IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7285874巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム
<>
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図2
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図3
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図4A
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図4B
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図4C
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図5
  • 特許-巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9032 20190101AFI20230526BHJP
   G06F 16/906 20190101ALI20230526BHJP
【FI】
G06F16/9032
G06F16/906
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021060306
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022003513
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】202011027594.7
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 睿索
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216029(JP,A)
【文献】特開2014-199588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0344798(US,A1)
【文献】国際公開第2018/163288(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
B60W 10/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される巡航制御方法であって、
ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける現在の車両自己感知データと運転環境データとを決定することと、
前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた事前分類された各カテゴリの履歴車両自己感知データから、各カテゴリの履歴車両自己感知データと前記現在の車両自己感知データとの類似度をそれぞれ確定し、各類似度に基づいて前記現在の車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定することと、
決定された前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定することと、を含み、
前記現在の車両自己感知データは、前記ターゲット運転装置の現在の動作パラメータを表し、
前記履歴車両自己感知データは、前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた過去の動作パラメータを表す
巡航制御方法。
【請求項2】
前述した前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた事前分類された各カテゴリの履歴車両自己感知データから、各カテゴリの履歴車両自己感知データと前記現在の車両自己感知データとの類似度をそれぞれ確定し、各類似度に基づいて前記現在の車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定することは、
前記ターゲット運転装置の前記履歴運転環境データから、前記運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定することと、
前記ターゲット運転環境データに関連付けられた前記履歴車両自己感知データから、前記現在の車両自己感知データとの類似度が閾値よりも大きい履歴車両自己感知データを前記ターゲット車両自己感知データとして決定することと、を含む
請求項1に記載の巡航制御方法。
【請求項3】
前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データとの間の関連関係は、
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することと、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、前記履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、
前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記運転環境クラスタリング結果と各前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって、構築される
請求項2に記載の巡航制御方法。
【請求項4】
前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データとの間の関連関係は、
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することと、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、各運転環境クラスタカテゴリの履歴車両自己感知データをそれぞれクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、
前記運転環境クラスタリング結果と前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって、構築される
請求項2に記載の巡航制御方法。
【請求項5】
前記履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連関係は、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、前記履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、
少なくとも1つの運転状態フィールドに基づいて、前記履歴運転状態データをクラスタリングして、運転状態クラスタリング結果を取得することと、
前記履歴車両自己感知データと前記履歴運転状態データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記感知クラスタリング結果と前記運転状態クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって、構築される
請求項3または4に記載の巡航制御方法。
【請求項6】
前記感知クラスタリング結果、前記運転環境クラスタリング結果、および前記運転状態クラスタリング結果のうちの少なくとも1つは、ツリー構造で格納されている請求項に記載の巡航制御方法。
【請求項7】
前述した前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定することは、
前記運転環境データと前記ターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または前記車両自己感知データと前記ターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定することと、
前記運転状態信頼度および前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、前記ペダル制御情報を決定することと、を含む
請求項2に記載の巡航制御方法。
【請求項8】
前記運転状態信頼度を決定した後、前記運転状態信頼度および前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、前記ペダル制御情報を決定する前に、前記方法は、
前記ターゲット運転状態データに危険状態データに属する運転状態フィールドのフィールド値が少なくとも1つある場合、前記運転状態信頼度を調整することをさらに含む
請求項7に記載の巡航制御方法。
【請求項9】
巡航制御装置であって、
ターゲット運転装置の巡航プロセスに現在の車両自己感知データと運転環境データとを決定するための車両自己感知データ決定モジュールと、
前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた事前分類された各カテゴリの履歴車両自己感知データから、各カテゴリの履歴車両自己感知データと前記現在の車両自己感知データとの類似度をそれぞれ確定し、各類似度に基づいて前記現在の車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定するためのターゲット車両自己感知データ決定モジュールと、
決定された前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定するためのペダル制御情報決定モジュールと、を含み、
前記現在の車両自己感知データは、前記ターゲット運転装置の現在の動作パラメータを表し、
前記履歴車両自己感知データは、前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた過去の動作パラメータを表す
巡航制御装置。
【請求項10】
前記ターゲット車両自己感知データ決定モジュールは、
前記ターゲット運転装置の前記履歴運転環境データから、前記運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定するためのターゲット運転環境データマッチングユニットと、
前記ターゲット運転環境データに関連付けられた前記履歴車両自己感知データから、前記現在の車両自己感知データとの類似度が閾値よりも大きい履歴車両自己感知データを前記ターゲット車両自己感知データとして決定するためのターゲット車両自己感知データマッチングユニットと、を含む
請求項9に記載の巡航制御装置。
【請求項11】
前記巡航制御装置は、前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データとの間の関連関係を構築するための環境感知関連関係構築モジュールをさらに含み、
前記環境感知関連関係構築モジュールは、
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得するための第一運転環境クラスタリングユニットと、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、前記履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための第一感知クラスタリングユニットと、
前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記運転環境クラスタリング結果と各前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための第一環境感知関連関係構築ユニットと、を含む
請求項10に記載の巡航制御装置。
【請求項12】
前記巡航制御装置は、前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データとの間の関連関係を構築するための環境感知関連関係構築モジュールをさらに含み、
前記環境感知関連関係構築モジュールは、
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得するための第二運転環境クラスタリングユニットと、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、各運転環境クラスタカテゴリの履歴車両自己感知データをそれぞれクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための第二感知クラスタリングユニットと、
前記運転環境クラスタリング結果と前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための第二環境感知関連関係構築ユニットと、を含む
請求項10に記載の巡航制御装置。
【請求項13】
前記巡航制御装置は、前記履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連関係を構築するための感知状態関連関係構築モジュールをさらに含み、
前記感知状態関連関係構築モジュールは、
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、前記履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための感知クラスタリングユニットと、
少なくとも1つの運転状態フィールドに基づいて、前記履歴運転状態データをクラスタリングして、運転状態クラスタリング結果を取得するための運転状態クラスタリングユニットと、
前記履歴車両自己感知データと前記履歴運転状態データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記感知クラスタリング結果と前記運転状態クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための感知状態関連関係構築ユニットと、を含む
請求項11または12に記載の巡航制御装置。
【請求項14】
前記感知クラスタリング結果、前記運転環境クラスタリング結果、および前記運転状態クラスタリング結果のうちの少なくとも1つは、ツリー構造で格納されている請求項13に記載の巡航制御装置。
【請求項15】
前記ペダル制御情報決定モジュールは、
前記運転環境データと前記ターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または前記車両自己感知データと前記ターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定するための信頼度決定ユニットと、
前記運転状態信頼度および前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、前記ペダル制御情報を決定するためのペダル制御情報決定ユニットと、を含む
請求項10に記載の巡航制御装置。
【請求項16】
前記ペダル制御情報決定モジュールは、
前記ターゲット運転状態データに危険状態データに属する運転状態フィールドのフィールド値が少なくとも1つある場合、前記運転状態信頼度を調整するための信頼度調整ユニットをさらに含む
請求項15に記載の巡航制御装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1-8のいずれか一項に記載の巡航制御方法を実行できるように前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が格納されている
電子デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の電子デバイスを含む車両。
【請求項19】
請求項1-8のいずれか一項に記載の巡航制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
プロセッサによって実行されると、請求項1-8のいずれか一項に記載の巡航制御方法を実施するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、自動運転技術の分野、特に巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能技術の継続的な発展に伴い、人工知能は自動運転の分野で広く注目され、人々の運転習慣や移動方法が次第に変化してきている。
【0003】
自動運転プロセスでは、通常、ブレーキとアクセルとの間の運転者による頻繁な動作を低減して長時間運転の疲労を軽減するために、一定の運転ポリシーが事前に設定される。しかし、上記方式は、異なる運転環境に適応することが困難であり、また、異なる運転者に適応することも困難であるため、ユーザエクスペリエンスが低下してしまう。
【発明の概要】
【0004】
本願は、より高い適応性を備えた巡航制御方法、装置、電子デバイス、車両、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラムを提供する。
【0005】
本願の一態様によれば、巡航制御方法が提供される。この方法は、ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定することと、前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、前記車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定することと、前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定することと、を含む。
【0006】
本願の別の態様によれば、巡航制御装置が提供される。この装置は、ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定するための車両自己感知データ決定モジュールと、前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、前記車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定するためのターゲット車両自己感知データ決定モジュールと、前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定するためのペダル制御情報決定モジュールと、を含む。
【0007】
本願の別の態様によれば、電子デバイスが提供される。この電子デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の実施例によって提供される任意の巡航制御方法を実行できるように前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶されている。
【0008】
本願の別の態様によれば、本願の実施例によって提供される電子デバイスを含む車両も提供される。
【0009】
本願の別の態様によれば、本願の実施例によって提供される任意の巡航制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0010】
本願の別の態様によれば、プロセッサによって実行されると、本願の実施例によって提供される任意の巡航制御方法を実施するコンピュータプログラムも提供される。
【0011】
本願の技術によれば、巡航制御中運転者の適応度が向上される。
【0012】
このセクションで説明される内容は、本開示の実施例の主要または重要な特徴を区別することを意図するものではなく、また、本開示の範囲を限定することを意図するものでもないことを理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の説明から容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本実施例をよりよく理解するために使用されるものであり、本願を限定するものではない。
図1】本願の実施例によって提供される巡航制御方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートである。
図4A】本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートである。
図4B】本願の実施例によって提供される運転環境ツリーモデルの概略構造図である。
図4C】本願の実施例によって提供される別の運転環境ツリーモデルの概略構造図である。
図5】本願の実施例によって提供される巡航制御装置の構造図である。
図6】本願の実施例に係る巡航制御方法を実施するための電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を併せて本願の例示的な実施例に対して説明し、理解を助けるために本願の実施例の様々な詳細を含むが、これらは単なる例示とすべきである。従って、本願の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載の実施例に対して様々な変更および修正を行うことができることは、当業者にとって理解されるべきである。同様に、明瞭と簡潔のために、公知の機能と構造に関する説明は、以下の説明において省略される。
【0015】
本願の実施例によって提供される各巡航制御方法および巡航制御装置は、運転装置が運転者による制御を必要としない状況に適用できるため、運転装置の自動巡航制御を実現する。各巡航制御方法は、巡航制御装置によって実行され得る。この巡航制御装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実装することができ、具体的には電子デバイスに具体的に配置することができ、該電子デバイスは自動運転車両などの自動運転装置に内蔵することができる。
【0016】
図1は、本願の実施例によって提供される巡航制御方法のフローチャートである。この巡航制御方法は、以下を含む。
【0017】
S101:ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定する。
【0018】
運転装置の巡航プロセスは、運転者がアクセルまたはブレーキなどの制御ペダルを手動で制御することを必要とせず、運転装置が特定の運転状態で走行できるようにするプロセスと理解することができる。運転装置は、車両又は汽船などであり得る。ターゲット運転装置は、巡航制御を実行している運転装置と理解することができる。
【0019】
車両自己感知データは、ターゲット運転装置のカレント動作パラメータを特徴付けるために使用され、ターゲット運転装置の感知モジュールによって採集された生データ、または採集された生データを変換することによって取得した他のデータと理解することができる。感知モジュールは、車線認識モジュール、障害物感知モジュール、障害物融合モジュール、および障害物追跡モジュールなどを含み得る。同様に、車両自己感知データは、瞬間速度、瞬間加速度、およびアクセル圧力などのデータを含み得るが、これらに限定されない。
【0020】
運転環境データは、ターゲット運転装置のカレント運転環境情報を特徴付けるために使用され、感知モジュールによって採集された生データまたは車両自己感知データに基づいてデータ処理を実行することによって取得することができる。例示として、運転環境データは、追跡運転装置の速度、追跡運転装置からの距離、追跡運転装置のタイプ、および運転拘束線の相対位置などの情報を含み得るが、これらに限定されない。例えば、運転装置が車両である場合、運転拘束線は車線またはガードレール等であり得る。
【0021】
オプション的に、生データ、車両自己感知データおよび運転環境データのうちの少なくとも1つは、ターゲット運転装置のローカル、ターゲット運転装置に関連付けられた他の記憶装置またはクラウドに事前に記憶され得、必要に応じて対応するデータを取得することができる。当然のことながら、生データは、ターゲット運転装置の感知モジュールからリアルタイムで取得することもできる。
【0022】
生データを取得した後、感知フィールドに基づいて生データを処理して、各感知フィールドのフィールド値を取得することにより、車両自己感知データを取得することができる。また、運転環境フィールドに基づいて生データおよび/または車両自己感知データを処理して、各運転環境フィールドのフィールド値を取得することにより、運転環境データを取得することもできる。
【0023】
S102:ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定する。
【0024】
履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データは、履歴運転環境データと同じタイムスタンプ情報に対応する履歴車両自己感知データと理解してもよい。
【0025】
オプション的に、各履歴車両自己感知データと車両自己感知データとの間の類似度を決定し、類似度のより高い履歴車両自己感知データをターゲット車両自己感知データとして選択することができる。
【0026】
なお、ターゲット運転装置が長時間使用されると、履歴車両自己感知データが大量に生成されるため、履歴車両自己感知データと車両自己感知データとの間の類似度を逐一決定するのに、必然的に大量のメモリリソースを使うことが必要となる。ターゲット車両自己感知データのデータ計算量を削減するために、オプション的に、履歴車両自己感知データを事前に分類し、各カテゴリの履歴車両自己感知データと車両自己感知データとの間の類似度をそれぞれ決定し、類似度のより高い履歴車両自己感知データをターゲット車両自己感知データとして選択することができる。
【0027】
オプション的な実施形態では、少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することができるため、履歴車両自己感知データの分類を実現する。異なるカテゴリの履歴車両自己感知データの検索を容易にして検索効率を向上させるために、ツリー構造で感知クラスタリング結果を格納することができる。
【0028】
S103:ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定する。
【0029】
運転状態情報は、運転中の運転装置の状態パラメータ、または所望の状態パラメータを特徴付けるために使用される。例示として、運転状態情報は、加速度、減速度、および瞬間速度などの情報を含み得るが、これらに限定されない。
【0030】
ペダル制御情報は、アクセルペダルの開度、ブレーキペダルの開度などの情報を含み得るがこれらに限定されるものではない制御ペダルの開度情報を特徴付けるために使用される。
【0031】
例示として、履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連関係に基づいて、ターゲット車両自己感知データに関連付けられた候補運転状態データを決定し、候補運転状態データに基づいてターゲット運転状態データを決定し、ターゲット運転状態データに基づいてペダル制御情報を決定し、ペダル制御情報に基づいてターゲット運転装置の巡航制御を行う。
【0032】
なお、候補運転状態データが一組とは限らない可能性があるため、候補運転状態データに基づいてターゲット運転状態データの更なる決定を行う必要がある。オプション的に、任意の候補運転状態データをターゲット運転状態データとしてランダムに選択することができ、または車両自己感知データのタイムスタンプ情報に近い候補運転状態データをターゲット運転状態データとして選択することができ、または少なくとも2つの候補運転状態データの加重平均値に基づいてターゲット運転状態データを取得することができる。加重の重みは、候補運転状態データの数、および/または車両自己感知データのタイムスタンプ情報からの時間長によって決定され得る。一般的に、時間の長さが短ければ短いほど、重みの値は大きくなるが、時間の長さが長ければ長いほど、重みの値は小さくなる。
【0033】
オプション的な実施形態では、履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連(association)関係は、タイムスタンプ情報に基づいて直接構築され得る。
【0034】
しかしながら、ターゲット運転装置の使用時間が長くなると、履歴車両自己感知データおよび履歴運転状態データが大量に存在するようになる。タイムスタンプ情報に基づいて構築された関連関係が多すぎることによるターゲット運転状態データを決定する際に投入されるデータ計算量が多いという問題を回避するために、履歴車両自己感知データおよび履歴運転状態データを分類し、分類結果に応じて関連関係を構築することもできる。
【0035】
別のオプション的な実施形態では、履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連関係は、少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、少なくとも1つの運転状態フィールドに基づいて、前記履歴運転状態データをクラスタリングして、運転状態クラスタリング結果を取得することと、前記履歴車両自己感知データと前記履歴運転状態データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記感知クラスタリング結果と前記運転状態クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって、構築され得る。
【0036】
例示として、各履歴車両自己感知データ間の距離に基づいて、各履歴車両自己感知データを直接クラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することができる。または、履歴運転状態データ間の距離に基づいて、各履歴運転状態データを直接クラスタリングして、運転状態クラスタリング結果を取得することができる。
【0037】
例示として、異なる感知フィールドのフィールド値の数値範囲に基づいて、各履歴車両自己感知データを分類して、感知クラスタリング結果を取得することもできる。または、異なる運転状態フィールドに基づいて、各履歴運転状態データを分類して、運転状態クラスタリング結果を取得することもできる。
【0038】
感知クラスタリング結果および/または運転状態クラスタリング結果は、同じまたは異なるデータ格納構造を採用して、ターゲット運転装置のローカル、ターゲット運転装置に関連付けられた他の記憶装置またはクラウドに格納され得るため、ターゲット運転状態データの検索とマッチングを容易にすることができる。
【0039】
ターゲット運転状態データを決定する効率を向上させるために、感知カテゴリごとに、対応する運転状態クラスタリング結果の記憶アドレスを関連付けて格納することができる。
【0040】
異なるカテゴリの履歴運転状態データの探索を容易にして問合せ効率を向上させるために、ツリー構造で感知クラスタリング結果および/または運転状態クラスタリング結果を格納することができる。
【0041】
本願の実施例では、ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定し、ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定し、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定する。上記技術的解決手段を採用することにより、履歴運転環境データの関連付けとマッチングにより、ターゲット車両自己感知データを決定し、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定することにより、ターゲット運転装置の巡航制御を実現し、巡航制御プロセスが異なる運転環境および運転者と適応することが可能となり、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。また、履歴データの関連付けによって決定したペダル制御情報の補助決定により、巡航制御プロセスのデータ計算量を削減することができ、巡航制御効率を向上させることができる。
【0042】
図2は、本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートであり、この方法は、上記各技術的解決手段に基づいて最適化して改善した。
【0043】
さらに、「ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定する」という動作を、「ターゲット運転装置の履歴運転環境データから、運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定し、ターゲット運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定する」という動作に細分化して、ターゲット車両自己感知データ決定メカニズムを改善する。
【0044】
図2に示す巡航制御方法は、以下を含む。
【0045】
S201:ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定する。
【0046】
S202:ターゲット運転装置の履歴運転環境データから、運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定する。
【0047】
例示として、運転環境データと各履歴運転環境データとの間の類似度を決定し、類似度のより高い履歴運転環境データをターゲット運転環境データとして選択することができる。
【0048】
なお、ターゲット運転装置が長時間使用されると、履歴運転環境データが大量に生成されるため、履歴運転環境データと運転環境データとの間の類似度を逐一決定するには、必然的に大量のメモリリソースを使うことが必要となる。ターゲット運転環境データのデータ計算量を削減するために、オプション的に、履歴運転環境データを事前に分類し、各カテゴリの履歴運転環境データと運転環境データとの間の類似度をそれぞれ決定し、類似度のより高い履歴運転環境データをターゲット運転環境データとして選択することができる。
【0049】
オプション的な実施形態では、少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することができるため、履歴運転環境データの分類を実現する。
【0050】
例示として、各履歴運転環境データ間の距離に基づいて、各履歴運転環境データを直接クラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することができる。
【0051】
例示として、異なる運転環境フィールドのフィールド値の数値範囲に基づいて、各履歴運転環境データを分類して、運転環境クラスタリング結果を取得することもできる。
【0052】
運転環境クラスタリング結果は、ターゲット運転装置のローカル、ターゲット運転装置に関連付けられた他の記憶装置またはクラウドに格納され得るため、ターゲット運転環境データの探索とマッチングを容易にすることができる。
【0053】
異なるカテゴリの履歴運転環境データの探索を容易にして問合せ効率を向上させるために、ツリー構造を採用して運転環境クラスタリング結果を記憶することができる。
【0054】
S203:ターゲット運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定する。
【0055】
例示として、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係に基づいて、履歴運転環境データがターゲット運転環境データである場合に関連付けられた候補車両自己感知データを決定し、候補車両自己感知データに基づいて、ターゲット運転状態データの補助決定に使用されるターゲット車両自己感知データを決定する。
【0056】
なお、候補車両自己感知データが一組とは限らない可能性があるため、候補車両自己感知データに基づいてターゲット車両自己感知データの更なる決定を行う必要がある。オプション的に、任意の候補車両自己感知データをターゲット車両自己感知データとしてランダムに選択するか、またはターゲット運転環境データのタイムスタンプ情報に近い候補車両自己感知データをターゲット車両自己感知データとして選択するか、または少なくとも2つの候補車両自己感知データの加重平均値に基づいてターゲット車両自己感知データを取得することができる。加重の重みは、候補車両自己感知データの数、および/またはターゲット運転環境データのタイムスタンプ情報からの時間の長さによって決定され得る。一般的に、時間の長さが短ければ短いほど、重みの値は大きくなるが、時間の長さが長ければ長いほど、重みの値は小さくなる。
【0057】
オプション的な実施形態では、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係は、タイムスタンプ情報に基づいて直接構築され得る。
【0058】
しかしながら、ターゲット運転装置の使用時間が長くなると、履歴運転環境データおよび履歴車両自己感知データが大量に存在するようになる。タイムスタンプ情報に基づいて構築された関連関係が多すぎることによるターゲット車両自己感知データを決定する際に投入されるデータ計算量が多いという問題を回避するために、履歴運転環境データおよび履歴車両自己感知データを分類し、分類結果に応じて関連関係を構築することもできる。
【0059】
別のオプション的な実施形態では、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係はまた、少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することと、少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、前記履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、前記履歴運転環境データと前記履歴車両自己感知データのタイムスタンプ情報に基づいて、前記運転環境クラスタリング結果と各前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって構築され得る。
【0060】
なお、運転環境データおよび車両自己感知データをクラスタリングして、クラスタリング結果に応じて関連関係を構築する方法は、関連関係の構築にかかる時間を短縮すると同時に、感知クラスタリング結果のカテゴリ数を低減することができる。
【0061】
別オプション的な実施形態では、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係はまた、少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、前記履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することと、少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、各運転環境クラスタカテゴリの履歴車両自己感知データをそれぞれクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することと、前記運転環境クラスタリング結果と前記感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立することとによって構築され得る。
【0062】
なお、運転環境データをそれぞれクラスタリングして、クラスタリング結果のタイムスタンプ情報に関連付けられた履歴車両自己感知データに基づいて再度クラスタリングすることにより、単一カテゴリの運転環境データのクラスタリング、即ち同じ運転シーンでの履歴車両自己感知データのクラスタリングを実現する。このようにして、単一カテゴリの運転環境データに基づいて履歴車両自己感知データのよりきめ細かいクラスタリングを実行することができるため、クラスタリング結果がより正確になり、後続のペダル制御情報決定結果の精度を向上させるための基礎が築かれる。
【0063】
例示として、履歴運転環境データ間の距離に基づいて、各履歴運転環境データを直接クラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得することができる。または、履歴車両自己感知データ間の距離に基づいて、各履歴車両自己感知データを直接クラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得することができる。
【0064】
例示として、異なる運転環境フィールドのフィールド値の数値範囲に基づいて、各履歴運転環境データを分類して、運転環境クラスタリング結果を取得することもできる。または、異なる感知フィールドのフィールド値の数値範囲に基づいて、各履歴車両自己感知データを分類して、感知クラスタリング結果を取得することもできる。
【0065】
運転環境クラスタリング結果および/または感知クラスタリング結果は、同じまたは異なるデータ格納構造を採用して、ターゲット運転装置のローカル、ターゲット運転装置に関連付けられた他の記憶装置またはクラウドに格納され得るため、ターゲット車両自己感知データの探索とマッチングを容易にすることができる。
【0066】
ターゲット車両自己感知データを決定する効率を向上させるために、運転環境カテゴリごとに、対応する感知クラスタリング結果の記憶アドレスを関連付けて格納することができる。
【0067】
異なるカテゴリの履歴車両自己感知データの探索を容易にして問合せ効率を向上させるために、ツリー構造を採用して運転環境クラスタリング結果および/または感知クラスタリング結果を格納することができる。
【0068】
S204:ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定する。
【0069】
本願の実施例では、「ターゲット車両自己感知データを決定する」という動作を、「ターゲット運転装置の履歴運転環境データから、運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定し、ターゲット運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定する」という動作に細分化する。上記技術的解決手段を採用して、バッチマッチング(batch matching)により、ターゲット運転環境データおよびターゲット車両自己感知データを順次決定することにより、後続するペダル制御情報の決定の基礎を築き、ターゲット車両自己感知データ決定メカニズムを改善した。同時に、バッチマッチングによれば、すべての履歴車両自己感知データをマッチングして決定する必要がなくなるため、ターゲット車両自己感知データ決定プロセスのデータ計算量を削減することにより、ターゲット車両自己感知データの決定効率が向上され、ペダル制御情報決定結果の精度を向上させるための基礎を築いた。
【0070】
図3は、本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートである。この方法は、上記各技術的解決手段に基づいて最適化および改善した。
【0071】
さらに、「前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定する」という動作を、「前記運転環境データと前記ターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または前記車両自己感知データと前記ターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定し、前記運転状態信頼度および前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、前記ペダル制御情報を決定する」という操作に細分化して、ペダル制御情報決定メカニズムを改善した。
【0072】
図3に示す巡航制御方法は、以下を含む。
【0073】
S301:ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定する。
【0074】
S302:前記ターゲット運転装置の履歴運転環境データから、前記運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定する。
【0075】
S303:前記ターゲット運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、前記車両自己感知データにマッチしたングするターゲット車両自己感知データを決定する。
【0076】
S304:前記運転環境データと前記ターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または前記車両自己感知データと前記ターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定する。
【0077】
運転状態信頼度は、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データと、車両自己感知データおよび運転環境データとの間の信頼度を特徴付けるために使用される。つまり、決定したターゲット運転状態データとカレント運転シーンおよびカレント運転者との間の適合度である。
【0078】
例示として、運転環境データおよびターゲット運転環境データにおける各運転環境フィールドのフィールド値に基づいて、運転環境データとターゲット運転環境データとの間の第一距離を決定し、車両自己感知データおよびターゲット車両自己感知データにおける各感知フィールドのフィールド値に基づいて、車両自己感知データとターゲット車両自己感知データとの間の第二距離を決定し、第一距離および/または第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定する。
【0079】
第一距離および/または第二距離には、ユークリッド距離またはマハラノビス距離などを採用することができる。
【0080】
オプション的に、第一距離および/または第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定することは、事前に構築された信頼度関数を採用して、第一距離および/または第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定することであってもよい。第一距離および/または第二距離は、信頼度関数の独立変数である。信頼度関数は減少関数である。即ち、独立変数が増加するにつれて減少する。
【0081】
例示として、第一距離の逆数と第二距離の逆数の加重平均値は、運転状態信頼度として使用され得る。加重の重みは、ニーズ又は経験値に応じて技術者によって決定され得る。
【0082】
S305:運転状態信頼度およびターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用される前記ペダル制御情報を決定する。
【0083】
オプション的に、運転状態信頼度が所定の信頼度閾値よりも大きい場合、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データとカレント運転シーンおよびカレント運転者との間の適合度が高いことになるため、ターゲット運転状態データをペダル制御情報に直接変換し、ペダル制御情報に基づいてターゲット運転装置の巡航制御を実行することができる。または、ターゲット運転状態データおよび標準運転状態データに基づいて、最終運転状態データを決定し、最終運転状態データをペダル制御情報に直接変換し、ペダル制御情報に基づいてターゲット運転装置の巡航制御を実行する。
【0084】
所定の信頼度閾値は、ニーズ又は経験値に応じて技術者によって決定することができ、または大量の実験を通じて繰り返し決定することができる。標準運転状態データは、ニーズ又は経験値に応じて、ターゲット運転装置の研究開発担当者または保守担当者によって決定され得る。
【0085】
例示として、ターゲット運転状態データおよび標準運転状態データに基づいて、最終運転状態データを決定することは、運転状態信頼度をターゲット運転状態データの加重の重みとして決定し、運転状態信頼度に基づいて標準運転状態データの加重の重みを決定し、各加重の重みを用いて、ターゲット運転状態データと標準運転状態データの加重和を決定し、決定した加重和を最終運転状態データとして決定することができる。
【0086】
オプション的に、運転状態信頼度が所定の信頼度閾値以下である場合、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データとカレント運転シーンおよびカレント運転者との間の適合度が低いことになるため、標準運転状態データをペダル制御情報に直接変換し、ペダル制御情報に基づいてターゲット運転装置の巡航制御を実行することができる。
【0087】
上記各技術的解決手段によれば、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データは運転者自身の悪い運転習慣による可能性があるため、ある程度の危険があり、ターゲット運転装置の巡航制御プロセスに一定の潜在的な安全上の問題をもたらす。上記状況の発生を回避するために、運転状態信頼度を決定した後、運転状態信頼度およびターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定する前に、一定の潜在的な安全上の問題のあるターゲット運転状態信頼度を調整することもできる。
【0088】
例示として、ターゲット運転状態データに危険状態データに属する運転状態フィールドのフィールド値が少なくとも1つある場合、運転状態信頼度を調整する。危険状態データは、運転状態フィールドのフィールド値に応じて、同じまたは異なる危険閾値範囲に設定することができる。各閾値範囲の特定の値は、ニーズ又は経験値に応じて技術者によって設定されてもよく、または大量の実験を通じて繰り返し決定されてもよい。
【0089】
具体的には、危険閾値範囲に属する運転状態フィールドのフィールド値が少なくとも1つある場合、このターゲット運転状態データが危険状態データに属すると判定し、対応してターゲット運転状態データの運転状態信頼度を小さくするように調整する。
【0090】
本願の実施例では、「ペダル制御情報を決定する」という動作を、「運転環境データとターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または車両自己感知データとターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定し、運転状態信頼度およびターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定する」という動作に細分化する。上記技術的解決手段は、運転状態信頼度を導入して、ターゲット運転状態データとカレント運転シーンおよび運転者との間の適合度を評価することにより、最終的に決定されたペダル制御情報のシーンマッチング度および運転者マッチング度をさらに向上させることができ、ユーザエクスペリエンスを向上させるための基礎を築いた。
【0091】
図4Aは、本願の実施例によって提供される別の巡航制御方法のフローチャートである。この実施例は、上記各技術的解決手段に基づいて好ましい実施形態を提供する。
【0092】
車両に適用される、図4Aに示す巡航制御方法は、以下を含む。
【0093】
S410:ツリーモデル構築段階、
【0094】
S420:ターゲット運転状態データ決定段階、
【0095】
S430:車両巡航制御段階。
【0096】
例示として、ツリーモデル構築段階は、以下を含む。
【0097】
S411:ターゲット車両の履歴使用段階における各タイムスタンプ情報に対応する履歴車両自己感知データ、履歴運転環境データ、および履歴運転状態データを取得する。
【0098】
車両自己感知データには、車線認識モジュール、障害物感知モジュール、障害物融合モジュール、および障害物追跡モジュールによって採集された生データ、データ変換によって得られた瞬間速度、瞬間加速度、およびアクセル圧力などのデータのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0099】
運転環境データは、各記録サイクルの車両自己感知データを処理することによって得られた自車の速度、追跡車両の速度、追跡車両からの距離、追跡車両のタイプ、および車線走行線の相対位置などの情報のうちの少なくとも1つであり得る。記録サイクルは、各センサの採集頻度によって決定することができ、またはニーズ又は経験値に応じて技術者によって決定されてもよい。
【0100】
運転状態データは、走行中の車両の加速度、減速度、および瞬間速度などの情報を含み得るが、これらに限定されない。
【0101】
S412:履歴車両自己感知データ、履歴運転環境データ、および履歴運転状態データをそれぞれクラスタリングして、少なくとも1つの感知ツリーモデル、運転環境ツリーモデル、および運転状態データツリーモデルを取得する。
【0102】
例示として、少なくとも1つの運転環境フィールドのフィールド属性に基づいて、各履歴運転環境データをクラスタリングして、対応する運転環境ツリーモデルを取得することができる。運転環境フィールドは、自車の速度、前方車両の速度、自車の加速度、および前方車両の加速度などの情報を含み得るが、これらに限定されない。
【0103】
図4Bおよび図4Cに示す運転環境ツリーモデルの概略構造図を参照されたい。図4Bに示す運転環境ツリーモデルは、運転環境フィールドごとのフィールド属性に基づいて、履歴運転環境データを階層的にクラスタリングすることによって得られる。図4Cに示す運転環境ツリーモデルは、すべての運転環境フィールドのフィールド属性に基づいて、履歴運転環境データをクラスタリングすることによって得られる。
【0104】
例示として、少なくとも1つの感知フィールドのフィールド属性に基づいて、各履歴車両自己感知データをクラスタリングして、対応する感知ツリーモデルを取得することができる。
【0105】
オプション的に、感知フィールドごとのフィールド属性に基づいて、履歴車両自己感知データを階層的にクラスタリングして、感知ツリーモデルを取得することができる。または、すべての感知フィールドのフィールド属性に基づいて、車両自己感知データをクラスタリングして、感知ツリーモデルを取得することができる。
【0106】
なお、車両巡航制御結果と運転環境および運転者との間のマッチング度および精度を向上させるための基礎を築くために、感知ツリーモデルを構築する際に、運転環境ツリーモデルのリーフノードごとのタイムスタンプが同じである履歴車両自己感知データに基づいて、感知ツリーモデルをそれぞれ構築して、感知ツリーモデルのよりきめ細かい分割と構築を実現することができる。
【0107】
例示として、少なくとも1つの運転状態フィールドのフィールド属性に基づいて、各履歴運転状態データをクラスタリングして、対応する運転状態ツリーモデルを取得することができる。
【0108】
オプション的に、運転状態フィールドごとのフィールド属性に基づいて、履歴運転状態データを階層的にクラスタリングして、運転状態ツリーモデルを取得することができる。または、すべての運転状態フィールドのフィールド属性に基づいて、運転状態データをクラスタリングして、運転状態ツリーモデルを取得することができる。
【0109】
なお、車両巡航制御結果と運転環境および運転者との間のマッチング度および精度を向上させるための基礎を築くために、運転状態ツリーモデルを構築する際に、感知ツリーモデルのリーフノードごとのタイムスタンプが同じである履歴運転状態データに基づいて、運転状態ツリーモデルをそれぞれ構築して、運転状態ツリーモデルのよりきめ細かい分割と構築を実現することができる。
【0110】
S413:タイムスタンプ情報に基づいて、運転環境ツリーモデルの各リーフノードと感知ツリーモデルとの間の第一関連関係、および感知ツリーモデルの各リーフノードと運転状態ツリーモデルとの間の第二関連関係を構築する。
【0111】
データ探索を容易にするために、運転環境ツリーモデルのリーフノードに、タイムスタンプ情報に基づいて各リーフノードに対応する感知ツリーモデルとの間の第一関連関係を構築することもできる。例えば、対応する感知ツリーモデルのアドレスをリーフノードに格納することができる。
【0112】
データ探索を容易にするために、感知ツリーモデルごとのリーフノードに、タイムスタンプ情報に基づいて各リーフノードに対応する履歴運転状態ツリーモデルとの間の第二関連関係を構築することができる。例えば、対応する履歴運転状態ツリーモデルのアドレスをリーフノードに格納することができる。
【0113】
例示として、ターゲット運転状態データ決定段階は、以下を含む。
【0114】
S421:ターゲット車両の巡航制御プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データを取得する。
【0115】
S422:類似度に基づいて、運転環境データにマッチした運転環境ツリーモデルのリーフノードをターゲット運転環境ノードとして決定する。
【0116】
S423:類似度に基づいて、ターゲット運転環境ノードと第一関連関係を有する感知ツリーモデルから、車両自己感知データにマッチしたリーフノードをターゲット感知ノードとして決定する。
【0117】
S424:ターゲット感知ノードと第二関連関係を有する運転状態ツリーモデルの履歴運転状態データに基づいて、ターゲット運転状態データを決定する。
【0118】
例示として、車両巡航制御段階は、以下を含む。
【0119】
S431:運転環境データとターゲット運転環境ノードとの間の第一距離、および車両自己感知データとターゲット感知ノードとの間の第二距離を決定する。
【0120】
S432:第一距離および第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定する。
【0121】
S433:運転状態信頼度に基づいて、ターゲット運転状態データと標準運転状態データとの加重の重みを決定する。
【0122】
S434:ターゲット運転状態データと標準運転状態データの加重和に基づいて、最終運転状態データを決定する。
【0123】
例示として、最終運転状態データは、次の式に従って決定され得る。
【0124】
r=w*r+(1-w)*r
【0125】
rは最終運転状態データであり、wは運転状態信頼度であり、rはターゲット運転状態データであり、rは標準運転状態データである。
【0126】
S435:最終運転状態データに基づいて、ターゲット車両の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定する。
【0127】
ペダル制御情報は、アクセルペダル開度およびブレーキペダル開度などの情報を含み得るが、これらに限定されない。
【0128】
図5は、本願の実施例によって提供される巡航制御装置の構造図である。この巡航制御装置500は、車両自己感知データ決定モジュール501と、ターゲット車両自己感知データ決定モジュール502と、ペダル制御情報決定モジュール503とを含む。
【0129】
車両自己感知データ決定モジュール501は、ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定するために使用される。
【0130】
ターゲット車両自己感知データ決定モジュール502は、ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定するために使用される。
【0131】
ペダル制御情報決定モジュール503は、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定するために使用される。
【0132】
本願の実施例では、車両自己感知データ決定モジュールにより、ターゲット運転装置の巡航プロセスにおける車両自己感知データと運転環境データとを決定し、ターゲット車両自己感知データ決定モジュールにより、ターゲット運転装置の履歴運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定し、ペダル制御情報決定モジュールにより、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ターゲット運転装置の巡航制御に使用されるペダル制御情報を決定する。上記技術的解決手段によれば、履歴運転環境データの関連付けとマッチングにより、ターゲット車両自己感知データを決定し、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定することにより、ターゲット運転装置の巡航制御を実現して、巡航制御プロセスを異なる運転環境および運転者に適応させ、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。また、履歴データの関連付けと決定によるペダル制御情報の補助決定により、巡航制御プロセスのデータ計算量を削減し、巡航制御効率を向上させることができる。
【0133】
さらに、ターゲット車両自己感知データ決定モジュール502は、
【0134】
ターゲット運転装置の履歴運転環境データから、運転環境データにマッチしたターゲット運転環境データを決定するためのターゲット運転環境データマッチングユニットと、
【0135】
ターゲット運転環境データに関連付けられた履歴車両自己感知データから、車両自己感知データにマッチしたターゲット車両自己感知データを決定するためのターゲット車両自己感知データマッチングユニットと、を含む。
【0136】
さらに、前記装置は、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係を構築するための環境感知関連関係構築モジュールをさらに含む。
【0137】
環境感知関連関係構築モジュールは、
【0138】
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得するための第一運転環境クラスタリングユニットと、
【0139】
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための第一感知クラスタリングユニットと、
【0140】
履歴運転環境データと履歴車両自己感知データのタイムスタンプ情報に基づいて、運転環境クラスタリング結果と各感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための第一環境感知関連関係構築ユニットと、を含む。
【0141】
さらに、前記装置は、履歴運転環境データと履歴車両自己感知データとの間の関連関係を構築するための環境感知関連関係構築モジュールをさらに含む。
【0142】
環境感知関連関係構築モジュールは、
【0143】
少なくとも1つの運転環境フィールドに基づいて、履歴運転環境データをクラスタリングして、運転環境クラスタリング結果を取得するための第二運転環境クラスタリングユニットと、
【0144】
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、各運転環境クラスタカテゴリの履歴車両自己感知データをそれぞれクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための第二感知クラスタリングユニットと、
【0145】
運転環境クラスタリング結果と感知クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための第二環境感知関連関係構築ユニットと、を含む。
【0146】
さらに、前記装置は、履歴車両自己感知データと履歴運転状態データとの間の関連関係を構築するための感知状態関連関係構築モジュールをさらに含む。
【0147】
感知状態関連関係構築モジュールは、
【0148】
少なくとも1つの感知フィールドに基づいて、履歴車両自己感知データをクラスタリングして、感知クラスタリング結果を取得するための感知クラスタリングユニットと、
【0149】
少なくとも1つの運転状態フィールドに基づいて、履歴運転状態データをクラスタリングして、運転状態クラスタリング結果を取得するための運転状態クラスタリングユニットと、
【0150】
履歴車両自己感知データと履歴運転状態データのタイムスタンプ情報に基づいて、感知クラスタリング結果と運転状態クラスタリング結果との間の関連関係を確立するための感知状態関連関係構築ユニットと、を含む。
【0151】
さらに、感知クラスタリング結果、運転環境クラスタリング結果、および運転状態クラスタリング結果のうちの少なくとも1つは、ツリー構造で格納される。
【0152】
さらに、ペダル制御情報決定モジュール503は、
【0153】
運転環境データとターゲット運転環境データとの間の第一距離、および/または車両自己感知データとターゲット車両自己感知データとの間の第二距離に基づいて、運転状態信頼度を決定するための信頼度決定ユニットと、
【0154】
運転状態信頼度およびターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定するためのペダル制御情報決定ユニットと、を含む。
【0155】
さらに、ペダル制御情報決定モジュール503は、
【0156】
前記運転状態信頼度を決定した後、前記運転状態信頼度および前記ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、前記ペダル制御情報を決定する前に、ターゲット運転状態データに危険状態データに属する運転フィールドのフィールド値が少なくとも1つある場合、運転状態信頼度を調整するための信頼度調整ユニットをさらに含む。
【0157】
上記巡航制御装置は、本発明の任意の実施例によって提供される巡航制御方法を実行することができ、巡航制御方法の実行に必要な機能的モジュールおよび有利な効果を有する。
【0158】
本願の実施例によれば、本願は、電子デバイスおよび可読記憶媒体をさらに提供する。
【0159】
図6に示すように、図6は、本願の実施例に係る巡航制御方法を実施するための電子デバイスのブロック図である。電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、およびその他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図する。電子デバイスは、車載デバイス、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、およびその他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書に示されるコンポーネント、それらの接続と関係、およびそれらの機能は単なる例示であり、本明細書に説明および/または請求される本願の実施形態を限定することを意図したものではない。
【0160】
図6に示すように、この電子デバイスは、1つまたは複数のプロセッサ601と、メモリ602と、高速インターフェイスおよび低速インターフェイスを含む様々なコンポーネントを接続するためのインターフェイスと、を含む。様々なコンポーネントは、異なるバスを介して互いに接続されており、パブリックマザーボードに取り付けられ得るか、または必要に応じて他の方法で取り付けられ得る。プロセッサは、外部入力/出力装置(例えば、インターフェイスに結合された表示装置)にGUIのグラフィック情報を表示するためにメモリ内またはメモリ上に記憶される指令を含む、電子デバイスで実行された指令を処理することができる。他の実施形態では、複数のプロセッサおよび/または複数本のバスは、必要に応じて、複数のメモリと共に使用され得る。同様に、それは、(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群、またはマルチプロセッサシステムとして)いくつかの必要な操作を提供する複数の電子デバイスに接続され得る。図6には、プロセッサ601が例として挙げられる。
【0161】
メモリ602は、本願によって提供される非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。メモリには、少なくとも1つのプロセッサが本願によって提供される巡航制御方法を実行できるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る指令が記憶されている。本願の非一時的コンピュータ可読記憶媒体には、本願によって実行され得る巡航制御方法をコンピュータに実行させるために使用されるコンピュータ指令が記憶されている。
【0162】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、メモリ602は、非一時的ソフトウェアプログラムと、非一時的コンピュータ実行可能プログラムと、本願の実施例における巡航制御方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、図5に示す車両自己感知データ決定モジュール501、ターゲット車両自己感知データ決定モジュール502、およびペダル制御情報決定モジュール503)などのモジュールとを記憶するために使用され得る。プロセッサ601は、メモリ602に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、指令、およびモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行する。即ち、上記方法の実施例における巡航制御方法を実施する。
【0163】
メモリ602は、オペレーティングシステムおよび少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムが記憶され得るプログラム記憶領域と、巡航制御方法を実施するための電子デバイスによって作成されたデータなどが記憶され得るデータ記憶領域と、を含み得る。さらに、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含み得、また、少なくとも1つの磁気ディスクメモリ、フラッシュメモリ、または他の非一時的ソリッドステートメモリなどの非一時的メモリを含み得る。いくつかの実施例では、メモリ602は、任意選択で、プロセッサ601に対して遠隔的に設置されたメモリを含み得、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して、巡航制御方法を実施するための電子デバイスに接続され得る。上記ネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0164】
巡航制御方法を実施するための電子デバイスは、入力装置603および出力装置604をさらに含み得る。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603、および出力装置604は、バスまたは他の手段を介して接続され得るが、図6にはバスによる接続が例として挙げられる。
【0165】
入力装置603は、入力された数字または文字情報を受信し、巡航制御方法を実施するための電子デバイスのユーザ設定および機能制御に関連するキー信号入力を生成することができるもの、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つまたは複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置604は、表示装置、補助照明装置(例えば、LED)、触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含み得る。この表示装置は、液晶ディスプレイ(LDC)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、およびプラズマディスプレイを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示装置は、タッチスクリーンであり得る。
【0166】
本明細書に記載のシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、専用ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実装され得る。これらの様々な実施形態は、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび指令を受信したり、この記憶システム、この少なくとも1つの入力装置、およびこの少なくとも1つの出力装置にデータおよび指令を送信したりすることができる専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行および/または解釈され得る1つまたは複数のコンピュータプログラムに実装されることを含み得る。
【0167】
これらの計算プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械指令を含み、高水準手続き型またはオブジェクト指向型のプログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実装され得る。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械指令を受信する機械可読媒体を含む、機械指令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、および/または装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械指令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0168】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載のシステムおよび技術は、情報をユーザに表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザが入力をコンピュータに提供することを可能にするキーボードとポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを備えたコンピュータに実装され得る。他のタイプの装置は、ユーザとの対話を提供するためにも使用されており、例えば、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバック)をユーザに提供したり、任意の形態(音響入力、音声入力、および触覚入力を含む形態)を使用してユーザからの入力を受信したりするために使用され得る。
【0169】
本明細書に記載のシステムおよび技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)を含むコンピュータシステム、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むコンピュータシステム、フロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本明細書に記載のシステムおよび技術の実施形態と対話することを可能にするグラフィカルユーザインターフェイスまたはウェブブラウザを備えたユーザコンピュータ)を含むコンピュータシステム、または、これらバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネントまたはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピュータシステムに実装され得る。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)を介して互いに接続され得る。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、およびブロックチェーンネットワークが含まれる。
【0170】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントおよびサーバは通常、互いに遠く離れており、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、対応するコンピュータで実行され、クライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。サーバは、クラウドコンピューティングサーバまたはクラウドホストとも呼ばれるクラウドサーバであり得る。これは、クラウドコンピューティングサービスシステムのホスト製品であり、従来の物理ホストおよびVPSサーバにおける、管理の難しさが高く、サービスの拡張性が低いという欠点を解決するために使用される。
【0171】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、履歴運転環境データの関連付けとマッチングにより、ターゲット車両自己感知データを決定し、ターゲット車両自己感知データに関連付けられたターゲット運転状態データに基づいて、ペダル制御情報を決定することにより、ターゲット運転装置の巡航制御を実現して、巡航制御プロセスを異なる運転環境および運転者に適応させ、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。また、履歴データの関連付けと決定によるペダル制御情報の補助決定により、巡航制御プロセスのデータ計算量を削減し、巡航制御効率を向上させることができる。
【0172】
本願の実施例は、巡航制御方法を実施するための上記電子デバイスを備えた車両をさらに提供する。
【0173】
ステップの並べ替え、追加、または削除は、上記様々な形態のプロセスによって実行され得ることを理解されるべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、本願に開示された技術的解決手段の所望の結果が達成できる限り、並行して、順次、または異なる順序で実行され得るが、本明細書に限定されない。
【0174】
上記具体的な実施形態は本願の保護範囲を限定するものではない。設計要件および他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、副次的組み合わせおよび置換を行うことができることは、当業者にとって明らかである。本願の精神と原則の範囲内で行われた修正、均等な置換、改良などは、本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6