(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230529BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20230529BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20230529BHJP
A61B 5/11 20060101ALN20230529BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G16H20/00
A61B5/16 130
A61B5/11 100
(21)【出願番号】P 2019102560
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513302477
【氏名又は名称】エコナビスタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】清石 彩華
(72)【発明者】
【氏名】川又 大祐
(72)【発明者】
【氏名】安田 輝訓
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-111609(JP,A)
【文献】特開2017-220012(JP,A)
【文献】特開2011-065504(JP,A)
【文献】特開2017-228157(JP,A)
【文献】特開2005-326982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
A61B 5/16
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品の中からある特定の商品を使用した際の、ユーザの睡眠中の生体データを取得する生体データ取得手段と、
前記特定の商品を使用した際の前記生体データを用いて、前記複数の商品の中から前記ユーザに推奨する推奨商品を選定する選定手段と
を備え
、
前記選定手段は、前記特定の商品として前記複数の商品の中の一部の商品を用いた際の前記ユーザの前記生体データを、当該特定の商品を用いた際の当該ユーザ以外の他のユーザの当該生体データと比較し、当該他のユーザの中から当該ユーザに当該生体データが類似する一のユーザを選択し、当該一のユーザに推奨した商品を前記推奨商品として選定する情報処理システム。
【請求項2】
前記選定手段は、前記特定の商品として前記複数の商品の各々の商品を用いた際の複数の前記生体データを用いて、当該複数の商品の中から前記推奨商品を選定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
コンピュータに、
複数の商品の中からある特定の商品を使用した際の、ユーザの睡眠中の生体データを取得する機能と、
前記特定の商品
として前記複数の商品の中の一部の商品を用いた際の前記ユーザの前記生体データを
、当該特定の商品を用いた際の当該ユーザ以外の他のユーザの当該生体データと比較し、当該他のユーザの中から当該ユーザに当該生体データが類似する一のユーザを選択し、当該一のユーザに推奨した商品を、
当該ユーザに推奨する推奨商品
として選定する機能と
を実現するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1には、対象者の主観から得られる睡眠データと、対象者に装着させた活動量計から得られる睡眠データとに基づいて、対象者に推奨する商品を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザが商品を用いた際の睡眠状態は、商品によって異なる場合がある。そして、例えば商品を用いていない状態での睡眠中の生体データに基づいてユーザに推奨する商品を選定すると、ユーザが実際にその商品を使用した場合に、必ずしも好ましい睡眠状態になるとは限らない。
本発明は、商品を用いていない状態での睡眠中の生体データに基づいてユーザに推奨する商品を選定する場合と比べて、ユーザにとってより好ましい商品を選定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、複数の商品の中からある特定の商品を使用した際の、ユーザの睡眠中の生体データを取得する生体データ取得手段と、前記特定の商品を使用した際の前記生体データを用いて、前記複数の商品の中から前記ユーザに推奨する推奨商品を選定する選定手段とを備え、前記選定手段は、前記特定の商品として前記複数の商品の中の一部の商品を用いた際の前記ユーザの前記生体データを、当該特定の商品を用いた際の当該ユーザ以外の他のユーザの当該生体データと比較し、当該他のユーザの中から当該ユーザに当該生体データが類似する一のユーザを選択し、当該一のユーザに推奨した商品を前記推奨商品として選定する情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記選定手段は、前記特定の商品として前記複数の商品の各々の商品を用いた際の複数の前記生体データを用いて、当該複数の商品の中から前記推奨商品を選定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、複数の商品の中からある特定の商品を使用した際の、ユーザの睡眠中の生体データを取得する機能と、前記特定の商品として前記複数の商品の中の一部の商品を用いた際の前記ユーザの前記生体データを、当該特定の商品を用いた際の当該ユーザ以外の他のユーザの当該生体データと比較し、当該他のユーザの中から当該ユーザに当該生体データが類似する一のユーザを選択し、当該一のユーザに推奨した商品を、当該ユーザに推奨する推奨商品として選定する機能とを実現するプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、商品を用いていない状態での睡眠中の生体データに基づいてユーザに推奨する商品を選定する場合と比べて、ユーザにとってより好ましい商品を選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本実施の形態が適用されるサーバ装置の機能構成例を示す図である。
【
図3】サーバ装置で実行される処理動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図4】端末装置に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図5】サーバ装置で実行される処理動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成を示す図である。
情報処理システム1は、商品を使用して就寝するユーザの睡眠中の生体データを用いて、複数の商品の中からユーザに推奨する商品を選定する。ここで、本実施の形態において、ユーザが使用する商品は、使用することでユーザの睡眠状態が変化するような商品である。このような商品としては、例えば、枕や布団等の寝具、サプリメントや栄養ドリンク等の栄養補助食品、カーテンや照明器具等の寝室の内装用品が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0009】
情報処理システム1は、ユーザの睡眠中の生体データを検知するベッドセンサ2と、ベッドセンサ2による検知結果を取得し、ユーザに推奨する商品を選定するサーバ装置3と、ユーザが操作する端末装置4と、商品に関する関係者が操作する端末装置5が、インターネット10を通じて接続されている。ここで、商品に関する関係者としては、商品の開発、販売、宣伝等に携わる者が挙げられる。
なお、
図1では、ベッドセンサ2および端末装置4がそれぞれ1つであるが、情報処理システム1を用いるユーザが複数いる場合、それぞれのユーザに対応してベッドセンサ2または端末装置4が複数存在してもよい。また、サーバ装置3および端末装置5が複数存在してもよい。
【0010】
ベッドセンサ2は、就寝する人物の生体データを非接触で測定可能なセンサからなり、例えば、ユーザが就寝する寝具の下に敷いて使用するマット型のセンサが挙げられる。例えばベッドセンサ2は、導電性の生地と複数個の圧電素子によって構成され、周期的な微振動を検知の対象とする。なお、ベッドセンサ2としては、マイクロ波ドップラーレーダーを使用してもよい。本実施の形態の場合、ベッドセンサ2は、生体データとして、脈拍、体温、呼吸数、寝返り等の体動を検知する。また、ベッドセンサ2は、寝具にユーザが入ったこと、および寝具からユーザが出たことを検知する。
【0011】
もっとも、ベッドセンサ2は、生体データを検知できれば、マット型のセンサやマイクロ波ドップラーレーダーに限らない。例えばベッドセンサ2として、スマートフォンを代用してもよい。現在、スマートフォン用のアプリケーションプログラムとして、スマートフォンに内蔵された加速度センサの出力を用いて、被検者の睡眠時間や睡眠サイクル等を計測できるものがある。このようなスマートフォン用のアプリケーションプログラムを、ベッドセンサ2として用いることができる。
【0012】
ベッドセンサ2は、予め定めた時間単位(例えば、1分単位)で、または生体データが検知されたタイミングで、インターネット10を通じて生体データをサーバ装置3へ送信する。
【0013】
サーバ装置3は、ベッドセンサ2から取得した生体データを収集し分析する。また、サーバ装置3は、生体データの分析結果に基づき、複数の商品の中からユーザに推奨する商品を選定する。そして、サーバ装置3は、複数の商品の中から選定した商品を、ユーザの端末装置4等へ通知する。さらにまた、サーバ装置3は、生体データの分析結果に基づき、それぞれの商品の使用に適したユーザの属性情報を抽出する。そして、サーバ装置3は、抽出した属性情報を、商品に関する関係者の端末装置5等へ通知する。
なお、サーバ装置3の構成や機能については、後段にて詳細に説明する。
【0014】
端末装置4および端末装置5は、情報を表示する表示部および他の装置等との通信を行う通信部を備える情報機器であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等であるが特に限定されるものではない。
端末装置4は、ユーザが商品を使用して就寝する場合に、ユーザが使用する商品に関する情報の入力を受け付け、サーバ装置3へ送信する。ユーザが使用する商品に関する情報とは、複数の商品のうちユーザが使用する商品を識別するための情報である。以下、商品識別情報と表記する場合がある。また、端末装置4は、表示部による表示等を介して、サーバ装置3にて選定されたユーザに推奨する商品をユーザに通知する。
端末装置5は、表示部による表示等を介して、サーバ装置3にて抽出された属性情報を商品に関する関係者に通知する。
【0015】
図2は、本実施の形態が適用されるサーバ装置3の機能構成例を示す図である。
サーバ装置3は、所謂コンピュータであり、アプリケーションプログラムを実行する演算装置31と、各種のデータを記憶する記憶装置33と、情報処理システム1(
図1参照)を構成する他の装置との通信を行う通信装置35と、これらを接続するバス37とを備えている。
演算装置31は、CPU(=Central Processing Unit)と、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)とを有している。ここでのROMは、不揮発性の半導体メモリであれば書き換えが可能でもよい。
【0016】
演算装置31は、商品を使用して就寝するユーザの睡眠中の生体データを分析する生体データ分析部311と、生体データの分析結果等に基づいて、複数の商品の中からユーザに推奨する商品(以下、推奨商品と表記する場合がある。)を選定する選定部313と、商品に適した属性情報を抽出する抽出部315として機能する。また、演算装置31は、選定部313により選定された推奨商品をユーザの端末装置4等に通知し、抽出部315により抽出された属性情報を商品に関する関係者の端末装置5等に通知する通知部317として機能する。生体データ分析部311、選定部313、抽出部315および通知部317の各機能は、アプリケーションプログラムの実行を通じて実現される。
【0017】
生体データ分析部311は、生体データ取得手段の一例であって、複数の商品の中からある特定の商品を使用して就寝するユーザの睡眠中の生体データを分析する。そして、生体データ分析部311は、生体データの分析結果を、記憶装置33に記憶させる。付言すると、生体データ分析部311は、ユーザの睡眠中の生体データの分析、および生体データの分析結果の出力を、商品ごとに行う。生体データの分析結果としては、例えば、睡眠時間の長さ、睡眠深度、中途覚醒の回数、およびこれらに対する評価等が挙げられる。
【0018】
選定部313は、選定手段の一例であって、生体データ分析部311による生体データの分析結果および商品識別情報に基づいて、複数の商品の中からユーザに推奨する推奨商品を選定する。また、選定部313は、推奨商品を選定する際に、商品を使用したユーザの感想等を、端末装置4等を介して取得し、用いてもよい。
なお、選定部313による推奨商品の選定方法については、後段にて例を挙げて説明する。
【0019】
抽出部315は、抽出手段の一例であって、記憶装置33に記憶された複数のユーザの生体データの分析結果に基づいて、複数の商品のうち特定の商品に対応する属性情報を抽出する。ここで、属性情報とは、商品を使用するユーザの性質や特徴を表す情報であって、例えばユーザの性別、年齢(または年代)、体格、職業等が挙げられる。なお、抽出部315による属性情報の抽出方法については、後段にて例を挙げて説明する。
【0020】
通知部317は、選定部313により選定された推奨商品に関する情報を、ユーザが操作する端末装置4に通知する。また、抽出部315により抽出された属性情報を、商品に関する関係者が操作する端末装置5に通知する。
【0021】
記憶装置33は、不揮発性の書き換え可能な記憶媒体にデータを読み書きする装置であり、例えばハードディスク装置、半導体メモリ等で構成される。本実施の形態の場合、記憶装置33には、基本ソフトウェアやアプリケーションプログラムも記憶されている。CPUによるアプリケーションプログラムの実行を通じ、前述した生体データ分析部311、選定部313、抽出部315および通知部317の機能が実現される。
【0022】
また、本実施の形態の記憶装置33には、ベッドセンサ2から取得された生体データが記憶される。
さらに、記憶装置33には、生体データ分析部311により分析された生体データの分析結果が記憶される。付言すると、記憶装置33には、複数のユーザについての生体データの分析結果が、商品識別情報と対応付けられて、それぞれの商品ごとに記憶される。
さらにまた、記憶装置33には、抽出部315により抽出された属性情報が、商品識別情報と対応付けられて、それぞれの商品ごとに記憶される。
【0023】
また、記憶装置33には、情報処理システム1を用いるユーザを識別する識別情報、ユーザの連絡先等の各種のデータが記憶されている。記憶装置33に記憶される各種のデータは、情報処理システム1を用いるユーザの数だけ記憶されており、ユーザの管理に用いられるID(Identifier)によって管理されている。ユーザを識別する識別情報は、例えば、ユーザの氏名、住所等の情報である。また、ユーザの連絡先には、例えばユーザが操作する端末装置4で用いられるメールアドレス等が記録される。
なお、本実施の形態では、記憶装置33が収集手段の一例である。
【0024】
続いて、本実施の形態のサーバ装置3により実行される推奨商品の選定、通知処理について説明する。
図3は、サーバ装置3で実行される処理動作の一例を説明するフローチャートである。
情報処理システム1を利用するユーザは、端末装置4を用いて、就寝する際に使用する商品に関する商品識別情報の入力を行う。端末装置4は、入力を受け付けた商品識別情報を、サーバ装置3へ出力する。
サーバ装置3は、演算装置31の選定部313が、端末装置4から出力された商品識別情報を取得する(ステップ101)。
【0025】
次いで、ユーザが商品を使用して就寝すると、ベッドセンサ2は、予め定めた時間単位またはタイミングで、生体データをサーバ装置3へ送信する。
サーバ装置3は、ベッドセンサから送信された生体データを受信すると、受信した生体データを、商品識別情報と対応付けて、記憶装置33(
図2参照)に記憶する(ステップ102)。サーバ装置3は、予め定めた単位期間の生体データを取得するまで、この処理を継続的に実行する。すなわち、サーバ装置3は、単位期間の生体データを取得したか否かの判定を行う(ステップ103)。そして、単位期間の生体データを取得していない場合(ステップ103でNO)、生体データを受信し、記憶する処理を継続する。なお、単位期間としては、商品の選定に必要な生体データの分析結果を得ることができる期間であり、例えば、1日間、1週間等の期間である。
【0026】
次いで、単位期間の生体データを取得すると(ステップ103でYES)、サーバ装置3は、生体データ分析部311が、単位期間に取得された生体データの分析を行う(ステップ104)。具体的には、生体データ分析部311は、生体データの分析を行い、単位期間におけるユーザの睡眠時間の長さ、睡眠深度、中途覚醒の回数等を算出する。
そして、生体データ分析部311は、分析結果を、商品識別情報と対応付けて記憶装置33に記憶する(ステップ105)。
【0027】
次いで、サーバ装置3は、選定部313が、ユーザに推奨する推奨商品の選定に必要な生体データの分析が完了したか否かの判定を行う(ステップ106)。すなわち、後述するように、選定部313は、複数の商品を使用した際の生体データの分析結果を用いて、推奨商品の選定を行う場合がある。このような場合には、選定部313は、推奨商品の選定に必要な複数の商品を使用した際の生体データの分析結果が全て記憶装置33に記憶されたか否かの判定を行う。
そして、推奨商品の選定に必要な生体データの分析結果が全て得られていない場合には(ステップ106でNO)、ステップ101に戻り、処理を継続する。
【0028】
次いで、推奨商品の選定に必要な生体データの分析結果が全て得られると(ステップ106でYES)、選定部313は、記憶装置33に記憶される生体データの分析結果等を用いて、ユーザに推奨する推奨商品を選定する(ステップ107)。なお、ステップ107における推奨商品の選定方法については、後段にてより詳細に説明する。
【0029】
次いで、サーバ装置3は、通知部317が、ユーザが使用する端末装置4に対して、選定部313により選定された推奨商品に関する情報を通知し(ステップ108)、サーバ装置3による一連の処理を終了する。
【0030】
通知を受けた端末装置4は、推奨商品に関する情報をメッセージとして表示部に表示する。
図4は、端末装置4に表示されるメッセージの一例を示す図である。
図4では、端末装置4としてスマートフォンの表示部にメッセージを表示する場合を示している。
【0031】
推奨商品に関する情報の表示態様は特に限定されるものではないが、例えば、推奨商品の商品名や型番を表示する他に、推奨商品の購入先やレンタル先等を併せて表示してもよい。また、推奨商品に関するコメントや、推奨商品を使用した際の生体データ(または睡眠状態)に関するコメント等を併せて表示してもよい。さらに、選定部313により複数の推奨商品が選定される場合には、複数の推奨商品を推奨する順位等を表示してもよい。
図4に示す例では、ユーザであるAさんに推奨する推奨商品として2つの商品が選定されており、メッセージとしてそれぞれの推奨商品の商品名、購入先のアドレス、および推奨商品に関するコメントが表示されている。
【0032】
なお、推奨商品をユーザに通知する方法としては端末装置4を介したものに限られない。情報処理システム1では、推奨商品に関する情報を、例えば商品を販売する販売店等に通知してもよい。また、例えばユーザの住所等に推奨商品の実物を配送することによって、推奨商品の通知を行ってもよい。
【0033】
続いて、上述したステップ107において選定部313により行われる推奨商品の選定方法について説明する。ここでは、複数の商品X、Y、Zが存在し、ユーザAに推奨する推奨商品をこれらの商品の中から選定する場合を例に挙げて説明する。
【0034】
(選定方法の第1の例)
選定部313は、複数の商品のそれぞれを使用して就寝した際の睡眠中の生体データの分析結果を用いて、複数の商品の中から推奨商品を選定することができる。この例では、選定部313は、記憶装置33に記憶される商品Xを使用した際の生体データの分析結果、商品Yを使用した際の生体データの分析結果、および商品Zを使用した際の生体データの分析結果を取得する。そして、これらの分析結果を比較することで、例えば睡眠状態が最も良好な商品を、推奨商品として選定することができる。
【0035】
(選定方法の第2の例)
選定部313は、複数の商品のうちのいずれか一部の商品(この例では、商品Xとする。)を使用して就寝した際の睡眠中の生体データの分析結果を、予め定めた基準と比較することで、複数の商品の中から推奨商品を選定することができる。
予め定めた基準としては、例えば、他のユーザが複数の商品X、Y、Zを使用して就寝した際の生体データの分析結果が挙げられる。具体的には、選定部313は、商品Xを使用した際のユーザAの睡眠中の生体データの分析結果を、商品Xを使用した際の他のユーザの睡眠中の分析結果と比較する。そして、他のユーザの中から生体データの分析結果の傾向が類似するユーザ(以下、ユーザB)を選択し、このユーザBに対して推奨される推奨商品を、ユーザAへの推奨商品として選定することができる。
【0036】
また、予め定めた基準としては、例えば他のユーザが複数の商品X、Y、Zを使用して就寝した際の生体データの分析結果から算出された、生体データの基準値(睡眠時間の長さ、睡眠深度、中途覚醒の回数等)が挙げられる。具体的には、選定部313は、商品Xを使用した際のユーザAの睡眠中の生体データの分析結果を、生体データの基準値と比較する。そして、その比較結果に基づいて、ユーザAへの推奨商品を選定することができる。例えば、選定部313は、商品Xを使用した際のユーザAの生体データの値が、予め定めた第1の基準値以下である場合には、商品Xを推奨商品として選定し、第1の基準値以上第2の基準値未満である場合には、商品Yを推奨商品として選定し、第2の基準値以上である場合には、商品Zを推奨商品として選定することができる。
【0037】
選定部313は、ユーザAが複数の商品のうちのいずれか一部の商品を使用して就寝した際の睡眠中の生体データの分析結果に基づいて推奨商品を選定するにあたり、選定に用いる基準を、商品の種類によって異ならせてもよい。
また、選定部313は、ユーザAが複数の商品のうちのいずれか一部の商品を使用して就寝した際の睡眠中の生体データの分析結果に基づいて推奨商品を選定するにあたり、ユーザAの属性情報を加味してもよい。
【0038】
続いて、本実施の形態のサーバ装置3により実行される属性情報の抽出処理について説明する。
図5は、サーバ装置3で実行される処理動作の一例を説明するフローチャートである。
情報処理システム1において属性情報を取得しようとする商品に関する関係者は、端末装置5を用いて、属性情報を取得しようとする商品に関する商品識別情報の入力を行う。端末装置5は、入力を受け付けた商品識別情報を、サーバ装置3へ出力する。
サーバ装置3は、演算装置31の抽出部315が、端末装置5から出力された商品識別情報を取得する(ステップ201)。
【0039】
次いで、サーバ装置3は、抽出部315が、取得した商品識別情報に対応する商品について、複数のユーザについての生体データの分析結果を記憶装置33から読み出す(ステップ202)。
【0040】
次いで、抽出部315は、複数のユーザについての生体データの分析結果に基づいて、複数のユーザを睡眠状態に応じた複数の群に分類する(ステップ203)。例えば、抽出部315は、複数のユーザについての生体データの分析結果に基づいて、複数のユーザを、商品によって睡眠状態が改善した群、商品によって睡眠状態が変化しない群、商品によって睡眠状態が低下した群に分類する。
【0041】
次いで、抽出部315は、ステップ203で分類したそれぞれの群について、属するユーザの属性情報を抽出する(ステップ204)。例えば、抽出部315は、商品によって睡眠状態が改善した群に特徴的な性別、年齢(または年代)、体格、職業等を抽出する。なお、属性情報の抽出方法については特に限定されないが、例えば一般的な統計解析等によって抽出することができる。
【0042】
次いで、サーバ装置3は、通知部317が、関係者が使用する端末装置5に対して、抽出部315により抽出された属性情報に関する情報を通知し(ステップ205)、サーバ装置3による一連の処理を終了する。
通知を受けた端末装置5は、属性情報に関する情報を表示部に表示する。属性情報に関する情報の通知を受けた商品に関する関係者は、属性情報に関する情報を、商品の改良、開発、マーケティング等に用いることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に記載した範囲に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限りにおいては様々な変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0044】
1…情報処理システム、2…ベッドセンサ、3…サーバ装置、4、5…端末装置、31…演算装置、33…記憶装置、35…通信装置、37…バス、311…生体データ分析部、313…選定部、315…抽出部、317…通知部