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特許7286305外科用器具の組立のための器具キャディ及び方法を含む整形外科用器具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】外科用器具の組立のための器具キャディ及び方法を含む整形外科用器具システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20230529BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20230529BHJP
   A61F 2/38 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
A61B50/33
A61B17/16
A61F2/38
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018226308
(22)【出願日】2018-12-03
(65)【公開番号】P2019098185
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】15/830,457
(32)【優先日】2017-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・エム・ニース
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・エル・チェニー
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー・エム・ワインスコット
(72)【発明者】
【氏名】オリバー・コールトラップ
(72)【発明者】
【氏名】アラスデア・マーサー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-006143(JP,A)
【文献】特開2014-180561(JP,A)
【文献】特開2013-248399(JP,A)
【文献】国際公開第2017/034845(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0287901(US,A1)
【文献】米国特許第05174453(US,A)
【文献】米国特許第06241092(US,B1)
【文献】米国特許第07748529(US,B2)
【文献】米国特許第06783004(US,B1)
【文献】米国特許第06331280(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/33
A61B 13/00-18/18
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用器具システムであって、
(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)前記先細本体内に画定される複数の切削歯と、を備える、切削ブローチと、
前記切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディであって、前記器具キャディが、底壁と、前記底壁から上方に延びる第1の側壁と、前記第1の側壁から離間して前記底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含む、器具キャディと、
ステムコンポーネントであって、細長い本体と、前記切削ブローチに前記ステムコンポーネントを連結するために前記切削ブローチの前記先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有する、ステムコンポーネントと、
を含み、
前記第1の側壁は、前記切削ブローチの前記基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、前記開口部から内向きに延在する一対の表面とを備え、前記一対の表面は、前記切削ブローチの前記基部に係合するように形成されており、前記切削ブローチがその長手方向軸の周りに回転するのを阻止し、
前記溝に整列したスロットが、前記第2の側壁を貫通して延在し、前記スロットが、前記切削ブローチの前記先端を受容する寸法にされており、
前記切削ブローチが前記器具キャディ内に位置するとき、前記切削ブローチの前記先端の前記端表面は、前記スロットから外向きに延在し、これにより前記ステムコンポーネントが前記切削ブローチに連結できるようになる、整形外科用器具システム。
【請求項2】
整形外科用器具システムであって、
(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)前記先細本体内に画定される複数の切削歯と、を備える、切削ブローチと、
前記切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディであって、前記器具キャディが、底壁と、前記底壁から上方に延びる第1の側壁と、前記第1の側壁から離間して前記底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含む、器具キャディと、
ステムコンポーネントであって、細長い本体と、前記切削ブローチに前記ステムコンポーネントを連結するために前記切削ブローチの前記先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有する、ステムコンポーネントと、
を含み、
前記第1の側壁は、前記切削ブローチの前記基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、前記開口部から内向きに延在する一対の表面とを備え、前記一対の表面は、前記切削ブローチの前記基部に係合するように形成されており、前記切削ブローチがその長手方向軸の周りに回転するのを阻止し、
前記溝に整列したスロットが、前記第2の側壁を貫通して延在し、前記スロットが、前記切削ブローチの前記先端を受容する寸法にされており、
前記切削ブローチが前記器具キャディ内に位置するとき、前記ステムコンポーネントの前記装着端は、前記スロット内に受容され、これにより前記ステムコンポーネントが前記切削ブローチに連結できるようになる、整形外科用器具システム。
【請求項3】
前記切削ブローチが、第1の切削ブローチであり、前記開口部が第1の開口部であり、前記スロットが第1のスロットであり、かつ、
前記器具キャディが、
(i)第2の切削ブローチの基部を受容する寸法にされた第2の溝を画定するための、前記第2の側壁内の第2の開口部、及び、前記第2の開口部から内向きに延在する第2の一対の表面と、
(ii)前記第2の切削ブローチの先端を受容する寸法にされた、前記第1の側壁を貫通して延在する第2のスロットと、
を更に含む、請求項1に記載の整形外科用器具システム。
【請求項4】
複数の前記切削ブローチを更に含み、
前記第1の側壁が複数の溝を含み、各前記複数の溝は、数の前記切削ブローチのうち1つの前記基部を選択的に受容する寸法にされており、
前記器具キャディが、前記第2の側壁を貫通して延在する複数のスロットを更に含み、各前記複数のスロットは、前記複数の溝のうち1つと整列し、かつ、数の前記切削ブローチのうち1つの前記先端を受容する寸法にされている、請求項1に記載の整形外科用器具システム。
【請求項5】
前記器具キャディを受容するような寸法及び形状にされた器具トレイを更に含む、請求項1に記載の整形外科用器具システム。
【請求項6】
前記器具キャディが、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延在する端壁と、前記端壁内に形成されたハンドルとを更に含む、請求項1に記載の整形外科用器具システム。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記端壁を貫通して延在する開口部を備える、請求項6に記載の整形外科用器具システム。
【請求項8】
前記ハンドルが、前記端壁から延出するフランジを備える、請求項6に記載の整形外科用器具システム。
【請求項9】
前記切削ブローチが、大腿骨切削ブローチ及び脛骨切削ブローチのうち1つを含む、請求項1に記載の整形外科用器具システム。
【請求項10】
整形外科用器具システムであって、
切削ブローチであって、(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)前記先細本体内に画定される複数の切削歯と、(iii)前記先端の端表面内に画定された開口部と、を備える、切削ブローチと、
ステムコンポーネントであって、細長い本体と、前記切削ブローチに前記ステムコンポーネントを連結するために前記切削ブローチの前記先端の前記端表面内に画定された前記開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を備える、ステムコンポーネントと、
前記切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディと、を含み、
前記器具キャディが、底壁と、前記底壁から上方に延びる第1の側壁と、前記第1の側壁から離間して前記底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含み、
前記第1の側壁は、前記切削ブローチの前記基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、前記開口部から内向きに延在する一対の表面とを備え、
前記溝に整列したスロットが、前記第2の側壁を貫通して延在し、前記スロットが、前記切削ブローチの前記先端を受容する寸法にされている、整形外科用器具システム。
【請求項11】
前記スロットが、前記切削ブローチの前記先端の前記端表面内に画定された前記開口部の直径よりも大きな距離を隔てて離間している一対の側壁によって画定されている、請求項10に記載の整形外科用器具システム。
【請求項12】
複数の前記切削ブローチを含み、
前記第1の側壁が複数の溝を含み、各前記複数の溝は、複数の前記切削ブローチのうち1つの前記基部を受容する寸法にされており、
複数のスロットが、前記第2の側壁を貫通して延在し、各前記複数のスロットは、前記複数の溝のうち1つの溝と整列し、かつ、数の前記切削ブローチのうち1つの前記先端を受容する寸法にされている、請求項10に記載の整形外科用器具システム。
【請求項13】
前記器具キャディが、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延在する端壁と、
前記端壁内に形成されたハンドルとを更に含む、請求項10に記載の整形外科用器具システム。
【請求項14】
前記ハンドルが、前記端壁を貫通して延在する開口部を備える、請求項13に記載の整形外科用器具システム。
【請求項15】
前記ハンドルが、前記端壁から延出するフランジを備える、請求項13に記載の整形外科用器具システム。
【請求項16】
前記切削ブローチが、大腿骨切削ブローチ又は脛骨切削ブローチのうち少なくとも1つである、請求項10に記載の整形外科用器具システム。
【請求項17】
外科用器具を組み立てる方法であって、
器具キャディ内に配置される切削ブローチを選択することであって、前記切削ブローチは、(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)前記先細本体内に画定される複数の切削歯と、を備える、ことと、
前記器具キャディの側壁を貫通して延在するスロットを通して、ステムコンポーネントの装着端を前進させることと、
前記ステムコンポーネントの前記装着端を、前記器具キャディの前記スロット内に配置された前記切削ブローチの前記先端に連結することと、
前記ステムコンポーネントを把持して、前記器具キャディから前記切削ブローチを取り出すことと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記ステムコンポーネントの前記装着端を、前記具キャディの前記スロット内に配置された前記切削ブローチの前記先端に連結することが、前記ステムコンポーネントの前記装着端を、前記切削ブローチの前記先端に螺入させることを含み、
前記器具キャディの一対の表面は、前記切削ブローチの前記基部に係合しており、これによって、前記切削ブローチの前記先端への前記ステムコンポーネントの前記装着端の螺入中に、前記基部の前記長手方向軸を中心とした前記切削ブローチの回転が阻止される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して整形外科的関節置換術の実施に用いるための整形外科用器具に関し、より具体的には、膝関節置換術の実施に用いられる整形外科用手術器具トレイのための器具キャディに関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節を人工関節に置換する、周知の外科的処置である。例えば、全膝関節形成術の外科的処置では、患者の生体膝関節を人工膝関節又は膝関節プロテーゼで部分的又は全体的に置換する。典型的な膝関節プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマー挿入物又はベアリングを含む複数の人工関節コンポーネントを含む。脛骨トレイは、一般に、遠位に延在するステムを有するプレートを含み、大腿骨コンポーネントは、一般に、一対の離間配置された顆状要素を含み、顆状要素はポリマーベアリングの対応する表面と関節接合する表面を含む。脛骨トレイのステムは、患者の脛骨の外科的に準備された髄管内に埋め込まれるように構成され、大腿骨構成要素は、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端に連結されるように構成される。
【0003】
いかなる膝関節手術中であっても、整形外科医は、典型的には、例えば、ブローチ、切断ブロック、リーマ、ドリルガイド、及び膝関節プロテーゼを受容するように患者の骨を準備するための他の外科用器具などの様々な異なる整形外科用器具を用いる。この器具は一般に、処置中にわたって外科医がアクセス可能な器具トレイ内に配列される。処置中に、外科医又は他のユーザは、その処置で使用するために、トレイから種々の器具を取り出す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示される実施形態の一態様によれば、整形外科用器具システムは、基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体を備える切削ブローチを含む。複数の切削歯が、先細本体内に画定される。器具キャディは、この切削ブローチを受容するよう構成される。このキャディは、底壁と、底壁から上方に延びる第1の側壁と、この第1の側壁から離間して底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含む。この第1の側壁は、切削ブローチの基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、開口部から内向きに延在する一対の表面とを備る。この一対の表面は、切削ブローチの基部に係合するように形成されており、切削ブローチがその長手方向軸の周りに回転するのを阻止する。この溝に整列したスロットが、第2の側壁を貫通して延在する。このスロットは、切削ブローチの先端を受容する寸法にされている。
【0005】
いくつかの実施形態において、ステムコンポーネントは、細長い本体と、切削ブローチにステムコンポーネントを連結するために切削ブローチの先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有し得る。切削ブローチがキャディ内に位置するとき、切削ブローチの先端の端表面は、スロットから外向きに延在していてもよく、これによりステムコンポーネントが切削ブローチに連結できるようになる。いくつかの実施形態において、切削ブローチがキャディ内に位置するとき、ステムコンポーネントの装着端は、スロット内に受容されてもよく、これによりステムコンポーネントが切削ブローチに連結できるようになる。
【0006】
いくつかの実施形態において、この切削ブローチは、第1の切削ブローチであってよく、この開口部は第1の開口部であってよく、このスロットは第1のスロットであってよい。このキャディは、第2の切削ブローチの基部を受容する寸法にされた第2の溝を画定するための、第2の側壁内の第2の開口部と、第2の開口部から内向きに延在する第2の一対の表面とを備え得る。第1の側壁を貫通して延在する第2のスロットは、第2の切削ブローチの先端を受容する寸法にされ得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、このシステムは、複数の切削ブローチを有し得る。この第1の側壁は複数の溝を有し得る。各溝は、複数の切削ブローチのうち1つの基部を選択的に受容する寸法にされ得る。キャディは、第2の側壁を貫通して延在する複数のスロットを有し得る。各スロットは、複数の溝のうち1つと整列し、かつ、複数の切削ブローチのうち1つの先端を受容する寸法にされ得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、器具トレイは、キャディを受容するような寸法及び形状にされ得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、キャディは、第1の側壁と第2の側壁との間に延在する端壁を有し得る。ハンドルは端壁内に形成され得る。このハンドルは、端壁を貫通して延在する開口部であり得る。このハンドルは、端壁から延出するフランジであり得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、この切削ブローチは、大腿骨切削ブローチ及び脛骨切削ブローチのうち1つであり得る。
【0011】
本開示の実施形態の別の一態様によれば、整形外科用器具システムは、切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディを含む。このキャディは、底壁と、底壁から上方に延びる第1の側壁と、この第1の側壁から離間して底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含む。この第1の側壁は、切削ブローチの基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、開口部から内向きに延在する一対の表面とを備える。この溝に整列したスロットが、第2の側壁を貫通して延在する。このスロットは、切削ブローチの先端を受容する寸法にされている。
【0012】
いくつかの実施形態において、このシステムは、基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体を有する切削ブローチを有し得る。複数の切削歯が、先細本体内に画定され得る。この先端の端表面には、開口部が画定され得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、このスロットは、切削ブローチの先端の端表面内に画定された開口部の直径よりも大きな距離を隔てて離間している一対の側壁によって画定され得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、このシステムは、ステムコンポーネントを有してよく、このステムコンポーネントは、細長い本体と、切削ブローチにステムコンポーネントを連結するために切削ブローチの先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有し得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、この第1の側壁は複数の溝を有し得る。各溝は、複数の切削ブローチのうち1つの基部を受容する寸法にされ得る。複数のスロットは、第2の側壁を貫通して延在し得る。各スロットは、複数の溝のうち1つの溝と整列し、かつ、複数の切削ブローチのうち1つの先端を受容する寸法にされ得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、キャディは、第1の側壁と第2の側壁との間に延在する端壁を有し得る。ハンドルは端壁内に形成され得る。このハンドルは、端壁を貫通して延在する開口部であり得る。このハンドルは、端壁から延出するフランジであり得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、この切削ブローチは、大腿骨切削ブローチ又は脛骨切削ブローチのうち少なくとも1つであり得る。
【0018】
本開示の実施形態の更に別の一態様によれば、外科用器具を組み立てる方法は、器具キャディ内に配置された切削ブローチを選択することを含む。この切削ブローチは、基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、この先細本体内に画定される複数の切削歯とを備える。この方法は更に、器具キャディの側壁を貫通して延在するスロットを通して、ステムコンポーネントの装着端を前進させることを含む。この方法は更に、ステムコンポーネントの装着端を、器具キャディのスロット内に配置された切削ブローチの先端に連結することを含む。この方法は更に、ステムコンポーネントを把持して、器具キャディから切削ブローチを取り出すことを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、ステムコンポーネントの装着端を、外科用器具キャディのスロット内に配置された切削ブローチの先端に連結することには、ステムコンポーネントの装着端を、切削ブローチの先端に螺入させることが必要になり得る。外科用器具キャディの一対の表面は、切削ブローチの基部に係合していてよく、これによって、切削ブローチの先端へのステムコンポーネントの装着端の螺入中に、基部の長手方向軸を中心とした切削ブローチの回転が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
詳細な説明では、特に以下の図面を参照する。
図1】整形外科用器具システムの分解図である。
図2図1の整形外科用器具システムの脛骨ブローチの側面図である。
図3図2に示す脛骨ブローチの平面図である。
図4図2に示す脛骨ブローチの底面図である。
図5図1の整形外科用器具システムの大腿骨ブローチの側面図である。
図6図5に示す大腿骨ブローチの平面図である。
図7図5に示す大腿骨ブローチの底面図である。
図8】外科用器具キャディの斜視図である。
図9図8の線9-9に沿ってとった、外科用器具キャディの断面立面図である。
図10図8の線10-10に沿ってとった、外科用器具キャディの断面立面図である。
図11】外科用器具キャディ内に配置された多数の脛骨ブローチを備えている、図8に示す外科用器具キャディの前面立面図である。
図12】脛骨ブローチ及びステムコンポーネントを備えている、図8に示す外科用器具キャディの平面図である。
図13】脛骨ブローチに組み付けられたステムコンポーネントを示す、図12と同様の図である。
図14】外科用器具キャディから取り出されつつある脛骨ブローチに組み付けられたステムコンポーネントを示す、図13と同様の図である。
図15】整形外科用器具トレイ内に配置された外科用器具キャディの斜視図である。
図16】外科用器具キャディの別の実施形態の斜視図である。
図17図16の線17-17に沿ってとった、外科用器具キャディの断面立面図である。
図18図16の線18-18に沿ってとった、外科用器具キャディの断面立面図である。
図19】外科用器具キャディ内に配置された多数の大腿骨ブローチを備えている、図16に示す外科用器具キャディの前面立面図である。
図20】大腿骨ブローチ及びステムコンポーネントを備えている、図16に示す外科用器具キャディの平面図である。
図21】大腿骨ブローチに組み付けられたステムコンポーネントを示す、図20と同様の図である。
図22】外科用器具キャディから取り出されつつある大腿骨ブローチに組み付けられたステムコンポーネントを示す、図21と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の概念は様々な修正及び代替的形態の影響を受ける可能性があるが、その特定の例示的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。しかし、当然のことながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることが理解されよう。
【0022】
解剖学的基準を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び整形外科用器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造に関して使用されてよい。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。記述された本明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らない限り、それらの広く理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0023】
図1を参照して、整形外科用器具システム10は、複数の切削ブローチ14のうち1つに取り付けられた器具12を備える。下記で詳しく記述されるように、整形外科用器具システム10は、整形外科的処置の間に切削ブローチ14を格納する外科用器具キャディ120、300を備える。器具キャディ120、300のそれぞれは、ユーザが各切削ブローチ14を、例えばステムコンポーネント64又は器具12などの別の外科用器具に組み付けるのを支援するために、外科的処置の間に使用されるように更に構成されている。
【0024】
複数の切削ブローチ14は、脛骨切削ブローチ30(図2図4に詳しく示されている)及び大腿骨切削ブローチ32(図5図7に詳しく示されている)を含む。ここで図2図4を参照して、脛骨ブローチ30は、長手方向軸37に沿って先端36から基部38へと延在する外側表面34を備える。外側表面34はテーパ状であり、ブローチ30の直径は、基部38から先端36に向かって減少している。複数の切削歯40が外側表面34に形成されており、これらは、患者の脛骨内に形成された髄管内に脛骨ブローチ30が挿入されるとき、患者の脛骨の一部を除去するよう構成されている。切削歯40は、ブローチ30が髄管内に挿入される際に、髄管を囲む骨に係合するように構成されている。切削歯40は外側表面34を覆っており、このため、脛骨ブローチ30は、外科医又は他のユーザが手を切るリスクなしに外科医又は他のユーザが容易に手に取ることができないようになっている。異なる構成を有する他のブローチが提供され得ることが理解されよう。例えば、ブローチの外径及び/又は長さは、異なる大きさのプロテーゼ構成要素に適合する異なる大きさの管を生成するように変化してもよい。
【0025】
脛骨ブローチ30の基部38は、楕円形の外側表面39と、楕円形の外側表面39内に画定された実質的に平面状の上面42とを備える。楕円形の外側表面39の短軸は、脛骨ブローチ30の幅31を画定する。直径45を有する孔44は、上面42内に画定される。内壁46、48は、上面42から下向きに延在し、底壁50と共に脛骨ブローチ30内にスロット52を画定する。スロット52は、脛骨ブローチ30の外側表面34を貫通して延在している。フランジ54は、内壁46と内壁48との間に延在する。
【0026】
脛骨ブローチ30の先端36は、円形外側表面59と、外側表面59内に画定された端表面55とを備える。開口部60は端表面55内に画定され、外側表面59の直径57よりも小さい直径61を有する。開口部60のねじ付き内壁62は、ステムコンポーネント64(図1に示されている)を受容する形状にされる。図1を参照して、ステムコンポーネント64は、端部68から先端部70まで延在する細長い本体66を含む。複数のねじ山72が端部68に画定されており、これが脛骨ブローチ30のねじ付き内壁62に係合する。いくつかの実施形態において、ステムコンポーネント64は他の手段(例えばスナップ嵌め締結具、ボルト止め締結具、又は差し込み締結具)によって脛骨ブローチ30に連結することができる。例示的な一実施形態において、異なる長さ及び直径を有する複数のステムコンポーネント64が提供され得る。例えば、ステムコンポーネント64の直径は、10ミリメートル~24ミリメートルの間で変化してもよい。
【0027】
図5図7を参照して、大腿骨ブローチ32は、長手方向軸83に沿って先端82から基部84へと延在する外側表面80を備える。大腿骨ブローチ32の先端82は、円形外側表面81と、外側表面81内に画定された端表面79とを備える。開口部86は端表面79内に画定され、外側表面81の直径89よりも小さい直径87を有する。開口部86は、ステムコンポーネント64のねじ山72に係合するねじ付き内壁88を有する。いくつかの実施形態において、ステムコンポーネント64は他の手段(例えばスナップ嵌め締結具、ボルト止め締結具、又は差し込み締結具)によって大腿骨ブローチ32に連結することができる。外側表面80はテーパ状であり、ブローチ32の直径は、基部84から先端82に向かって減少している。複数の切削歯90が外側表面80に形成されており、これらは、患者の大腿骨内に形成された髄管内に大腿骨ブローチ32が挿入されるとき、患者の大腿骨の一部を除去するよう構成されている。切削歯90は、ブローチ32が髄管内に挿入される際に、髄管を囲む骨に係合するように構成されている。切削歯90は外側表面80を覆っており、このため、大腿骨ブローチ32は、外科医又は他のユーザが手を切るリスクなしに外科医又は他のユーザが容易に手に取ることができないようになっている。異なる構成を有する、他のブローチが提供され得ることが理解されるべきである。例えば、ブローチの外径及び/又はブローチの長さは、異なる大きさのプロテーゼ構成要素に適合する異なる大きさの管を生成するように変化してもよい。
【0028】
大腿骨ブローチ32の基部84は、一対の端表面93と一対の側面95とを含む外側表面91を備える。斜面97は、端表面93と側面95との間に延在する。基部84の幅99は、側面95の間に画定される。実質的に平面状の上面100は、外側表面91内の基部84に画定される。直径103を有する孔102は、上面100内に画定される。内壁104、106は、上面100から下向きに延在し、底壁108と共に、外側表面80を貫通するスロット110を画定する。フランジ112は、内壁104と内壁106との間に延在する。
【0029】
図1に戻って参照し、器具12は、基部18と、基部18から延出するハンドル20とを有する。プラグ22は、ハンドル20の反対側の基部18に固定される。ポスト24はプラグ22から延出し、器具12がブローチ14に固定されているときに、脛骨ブローチ30の孔44又は大腿骨ブローチ32の孔102内に受容されるよう構成される。器具12は、ブローチ14上に器具12を保持するよう構成されたレバー26を含む。図示の実施形態において、レバー26は、ポスト24がブローチ14内に受容されるときにブローチ14に係合するよう構成されたフランジ28を含む。フランジ28は、脛骨ブローチ30のフランジ54、又は大腿骨ブローチ32のフランジ112のいずれか一方に係合する。他の実施形態において、器具12は、ラッチ、ピン、又は器具12をブローチ14に固定するための他の締結具要素を含み得ることが理解されよう。
【0030】
ここで図8を参照して、システム10の外科用器具キャディの1つ(すなわち、キャディ120)が示されている。図示の実施形態において、キャディ120は、上述の脛骨ブローチ30を含め、異なる寸法の複数の脛骨ブローチ30を受容するよう構成されている。図8に示すように、キャディ120は、29ミリメートル~69ミリメートルの範囲の寸法を有する6つまでの脛骨ブローチを格納するよう構成されている。他の実施形態において他の寸法範囲が可能であり、キャディは追加のブローチ又はこれより少ないブローチを受容するよう構成され得ることが理解されよう。
【0031】
キャディ120は、底壁122と、一対の外壁117、119と、外壁117、119の端部に配置された一対の端壁132、134とを備える。底壁122、外壁117、119、及び端壁132、134は、好ましくは金属で形成される。図9図10を参照のこと。端壁132、134はそれぞれ、内側開口部131及び外側開口部133を備える。側面135は内側開口部131と外側開口部133との間に延在して、端壁132、134のそれぞれを貫通する孔137を画定する。孔137はハンドル139を形成し、これはキャディ120を持ち上げるのに使用することができる。更に、フランジ136は端壁132、134それぞれから内向きに延在している。フランジ136は更にハンドル138を形成し、これはキャディ120を持ち上げるのに使用することができる。
【0032】
図8に戻って参照し、複数の側壁124は、底壁122から上向きに延在して格納室126を画定する。側壁124は、外壁117、119と端壁132、134との間に配置される。側壁124は好ましくはプラスチックで形成される。側壁124は、一対の長手方向壁128、130を含む。下記で詳しく記述されるように、長手方向壁128、130は協調して、6つの脛骨ブローチ30を受容するよう構成された6つのブローチキャリア140を画定する。ブローチキャリア142は、端壁132に隣接して配置されている。第2のブローチキャリア144は、ブローチキャリア142の隣に配置されている。追加のブローチキャリア146、148、150、及び152は、ブローチキャリア144と端壁134との間に配置され、ブローチキャリア152は端壁134に隣接して配置される。各ブローチキャリア140は、外科的処置の合間の滅菌又は保管中に脛骨ブローチ30の1つを保持するよう構成され、更に、外科医又は他のユーザがステムコンポーネント及び器具ハンドルを用いてブローチを組立てるのを支援するよう構成される。例示的な一実施形態において、ブローチキャリア142は29ミリメートルの脛骨ブローチ30を保持するよう構成され、ブローチキャリア144は37ミリメートルの脛骨ブローチ30を保持するよう構成され、ブローチキャリア146は45ミリメートルの脛骨ブローチを保持するよう構成され、ブローチキャリア148は53ミリメートルの脛骨ブローチを保持するよう構成され、ブローチキャリア150は60ミリメートルの脛骨ブローチを保持するよう構成され、ブローチキャリア152は69ミリメートルの脛骨ブローチを保持するよう構成されている。ブローチキャリア144、146、148、150、及び152は、より小さい寸法のブローチを保持することができる。
【0033】
図9図10に示すように、各ブローチキャリア140は、脛骨ブローチ30の基部38を受容するよう構成された基部レセプタクル121と、脛骨ブローチ30の先端36を受容するよう構成された先端マウント123とを備える。図示の実施形態において、ブローチキャリア140の向きは互い違いになっており、これによって、ブローチキャリア144は、長手方向壁128内に画定された基部レセプタクル121と、対向する長手方向壁130内に画定された対応する先端マウント123を有し、一方、ブローチキャリア142は、長手方向壁130内に画定された基部レセプタクル121と、長手方向壁128内に画定された対応する先端マウント123とを有する。図示の実施形態において、各キャリア140の構成(したがって、各レセプタクル121と先端マウント123)は実質的に同一であり、よって1つのキャリア140のみについて下記で詳しく述べる。
【0034】
図9を参照して、ブローチキャリア144の基部レセプタクル121は、長手方向壁128の内側表面141(図8に示す)内に画定された溝155を備える。溝155は、脛骨ブローチ30の基部38を受容するような寸法にされる。基部レセプタクル121は更に、長手方向壁128の外側表面143(図8に示す)内に画定されたチャネル162を備える。図示の実施形態において、チャネル162は溝155内に向かって開いている。溝155は、長手方向壁128の上面147内に形成された開口部145から内向きに延在する一対の側面151によって部分的に画定されている。丸くなった底面153は側面151の間に延在し、これにより側面151と底面153が協調して溝155を画定している。側面151は、脛骨ブローチ30の基部38の幅31に対応する距離149を隔てて離間しており、底面153は、脛骨ブローチ30の基部38の楕円形の外側表面39に対応して形成されており、これによって、溝155は、脛骨ブローチ30がその長手方向軸37を中心として回転するのを阻止する。
【0035】
チャネル162は、開口部145から内向きに延在している一対の側面157により部分的に画定される。側面157は、距離149より短い距離154を隔てて離間している。距離154は、脛骨ブローチ30の孔44の直径45よりも大きいため、孔44はチャネル162を通してアクセス可能である。丸くなった底面156は、側面157の間に延在する。底面156は、底面153から距離158を隔てて離間している。底面156及び側面157は、協調してチャネル162を画定する。
【0036】
図10を参照して、ブローチキャリア144の先端マウント123は、長手方向壁130の内側表面170(図8に示す)内に画定されたスロット176を備える。スロット176は、脛骨ブローチ30の先端36を受容するような寸法にされる。先端マウント123は更に、長手方向壁130の外側表面174(図8に示す)内に画定されたチャネル172を備える。図示の実施形態において、チャネル172はスロット176内に向かって開いている。スロット176は、長手方向壁130の上面182内に形成された開口部180から内向きに延在する一対の側面178によって部分的に画定されている。側面178は距離179を隔てて離間している。丸くなった底面184は側面178の間に延在し、これにより側面178と底面184が協調してスロット176を画定している。底面184は、脛骨ブローチ30の先端36の丸くなった外側表面59に対応して丸くなっている。
【0037】
図11を参照して、チャネル172は、開口部180から内向きに延在している一対の側面190により部分的に画定される。側面190は、距離179より短い距離192を隔てて離間している。距離192は、脛骨ブローチ30の開口部60の直径61よりも大きいため、脛骨ブローチ30の開口部60はチャネル172を通してアクセス可能である。丸くなった底面194は、側面190の間に延在する。底面194は、底面184から距離196を隔てて離間している。
【0038】
図8に戻って参照し、キャリア140の構成は実質的に同一であるが、基部レセプタクル121と先端マウント123は端壁132から端壁134に向かって寸法が大きくなっており、増大する寸法のブローチに対応している。具体的には、端壁134に隣接するブローチキャリア152の基部レセプタクル121及び先端マウント123は、端壁132に隣接するブローチキャリア142の基部レセプタクル121及び先端マウント123よりも深い。ブローチキャリア152の溝155、スロット176、並びにチャネル162及び172は、ブローチキャリア142の溝155、スロット176、並びにチャネル162及び172よりも深い。中間のブローチキャリア144、146、148、150はそれぞれ、ブローチキャリア142とブローチキャリア152の深さの間にある深さを有する。
【0039】
図11を参照して、溝155及びスロット176は長手方向壁130に沿って互い違いになっている。それぞれの脛骨ブローチ30の基部38は、それぞれの溝155内に配置され、チャネル162を通してアクセス可能である。チャネル162の側面157間の距離154は、脛骨ブローチ30の孔44の直径45よりも大きい。したがって、孔44はチャネル162を通してアクセス可能であり、これによって、脛骨ブローチ30がキャディ120内に配置されたまま、器具12を脛骨ブローチ30に取り付けることができる。加えて、脛骨ブローチ30の寸法は、脛骨ブローチ30上に印刷可能であり、これはチャネル162を通して見ることができる。それぞれの脛骨ブローチ30の先端36は、それぞれのスロット176内に配置され、チャネル172を通してアクセス可能である。チャネル172の側面190間の距離192は、脛骨ブローチ30の先端36内の開口部60の直径61よりも大きい。このようにして、開口部60はチャネル172を通してアクセス可能であり、これによって、脛骨ブローチ30がキャディ120内に配置されたまま、ステムコンポーネント64を脛骨ブローチ30に取り付けることができる。
【0040】
使用中、図15に示すように、キャディ120は整形外科用器具トレイ280内に配置される。整形外科用器具トレイ280は、関節形成術中に、脛骨ブローチ30と共に利用される複数の器具282を含む。キャディ120は整形外科用器具トレイ280内に収められており、処置中に外科医又は他のユーザが脛骨ブローチ30にアクセスできるようになっている。ハンドル138、139のうち一方を利用してキャディ120を整形外科用器具トレイ280から取り出して、手術台の上に置くことができる。キャディ120を整形外科用器具トレイ280から取り出すことによって、下記に述べるように、脛骨ブローチ30を、ステムコンポーネント64と共にキャディ120から取り出すことができる。
【0041】
キャディ120が整形外科用器具トレイ280の外に配置された状態で、外科医は患者の脛骨内に挿入すべき脛骨ブローチ30を選択する(すなわち、脛骨ブローチ30の寸法に基づいて、脛骨切削ブローチ30が選択される)。脛骨ブローチ30の先端36はスロット176から外向きに延出しており、これによって、図12に示すように、ステムコンポーネント64の端部68を、長手方向壁128又は長手方向壁130のいずれかから、脛骨ブローチ30の先端36と揃えることができる。ステムコンポーネント64は次に、図13に示すように、ステムコンポーネント64の端部68に画定されたねじ山72を、脛骨ブローチ30の開口部60のねじ付き内壁62に螺入させることにより、脛骨ブローチ30に固定される。溝155の側面151は、ステムコンポーネント64の前進中に、脛骨ブローチ30の基部38の楕円形の外側表面39に係合し、これによって、ステムコンポーネントが脛骨ブローチ30に固定されている間、溝155は、脛骨ブローチ30がその長手方向軸37を中心に回転するのを阻止する。次いで、図14に示すように、外科医又は他のユーザはステムコンポーネント64を持ち上げ、脛骨ブローチ30をキャディ120から持ち上げる。ステムコンポーネント64を介して脛骨ブローチ30を持ち上げることにより、外科医又は他のユーザが、脛骨ブローチ30の外側表面34内に形成されている切断削40に接触するのが回避される。外科医が別の寸法の脛骨ブローチ30を選択することにした場合、外科医又は他のユーザは、同じ寸法の第2のステムコンポーネント64を別の脛骨ブローチ30に取り付けるか、あるいは、取り外した脛骨ブローチ30をキャディ120に戻し、ステムコンポーネント64を螺入解除し、ステムコンポーネント64を別の脛骨ブローチ30に取り付けることができる。代替的に、外科医又は他のユーザは、第1の脛骨ブローチ30の使用中に、第2の脛骨ブローチ30を第2のステムコンポーネント64と共に準備することができる。第1の脛骨ブローチ30の使用中に、第2の脛骨ブローチ30がキャディ120内で持ち上げられる。次に外科医又は他のユーザは、第2のステムコンポーネント64を固定するための手順を一時停止する必要なしに、必要なときに第2の脛骨ブローチ30を取り出すことができる。
【0042】
ここで図16を参照して、システム10の外科用器具キャディ(すなわち、キャディ300)が示されている。図示の実施形態において、キャディ300は、上述の大腿骨ブローチ32を含め、異なる寸法の複数の大腿骨ブローチ32を受容するよう構成されている。図16に示すように、キャディ300は、30ミリメートル~55ミリメートルの範囲の寸法を有する6つまでの大腿骨ブローチ32を格納するよう構成されている。他の実施形態において他の寸法範囲が可能であり、キャディは追加のブローチ又はこれより少ないブローチを受容するよう構成され得ることが理解されよう。
【0043】
キャディ120は、底壁302と、一対の外壁303、305と、外壁303、305の端部に配置された一対の端壁312、314とを備える。底壁302、外壁303、305、及び端壁312、314は、好ましくは金属で形成される。図17図18を参照のこと。端壁312、314はそれぞれ、内側開口部316及び外側開口部318を備える。側面320は内側開口部316と外側開口部318との間に延在して、端壁312、314を貫通する孔322を画定する。孔322はハンドル324を形成し、これはキャディ300を持ち上げるのに使用することができる。更に、フランジ326は端壁312、314それぞれから内向きに延在している。フランジ326は更にハンドル328を形成し、これはキャディ300を持ち上げるのに使用することができる。
【0044】
図16に戻って参照し、複数の側壁304は、底壁302から上向きに延在して格納室306を画定する。側壁304は、外壁303、305と端壁312、314との間に配置される。側壁304は好ましくはプラスチックで形成される。側壁304は、一対の長手方向壁308、310を含む。下記で詳しく記述されるように、長手方向壁308、310は協調して、6つの大腿骨ブローチ32を受容するよう構成された6つのブローチキャリア330を画定する。ブローチキャリア332は、端壁312に隣接して配置されている。第2のブローチキャリア334は、ブローチキャリア330の隣に配置されている。追加のブローチキャリア336、338、340、及び342は、ブローチキャリア334と端壁314との間に配置され、ブローチキャリア342は端壁314に隣接して配置される。長手方向壁310は階段状構成を有しており、これによって、各ブローチキャリア330の長さ寸法は、ブローチキャリア332からブローチキャリア342に向かって増大する。各ブローチキャリア330は、外科的処置の合間の滅菌又は保管中に大腿骨ブローチ32の1つを保持するよう構成され、更に、外科医又は他のユーザがステムコンポーネント及び器具ハンドルを用いてブローチを組立てるのを支援するよう構成される。例示的な一実施形態において、ブローチキャリア332は30ミリメートルの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成され、ブローチキャリア334は35mmの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成され、ブローチキャリア336は40mmの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成され、ブローチキャリア338は45mmの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成され、ブローチキャリア340は50mmの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成され、ブローチキャリア342は55ミリメートルの大腿骨ブローチ32を保持するよう構成されている。各ブローチキャリア334、336、338、340、342は、より小さい寸法のブローチを保持することができる。
【0045】
図17図18に示すように、各ブローチキャリア330は、大腿骨ブローチ32の基部84を受容するよう構成された基部レセプタクル360と、大腿骨ブローチ32の先端82を受容するよう構成された先端マウント362とを備える。各ブローチキャリア330は、長手方向壁308内に画定された基部レセプタクル360と、対向する長手方向壁310内に画定された対応する先端マウント362とを有する。図示の実施形態において、各キャリア330の構成(したがって、各レセプタクル360と先端マウント362)は実質的に同一であり、よって1つのキャリア330のみについて下記で詳しく述べる。
【0046】
図17を参照して、ブローチキャリア334の基部レセプタクル360は、長手方向壁308の内側表面363(図16に示す)内に画定された溝361を備える。溝361は、大腿骨ブローチ32の基部84を受容するような寸法にされる。基部レセプタクル360は更に、長手方向壁308の外側表面366(図16に示す)内に画定されたチャネル364を備える。図示の実施形態において、チャネル364は溝361内に向かって開いている。溝361は、長手方向壁308の上面372内に形成された開口部370から内向きに延在する一対の側面335によって部分的に画定されている。斜面374が各側面335から延出し、丸くなった底面376が斜面374の間に延在しており、これにより、側面335、斜面374、及び底面376が協調して溝361を画定する。側面335は、大腿骨ブローチ32の基部84の幅99に対応する距離380を隔てて離間しており、斜面374は、大腿骨ブローチ32の基部84の斜面97に対応して形成されており、これによって、溝361は、大腿骨ブローチ32がその長手方向軸83を中心として回転するのを阻止する。
【0047】
チャネル364は、開口部370から内向きに延在している一対の側面400により部分的に画定される。側面400は、距離380より短い距離402を隔てて離間している。距離402は、大腿骨ブローチ32の孔102の直径103よりも大きいため、孔102はチャネル364を通してアクセス可能であり、器具12を大腿骨ブローチ32に取り付けることができる。加えて、大腿骨ブローチ32の寸法は、大腿骨ブローチ32上に印刷可能であり、これはチャネル364を通して見ることができる。丸くなった底面404(図16に示す)は、側面400の間に延在する。底面404は、底面404から離間している。底面404及び側面400は、協調してチャネル364を画定する。
【0048】
図18を参照して、ブローチキャリア334の先端マウント362は、長手方向壁310の内側表面412(図16に示す)内に画定されたスロット410を備える。スロット410は、大腿骨ブローチ32の先端82を受容するようにサイズ決めされる。先端マウント362は更に、長手方向壁310の外側表面416(図16に示す)内に画定されたチャネル414を備える。図示の実施形態において、チャネル414はスロット410内に向かって開いている。スロット410は、長手方向壁310の上面424内に形成された開口部422から内向きに延在する一対の側面420によって部分的に画定されている。側面420は距離426を隔てて離間している。丸くなった底面428は側面420の間に延在し、これにより側面420と底面428が協調してスロット410を画定している。底面428は、大腿骨ブローチ32の先端82の丸くなった外側表面80に対応して丸くなっている。
【0049】
図19を参照して、チャネル414は、開口部422から内向きに延在している一対の側面440により部分的に画定される。側面440は、距離426より長い距離442を隔てて離間している。距離442も、大腿骨ブローチ32の開口部86の直径87よりも大きいため、大腿骨ブローチ32の開口部60はチャネル414を通してアクセス可能である。丸くなった底面444は、側面440の間に延在する。底面444は、底面428から距離446を隔てて離間している。
【0050】
それぞれの大腿骨ブローチ32の先端82は、それぞれのスロット410内に配置され、チャネル414を通してアクセス可能である。チャネル414の側面440間の距離442は、大腿骨ブローチ32の先端82内の開口部86の直径87よりも大きい。したがって、開口部86はチャネル414を通してアクセス可能であり、これによって、大腿骨ブローチ32がキャディ300内に配置されたまま、ステムコンポーネント64を大腿骨ブローチ32に取り付けることができる。
【0051】
図16に戻って参照し、端壁312から端壁314に向かって、基部レセプタクル360及び先端マウント362の寸法は大きくなっている。具体的には、端壁314に隣接するブローチキャリア342の基部レセプタクル360及び先端マウント362は、端壁312に隣接するブローチキャリア332の基部レセプタクル360及び先端マウント362よりも深い。ブローチキャリア342の溝361、スロット410、並びにチャネル364及び414は、ブローチキャリア332の溝361、スロット410、並びにチャネル364及び414よりも深い。中間のブローチキャリア334、336、338、340はそれぞれ、ブローチキャリア332とブローチキャリア342の深さの間にある深さを有する。
【0052】
使用中、図15に示すトレイ280と同様に、キャディ300は整形外科用器具トレイ内に配置される。ハンドル324、328のうち一方を利用してキャディ300を整形外科用器具トレイから取り出して、手術台の上に置くことができる。キャディ300を整形外科用器具トレイから取り出すことによって、下記に述べるように、大腿骨ブローチ32を、ステムコンポーネント64と共にキャディ300から取り出すことができる。
【0053】
キャディ300が整形外科用器具トレイの外に配置された状態で、外科医又は他のユーザは、患者の大腿骨内に挿入すべき大腿骨ブローチ32を選択する(すなわち、大腿骨ブローチ32の寸法に基づいて、大腿骨切削ブローチ32が選択される)。脛骨ブローチ32の先端82はスロット410から外向きに延出しており、これによって、図20に示すように、ステムコンポーネント64の端部68を、第2の長手方向壁310から、大腿骨ブローチ32の先端82と揃えることができる。ステムコンポーネント64は、適切な大腿骨ブローチ32に揃っており、かつ、図21に示すように、ステムコンポーネント64の端部68に画定されたねじ山72を、大腿骨ブローチ32の開口部86のねじ付き内壁88に螺入させることにより、大腿骨ブローチ32に固定される。溝361の側面335は、大腿骨ブローチ32の側面95に係合し、斜面374は、大腿骨ブローチ32の斜面97に係合し、これによって、ステムコンポーネントが大腿骨ブローチ32に固定されている間、溝361は、大腿骨ブローチ32がその長手方向軸83を中心に回転するのを阻止する。次いで、図22に示すように、外科医又は他のユーザはステムコンポーネント64を持ち上げ、大腿骨ブローチ32をキャディ300から持ち上げることができる。ステムコンポーネント64を介して大腿骨ブローチ32を持ち上げることにより、外科医又は他のユーザが、大腿骨ブローチ32の外側表面80内に形成されている切削歯90に接触するのが回避される。外科医又は他のユーザが別の寸法の大腿骨ブローチ32を選択することにした場合、外科医又は他のユーザは、同じ寸法の第2のステムコンポーネント64を別の脛骨ブローチ30に取り付けるか、あるいは、取り外した大腿骨ブローチ32をキャディ300に戻し、ステムコンポーネント64を螺入解除し、ステムコンポーネント64を別の大腿骨ブローチ32に取り付けることができる。代替的に、外科医又は他のユーザは、第1の大腿骨ブローチ32の使用中に、第2の大腿骨ブローチ32を第2のステムコンポーネント64と共に準備することができる。第1の大腿骨ブローチ32の使用中に、第2の大腿骨ブローチ32がキャディ120内で持ち上げられる。次に外科医又は他のユーザは、第2のステムコンポーネント64を固定するための手順を一時停止する必要なしに、必要なときに第2の大腿骨ブローチ32を取り出すことができる。
【0054】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示しかつ説明してきたにすぎず、本開示の趣旨の範囲内に含まれる全ての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0055】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、添付の特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0056】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用器具システムであって、
(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)該先細本体内に画定される複数の切削歯と、を備える、切削ブローチと、
該切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディであって、該キャディが、底壁と、該底壁から上方に延びる第1の側壁と、該第1の側壁から離間して該底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含む、キャディと、
を含み、
該第1の側壁は、該切削ブローチの該基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、該開口部から内向きに延在する一対の表面とを備え、該一対の表面は、該切削ブローチの該基部に係合するように形成されており、該切削ブローチがその長手方向軸の周りに回転するのを阻止し、
該溝に整列したスロットが、該第2の側壁を貫通して延在し、該スロットが、該切削ブローチの該先端を受容する寸法にされている、整形外科用器具システム。
(2) ステムコンポーネントを更に含み、該ステムコンポーネントは、細長い本体と、前記切削ブローチに該ステムコンポーネントを連結するために該切削ブローチの前記先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有し、
該切削ブローチが前記キャディ内に位置するとき、該切削ブローチの該先端の該端表面は、前記スロットから外向きに延在し、これにより該ステムコンポーネントが該切削ブローチに連結できるようになる、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
(3) ステムコンポーネントを更に含み、該ステムコンポーネントは、細長い本体と、前記切削ブローチに該ステムコンポーネントを連結するために該切削ブローチの前記先端の端表面内に画定された開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を有し、
該切削ブローチが前記キャディ内に位置するとき、該ステムコンポーネントの該装着端は、前記スロット内に受容され、これにより該ステムコンポーネントが該切削ブローチに連結できるようになる、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
(4) 前記切削ブローチが、第1の切削ブローチであり、前記開口部が第1の開口部であり、前記スロットが第1のスロットであり、かつ、
前記キャディが、
(i)第2の切削ブローチの基部を受容する寸法にされた第2の溝を画定するための、前記第2の側壁内の第2の開口部、及び、該第2の開口部から内向きに延在する第2の一対の表面と、
(ii)該第2の切削ブローチの先端を受容する寸法にされた、前記第1の側壁を貫通して延在する第2のスロットと、
を更に含む、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
(5) 複数の切削ブローチを更に含み、
前記第1の側壁が複数の溝を含み、各該溝は、該複数の切削ブローチのうち1つの基部を選択的に受容する寸法にされており、
前記キャディが、前記第2の側壁を貫通して延在する複数のスロットを更に含み、各該スロットは、該複数の溝のうち1つと整列し、かつ、該複数の切削ブローチのうち1つの先端を受容する寸法にされている、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
【0057】
(6) 前記キャディを受容するような寸法及び形状にされた器具トレイを更に含む、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
(7) 前記キャディが、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延在する端壁と、該端壁内に形成されたハンドルとを更に含む、実施態様1に記載の整形外科用器具システム。
(8) 前記ハンドルが、前記端壁を貫通して延在する開口部を備える、実施態様7に記載の整形外科用器具システム。
(9) 前記ハンドルが、前記端壁から延出するフランジを備える、実施態様7に記載の整形外科用器具システム。
(10) 前記切削ブローチが、大腿骨切削ブローチ及び脛骨切削ブローチのうち1つを含む、実施態様1に記載のブローチキャディ。
【0058】
(11) 整形外科用器具システムであって、
切削ブローチを受容するよう構成された器具キャディを含み、該キャディが、底壁と、該底壁から上方に延びる第1の側壁と、該第1の側壁から離間して該底壁から上方に延びて格納室を画定する第2の側壁とを含み、
該第1の側壁は、該切削ブローチの基部を受容する寸法にされた溝を画定するための、開口部と、該開口部から内向きに延在する一対の表面とを備え、
該溝に整列したスロットが、該第2の側壁を貫通して延在し、該スロットが、該切削ブローチの先端を受容する寸法にされている、整形外科用器具システム。
(12) (i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)該先細本体内に画定される複数の切削歯と、(iii)該先端の端表面内に画定された開口部と、を備える切削ブローチを更に含む、実施態様11に記載の整形外科用器具システム。
(13) 前記スロットが、前記切削ブローチの前記先端の前記端表面内に画定された前記開口部の直径よりも大きな距離を隔てて離間している一対の側壁によって画定されている、実施態様12に記載の整形外科用器具システム。
(14) ステムコンポーネントを更に含み、該ステムコンポーネントは、細長い本体と、前記切削ブローチに該ステムコンポーネントを連結するために該切削ブローチの前記先端の前記端表面内に画定された前記開口部内に受容されるような寸法にされた装着端と、を備える、実施態様12に記載の整形外科用器具システム。
(15) 前記第1の側壁が複数の溝を含み、各該溝は、複数の切削ブローチのうち1つの基部を受容する寸法にされており、
複数のスロットが、前記第2の側壁を貫通して延在し、各該スロットは、該複数の溝のうち1つの溝と整列し、かつ、該複数の切削ブローチのうち1つの先端を受容する寸法にされている、実施態様11に記載の整形外科用器具システム。
【0059】
(16) 前記キャディが、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延在する端壁と、
該端壁内に形成されたハンドルとを更に含む、実施態様11に記載の整形外科用器具システム。
(17) 前記ハンドルが、前記端壁を貫通して延在する開口部を備える、実施態様16に記載の整形外科用器具システム。
(18) 前記ハンドルが、前記端壁から延出するフランジを備える、実施態様16に記載の整形外科用器具システム。
(19) 前記切削ブローチが、大腿骨切削ブローチ又は脛骨切削ブローチのうち少なくとも1つである、実施態様11に記載のブローチキャディ。
(20) 外科用器具を組み立てる方法であって、
器具キャディ内に配置される切削ブローチを選択することであって、該切削ブローチは、(i)基部から先端まで長手方向軸に沿って延びる先細本体と、(ii)該先細本体内に画定される複数の切削歯と、を備える、ことと、
該器具キャディの側壁を貫通して延在するスロットを通して、ステムコンポーネントの装着端を前進させることと、
該ステムコンポーネントの該装着端を、該器具キャディの該スロット内に配置された該切削ブローチの該先端に連結することと、
該ステムコンポーネントを把持して、該器具キャディから該切削ブローチを取り出すことと、
を含む、方法。
【0060】
(21) 前記ステムコンポーネントの前記装着端を、前記外科用器具キャディの前記スロット内に配置された前記切削ブローチの前記先端に連結することが、該ステムコンポーネントの該装着端を、該切削ブローチの該先端に螺入させることを含み、
該外科用器具キャディの一対の表面は、該切削ブローチの前記基部に係合しており、これによって、該切削ブローチの該先端への該ステムコンポーネントの該装着端の螺入中に、該基部の前記長手方向軸を中心とした該切削ブローチの回転が阻止される、実施態様20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図22