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特許7286302行列管理装置、行列管理システム、行列管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】行列管理装置、行列管理システム、行列管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230529BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018214620
(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公開番号】P2020086508
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 元明
(72)【発明者】
【氏名】白石 理人
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-167208(JP,A)
【文献】特開2013-109395(JP,A)
【文献】特開2015-059032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部と、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部と、
前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御部とを備え
前記案内位置判定部は、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて特定される行列の最後尾の位置に基づいて前記案内位置を判定し、
前記行列検出部により検出された現時点の行列がさらに延伸した場合に行列が形成されるべき場所の範囲である行列形成エリアを設定し、
設定された行列形成エリアにおいてさらに延伸する場合に形成されるべき行列の経路を判定し、
判定された経路に基づいて判定した行列の最後尾の次に並ぶべき位置を、前記案内位置とし、
前記行列管理対象の場所に対応する環境状態としての天候に基づいて、前記行列形成エリアを設定する
行列管理装置。
【請求項2】
前記案内位置判定部は、
前記行列管理対象の場所において前記環境状態として検出される障害物に基づいて前記行列形成エリアを設定する
請求項に記載の行列管理装置。
【請求項3】
前記案内位置判定部は、
雨天である場合に、前記行列管理対象の場所の設備によって行列に雨があたらない場所の範囲において前記行列形成エリアを設定する
請求項1または2に記載の行列管理装置。
【請求項4】
前記案内位置判定部は、
前記行列管理対象の場所における風の状況に基づいて、前記行列管理対象の場所の設備によって行列に雨があたらない場所の範囲において前記行列形成エリアを設定する
請求項に記載の行列管理装置。
【請求項5】
前記案内位置判定部は、
前記行列管理対象の場所の設備によって行列が日陰となる場所の範囲において前記行列形成エリアを設定する
請求項からのいずれか一項に記載の行列管理装置。
【請求項6】
行列形成要素検出装置と、表示装置と、行列管理装置とを備え、
前記行列形成要素検出装置は、行列管理対象の場所における行列形成要素を検出し、
行列管理装置は、
前記行列形成要素検出装置の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部と、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部と、
前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように前記表示装置を制御する案内表示制御部とを備え
前記案内位置判定部は、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて特定される行列の最後尾の位置に基づいて前記案内位置を判定し、
前記行列検出部により検出された現時点の行列がさらに延伸した場合に行列が形成されるべき場所の範囲である行列形成エリアを設定し、
設定された行列形成エリアにおいてさらに延伸する場合に形成されるべき行列の経路を判定し、
判定された経路に基づいて判定した行列の最後尾の次に並ぶべき位置を、前記案内位置とし、
前記行列管理対象の場所に対応する環境状態としての天候に基づいて、前記行列形成エリアを設定する
行列管理システム。
【請求項7】
行列管理装置における行列管理方法であって、
行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出ステップと、
前記行列検出ステップにより検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定ステップと、
前記案内位置判定ステップにより判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御ステップとを備え
前記案内位置判定ステップは、
前記行列検出ステップにより検出された行列の状態に基づいて特定される行列の最後尾の位置に基づいて前記案内位置を判定し、
前記行列検出ステップにより検出された現時点の行列がさらに延伸した場合に行列が形成されるべき場所の範囲である行列形成エリアを設定し、
設定された行列形成エリアにおいてさらに延伸する場合に形成されるべき行列の経路を判定し、
判定された経路に基づいて判定した行列の最後尾の次に並ぶべき位置を、前記案内位置とし、
前記行列管理対象の場所に対応する環境状態としての天候に基づいて、前記行列形成エリアを設定する
行列管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部、
前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御部として機能させるためのプログラムであって、
前記案内位置判定部は、
前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて特定される行列の最後尾の位置に基づいて前記案内位置を判定し、
前記行列検出部により検出された現時点の行列がさらに延伸した場合に行列が形成されるべき場所の範囲である行列形成エリアを設定し、
設定された行列形成エリアにおいてさらに延伸する場合に形成されるべき行列の経路を判定し、
判定された経路に基づいて判定した行列の最後尾の次に並ぶべき位置を、前記案内位置とし、
前記行列管理対象の場所に対応する環境状態としての天候に基づいて、前記行列形成エリアを設定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行列管理装置、行列管理システム、行列管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
或るサービス等の提供を受けようとする利用者が順番待ちの行列を形成する場合がある。このような場合に、例えば要員が行列の形成を調整するようなことが特に行われなければ、行列は単純に後ろ側に続いていくように形成されてしまい、例えば、周囲の邪魔になる等の不具合を招く。
そこで、待ち行列の状態を検出し、行列を形成している利用者が所持する端末装置に誘導情報を送信するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-109395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、行列を形成する利用者が端末装置を所持している必要がある。この場合、端末装置を所持していない利用者に対しては案内をすることができず、結果的に、適切な適切に行列を形成することが難しい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、行列を形成する利用者が端末装置を所持していなくとも、適切に行列が形成されるように利用者を案内できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部と、前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部と、前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御部とを備える行列管理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、行列形成要素検出装置と、表示装置と、行列管理装置とを備え、前記行列形成要素検出装置は、行列管理対象の場所における行列形成要素を検出し、行列管理装置は、前記行列形成要素検出装置の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部と、前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部と、前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように前記表示装置を制御する案内表示制御部とを備える行列管理システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、行列管理装置における行列管理方法であって、行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出ステップと、前記行列検出ステップにより検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定ステップと、前記案内位置判定ステップにより判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御ステップとを備える行列管理方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、行列管理対象の場所における行列形成要素の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する行列検出部、前記行列検出部により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する案内位置判定部、前記案内位置判定部により判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置を制御する案内表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、行列を形成する利用者が端末装置を所持していなくとも、適切に行列が形成されるように利用者を案内できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態における行列管理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態における行列管理装置の構成例を示す図である。
図3】本実施形態における行列形成エリアの設定に関して説明するための図である。
図4】本実施形態における案内位置の設定例を示す図である。
図5】本実施形態における案内画像の一例を示す図である。
図6】本実施形態における案内画像の一例を示す図である。
図7】本実施形態における行列管理装置が行列形成エリアの設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における行列管理装置が案内表示に対応して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態の行列管理システム1の構成例を示している。同図の行列管理システム1は、行列形成要素検出装置100、障害物検出装置200、表示装置300、気象センサ400、日陰検出装置500、及び行列管理装置600を備える。
行列形成要素検出装置100、障害物検出装置200、及び表示装置300は、1つの行列管理対象エリアAR10に対応して設けられる。行列管理対象エリアAR10は、1つの特定の行列が発生し得る一定範囲の場所である。つまり、行列管理対象エリアAR10は、1つの特定の行列に対応する。なお、異なる行列ごとに対応する複数の行列管理対象エリアAR10の間で重複する部分が存在するような場合には、行列形成要素検出装置100と障害物検出装置200とについては複数の行列管理対象エリアAR10間で同じものが共用されてもよい。
【0013】
行列形成要素検出装置100は、行列管理対象エリアAR10において存在する行列形成要素を検出する装置である。行列形成要素は、行列を形成する要素である。本実施形態の行列形成要素は人である場合を例に挙げる。行列形成要素検出装置100は、例えば撮像により画像を得る撮像装置であってよい。
【0014】
障害物検出装置200は、行列管理対象エリアAR10において存在する障害物を検出する。ここでの障害物は、行列管理対象エリアAR10において、例えば地面から或る高さまでを有して定位置に存在しているものとなる。このような障害物が存在している位置には、行列を形成する人が存在する(立って位置する)ことができない。障害物検出装置200は、例えば撮像により画像を得る撮像装置であってよい。なお、同じ行列管理対象エリアAR10に対応する行列形成要素検出装置100と障害物検出装置200とは、同じ撮像装置によって共用されてよい。
【0015】
表示装置300は、行列管理対象エリアAR10において、行列において最後尾の次に利用者に並んでもらうべき位置(案内位置)の案内のための表示を行う装置である。本実施形態の表示装置300は、例えばプロジェクタであって、行列管理対象エリアAR10において、案内位置に対応する地面に対して、当該案内位置にて並んでもらうように案内する案内画像を投影表示する。また、表示装置300は、案内位置は行列の形成に応じて変化することから、表示装置300は、例えば行列管理装置600の制御に応じて投影方向を変更可能に構成されてよい。
このような表示装置300は、行列管理対象エリアAR10における所定位置ごとに複数が設けられてよい。これにより、行列が延伸していくことに応じた案内位置に変化に容易に対応して、適宜、案内表示を行わせる表示装置300を切り替えていくことで、常に適切に案内表示を行うことができる。
【0016】
気象センサ400は、行列管理対象エリアAR10での気象に関する所定の事象を検出する装置、デバイスを一括して示す。気象センサ400には、降雨しているか否かを検出する降雨センサ、風速及び風向を検出する風速風向センサ、気温を検出する気温センサ等を含む。
日陰検出装置500は、行列管理対象エリアAR10における日陰の検出に対応して備えられる装置である。日陰検出装置500は、例えば行列管理対象エリアAR10において日陰が生じる場所を撮像するように設けられた撮像装置であってよい。
【0017】
行列管理装置600は、行列管理対象エリアAR10において発生する行列を管理する。行列管理装置600は、行例の管理として、行列管理対象エリアAR10において発生する行列が適切に形成されるように利用者を案内することを行う。以下の説明にあたり、本実施形態の行列管理対象エリアAR10が、バス停に対応する場所である場合を例に挙げる。
【0018】
行列管理装置600は、行列管理対象エリアAR10において利用者PSによる行列が発生したことを検出すると、行列管理対象エリアAR10において、発生した行列に対応する行列形成エリアAR11を設定する。行列形成エリアAR11は、発生した行列が以降において延伸されていくとした場合に、延伸される行列が形成されるべき場所の範囲である。行列管理装置600は、設定された行列管理対象エリアAR10において行列経路RTを設定する。
【0019】
行列経路RTは、行列が形成されるべき経路である。行列管理装置600は、設定された行列経路RTに沿って以降の行列が形成されていくように、行列の最後尾に続いて並ぼうとする利用者に立ってもらうべき位置を案内するための制御を実行する。利用者に立ってもらうべき位置の案内は、表示装置300による案内表示によって行われる。
【0020】
行列管理装置600は、行列管理対象エリアAR10内もしくは行列管理対象エリアAR10の近傍における所定の場所に設置されてよい。また、行列管理装置600は、複数の行列管理対象エリアAR10ごとにおける行列を集中して管理するようにされてもよい。
【0021】
図2は、行列管理装置600の構成例を示している。同図の行列管理装置600は、通信部601、制御部602、及び記憶部603を備える。
通信部601は、行列形成要素検出装置100、障害物検出装置200、表示装置300、気象センサ400、及び日陰検出装置500等の行列管理システム1内の他の各装置と通信を行う。通信部601と、行列管理システム1内の行列管理装置600以外の各装置との通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0022】
制御部602は、行列管理装置600における各種制御を実行する。制御部602としての機能は、行列管理装置600が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することによって実現される。制御部602は、行列検出部621、案内位置判定部622、及び案内表示制御部623を備える。
【0023】
行列検出部621は、行列管理対象エリアAR10(行列管理対象の場所の一例)における人(行列形成要素)の検出結果に基づいて、行列の状態を検出する。
案内位置判定部622は、行列検出部621により検出された行列の状態に基づいて案内表示が行われるべき案内位置を判定する。
【0024】
案内表示制御部623は、案内位置判定部622により判定された案内位置にて案内表示が行われるように表示装置300を制御する。
記憶部603は、行列管理装置600に対応する各種の情報を記憶する。
【0025】
本実施形態の行列管理装置600が案内表示に関連して実行する処理について説明する。
まず、行列管理装置600の行列検出部621は、行列管理対象エリアAR10において発生している行列を検出する。行列の検出にあたり、行列検出部621は、行列形成要素検出装置100が出力する検出情報を取得する。ここでは、行列形成要素検出装置100が撮像装置であり、検出情報が撮像画像である場合を例に挙げる。撮像画像は、動画または所定の時間間隔ごとに撮像された静止画であってよい。
行列検出部621は、行列形成要素検出装置100から取得した撮像画像について画像解析を実行することで、人を抽出する。次に、抽出された人のうちで、一定時間以上移動することなく滞留している状態の人(滞留者)を弁別する。
次に、行列検出部621は、弁別された滞留者のうちから、行列管理対象エリアAR10において予め先頭判定エリアとして定めた一定範囲において滞留者が存在するか否かについて判定する。先頭判定エリアにおいて滞留者が存在していた場合、当該滞留者が行列における先頭の利用者PS-STとして検出される。先頭の利用者PS-STを検出した場合、行列検出部621は、先頭の利用者PS-STを基点滞留者として定め、基点滞留者の周囲の一定距離以内において他の滞留者が存在しているか否かについて判定する。他の滞留者が存在していれば、行列検出部621は、対象滞留者と他の滞留者とにより行列が形成されていると判定する。ここで、基点滞留者を基点とする他の滞留者の存在の判定あたっては、基点滞留者を基点として、前回の基点滞留者が存在している位置以外の角度範囲を対象としてよい。これにより、行列が途中で折れ曲がっている場合であっても、折れ曲がりのある箇所での滞留者の並び位置の変化に対応して、他の滞留者の存在を判定できる。
次に、行列検出部621は、行列を形成していると判定された他の滞留者を対象滞留者として定め、まだ、行列に含まれていない滞留者のうちで、対象滞留者の周囲の一定距離以内において他の滞留者が存在しているか否かについて判定する。行列検出部621は、他の滞留者が存在していれば、さらに他の滞留者を次の対象滞留者として、さらに他の滞留者の存在を判定する。行列検出部621は、他の滞留者が存在していないと判定した段階で、行列の最後尾まで達したと検出する。
【0026】
上記のようにして行列が検出されると、案内位置判定部622は、検出された行列を含む行列形成エリアAR11を設定する。行列形成エリアAR11は、現時点で検出されている行列が以降において延伸される場合に、行列が形成されるべき一定範囲のエリアである。また、案内位置判定部622は、設定された行列形成エリアAR11の寸法、形状に応じて、行列形成エリアAR11における行列経路RTを設定する。
【0027】
図3を参照して、行列形成エリアAR11の設定に関して説明する。行列形成エリアAR11としては、まず、図3(A)に例示されるように、標準行列形成エリアAR11-Sが定められる。標準行列形成エリアAR11-Sは予め定められてもよいし、所定のアルゴリズムに従って、周囲環境に基づいて案内位置判定部622が定めるようにされてもよい。
標準行列形成エリアAR11-Sにおいては、標準行列形成エリアAR11-Sに対応して、標準パターンの行列経路RTも予め定められている。行列経路RTは、例えば先頭から行列が形成されている方向に沿って仮想の利用者を配置させていくようにして直線を延伸させ、仮想の利用者が行列形成エリアAR11の端部まで到達したら、これまでとは逆の延伸方向に直線を折り返して延伸させていく、という規則に従って形成していくことができる。
標準行列形成エリアAR11-Sと、当該標準行列形成エリアAR11-Sにおける行列経路RTは、管理対象の行列が発生した場合に、最も妥当であると想定される行列の形成パターンに対応して定められてよい。
【0028】
そのうえで、案内位置判定部622は、行列形成エリアAR11を、行列管理対象エリアAR10の環境状態に対応させて、標準行列形成エリアAR11-S以外の寸法、形状に変更することができる。
例えば、行列管理対象エリアAR10の環境状態として、標準行列形成エリアAR11-Sの範囲内にて、一時的にではあるが大きめの荷物等が置かれるなどして、障害物が存在してしまう可能性がある。このようにして障害物が存在することになった場合、障害物が存在する場所には利用者PSが並んで立つことができない。
そこで、案内位置判定部622は、障害物の存在に応じて行列形成エリアAR11と、行列形成エリアAR11内の行列経路RTを変更してよい。
【0029】
図3(B)は、障害物OBJの存在に応じて標準行列形成エリアAR11-Sから寸法、形状が変更された変更行列形成エリアAR11-Vの一例を示している。同図の変更行列形成エリアAR11-Vは、標準行列形成エリアAR11-Sから障害物OBJが存在する範囲を削除するようにして寸法、形状が変更されている。また、行列経路RTも変更行列形成エリアAR11-Vの寸法、形状に応じて、標準パターンから変更されている。
【0030】
また、行列管理対象エリアAR10の環境状態として、雨(雪等であってもよい)が降ってきた場合には、例えば行列管理対象エリアAR10において屋根となる設備等によって行列の利用者PSに雨がかからないようにすることが好ましい。
そこで、案内位置判定部622は、降雨状態となった場合には、行列に雨がかからないような変更行列形成エリアAR11-Vを設定してよい。
【0031】
図3(C)は、降雨状態となったことに応じて、標準行列形成エリアAR11-Sから寸法、形状が変更された変更行列形成エリアAR11-Vの一例を示している。同図において示される変更行列形成エリアAR11-Vの範囲が、行列に並ぶ利用者PSに雨がかからない範囲となる。
このような降雨状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vへの変更を可能とするため、例えば記憶部603は、行列管理対象エリアAR10における屋根等の設備の配置を示す設備情報を記憶する。案内位置判定部622は、気象センサ400から出力される検出情報に基づいて降雨の状態となったことを判定すると、設備情報により示される行列管理対象エリアAR10における屋根等の設備の配置に基づいて雨がかからない範囲を特定する。最も簡単な例として、案内位置判定部622は、標準行列形成エリアAR11-Sにおいて、屋根の配置と重複する範囲を降雨状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vとして設定してよい。
【0032】
また、上記のような降雨状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vへの変更にあたり、案内位置判定部622は、気象センサ400から出力される検出情報が示す風向、風速をさらに利用して、変更行列形成エリアAR11-Vの範囲を決定してよい。つまり、案内位置判定部622は、行列管理対象エリアAR10において屋根の配置と重複するとして特定された範囲についての移動方向と移動量を、気象センサ400の検出情報により示される風向、風速に応じて求める。案内位置判定部622は、求められた移動方向と移動量とにより特定された範囲を移動させる。このように移動された範囲が、降雨状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vとして設定される。また、案内位置判定部622は、このように設定された変更行列形成エリアAR11-Vの寸法、形状に応じて行列経路RTを設定する。
なお、案内位置判定部622は、例えばネットワーク経由で取得した天候(降雨、雨雲、風速、風向等)の情報に基づいて、降雨状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vを設定してよい。
【0033】
また、行列管理対象エリアAR10の環境状態として、例えば夏期で晴れとなるような気候では、日なたが酷暑の状態なる。このような酷暑の状態の場合には、行列管理対象エリアAR10において日陰となる範囲内にて行列が形成されるようにすることが好ましい。
そこで、案内位置判定部622は、酷暑状態となった場合には、行列が日陰となるように変更行列形成エリアAR11-Vを設定してよい。
【0034】
図3(D)は、酷暑状態となったことに応じて、標準行列形成エリアAR11-Sから寸法、形状が変更された変更行列形成エリアAR11-Vの一例を示している。同図において示される変更行列形成エリアAR11-Vの範囲が、日陰となる範囲である。
このような酷暑状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vへの変更に応じた処理として、案内位置判定部622は、気象センサ400から出力される検出情報に基づいて酷暑の状態となったことを判定すると、日陰検出装置500の検出情報としての撮像画像に基づいて、現在、行列管理対象エリアAR10において日陰となっている領域(日陰領域)を特定する。
あるいは、日陰領域の特定は以下のように行われてもよい。例えば記憶部603は、行列管理対象エリアAR10における屋根等の設備の配置を示す設備情報を記憶する。案内位置判定部622は、気象センサ400から出力される検出情報に基づいて酷暑の状態となったことを判定すると、設備情報により示される行列管理対象エリアAR10における屋根等の設備の配置と、現在の日時に応じた太陽の方角とに基づいて日陰領域を特定する。
例えば、上記のように特定された日陰領域が、酷暑状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vとされてよい。また、案内位置判定部622は、このように設定された変更行列形成エリアAR11-Vの寸法、形状に応じて行列経路RTを設定する。
【0035】
なお、案内位置判定部622は、例えばネットワーク上で提供されている天気予報等のサービスから取得した天候の情報に基づいて、酷暑状態に対応する変更行列形成エリアAR11-Vを設定してよい。
【0036】
案内位置判定部622は、上記のように行列形成エリアAR11と行列経路RTとを設定すると、現在において形成されている行列に対応する案内位置を設定する。案内位置は、現在において形成されている行列の最後尾に後続して次の利用者に並んでもらうべき位置である。
【0037】
図4(A)には、行列検出部621により検出された行列を模式的に示している。同図では行列を形成する利用者PSのうち、先頭の者を利用者PS-STとして示し、最後尾の者を利用者PS-EDとして示している。同図においては、案内位置判定部622が行列形成エリアAR11とともに設定した行列経路RTを行列に対応させて示している。
案内位置判定部622は、設定された行列経路RT上で、最後尾に並ぶ利用者PS-EDから後方に所定の距離を隔てた位置を案内位置PTとして設定する。
案内表示制御部623は、図4(B)に示すように、設定された案内位置PTが対応する地面に案内画像DSが表示されるように表示装置300を制御する。この際、案内表示制御部623は、表示装置300が複数設けられている場合には、複数の表示装置300のうちから、案内位置PTに最も近い表示装置300を表示制御対象として選択する。案内表示制御部623は、表示制御対象の表示装置300の投影方向について、案内位置PTに投影画像の光軸が対応するように設定し、案内画像DSを投影させる。
【0038】
図5は、案内画像DSの一例を示している。同図に示されるように、案内画像DSは、最後尾の利用者PS-EDの後方において、次に行列に並ぼうとする利用者PSに向けて、当該案内画像DSの表示された位置に並んでもらうことを案内するメッセージを含んで表示される。
【0039】
図6は、案内画像DSにおいて示されるメッセージの他の態様例を示している。同図の案内画像DSにおいては、対応の行列が何のためのものであるのかが示されるとともに、待ち時間が示されている。待ち時間は、行列検出部621により検出された、行列を形成する利用者PSの数と、行列における一人あたりの待ち時間とに基づいて、案内表示制御部623が算出してよい。
【0040】
例えば、同じバス停の看板に対して、複数の異なる行き先が割り当てられる場合がある。このような場合には、1つのバス停において、行き先ごとに応じた複数の行列が形成される場合がある。このような場合において、形成される行列ごとに対応して表示させる案内画像DSについて、いずれの行き先に対応する行列であるのかが示されるようにすることで、行列に並ぼうとする利用者PSは、いずれの行列が自分の行き先に対応するのか迷うことがなくなる。また、このような場合には、行列が形成されていないときの初期状態での案内画像DSの表示位置(初期表示位置)を、行き先ごとに対応させて予め定めておくようにする。そのうえで、行列が形成されていないときには、初期表示位置にてそれぞれの行き先を示す案内画像DSが表示されるようにしてよい。
【0041】
このようにして案内表示が行われることで、行列に並ぼうとする利用者は、例えば係員等により案内を受けたり、自分が所持する端末装置で確認したりしなくとも、容易に自分が立つべき場所を把握できる。また、案内表示は、行列形成エリアAR11としての場所の範囲内において設定された行列経路RTに沿って行われる。このため、本実施形態によっては、係員の案内や端末装置での確認がなくとも、適切に行列を形成していくことができる。
また、本実施形態においては、障害物、風雨、日照等の行列管理対象エリアAR10の環境条件に応じて行列形成エリアAR11及び行列経路RTが設定される。つまり、本実施形態によっては、環境条件に応じて、利用者PSにとって不具合が生じたりしないようにしたり、できるだけ快適に並んでいることができるようにして、行列が適切に形成される。
【0042】
図7のフローチャートを参照して、行列管理装置600が行列形成エリアAR11の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:行列管理装置600において、行列検出部621は、まず、最後の待機時間T1の経過タイミングから、さらに待機時間T1が経過するのを待機する。つまり、同図の行列形成エリアAR11の設定に関する処理は、待機時間T1が経過するごとに実行される。一例として、待機時間T1は10分程度である。
【0043】
ステップS102:待機時間T1が経過したことに応じて、行列検出部621は、行列形成要素検出装置100の検出情報に基づいて、現在において行列管理対象エリアAR10にて発生している行列の検出を行う。ここでの行列の検出は、まず、行列の発生の有無を検出したうえで、行列が発生している場合には、行列の状態を検出する。行列の状態として、例えば、行列が形成されている位置と、行列を形成している利用者PSの数等が検出される。
【0044】
ステップS103:次に、案内位置判定部622は、エリア変更データを取得する。エリア変更データは、行列形成エリアAR11について、標準行列形成エリアAR11-Sから変更行列形成エリアAR11-Vへの変更を行うにあたり利用される情報である。具体的に、エリア変更データは、障害物検出装置200の検出情報、気象センサ400の検出情報、日陰検出装置500の検出情報等を含む。
【0045】
ステップS104:案内位置判定部622は、ステップS103により取得されたエリア変更データに含まれる、障害物検出装置200の検出情報に基づいて、行列管理対象エリアAR10において障害物が有るか否かについて判定する。障害物が有るか否かの判定は、例えば障害物検出装置200の検出情報が撮像画像である場合には、画像解析によって、人以外であって定位置に定常的に存在している物体が有るか否かについて判定すればよい。
ステップS105:案内位置判定部622は、ステップS104により障害物が有ると判定された場合には、障害物が置かれている行列管理対象エリアAR10内での位置を特定する。
【0046】
ステップS106:ステップS105の処理の後、あるいはステップS104にて障害物がないと判定された場合、案内位置判定部622は、気象センサ400の検出情報に基づいて、現在が降雨の状態であるか否かについて判定する。
ステップS107:現在が降雨の状態であると判定した場合、案内位置判定部622は、気象センサ400の検出情報に含まれる風向、風速の情報を、行列形成エリアAR11の位置の設定に用いる情報として取得する。
【0047】
ステップS108:ステップS107の処理の後、あるいはステップS106にて降雨がないと判定された場合、現在の気候が酷暑か否かについて判定する。
ステップS109:酷暑であると判定された場合、案内位置判定部622は、行列管理対象エリアAR10において日陰となる領域(日陰領域)を特定する。
【0048】
ステップS110:案内位置判定部622は、今回のステップS102~S109の処理の結果を反映させた行列形成エリアAR11を生成する。例えばステップS105にて障害物の位置が特定された場合、案内位置判定部622は、図3(B)のように障害物OBJの場所が除外されるように行列形成エリアAR11を生成する。また、ステップS106にて降雨有りと判定されて、ステップS107により風向風速情報が取得されている場合、案内位置判定部622は、図3(C)のように行列における利用者PSに雨がかからないような範囲の行列形成エリアAR11を生成する。また、ステップS108にて酷暑であると判定されて、ステップS109により日陰領域が特定された場合、案内位置判定部622は、行列が日陰の範囲に収まるように行列形成エリアAR11を生成する。また、案内位置判定部622は、障害物が存在せず、降雨の状態でも酷暑の状態でもないと判定された場合、案内位置判定部622は、標準行列形成エリアAR11-Sを生成する。
【0049】
なお、同図の処理を開始した時点で雨天であったが、行列の少なくとも一部が、雨のかかる場所に既に形成されているという状況になっている場合がある。同様に、同図の処理を開始した時点で酷暑であったが、行列の少なくとも一部が、既に日なたに形成されていたという状況になっている場合がある。このような場合には、案内位置判定部622は、既に形成された行列については、現状を維持させたうえで、以降において延伸する行列が雨のかからない場所や日陰となるように行列形成エリアAR11を生成してよい。
【0050】
ステップS111:案内位置判定部622は、ステップS110にて生成された行列形成エリアAR11における行列経路RTを生成する。
【0051】
ステップS112:案内位置判定部622は、ステップS110にて生成された行列形成エリアAR11と、ステップS111にて生成された行列経路RTとを含む行列形成エリア情報により、これまで記憶部603に記憶されていた行列案内情報を更新する。
【0052】
次に、図8のフローチャートを参照して、行列管理装置600が案内表示に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:行列管理装置600において、案内表示制御部623は、最後の待機時間T2の経過タイミングから、さらに待機時間T2が経過するのを待機する。つまり、案内表示の更新は、待機時間T2ごとに行われる。待機時間T2は、行列形成エリアAR11の設定に対応する待機時間T1よりも短い時間であり、一例として5秒程度である。
【0053】
ステップS202:待機時間T2が経過すると、案内位置判定部622は、現在において記憶部603に記憶されている行列形成エリア情報を取得する。
ステップS203:案内位置判定部622は、今回のステップS202にて取得された行列形成エリア情報により示される行列形成エリアAR11について、前回のステップS202にて取得された行列形成エリア情報の行列形成エリアAR11からの変更が有るか否かについて判定する。案内位置判定部622は、例えば行列形成エリアAR11の配置位置、寸法、形状等のうちの少なくともいずれかに変更があれば、行列形成エリアAR11に変更が有ると判定してよい。
【0054】
ステップS204:行列形成エリアAR11に変更が有ると判定された場合、案内位置判定部622は、案内表示制御用の行列形成エリアAR11と行列経路RTの設定を、今回のステップS202により取得された行列形成エリア情報により示される行列形成エリアAR11と行列経路RTとにより更新する。
【0055】
ステップS205:ステップS204の処理の後、あるいはステップS203にて行列形成エリアAR11に変更はないと判定された場合、行列検出部621は、現在における行列の最後尾の利用者PSの位置(最後尾位置)を特定する。
このために、行列検出部621は、現時点における行列の検出を行うことで、行列を形成する利用者PSのうちの最後尾の利用者PSを特定する。次に、行列検出部621は、特定した最後尾の利用者PSの位置を特定する。最後尾の利用者PSの位置は、例えば、行列形成要素検出装置100の検出情報が撮像画像である場合には、以下のようにして特定できる。つまり、行列検出部621は、撮像装置としての行列形成要素検出装置100の設置位置と、撮像方向と撮像の視野角等の撮像条件情報を取得する、行列検出部621は、取得された撮像条件情報に基づいて、撮像画像内に存在する最後尾の利用者PSが、行列管理対象エリアAR10の平面図上のいずれの位置に存在するのかを特定することにより、最後尾位置を特定する。
【0056】
なお、同図の処理は、例えば待機時間T1において所定回数実行される。また、行列には或る短時間に多くの利用者PSが新たに並ぶ可能性もある。このため、例えば、今回のステップS205による行列検出の結果が、図7のステップS102による行列検出の結果と大きく乖離する可能性がある。
そこで、案内位置判定部622は、ステップS205による行列検出の結果が、最後のステップS102の行列検出の結果に対する乖離の度合いが一定以上であるか否かについて判定してよい。乖離の度合いが一定以上か否かの判定として、例えば行列を形成する利用者PSの増加数(もしくは増加率)が一定以上であるか否かを判定するようにされてよい。
乖離の度合いが一定以上であると判定した場合、案内位置判定部622は、この段階で、行列形成エリアAR11と行列経路RTとを再生成し、再生成された結果により、表示制御用の行列形成エリアAR11と行列経路RTを更新してよい。案内位置判定部622は、更新された行列形成エリアAR11と行列経路RTに基づいて、ステップS205の最後尾位置の特定を行う。
【0057】
ステップS206:案内位置判定部622は、案内表示が行われるべき位置(案内位置)を特定する。案内位置判定部622は、現在において案内表示制御用として設定されている行列経路RT上で、ステップS205にて特定された最後尾位置の次に利用者PSが並ぶこととなる位置を、案内位置として特定する。
ステップS207:案内表示制御部623は、ステップS206により特定された案内位置の地面にて、図5図6等に例示した案内画像DSが表示されるように、表示装置300を制御する。
【0058】
なお、表示装置300は、プロジェクタのほか、照明装置が利用されてよい。また、表示装置300は、例えば床面に設けられるようにされた表示デバイスにより構成されてよい。
また、本実施形態の行列管理システムは、例えば、列車のホーム、店舗、イベント開場などをはじめ、バス停以外にて形成される各種の行列の管理に適用されてよい。また、本実施形態の行列管理システムが適用される環境に応じて、行列形成要素については適宜変更されてよい。例えば、所定の荷物について行列を形成させるように並べて置おいていくような作業環境であれば、行列管理システムは、荷物としての物体を行列形成要素として、行列の管理を行ってよい。
【0059】
なお、上述の行列管理装置600としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の行列管理装置600としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 行列管理システム、100 行列形成要素検出装置、200 障害物検出装置、300 表示装置、400 気象センサ、500 日陰検出装置、600 行列管理装置、601 通信部、602 制御部、603 記憶部、621 行列検出部、622 案内位置判定部、623 案内表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8