075】
ちなみに、火力切替え式加熱室調理モード及び間欠燃焼式加熱室調理モードは、加熱調理中にグリドルバーナ7の火力を変更する火力変更式調理用加熱条件にてグリドルバーナ7を燃焼作動させる火力変更式調理メニューに相当する。
【0076】
加えて、火力切替え式加熱室調理モードは、火力変更式調理用加熱条件がガスバーナBを消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる条件に定められた継続燃焼式調理メニューに相当することになり、又、間欠燃焼式加熱室調理モードは、火力変更式調理用加熱条件がガスバーナBを燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる条件に定められた間欠燃焼式調理メニューに相当することになる。
【0077】
また、本実施形態においては、グリドル用操作パネル22Pにて調理メニューを設定した後において、グリドル用操作パネル22Pにて点火指令を指令することにより、設定される調理メニューを実行できるように構成されている。
【0078】
(ガスコンロの制御構成)
図2に示すように、ガスコンロGCの運転を制御する運転制御部Vが設けられ、当該運転制御部Vが、グリドルバーナ7やコンロバーナ1の運転(燃焼作動)及び表示部Dの表示作動を制御するように構成されている。
尚、運転制御部Vは、音声式報知部27の報知作動及び電子音式報知部28(点火報知部の一例)の報知作動を制御する報知処理を実行するように構成されており、その詳細は後述する。
【0079】
すなわち、運転制御部Vが、標準火力バーナ用操作具20a、小火力バーナ用操作具20b及び大火力バーナ用操作具20cの夫々による点火指令や消火指令及び火力調節指令によって、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを点火火力(中火力)にて点火する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行い、また、コンロバーナ用設定操作部21の設定情報に基づいて、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対する加熱調理運転を実行するように構成されている。
【0080】
また、運転制御部Vが、グリドル用設定操作部22の設定情報に基づいて、グリドルバーナ7を点火火力(強火力)にて点火する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行ないながら、複数の調理メニューのうちの指令(選択)された調理メニューについての加熱調理運転を実行するように構成されている。
【0081】
また、運転制御部Vは、標準火力バーナ用操作具20aや大火力バーナ用操作具20cにて点火指令が指令されると、第1イグナイタN1を作動させて、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cの夫々に対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPcを点火作動させるように構成され、且つ、小火力バーナ用操作具20bやグリドル用設定操作部22にて点火指令が指令されると、第2イグナイタN2を作動させて、小火力バーナ1Bに対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPc並びに下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対して配設されているグリドルバーナ用点火プラグPgを点火作動させるように構成されている。
【0082】
(コンロ部の運転制御の詳細)
運転制御部Vは、マイクロコンピュータを備える形態に構成されて、コンロバーナ1に対する運転(燃焼作動)を制御するものであって、コンロバーナ用設定操作部21にて調理メニューが設定されている場合には、その設定されている調理メニューに対応する加熱条件でコンロバーナ1を燃焼作動させる調理処理を実行することになる。
そして、調理メニューとして、火力変更式調理メニューが設定されている場合には、火力変更式調理用加熱条件にてコンロバーナ1の燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行することになる。
【0083】
つまり、運転制御部Vが、コンロ操作具20にて点火が指令されると、元ガス弁13、コンロ用ガス量調整弁18を操作して、コンロバーナ1に点火火力(中火力)の燃料ガスを供給する状態とし、加えて、コンロバーナ1に対するコンロバーナ用点火プラグPcを作動させかつコンロバーナ用着火センサRcにて着火を検出する点火処理を実行し、その後、コンロバーナ1の点火前に調理メニューが設定されている場合には、その調理メニューに対する調理処理を実行し、また、コンロバーナ1の点火後に調理メニューが設定されている場合には、その調理メニューに対する調理処理を実行するように構成されている。
そして、設定された調理メニューが火力変更式調理メニューである場合には、その火力変更式調理メニューに対する火力変更式調理処理を実行するように構成されている。
【0084】
尚、調理メニューの加熱調理を中断する等の目的により、コンロ操作具20にて消火指令が指令されると、元ガス弁13、コンロ用ガス量調整弁18を閉状態に操作して、コンロバーナ1を消火させることになる。
【0085】
以下、小火力バーナ1Bについて設定される温調処理モードについて説明する。
運転制御部Vは、低温温調処理モードにおいては、燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる火力変更式調理用加熱条件にて小火力バーナ1Bを燃焼作動させる火力変更式調理処理を実行し、また、高温温調処理モードにおいては、消火することなく火力を強弱に変更する形態で小火力バーナ1Bを燃焼させる火力変更式調理用加熱条件にて小火力バーナ1Bを燃焼作動させる火力変更式調理処理を実行することになる。
【0086】
つまり、コンロバーナ用設定操作部21にて設定された設定目標温度が100℃未満に設定される場合には、低温温調処理モードに対応する火力変更式調理用加熱条件が設定され、コンロバーナ用設定操作部21にて設定された設定温度が100℃以上に設定される場合には、高温温調処理モードに対応する火力変更式調理用加熱条件が設定されるように構成されている。
【0087】
低温温調処理モードに対応する火力変更式調理用加熱条件が、小火力バーナ1Bの燃焼状態においてコンロバーナセンサ1Sにて検出される底壁温度Thが設定目標温度(例えば、50℃)になると、小火力バーナ1Bを消火状態にする消火処理を実行し、かつ、当該消火状態においてコンロバーナセンサ1Sにて検出される底壁温度Thが設定目標温度よりも低い再点火温度(例えば、46℃)になると、小火力バーナ1Bを中火力にて燃焼させる再点火処理を実行する条件に設定されている(図7参照)。
尚、設定目標温度は、コンロバーナ用設定操作部21にて設定された設定温度に対応する温度である。
【0088】
ちなみに、図7に示す如く、コンロバーナセンサ1Sの検出温度(底壁温度Th)が設定目標温度(例えば、50℃)になって、小火力バーナ1Bを消火しても、コンロ用調理容器Jの底壁温度Thは、設定目標温度(例えば、50℃)を超えて上昇してから下降することになり、コンロバーナセンサ1Sの検出温度(底壁温度Th)が再点火温度(例えば、46℃)になったときには、調理容器Kの底壁温度Thは、再点火温度(例えば、46℃)まで下降することになるため、コンロ用調理容器Jは、平均的には概ね50℃に加熱された状態に維持されることになる。
【0089】
また、高温温調処理モードに対応する火力変更式調理用加熱条件が、小火力バーナ1Bの燃焼状態においてコンロバーナセンサ1Sにて検出される底壁温度Thが設定目標温度(例えば、150℃)になると、小火力バーナ1Bの火力を弱火力に切替え、その後、コンロバーナセンサ1Sにて検出される底壁温度Thが設定目標温度(例えば、150℃)よりも低い再点火温度(例えば、146℃)になると、小火力バーナ1Bの火力を中火力に切替える条件に設定されている。
尚、設定目標温度は、コンロバーナ用設定操作部21にて設定された設定温度に対応する温度である。
【0090】
(グリドル部の運転制御の詳細)
運転制御部Vは、グリドル用設定操作部22からの指令情報に基づいて、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対する燃焼を制御することになる。
また、運転制御部Vは、グリドル用設定操作部22で指令(選択)された調理メニューに対する調理運転を実行する際には、指令された調理メニューに応じて定めた調理用加熱条件で調理運転を実行するように構成されている。
【0091】
そして、指令された調理メニューが火力切替え式加熱室調理モードに相当する場合には、消火することなく火力を強弱に変更する形態で燃焼させる火力変更式調理用加熱条件にてグリドルバーナ7の燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行し、又、指令された調理メニューが間欠燃焼式加熱室調理モードに相当する場合には、燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態で燃焼させる火力変更式調理用加熱条件にてグリドルバーナ7の燃焼作動を制御する火力変更式調理処理を実行するように構成されている。
【0092】
すなわち、運転制御部Vは、表示部Dに表示されている複数の調理メニューのうちから、グリドル用設定操作部22にてひとつの調理メニューが指令(選択)された後、グリドル用設定操作部22にて点火指令が指令されると、元ガス弁13、グリドル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対して点火火力(強火力)の燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対するグリドルバーナ用点火プラグPgを作動させかつグリドルバーナ用着火センサRgにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
尚、調理メニューの加熱調理を中断する等の目的により、グリドル用設定操作部22にて消火指令が指令されると、元ガス弁13、グリドル用ガス量調整弁19を閉状態に操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを消火する消火処理を実行することになる。
【0093】
下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの燃焼状態において、下部バーナ7Sに対するグリドル用ガス量調整弁19及び上部バーナ7Uに対するグリドル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力を、調理メニューごとに設定された火力に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
また、調理メニューを実行しているときに、加熱調理を開始してからの経過時間が設定されている設定調理時間に達する等により、消火条件が満たされると、上述した消火処理を実行して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを自動的に消火することになる。
【0094】
(グリドルの調理メニューの詳細)
グリドルG(グリドル庫6)に対して設定する複数の調理メニューが、使用するグリドル用調理容器Kに応じて分類され、かつ、複数の分類メニューに振り分ける形態に設定されている。
また、複数の調理メニューとしては、本実施形態においては、食品種別としての「食品名」として設定される場合と、「ハンバーグステーキ」等の料理名として設定される場合と、「焼く」「煮る」等の加熱調理形態として設定される場合とを含むものである。
【0095】
本実施形態においては、調理鍋9Cに設定されている調理メニューのうちの「パン生地発酵焼成モード」を、代表として説明する。尚、「パン生地発酵焼成モード」は、「パン生地発酵モード」と「パン生地焼成モード」とを順次実行することになる(図8参照)。
【0096】
「パン生地発酵モード」は、一次発酵が完了したパン生地を二次発酵させる調理メニューであり、グリドルバーナ7を間欠燃焼させながら、パン生地を発酵用設定温度(例えば、35~38℃)に加熱する条件に定められている。つまり、「パン生地発酵モード」は、燃焼状態と消火状態とを繰り返す形態でグリドルバーナ7を燃焼させる間欠燃焼式加熱室調理モードを実行するモードである。
【0097】
具体的には、図8に示すように、調理開始時においては、グリドルバーナ7を初期加熱力にて燃焼させ、調理鍋9Cの底部温度Tsが設定目標温度(例えば、38℃)になると、グリドルバーナ7を消火することになり、その後は、調理鍋9Cの底部温度Tsが設定下限温度(例えば、35℃)になるとグリドルバーナ7を点火しかつ設定目標温度(例えば、38℃)になるとグリドルバーナ7を消火させるようにしながら、設定継続加熱力にてグリドルバーナ7を加熱作動させるようにし、そして、調理開始時からの経過時間が設定調理時間(発酵時間:例えば、40分)になると、グリドルバーナ7の加熱作動を停止する。
【0098】
ちなみに、本実施形態では、初期加熱力として、グリドルバーナ7の下部バーナ7Sの火力を「弱」、上部バーナ7Uの火力を「強」にする火力が設定され、また、設定継続加熱力として、グリドルバーナ7の下部バーナ7Sの火力及び上部バーナ7Uの火力を「弱」にする火力が設定されている。
【0099】
「パン生地焼成モード」は、発酵させたパン生地を焼成する調理メニューであり、下部バーナ7Sの火力を「弱」、上部バーナ7Uの火力を「強」にする状態で、焼成時間(例えば、15分)の間だけグリドルバーナ7を燃焼させ、その後、グリドルバーナ7の燃焼を停止させた状態で、焼成余熱時間(例えば、2分)の間だけグリドル庫6が保有する熱量にて余熱する条件に定められている。
【0100】
ちなみに、本実施形態においては、「パン生地発酵焼成モード」の「パン生地発酵モード」が実行されると、グリドルバーナ7を間欠燃焼させるために、グリドルバーナ7のグリドルバーナ用点火プラグPgを点火作動させると、その点火作動に合わせて、小火力バーナ1Bに対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPcも点火作動することになる。
【0101】
しかしながら、小火力バーナ1Bが天板3の後部側に配置され且つ小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcが小火力バーナ1Bの後側箇所に配置されているから、ガスコンロGCの前方側に位置する使用者には、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcの点火作動に伴うスパークの発生は見え難いものとなり、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcの点火作動に伴うスパークの発生が、使用者に不快感を与えることを回避できる。
【0102】
(報知処理の詳細)
報知処理は、コンロバーナ1及びグリドルバーナ7の燃焼作動に対して行われることになるが、先ず、グリドルバーナ7についての報知処理について説明する。
本実施形態においては、報知処理として、音声式報知処理と点火報知処理とが実行されることになり、また、火力切替え式加熱室調理モードと間欠燃焼式加熱室調理モードとのうちの間欠燃焼式加熱室調理モードについて報知処理が実行されるものとして説明する。
【0103】
すなわち、運転制御部Vが、火力変更式調理処理を開始する際に、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報を音声式報知部27にて報知する音声式報知処理を実行するように構成されている。
つまり、間欠燃焼式加熱室調理モードに対応する火力変更式調理処理を開始する際、例えば、「パン生地発酵焼成モード」に対応する火力変更式調理処理を開始する際に、音声報知情報が報知されるように構成されている。
音声報知情報としては、例えば、「マルチグリル 自動で点火する場合があります」との内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0104】
ちなみに、本実施形態においては、警報音及び音声報知情報の報知を開始するタイミングは、グリドルバーナ用点火プラグPgを作動させた後であって、グリドルバーナ用着火センサRgが着火を検出したタイミングに設定されている。
【0105】
また、運転制御部Vが、間欠燃焼式加熱室調理モードに対応する火力変更式調理処理の実行中において、設定時間(例えば、30分)が経過する毎に音声式報知処理を実行するように構成されている。
音声報知情報としては、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、例えば、「マルチグリル 自動で点火する場合があります」との内容が考えられるが、その他の例として、「マルチグリルが自動調理中です 自動で点火する場合がありますのでご注意ください」との内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0106】
運転制御部Vが、間欠燃焼式加熱室調理モードに対応する火力変更式調理処理の実行中において、グリドルバーナ7を消火状態から燃焼状態に切換えるために点火作動させる際に、その点火作動に先立って、グリドルバーナ7が点火されるタイミングであることを示す点火報知情報を電子音式報知部28にて報知する点火報知処理を実行するように構成されている。
具体的には、点火報知部として機能する電子音式報知部28にて、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を非音声情報として報知するように構成されている。
【0107】
ちなみに、本実施形態においては、グリドルバーナ7を点火するためにグリドルバーナ用点火プラグPgを点火作動させる際には、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcも点火作動することになるが、点火報知情報が報知されることにより、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcが点火作動することに対して、注意を促すことができる。
【0108】
さらに、運転制御部Vが、設定回数毎(例えば、5~10回毎)の点火報知処理において、点火報知情報を非音声情報に代えて、音声式報知部27にて音声情報として報知するように構成されている。
つまり、間欠燃焼式加熱室調理モードに対応する調理メニューとしては、調理時間が長い「ローストビーフ」等の調理メニューが考えられる。そして、このような調理メニューに対する火力変更式調理処理の実行中において、設定回数毎(例えば、5~10回毎)の点火報知処理において、点火報知情報を非音声情報に代えて、音声式報知部27にて音声情報として報知するように構成されている。
【0109】
点火報知情報の音声情報としては、例えば、「マルチグリル 自動で点火する場合があります」との内容が考えられるが、その他の例として、「自動で点火しますのでご注意ください」との内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0110】
(コンロバーナの報知処理)
コンロバーナ1についての報知処理について説明するが、本実施形態においては、報知処理として、音声式報知処理と点火報知処理とが実行されることになり、また、高温温調処理モードと低温温調処理モードとのうちの低温温調処理モードについて報知処理が実行されるものとして説明する。
【0111】
運転制御部Vが、低温温調処理モードについての火力変更式調理処理を開始する際に、加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報を音声式報知部27にて報知する音声式報知処理を実行するように構成されている。
つまり、低温温調処理モードについての火力変更式調理処理を開始する際に、言語にて加熱調理中に火力が変更されることを示す音声報知情報が報知されるように構成されている。
音声報知情報の具体例としては、例えば、「小火力バーナ1Bが自動で点火する場合があります」との内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0112】
ちなみに、本実施形態においては、警報音及び音声報知情報の報知を開始するタイミングは、コンロ用点火プラグPcを作動させた後であって、コンロバーナ用着火センサRcが着火を検出したタイミングに設定されている。
【0113】
また、運転制御部Vが、低温温調処理モードに対応する火力変更式調理処理の実行中において、設定時間(例えば、30分)が経過する毎に音声式報知処理を実行するように構成されている。
音声報知情報としては、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、例えば、「小火力バーナ1Bが自動で点火する場合があります」との内容が考えられるが、その他の例として、「小火力バーナ1Bが自動調理中です 自動で点火する場合がありますのでご注意ください」との内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0114】
運転制御部Vが、低温温調処理モードに対応する火力変更式調理処理の実行中において、小火力バーナ1Bを消火状態から燃焼状態に切換えるために点火作動させる際に、その点火作動に先立って、小火力バーナ1Bが点火されるタイミングであることを示す点火報知情報を電子音式報知部28にて報知する点火報知処理を実行するように構成されている。
具体的には、点火報知部として機能する電子音式報知部28にて、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を非音声情報(言語ではない報知情報)として報知するように構成されている。
【0115】
さらに、運転制御部Vが、設定回数毎(例えば、5~10回毎)の点火報知処理において、点火報知情報を非音声情報に代えて、音声式報知部27にて音声情報として報知するように構成されている。
【0116】
点火報知情報の音声情報としては、例えば、「小火力バーナ1Bが自動で点火する場合があります」との内容が考えられるが、その他の例として、「小火力バーナ1Bが自動で点火しますのでご注意ください」、「点火します」または「点火しますので注意してください」の内容が考えられる。
ちなみに、音声報知情報を音声式報知部27にて報知する際には、火力変更式調理処理を開始する際と同様に、音声報知情報に先立って、注意を促す警報音(例えば、ピッピー等の電子音)を電子音式報知部28にて報知させるように構成されている。
【0117】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、火力変更式調理メニューとしての継続燃焼式調理メニューと間欠燃焼式調理メニューとのうちの、間欠燃焼式調理メニューに対して音声式報知処理を実行する場合を例示したが、継続燃焼式調理メニューに対しても音声式報知処理を実行するようにしてもよい。
つまり、グリドルバーナ7についての火力切替え式加熱室調理モードやコンロバーナ1の高温温調処理モードに対しても音声式報知処理を実行するようにしてもよい。
【0118】
この場合において、継続燃焼式調理メニューの火力変更式調理処理を開始する際の音声報知情報としては、「自動調理中に火力が切替ります」等の内容が考えられ、また、火力変更式調理処理の実行中の音声報知情報としては、「火力が増大します」等の内容を、火力を増大させるタイミングに合わせて報知することが考えられる。
【0119】
(2)上記実施形態においては、複数のコンロバーナ1として、3つのコンロバーナ1を備える場合を例示するが、例えば、天板3の前側に2つ以上のコンロバーナ1を横方向に並べ、かつ、天板3の後側に2つ以上のコンロバーナ1を並べる形態で、4つ以上のコンロバーナ1を備えさせるようにしてもよく、また、2つのコンロバーナ1を天板3の横幅方向や前後幅方向に並べる形態で備えさせる等、複数のコンロバーナ1を備える構成は各種変更できる。
【0120】
(3)上記実施形態においては、複数のコンロバーナ1のうちの1つのコンロバーナ1について、間欠燃焼式調理モードを設定できるように構成する場合を例示したが、2つ以上のコンロバーナ1について、間欠燃焼式調理モードを設定できるように構成する形態で実施してもよい。
つまり、上記実施形態においては、低温調理処理モードを、3つのコンロバーナ1のうちの小火力バーナ1Bにて実行させる場合を例示したが、3つのコンロバーナ1の全てが低温調理処理モードを実行するように構成してもよい。
【0121】
(4)上記実施形態においては、コンロバーナ1が間欠燃焼式調理モードを実行する調理モードとして、低温温調処理モードを例示したが、間欠燃焼式調理モードとして、例えば、低温にて煮物を加熱する煮物調理モードを設定できるようにする等、間欠燃焼式調理モードは、各種の調理モードに適用できる。
【0122】
(5)上記実施形態では、グリドルバーナ7が間欠燃焼式加熱室調理モードを実行する調理メニューとして、「パン生地発酵モード」や「ローストビーフ」を例示したが、グリドルバーナ7を間欠燃焼させる調理メニューとしては、例えば、プレートパン9Aに載置した被調理物(例えば、ハンバーグや鶏もも肉等)を加熱する際に、グリドルバーナ7を点火状態と消火状態とを繰り返す状態で燃焼させて低温にて調理する調理メニューや、玄米を炊飯する最終工程としてのムラし工程において、グリドルバーナ7を消火した後再点火する玄米炊飯メニュー等、各種の調理メニューを挙げることができる。
【0123】
グリドルバーナ7を間欠燃焼させる調理メニューとして、「蒸し鶏」について説明すると、グリドルバーナ7を初期加熱力にて燃焼させ、調理鍋9Cの底部温度Tsが初期設定目標温度(例えば、85℃)になると、グリドルバーナ7を消火することになり、その後は、調理鍋9Cの底部温度Tsが設定下限温度(例えば、70℃)になるとグリドルバーナ7を点火しかつ設定目標温度(例えば、75℃)になるとグリドルバーナ7を消火させるようにしながら、設定継続加熱力にてグリドルバーナ7を加熱作動させようにし、そして、調理開始時からの経過時間が設定調理時間(例えば、100分)になると、グリドルバーナ7の加熱作動を停止する。
【0124】
(6)上記実施形態では、グリドル用調理容器Kとして、プレートパン9A、波型プレートパン、及び、調理鍋9Cを備える場合を例示したが、グリドル用調理容器Kとして、調理鍋9Cのみを備える形態で実施する等、備えさせるグリドル用調理容器Kの具体構成は各種変更できる。
【0125】
(7)上記実施形態では、グルドルGを加熱室式調理部として例示したが、加熱室式調理部としては、調理用加熱室としてのグリル庫及び加熱バーナとしてのグリルバーナを備えたグリルや、調理用加熱室としてのオーブン庫及び加熱バーナとしてのオーブンバーナを備えたオーブンを設ける形態で実施してもよい。
【0126】
(8)上記実施形態においては、間欠燃焼式調理モードとして、コンロ用調理容器Jの温度検出情報やグリドル用調理容器Kの温度検出情報に基づいて、ガスバーナBを間欠燃焼させる場合を例示したが、例えば、設定時間おきに、燃焼状態と消火状態とに切換えるようにする等、燃焼状態と消火状態とに切換える具体構成は各種変更できる。
【0127】
(9)上記実施形態においては、イグナイタNとして、第1イグナイタN1と第2イグナイタN2とを設けて、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPc、及び、上部バーナ7Uと下部バーナ7Sとのグリドルバーナ用点火プラグPgを、第2イグナイタN2に接続し、標準火力バーナ1Aと大火力バーナ1Cとのコンロバーナ用点火プラグPcを、第1イグナイタN1に接続する場合を例示したが、イグナイタNを設ける構成は各種変更できる。
【0128】
例えば、小火力バーナ1Bのコンロバーナ用点火プラグPcを接続するイグナイタN、上部バーナ7Uと下部バーナ7Sとのグリドルバーナ用点火プラグPgを接続するイグナイタN、標準火力バーナ1Aと大火力バーナ1Cとのコンロバーナ用点火プラグPcを接続するイグナイタNを設けるようにしてもよい。
【0129】
また、複数のコンロバーナ1のうちの複数のコンロバーナ1について、間欠燃焼式調理モードを設定できるように構成する場合等においては、間欠燃焼式調理モードを設定できる複数のコンロバーナ1のコンロバーナ用点火プラグPcの夫々に対してイグナイタNを各別に設けるようにしてもよい。
【0130】
(10)上記実施形態においては、調理用加熱室としてのグリドル庫6に配置した上部バーナ7U及び下部バーナ7Sを間欠燃焼させる間欠燃焼式調理メニューを例示したが、間欠燃焼式調理メニューとしては、例えば、上部バーナ7Uを連続して燃焼させ、かつ、下部バーナ7Sを間欠燃焼させる形態で燃焼させる調理メニューにする等、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sのうちの少なくとも一つを間欠燃焼させる形態で燃焼させる調理メニューにしてもよい。
【0131】
(11)上記実施形態においては、加熱室式調理部としてのグルドルGを備えたガスコンロGCを例示したが、加熱室式調理部を備えないガスコンロGCに対しても、本発明は適用できる。
同様に、ガスコンロGCに装備されない専用の加熱室調理部に対しても、本発明を適用できる。
【0132】
(12)本発明を実施するにあたり、音声式報知処理を実行する状態と音声式報知処理の実行を停止する状態とに切替え操作できるようにしておけば、使用者(調理者)が、必要に応じて音声式報知処理の実行を停止することができるものとなって、使用勝手の一層の向上を図ることができる。
【0133】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0134】
6 調理用加熱室
21 調理メニュー指令部
22 調理メニュー指令部
27 音声式報知部
28 点火報知部
B ガスバーナ
J 被加熱物
K 被加熱物
V 運転制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8