(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】運転者の自動特定
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230526BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20230526BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230526BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
G06Q50/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022007474
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2017565299の分割
【原出願日】2016-06-24
【審査請求日】2022-02-21
(32)【優先日】2015-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519085888
【氏名又は名称】アリティ インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【氏名又は名称】市川 朗子
(74)【代理人】
【識別番号】100192337
【氏名又は名称】福本 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100206092
【氏名又は名称】金 佳恵
(72)【発明者】
【氏名】ビーマー、エドワード、エイ.
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-222167(JP,A)
【文献】特開2015-094727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/30
G08G 1/00
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動きデータ解析コンピューティング機器において、トレーニング期間中に、ユーザ入力に応じて、動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションを起動する工程と、
前記トレーニング期間中にトレーニングデータに基づいて、1つ以上の所定の運転パターンを確立する工程と、
前記トレーニング期間が終了した後に、前記動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションをバックグラウンドアプリケーションに切り替え、前記動きデータ解析コンピューティング機器に自動的に、以下の工程を実行させる工程と、を含む方法であって、
前記以下の工程は、
前記動きデータ解析コンピューティング機器と関連付けられている動きセンサからの動きデータを受信する工程と、
前記動きデータ内の総方向転換数を決定する工程と、
前記総方向転換数と、前記動きデータ解析コンピューティング機器に関連付けられたタイミング機器によって収集された時刻データとを有する前記動きデータに基づいて、運転者の現在の運転パターンを決定する工程と、
前記現在の運転パターンと、前記1つ以上の所定の運転パターンとを比較する工程と、
前記比較する工程に基づいて、運転者を特定する工程と、
前記特定された運転者に対応する運転行動データを出力する工程と、
前記運転行動データに関連付けられた少なくとも1つの安全運転製品を有する通知を前記運転者に送信する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記動きデータに関連付けられた停車点を決定する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記停車点を決定する工程は、運転移動中に遭遇する停車標識と、運転移動中に遭遇する停止信号との少なくとも1つに基づくことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在の運転パターンを決定する工程は、前記停車点と前記総方向転換数とに基づくことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
左折回数と右折回数とを前記決定された総方向転換数から決定する工程を更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記現在の運転パターンを決定する工程は、前記左折回数と前記右折回数とに基づくことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記動きデータは、加速度データと、速度データとの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記動きデータ解析コンピューティング機器は、スマートフォンと、タブレットコンピュータと、車両ベースのコンピュータシステムとの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、を備えた装置であって、
前記コンピュータ実行可能命令が、前記プロセッサによって実行されると、
トレーニング期間中に、ユーザ入力に応じて、動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションを起動する処理と、
前記トレーニング期間中にトレーニングデータに基づいて、1つ以上の所定の運転パターンを確立する処理と、
前記トレーニング期間が終了した後に、前記動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションをバックグラウンドアプリケーションに切り替え、自動的に、以下の処理を実行する処理と、を実行し、
前記以下の処理は、
動きデータ解析コンピューティング機器と関連付けられている動きセンサからの動きデータを受信する処理と、
前記動きデータ内の総方向転換数を決定する処理と、
前記総方向転換数と、前記装置に関連付けられたタイミング機器によって収集された時刻データとを有する前記動きデータに基づいて、運転者の現在の運転パターンを決定する処理と、
前記現在の運転パターンと、前記1つ以上の所定の運転パターンとを比較する処理と、
前記比較する処理に基づいて、運転者を特定する処理と、
前記特定された運転者に対応する運転行動データを出力する処理と、
前記運転行動データに関連付けられた少なくとも1つの安全運転製品を有する通知を前記運転者に送信する処理と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
前記メモリは、更に、コンピュータ実行可能命令を記憶し、当該コンピュータ実行可能命令が、前記プロセッサによって実行されると、
前記動きデータに関連付けられた停車点を決定する処理を実行することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記停車点を決定する処理は、運転移動中に遭遇する停車標識と、運転移動中に遭遇する停止信号との少なくとも1つに基づくことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記現在の運転パターンを決定する処理は、前記停車点と前記総方向転換数とに基づくことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記メモリは、更に、コンピュータ実行可能命令を記憶し、当該コンピュータ実行可能命令が、前記プロセッサによって実行されると、
左折回数と右折回数とを前記決定された総方向転換数から決定する処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記現在の運転パターンを決定する処理は、前記左折回数と前記右折回数とに基づくことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記動きデータは、加速度データと、速度データとの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、スマートフォンと、タブレットコンピュータと、車両ベースのコンピュータシステムとの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項17】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、プロセッサによって実行されると、コンピューティング機器は、
トレーニング期間中に、ユーザ入力に応じて、動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションを起動する処理と、
前記トレーニング期間中にトレーニングデータに基づいて、1つ以上の所定の運転パターンを確立する処理と、
前記トレーニング期間が終了した後に、前記動きデータ解析ソフトウェアアプリケーションをバックグラウンドアプリケーションに切り替え、前記コンピューティング機器に自動的に、以下の処理を実行させる処理と、を実行し、
前記以下の処理は、
動きデータ解析コンピューティング機器と関連付けられている動きセンサからの動きデータを受信する処理と、
前記動きデータ内の総方向転換数を決定する処理と、
前記総方向転換数と、前記コンピューティング機器に関連付けられたタイミング機器によって収集された時刻データとを有する前記動きデータに基づいて、運転者の現在の運転パターンを決定する処理と、
前記現在の運転パターンと、前記1つ以上の所定の運転パターンとを比較する処理と、
前記比較する処理に基づいて、運転者を特定する処理と、
前記特定された運転者に対応する運転行動データを出力する処理と、
前記運転行動データに関連付けられた少なくとも1つの安全運転製品を有する通知を前記運転者に送信する処理と、を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項18】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピューティング機器は、
前記動きデータに関連付けられた停車点を決定する処理を更に実行することを特徴とする請求項17に記載の記録媒体。
【請求項19】
前記現在の運転パターンを決定する処理は、前記停車点と前記総方向転換数とに基づくことを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項20】
前記動きデータは、加速度データと、速度データとの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項17に記載の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2015年6月29日出願の米国特許出願第14/753,782号、発明の名称「AUTOMATICALLY IDENTIFYING DRIVERS」に対する優先権を主張し、この出願は、その全体が本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示の種々の態様は、一般に、運転者のIDを判定するために運転データを収集して分析するシステム及び方法に関する。具体的には、種々の態様は、センサによって収集された動きデータを受信して分析し、動きデータに基づいて運転移動を特定し運転者のIDを判定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両及び運転者と関連付けられた運転データ及び運転行動を収集して分析することができることにより、多くの貴重な用途への適用、例えば、車両及び運転者の保険、車両融資、製品安全及びマーケティング、行政及び法執行、ならびに他の産業における種々の他の用途への適用をすることが可能となる。例えば、保険会社は安全運転割引を提案することができ、金融機関は運転行動に基づいて顧客に融資インセンティブを提案することができる。法執行及び行政職員は、危険な道路または時間を特定するために運転データを収集して分析し、交通違反及び他の危険な運転行動を検出することができる。他の場合では、運転データは、とりわけ、ナビゲーション用途、車両追跡及び監視用途、ならびに車両保守用途、製品販売、及びターゲティング広告用途に使用してもよい。
【0004】
搭載診断(OBD)システム及びテレマティック機器等の車両ベースのコンピュータシステムは、自動車に使用されてもよく、種々の動きデータを収集することが可能である。例えば、OBDシステムは、エンジンRPM、排出ガス制御、車速、スロットル位置、加速及びブレーキング速度、運転者制御の使用等、車両システムに関する多種の情報を監視するために、車両の搭載コンピュータ及びセンサから情報を受信することができる。このような情報は、テレマティック機器を介して収集することもできる。しかし、単一の車両が複数の異なる運転者によって使用される場合があり、逆に、単一の運転者が複数の異なる車両を運転する場合もある。したがって、収集された動きデータに基づいて、その動きデータと関連付けられた人物が車両の運転者であるかを判定する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を以下に提示する。当該概要は、本開示の広範な全体像ではない。本開示の主要または重要な要素を特定することも、本開示の範囲を規定することも意図されていない。以下の概要は、単に本開示のいくつかの概念を、以下の記載の導入として簡略化された形式で提示する。
【0006】
本開示の態様は、動きデータを受信して分析し、動きデータに基づいて運転パターン及び運転者を特定するシステム、装置、コンピュータ実装方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。いくつかのケースでは、動きデータは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、車載システム等の1つ以上のモバイル機器内の種々の動きセンサによって収集される加速度データ、速度データ、または他の動きデータに対応してもよい。
【0007】
本開示のいくつかの態様によれば、運転パターンは、動きデータの統計分析に基づいて判定されてもよい。移動中の停止点の数、方向転換数、加速度、減速度、データ時刻等の移動属性を使用して、運転パターンを判定することができる。運転パターンを判定した後、そのパターンが複数の異なる運転者と関連付けられた、あらかじめ記憶された1つ以上の追加の運転パターンと比較されることにより、運転者を判定することができる。
【0008】
本開示の他の特徴及び利点は、本明細書で提供されたさらなる記載から明らかとなろう。
【0009】
本発明及びその利点のより完全な理解は、添付の図面を考慮した以下に続く記載を参照することによって得られ得るものであり、図中では、同様の参照番号は、同様の特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様を実装するために使用され得るネットワーク環境及びコンピュータシステムを示す図である。
【
図2】本開示の1つ以上の態様による、例示的な動きデータ及び運転データ分析システムのコンポーネントを示す図である。
【
図3】本開示の1つ以上の態様による、動きデータに基づいて運転パターンを判定し、この運転パターンを1つ以上の以前に記憶された運転パターンと比較する、例示的なプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に続く種々の実施形態の説明では、添付の図面を参照しながら、本明細書の一部を形成し実践され得る本開示の種々の実施形態が例示として示される。他の実施形態を利用し得ることは、理解されるべきである。
【0012】
以下に続く開示を読むことで当業者には明らかとなろうが、本明細書に記載された種々の態様は、方法、コンピュータシステム、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。このようにして、これらの態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよい。さらに、そのような態様は、記憶媒体内に、または記憶媒体上で具現化されるコンピュータ可読プログラムコードまたは命令を有する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体によって記憶されたコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶機器、及び/またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の好適なコンピュータ可読記憶装置媒体を利用してもよい。加えて、本明細書に記載されたようなデータまたはイベントを表す種々の信号が、送信元と送信先との間で、金属線、光ファイバ等の信号伝導媒体、及び/または無線送信媒体(例えば、空気及び/または空間)を通して進行する電磁波の形で転送されてもよい。
【0013】
図1は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って用いられ得るコンピュータシステム100のコンピューティング機器(またはシステム)101のブロック図を例示する。機器101は、機器101と、RAM105、ROM107、入出力モジュール109、及びメモリ115を含む機器101の関連するコンポーネントとの全体的な動作を制御するためのプロセッサ103を有し得る。コンピューティング機器101は、1つ以上の追加の機器(例えば、端末141及び151、セキュリティ及び統合ハードウェア160)とともに、モバイル機器動きセンサから動きデータを受信して分析し、動きデータと関連付けられた運転パターン及び運転者を特定するために、本明細書に記載されたように構成されたモバイルコンピューティング機器または運転データ分析サーバ等、多数のシステムまたは機器のいずれかに対応し得る。
【0014】
入出力(I/O)109は、それを通してコンピューティング機器101のユーザが入力を提供し得るマイクロホン、キーパッド、タッチスクリーン、及び/またはスタイラスを含んでもよく、また、音声出力を提供するためのスピーカ、ならびにテキスト、オーディオビジュアル、及び/またはグラフィック出力を提供するための映像表示機器のうちの1つ以上をさらに含んでもよい。ソフトウェアは、メモリ115及び/または記憶装置内部に記憶されて、プロセッサ103に、機器101が種々の動作を行うことを可能にするための命令を提供し得る。例えば、メモリ115は、オペレーティングシステム117、アプリケーションプログラム119、及び関連する内部データベース121等の機器101によって用いられるソフトウェアを記憶し得る。メモリ115内の種々のハードウェアメモリユニットは、コンピュータ可読命令等の情報、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータの記憶のための任意の方法または技術に実装される、揮発性、不揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体を含み得る。動きデータ/運転データ分析システム内部の一定の機器/システムは、十分な記憶容量、分析能力、ネットワーク通信等をサポートするための最低限のハードウェア要件を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションを記憶及び/または実行し、定められたデータサンプリング速度で種々のセンサからの十分な量の動きデータを受信及び処理し、動きデータを分析して運転パターンを特定し、関連運転者を判定するため、その他のために、最小サイズ(例えば、少なくとも1ギガバイト(GB)、2GB、5GB等)を有する1つ以上の不揮発性ハードウェアメモリユニット、及び/または最小サイズ(例えば、256メガバイト(MB)、512MB、1GB等)を有する1つ以上の揮発性ハードウェアメモリユニットを、機器101(例えば、保険業者サーバ101、動きデータ/運転データ分析機器101等)で用い得る。メモリ115は、1つ以上の物理的な永続的メモリ機器及び/または1つ以上の非永続メモリ機器をさらに含んでもよい。メモリ115は、ランダムアクセスメモリ(RAM)105、リードオンリーメモリ(ROM)107、電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶機器、または所望の情報を記憶するために用いられることができ、かつプロセッサ103によってアクセスされることができる任意の他の媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0015】
プロセッサ103は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ(例えば、デュアルコア、クアッドコア等)であってもよい単一の中央処理装置(CPU)を含んでもよく、または複数のCPUを含んでもよい。プロセッサ103は、種々のビットサイズ(例えば、16ビット、32ビット、64ビット、96ビット、128ビット等)、及び種々のプロセッサ速度(100MHz~5Ghzに及ぶかまたはそれより速い)を有し得る。プロセッサ103及びその関連コンポーネントは、システム101が、一連のコンピュータ可読命令を実行すること、例えば、モバイル機器動きセンサからデータを受信及び記憶して、動きデータを分析し、動きデータに基づいて運転パターン及び関連運転者を判定する動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションを実行することを可能にし得る。
【0016】
コンピューティング機器(例えば、モバイルコンピューティング機器、運転データ分析サーバ等)は、1つ以上のリモートコンピュータ、例えば端末141、及び151への接続をサポートするネットワーク化された環境100で動作し得る。端末141及び151は、パーソナルコンピュータ、サーバ(例えば、ウェブサーバ、データベースサーバ)、またはモバイル通信機器(例えば、携帯電話、ポータブルコンピューティング機器、車載コンピューティングシステム等)であってもよく、コンピューティング機器101に関する上述の要素のいくつかまたはすべてを含んでもよい。
図1に図示されたネットワーク接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)125及びワイドエリアネットワーク(WAN)129、ならびに無線電気通信ネットワーク133を含むが、他のネットワークをさらに含んでもよい。LANネットワーキング環境で用いられる場合、コンピューティング機器101は、ネットワークインターフェースまたはアダプタ123を通してLAN125に接続され得る。WANネットワーキング環境で用いられる場合、機器101は、モデム127またはWAN129を経由して通信を確立するための他の手段、例えばネットワーク131(例えば、インターネット)を含み得る。無線電気通信ネットワーク133で用いられる場合、機器101は、1つ以上の送受信機、デジタル信号プロセッサ、ならびに無線ネットワーク133内の1つ以上のネットワーク機器135(例えば、送受信基地局)を介して無線コンピューティング機器141(例えば、携帯電話、ポータブル顧客用コンピューティング機器、車載コンピューティングシステム等)と通信するための追加の回路及びソフトウェアを含んでもよい。
【0017】
図1には、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160がさらに例示され、それらを通して、機器101(例えば、ユーザのモバイル機器、運転データ分析システム等)と、リモート機器(141及び151)ならびにリモートネットワーク(125、129、及び133)との間で通信が送られ管理される。セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、ウェブサーバ、認証サーバ等の1つ以上の別個のコンピューティング機器、及び/またはコンピューティング機器101に関する上述の要素のいくつかまたはすべてを有する種々のネットワーキングコンポーネント(例えば、ファイアウォール、ルータ、ゲートウェイ、ロードバランサ等)を含み得る。一例として、保険業者、金融機関、行政エンティティ、または他の機構によって操作される運転データ分析サーバのセキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、セキュアプロトコルを使用し、外部機器141及び151からサーバ101を隔離するように構成されたウェブアプリケーションサーバのセットを含み得る。いくつかのケースでは、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、同じ物理位置で、且つ、運転データ分析サーバ101と同じエンティティの制御下で動作する専用のハードウェア及び/またはソフトウェアのセットに対応し得る。例えば、レイヤ160は、組織データセンター内、またはクラウドベースの運転データ分析システムをサポートするクラウドインフラストラクチャ内の1つ以上の専用のウェブサーバ及びネットワークハードウェアに対応し得る。別の例では、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、別個の物理位置で、及び/または別個のエンティティによって動作され得る別個のハードウェア及びソフトウェアコンポーネントに対応し得る。
【0018】
以下に述べるように、コンピューティングシステム100内の種々の機器に、種々の機器から転送されるデータは、セキュアな機密データ、例えば運転者及び車両と関連付けられた動きデータ、運転パターンデータ、及び/または運転行動データを含み得る。したがって、セキュアなネットワークプロトコル及び暗号化を用いることによって、そのようなデータの送信を保護すること、さらには、ユーザを認証し、未知のまたは非認証のユーザへのアクセスを制限するためにセキュリティ及びインテグレーションレイヤ160を用いることによって、モバイル機器、運転データ分析サーバ、またはシステム100内の他のコンピューティング機器のデータベースまたは他の記憶装置に記憶されるときのデータの保全性を保護することが望ましい場合がある。種々の実装例では、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、例えば、システム100内の種々の機器間でデータを送信するためのファイルベースの統合スキームまたはサーバベースの統合スキームを提供し得る。データは、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160を通して、種々のネットワーク通信プロトコルを用いて送信され得る。例えば、ファイル転送プロトコル(FTP)、セキュアファイル転送プロトコル(SFTP)、及び/またはプリティグッドプライバシー(PGP)暗号化のようなセキュアなデータ送信プロトコル及び/または暗号化が、運転データの保全性を保護するためのファイル転送、で用いられ得る。別の例では、システム100及び/またはセキュリティ及びインテグレーションレイヤ160内の種々の機器101内部で、1つ以上のウェブサービスを実装してもよい。ウェブサービスは、認証された外部機器及びユーザによってアクセスされて、システム100内の種々の機器101間でのデータ(例えば、動きデータ、位置データ、運転行動データ等)の入力、抽出、及び操作をサポートし得る。システム100をサポートするために構築されたウェブサービスは、クロスドメイン及び/またはクロスプラットフォームであってもよく、事業用に構築されてもよい。そのようなウェブサービスは、種々のウェブサービス規格、例えばWeb Services Interoperability(WS-I)ガイドラインに従って開発され得る。いくつかの例では、動きデータ及び/または運転データ分析ウェブサービスは、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160において、セキュアソケットレイヤ(SSL)またはトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルを用いて実装されて、サーバ101と種々のクライアント141及び151(例えば、モバイル機器、データ分析サーバ等)との間のセキュアな接続を提供し得る。SSLまたはTLSは、HTTPまたはHTTPSを用いて、認証及び機密性を提供し得る。別の例では、そのようなウェブサービスは、WS-セキュリティ規格を用いて実装され得、これは、XML暗号化を用いたセキュアなSOAPメッセージを提供する。さらに他の例では、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160は、セキュアなウェブサービスを提供するために特化されたハードウェアを含み得る。例えば、セキュリティ及びインテグレーションレイヤ160内のセキュアなネットワークアプライアンスは、ハードウェア加速SSL及びHTTPS、WS-セキュリティ、及びファイアウォール等の組み込まれた特徴を含み得る。そのような特化されたハードウェアは、ウェブサーバの前でセキュリティ及びインテグレーションレイヤ160内に設置され構成されてもよく、それによって、任意の外部機器が、特化されたハードウェアと直接通信し得るようにされる。
【0019】
図1には示されていないが、システム100内のメモリ115または他のコンポーネント内部の種々の要素は、1つ以上のキャッシュ、例えば処理ユニット103によって用いられるCPUキャッシュ、オペレーティングシステム117によって用いられるページキャッシュ、ハードドライブのディスクキャッシュ、及び/またはデータベース121からのコンテンツをキャッシュするために用いられるデータベースキャッシュを含んでもよい。CPUキャッシュを含む実施形態については、CPUキャッシュは、処理ユニット103内の1つ以上のプロセッサによって用いられて、メモリ待ち時間及びアクセス時間を減少し得る。そのような例では、プロセッサ103は、メモリ115に読出し/書き込みするのではなく、CPUキャッシュからデータを検索するかまたはそこにデータを書き込みし得、これは、これらの操作の速度を改善し得る。いくつかの例では、データベース121(例えば、動きデータデータベース、運転パターンデータベース等)からの一定のデータが、データベースサーバから分離したアプリケーションサーバ上の別個のより小さいデータベースにキャッシュされるデータベースキャッシュを作成することができる。例えば、多層アプリケーションにおいては、アプリケーションサーバ上のデータベースキャッシュは、ネットワークを経由してバックエンドデータベースサーバと通信する必要がないことによって、データ検索及びデータ操作時間を減少させることができる。これらのタイプのキャッシュ等は、種々の実施形態で含まれてもよく、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション(またはアプリケーションの更新)、動きデータ、運転パターンデータ等を送受信する際のより速い応答時間及びネットワーク条件への依存性の低減等の、動きデータ及び運転データ収集及び分析システムの一定の実装例において潜在的な利点を提供し得る。
【0020】
示されたネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段を用いてもよいことが理解されよう。例えばTCP/IP、イーサネット(登録商標)、FTP、HTTP等の種々のネットワークプロトコル、及びGSM(登録商標)、CDMA、WiFi、WiMAX等の種々の無線通信技術のいずれかの存在が想定され、本明細書に記載された種々のコンピューティング機器、及びシステムコンポーネントは、これらのネットワークプロトコルまたは技術のうちのいずれかを用いて通信するように構成され得る。
【0021】
加えて、1つ以上のアプリケーションプログラム119(例えば、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション)は、動きデータ及び/または運転データ分析システム100内部の種々のコンピューティング機器101によって用いられてもよく、モバイル機器センサから動きデータを受信及び記憶して、動きデータを分析し、動きデータと関連付けられた運転パターン及び運転者を特定し、ならびに本明細書に記載の他の関連機能を行うコンピュータ実行可能命令を含む。
【0022】
図2は、動きデータ/運転データ分析システム200を示す図である。この例示的なシステム図において、動きデータ/運転データ分析サーバ210は、例えば、モバイルユーザ機器(例えば、スマートフォン、携帯情報端末、タブレット及びラップトップコンピュータ等)、車載システム、及び任意の他のモバイルコンピューティング機器を含み得る、複数の異なるモバイルコンピューティング機器220と通信することができる。動きデータ/運転データ分析システム200の各コンポーネントは、コンピューティング機器101のための上述の構造的コンポーネントのいくつかまたはすべてを有するコンピューティング機器(またはシステム)を含んでもよい。加えて、
図2には示されていないが、本明細書に記載の任意の動きデータ/運転データ分析システム200は、料金所、鉄道横断道路、交通カメラ、道路側の交通監視機器などの種々の非車両道路インフラストラクチャデバイスを含むことができる。種々の例では、動きデータ/運転データ分析サーバ210及び/またはモバイルコンピューティング機器220は、動きデータ及び/または運転データのための追加のデータソースとして役立つようなインフラストラクチャデバイスと通信するように構成されてもよい。例えば、車速、加速度などは、道路側の交通監視装置によって取得され、1つ以上のモバイルコンピューティング機器220及び/または動きデータ/運転データ分析サーバ210に送信されてもよい。
【0023】
データ分析サーバ210は、例えば、コンピューティング機器101のために上述した構造的コンポーネントのいくつかまたはすべてを有するコンピュータサーバであってもよい。以下でより詳細に説明するように、いくつかのケースでは、データ分析サーバ210は、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションを種々のモバイルコンピューティング機器220に提供するように構成することができる。データ分析サーバ210は、また、モバイルコンピューティング機器220からの(運転データに対応してもしなくてもよい)動きデータを受信して分析し、受信した動きデータに基づいて運転パターンを特定し、運転パターンを使用して、運転者及び動きデータと関連付けられた他の運転特性を特定しようと試みるように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、サーバ210は、1つ以上の動きデータ及び/または運転データ分析ソフトウェアアプリケーション211と、1つ以上の運転パターンデータベース212とを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、サーバ210は、第1のソフトウェアアプリケーション211、例えば動きデータ分析アプリケーション211(モバイル機器220上のアプリケーション222として記憶してもよい)をモバイル機器220に配信することができる。動きデータ分析アプリケーション222は、動きデータを分析し、動きデータ内の運転パターンを判定するためにモバイル機器220上で動作することができる。サーバ210上で動作する第2のソフトウェアアプリケーション211は、モバイル機器220上の動きデータ分析アプリケーション222からの運転パターンデータを受信して分析し、観察された運転パターンを運転パターンデータベース212に以前に記憶された運転パターンと判定及び一致させることにより、運転移動の運転者を特定するように構成され得る。
【0024】
上記で説明した機能性、及び以下でより詳細に説明する追加の機能性を行うために、サーバ210は、最小限の十分なビットサイズ(例えば、32ビット、64ビット、96ビット、128ビット等)、及び最低限必要なプロセッサ速度(例えば、500MHz、1GHz等)を有する1つ以上の処理ユニット(例えば、シングルコア、デュアルコア、またはクアッドコアプロセッサ等)、ならびに十分な揮発性及び不揮発性メモリ(例えば、少なくとも256MBのRAM、少なくとも5GBのメモリ等)を含み、(例えば、種々の異なるバージョン、アップグレード等を含む)動きデータ/運転データ分析アプリケーションを記憶し、種々のモバイルコンピューティング機器220と通信セッションを確立し、及び種々のモバイルコンピューティング機器220にアプリケーションを配信し、モバイルコンピューティング機器220からの動きデータ/運転データを受信して分析することができる。加えて、以下に説明するように、プライベートな地域的データ、動きデータ、運転行動データ、及びパーソナル運転者/顧客データ等、プライベート及びセキュアデータが、データ分析サーバ210と種々のモバイルコンピューティング機器220との間で送信されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、サーバ210は、種々のセキュリティ及び/または統合コンポーネント(例えば、ウェブサーバ、認証サーバ)ならびに/または様々なネットワークコンポーネント(例えば、ファイアウォール、ルータ、ゲートウェイ、ロードバランサ等)を含み得る。サーバ210は、また、サーバ210と種々のモバイルコンピューティング機器220との間で送信されるプライベートまたはセキュアなデータを保護するために、一定のセキュアなプロトコルまたは暗号化技術(例えば、FTPまたはSFTP、PGP、HTTPまたはHTTPS、SOAP、XML暗号化等)を介して通信を提供及び/または要求してもよい。
【0025】
これらの例における動きデータ/運転データ分析システム200は、複数のモバイルコンピューティング機器220を含むこともできる。以下に説明するように、いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティング機器220は、サーバ210または他のアプリケーション業者(例えば、アプリケーションストアまたは第三者アプリケーション業者)から動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222を受信して実行することができる。動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222の実行の一部として、または別個の機能性として実装されると、モバイルコンピューティング機器220は、モバイル機器220の動きセンサ223から動きデータを受信して分析し、受信した動きデータに基づいて運転パターンを特定し、運転パターンを使用して動きデータと関連付けられた運転者を特定する。したがって、いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティング機器220は、最小限の十分なビットサイズ(例えば、32ビット、64ビット等)、及び最低限必要なプロセッサ速度(例えば、233MHz、500MHz等)を有する1つ以上の処理ユニット、ならびに十分な揮発性及び不揮発性メモリ(例えば、少なくとも256MBのRAM、少なくとも1GBのメモリ等)を含み、1つ以上のそのような動きデータ/運転データ分析アプリケーションを記憶及び実行して、データ分析サーバ210及び/または種々の他の機器(例えば、車載システム、他のモバイル機器220等)と通信セッションを確立し、動きデータ、運転パターンデータ等を送信または受信することができる。加えて、モバイルコンピューティング機器220は、プライベートな地域的データ、動きデータ、運転行動データ、及びパーソナル運転者/顧客データ等、プライベートまたはセキュアなデータを受信及び送信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティング機器220は、種々のネットワークコンポーネント(例えば、ファイアウォール、ルータ、ゲートウェイ、ロードバランサ等)を含み、及びモバイル機器220と他の機器の間で送信されるプライベートまたはセキュアなデータを保護するために、一定のセキュアなプロトコルまたは暗号化技術(例えば、FTPまたはSFTP、PGP、HTTPまたはHTTPS、SOAP、XML暗号化等)を介して通信を提供及び/または要求してもよい。
【0026】
スマートフォン、携帯情報端末、タブレットコンピュータ、車載システムなどであってもよいモバイル機器220は、コンピューティング機器101に関して上述した要素のいくつかまたはすべてを含んでもよい。この例では、モバイル機器220は、モバイル機器220が1つ以上の動きデータ/運転データ分析サーバ210、他のモバイル機器220、及び種々の他の外部コンピューティング機器(例えば、アプリケーションストア、第三者運転データサーバ等)と通信することを可能にする、種々のネットワークインターフェースハードウェア(例えば、LANインターフェース、WANモデム、または無線送受信機等)及びソフトウェアコンポーネントを含み得るネットワークインターフェースコンポーネント221を含む。
図2に示すように、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222は、モバイル機器220のメモリに記憶することができる。動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222は、サーバ210または他のアプリケーション業者(例えば、アプリケーションストア)からネットワークインターフェース221を介して受信され得る。異なる例では、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222は、種々のユーザインターフェーススクリーンを含んでいてもいなくてもよく、ユーザ起動アプリケーションとして、またはバックグラウンドアプリケーションとして動作するように構成され得る。例えば、以下に説明するように、トレーニングデータに基づいて所定の運転パターンを確立するために、モバイル機器220のユーザが動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222のユーザインターフェーススクリーンと対話する初期トレーニング期間があってもよい。そのような場合、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222は、トレーニング期間中にユーザ起動アプリケーションであってもよいが、トレーニング期間終了後にバックグラウンドアプリケーションとして実行するように(選択的に)切り替えてもよい。動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222がバックグラウンドアプリケーションとして実行される場合、それは、モバイル機器220によって(例えば、オペレーティングシステムによって)自動的に起動されてもよく、継続的または定期的に、動きデータを収集し、運転パターンを特定し、ならびにパターンマッチング及び本明細書に記載の他の機能を行うように構成され得る。バックグラウンドアプリケーション222として動作するとき、これらの機能は、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222を起動するか、または本明細書に記載のアプリケーションの機能を行うための特定のユーザ入力なしで、自動的に行われてもよい。
【0027】
モバイルコンピューティング機器220は、機器220が動かされたときに動きデータを検出し、生成し、収集するように構成された1つ以上の動きセンサ223を含むことができる。動きセンサ223は、例えば、加速度計、速度計、コンパス、及びジャイロスコープを含み得る。追加の動きセンサ223は、動きを検出するように特別に設計されていないが、それにもかかわらず、時間の経過とともにセンサデータを収集し分析することによって動きを検出するのに使用し得る一定のセンサ、例えば、カメラ、近接センサ、ならびに異なるデータネットワーク、モバイルネットワーク、及び他のモバイル機器への(例えば、ブルートゥース(登録商標)を介した)アクセスを検出することが可能である種々の無線ネットワークインターフェースを含み得る。異なるモバイル機器220は、異なるセットの動きセンサ223を含むことができる。例えば、1つのスマートフォンは、機器の加速度データ及び対応する時間データを収集し記憶するために加速度計及びクロックのみを含み、別のスマートフォンまたは車載コンピュータは、(速度及び方向データを収集するために)加速度計、クロック、速度計、コンパス等を含み得る。
【0028】
モバイル機器220のメモリは、1つ以上のデータベースまたは他の記憶装置225を含むこともできる。データベース225は、データ分析ソフトウェアアプリケーション222を使用してそのデータが分析される前に、例えば、モバイル機器220の動きセンサ223によって収集された動きデータを受信し記憶するように構成されてもよい。いくつかのケースでは、データベース225は、モバイル機器200の1人以上のユーザに対する運転パターンデータを記憶することもできる。以下でより詳細に説明する運転パターンデータは、観察された運転データと関連付けられた特定の運転者を特定するために使用され得る1つ以上の運動データサンプルまたは計算セットを含み得る。データベース225は、機器の所有者及び/または他の機器ユーザ(例えば、機器200の家族、友人、及び/または高頻度ユーザ)に対する運転パターンデータを記憶することができる。いくつかのケースでは、同じユーザに対して複数の運転パターンを記憶することができる。例えば、異なる自動車(例えば、ファミリーミニバンか、コンバーチブル)を運転する場合、異なる人と運転する場合(例えば、単独運転か、家族同乗運転)、異なる時間/場所での運転(例えば、業務運転か、週末運転)、異なる季節/条件での運転(例えば、夏季運転か、冬季運転)、またはキャラバンでの運転(例えば、他の既知の運転者に先導する、または後続する)の場合に、運転者は異なる観察可能な運転パターンを有することがある。いくつかの例では、運転データデータベース225は、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション222用のアプリケーションメモリ内に存在してもよく、他の例では、機器メモリ内の永続データとして別々に記憶されてもよい。
【0029】
図2に示すように、一定の例では、モバイル機器220は載車システムであってもよい。これらの例では、車載システム220は、テレマティック機器、車両コンピュータ、及び/またはオンボード診断システムに対応することができる。車載システム220は、コンピューティング機器101に関して上述した要素のいくつかまたはすべてを含むことができ、他のモバイルユーザ機器220(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等)のものと同様の(または同じ)コンポーネントを含むことができる。車載システム220の場合、動きセンサ223は、種々の車両センサによって収集された車両運転データを受信するように構成されたハードウェア及び/またはソフトウェアコンポーネントを含む種々の車両センサをさらに含むことができる。例えば、車両センサは、車両の速度、走行距離、加速度またはブレーキング速度、及び特定の事例の突然の加速、ブレーキング、方向転換及び脱線に対応するデータを検出及び記憶することができる。センサは、また、ヘッドライトの使用、ブレーキライトの操作、ドアの開閉、ドアの施錠及び解錠、走行制御の使用、ハザードランプの使用、フロントガラスワイパの使用、クラクションの使用、方向指示器の使用、シートベルトの使用、車両内での電話及びラジオの使用、車両に行われた保守、及び車両のコンピュータシステムから収集された他のデータ等、車両の内部システムから受信されたデータを検出し記憶し得る。追加の車両センサは、車両の保守に関するデータ、例えばエンジンの状態、オイルレベル、エンジン冷却剤温度、走行距離計読取値、燃料タンク内の燃料のレベル、バッテリの充電レベル(例えば、ハイブリッド車または電気自動車の場合)エンジンの1分間当たりの回転数(RPM)、及び/またはタイヤ圧などを検出して記憶し得る。一定の車両は、車両の内外の状況を記録することが可能であるカメラ及び/または近接センサ、ならびに運転者の動きまたは運転者の状況と関連付けられたデータを収集するように構成されたセンサ、例えば、運転者の目の位置及び/または頭の位置等のような運転者の動きを監視するセンサをさらに含んでもよい。いくつかの車両には、車線逸脱、適応クルーズコントロールの起動、死角警報などのデータを検出して記憶する追加の安全または誘導支援機能が含まれていてもよい。
【0030】
さらに他の例では、モバイル機器200は、上述のユーザ機器(例えば、スマートフォン、携帯情報端末、またはタブレットコンピュータ等)であってもよく、モバイル装置が車載システムとの通信を確立することを可能にする車両インターフェースコンポーネントを含むこともできる。例えば、モバイル機器220または車両のいずれかは、ハードウェア(例えば、入力ポートまたはドッキングステーション)及び/またはソフトウェア(例えば、ネットワークインターフェース、セキュアプロトコル及び暗号化等)で実装されてもよく、モバイル機器220と車載システムとの間で(有線または無線接続を使用して)通信を確立するように設計及び構成されていてもよい。例えば、ユーザによって携帯されることが多いスマートフォンまたはタブレットコンピュータ220は、ユーザが運転している(及び/または乗客として乗っている)ときはいつでも車載システムを検出及び/または接続するための車載システムインターフェースを含むことができる。モバイル機器220は、テレマティクス機器、オンボード診断システム、車両ナビゲーション機器、または他の車両コンピュータシステムとすることができる車載システムとの通信を確立した後、種々の車両センサによって収集されたデータを受信することができる。したがって、非車両ベースのモバイル機器220(例えば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータ)は、車載システム220にアクセス可能な上述した車両インターフェースを使用して、同じ車両センサデータ及び運転データの一部またはすべてを受信することができる。
【0031】
モバイル機器220の動きセンサ223によって収集された、または別のモバイル機器220から受信された動きデータは、モバイル機器220のメモリに記憶されてもよく、及び/またはサーバ210に送信されてもよい。
図3を参照して以下に説明するように、この動きデータは、動きデータが運転パターンに対応するときを判定し、運転パターンを使用して運転者及び運転移動の他の特性を決定するために(例えば、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションを使用して)モバイル機器220及び/またはサーバ210によって分析される。例えば、モバイル機器220またはコンピューティング機器101は、本開示を通じて説明されている機能のすべてを実行することができるスタンドアロン機器であってもよい。
【0032】
図3を参照して以下に説明する例は、主に、加速度データ、速度データ、時間データなどの一定の種類の動きデータに言及するが、分析される動きデータは、回転データ、方向データ、及び相対位置データなどの追加のタイプのデータ、及びモバイル機器220のセンサ223によって判定され得る他の任意の動きデータを含み得ることを理解されたい。
【0033】
本開示の一態様では、収集されたすべてのデータのサブセットのみを使用して判定された運転パターンから運転者を判定することができる。加えて、種々の実施形態では、絶対位置情報などの一定のデータは、運転者ID及び/または運転パターンの判定に使用されないか、または判定から除外されてもよい。例えば、時刻情報は、絶対位置情報(すなわち、GPS位置データ)を使用することなく、運転者特定及び運転パターンを計算するために使用されてもよい。
【0034】
図3を参照すると、モバイル機器220の動きセンサによって収集された動きデータを受信し、動きデータを分析して運転パターン及び関連運転者を特定するためのプロセスを示す流れ図が示されている。
図3を参照して説明されるステップ及び種々の機能は、モバイル機器220、動きデータ/運転データ分析サーバ210、または1つ以上のモバイル機器220及び/またはサーバ210の組み合わせによって行われてもよい。
【0035】
ステップ301において、動きデータのセットが、コンピューティング機器、例えばモバイル機器220または動きデータ/運転データ分析サーバ210で受信される。動きデータは、
図2を参照して上述した任意の他の動きデータとともに、モバイル機器220の動きセンサ223によって収集された加速度及び速度などのデータに対応することができる。動きデータ分析がモバイル機器220上で行われる実施形態の場合、ステップ301は、モバイル機器220が、その種々の動きセンサ223から動きデータを受信し、ローカルに記憶することを含むことができる。動きデータ分析が別個のサーバ210上で行われる実施形態の場合、ステップ301は、1つ以上のモバイル機器220が動きデータを収集し、フォーマットし、モバイル機器220からの動きデータを受信して記憶するサーバ210に送信することを含むことができる。
【0036】
ステップ302において、時刻データは、モバイル機器220または動きデータ/運転データ分析サーバ210で受信されてもよい。時刻データは、受信した動きデータと関連付けられてもよい。一実施形態では、時刻データは、クロックまたはモバイル機器220と関連付けられた他のタイミング機器から受信することができる。
【0037】
ステップ303において、モバイル機器220または動きデータ/運転データ分析サーバ210は、受信したデータが車両の乗員ではなく運転者と関連付けられていると判定することができる。一実施形態では、動きデータ/運転データ分析サーバ210は、視覚データ、音声データ、または生体計測データを含むセンサデータに基づいて、データが車両運転者と関連付けられているかを判定することができる。別の実施形態では、ユーザが車両の運転者または乗客であるかを判定するために、マイクロホン、車両カメラ、非車両ベースの交通カメラ、道路側の交通監視装置、及び/または他の道路インフラストラクチャを使用することができる。
【0038】
ステップ304において、モバイル機器220または動きデータ/運転データ分析サーバ210は、ユーザの運転パターンを判定することができる。一実施形態では、運転者は、統計分析を通じて特定の運転パターンによって特定されてもよい。例えば、特定の運転者は、停止時の98パーセントは同じ方法で停止標識に近づく。一例として、特定の運転者は、停止標識で停止する直前に急ブレーキをかける場合がある。
【0039】
本開示の一態様では、ユーザの運転パターンは、各運転者が種々の運転傾向を示すので、指紋と同様に考えることができる。これらの傾向としては、頻繁なブレーキング、急な減速または加速、典型的な運転時間(日中か、夜間)、移動距離、運転移動回数、平均速度、種々の気象条件での運転可/非、ブレーキング特性、シートベルトの着用、ラジオ操作、及び運転行動が含まれるが、これらに限定されない。運転者によって示され得る追加の運転特性は、車両の回転数、アイドリング時間、速度、縦/横加速度、移動の開始及び終了時刻を含むが、これらに限定されない。
【0040】
本開示の別の態様では、運転者は頻繁に同じ運転移動事象を有していてもよい。例えば、学生「X」は、毎週月曜日から金曜日にかけて午前8時15分に家を出て、午前9時に学校に到着する。この学生は、学校との行き来に毎日全く同じ経路をとることだろう。車両が学校まで運転される毎日、各運転移動の右折と左折の回数は同じであろう。同様に、各運転移動の走行距離及び走行時間は、合理的な許容範囲内で非常に等しいであろう。このような一貫した運転パターンは、このような同一の運転移動の数に基づいて、学生「X」と関連付けることができる。
【0041】
一実施形態では、運転パターンは、受信された動きデータによる停止点及び総方向転換数を判定することによって生成されてもよい。いくつかのケースでは、運転移動中の停車点は、停車標識、停止信号、または他の交差停止点に対応し、交通、停止・発進を繰り返す交通状況などを生成または併合する。加えて、運転移動中に、または運転移動の終了時に、長時間車両を駐車するのは停止点であり得る。一実施形態では、運転パターンは、運転移動中に起きる速度データ、加速データまたはブレーキングデータ、または他の運転データに基づくことができる。
【0042】
一実施形態では、運転移動中の停止点を検出するために、動きデータ分析ソフトウェアコンポーネント(例えば、アプリケーション)を実行して加速度データ及び/または速度データなどの入力動きデータを分析し、運転移動中の停止点の1つ以上の事例に対応するデータを出力することができる。例えば、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションは、モバイル機器220(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、または車載コンピュータ等)内の速度計がゼロ、または所定の閾値(例えば、1時間当たり0.5マイル未満、1時間当たり1マイル未満等)内のゼロに近い速度を示すときに停止点が発生したと結論付けることができる。他の例では、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーションは、モバイル機器220内の加速度計が、所定の最小時間閾値(例えば、0.5秒、1秒、2秒等)の間、ゼロに等しい加速度を示すときに停止点が発生したと結論付けることができる。ゼロの加速度センサの読みは、必ずしもゼロの速度を示すわけではないが、これは、実際の運転移動中、特に加速度がある時間(例えば、0.5秒、1秒、2秒など)にわたってゼロで測定される場合に一般的であり、したがって、ステップ302における分析は、いくつかのケースでは速度データのない加速度データを含むことがある。さらに他の例では、速度データと加速度データの組み合わせを用いて、運転移動中の停止点(例えば、加速度(a)=0、及び速度(v)=0の時刻t)を特定することができる。
【0043】
したがって、いくつかのケースでは、運転移動中の停止点は、速度及び/または加速度データのみに基づいて判定されてもよい。しかしながら、他の例では、停止点は、(例えば、車両センサから受信される)回転速度データ、車両操作及び制御データなどの追加のデータ、及び運転移動中の停止点の判定に関連する他のデータに基づいて判定されてもよい。さらに他の例では、モバイル機器220のカメラまたは近接センサを用いて(例えば、停止標識、停止信号を検出すること、または画像または近接データに基づいて動き停止を判定することによって)、停止点を特定及び/または分類することができる。
【0044】
さらに、いくつかの例では、交通データ、運転ルートデータ、気象データ、及び/または追加のタイプのデータを使用して、運転移動中の特定の停止点を選択することができる。例えば、運転移動中の一定の停止点、及び停止点の前後で発生するブレーキング及び加速は、交通、天候、時刻、季節、または他の外部要因などの外部要因の影響を受ける可能性がある。いくつかのケースでは、(例えば、停止・発進を繰り返す交通、歩行者または自転車に起因する突然のブレーキングなど)のような外部要因に敏感な停止点は除外され、運転者の加速及びブレーキングの挙動に、外部要因への依存度が低いと考えられる停止点のみを使用することができる。例えば、加速やブレーキングパターンの評価に対して関連する交通や天候を考慮していないとみなされる、混雑していない道路上の隣接停止標識または停止信号など、一定の特定の時間及び空間の地域を選択することができる。
【0045】
一実施形態では、運転パターンは、ステップ301及び303で収集された現在の運転データに基づいて判定され、運転移動中に行われる左右の方向転換数などの追加のデータは、以前に判定されデータベース(例えば、212及び225)に記憶された1つ以上の運転パターンと比較することができる。ステップ305における運転パターンの比較は、観察された(すなわち現在の)運転パターンを1つ以上の所定の運転パターンにマッチングさせることによって、運転者、運転者と車両の組み合わせ、及び/または追加の運転変数または条件(例えば、天候、時刻、運転ルートなど)を特定するために使用される。
【0046】
一実施形態では、運転データ分析サーバ210(例えば、保険業者サーバ210または他の組織サーバ210)は、送信された運転パターン及び/または追加の運転データを記憶することができる。いくつかのケースでは、サーバ210は、複数の異なるモバイル機器220から運転パターン及び運転データを受信することができる。
【0047】
ステップ306において、1つ以上の運転パターンが運転者、車両、及び/または他の運転要因に対応する一致として特定される場合(306で「はい」)、対応する運転者/車両/運転要因データは、種々の他の運転移動データとともに、ステップ308において、サーバ210、モバイル機器220、または動きデータまたは運転データ分析システムにおける他のコンピューティング機器を介して記憶または出力されてもよい。以前に記憶された運転パターンがマッチングしたかに応じて、運転データ分析サーバ210は、判定された運転者ID、車両ID、及び/または他の運転要因(例えば、天候、季節、交通など)を記憶/出力することができる。例えば、現在の運転パターンと以前に記憶された運転パターンとの比較が成功すると、サーバ210またはモバイル機器220上の動きデータ分析アプリケーションは、現在の運転移動は、特定の運転者によって、特定の車両を使用して、及び/または一定の天気、交通、時刻、または他の運転条件において、運転されたということを判定することができる。
【0048】
追加のデータは、運転パターンに直接関係しない他の運転データ特性に対応して、ステップ308において記憶/出力することができる。例えば、事故のない運転、安全運転、または不安全運転の1つ以上の測定値が、運転移動について、車両の衝撃、エアバッグの展開、滑走または旋回、平均運転速度、シートベルトの使用、方向転換信号及び他の車両制御、交通及び気象条件、テールゲートの検出、酔い、交通違反、及び他の安全または不安全な運転行動の検出などの要因に基づいて判定することができる。ステップ308で記憶/出力される追加の運転データは、運転された時間及び場所、とられた経路の選択、聴取されたラジオ局、及び運転行動または運転者の好みに関する他の要因に関係し得る。
【0049】
ステップ308で記憶/出力された運転データは、対応するドライバ及び/または車両データと関連する場合、多くの異なるアプリケーションを有することができ、多くの異なるエンティティに提供することができる。例えば、特定の運転者を判定するためにステップ305で運転パターンを比較してマッチングさせた後、次に、運転移動からの追加の運転データを収集して種々のエンティティに送信し、車両または運転者の保険または融資(例えば、安全または不安全運転を示す運転データ)、法執行(例えば、交通違反を示す運転データ)及び製品小売またはマーケティングエンティティ(例えば、聴取されたラジオ局及び寛告、運転された経路及び行われた停止等の運転者の運転行動及び習慣を示す運転データ)等、種々の異なる目的に使用することができる。
【0050】
例示のために、一定の例では、動きデータ/運転データ分析サーバ210は、保険会社サーバに対応することができる。このような例では、保険会社は、動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション211を操作し、対応するソフトウェアアプリケーション222を保険会社の顧客または潜在的顧客に配布することができる。データベース212及び/または225は、保険の顧客の運転パターンを記憶するために使用することができ、例えば、データベース225は、モバイル機器220と関連付けられた顧客についてのみ、運転パターン(例えば、顧客/主要機器所有者、家族メンバー、友人などのための運転/車両パターン)を記憶することができ、一方、データベース212は、保険会社のすべての顧客及び/または他の保険会社の他の運転者のための運転パターンのリポジトリを記憶することができる。これらの例では、ステップ308で記憶/出力されたデータにより、保険会社サーバ210は、(たとえ顧客が自らの車両を運転していなくても)顧客(または潜在的な顧客)を特定の運転移動の運転者として特定し、及び対応する運転データを使用して事故を検出し顧客による安全または不安全な運転を判定することができる。そのような判定により、保険会社は、顧客の運転者スコアを調整し、保険料割引を提供し、顧客の運転習慣に基づいて有利であり得る新しい保険プラン及び製品を提案すること等を可能にし得る。この例は保険会社に関するが、同様のシステムは、運転データに基づいて対象製品、サービス、またはインセンティブを提供するために、銀行や金融機関、法執行及び行政エンティティ、ならびに小売エンティティによって実装することができる。
【0051】
図3を参照して上述したように、動きデータの受信及び分析、運転パターンの特定、ならびに運転パターンマッチングに基づく関連運転者の判定は、動きデータ/運転データ分析サーバ210、または動きデータ分析ソフトウェアアプリケーション211または222を実行するモバイル機器220によって全体的に行われる。例えば、運転パターン判定データ及び運転パターンのレポジトリは、モバイル機器220に送信及び/または記憶され、モバイル機器は、任意の外部サーバと通信することを要せずに、運転パターンマッチングを行うことができる。代替的に、サーバ210は、種々のモバイル機器220から動きデータを受信して分析し、モバイル機器220のみを使用して生の動きデータを収集する間に、運転パターン特定及びパターンマッチングを全体的に行うように構成されてもよい。
【0052】
本開示の一態様では、運転データ分析サーバ210は、第1の運転移動と関連付けられた運転データに基づいて1つ以上の運転者記録を更新することができる。例えば、運転データ分析サーバ210が保険業者サーバ210に対応する場合、更新された運転者記録は、受信した運転データに基づく、運転者の運転者スコアの更新、保険料割引の提案、運転者にとって有利な新しい保険プラン及び製品の暗示を含むことができる。例えば、既存の保険顧客は、受信した運転データに基づいてレート割引またはクレジットの提案を受け、一方、非顧客は、受信した運転データに基づいて新しいポリシーにサインするためのインセンティブとして特定の保険商品及びレート見積の提案を受けることができる。加えて、これらの例は、保険会社によって更新された運転者記録に関するが、同様のシステムが、銀行及び金融機関、法執行及び行政エンティティ、種々の小売エンティティによって実装されて、運転者データを維持し、運転者データに基づいて対象製品、サービス、またはインセンティブを提案することができる。
【0053】
本明細書に記載された態様は、本開示の態様を実行する種々の様式を含む特定の例に関して述べられているが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲に含まれる先述のシステム及び手法の数多くの変形及び置換があることを理解するであろう。