(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】再生装置の動作を変更するリモコン信号の検出に応答した置換メディアコンテンツ再生の変更
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20230526BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20230526BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/442
H04N5/66 D
(21)【出願番号】P 2021502622
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(86)【国際出願番号】 US2019040546
(87)【国際公開番号】W WO2020018287
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-12
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521212432
【氏名又は名称】ロク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】シーレン カート アール
(72)【発明者】
【氏名】マーチャント シャシャンク
(72)【発明者】
【氏名】ドゥンカー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー マルクス ケイ
(72)【発明者】
【氏名】セオ チョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】シェルフ スティーヴン ディー
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276557(JP,A)
【文献】特表2014-520480(JP,A)
【文献】特表2015-529870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0234564(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094351(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0150213(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0272814(US,A1)
【文献】国際公開第2016/172715(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/106695(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
H04N 5/66 - 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生装置が、命令をリモコン装置
から受け取るステップと、
オーバーレイ及び前記再生装置のディスプレイ内のそれぞれの領域に命令をマッピングする相関データを使用して、前記再生装置が
、置換メディアコンテンツを表示している間の前記再生装置の動作に対する変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイと、再生装置が表示のために前記オーバーレイを提供するように構成されている、前記再生装置の前記ディスプレイ内の対応する領域とを前記再生装置が
前記命令に基づいて決定するステップと、
前記再生装置が
置換メディアコンテンツを表示した時に
、前記置換メディアコンテンツを通して前記オーバーレイ
を表示するために前記領域の透明度を変更するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記領域の透明度を変更するステップは、前記リモコン装置が前記命令を送信したと判定したことに応答して前記領域の透明度を変更するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記命令は、前記置換メディアコンテンツの再生の変更を生じさせるように構成された命令を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記命令は音量調整を含み、前記オーバーレイは音量調整グラフィックを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記命令は再生速度調整を含み、前記オーバーレイは再生速度グラフィックを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記リモコン装置が前記命令を送信したと判定したことに応答して、前記置換メディアコンテンツを提供する再生速度を調整するステップをさらに含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記命令は、チャンネル選択ガイドにアクセスするための要求を含み、前記オーバーレイは前記チャンネル選択ガイドを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
新たなチャンネルの選択を受け取るステップと、
前記新たなチャンネルの前記選択を受け取ったことに応答してチャンネル変更動作を実行するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記チャンネル変更動作を実行するステップは、置換メディアコンテンツを表示のために提供することから、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示のために提供することに切り替えるステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記切り替えるステップは、前記置換メディアコンテンツを黒色にフェードさせ、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを黒色からフェードインさせるステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記領域の透明度を変更するステップは、前記領域に不透明マスクを適用するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記再生装置はテレビを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記置換メディアコンテンツは広告である、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサによって実行された時に一連の動作の実行を生じさせるプログラム命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記一連の動作は、
再生装置が命令をリモコン装置
から受け取ることと、
オーバーレイ及び前記再生装置のディスプレイ内のそれぞれの領域に命令をマッピングする相関データを使用して、前記再生装置が
、置換メディアコンテンツを表示している間の前記再生装置の動作に対する変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイと、前記再生装置が表示のために前記オーバーレイを提供するように構成されている、前記再生装置の前記ディスプレイ内の対応する領域とを
前記命令に基づいて決定することと、
前記再生装置が
置換メディアコンテンツを表示した時に
、前記置換メディアコンテンツを通して前記オーバーレイ
を表示するために前記領域の透明度を変更することと、
を含む、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
前記命令は、前記置換メディアコンテンツの再生の変更を生じさせるように構成された命令を含む、
請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記命令は音量調整を含み、前記オーバーレイは音量調整グラフィックを含む、
請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
前記命令は再生速度調整を含み、前記オーバーレイは再生速度グラフィックを含む、
請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
前記一連の動作は、前記リモコン装置が前記命令を送信したと判定したことに応答して、前記置換メディアコンテンツを提供する再生速度を調整することをさらに含む、
請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項19】
前記命令は、チャンネル選択ガイドにアクセスするための要求を含み、前記オーバーレイは前記チャンネル選択ガイドを含む、
請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
一連の動作を実行するように構成されたコンピュータシステムであって、前記一連の動作は、
再生装置が命令をリモコン装置
から受け取ることと、
オーバーレイ及び前記再生装置のディスプレイ内のそれぞれの領域に命令をマッピングする相関データを使用して、前記再生装置が
、置換メディアコンテンツを表示している間の前記再生装置の動作に対する変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイと、前記再生装置が表示のために前記オーバーレイを提供するように構成されている、前記再生装置の前記ディスプレイ内の対応する領域とを
前記命令に基づいて決定することと、
前記再生装置が
置換メディアコンテンツを表示した時に
、前記置換メディアコンテンツを通して前記オーバーレイ
を表示するために前記領域の透明度を変更することと、
を含む、ことを特徴とするコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年11月16日に出願された米国特許出願第16/181,961号及び2018年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/698,781号に対する優先権を主張するものであり、これらの各文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔慣用法及び用語〕
本開示では、別途指定していない限り、及び/又は特定の文脈によって明らかに別様に決定付けられない限り、「a又はan(英文不定冠詞)」という用語は少なくとも1つを意味し、「the(英文定冠詞)」という用語も少なくとも1つを意味する。
【0003】
本開示では、「接続機構」という用語は、2又は3以上のコンポーネント、装置、システム又はその他のエンティティ間の通信を容易にする機構を意味する。接続機構は、ケーブル又はシステムバスなどの比較的単純な機構、又はパケットベースの通信ネットワーク(例えば、インターネット)などの比較的複雑な機構とすることができる。いくつかの例では、(例えば、接続が無線である場合には)接続機構が無形媒体を含むこともできる。
【0004】
本開示では、「コンピュータシステム」という用語は、少なくとも1つのコンピュータ装置を含むシステムを意味する。いくつかの例では、コンピュータシステムが1又は2以上の他のコンピュータシステムを含むこともできる。
【背景技術】
【0005】
今後数年間のうちに、メディアコンテンツ内の広告をターゲット広告に置き換えることがますます重要な広告手法になると予想される。一例として、動的広告挿入(DAI:dynamic advertisement insertion)システムでは、コンテンツプロバイダが、ライブコンテンツ又は録画コンテンツなどの一連のメディアコンテンツに割り込むコマーシャル時間(advertisement breaks)に一般広告(generic advertisements)を挿入することができる。各コマーシャル時間は、所定の順序で配置された広告の組を含むことができる。さらに、これらの広告のうちの特定の1つをターゲット広告などの置換メディアコンテンツに置き換えられるように指定又は動的に選択することもできる。
【0006】
この構成では、再生装置が、特定の広告を表示する前に置換メディアコンテンツを取得して、この特定の広告の代わりに置換メディアコンテンツを表示のために提供することができる。例えば、再生装置は、置換すべき特定の広告の直前にコンテンツを再生しており、或いはまさにコンテンツを再生しようとしていると判定したことに応答して、データベースからターゲット広告を取り出し、適切な時点で特定の広告の代わりにターゲット広告を表示のために提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、方法例を開示する。この方法は、(i)再生装置が置換メディアコンテンツを表示のために提供するステップと、(ii)再生装置が、置換メディアコンテンツを表示している間に、再生装置の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が再生装置に送信したと判定するステップと、(iii)再生装置が、命令に基づいて、再生装置が変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイを決定するステップと、(iv)再生装置が、オーバーレイに対応する再生装置のディスプレイ内の領域を決定するステップと、(v)再生装置が、オーバーレイを表示のために提供した時に置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見えるように領域の透明度を変更するステップと、を含む。
【0008】
別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体例を開示する。このコンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行された時に一連の動作を実行させるプログラム命令を記憶しており、これらの一連の動作は、(i)置換メディアコンテンツを表示のために提供するステップと、(ii)再生装置が置換メディアコンテンツを表示している間に、再生装置の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が再生装置に送信したと判定するステップと、(iii)命令に基づいて、再生装置が変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイを決定するステップと、(iv)オーバーレイに対応する再生装置のディスプレイ内の領域を決定するステップと、(v)再生装置がオーバーレイを表示のために提供した時に置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見えるように、領域の透明度を変更するステップと、を含む。
【0009】
別の態様では、コンピュータシステム例を開示する。このコンピュータシステムは、一連の動作を実行するように構成され、これらの一連の動作は、(i)置換メディアコンテンツを表示のために提供するステップと、(ii)再生装置が置換メディアコンテンツを表示している間に、再生装置の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が再生装置に送信したと判定するステップと、(iii)命令に基づいて、再生装置が変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイを決定するステップと、(iv)オーバーレイに対応する再生装置のディスプレイ内の領域を決定するステップと、(v)再生装置がオーバーレイを表示のために提供した時に置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見えるように、領域の透明度を変更するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】コンピュータ装置例の簡略的ブロック図である。
【
図2】動的広告挿入(DAI)システム例の簡略的ブロック図である。
【
図3】ある実施形態例による、基準フィンガープリント生成器、クエリフィンガープリント生成器及びビデオ識別システムのコンポーネントを示す簡略的ブロック図である。
【
図4】ある実施形態例による、再生装置及び置換コンテンツサーバのコンポーネントを示す簡略的ブロック図である。
【
図5】ある実施形態例による、オーバーレイを示す表示図である。
【
図6】ある実施形態例による、オーバーレイを示す別の表示図である。
【
図7】ある実施形態例による、オーバーレイを示すさらに別の表示図である。
【
図9】
図8に示す方法と併せて実行できる追加動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.概要
視聴者がリモコン装置を使用して再生装置の動作を変更すると、再生装置は、ユーザにオーバーレイの形でフィードバックを提供することができる。例えば、視聴者がリモコン装置を使用してメニューへのアクセス、ウィジェットへのアクセス、音量レベルの変更又はメディアコンテンツの再生速度の変更を行うと、再生装置は、現在再生装置上に表示されているメディアコンテンツの上にグラフィックを表示するように構成することができる。グラフィック及びその位置は、特定の変更に応じて異なることができる。
【0012】
いくつかのDAIシステムでは、再生装置が置換メディアコンテンツを表示している時に視聴者がリモコン装置を使用して再生装置の動作を変更すると、再生装置が所望の変更に対応するオーバーレイを提供できない場合がある。例えば、再生装置は、メディアファイルを再生するように構成されたメディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示する場合、置換メディアコンテンツが表示されている間にオーバーレイを表示できないことがある。これによって視聴者のユーザ体験が低下し、又は妨げられてしまうことがある。例えば、視聴者は、リモコン装置が送信した命令を再生装置が受け取ったかどうかを確信できないことがある。
【0013】
本明細書では、この問題及び潜在的にその他の問題に対処するための方法及びシステムを開示する。ある方法例では、再生装置が置換メディアコンテンツを表示のために提供することができる。その後、再生装置は、置換メディアコンテンツを表示している間に、再生装置の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定することができる。再生装置は、この命令に基づいて、この変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイを決定することができる。さらに、再生装置は、このオーバーレイに対応する再生装置のディスプレイ内の領域を決定して、この領域の透明度を変更することができる。このようにすると、再生装置がオーバーレイを表示のために提供している時に置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見え、まるで置換メディアコンテンツ上にオーバーレイが存在しているかのように見せることができる。
【0014】
II.アーキテクチャ例
A.コンピュータ装置
図1は、コンピュータ装置例100の簡略的ブロック図である。コンピュータ装置100は、本開示において説明するような様々な動作及び/又は機能を実行することができる。コンピュータ装置100は、プロセッサ102、データストレージユニット104、通信インターフェイス106及び/又はユーザインターフェイス108などの様々なコンポーネントを含むことができる。これらのコンポーネントは、接続機構110を介して互いに(或いは別の装置、システム又はその他のエンティティに)接続することができる。
【0015】
プロセッサ102は、汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)及び/又は専用プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP))を含むことができる。
【0016】
データストレージユニット104は、磁気ストレージ、光学ストレージ又はフラッシュストレージなどの1又は2以上の揮発性、不揮発性、取り外し可能及び/又は取り外し不可能な記憶要素を含むことができ、及び/又は全体的又は部分的にプロセッサ102と一体化することができる。さらに、データストレージユニット104は、プロセッサ102によって実行された時に本開示において説明するような1又は2以上の動作及び/又は機能をコンピュータ装置100に実行させるプログラム命令(例えば、コンパイラ型又は非コンパイラ型プログラムロジック及び/又は機械コード)を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体の形態を取ることができる。従って、コンピュータ装置100は、本開示において説明するような1又は2以上の動作及び/又は機能を実行するように構成することができる。このようなプログラム命令は、離散的ソフトウェアアプリケーション(discrete software application)を定め、及び/又はこのような離散的ソフトウェアアプリケーションの一部とすることができる。いくつかの例では、コンピュータ装置100が、通信インターフェイス106及び/又はユーザインターフェイス108などから入力を受け取ったことに応答してプログラム命令を実行することができる。データストレージユニット104は、本開示において説明するタイプなどの他のタイプのデータを記憶することもできる。
【0017】
通信インターフェイス106は、コンピュータ装置100が1又は2以上のプロトコルに従って別のエンティティと接続及び/又は通信することを可能にすることができる。1つの例では、通信インターフェイス106を、イーサネットインターフェイス又は高解像度シリアルデジタルインターフェイス(HD-SDI)などの有線インターフェイスとすることができる。別の例では、通信インターフェイス106を、セルラ又はWI-FIインターフェイスなどの無線インターフェイスとすることができる。本開示では、接続を直接的接続とすることも、或いはルータ、スイッチャ又はその他のネットワーク装置などの1又は2以上のエンティティを通過及び/又は横断する接続である間接的接続とすることもできる。同様に、本開示では、送信を直接送信又は間接送信とすることができる。
【0018】
ユーザインターフェイス108は、妥当な場合にコンピュータ装置100とコンピュータ装置100のユーザとの間の相互作用を容易にすることができる。従って、ユーザインターフェイス108は、キーボード、キーパッド、マウス、タッチセンサ式パネル、マイク及び/又はカメラなどの入力要素、及び/又は(例えば、タッチセンサ式パネルと組み合わせることができる)ディスプレイ装置、サウンドスピーカ及び/又は触覚フィードバックシステムなどの出力要素を含むことができる。より一般的に言えば、ユーザインターフェイス108は、コンピュータ装置100とコンピュータ装置100のユーザとの間の相互作用を容易にするハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを含むことができる。
【0019】
コンピュータ装置100は、ワークステーション端末、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話機又はテレビなどの様々な形態を取ることができる。
【0020】
B.動的広告挿入(DAI)システム
図2は、DAIシステム例200の簡略的ブロック図である。DAIシステム200は、メディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ及び/又はビデオコンテンツ)の配信及び/又は提示に関連する様々な動作及び/又は機能を実行することができ、コンピュータシステムとして実装することができる。
【0021】
DAIシステム200は、視聴ステーション(watching station)210、コンテンツソース220、セットトップボックス230、再生装置240、ビデオ識別システム250及び置換コンテンツサーバ260などの様々なコンポーネントを含むことができ、これらはそれぞれコンピュータシステムとして実装することができる。視聴ステーション210は、放送局、ウェブサーバ又はケーブルテレビ(TV)局などのコンテンツソース220からビデオ及びその他のマルチメディアコンテンツを受け取ることができる。例えば、コンテンツソース220は、テレビチャンネルを介して視聴ステーション210にメディアをストリーミング又は送信するTV局又はTVネットワークなどの放送局、及び/又はネットワーク270を介して視聴ステーション210にメディアをストリーミング又は送信するウェブサイトなどのウェブサービスとすることができる。視聴ステーション210は、コンテンツソース220から受け取ったビデオコンテンツの基準フィンガープリントを生成する基準フィンガープリント生成器212を含む。
【0022】
セットトップボックス230は、放送チャンネル及び/又はネットワーク270などを介してコンテンツソース220からビデオ及びその他のマルチメディアコンテンツを受け取ることができる。セットトップボックス230は、コンテンツを再生装置240に送る前に、受け取ったコンテンツを変更することができる。セットトップボックス230は、ビデオコンテンツの入力ストリームを受け取り、入力ストリームを処理することによってビデオコンテンツの出力ストリームを生成するように構成されたチューナを含むことができる。セットトップボックス230は、多チャンネル映像番組配信事業者が利用する地上波放送、ケーブル及び/又は衛星放送ネットワークなどのビデオコンテンツ配信ネットワークを介してビデオコンテンツにアクセスできるように、チューナ、デコーダ及びその他のハードウェア及び/又はソフトウェアを備えた装置とすることができる。これに加えて、又はこれに替えて、セットトップボックス230は、インターネットビデオストリーミングサービスにアクセスする装置が使用するワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)を通じてビデオコンテンツにアクセスできるように、ネットワークアダプタ、デコーダ及びその他のハードウェア及び/又はソフトウェアを備えた装置とすることもできる。セットトップボックス230は、再生装置240のディスプレイがユーザにビデオコンテンツを提示するために使用できる信号(例えば、デジタル又はアナログ信号)を出力することができる。
【0023】
再生装置240は、ビデオ及び/又はその他のマルチメディアコンテンツのストリームを受け取って提示できるいずれかの装置(例えば、TV、ラップトップ又はその他のパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット又はその他のモバイル装置、或いはゲーム機)である。再生装置240は、処理済みのビデオコンテンツストリームを表示するように構成されたディスプレイ又はその他のユーザインターフェイスを含む。ディスプレイは、フラットパネルスクリーン、プラズマスクリーン、発光ダイオード(LED)スクリーン、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)又はプロジェクタとすることができる。再生装置240は、無線放送チャンネルを介してビデオを受け取るように構成されたアンテナを含むこともできる。
【0024】
ネットワーク270は、有線ネットワーク及び/又は無線ネットワーク(例えば、モバイルネットワーク)などの、装置間の通信を可能にするいずれかのネットワークとすることができる。ネットワーク270は、プライベートネットワーク(例えば、ケーブルテレビネットワーク又は衛星テレビネットワーク)又はパブリックネットワーク(例えば、無線放送チャンネル又はインターネット)を構成する1又は2以上の部分を含むことができる。
【0025】
ビデオ識別システム250は、ネットワーク270を介して視聴ステーション210及び再生装置240と通信することができる。ビデオ識別システムは、ビデオコンテンツを識別するために、再生装置240のクエリフィンガープリント生成器242がビデオコンテンツから生成したクエリフィンガープリントを受け取り、視聴ステーション210の基準フィンガープリント生成器212が生成した既知のフィンガープリントのインデックスに問い合わせることができる。クエリフィンガープリントは、ビデオコンテンツ内のフレーム又はフレームブロックのフィンガープリントとすることができる。ビデオ識別システムは、クエリフィンガープリントと1又は2以上の基準フィンガープリントとを照合することによってビデオコンテンツを識別することができる。
【0026】
ビデオ識別システム250は、ビデオコンテンツを識別すると、ビデオコンテンツに関連する置換メディアコンテンツ(例えば、代替番組又は代替コマーシャル)の識別子を再生装置240に戻すことができる。置換メディアコンテンツは、置換コンテンツサーバ260に記憶することができる。再生装置240は、識別子を使用して置換コンテンツサーバ260からの置換メディアコンテンツにアクセスして置換メディアコンテンツを表示のために提供することができる。
【0027】
図2に示す装置のいずれかには、モジュール、システム及び/又は生成器のいずれかを配置することができる。例えば、ビデオ識別システム250は、クエリフィンガープリント生成器242を含むことができる。この構成では、ビデオ識別システムが再生装置240からビデオコンテンツのフレームを受け取り、このビデオコンテンツのフレームを使用してクエリフィンガープリントを生成することができる。別の例として、セットトップボックス230及び再生装置240を単一の装置内に統合することもできる。他の変形例も可能である。
【0028】
図3は、基準フィンガープリント生成器212、クエリフィンガープリント生成器242及びビデオ識別システム250のコンポーネントを示す簡略的ブロック図である。
図3に示すように、クエリフィンガープリント生成器242は、(例えば、バス、共有メモリ又はスイッチを介して)互いに通信するように構成されたパッチ選択モジュール244及び値計算モジュール246を含む。さらに、ビデオ識別システム250は、インデックスモジュール252、フィンガープリント照合モジュール254及び識別モジュール256を含み、これらは全て互いに通信するように構成される。さらに、基準フィンガープリント生成器212は、互いに通信するように構成されたパッチ選択モジュール214及び値計算モジュール216を含む。
【0029】
図3に示すモジュールのうちの1つ又は2つ以上は、ハードウェア(例えば、機械のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC))、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実装することができる。さらに、
図3に示すモジュールのうちのいずれか2つ又は3つ以上を単一モジュールに組み合わせ、本明細書で説明する単一モジュールの機能を複数のモジュール間で細分割することもできる。
【0030】
上記の説明によれば、クエリフィンガープリント生成器242及び基準フィンガープリント生成器212は、ビデオコンテンツの1又は2以上のフレームのクエリフィンガープリントを生成するように構成することができる。例えば、クエリフィンガープリント生成器242及び基準フィンガープリント生成器212は、ビデオコンテンツ内の1又は2以上のフレームのパッチ(patches)の値を計算することができる。パッチは、フレーム内の異なる位置に存在することができる。クエリフィンガープリント生成器242及び基準フィンガープリント生成器212は、複数のフレームからのクエリフィンガープリントを組み合わせてビデオコンテンツのフレームブロックのクエリフィンガープリントを生成するように構成することができる。
【0031】
一例として、クエリフィンガープリント生成器242のパッチ選択モジュール244は、ビデオコンテンツ内の1又は複数のフレームの1又は2以上の領域に関連するパッチなどのビデオコンテンツの複数のパッチを選択するように構成することができる。同様に、基準フィンガープリント生成器212のパッチ選択モジュール210は、ビデオコンテンツ内の1又は複数のフレームの1又は2以上の領域に関連するパッチなどのビデオコンテンツの複数のパッチを選択するように構成することができる。
【0032】
パッチは、フレームを2×2グリッド、4×3グリッド又は4×4グリッドなどのグリッドに分割し、このグリッドに基づいてパッチを選択することによって定めることができる。例えば、フレームの象限(quadrants)に対応する4つの大パッチと、各象限のサブ象限(sub-quadrants)に対応する4つの小パッチ(すなわち、合計16個の小パッチ)とを含む20個のパッチを選択することができる。いくつかの例では、パッチが重なり合うこともできる。さらに、パッチは、フレーム全体未満に累積的に広がることもできる。
【0033】
クエリフィンガープリント生成器242の値計算モジュール246は、例えば積分画像法(integral image technique)を使用して、選択された複数のパッチの各々の値を計算するように構成することができる。積分画像法は、画素グループの値の総和を生成するエリア総和テーブル(summed area table)又はその他のデータ構造を使用して値を計算することができる。同様に、基準フィンガープリント生成器212の値計算モジュール216も、例えば積分画像法を使用して、選択された複数のパッチの各々の値を計算するように構成することができる。
【0034】
いくつかの例では、値計算モジュール246及び値計算モジュール216が、パッチを含む画素グループの値を合計し、画素グループの値を平均し、又は画素グループの中央値を求めることによってパッチの値を計算することができる。これに加えて、又はこれに替えて、値計算モジュール246及び値計算モジュール216は、画素グループの値間の差分を計算し、又は画素グループの値の線形結合を計算することによってパッチの値を計算することもできる。
【0035】
ビデオ識別システム250のインデックスモジュール252は、クエリフィンガープリントに一致する可能性のある基準フィンガープリントを識別するために、視聴ステーション210又はビデオ識別システム250に記憶された既知のフィンガープリントのデータベースなどの、ビデオコンテンツの既知の基準フィンガープリントのデータベースに問い合わせを行うように構成することができる。インデックスモジュール252は、既知の基準フィンガープリントの量子化されたパッチ値のインデックスに問い合わせるように構成することができる。
【0036】
ビデオ識別システムのフィンガープリント照合モジュール254は、クエリフィンガープリントを1又は2以上の既知の基準フィンガープリントと比較して、クエリフィンガープリントが少なくとも1つの既知の基準フィンガープリントに一致すると判定するように構成することができる。例えば、フィンガープリント照合モジュール254は、クエリフィンガープリントと少なくとも1つの既知の基準フィンガープリントとの間の類似性が所定の閾値を満たすと判定することによって、クエリフィンガープリントが少なくとも1つの既知の基準フィンガープリントに一致すると判定することができる。所定の閾値は、谷本距離測定値、マンハッタン距離測定値、又はその他の距離測定値に関連することができる。これに加えて、又はこれに替えて、フィンガープリント照合モジュール254は、ユークリッド法、コサイン法、KLダイバージェンス法及び/又は板倉照合法などの他の照合法を使用することもできる。
【0037】
さらに、識別モジュール256は、クエリフィンガープリントが少なくとも1つの基準フィンガープリントに一致するとの判定に基づいてビデオコンテンツを識別するように構成することができる。例えば、識別モジュール256は、ビデオコンテンツの名称又はタイトル、再生装置240が現在提示しているビデオコンテンツ内の位置、及び/又はビデオコンテンツを提供しているチャンネル又は放送局を識別することができる。
【0038】
図4は、再生装置240及び置換メディアサーバ260のコンポーネントを示す簡略的ブロック図である。
図4に示すように、再生装置240は、クエリフィンガープリント生成器242に加えてビデオオーバーレイモジュール248を含む。さらに、置換コンテンツサーバ260は、ビデオ提供モジュール262及びテンプレート提供モジュール264を含む。
【0039】
ビデオ提供モジュール262は、再生装置240に置換メディアコンテンツを提供することができる。例えば、ビデオ識別システム250は、再生装置が表示のために提供しているビデオコンテンツを識別することができ、ビデオ提供モジュール262は、識別されたビデオコンテンツに基づいて、ビデオコンテンツに対応する置換メディアコンテンツを再生装置240に提供することができる。
【0040】
再生装置240は、ネットワーク通信インターフェイスを介して置換メディアコンテンツを受け取ることができる。例えば、置換メディアコンテンツは、インターネットを介して再生装置240にストリーミングされた後に、再生装置240のローカルキャッシュに記憶することができる。再生装置240は、置換メディアコンテンツを一連のメディアコンテンツに挿入するトリガを受け取ると、ローカルキャッシュから置換メディアコンテンツを取り出し、メディアファイルを表示するように構成されたメディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示のために提供することができる。
【0041】
いくつかの例では、置換メディアコンテンツを表示のために提供することが、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを提供することから、再生装置240のデータベースに記憶された置換メディアコンテンツを提供することに切り替えることを含むことができる。再生装置240は、フレームバッファを含むシステムオンチップを含むことができる。再生装置240のメディアプレーヤは、置換メディアコンテンツを表示のために提供するために、置換メディアコンテンツをフレームバッファに挿入することができる。システムオンチップは、置換メディアコンテンツをフレームバッファに挿入する前に、異なる情報源(例えば、無線アンテナ)から受け取られたメディアコンテンツをフレームバッファに挿入しておくことができる。
【0042】
置換メディアコンテンツは、一般広告の代わりとすべきターゲット広告を含むことができる。例えば、ターゲット広告は地方広告とすることができ、一般広告は全国広告とすることができる。別の例として、ターゲット広告は、再生装置240のユーザの人口統計データに基づいて選択された広告とすることもできる。
【0043】
いくつかの例では、再生装置240を、メディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示のために提供している間にリモコン命令を検出して、まるで異なる入力/情報源からのメディアコンテンツを表示しているかのようにリモコン命令に応答するように構成することができる。例えば、再生装置240は、メディアプレーヤが置換メディアコンテンツを提供している時にはいつでもリモコン命令を検出し、メディアプレーヤが置換メディアコンテンツを提供する前の応答方法と同じ方法でリモコン命令に応答するように構成することができる。
【0044】
特定の例として、再生装置240は、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示している最初の状態からメディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを提供する状態に切り替える場合、置換メディアコンテンツの表示中にリモコン装置から命令が与えられたと判定すると、無線アンテナから受け取ったメディアコンテンツの表示中における応答方法と同じ方法でこの命令に応答することができる。再生装置240は、この構成によって、置換メディアコンテンツが提供されている間に、この置換メディアコンテンツを通して無線アンテナ情報源に関連するグラフィックを表示することができる。
【0045】
ビデオオーバーレイモジュール248は、再生装置が置換メディアコンテンツを提供している間にオーバーレイが見えるようにする様々な動作を実行するように構成することができる。一例として、再生装置240がメディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示している間に、ビデオオーバーレイモジュール248は、再生装置240の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定し、この変更と共に再生装置240が提供するように構成されているオーバーレイを決定し、置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見えるように置換メディアコンテンツの提示を変更することができる。
【0046】
再生装置240は、赤外線受信機を含むことができる。従って、再生装置240の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定する再生装置240の動作は、再生装置240がその赤外線受信機を介して命令を受け取り、受け取った命令の特性を基準命令の特性と照合し、この照合に基づいて、再生装置240の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定することを含むことができる。他の例では、再生装置240が、赤外線ベースのインターフェイスに関連して、ただしRFベースのインターフェイスなどの別のタイプのインターフェイスに関連して、上述した動作と同様の動作を実行することができる。これに加えて、又はこれに替えて、再生装置240が無線通信モジュールを含み、リモコン装置がBluetooth(登録商標)又はWiFiなどの無線通信プロトコルに従って無線で再生装置240に命令を送信することもできる。従って、再生装置240の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定する再生装置240の動作は、無線通信モジュールを介して無線通信メッセージを受け取り、この無線通信メッセージ内の内容に基づいて命令を判定することを含むことができる。
【0047】
再生装置240の動作を変更する命令は音量調整(例えば、再生装置240の音量を増加又は低下させる命令)とすることができ、オーバーレイは音量調整グラフィックとすることができる。或いは、この命令は再生速度調整(例えば、置換メディアコンテンツを一時停止、巻き戻し又は早送りする命令)とすることができ、オーバーレイは再生速度グラフィックとすることができる。さらに、この命令はチャンネル選択ガイドにアクセスするための要求とすることができ、オーバーレイはチャンネル選択ガイドとすることができる。同様に、この命令は再生装置240のメニューにアクセスする命令、又は表示情報(例えば、時間、日付、チャンネル識別子、コンテンツ識別子など)にアクセスする命令とすることができ、オーバーレイはメニューグラフィック又は表示情報グラフィックとすることができる。
【0048】
再生装置240は、(i)再生装置240の動作を変更する命令を(ii)オーバーレイにマッピングする相関データを記憶することができる。この相関データ(又は再生装置240によって記憶される他のデータ)は、再生装置240がオーバーレイを提供するように構成された再生装置240のディスプレイ内のそれぞれの領域を示すこともできる。
【0049】
ビデオオーバーレイモジュール248は、再生装置240の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が送信したと判定すると、相関データを使用してこの命令をオーバーレイにマッピングすることができる。ビデオオーバーレイモジュール248は、相関データを使用して、再生装置240がオーバーレイを表示のために提供するように構成されている、再生装置240のディスプレイ内の領域を決定することもできる。
【0050】
実際に、異なるメーカーによって製造された異なる再生装置などの異なる再生装置は、異なるオーバーレイを提供するように構成されている可能性がある。同様に、単一メーカーによって製造された異なるモデルの再生装置も、異なるオーバーレイを提供するように構成されている可能性がある。テンプレート提供モジュール264は、異なるそれぞれの再生装置の相関データを記憶することができる。テンプレート提供モジュール264は、要求時に又は別の時点で、再生装置240に対応する相関データを再生装置240に提供することができる。例えば、再生装置240は、再生装置240の識別子を含む要求をテンプレート提供モジュール264に送ることができ、テンプレート提供モジュール264は、再生装置240に相関データを提供することによってこの要求に応答することができる。
【0051】
ビデオオーバーレイモジュール248は、オーバーレイに対応する領域を決定した後に、この領域の透明度を変更することができる。ビデオオーバーレイモジュール248は、この領域に不透明マスクを適用することによって領域の透明度を変更することができる。不透明マスクは、メディアプレーヤによって提示される置換メディアコンテンツの透明度を変更すべき再生装置240のディスプレイ部分を示すデータを含むことができる。例えば、不透明マスクは、画素を透明にすべきであるか、それとも不透明にすべきであるかを画素毎に示す1ビット透明度マスクを含むことができる。
【0052】
再生装置240がメディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示のために提供する場合、メディアプレーヤは、無線アンテナを介して受け取られたメディアコンテンツなどの他のメディアコンテンツが表示のために提供される別の層の上のメディアプレーヤ層に置換メディアコンテンツを提示することができる。ディスプレイ内の領域に不透明マスクを適用すると、同じ領域内の、ただし置換メディアコンテンツの下位層に提供されるコンテンツを見えるようにすることができる。換言すれば、領域に不透明マスクを適用すると、再生装置240が表示のために提供するグラフィックを見えるようにすることができる。従って、(i)再生装置240が、音量調整グラフィック、メニュー又は再生速度グラフィックなどのオーバーレイを提供し、(ii)ビデオオーバーレイモジュール248が、再生装置240がオーバーレイを提供する領域に不透明マスクを適用した場合、再生装置のディスプレイ上で置換メディアコンテンツを通してオーバーレイを見ることができる。ディスプレイ全体ではなくディスプレイ内のある領域に不透明マスクを適用すると、置換メディアの第1の領域が他のメディアコンテンツ上に表示されてこれを覆い隠すと同時に、置換メディアコンテンツの第2の領域を通して命令に対応するグラフィックが見えるようにすることができて有利である。
【0053】
いくつかの例では、再生装置240が、新たなチャンネルの選択を受け取ることができる。例えば、再生装置240が置換メディアコンテンツを提示している間、ユーザは、リモコン装置を使用して新たなチャンネルの選択を行うことができる。再生装置240は、新たなチャンネルの選択を受け取ったことに応答してチャンネル変更動作を実行することができる。チャンネル変更動作を実行することは、置換メディアコンテンツを表示のために提供することから、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示のために提供することに切り替えることを含むことができる。
【0054】
ビデオオーバーレイモジュール248は、メディアプレーヤを使用して置換メディアコンテンツを表示のために提供することから、新たなチャンネルを介して受け取られたメディアコンテンツを提供することへの遷移を円滑にするために、様々な動作を実行することができる。例えば、ビデオオーバーレイモジュール248は、一定期間(例えば、0.5秒)にわたって置換メディアコンテンツを黒色にフェードさせた後に、選択されたチャンネル上で無線アンテナを介して受け取られたメディアコンテンツを一定期間(例えば、0.5秒)にわたって黒色からフェードインさせることができる。このようにして、再生装置240は、置換メディアコンテンツを表示のために提供している間にユーザがチャンネルを変更した場合、置換メディアコンテンツの表示を中止させて、選択されたチャンネルを介して受け取られた他のメディアコンテンツの表示のための提供に遷移することができる。
【0055】
II.動作例
図5は、オーバーレイを示す表示
図500である。
図5に示すように、表示
図500は、第1の表示領域510及び第2の表示領域520を含む。再生装置240は、第1の表示領域510内に置換メディアコンテンツを表示のために提供している間に音量調整のための命令を受け取ることができる。ビデオオーバーレイモジュール248は、この命令を受け取ったことに基づいて、第2の表示領域520に不透明マスクを適用することができる。第2の表示領域520に不透明マスクを適用すると、メディアプレーヤ層の下位層に提供される音量調整グラフィックがメディアプレーヤ層を通して見えるようになる。従って、再生装置240が表示のために音量調整グラフィックを提供するとき、その代わりに再生装置240が無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示のために提示していた場合に音量調整グラフィックが現れる方法を模倣して、第2の表示領域520内に音量調整グラフィックが見えるようになる。
【0056】
図6は、オーバーレイを示す別の表示
図600である。
図6に示すように、表示
図600は、第1の表示領域610及び第2の表示領域620を含む。再生装置240は、第1の表示領域610内に置換メディアコンテンツを表示のために提供している間に再生速度調整のための命令を受け取ることができる。ビデオオーバーレイモジュール248は、この命令を受け取ったことに基づいて、第2の表示領域620に不透明マスクを適用することができる。第2の表示領域620に不透明マスクを適用すると、メディアプレーヤ層の下位層に提供される再生速度グラフィックがメディアプレーヤ層を通して見えるようになる。従って、再生装置240が表示のために再生速度グラフィックを提供するとき、その代わりに再生装置240が無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示のために提示していた場合に再生速度グラフィックが現れる方法を模倣して、第2の表示領域620内に再生速度グラフィックが見えるようになる。
【0057】
図7は、オーバーレイを示すさらに別の表示
図700である。
図7に示すように、表示
図700は、第1の表示領域710及び第2の表示領域720を含む。再生装置240は、第1の表示領域710内に置換メディアコンテンツを表示のために提供している間にチャンネル選択ガイドにアクセスするための命令を受け取ることができる。ビデオオーバーレイモジュール248は、この命令を受け取ったことに基づいて、第2の表示領域720に不透明マスクを適用することができる。第2の表示領域720に不透明マスクを適用すると、メディアプレーヤ層の下位層に提供されるチャンネル選択ガイドがメディアプレーヤ層を通して見えるようになる。従って、再生装置240が表示のためにチャンネル選択ガイドを提示するとき、その代わりに再生装置240が無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを表示のために提示していた場合にチャンネル選択ガイドが現れる方法を模倣して、第2の表示領域720内チャンネル選択ガイドが見えるようになる。
【0058】
図8は、方法例800のフローチャートである。方法800は、再生装置240などの、又はより一般的にはコンピュータシステムなどの再生装置が実行することができる。ブロック802において、方法800は、再生装置が置換メディアコンテンツを表示のために提供するステップを含む。ブロック804において、方法800は、再生装置が、置換メディアコンテンツを表示のために提供している間に、再生装置の動作の変更を生じさせるように構成された命令をリモコン装置が再生装置に送信したと判定するステップを含む。ブロック806において、方法800は、再生装置が、この命令に基づいて、この変更と共に表示のために提供するように構成されているオーバーレイを決定するステップを含む。ブロック808において、方法800は、再生装置が、オーバーレイに対応する再生装置のディスプレイ内の領域を決定するステップを含む。ブロック810において、方法800は、再生装置が、置換メディアコンテンツを通してオーバーレイが見えるように領域の透明度を変更するステップを含む。
【0059】
図9は、
図8に示す方法と併せて実行できる追加動作を示すフローチャートである。これらの追加動作は、例えば
図8のブロック810の後に実行することができる。或いは、これらの追加動作は、ブロック806、808及び810の代わりに実行することもできる。ブロック902は、新たなチャンネルの選択を受け取るステップを含む。ブロック904は、置換メディアコンテンツを黒色にフェードさせるステップを含む。ブロック906は、無線アンテナを介して受け取ったメディアコンテンツを黒色からフェードインさせるステップを含む。
【0060】
IV.変形例
本開示において説明した動作及び/又は機能のいくつかは、特定のエンティティが実行するものとして説明したが、本開示において説明したエンティティなどのあらゆるエンティティが実行することができる。さらに、これらの動作及び/又は機能は特定の順序で記載しているが、記載した順序で実行する必要はない。しかしながら、いくつかの例では、これらの動作及び/又は機能を記載した順序で実行することが望ましい場合もある。さらに、各動作及び/又は機能は、他の動作及び/又は機能のうちの1つ又は2つ以上に応答して実行することができる。また、本開示に示す利点のうちの1つ又は2つ以上を達成するためにこれらの動作及び/又は機能を全て実行する必要はなく、従って全ての動作及び/又は機能が必要であるとは限らない。
【0061】
本開示の1又は2以上の実施例に関連していくつかの変形例を説明したが、これらの変形例は、本開示の他の全ての実施例に適用することもできる。
【0062】
本開示の選択例について説明したが、当業者にはこれらの例の変更及び置換が明らかであろう。以下の特許請求の範囲に記載する本発明の幅広い態様では、本発明から逸脱することなく他の修正、代用及び/又は変更も可能である。