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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】部品洗浄方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230526BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
H01L21/304 645C
H01L21/304 648G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021019845
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2021132206
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0019876
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スン-チョン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ス ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヨンラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジュヨン
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027657(JP,A)
【文献】特開2009-302401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置の部品を洗浄する方法(部品洗浄方法)であって
洗浄ガスから発生されたプラズマを冷媒と共に供給して前記部品を洗浄処理し、
前記冷媒は、前記プラズマに比べて低い温度に提供され、
前記プラズマ及び前記冷媒は、供給部材を含む部品洗浄装置から供給され、
前記供給部材は、
第1空間を有するボディー部と、
前記第1空間から延長される第2空間を有し、前記プラズマを吐出する吐出部と、を含み、
前記供給部材の吐出口は、前記吐出部に提供される部品洗浄方法。
【請求項2】
記冷媒が前記供給部材内に導入される位置は、前記洗浄ガスが前記供給部材内に導入される位置より前記供給部材の前記吐出口にさらに近い請求項1に記載の部品洗浄方法。
【請求項3】
前記冷媒は、液状の純水を含む請求項2に記載の部品洗浄方法。
【請求項4】
前記冷媒は、噴霧形態に供給される請求項2に記載の部品洗浄方法。
【請求項5】
前記冷媒は、前記プラズマが吐出されるうちに継続的に供給される請求項2に記載の部品洗浄方法。
【請求項6】
前記冷媒は、前記プラズマの温度が既設定範囲を逸脱すれば、供給される請求項2に記載の部品洗浄方法。
【請求項7】
前記部品洗浄装置は、
前記供給部材内に洗浄ガスを供給するガス供給部材と、
前記供給部材内に提供された前記洗浄ガスからプラズマを形成するプラズマソースと、
前記供給部材内に冷媒を供給する冷媒供給部材と、をさらに含む請求項2に記載の部品洗浄方法。
【請求項8】
前記洗浄ガスは、前記第1空間に導入され、
前記冷媒は、前記第2空間に導入される請求項1乃至請求項7のいずれかの一項に記載の部品洗浄方法。
【請求項9】
前記第2空間は、前記第1空間から垂直になる方向に延長される請求項1乃至請求項7のいずれかの一項に記載の部品洗浄方法。
【請求項10】
前記部品は、セラミックがコーティングされた金属を含む請求項1乃至請求項のいずれかの一項に記載の部品洗浄方法。
【請求項11】
基板処理装置の部品を洗浄する装置(部品洗浄装置)であって
プラズマを供給する供給部材と、
前記供給部材内に洗浄ガスを供給するガス供給部材と、
前記供給部材内に提供された前記洗浄ガスからプラズマを形成するプラズマソースと、
前記供給部材内に冷媒を供給する冷媒供給部材と、を含み、
前記冷媒は、前記プラズマより低い温度に提供され
前記供給部材は、
第1空間を有するボディー部と、
前記第1空間から延長される第2空間を有し、前記プラズマを吐出する吐出部と、を含み、
前記吐出部に形成された吐出口を通じて前記冷媒と前記プラズマが共に吐出される部品洗浄装置。
【請求項12】
前記洗浄ガスは、前記第1空間に導入され、
前記冷媒は、前記第2空間に導入される請求項11に記載の部品洗浄装置。
【請求項13】
前記第2空間は、前記第1空間から垂直になる方向に延長される請求項12に記載の部品洗浄装置。
【請求項14】
前記冷媒供給部材は、前記冷媒を噴霧方式に前記第2空間に供給する請求項12に記載の部品洗浄装置。
【請求項15】
前記冷媒は、液状の純水を含む請求項11に記載の部品洗浄装置。
【請求項16】
前記装置は、
前記洗浄ガスが供給されるうちに前記冷媒が継続的に供給されるように前記ガス供給部材及び前記冷媒供給部材を制御する制御器をさらに含む請求項11に記載の部品洗浄装置。
【請求項17】
前記装置は、
前記部品に供給される前記プラズマの温度を測定するセンサーと、
前記センサーから受信された温度情報に基づいて前記ガス供給部材及び前記冷媒供給部材を制御する制御器と、をさらに含み、
前記制御器は、前記温度情報が既設定範囲を逸脱すれば、前記供給部材に前記冷媒が供給されるように前記冷媒供給部材を制御する請求項11に記載の部品洗浄装置。
【請求項18】
前記部品は、セラミックがコーティングされた金属を含む請求項11乃至請求項17のいずれかの一項に記載の部品洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理に使用される装置部品を洗浄処理する方法及び装置に係る。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造する工程において、写真、蝕刻、薄膜蒸着、イオン注入、そして洗浄等の様々な工程が遂行される。このような工程の際に蝕刻、薄膜蒸着、イオン注入、そして洗浄工程では工程ガスを利用した基板処理装置が使用される。
【0003】
一般的に乾式処理工程は外部から密閉された基板処理装置で進行される。基板処理装置はチャンバー、基板支持ユニット、ガス供給ユニット、そしてチャンバーを開閉するドア等の様々な部品を含む。
【0004】
このような部品には乾式処理工程が進行中又は進行の後に大量の工程ガスが残留される。残留された工程ガスは次の乾式処理工程で基板を汚染させる汚染物質として作用される。したがって、乾式処理工程が複数回進行された後には各部品を洗浄処理するメンテナンス作業が進行される。
【0005】
メンテナンス作業は大きく部品を液処理する工程とプラズマ処理する工程で分けられる。液処理する工程は部品を強酸又は強塩基のケミカルに浸漬して洗浄する過程を含む。このような液処理工程は副産物が完全に除去されなく、廃水等の環境問題を有する。
【0006】
プラズマ処理工程は高温の雰囲気で発生されたプラズマを部品に供給する過程を含む。図1は一般的なプラズマ処理工程で洗浄された部品を示す断面図である。図1を参照すれば、プラズマ処理工程は500乃至1000℃雰囲気で遂行される。これは部品の融点より高い温度であり、部品を洗浄する過程で部品を熱損傷させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許公開第10-1998-0014920号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は基板処理装置の部品を洗浄処理する時、部品の安定性を向上させることができる装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明の一目的は部品を洗浄処理する時、部品が熱破損されることを防止することができる装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は基板処理に使用される装置部品を洗浄処理する方法及び装置を提供する。
一例で、部品洗浄処理方法は、洗浄ガスから発生されたプラズマを冷媒と共に供給して部品を洗浄処理し、冷媒はプラズマに比べて低い温度に提供されることができる。
【0011】
一例で、プラズマ及び冷媒は供給部材を含む部品洗浄装置から供給され、冷媒が供給部材内に導入される位置は洗浄ガスが供給部材内に導入される位置より供給部材の吐出口にさらに近いことができる。
【0012】
一例で、冷媒は液状の純水を含むことができる。
【0013】
一例で、冷媒は噴霧形態に供給されることができる。
【0014】
一例で、冷媒はプラズマが吐出されるうちに継続的に供給されることができる。
【0015】
一例で、冷媒はプラズマの温度が既設定範囲を逸脱すれば、供給されることができる。
【0016】
一例で、部品洗浄装置は、供給部材内に洗浄ガスを供給するガス供給部材と、供給部材内に提供された洗浄ガスからプラズマを形成するプラズマソースと、供給部材内に冷媒を供給する冷媒供給部材と、をさらに含むことができる。
【0017】
一例で、供給部材は、第1空間を有するボディー部と、第1空間から延長される第2空間を有し、プラズマを吐出する吐出部と、を含み、吐出口は吐出部に提供されることができる。
【0018】
一例で、洗浄ガスは第1空間に導入され、冷媒は第2空間に導入されることができる。
【0019】
一例で、第2空間は第1空間から垂直になる方向に延長されることができる。
【0020】
一例で、部品はセラミックがコーティングされた金属を含むことができる。
また、本発明は、部品洗浄装置を提供する。一例で、部品洗浄装置は、プラズマを供給する供給部材と、供給部材内に洗浄ガスを供給するガス供給部材と、供給部材内に提供された洗浄ガスからプラズマを形成するプラズマソースと、供給部材内に冷媒を供給する冷媒供給部材と、を含み、冷媒はプラズマより低い温度に提供され、供給部材はプラズマ及び冷媒を共に吐出することができる。
【0021】
一例で、供給部材は、第1空間を有するボディー部と、第1空間から延長される第2空間を有し、プラズマを吐出する吐出部と、を含み、吐出部に形成された吐出口通じて冷媒とプラズマが吐出されることができる。
【0022】
一例で、洗浄ガスは第1空間に導入され、冷媒は第2空間に導入されることができる。
【0023】
一例で、第2空間は第1空間から垂直になる方向に延長されることができる。
【0024】
一例で、冷媒供給部材は冷媒を噴霧方式に第2空間に供給することができる。
【0025】
一例で、冷媒は液状の純水を含むことができる。
【0026】
一例で、装置は、洗浄ガスが供給されるうちに冷媒が継続的に供給されるようにガス供給部材及び冷媒供給部材を制御する制御器をさらに含むことができる。
【0027】
一例で、装置は、部品に供給されるプラズマの温度を測定するセンサーと、センサーから受信された温度情報に基づいてガス供給部材及び冷媒供給部材を制御する制御器と、をさらに含み、制御器は温度情報が既設定範囲を逸脱すれば、供給部材に冷媒が供給されるように冷媒供給部材を制御することができる。
【0028】
一例で、部品はセラミックがコーティングされた金属を含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施形態によれば、プラズマは冷媒と共に供給される。これによって、部品の温度が既設定範囲を逸脱することを防止することができる。
【0030】
また、本発明の実施形態によれば、冷媒は噴霧形態に供給される。これによって、冷媒はプラズマと均一に混合されてプラズマの温度を領域別均一に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一般的なプラズマ処理工程で洗浄された部品を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す図面である。
図3図2のバッフルを示す平面図である。
図4】部品洗浄装置を示す断面図である。
図5図4の装置を利用して部品を洗浄する過程を示す図面である。
図6図4の装置を利用して部品を洗浄する過程で冷媒供給の他の実施形態を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態は々な形態に変形されることができ、本発明の範囲が下で説明する実施形態によって限定されないことと解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での構成要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されたものである。
【0033】
本実施形態はプラズマを利用して基板を蝕刻する装置の部品を洗浄処理する方法に対して説明する。しかし、本発明はこれに限定されななく、基板処理装置の部品を洗浄処理方法であれば、多様に適用可能である。
【0034】
以下、図2乃至図6を参照して本発明を説明する。
図2は本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す図面である。図2を参照すれば、基板処理装置はチャンバー100、基板支持ユニット200、リングアセンブリ250、ガス供給ユニット300、プラズマソース400、ライナー530、そしてバッフル550を含む。
【0035】
チャンバー100は内部に基板Wが処理される処理空間112を提供する。チャンバー100は本体110、カバー120、そしてドア170を含む。本体110は上部が開放された円筒形状に提供される。カバー120は本体110の上部が開閉されるように提供される。本体110はプラズマから露出される面と非露出される面が互いに異なる材質で提供される。本体110の露出面である内側面はセラミック材質で提供され、非露出面である外側面は金属材質で提供される。例えば、本体110の外側面はアルミニウム材質で提供されることができる。カバー120は誘電体で提供されることができる。本体110の底面には排気ホール150が形成される。排気ホール150は排気ラインを通じて減圧部材160に連結される。減圧部材160は排気ラインを通じて排気ホール150に真空圧を提供する。工程の進行中に発生される副産物は真空圧によってチャンバー100の外部に排出される。本体110の一側壁には開口130が形成される。開口130は基板Wが搬出入される出入口として機能する。開口130は水平方向に向かうように提供される。側部から見る時、開口130はチャンバー100の円周方向に向かうスリット形状に提供される。
【0036】
ドア170は処理空間112を開閉する。ドア170は本体110の外側面で開口130に隣接するように位置される。ドア170は開放位置と遮断位置との間に移動可能である。ここで、遮断位置はドア170と開口130が互いに対向する位置であり、開放位置はドア170が遮断位置から逸脱された位置である。
【0037】
支持ユニット200は処理空間112で基板Wを支持する。基板支持ユニット200は静電気力を利用して基板Wを支持する静電チャック200に提供されることができる。選択的に基板支持ユニット200は機械的なクランピングのような様々な方式に基板Wを支持することができる。
【0038】
静電チャック200は誘電板210及びベース230を含む。誘電板210の上面には基板Wが直接置かれる。誘電板210は円板形状に提供される。誘電板210は基板Wより小さい半径を有することができる。一例によれば、誘電板210の上端はチャンバー100の開口130と対向される高さを有することができる。誘電板210の上面にはピンホール(図示せず)が形成される。ピンホールは複数に提供される。例えば、ピンホールは3つが提供され、相互間に同一の間隔に離隔されるように位置されることができる。ピンホールの各々にはリフトピン(図示せず)が位置され、リフトピンは昇降移動されて基板を持ち上げるか、或いは降り置けることができる。誘電板210の内部には下部電極212が設置される。下部電極212には電源(図示せず)が連結され、電源(図示せず)から電力が印加される。下部電極212は印加された電力(図示せず)から基板Wが誘電板210に吸着されるように静電気力を提供する。誘電板210の内部には基板Wを加熱するヒーター214が設置される。ヒーター214は下部電極212の下に位置されることができる。ヒーター214は螺旋形状のコイルで提供されることができる。例えば、誘電板210はセラミックを含む材質で提供されることができる。誘電板210はアルミナ(Al)を含む材質で提供されることができる。
【0039】
ベース230は誘電板210を支持する。ベース230は誘電板210の下に位置され、誘電板210と固定結合される。ベース230の上面はその中央領域が縁領域に比べて高くなるように段差付けた形状を有する。ベース230はその上面の中央領域が誘電板210の底面に対応する面積を有する。ベース230の内部には冷却流路232が形成される。冷却流路232は冷却ガスが循環する通路として提供される。冷却流路232は誘電板210の上面に形成された溝211と通じるように提供される。冷却流路232はベース230の内部で螺旋形状に提供されることができる。
【0040】
リングアセンブリ250はプラズマを基板Wに集中させる。リングアセンブリ250は内側リング252及び外側リング254を含む。内側リング252は誘電板210を囲む環状のリング形状に提供される。内側リング252をベース230の縁領域に位置される。内側リング252の上面は誘電板210の上面と同一な高さを有するように提供される。内側リング252の上面の内側部は基板Wの底面の縁領域を支持する。外側リング254は内側リング252を囲む環状のリング形状に提供される。外側リング254はベース230の縁領域で内側リング252と隣接するように位置される。外側リング254の上面は内側リング252の上面に比べてその高さが高く提供される。一例によれば、フォーカスリングはセラミックを含む材質で提供されることができる。
【0041】
ガス供給ユニット300は基板支持ユニット200に支持された基板W上に工程ガスを供給する。ガス供給ユニット300はガス貯蔵部350、ガス供給ライン330、そしてガス流入ポート310を含む。ガス供給ライン330はガス貯蔵部350とガス流入ポート310を連結する。ガス貯蔵部350に貯蔵された工程ガスはガス供給ライン330を通じてガス流入ポート310に供給する。ガス供給ライン330にはバルブが設置されてその通路を開閉するか、或いはその通路に流れるガスの流量を調節することができる。例えば、工程ガスは炭素(C)及び弗素(F)を含むガスである。工程ガスはメタンガス(CH)及び三フッ化窒素(NF)である。
【0042】
プラズマソース400はチャンバー100内に工程ガスをプラズマ状態に励起させる。プラズマソース400としては誘導結合型プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ソースが使用されることができる。プラズマソース400はアンテナ410及び外部電源430を含む。アンテナ410はチャンバー100の外側の上部に配置される。アンテナ410は複数回巻かれる螺旋形状に提供され、外部電源430と連結される。アンテナ410は外部電源430から電力が印加される。電力が印加されたアンテナ410はチャンバー100の処理空間112に放電空間を形成する。放電空間内に留まる工程ガスはプラズマ状態に励起されることができる。
【0043】
ライナー530はチャンバー100の内側壁を保護する。ライナー530は環状のリング形状を有するように提供される。ライナー530はチャンバー100内で基板支持ユニット200とチャンバー100の内側壁との間に位置される。ライナー530は基板支持ユニット200に比べてチャンバー100にさらに近く位置される。ライナー530はプラズマから露出される面と非露出される面が互いに異なる材質で提供される。例えば、ライナー530の露出面である内側面はセラミック材質で提供され、非露出面である外側面は金属材質で提供されることができる。
【0044】
バッフル550は工程ガスの排気量が領域別に均一になるように調節する。図3図2のバッフルを示す平面図である。図3を参照すれば、バッフル550は環状のリング形状を有するように提供される。また、バッフル550は板形状を有するように提供される。バッフル550には複数のバッフルホール552が形成される。バッフルホール552はバッフル550の円周方向に沿って順次的に配列される。バッフルホール552の各々はバッフル550の半径方向に向かうスリット形状に提供される。各々のバッフルホール552は相互間に同一間隔に離隔されるように提供される。例えば、バッフル550はセラミックを含む材質で提供されることができる。
【0045】
次は上述した基板処理装置の部品を洗浄処理する方法に対して説明する。ここで、基板処理装置の部品はチャンバー100、誘電板210、リングアセンブリ250、ライナー530、そしてドア170である。即ち、本実施形態にはプラズマに露出される部品を洗浄処理する方法を提供する。
【0046】
各部品は装置から分離されて部品を洗浄処理する洗浄設備に移動される。洗浄設備は基板処理装置の外部に位置される。洗浄設備は洗浄ガスから発生されたプラズマを利用して部品を洗浄処理する。本実施形態には基板を処理するプラズマと部品を洗浄処理するプラズマを区分するために、基板処理プラズマを工程プラズマと称し、部品洗浄プラズマを洗浄プラズマと称する。洗浄設備は洗浄ガスから洗浄プラズマを発生させて部品を洗浄処理する。洗浄設備は常温より高い温度の大気圧でマイクロウェーブを利用した洗浄プラズマ処理装置を一例として説明する。
【0047】
図4は部品洗浄装置を示す断面図である。図4を参照すれば、部品洗浄装置1000は供給部材1200、プラズマソース1500、ガス供給部材1300、冷媒供給部材1400、そして制御器1600を含む。供給部材1200は内部にガスが供給される空間1220を形成され、ガスが吐出される吐出口1224がその内部空間と連通されるように形成される。供給部材1200にはガスが導入されるガス導入口1230及び冷媒が導入される冷媒導入口1240を有する。ガス導入口1230にはガス供給部材1300が連結され、冷媒導入口1240には冷媒供給ライン1400が連結される。例えば、ガス導入口1230は吐出口1224と対向するように位置されることができる。冷媒導入口1240はガス導入口1230と吐出口1224が配列される方向に対して垂直又は斜線方向に提供されることができる。ガス導入口1230と吐出口1224が配列される方向は供給部材1200の長さ方向と平行するように提供されることができる。ガスはエアであり、冷媒は液状の純水である。
【0048】
供給部材1200の内部空間1220は第1空間1212と第2空間1222を有する。第1空間1212は吐出口1224よりガス導入口1230にさらに近く位置され、第2空間1222はガス導入口1230より吐出口1224にさらに近く位置される空間に提供される。供給部材1200が部品の上からプラズマを供給する時、第1空間1212は上部空間であり、第2空間1222は下部空間である。
【0049】
供給部材1200はボディー部1210及び吐出部1220を含む。ボディー部1210は第1空間1212を有し、吐出部1220は第2空間1222を有する。吐出部1220はボディー部1210から延長されるように提供される。吐出部1220はボディー部1210の長さ方向と異なる長さ方向を有するように提供される。ボディー部1210は第1方向に向かい、吐出部1220は第1方向と異なる第2方向に向かう長さ方向に提供される。例えば、第1方向と第2方向は垂直に提供されることができる。選択的に、第1方向と第2方向は鋭角を有するように提供されることができる。ボディー部1210にはガス導入口1230が提供される。ガス導入口1230は吐出部1220と隣接するように位置される。一例によれば、ガス導入口1230は吐出部1220と対向するように位置されることができる。ガス導入口1230を通じて導入されたガスは直進移動されて第1空間1212を通過して第2空間1222に移動されることができる。吐出部1220はボディー部1210から延長されて終端に形成される吐出口1224を有する。吐出部1220には冷媒導入口1240が提供される。冷媒導入口1240は吐出口1224と隣接するように位置される。冷媒導入口1240を通じて導入された冷媒は第1空間1212を通過しなく、第2空間1222から吐出される。
【0050】
プラズマソース1500は第1空間1212に電気場を形成する。一例によれば、プラズマソース1500は第1空間1212にマイクロ波を印加することができる。第1空間1212には電気場が形成され、第1空間1212に供給されるガスはプラズマを形成する。
ガス供給部材1200はガス導入口1230に洗浄ガスを供給する。ガス供給部材1200はガス導入口1230に連結されるガス供給ライン1300を含む。一例によれば、洗浄ガスはエアである。エアは第1空間1212でプラズマソースによって励起されて窒素プラズマ及び酸素プラズマを形成する。各プラズマは第2空間1222に移動される。したがって、第2空間1222は第1空間1212と共に放電空間に提供される。
【0051】
冷媒供給部材1400は冷媒導入口1240に冷媒を供給する。冷媒は第2空間1222に供給されて第1空間1212で発生されたガスプラズマを冷却する。冷媒供給部材1400は冷媒導入口1240に連結される冷媒供給ライン1400を含む。一例によれば、冷媒は純水である。純水は液相に提供されることができる。
【0052】
冷媒供給部材1400は第2空間1222に冷媒を噴霧方式に供給する。したがって、プラズマと冷媒との間に接触面積は広くなることができ、プラズマに均一に混合されることができる。また、プラズマが供給される経路は放電空間に提供される。したがって、冷媒の一部は励起される。したがって、部品に供給される洗浄プラズマはガスから発生されたプラズマと冷媒の一部から発生されたプラズマが混合されたプラズマで提供される。第2空間1222で励起された冷媒は水素プラズマを形成する。一例によれば、窒素プラズマ及び酸素プラズマの各々は炭素(C)をターゲットに除去することができる。また、水素プラズマは弗素(F)をターゲットに除去することができる。各々のプラズマはラジカルを形成することによって、ターゲットパーティクルを除去することができる。
【0053】
水素ガスはエアに含まれた窒素及び酸素ガスに比べて分子量が非常に小さい。これによって、水素ガスがエアと共に電気場を通過する場合には電気場が不安定な状態を有し、水素ガスの流量が増加されるほど、電気場の不安定度は大きくなる。水素ガスはその分子量がエアに比べて小さく、エアに比べてプラズマ発生が容易である。したがって、水素ガスの供給経路には電気場を含まない状態に、励起されたエアを通じて水素プラズマを形成することができ、これと同時に安定的な放電空間を維持することができる。
【0054】
制御器1600は部品が洗浄プラズマによって熱破損されることを防止するようにガス供給部材1200及び冷媒供給部材1400を制御する。制御器1600はガス導入口1230に洗浄ガスが供給されるうちに冷媒が継続的に供給されるようにガス供給部材1200及び冷媒供給部材1400を制御する。冷媒はプラズマを冷却することによって、プラズマの温度が既設定範囲を逸脱することを防止することができる。例えば、部品はセラミックがコーティングされた金属で提供されることができる。既設定範囲はセラミックが金属から分離される温度であるか、或いは金属の融点より低い温度である。既設定範囲は500乃至700℃である。セラミックは酸化イットリウム(Y)を含み、金属はアルミニウム(Al)を含むことができる。
【0055】
上述した実施形態には洗浄ガスが供給されるうちに冷媒が継続的に供給されることと説明した。しかし、冷媒は特定条件によって供給がオン(On)/オフ(Off)されることができる。センサーは部品に供給されるプラズマの温度を測定し、センサーから測定された温度情報は制御器1600に伝達されることができる。制御器1600は受信された温度情報に基づいて冷媒の供給を制御する。一例によれば、制御器1600は温度情報が既設定範囲(T0)から逸脱すれば、冷媒を供給し、温度情報が既設定範囲(T0)内にあれば、冷媒供給を中止するように冷媒供給部材1400を制御することができる。例えば、既設定範囲(T0)は700℃である。したがって、部品が熱破損されることを防止することができる。
【0056】
上述した実施形態にはリングアセンブリ250、チャンバー100、誘電板210、ライナー530、そしてドア170を洗浄処理することと説明したが、カバー120、基板支持ユニット200、ガス供給ユニット300、そしてバッフル550等プラズマに露出される部品であれば、洗浄処理することができる。
【0057】
また、本実施形態にはガス処理装置のプラズマソース400が誘導結合型プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ソースで提供されることと説明した。しかし、プラズマソース400としては容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively coupled plasma)が使用されることができる。プラズマソース400は基板支持ユニット200と対向するシャワーヘッドを有し、基板支持ユニット200とシャワーヘッドの各々には電極が提供されることができる。両電極間には電磁気場が形成されることができる。シャワーヘッドは洗浄設備によって洗浄処理されることができる。
【0058】
また、本実施形態にはプラズマ処理装置の部品を洗浄処理することと説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されなく、工程ガスを利用して基板Wを乾式処理する装置の部品であれば、洗浄処理可能である。例えば、乾式処理はプラズマを発生させなく、常温より高い高温でガスを分解して基板Wを処理する工程を含むことができる。乾式処理は基板Wを蝕刻処理するか、或いは薄膜を蒸着させる工程である。
【符号の説明】
【0059】
1000 部品洗浄装置
1200 供給部材
1210 ボディー部
1212 第1空間
1220 吐出部
1222 第2空間
1300 ガス供給部材
1400 冷媒供給部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6