(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-25
(45)【発行日】2023-06-02
(54)【発明の名称】光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20230526BHJP
【FI】
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2022125123
(22)【出願日】2022-08-04
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】202210716629.0
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519095533
【氏名又は名称】ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】彭瑩瑩
(72)【発明者】
【氏名】チェン シゥー ィア
(72)【発明者】
【氏名】ハオ グォ フェイ
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-082140(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090521(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カバープレートと、第1接着フィルムと、複数の電池セルと、第2接着フィルムと、第2カバープレートと、少なくとも1つの溶接ストリップと、を備え、
前記電池セルの厚さが100μm~170μm、前記第1接着フィルムの厚さが
330μm~
510μm、前記第2接着フィルムの厚さが
310μm~
500μmであるという設定範囲内で、前記第1接着フィルムの厚さと前記第2接着フィルムの厚さとの関係式を、0.0007x
2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x
2-1.0297x+314.19を満足させるようにし、ここで、xは第1接着フィルムの厚さ、yは第2接着フィルムの厚さであり、
それぞれの前記溶接ストリップの一端は、隣接する2つの前記電池セルのうちの一つの前面に設けられ、それぞれの前記溶接ストリップの他端は、隣接する2つの前記電池セルのうちのもう一つの裏面に設けられ、前記第1接着フィルムの厚さ及び第2接着フィルムの厚さに基づいて、それぞれの前記溶接ストリップの厚さの設定範囲は、200μm~400μmであり、
前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの少なくとも一方と、前記電池セルとの厚さの差は200μm~350μmである、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項2】
前記第1カバープレートの材料はガラスであり、前記ガラスの電池セルに向かう表面はエンボス構造を有し、前記エンボス構造は前記電池セルから離れる方向に凹んでおり、また前記エンボス構造の凹みの深さは30μm~50μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項3】
前記第2カバープレートの材料はバッキングプレートであり、前記第1接着フィルムは前記第1カバープレートと前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムは前記第2カバープレートと前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムの厚さは前記第1接着フィルムの厚さより小さいあるいは等しい、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力モジュール。
【請求項4】
前記第1カバープレートの厚さは2.7mm~3.2mmであり、前記バッキングプレートの厚さは0.2mm~0.33mmである、
ことを特徴とする請求項3に記載の光起電力モジュール。
【請求項5】
前記第2カバープレートの材料はガラスである、
ことを特徴とする請求項3に記載の光起電力モジュール。
【請求項6】
前記第1カバープレートの厚さと前記第2カバープレートの厚さは1.5mm~2mmである、
ことを特徴とする請求項
5に記載の光起電力モジュール。
【請求項7】
前記第1接着フィルムまたは前記第2接着フィルムと前記溶接ストリップとの間の厚さの差は50μm~180μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項8】
前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムは、POE接着フィルム又はEVA接着フィルムのうちの少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項9】
前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムが共にPOE接着フィルムである場合、前記第1接着フィルムの厚さは前記第2接着フィルムの厚さと等しい、
ことを特徴とする請求項
8に記載の光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、太陽電池の分野に関し、特に光起電力モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力モジュールは、「ソーラーパネル」とも呼ばれ、「光起電力効果」によって発電するもので、太陽光発電システムの中心的な部分である。光起電力モジュールは通常、電池セル、カバープレート、及び接着フィルムで構成され、ここで、接着フィルムは、電池セルの上下面を封止し、電池セルを保護するために使用される。
【0003】
しかし、現在の太陽電池は性能が低いという問題を抱えている。分析によると、光起電力モジュールの性能低下の原因の一つとして、接着フィルムが一方では電池セルを封止する効果があり、他方では電池セル表面に入射した光を反射して、改めて電池セル内に反射してくる効果があることが分かっている。現在、実際に電池セルを準備する過程では、電池セルの両側に貼られる接着フィルムの厚さは接着フィルムの反射率に影響し、電池セルの光吸収能力を低下させ、太陽電池の性能を低下させることが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は少なくとも光起電力モジュールの性能を向上させることに有利である光起電力モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願実施例は、光起電力モジュールを提供し、第1カバープレートと、第1接着フィルムと、電池セルと、第2接着フィルムと、第2カバープレートと、溶接ストリップと、を備え、前記電池セルの厚さが100μm~170μm、前記第1接着フィルムの厚さが300μm~550μm、前記第2接着フィルムの厚さが300μm~710μmであるような条件を設置すると、前記第1接着フィルムの厚さと前記第2接着フィルムの厚さが0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19の関係式を満たし、ここで、xは第1接着フィルムの厚さ、yは第2接着フィルムの厚さであり、前記溶接ストリップは、電池セルの表面に配置され、前記溶接ストリップの厚さを200μm~400μmである。
【0006】
また、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの少なくとも一方は、前記電池セルとの厚さ差が200μm~350μmである。
【0007】
また、前記第1カバープレートの材料はガラスであり、前記ガラスの電池セルに向かう表面はエンボス構造を有し、前記エンボス構造は前記電池セルから離れる方向に凹んでおり、また前記エンボス構造の凹みの深さは30μm~50μmである。
【0008】
また、前記第2カバープレートの材料はバックシートであり、前記第1接着フィルムは前記第1カバープレートと前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムは前記第2カバープレートと前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムの厚さは前記第1接着フィルムの厚さより小さいあるいは等しい。
【0009】
また、前記第1カバープレートの厚みは2.7mm~3.2mmであり、前記バックシートの厚みは0.2mm~0.33mmである。
【0010】
また、前記第1接着フィルムの厚さは330μm~510μmであり、前記第2接着フィルムの厚さは310μm~500μmである。
【0011】
また、前記第2カバープレートの材料はガラスである。
【0012】
また、前記第1カバープレートの厚みと前記第2カバープレートの厚みは1.5mm~2mmである。
【0013】
また、前記第1接着フィルムの厚さは310μm~500μmであり、前記第2接着フィルムは310μm~520μmである。
【0014】
また、前記第1接着フィルムまたは前記第2接着フィルムと前記溶接ストリップとの間の厚さの差は50μm~180μmである。
【0015】
また、前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムは、POEフィルム又はEVAフィルムのうちの少なくとも1つである。
【0016】
また、前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムが共にPOEフィルムである場合、前記第1接着フィルムの厚さは前記第2接着フィルムの厚さと等しい。
【発明の効果】
【0017】
本願の実施例によって提供される技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0018】
本願実施例によって提供される光起電力モジュールの技術案には、電池セルの厚さが100μm~170μm、第1接着フィルムの厚さが300μm~550μm、第2接着フィルムの厚さが300μm~710μmであるような条件を設置すると、第1接着フィルムの厚さと第2接着フィルムの厚さが0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19の関係式を満たし、ここで、xは第1接着フィルムの厚さ、yは第2接着フィルムの厚さであり、そうすると、第1接着フィルムと第2接着フィルムの厚さをフィットさせ、且つ第1接着フィルムの厚さと第2接着フィルムの厚さは電池セルとそれぞれにフィットすることができるため、第1接着フィルムの入射光線の吸収能力と第2接着フィルムの入射光線の吸収能力をフィットさせ、電池セルによる入射光線の吸収率を向上し、光起電力モジュールの性能を改善する。さらに、電池セルの表面に溶接ストリップを設置し、且つ溶接ストリップの厚さを200μm~400μmとし、溶接ストリップの厚さが第1接着フィルムおよび第2接着フィルムの厚さとフィットするようにし、溶接ストリップ表面の第1接着フィルムまたは第2接着フィルムが入射光線に対する吸収能力を比較的によくさせ、全体的に光起電力モジュールの性能を向上させることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
【
図1】
図1は本願の実施例で提供される光起電力モジュールの断面構造を示す模式図である。
【
図2】
図2は本願の実施例で提供される他の光起電力モジュールの断面構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は本願の実施例で提供されるさらに他の光起電力モジュールの断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の実施例は光起電力モジュールを提供し、第1カバープレートと、第1接着フィルムと、電池セルと、第2接着フィルムと、第2カバープレートを備え、電池セルの厚さが100μm~170μm、第1接着フィルムの厚さが300μm~550μm、第2接着フィルムの厚さが300μm~710μmであるような条件を設置すると、第1接着フィルムの厚さと第2接着フィルムの厚さが0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19の関係式を満たし、ここで、xは第1接着フィルムの厚さ、yは第2接着フィルムの厚さであり、そうすると、第1接着フィルムの厚さと第2接着フィルムの厚さは電池セルとそれぞれにフィットすることができるため、第1接着フィルムと第2接着フィルムは入射光線の吸収能力をより高くさせ、電池セルによる入射光線の吸収利用率を向上し、光起電力モジュールの光電変換性能を改善し、さらに、電池セルの表面に溶接ストリップを設置し、溶接ストリップの厚さを200μm~400μmとし、溶接ストリップの厚さが第1接着フィルムおよび第2接着フィルムの厚さと一致するようにし、溶接ストリップ表面の第1接着フィルムまたは第2接着フィルムが入射光線に対する吸収能力を比較的によくさせる。
【0021】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部がなくても、以下の各実施例に基づく種々の変更や修正によっても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0022】
図1は本願の実施例で提供される光起電力モジュールの断面構造を示す模式図である。
【0023】
図1を参照すると、光起電力モジュールは第1カバープレート101、第1接着フィルム102、電池セル103、第2接着フィルム104及び第2カバープレート105を含み、電池セル103の厚さは100μm~170μm、第1接着フィルム102の厚さは300μm~550μm、第2接着フィルム104の厚さは300μm~710μm、第1接着フィルム102の厚さと第2接着フィルム104の厚さは以下の0.0007x
2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x
2-1.0297x+314.19という関係式を満足し、ここで、xは第1接着フィルム102の厚さであり、yは第2接着フィルム104の厚さであり、さらに、溶接ストリップ106を含み、溶接ストリップ106は電池セル103の表面に設置され、溶接ストリップ106の厚さは200μm~400μmである。
【0024】
複数の電池セル103のうちのそれぞれの電池セル103は入射光線中の光子を吸収して電子正孔対を生成することに用いられ、電子正孔対が電池セル103の内蔵電界によって分離され、PN接合の両端に電位が生じるため、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例では、電池セル103の1つの表面は、入射光線を吸収するための受光面として使用される。他のいくつかの実施例では、電池セル103の2つの表面は、入射光線を吸収するための受光面として使用される。いくつかの実施例では、電池セル103は、結晶シリコン太陽電池であってもよく、例えば、単結晶シリコン太陽電池または多結晶シリコン太陽電池であってもよい。理解できるのは、いくつかの実施例では、電池セル103の数が1つ以上であり、複数の電池セル103は全セルまたはマルチフラグメント(例えば、1/2等分セル、1/3等分セル、1/4等分セルなどマルチフラグメント)の形で電気的に接続することによって複数のセルストリングを形成することができ、複数のセルストリングは、直列と/あるいは並列に電気的に接続される。
【0025】
電池セル103の厚さを100μm~170μmに設置し、この厚さの範囲では電池セル103の厚さが比較的に小さく、電池セル103の全体重量を低減することができるため、光起電力モジュールの軽量化を達成することができる。
【0026】
第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104を電池セル103の対向する2つの表面に設置し、電池セル103を封止し、また電池セル103と第1カバープレート101、第2カバープレート105を接合することに使用される。入射光線が光起電力モジュールの表面に照射すると、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104を経由して電池セル103の表面に到達することができる。電池セル103の厚さに基づいて、第1接着フィルム102の厚さを300μm~550μm、第2接着フィルム104の厚さを300μm~710μmに設置し、この厚さの範囲では、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さは電池セル103とフィットし、すなわち、一方では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さを厚くすることで、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の電池セル103に対する封止の効果をよりよくさせ、電池セル103の内部に水蒸気が侵入して電池セル103が故障する問題を有効に防止することが可能である。もう一方では、この厚さの範囲では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さが厚すぎないため、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が入射光線に対する吸収効果は比較的によく、電池セル103による入射光線の利用率を向上させることが可能である。さらに、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さをこの範囲に設置することで、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104を準備する用量を少なくさせ、光起電力モジュールの軽量化に役立つだけでなく、準備にかかるコストも低減することができる。なお、ここでの第1接着フィルム102の厚さ及び第2接着フィルム104の厚さは、電池セル103の表面に位置する第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さを指す。
【0027】
いくつかの実施例では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の少なくとも一方は、電池セル103との厚さ差が200μm~350μmである。この範囲では、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104と電池セル103との厚さ差を比較的に大きくさせ、すなわち電池セル103の表面に位置する第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さが比較的に大きいため、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104が電池セル103に対する封止の効果は比較的によくさせ、水蒸気が電池セル103に侵入するのをよりよく防止することができるため、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104がPID(Potential Induced Degradation、電圧誘起出力低下)に対してより良い耐性を有することができる。もう一方、この範囲では、電池セル103の表面に位置する第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さは大きすぎないため、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104は入射光線に対する吸収能力を比較的に良くさせ、入射光線に対する電池セル103の吸収利用率を向上させることができる。
【0028】
具体的には、いくつかの実施例では、第1接着フィルム102と電池セル103との厚さの差が200μm~350μmであり、他のいくつかの実施例では、第2接着フィルム104と電池セル103との厚さの差が200μm~350μmであり、さらに他のいくつかの実施例では、また第1接着フィルム102と電池セル103との厚さの差及び第2接着フィルム104と電池セル103との厚さの差はともに200μm~350μmである。
【0029】
電池セル103の対向する二つの表面を受光面として入射光線を吸収する場合、入射光線が第1接着フィルム102または第2接着フィルム104のいずれかの接着フィルムに照射されると、入射光線の一部は第1接着フィルム102または第2接着フィルム104に反射され、反射された入射光線は底面を通して第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の他方に反射され、あるいは周囲環境を通して第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の他方に回折し、それによって第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の他方に再吸収、利用される。ここで、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さは入射光線の吸収率に比較的に大きな影響を与え、例えば、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さが大きいほど、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104による入射光線の吸収率は小さくなる。
【0030】
前記の分析及び第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さ及び電池セル103の厚さに基づいて、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さが以下の0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19という関係式を満たすように設置し、ここで、xは第1接着フィルム102の厚さ、yは第2接着フィルム104の厚さである。第1接着フィルム102と第2接着フィルム104がこの関係式を満たす場合、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さをフィットさせ、また第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さがそれぞれ電池セル103の厚さとフィットするように、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104に照射された入射光線が第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の他方に反射される際に、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の他方が反射された入射光線の吸収率は比較的に高くさせることで、光起電力モジュールによる入射光線の吸収利用効率を高くすることができる。例えば、入射光線が第1接着フィルム102の表面に照射される場合、入射光線の一部が地面に反射され、あるいは周囲の環境によって第2接着フィルム104の表面に回折されるため、この部分の入射光線を第2接着フィルム104に再吸収して利用できるようにする。
【0031】
いくつかの実施例では、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104は、POE(Poly Olefin Elastomer、ポリオレフィンエラストマー)フィルム又はEVA(Ethylene Vinyl Acetate、エチレン酢酸ビニル)フィルムのうちの少なくとも1つである。POEフィルムは、水蒸気バリア性、イオンバリア性に優れ、経時変化の過程で酸性物質を発生せず、耐老化性に優れ、そしてPIDに強い。EVAフィルムは、短波長の入射光線をよりスムーズに通過させ、電池セル103による入射光線の吸収利用率を高めることが可能である。いくつかの実施例では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104は両方ともPOEフィルムであってもよく、他のいくつかの実施例では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104は両方ともEVAフィルムであってもよく、さらに他のいくつかの実施例では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の中は両方ともPOE材料だけでなくEVA材料も含んでいてもよい。例えば、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104は複合フィルムであり、複合フィルムはPOEフィルム及びEVAフィルムで構成されている。
【0032】
いくつかの実施例では、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104が共にPOEフィルムである場合、第1接着フィルム102の厚さは第2接着フィルム104の厚さと等しい。第1接着フィルム102の厚さを第2接着フィルム104の厚さと同じにすることで、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104は、電池セル103の対向する2つの表面に対して、同等の水蒸気バリア性を有するとともに、イオンバリア性を有するため、電池セル103構造全体の封止性を比較的によくすることができ、電池セル103が比較的に良い性能を維持することができる。
【0033】
少なくとも1つの溶接ストリップ106は電池セル103の表面に設置され、具体的には、いくつかの実施例では、溶接ストリップ106は電池セル103上のグリッド線の表面に位置することができ、また隣接する2つの電池セル103を接続し、隣接する2つの電池セル103を電気的に接続する。溶接ストリップ106は第1接着フィルム102または第2接着フィルム104によって包まれるため、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が溶接ストリップ106を電池セル103の表面にしっかりと接着できる。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さに基づいて、溶接ストリップ106の厚さを200μm~400μmに設置することで、溶接ストリップ106の厚さを第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さにフィットさせ、溶接ストリップ106の表面に位置する第1接着フィルム102または第2接着フィルム104が入射光線に対する吸収能力を比較的によくさせ、光起電力モジュールの性能を全体的に向上させることが可能となる。
【0034】
具体的には、
図1を参照すると、いくつかの実施例では、光起電力モジュールにおける複数の電池セル103が間隔をあけて配置され、また複数の電池セル103が平行に設置されている。
図1に示す実施例のように、複数の電池セル103は水平な直線に沿って平行に設置され、いくつかの実施例において、複数の電池セル103は垂直な直線に沿って平行に設置されてもよい。溶接ストリップ106は、隣接する2つの電池セル103の対向する2つの面をそれぞれ接続することによって2つの電池セル103間の電気的な接続を形成し、例えば、溶接ストリップ106の一端は、隣接する2つの電池セル103のうちの一つの前面に接続され、溶接ストリップ106の他端は、隣接する2つの電池セル103のうちのもう一つの裏面に接続される。溶接ストリップ106の形状は円形、矩形、梯形あるいは三角形のいずれかの形状であってもよい。前記形状の溶接ストリップ106は、比較的に大きい厚さを持つため、溶接ストリップ106の電流伝送性能を向上することができる。
【0035】
図2を参照すると、他のいくつかの実施例では、光起電力モジュールにおける複数の電池セル103は間隔を空けて配置され、隣接する2つの電池セル103の間は部分的に重なり合っているため、2つの電池セル103の間の間隔を比較的に近くさせる。これに基づいて、溶接ストリップ106の形状を扁平にすることができ、扁平な溶接ストリップ106は曲げ性が比較的に良く、光起電力モジュールのラミネート加工に役に立ち、ラミネート加工を実施しやすくなる。また、扁平な溶接ストリップ106を設置することで、溶接ストリップ106の厚さを小さくし、これで、第1カバープレート101、第1接着フィルム102、電池セル103、第2接着フィルム104、及び第2カバープレート105にラミネート加工をして光起電力モジュールを形成する際に、形成された光起電力モジュールの厚さを薄くさせ、光起電力モジュールの小型化に役立っている。具体的には、いくつかの実施例では、2つの電池セル103の重なり合う部分に対応する溶接ストリップ106の形状のみを扁平に設置し、2つの電池セル103の重なり合わない部分に対応する溶接ストリップ106の形状を円形、矩形、梯形あるいは三角形のいずれかにすることが可能である。他のいくつかの実施例では、溶接ストリップ106の全体を扁平に設置してもよい。
【0036】
図3を参照すると、理解できるのは、さらにいくつかの実施形例では、光起電力モジュールにおいて複数の電池セル103が間隔を空けて配置され、また複数の電池セル103が平行に設置する場合、2つの隣接する電池セル103の間の溶接ストリップ106の形状を扁平に設置してもよい。具体的には、いくつかの実施例では、扁平な溶接ストリップ106の厚さは、100μm~150μmであってもよい。
【0037】
いくつかの実施例では、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104と溶接ストリップ106との間の厚さの差は50μm~180μmである。理解できるのは、ここで言及される厚さの差は、電池セル103の表面に設置された溶接ストリップ106と第1接着フィルム102または第2接着フィルム104との間の厚さの差である。この厚さの差の範囲では、溶接ストリップ106の表面に位置する第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の厚さを比較的に大きくさせることで、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104が溶接ストリップ106を比較的に良く保護し、また第1接着フィルム102あるいは第2接着フィルム104が溶接ストリップ106に比較的に良く接着するので、溶接ストリップ106を電池セル103の表面にしっかりと接着させることができる。また、光起電力モジュールのラミネート加工に圧縮空間を提供でき、第1カバープレートまたは第2カバープレートの破損を防ぐことができる。一方、この厚さの範囲では、溶接ストリップ106の表面に位置する第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の厚さが厚すぎないため、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の全体の厚さが小さくなり、軽量化の光起電力モジュールを準備することに役立つ。具体的には、いくつかの実施例では、溶接ストリップの厚さは、260μm、280μm、300μm、または315μmであってもよい。
【0038】
第1カバープレート101と第2カバープレート105は電池セル103の対向する両側に位置し、第1カバープレート101は第1接着フィルム102の表面を覆い、第2カバープレート105は第2接着フィルム104の表面を覆ってもよい。いくつかの実施例では、第1カバープレート101は電池セル103の正面に位置してもよく、第2カバープレート105は電池セル103の背面に位置してもよい。他のいくつかの実施例では、第1カバープレート101は電池セル103の背面に位置しても良く、第2カバープレート105は電池セル103の正面に位置してもよい。第1カバープレート101及び第2カバープレート105により優れた絶縁性、耐水性および耐老化性を有するため、第1カバープレート101及び第2カバープレート105が電池セル103の2つの対向する表面に位置し、電池セル103に保護及び支持の作用を提供することができる。
【0039】
続いて
図2を参照すると、いくつかの実施例では、第1カバープレート101の材料はガラスであり、ガラスの電池セル103に向かう表面はエンボス構造を有し、エンボス構造は電池セル103から離れる方向に凹んでおり、またエンボス構造の凹みの深さは30μm~50μmである。ガラスは光の透過性が比較的に良く、したがって、第1カバープレート101の材料をガラスに設置すると、光起電力モジュールによる入射光線の吸収効果を高めることができる。エンボス構造をガラス表面に設置し、ガラス表面を凹凸表面にさせることで、電池セル103の表面に入射した入射光線が電池セル103の表面に反射された際に、反射された入射光線がガラス表面のエンボス構造で乱反射するため、反射された入射光線が再びガラス表面のエンボス構造に電池セル103の表面に反射し、光起電力モジュールの光学利得を比較的に高くさせることができるため、光起電力モジュールの発電量を向上することができる。
【0040】
エンボス構造の凹みの深さを30μm~50μmに設置し、例えば、50μmとしても良く、この範囲では、エンボス構造の凹凸程度が比較的に大きいため、エンボス構造の粗雑さの程度が比較的に大きく、比較的によい乱反射効果を持ち、入射光線の吸収利用率を向上させることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101がガラスである場合、第2カバープレート105の材料はバックシートであり、第1接着フィルム102は第1カバープレート101と電池セル103との間に位置し、第2接着フィルム104は第2カバープレート105と電池セル103との間に位置し、第2接着フィルム104の厚さは第1接着フィルム102の厚さより小さいあるいは等しい。つまり、光起電力モジュールは単板ガラスモジュールである。具体的には、いくつかの実施例では、バックシートは、TPCバックシート、PPCバックシートまたはCPCバックシートのいずれかであってもよい。ガラスの厚みはバックシートの厚みよりも大きいため、第1接着フィルム102の厚みは第2接着フィルム104の厚みよりも大きいように設置することで、ラミネート加工過程にガラスの硬度が高すぎて第1接着フィルム102が破損する問題を防ぐことができる。
【0042】
バックシートとガラスの材料特性が異なるため、いくつかの実施例では、第1接着フィルム102の厚さは好ましくは330μm~510μmであり、第2接着フィルム104の厚さは好ましくは310μm~500μmである。この範囲では、第1接着フィルム102の厚さがガラスの厚さとフィットし、第2接着フィルム104がバックシートの厚さとフィット致し、ラミネート加工の行いに役立つ。また、この範囲では、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みが比較的に小さいため、軽量化の光起電力モジュールの準備に役立つ。さらに、第1接着フィルム102、第2接着フィルム104の厚みが比較的に小さいため、入射光線の吸収をいっそう高めることができる。具体的には、第1接着フィルム102の厚みが330μmである場合、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104との間の関係式に基づいて、第2接着フィルム104の厚みを308μm~350μmに設置してもよく、第1接着フィルム102の厚みが510μmである場合、第2接着フィルム104の厚みを335μm~500μmに設置してもよい。関係式を満たすように第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚みを設置することで、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が入射光線を透過する能力にフィットするようにさせ、これで、入射光線が第1接着フィルム102と第2接着フィルム104のいずれか一方から第1接着フィルム102と第2接着フィルム104のいずれか他方に反射されたとき、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の他方は電池セル103に吸収されるまで反射された光線の大部分を再び透過できる。これで、光起電力モジュールによる入射光線の利用率を向上させることができる。
【0043】
入射光線はまず第1カバープレート101及び第2カバープレート105を通過してから第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104に入射し、また第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104に反射された入射光線は第1カバープレート101及び第2カバープレート105の内表面に照射するため、第1カバープレート101及び第2カバープレート105の内表面がこの部分の入射光線を電池セル103の表面に新たに反射するため、第1接着フィルム102と第1カバープレート101の厚さのフィット、及び第2接着フィルム104と第2カバープレート105の厚みのフィットは入射光線の吸収率に比較的に大きな影響を与える。
【0044】
したがって、第1接着フィルム102の厚さと第2接着フィルム104の厚み、及び第1カバープレート101と第2カバープレート105の材料特性に基づいて、第1カバープレート101の厚みを2.7mm~3.2mm、バックシートの厚みを0.2mm~0.33mmに設置してもよい。これで、第1カバープレート101の厚さが第1接着フィルム102の厚さとフィットさせ、また第2カバープレート105の厚さが第2接着フィルム104とフィットすることにより、ラミネート加工の成功率を向上させ、準備された光起電力モジュールには比較的に良い性能を有するだけでなく、第1カバープレート101と第1接着フィルム102を入射光線に対する吸収能力とフィットさせ、また第2カバープレート105と第2接着フィルム104を入射光線に対する吸収能力とフィットさせることで、光起電力モジュールの入射光線に対する吸収利用率を向上することができる。
【0045】
理解できるのは、本願の実施例で提供される光起電力モジュールでは、電池セル103の厚さに基づいて第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さを設置し、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さに基づいて第1カバープレート101及び第2カバープレート105の厚さを設置し、すなわち、電池セル103の厚さ、第1カバープレート101及び第2カバープレート105の厚さ、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さがすべて互いにフィットした関係にあるため、光起電力モジュールは入射光線に対する吸収利用率を比較的に高くさせ、光起電力モジュールの光電変換性能を改善する。
【0046】
具体的には、第1カバープレート101がガラスであり、第2カバープレート105がバックシートである場合、いくつかの実施例では、電池セル103の厚さを130μm、第1接着フィルム102の厚さを330μm、第2接着フィルム104の厚さを308μm、第1カバープレート101の厚さを2.7mm、第2カバープレート105の厚さを0.2mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さに基づいて、電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚さを260μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚さを100μmに設置しても良い。
【0047】
いくつかの他の実施例では、電池セル103の厚さを150μm、第1接着フィルム102の厚さを445μm、第2接着フィルム104の厚さを431μm、第1カバープレート101の厚さを2.95mm、第2カバープレート105の厚さを0.265mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さに基づいて、電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚さを280μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚さを125μmに設置しても良い。
【0048】
いくつかのさらに他の実施例では、電池セル103の厚さを155μm、第1接着フィルム102の厚さを461μm、第2接着フィルム104の厚さを450μm、第1カバープレート101の厚さを3mm、第2カバープレート105の厚さを0.28mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さに基づいて、電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚さを300μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚さを135μmに設置しても良い。
【0049】
他のいくつかの実施例では、電池セル103の厚さを167μm、第1接着フィルム102の厚さを510μm、第2接着フィルム104の厚さを385μm、第1カバープレート101の厚さを3.2mm、第2カバープレート105の厚さを0.3mm~0.33mmに設置することも可能である。具体的には、いくつかの実施例では、第2カバープレート105は、TPCバックシート、PPCバックシートまたはCPCバックシートのいずれかであってもよく、第2カバープレート105がTPCバックシートである場合、第2カバープレート105の厚さは0.32mmであってもよく、第2カバープレート105がPPCバックシートである場合、第2カバープレート105の厚さは0.315mmであってもよく、第2カバープレート105がCPCバックシートである場合、第2カバープレート105の厚さは0.305mmであってもよい。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚みを315μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚みを150μmに設置することも可能である。
【0050】
いくつかの他の実施例では、第1カバープレート101がガラスである場合、第2カバープレート105の材料もガラスであり得る。すなわち、光起電力モジュールは複層ガラスモジュールであり、複層ガラスモジュールの電池セル103の両側にガラスが設置されているため、複層ガラスモジュールの構造が対称となり、電池セル103の両側に同じ重量がかかるため、機械的強度を効果的に向上させることができ、電池セル103をよりよく保護することができる。
【0051】
複層ガラスモジュールの設置に基づいて、いくつかの実施例では、第1接着フィルム102の厚さは310μm~500μmであり、第2接着フィルム104は310μm~520μmである。この厚さの範囲では、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104とガラスのフィット程度は比較的に高く、すなわち第1接着フィルム102と第2接着フィルム104を薄くすることが可能で、ラミネート加工中で、ガラスの硬さが比較的に大きいため、第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の損傷の問題を防ぐことができる。
【0052】
第1接着フィルム102の厚みと第2接着フィルム104の厚み及び第1カバープレート101と第2カバープレート105の材料特性に基づいて、第1カバープレート101の厚みと第2カバープレート105の厚みを1.5mm~2mmに設置しても良い。すなわち、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚みが同じでも良く、これは、第1カバープレート101と第2カバープレート105の材料は同じため、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚みを同じに設置することで第1カバープレート101と第2カバープレート105の重量はほぼ同じまたは全く同じようにさせることで、電池セル103の両側の重量をほぼ同じし、光起電力モジュールのバランスを保つことに役立つため、光起電力モジュールの機械的強度を向上させ、また設置の安定性を向上させることに役立つ。
【0053】
第1カバープレート101と第2カバープレート105の両方がガラスであることに基づいて、いくつかの実施例では、電池セル103の厚さを130μm、第1接着フィルム102の厚さを310μm、第2接着フィルム104の厚さを310μm、第1カバープレート101の厚さを1.5mm、第2カバープレート105の厚さを1.5mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、また電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚みを260μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚みを100μmと設置することも可能である。
【0054】
他のいくつかの実施例では、電池セル103の厚さを150μm、第1接着フィルム102の厚さを415μm、第2接着フィルム104の厚さを396μm、第1カバープレート101の厚さを1.75mm、第2カバープレート105の厚さを1.75mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、また電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚みを290μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚みを125μmと設置することも可能である。
【0055】
いくつかの他の実施例では、電池セル103の厚さを155μm、第1接着フィルム102の厚さを440μm、第2接着フィルム104の厚さを468μm、第1カバープレート101の厚さを1.81mm、第2カバープレート105の厚さを1.81mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、また電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚みを300μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚みを131μmと設置することも可能である。
【0056】
いくつかのさらに他の実施例では、電池セル103の厚さを167μm、第1接着フィルム102の厚さを500μm、第2接着フィルム104の厚さを520μm、第1カバープレート101の厚さを2mm、第2カバープレート105の厚さを2mmに設置しても良い。第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、また電池セル103上に位置する溶接ストリップ106の厚みを315μm、隣接する2つの電池セル103の間に位置する溶接ストリップ106の厚みを150μmと設置することも可能である。
【0057】
他のいくつかの実施例では、第1カバープレート101と第2カバープレート105の両方がガラスである場合、第1カバープレート101の厚みが第2カバープレート105の厚みと異なっていてもよい。例えば、第1カバープレート101の厚さは、第2カバープレート105の厚さよりも大きい。具体的には、第1カバープレート101の厚さを1.8mm~2mmとすることができ、第2カバープレート105の厚さを1.5mm~1.7mmとすることができる。
【0058】
具体的には、いくつかの実施例では、電池セル103の厚さを155μm、第1接着フィルム102を440μm、第2接着フィルム104を468μm、第1カバープレート101の厚さを1.8mm、第2カバープレート105の厚さを1.5mmに設置することができる。
【0059】
いくつかの他の実施例では、電池セル103の厚さを167μm、第1接着フィルム102を500μm、第2接着フィルム104を500μm、第1カバープレート101の厚さを2mm、第2カバープレート105の厚さを1.7mmに設置することができる。
【0060】
前記の異なる実施例の組み合わせでは、電池セル103の厚さに基づいて、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さを設置し、また第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の厚さは、0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19という関係を満足することで、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みを電池セル103の厚みにフィットさせ、また第1接着フィルム102の厚みを第2接着フィルム104の厚みにフィットさせることで、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の光学性能がフィットし、より多くの入射光線が第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104を透過して電池セル103の表面に照射するようにできる。さらに、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みに基づいて、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さ及び溶接ストリップ106の厚みを設置することで、得られた光起電力モジュールの中では、電池セル103の厚さと第1カバープレート101及び第2カバープレート105の厚さ、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚みが全て互いにフィットすることで、光起電力モジュールによる入射光線の吸収利用率を比較的に高くさせ、光起電力モジュールの光電変換性能を改善する。
【0061】
前記実施例で提供される光起電力モジュールでは、電池セル103の厚さを100μm~170μm、第1接着フィルム102の厚さを300μm~550μm、第2接着フィルム104の厚さを300μm~710μmに設置する条件のもとで、第1接着フィルム102の厚さ及び第2接着フィルム104の厚さが以下の0.0007x2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x2-1.0297x+314.19という関係式を満たし、ここで、xは第1接着フィルム102の厚さであり、yは第2接着フィルム104の厚さであり、これで、第1接着フィルム102の厚さと第2接着フィルム104の厚さをそれぞれ電池セル103とフィットさせ、第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104が入射光線に対する吸収能力を比較的に強くさせ、電池セル103の入射光線に対する吸収利用率を向上させ、光起電力モジュールの光電変換性能を改善し、さらに、溶接ストリップ106の厚さを200μm~400μmに設置し、溶接ストリップ106の厚さを第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104の厚さとフィットさせ、溶接ストリップ106表面に位置する第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が入射光線に対して比較的に良い吸収能力を有するようにさせる。
【0062】
本願は、実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、当業者であれば、本願の着想から逸脱することなく、若干の可能な変動および修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって規定される範囲に従うべきである。
【0063】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】太陽電池の技術分野に関し、特に光起電力モジュールに関する。
【解決手段】第1カバープレートと、第1接着フィルムと、電池セルと、第2接着フィルムと、第2カバープレートと、溶接ストリップと、を備え、前記電池セルの厚さが100μm~170μm、前記第1接着フィルムの厚さが300μm~550μm、前記第2接着フィルムの厚さが300μm~710μmであるような条件を設置すると、前記第1接着フィルムの厚さと前記第2接着フィルムの厚さが0.0007x
2-0.4297x+374.2≦y≦0.0034x
2-1.0297x+314.19の関係式を満たし、ここで、xは第1接着フィルムの厚さ、yは第2接着フィルムの厚さであり、前記溶接ストリップは、電池セルの表面に配置され、前記溶接ストリップの厚さを200μm~400μmである。本願実施例は、光起電力モジュールの性能を向上させるのに有利である。
【選択図】
図1