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特許7286218ステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】ステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/10 20060101AFI20230529BHJP
   B62D 1/11 20060101ALI20230529BHJP
   B60R 21/203 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
B62D1/10
B62D1/11
B60R21/203
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020169173
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061273
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100094042
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 知
(72)【発明者】
【氏名】金 眞根
(72)【発明者】
【氏名】ガラダット シャタラキ
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-16549(JP,U)
【文献】特開平6-107184(JP,A)
【文献】国際公開第2020/003777(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/077215(WO,A1)
【文献】特開2020-128156(JP,A)
【文献】特開2013-71626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/04, 7/22
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールとダンパマスになるエアバッグモジュールとの間に、該ステアリングホイールの振動をダンピングするダンパユニットを組み込むために、該ダンパユニットの取付用ピン部材を、該ステアリングホイールまたは該エアバッグモジュールのいずれかの支持部の貫通穴に挿着したカラー部材に挿通するようにしたダンパユニットの取付固定構造であって、
上記カラー部材は、
内部に上記取付用ピン部材を挿通するように、長さ方向一端に開口を有する中空筒状に形成され、上記支持部の上記貫通穴に挿入される本体部と、
該本体部の長さ方向一端に、上記開口周りに沿って環状に一体成形され、上記貫通穴周囲に着座されるフランジ部とを備え、
上記支持部の上記貫通穴には、上記カラー部材が挿入される一端から貫通方向の途中を終端として、当該終端の段差で区画される溝部が形成され、
上記カラー部材の上記本体部には、上記溝部内に保持される突出部が、該本体部及び上記フランジ部と一体成形されていることを特徴とするステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造。
【請求項2】
前記溝部は、前記貫通穴の周り全周に亘って環状凹部として形成され、前記突出部は、前記本体部の周り全周に亘って環状鍔部として形成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造。
【請求項3】
前記溝部は、前記貫通穴の周りに間隔を空けて設けられ、前記突出部は、該溝部に合わせて、前記本体部の周りに間隔を空けて設けられることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造。
【請求項4】
前記本体部の長さ方向他端には、前記取付用ピン部材の挿入側先端が着座されるシート部が一体成形され、
上記シート部は、前記本体部の内周面から片持ち梁状に突設される複数のレバー片から構成されることを特徴とする請求項1~3いずれかの項に記載のステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造。
【請求項5】
前記シート部は、前記取付用ピン部材の前記挿入側先端を把持するグリップを備えることを特徴とする請求項4に記載のステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造。
【請求項6】
請求項1~5いずれかの項に記載のステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造を備えたことを特徴とする車両のステアリングホイール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールとエアバッグモジュールとの間にダンパユニットを組み込むための取付用ピン部材を信頼性高く支持部に取り付けることが可能なステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングホイールとダンパマスになるエアバッグモジュールとの間に、ステアリングホイールの振動をダンピングするダンパユニットを組み込むようにした技術に関して、特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1の「エアバッグ装置付きステアリングホイール」は、ホーンスイッチ機構は、ステアリングホイール本体の芯金に固定されるとともにバッグホルダを芯金に対して進退可能に支持する支持部材としての固定ピンと、該固定ピンとバッグホルダとの間に介在されてそれらの間を電気的に絶縁する絶縁部としての可動装着部材とを備える。また、ホーンスイッチ機構は、バッグホルダを芯金から離れる方向に付勢する付勢部材としての圧縮コイルスプリングと、バッグホルダとともに移動する可動側接点部としての接点端子とを備える。そして、圧縮コイルスプリングの付勢力に抗したバッグホルダの芯金側への移動により、接点端子が固定ピンに接触して導通することで車両のホーン装置が作動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-69934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステアリングホイールの振動をダンピングするダンパユニットは通常、ダンパマスとなるエアバッグモジュールと、ステアリングホイールとの間に組み込まれ、これらを連結するようにして設けられる。
【0006】
連結のために、ダンパユニットには、取付用ピン部材が備えられる。この取付用ピン部材は、ステアリングホイールもしくはエアバッグモジュールのいずれかの支持部の貫通穴に挿着したカラー部材に挿通されて保持され、さらに、支持部に設けられるオメガスプリングなどの係止部材に係止されて、当該支持部に取付固定される。これにより、ダンパユニットによるステアリングホイールとエアバッグモジュールの連結が行われる。
【0007】
エアバッグモジュールには、エアバッグクッションが組み込まれている。エアバッグクッションは周知のように、衝突などを検知した信号で作動されるインフレータからのインフレータガスによって展開膨張される。
【0008】
エアバッグクッションの展開膨張作用に伴って生じる力は、エアバッグモジュールとステアリングホイールの間のダンパユニットを介して、取付用ピン部材に作用し、そしてエアバッグモジュールもしくはステアリングホイールの支持部で受け止められる。
【0009】
取付用ピン部材は、支持部のカラー部材に挿通保持されていて、展開膨張時にカラー部材が割れるなどして取付用ピン部材の保持作用が失われると、取付用ピン部材に作用する力がほぼすべて、係止部材に加わることになる。
【0010】
つまり、カラー部材が機能しなくなると、係止部材に過度の力が加わり、エアバッグクッションの展開膨張作用に対して影響を及ぼすことが考えられる。
【0011】
このため、ダンパユニットを備えるための取付用ピン部材を信頼性高く支持部に取り付けることができるようにして、エアバッグクッションの展開膨張性能の信頼性を向上することが望まれていた。
【0012】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、ステアリングホイールとエアバッグモジュールとの間にダンパユニットを組み込むための取付用ピン部材を信頼性高く支持部に取り付けることが可能なステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかるステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造は、ステアリングホイールとダンパマスになるエアバッグモジュールとの間に、該ステアリングホイールの振動をダンピングするダンパユニットを組み込むために、該ダンパユニットの取付用ピン部材を、該ステアリングホイールまたは該エアバッグモジュールのいずれかの支持部の貫通穴に挿着したカラー部材に挿通するようにしたダンパユニットの取付固定構造であって、上記カラー部材は、内部に上記取付用ピン部材を挿通するように、長さ方向一端に開口を有する中空筒状に形成され、上記支持部の上記貫通穴に挿入される本体部と、該本体部の長さ方向一端に、上記開口周りに沿って環状に一体成形され、上記貫通穴周囲に着座されるフランジ部とを備え、上記支持部の上記貫通穴には、上記カラー部材が挿入される一端から貫通方向の途中を終端として、当該終端の段差で区画される溝部が形成され、上記カラー部材の上記本体部には、上記溝部内に保持される突出部が、該本体部及び上記フランジ部と一体成形されていることを特徴とする。
【0014】
前記溝部は、前記貫通穴の周り全周に亘って環状凹部として形成され、前記突出部は、前記本体部の周り全周に亘って環状鍔部として形成されることが望ましい。
【0015】
前記溝部は、前記貫通穴の周りに間隔を空けて設けられ、前記突出部は、該溝部に合わせて、前記本体部の周りに間隔を空けて設けられることが好ましい。
【0016】
前記本体部の長さ方向他端には、前記取付用ピン部材の挿入側先端が着座されるシート部が一体成形され、上記シート部は、前記本体部の内周面から片持ち梁状に突設される複数のレバー片から構成されることが望ましい。
【0017】
前記シート部は、前記取付用ピン部材の前記挿入側先端を把持するグリップを備えることが好ましい。
【0018】
本発明にかかる車両のステアリングホイール装置は、上記ステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかるステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置にあっては、ステアリングホイールとエアバッグモジュールとの間にダンパユニットを組み込むための取付用ピン部材を信頼性高く支持部に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造が適用される車両のステアリングホイール装置を説明するための説明図である。
図2図1に示した車両のステアリングホイール装置に備えられるダンパユニットの一例を示す斜視図である。
図3】本発明に係るステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置の好適な一実施形態を示す断面図である。
図4図3に示したダンパユニットの取付固定構造に用いられるカラー部材を説明する説明図である。
図5図4に示したカラー部材をシート部側から見た図である。
図6図3に示した貫通穴の溝部を示す斜視図である。
図7図3に示した取付用ピン部材を説明する説明図である。
図8図3に示したバネ材の芯金部材への設置状態を説明する説明図である。
図9】本発明に係るステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置の変形例を説明する説明図である。
図10】本発明構成を備えていないダンパユニットの取付固定構造の例を説明する、図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明にかかるステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明にかかるステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造が適用される車両のステアリングホイール装置の概要を例示した図である。
【0022】
図1(a)では、ステアリングホイール1の全体を例示している。なお、図1(a)を含む以下の図面では、車両に取り付けられたステアリングホイール1がニュートラルな操舵位置となっている場合を想定し、各方向を例示している。例えば、Z軸は、不図示のステアリングコラム(ステアリングシャフト)の車両の前輪方向を下、ステアリングホイール1の方向を上としている。
【0023】
また、このZ軸に直交する平面においてアナログ12時間時計の12時の位置を車両前方側として、9時方向(左方向)から3時方向(右方向)をX軸、6時方向(後方向)から12時方向(前方向)をY軸としている。その他、運転者側から見た側を表側とし、その逆側を裏側として記載する。
【0024】
ステアリングホイール1は、車両の運転席に設置されていて、不図示のステアリングコラムの内部を通っているステアリングシャフトと連結され、運転者の操作力をステアリングギア等へ伝達する。
【0025】
ステアリングホイール1の中央には、緊急時にフロントエアバッグとして機能するエアバッグモジュール2が取り付けられている。このエアバッグモジュール2は、通常時においては、ホーンを鳴らす際に運転者が押すホーンスイッチとしても機能する。
【0026】
図1(b)は、図1(a)のステアリングホイール1からエアバッグモジュール2を取り外した分解図である。
【0027】
図1(b)に例示するように、エアバッグモジュール2の運転者側は、意匠面として機能する樹脂製のホーンカバー3で覆われている。ホーンカバー3の下には箱状のハウジング4が備えられていて、その内部には緊急時に展開膨張するエアバッグクッション(図示省略)が折りたたまれて収容される。ハウジング4内にはインフレータ(図示省略)も備えられている。
【0028】
緊急時に車両のセンサから信号が送られると、インフレータからエアバッグクッションへインフレータガスが供給され、エアバッグクッションはホーンカバー3を開裂して車室空間へと展開膨張し、運転者を拘束する。
【0029】
ステアリングホイール1の基礎部分は、金属製の芯金部材5で構成されている。芯金部材5はおおまかに、中央のボス領域6,運転者が把持する円形のリム7,そしてボス領域6とリム7をつなぐスポーク8を含んで構成されている。ボス領域6には、ステアリングシャフトが連結されるシャフト孔9が設けられている。
【0030】
本実施形態では、エアバッグモジュール2には、フロントエアバッグとしての機能のほかに、上述したようにホーンスイッチとしての機能、さらには振動を減衰するモジュールダンパ機構としての機能が備わっている。このホーンスイッチとしての機能およびモジュールダンパ機構を実現している構成要素について、以下に述べる。
【0031】
エアバッグモジュール2には、ハウジング4に複数のダンパユニット10が配設されている。ダンパユニット10は、ハウジング4を芯金部材5に弾性的に取り付ける部材であって、モジュールダンパ機構の中心をなしている。
【0032】
図2及び図3に示すように、ダンパユニット10からは棒状の取付用ピン部材(以下、単に「ピン」という)11がZ軸方向下側に位置する芯金部材5のボス領域6に向かって突出している。
【0033】
本実施形態では、芯金部材5がダンパユニット10、そしてまたエアバッグモジュール2の支持部とされ、この芯金部材5には、表側から裏側に貫通して貫通穴13が形成される。貫通穴13には、カラー部材12が圧入などにより挿着される。
【0034】
ピン11は、カラー部材12に挿通され、芯金部材5の貫通穴13を貫通して、当該芯金部材5の裏側の面5aに設置されている、後述する軸体状のバネ材14に連結される。
【0035】
このピン11とバネ材14との連結によって、エアバッグモジュール2は、芯金部材5に取り付けられる。
【0036】
この構成により、ステアリングホイール1とエアバッグモジュール2とがピン11を介して連結されると共に、ステアリングホイール1とエアバッグモジュール2との間にダンパユニット10が組み込まれる。
【0037】
図3に示すように、ピン11は、ホーンスプリング15およびカラー部材12に通されて、芯金部材5へと挿入される。ホーンスプリング15はコイル状であって、エアバッグモジュール2と芯金部材5との間に設置されてこれらの間に間隙を確保する。そして、ホーン操作の際に運転者による押し下げから解放されたエアバッグモジュール2を、芯金部材5から離間させて元の位置に戻す。
【0038】
ダンパユニット10について略述すると、図2及び図3に示すように、ダンパユニット10は、インナースリーブ16と、インナースリーブ16に形成された環状シート16a及び環状シート16aに向かい合う配置でインナースリーブ16に外向きに形成された環状鍔部16bに係止される環状ピース17との間にインナースリーブ16を取り囲んで設けられ、振動をダンピングするための環体状の弾性体18と、弾性体18の外側を覆って設けられた環状のアウタースリーブ19とから構成される。
【0039】
インナースリーブ16の内方には、当該インナースリーブ16に対してスライド自在にダンパユニット10のピン11が挿通される。
【0040】
アウタースリーブ19は、エアバッグモジュール2を構成するハウジング4に形成された貫通穴20に取り付けられ、これにより、ダンパユニット10は、エアバッグモジュール2に固定される。
【0041】
ダンパユニット10が設けられたエアバッグモジュール2は、後述するように、ピン11が芯金部材5に取付固定されることで、ステアリングホイール1と連結される。
【0042】
また、エアバッグモジュール2は、ダンパユニット10のインナースリーブ16に対し、ステアリングホイール1側のピン11がスライド自在に挿通されることで、ステアリングホイール1側へ移動可能に設けられる。
【0043】
すなわち、エアバッグモジュール2は、ステアリングホイール1に対し、弾性体18を備えるダンパユニット10で弾性支持された状態で、ピン11を介してスライド自在に連結される。
【0044】
ステアリングホイール1の振動は、ダンパユニット10に、ピン11を介して伝達され、伝達された振動は、エアバッグモジュール2をダンパマスとするダンパユニット10において減衰される。
【0045】
他方、ピン11は、電気的導通性を有する金属材料で形成され、ハウジング4側に位置する一端に、ホーンスイッチの第1接点21を有する。
【0046】
ハウジング4には、ホーンスプリング15の伸縮方向(Z軸方向)に、第1接点21と向かい合う配置で第2接点22が設けられる。
【0047】
エアバッグモジュール2をステアリングホイール1に向けて押圧して進出させると、エアバッグモジュール2に設けたダンパユニット10のインナースリーブ16がピン11に対してスライド移動し、ホーンスプリング15が圧縮される。
【0048】
これにより、第2接点22が第1接点21に向かって移動し接触して、ホーンが鳴動する。エアバッグモジュール2の押圧を解除すると、ホーンスプリング15によってエアバッグモジュール2が後退し、これにより、第1接点21から第2接点22が離れて、鳴動が停止される。
【0049】
次に、本実施形態に係るステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造について説明する。本実施形態は図3に示すように、エアバッグモジュール2側に設置したダンパユニット10を、当該ダンパユニット10の取付用ピン部材11でステアリングホイール1の支持部に取付固定する場合である。図示例では、ステアリングホイール1の芯金部材5が支持部とされている。
【0050】
しかしながら、本発明は、図3の場合とは逆に、ステアリングホイール1側に設置したダンパユニット10を、当該ダンパユニット10の取付用ピン部材11でエアバッグモジュール2の支持部(ハウジング4など)に取付固定する構成を含むものである。
【0051】
図3は、取付固定構造を示す断面図、図4及び図5は、図3のダンパユニットの取付固定構造に用いられるカラー部材12を説明する説明図である。図4(a)はカラー部材12の斜視図、図4(b)は側断面図である。図5は、カラー部材12をステアリングホイール1の芯金部材5側から見た底面図である。また、図6は、芯金部材5に形成され、カラー部材12が挿着される貫通穴13を、エアバッグモジュール2側から見た斜視図である。
【0052】
芯金部材5には、表側から裏側に向けてピン11を挿通するための貫通穴13が貫通形成される。この貫通穴13に、カラー部材12が圧入等により挿着され、嵌合固定される。
【0053】
カラー部材12は合成樹脂製で、図3図5に示すように、芯金部材5の貫通穴13に挿入される本体部12eと、フランジ部12aとを備える。本体部12eは、内部にピン11を挿通するように、長さ方向一端に円形の開口12bを有する中空筒状に形成される。
【0054】
フランジ部12aは、本体部12eの長さ方向一端に、開口12b周りに沿って環状に一体成形される。
【0055】
フランジ部12aは、本体部12eの貫通穴13への挿着が完了するとき、貫通穴13の外回りの芯金部材5に対して面接触状態で着座される。すなわち、カラー部材12は、貫通穴13に固定されるときに、フランジ部12aが芯金部材5の表側の面に圧接される。フランジ部12aは、ホーンスプリング15のスプリングシートを兼ねる。
【0056】
従って、ダンパユニット10は、芯金部材5の表側の面に面接触して着座され、ホーンスプリング15の弾性付勢力で圧接状態に押し付けられるフランジ部12aにより、傾くなどの不測の事態が生じないようにして、安定的に取り付けられる。
【0057】
カラー部材12の本体部12eは、長さ方向(Z軸方向)に、開口12bを有する一端から他端に向けて、順次外径寸法及び内径寸法が僅かながら狭まるように、円錐台形状で形成される。円錐台形状に形成することで、カラー部材12は、芯金部材5の表側から裏側へ向けて押し込まれると、貫通穴13に強固に嵌合固定される。
【0058】
貫通穴13には、穴内面から外向きに拡張して溝部25が形成される。溝部25は、貫通穴13の周りに適宜間隔を空けて複数設けられる。図示例では、溝部25は、等間隔で3つ形成されている。
【0059】
溝部25は詳細には、芯金部材5表側の一端から裏側へ向け、貫通穴13の貫通方向の途中を終端として形成される。言い換えれば、溝部25は、貫通穴13へのカラー部材12の挿入方向に、途中まで形成される。溝部25の終端は、穴内面から見て、段差25aとなる。
【0060】
溝部25は、貫通穴13の貫通方向について、終端の段差25aで区画され、芯金部材5の裏側の面5aからは見えないように、当該裏側へは達しないように形成される。
【0061】
カラー部材12の本体部12eには、溝部25それぞれに対応させて、当該溝部25内に保持される突出部24が形成される。突出部24は、フランジ部12a下に、本体部12e外面から外向きに突出するように形成され、これらフランジ部12a及び本体部12eと一体成形して設けられる。
【0062】
突出部24は、溝部25に合わせて、本体部12eの周りに適宜間隔を空けて複数設けられる。図示例では、突出部24は等間隔で3つ形成されている。突出部24はそれぞれ、カラー部材12を貫通穴13に挿着するときに、各溝部25内に嵌め合わされる。
【0063】
カラー部材12の長さ方向他端には、ピン11の挿入側先端11aが着座するシート部23が樹脂成形により一体成形される。
【0064】
ピン11は上述したように、第1接点21が形成された長さ方向一端側に、ダンパユニット10が装着され、ダンパユニット10から突出する長さ方向他端側が挿入側先端11aとなっている。
【0065】
図7は、図3に示したダンパユニットの取付固定構造に用いられる取付用ピン部材11を説明する説明図であって、図7(a)は斜め上から見た斜視図、図7(b)は斜め下から見た斜視図である。
【0066】
図7に示すように、挿入側先端11aは、円錐形状で形成され、挿入側先端11aに隣接する第1接点21側には、挿入側先端11aがシート部23に着座されたときに、後述する位置決め用溝部12dに位置される環状の係止溝部11bが形成される。
【0067】
ピン11は、挿入側先端11aがシート部23に達する深さまで、カラー部材12内に挿入される。シート部23は、カラー部材12の他端をほぼ封鎖するように形成される。
【0068】
本実施形態ではシート部23は、複数のレバー片23aから構成される。各レバー片23aは、カラー部材12の内周面12cから、カラー部材12の長さ方向に沿う中央軸心C(図4(b)参照)に向けて片持ち梁状に突出させて設けられる。
【0069】
言い換えれば、レバー片23aは、カラー部材12の他端を封鎖する壁を想定した場合に、当該壁の中央位置に形成される小孔及びこの小孔からカラー部材12の内周面12cに向けて放射状に延びる複数のスリットとによって区画形成される。
【0070】
レバー片23aは、カラー部材12の内周面12c位置を支持端として、カラー部材12の中央軸心C側突出端が、カラー部材12の長さ方向に弾性変形自在に形成される(図4(b)中、矢印B参照)。図示例では、レバー片23aは同じ形状・大きさで4個設けられているが、個数は問われない。
【0071】
シート部23には、ピン11の挿入側先端11aを把持するグリップ23bが設けられる。グリップ23bは、シート部21から開口12b側へ僅かに立ち上げて、円錐形状のピン11の挿入側先端11aを包囲するように形成される。
【0072】
本実施形態では、シート部23は複数のレバー片23aで形成されていて、グリップ23bは、レバー片23aの突出端に開口12b側へ僅かに立ち上げて形成される。レバー片23aのグリップ23bは、シート部23に着座するピン11の挿入側先端11aによる押し退けで弾性変形されたレバー片23aの弾性復原作用で、円錐形状の挿入側先端11aを、その周りから弾性的に圧着して、把持するようになっている。
【0073】
カラー部材12には、芯金部材5の裏側となる位置に、位置決め用溝部12dが形成される。位置決め用溝部12dは、カラー部材12のシート部23と開口12bとの間に、カラー部材12の長さ方向と交差する横向きに形成される。
【0074】
位置決め用溝部12dは図4に示すように、カラー部材12の外周面のほぼ半周に亘って現れるように形成される。位置決め用溝部12dは、溝幅寸法(カラー部材12の長さ方向に沿う方向の寸法)Gが、後述する軸体状のバネ材14の外径寸法と同じかもしくはそれよりも大きい溝幅寸法に設定される。
【0075】
具体的には例えば、バネ材14の外径寸法(直径)が2mmで、溝幅寸法Gが2.9mmとされる。位置決め用溝部12dは、樹脂成形によりカラー部材12に一体的に形成され、従って、溝幅Gの寸法が高い精度で形成される。
【0076】
位置決め用溝部12dには図8に示すように、軸体状のバネ材14が挿通して設けられる。バネ材14は、長さ方向一端側に、面を規定するようにRの字状に屈曲形成された基端14aを有し、長さ方向他端側に、僅かに屈曲させて形成された挿入端14bを有し、これら挿入端14bと基端14aとの間に真直部14cを有する。
【0077】
バネ材14は、平坦面を想定した場合、基端14aから真直部14cを介して挿入端14bに亘り全体が、当該平坦面上に平らに横たわるように、バネ材14の軸を捻ることなく、成形される。
【0078】
バネ材14は、挿入端14bがカラー部材12の長さ方向と交差する横方向から位置決め用溝部12dを貫通してカラー部材12の外方へ延出され、そして芯金部材5の裏側の面5aに当接され、基端14aがカラー部材12外方となる芯金部材5の裏側の面5aに当接される。
【0079】
これにより、バネ材14の真直部14cは、芯金部材5に当接される基端14a及び挿入端14bで弾性変形可能に両端支持され、位置決め用溝部12dに挿通状態で設置される。
【0080】
バネ材14は、ピン11がカラー部材12に挿入されて挿入側先端11aがシート部23に着座されたときに、カラー部材12の外側から位置決め用溝部12d内に挿抜自在に挿通される。バネ材14は、ピン11の係止溝部11bに、シート部23との間でピン11を押さえつけるように、弾性的に係脱自在に係止され、これにより、ピン11をカラー部材12に保持する。
【0081】
バネ材14は、ピン11をカラー部材12に挿入する前に、予め位置決め用溝部12dに配置しておいても良い。
【0082】
芯金部材5の裏側は図示しないけれども、カラー部材12の長さ方向(Z軸方向)で、バネ材14をカラー部材12のフランジ部12a側及びシート部23側から挟み込む形態に形成される。
【0083】
バネ材14は、ピン11の係止溝部11bに係止されたとき、ホーンスプリング15の弾性付勢力により、フランジ部12a側で芯金部材5の裏側に当接され、シート部23側の芯金部材5の裏側との間には隙間ができるように保持されることが好ましい。
【0084】
また、ピン11の係止溝部11bの溝幅(カラー部材12の長さ方向と同じピン11の長さ方向の寸法)は、バネ材14の外径寸法よりも大きく設定してもよく、バネ材14を係止溝部11bに係止したとき、当該バネ材14が、係止溝部11bのシート部23側に当接し、係止溝部11bのフランジ部12a側には隙間ができるように設定することが好ましい。
【0085】
カラー部材12は、ホーンスプリング15とバネ材14の両者による弾性作用を受けつつ、支持部である芯金部材5に対するピン11の連結状態を安定的かつ強固に保持する。
【0086】
ダンパユニット10のピン11を芯金部材5に取付固定する場合、まず、カラー部材12を芯金部材5の貫通穴13に嵌合する。このとき、カラー部材12の突出部24を、貫通穴13の溝部25に、段差25aと接するように嵌め入れ、カラー部材12のフランジ部12aを、芯金部材5に対し、貫通穴13周りに着座させる。
【0087】
次に、エアバッグモジュール2側にピン11をセットする。この際、ピン11を取り囲むようにしてホーンスプリング15を設置する。カラー部材12のフランジ部12aにホーンスプリング15を当接しながら、エアバッグモジュール2に装着されたダンパユニット10のピン11の挿入側先端11aをカラー部材12の開口12bに挿し入れる。
【0088】
その後、ホーンスプリング15を圧縮しながら、ピン11をカラー部材12のシート部23に向かって挿入し、挿入側先端11aをシート部23に着座させる。
【0089】
このとき、位置決め用溝部12dに、カラー部材12内方へ突出するように予め挿通しておいたバネ材14は、ピン11のカラー部材12内方への挿入に伴い、円錐形状の挿入側先端11aの傾斜部分に沿って押圧され、位置決め用溝部12dの外側へ向けて弾性変形される。
【0090】
挿入側先端11aがシート部23に着座すると、バネ材14は、弾性復原してピン11の係止溝部11bに嵌り込んで係止され、これによりピン11はカラー部材12内部に設置される(いわゆる「スナップイン」と呼ばれる組み立て方法である。)。
【0091】
バネ材14は、芯金部材5の裏側で、位置決め用溝部12dに挿通されていて、係止溝部11bに係止される。これにより、ピン11は、カラー部材12の長さ方向に沿って、挿入側先端11aがシート部23で保持され、係止溝部11bがバネ材14の係止により保持される。以上により、ダンパユニット10の取付固定が完了する。
【0092】
エアバッグクッションが展開膨張するとき、エアバッグモジュール2側にセットされたピン11に展開膨張力が作用する。
【0093】
図10は、本実施形態の溝部25及び突出部24を備えていない場合を示していて、展開膨張に伴ってピン11に加わる力が、当該ピン11の挿通がなされているカラー部材12に作用すると、フランジ部12aに割れが発生し、この割れによってフランジ部12aの芯金部材5に対する着座状態が喪失され、そしてまた、フランジ部12aが割れたカラー部材12であるために、ピン11を適切に保持できなくなってしまうおそれがある。
【0094】
カラー部材12によるピン11の保持作用が失われると、エアバッグクッションの展開膨張時にピン11に加わる力が、ほぼすべてバネ材14に作用し、上記課題で説明したように、カラー部材12がピン11を保持している場合に比べて、エアバッグクッションの展開膨張作用に対して悪影響を及ぼすことが考えられる。
【0095】
これに対し、本実施形態では、貫通穴13に形成され、カラー部材12が挿入される一端から貫通方向の途中を終端として、当該終端の段差25aで区画される溝部25と、カラー部材12の本体部12eに、当該本体部12e及びフランジ部12aと一体で成形され、溝部25内に保持される突出部24とを備えていて、フランジ部12aに割れが生じて芯金部材5への着座状態、すなわちフランジ部12aによる芯金部材5への取り付け状態が失われても、貫通穴13の溝部25がカラー部材12の突出部24を保持でき、従って、貫通穴13へのカラー部材12の挿着状態を安定して保つことができる。
【0096】
カラー部材12を貫通穴13内に安定的に保持できるため、当該貫通穴13内でのカラー部材12によるピン11の保持作用を向上することができる。
【0097】
このように、カラー部材12でピン11を確実に保持できるので、エアバッグクッションの展開膨張時にピン11に加わる力が、ほぼすべてバネ材14に作用するような事態が生じることはなく、展開膨張力の作用を考慮した高い信頼性で、ピン11を芯金部材5に取り付けて、信頼性高く保持することができる。
【0098】
溝部25が段差25aで区画されるので、フランジ部12aが飛散するなど、カラー部材12から失われた場合に、ホーンスプリング15の弾性付勢力でカラー部材12が貫通穴13から芯金部材5の裏側へ抜脱されてしまうことを防止でき、カラー部材12を貫通穴13に適切に保持することができる。
【0099】
突出部24は、カラー部材12の本体部12e及びフランジ部12aと一体成形されるので、突出部24でフランジ部12aを補強でき、フランジ部12aに割れが生じることを抑制することができる。
【0100】
また、ピン11は、ホーンスプリング15によりダンパユニット10を介してピン11の長さ方向(Z軸方向)にエアバッグモジュール2側に付勢され、同時に、バネ材14によって、ホーンスプリング15の弾性付勢力に抵抗してカラー部材12内部に保持されるので、静止状態ではピン11をカラー部材12に対しガタつきなく保持することができる。
【0101】
しかも、芯金部材5とエアバッグモジュール2との間の振動伝達で振動が加わっても、バネ材14とホーンスプリング15によって、カラー部材12の長さ方向(Z軸方向)へのピン11の振動(移動)を抑えることができる。
【0102】
位置決め用溝部12dの溝幅G寸法は、樹脂成形により高い寸法精度でバネ材14の外径寸法に合わせることができるので、係止溝部11bを係止するバネ材14が位置決め用溝部12d内で動くことが規制される。
【0103】
バネ材14は、弾性変形可能であるので、ピン11がカラー部材12の長さ方向に動くことを僅かながら許容し、固定強度が強固になり過ぎることを防止でき、良好な分解作業性を確保することができる。
【0104】
バネ材14のために、僅かながらピン11に動きが生じても、シート部23は、カラー部材12と一体成形された合成樹脂製なので、異音発生を防止できる。
【0105】
また、シート部23は、複数のレバー片23aで構成されるので、ピン11の動きを弾性的に吸収することができる。
【0106】
シート部23、そしてまたレバー片23aには、グリップ23bを備えたので、挿入側先端11aをシート部23に対し安定的に着座させることができ、カラー部材12内部でのピン11の不要な動きを規制することができる。
【0107】
以上説明したように、取付用ピン部材11をガタツキなく芯金部材5に取付固定することができるので、異音防止及び耐久性向上を図ることができる。これにより、取付用ピン部材11を介するダンパユニット10、そしてまたエアバッグモジュール2への的確な振動伝達を確保することができ、ステアリングホイール1の振動減衰作用を格段に向上することができる。
【0108】
取付固定状態から分解する際には、バネ材14の弾性を利用して、バネ材14を係止溝部11bから離脱させ、位置決め用溝部12dから抜き出せばよい。バネ材14を取り外した後は、単にエアバッグモジュール2を芯金部材5から引き離せば、ピン11をカラー部材12から抜き出し、分解作業を完了することができる。
【0109】
部品構成が、開口12b及びシート部23、位置決め用溝部12dを有し、樹脂成形可能な合成樹脂製のカラー部材12と、ピン11への係止溝部11bの形成と、係止溝部11bに係止するバネ材14だけであって、きわめて簡単であり、取付及び分解作業も、単に、ピン11のカラー部材12への挿抜のほか、バネ材14の位置決め用溝部12dへの脱着で済ませることができ、優れた取付作業性・分解作業性を確保することができる。
【0110】
図9には、上記実施形態の変形例が示されている。この変形例では、貫通穴13の溝部25は、当該貫通穴13の周り全周に亘って環状の凹部の形態で形成される。すなわち、上記実施形態の複数の溝部25が、貫通穴13の周りに連続するように、一連につないだ形態で形成されている。
【0111】
突出部24も、本体部12eの周り全周に亘って環状の鍔部の形態で形成される。突出部24も、上記の複数の突出部24を一連につないだ形態とされる。
【0112】
この変形例によれば、突出部24と溝部25の位置を合わせることが必要な上記実施形態と異なり、簡単にカラー部材12を貫通穴13に挿着することができる。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0113】
以上に述べたステアリングホイールにおけるダンパユニットの取付固定構造及び車両のステアリングホイール装置は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施形態例も、各種の方法で実施または遂行できる。特に、本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさおよび構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
1 ステアリングホイール
2 エアバッグモジュール
5 芯金部材
10 ダンパユニット
11 取付用ピン部材(ピン)
11a 挿入側先端
12 カラー部材
12a フランジ部
12b 開口
12e 本体部
13 貫通穴
23 シート部
23a レバー片
23b グリップ
24 突出部
25 溝部
25a 段差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10