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特許7286155車道死角通路の人又は車検出通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】車道死角通路の人又は車検出通信システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230529BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230529BHJP
   G08G 1/056 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/16 D
G08G1/056
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019163562
(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公開番号】P2021043568
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】396020132
【氏名又は名称】株式会社システック
(72)【発明者】
【氏名】香高 孝之
(72)【発明者】
【氏名】大城 巧
(72)【発明者】
【氏名】太田 偉喜
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-323666(JP,A)
【文献】特開2008-233017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路に設置される通路人又は車検出器と、前記通路が交差した車道を走る車に搭載される車載判断器と、を備え、
前記通路人又は車検出器は、前記通路の検出エリアに存在する人又は車を検出するエリア内人又は車感知手段と前記検出出力で対応の信号を送信する第一通信手段と、前記エリア内人又は車感知手段と第一通信手段を制御する第一制御器と、これらに稼働の電力を供給する第一電源と、を備え、
前記車載判断器は、第一通信手段からの送信された信号を受信する第二通信手段と、前記受信された信号が、受信対象として有効かを判断する受信対象有効判断手段と、有効と判断した場合は、車や運転者に対応をさせる出力を行う検出対応出力手段と、を備え、
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断し、車の左側通行規則又は車の右側通行規則の各々に対応して、前記車の前方で左側又は右側から交差する前記通路のある側から信号が来ていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、そうでない場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないものであり、
前記受信対象有効判断手段に前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断させるために、前記通路人又は車検出器は、受信対象有効判断支援手段を備え、前記受信対象有効判断支援手段は、個々の前記通路人又は車検出器が前記通路に設置された向きデータを前記信号に付与し、前記受信した信号から前記受信対象有効判断手段が前記向きを読み取ることを可能としたことを特徴とする車道死角通路の人又は車検出通信システム。
【請求項2】
前記受信対象有効判断手段に前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断させるために、又は、前記前記通路人又は車検出器の個体を区別させるために、前記受信対象有効判断支援手段は、個々の前記通路人又は車検出器が前記通路に設置された向きデータにより周波数を変移させた前記信号を第一通信手段が送信するようにさせることを特徴とする請求項記載の車道死角通路の人又は車検出通信システム。
【請求項3】
通路に設置される通路人又は車検出器と、前記通路が交差した車道を走る車に搭載される車載判断器と、を備え、
前記通路人又は車検出器は、前記通路の検出エリアに存在する人又は車を検出するエリア内人又は車感知手段と前記検出出力で対応の信号を送信する第一通信手段と、前記エリア内人又は車感知手段と第一通信手段を制御する第一制御器と、これらに稼働の電力を供給する第一電源と、を備え、
前記車載判断器は、第一通信手段からの送信された信号を受信する第二通信手段と、前記受信された信号が、受信対象として有効かを判断する受信対象有効判断手段と、有効と判断した場合は、車や運転者に対応をさせる出力を行う検出対応出力手段と、を備え、
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断し、車の左側通行規則又は車の右側通行規則の各々に対応して、前記車の前方で左側又は右側から交差する前記通路のある側から信号が来ていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、そうでない場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないものであり、
前記受信対象有効判断手段は、第二通信手段が、前記車載判断器が搭載された車の左右に設置した二つの前記受信の手段によって前記信号の受信強度の違いを検出し、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断することを特徴とする車道死角通路の人又は車検出通信システム。
【請求項4】
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号を送信している前記通路人又は車検出器に、前記受信対象有効判断手段が搭載された車が近づいているか、遠ざかっているかをドップラー効果を使って判断し、近づいていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、
遠ざかっていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の車道死角通路の人又は車検出通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車道に交差する路地等、車道からみて死角になる通路に設置し、見えない人又は車の存在を車道の車側から容易に検出できるようにする装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交通検知・報知装置として、以下のようなものは見られる。図5に特許文献から引用してその図を示す。
特許文献1の5-A-1は、交差点に設置されるもので、交差点前の路上に設置した検知装置で人を検知して、車道の上の枠に設置された音や光の報知器を駆動し、車中の運転者が報知器出力から人がいることを認識するものである。5-A―2では、車道の上の枠に設置されたものは、中継器になっていて、検知装置からの人の検出出力を通信で受けて中継し、車中の警報器で音や光で運転者に伝えるものである。5-A-3では、5-A-1とは逆であり、車道の上の枠に設置されたものは、車検知器であり、その出力を交差点前の路上に設置した報知器から人に車が来ていることを報知するものである。
特許文献2の5-Bは、横断歩道前の人をセンサで検知して、その出力で、車道の端に設置した点灯等をする報知器を駆動し、車の運転者に知らせるものである。
これをさらに発展したものが、特許文献3の5-Cであって、横断歩道の脇に設置したポールに備えた人検出センサで人をセンスし、ポールから車道の上に引き出した先端部に閃光灯を駆動して、道路上の車の運転者に認識させ、同時に、人に音声で、横断報道を渡るときの注意(例えば、「注意してわたりましょう」)をするものである。
以上は、交差点や横断歩道など公道に設置され、人と車用の検知部との報知部は、別々に設置されている。
公道を対象にしたものでは、特許文献4の5-Eでは、従来横断歩道に入った人は、信号を切り替えるためにボタンを押して、切り替わるまで待っていた。これを改良するため、人を検知して、その結果で、「ボタンを押してください」と音声で促し、ボタンを押すと、その結果で、「お待ちください」等の音声案内を行うものである。
5-Dのものは、駐車場への通路等で見かけるもので、曲がり角で建物の陰になった通路をカメラ等で取って、車側に見えるようにしたものである。
以上、すべては、公道か、私道でも持ち主の権限で装置を道路上に設置できるものが設置場所の対象である。
特許文献5の5-Fは、主にガソリンスタンドや駐車場の出入り口に設置するもので、車が出るときに、車を検出して、その出力でポール上の回転灯を駆動し、駐車場が面した外の公道を通行する人又は車に知らせるものである。車用のセンサは横に並べて2つあり、どちらが先にセンスするかで、車がでるか、入ってくるかをみて、出る場合に警報を出す。車道の人又は車から見える位置に設置し、設置位置と中のセンスする車位置対応でセンサの角度を調整することも可能である。公道を通行する人又は車のセンスする機能はない。
以上の従来例とは違った事情が以下の場合である。
車が通る公道に交差する、私道、家・塀の陰になる通路から人又は車(特に子供)が飛びだし、公道の車と事故を起こす場合があるこのような通路があっても、それ毎に、公道に報知器を設置することはなされない。公道のように、車に分かるように公道の中や上に報知器を設置することも、道路管理の権限上、通路に関する私人には無理なことである。
また、公道でなく私道や通路に私的に設置するには、小型・安価である必要がある。さらに、車が注意を怠った場合もいいように、通路の人又は車を検知したら、通路の人又は車に自らを守るように報知できることを主の機能にして、小型・安価な一体構成の装置が望まれる。
また、車側から見たときに、私道、家・塀の陰などの死角にいる人又は車を検出できる誰でも設置できる安価で簡単な仕掛けが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-263770
【文献】実開平3-25997
【文献】実開昭60-140198
【文献】特開平2-168399
【文献】実登3090484
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、車道側から視認できない死角になる通路に存在する人又は車を車道の車側から検出できる車道死角通路の人又は車検出通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、車道死角通路の人又は車検出通信システムであって、
通路に設置される通路人又は車検出器と、前記通路が交差した車道を走る車に搭載される車載判断器と、を備え、
前記通路人又は車検出器は、前記通路の検出エリアに存在する人又は車を検出するエリア内人又は車感知手段と前記検出出力で対応の信号を送信する第一通信手段と、前記エリア内人又は車感知手段と第一通信手段を制御する第一制御器と、これらに稼働の電力を供給する第一電源と、を備え、
前記車載判断器は、第一通信手段からの送信された信号を受信する第二通信手段と、前記受信された信号が、受信対象として有効かを判断する受信対象有効判断手段と、有効と判断した場合は、車や運転者に対応をさせる出力を行う検出対応出力手段と、を備え、
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断し、車の左側通行規則又は車の右側通行規則の各々に対応して、前記車の前方で左側又は右側から交差する前記通路のある側から信号が来ていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、そうでない場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないものであり、
前記受信対象有効判断手段に前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断させるために、前記通路人又は車検出器は、受信対象有効判断支援手段
を備え、前記受信対象有効判断支援手段は、個々の前記通路人又は車検出器が前記通路に設置された向きデータを前記信号に付与し、前記受信した信号から前記受信対象有効判断手段が前記向きを読み取ることを可能としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項記載の車道死角通路の人又は車検出通信システムにおいて、前記受信対象有効判断手段に前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断させるために、又は、前記前記通路人又は車検出器の個体を区別させるために、前記受信対象有効判断支援手段は、個々の前記通路人又は車検出器が前記通路に設置された向きデータにより周波数を変移させた前記信号を第一通信手段が送信するようにさせることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、車道死角通路の人又は車検出通信システムであって、
通路に設置される通路人又は車検出器と、前記通路が交差した車道を走る車に搭載される車載判断器と、を備え、
前記通路人又は車検出器は、前記通路の検出エリアに存在する人又は車を検出するエリア内人又は車感知手段と前記検出出力で対応の信号を送信する第一通信手段と、前記エリア内人又は車感知手段と第一通信手段を制御する第一制御器と、これらに稼働の電力を供給する第一電源と、を備え、
前記車載判断器は、第一通信手段からの送信された信号を受信する第二通信手段と、前記受信された信号が、受信対象として有効かを判断する受信対象有効判断手段と、有効と判断した場合は、車や運転者に対応をさせる出力を行う検出対応出力手段と、を備え、
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断し、車の左側通行規則又は車の右側通行規則の各々に対応して、前記車の前方で左側又は右側から交差する前記通路のある側から信号が来ていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、そうでない場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないものであり、
前記受信対象有効判断手段は、第二通信手段が、前記車載判断器が搭載された車の左右に設置した二つの前記受信の手段によって前記信号の受信強度の違いを検出し、前記受信された信号が車道を走る車の車線の左右のどの方向から来たかを判断することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項3記載の車道死角通路の人又は車検出通信システムにおいて、
前記受信対象有効判断手段は、前記受信された信号を送信している前記通路人又は車検出器に、前記受信対象有効判断手段が搭載された車が近づいているか、遠ざかっているかをドップラー効果を使って判断し、近づいていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として有効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行い、
遠ざかっていると判断した場合は、前記受信された信号を受信対象として無効とし、車や運転者に対応をさせる前記出力を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の様に構成されているので、本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムは、車道に交差する死角となる通路にいる見えない人又は車の存在を、車道の車側から容易に検出することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの一実施態様を示す図である。
図2】本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの構成の一実施態様を示す図である。
図3】本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの使用状態での必要事項の実施態様を示す図である。
図4】本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの使用状態の一実施態様を示す図である。
図5】従来の交通検知・報知装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの一実施態様を示す図である。1-Aにおいて、車道死角通路の人又は車検出通信システムは、通路人又は車検出器100と車載判断器200を備える。通路人又は車検出器100は、1-Bに、車載判断器200は、1-Cに示されている。通路人又は車検出器100は、車道に交差し、車道の車側から見て死角になる通路に設置され、通路に人又は車(自動二輪や自転車などを含む)の存在を検出し、検出した場合は、車道の車側に信号を送信するものである。車載判断器200は、車に搭載され、送信された信号を受けて、対象とすべき箇所の通路人又は車検出器100から送信されたかを判断し、信号が有効の場合は、車を減速や徐行などの行動につなげる出力を出すものである。以下、図2を使い、システムの構成を説明する。尚、筐体180の形状は円柱に限らず任意である。
【0012】
図2は、本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの構成の一実施態様を示す図である。勿論、筐体に格納されているが、ここでは図示を省略している。
車道死角通路の人又は車検出通信システムは、通路人又は車検出器100と車載判断器200を備え、通路人又は車検出器100は、車道に交差し、車道の車側から死角になる通路に設置され、通路上の人又は車の存在を検出する、検出した場合は信号を送信する機能を有し、その為に、人又は車の存在を検出するエリア内人又は車感知手段110と検出した場合には、検出対応の信号を電波等で送信するための第一通信手段120と、両者を制御する第一制御器130とこれらに稼働電力を供給する第一電源(汎用電源、太陽電池等)140を備えている。第一制御器130は、常時、エリア内人又は車感知手段110に検出行動を行わせ、検出出力を受け取り、検出した場合は、対応する信号を第一通信手段120から送信する。同時に、人又は車に向けて、飛び出さないための警告のための可視光及び音声を発する各々、第一可視光報知手段150、音声報知手段160を備えると好都合である。さらに、受信対象有効判断支援手段170を備えると都合がよいが、これは、後で記述する。
【0013】
車載判断器200は、車(車道側の車も含め、全般に搭載されると思われるが、議論で対象となるのは、車道側の車)に搭載されるもので、第一通信手段120からの送信された信号を受信する第二通信手段210と、受信された信号が、受信対象として有効かを判断する受信対象有効判断手段220と、有効と判断した場合は、車や運転者に減速や徐行等の対応をさせる出力を行う検出対応出力手段230と、これらを制御する第二制御器240とさらにこれらに電力を供給する第二電源250を備える。受信対象有効判断手段220の役割の詳細は、主に図4で記述される。
【0014】
図3は、本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの使用状態での必要事項の実施態様を示す図である。
車道300上に車310が矢印方向に走っている。左前方に通路が交差し、車道上から見えないが、人がいる。通路320には、通路人又は車検出器100が設置され、他に、車の左後ろと右前方(対向車線用)にも設置されている。通路人又は車検出器100は、人や車が頻繁に存在する通路には設置されない。そのような通路は寧ろ、交通信号が設置されるべきである。頻繁ではないが飛び出てくる場合があることが交通事故の観点から問題なのである。図4でこのような場合に必要なことを述べる。
【0015】
図4は、本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムの使用状態の一実施態様を示す図である。図3の状態を上から見た図である。通路人又は車検出器100は、アンテナのマークで代用した。車道を入る車は、□で囲んだ矢印で表現している。4-Aと4-Cは、通路人又は車検出器100側から見た、対応すべき車(〇)と対応しなくてよい車(×)を左側通行規則に当てはめ描いてある。4-Aでは、Aの車は、通路に近づくので対象になる(〇)。Bの車は、遠ざかるので対象にならない(×)。CとDは、通路からは、反対側なので対象にならない(×)。
4-Bでは、車道上の車側から見た時の対象になる通路人又は車検出器100の区別である。Aの通路人又は車検出器100は、これから遠ざかるので対象にしないでよい(×)。
BとCはこれから近づくので対象になる(〇)。DとEは、反対側の車線対応なので対象にならなくてよい(×)。
ここで、検討すべき課題は、以下の3つがある。
一つ目は、近づく、遠ざかる場合の判別の手段
二つ目は、電波等の送信波が来る方向(従って、車の車線に接した通路からか、反対車線に接した通路からか)の判別の手段
三つ目は電波等の送信波が複数の通路人又は車検出器100から同時にくる場合の判別の手段
である。
<一つ目の対応の例>
通路人又は車検出器100からの電波等の送信波を第二通信手段210で受信して、受信の周波数を観測し、ドップラー効果を利用し判断する。ドップラー効果とは、近づく場合は、送信波の周波数より高周波側にずれ、遠ざかる場合は、低周波側にずれる現象である。
<二つ目の対応の例>
解決手段の例を3つ挙げる。どれも可能である。
1)通路人又は車検出器100の設置位置が違うので、通路人又は車検出器100のエリア内人又は車感知手段110は常に通路側に向けて設置してあるため、その向きの方向は、車線と反対車線あるものでは、反対になる。それを通路人又は車検出器100に搭載した磁針等で検知してそのデータを、送信信号に入れることは一つの手段となる。
2)車載の第二通信手段210の受信アンテナを二つにして、車の左右両側につけ、左右のアンテナから受けた信号強度を比較して方向を割り出す。
3)通路人又は車検出器100からの電波等の送信波を指向性の強いものとする。又は、第二通信手段210の受信を指向性の強いアンテナで受ける。
<三つ目の対応の例>
解決手段の例を2つ挙げる。どれも可能である。
1) 通路人又は車検出器100からの電波等の送信波の周波数を通路人又は車検出器100個体ごとに少し変えて区別できるには、上記の磁針による差異により、車線と反対車線で周波数を違うようにしてもよい。車線側が分かれば、前後(近づくか遠ざかるか)は、上記のドップラー効果で判別できるからである。
2) 上記の通路人又は車検出器100からの電波等の送信波を指向性の強いものとする。この手段は、どの課題にも有効である。
4-Cと4-Dには、通路人又は車検出器100からの電波等の送信波を指向性の強いものを用いた場合の状況を表す図である。上記の通路人又は車検出器100からは、図の方向にのみ送信波が出ていることを示す。
4-Cでは、車Aにしか送信波は届かない。これは、望みの状況である。もし、Cの車より左にある車に送信波が届いても、これは、遠ざかる方向なので、ドップラー効果で区別でき、対象から外せる。
4-Dでは、1台の車に、5か所の通路人又は車検出器100から送信波が送られている状況を示す。車には、Bからの送信波しか受信できず望みの状況である。送信波同士が重なりを持たないように通路人又は車検出器100の設置ができるので、極めて好ましい。
以上に述べた手段は、受信対象有効判断手段220の具体的手段となる。このような手段で受信すべき(受信対象として有効)送信波を選ぶことができる。
尚、受信対象有効判断支援手段170の例として、送信波側に施した対応、例えば、二つ目対応の1)や、三つ目の対応の1)の手段が、その例である。
【0016】
尚、検出対応出力手段230は、通路人又は車検出器100からの受信した送信波が、有効と判断された場合に、車や運転者に対応するための出力を出すものである。車では、減速や徐行等に切り替わる制御に使われ、運転者には、「人(車)がいます。徐行してください」等の音声出力や注意の光フラシュをする等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように本発明にかかる車道死角通路の人又は車検出通信システムは、
車道に交差する死角となる通路にいる見えない人又は車の存在を、車道の車側から容易に検出できるようにするので産業上利用して極めて好都合である。
【0018】
100 通路人又は車検出器
110 エリア内人又は車感知手段
120 第一通信手段120
130 第一制御器130
140 第一電源
150 第一可視光報知手段
160 音声報知手段
170 受信対象有効判断支援手段
180 筐体
200 車載判断器
210 第二通信手段
220 受信対象有効判断手段
230 検出対応出力手段
240 第二制御器
250 第二電源
300 車道
310 車
320 通路
図1
図2
図3
図4
図5