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<図1>
  • 特許-地質調査装置及び方法 図1
  • 特許-地質調査装置及び方法 図2
  • 特許-地質調査装置及び方法 図3
  • 特許-地質調査装置及び方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】地質調査装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/00 20060101AFI20230529BHJP
   E21B 49/00 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
E02D1/00
E21B49/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019159209
(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公開番号】P2021038533
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599093203
【氏名又は名称】ビィディエムサービス有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】田島 克洋
(72)【発明者】
【氏名】田島 淳滋
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-132588(JP,A)
【文献】特開2016-130811(JP,A)
【文献】実開昭60-008786(JP,U)
【文献】特開2003-213661(JP,A)
【文献】特開平11-200355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 1/00- 3/115
E21B 1/00-49/10
G02B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボーリング孔に対して出し入れ可能であり、内部を水が流通可能とする中空棒状のロッドと、
前記ロッドの先端側に設けられ、前記ボーリング孔の内壁面を撮影する撮像装置を備えるプローブと、
前記ロッドの前記内部と連通し当該内部を通過した水が流通可能な環状の空隙が前記プローブとの間に形成されるようにして、前記ロッドの先端に接続しつつ、前記プローブの外周に設けられる、筒形状の水出し部とを備え、
前記水出し部は、その先端の開口部分が、前記撮像装置よりも前記ロッドの後端側に位置しており、前記空隙を通過した水が当該開口部分から前記撮像装置の撮影範囲に向けて噴射されることを可能とし、
前記空隙は、
前記プローブの外周面と前記水出し部の内周面との間に形成され、
円環状の形状を有し、
前記ロッドの内部を通過した水が流通可能に形成されている
ことを特徴とする地質調査装置。
【請求項2】
水が溜められたタンクと、
前記タンク内の水を、前記ロッドの後端側から前記ロッドの前記内部に送り込むポンプとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の地質調査装置。
【請求項3】
前記ロッドの延伸方向上の移動及び角度変更を制御する制御部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の地質調査装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに前記ポンプの動作を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の地質調査装置。
【請求項5】
前記撮像装置で撮影した画像を取得する画像取得解析部を備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地質調査装置。
【請求項6】
前記ロッド及び前記制御部は、地表に設置されるボーリングマシンに設けられている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の地質調査装置。
【請求項7】
請求項1に記載の地質調査装置を用いた地質調査方法であって、
前記ロッド及び前記プローブを前記ボーリング孔の孔底に向けて移動させ、撮像装置を可能な限り前記孔底に近づけるようにする第1のステップと、
前記ロッドを前記ボーリング孔の前記孔底側から入口側に向けて移動させつつ、前記撮像装置により前記ボーリング孔の前記内壁面を撮影する第2のステップと、
前記撮像装置によって撮影した画像を取得する第3のステップとを有し、
前記第2のステップでは、前記撮像手段による撮影とともに、水を前記ロッドの内部に送り込み、前記水出し部の前記先端から前記撮像装置の撮影範囲に向けて噴射する
ことを特徴とする地質調査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地質調査装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地質を調査するため、ボーリング孔内にプローブを挿入し、プローブに設けられたカメラよってその内壁面の画像を取得する方法がある(例えば下記特許文献1参照)。ただし、ボーリング孔内には水が溜まっており、この水が濁っている場合、ボーリング孔の内壁面を鮮明に撮影することが困難となるため、水を綺麗にしてから撮影を開始する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-256560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボーリング孔内に溜まっている水が濁っているか否かは、その都度プローブをボーリング孔内に降ろして撮影を行い、撮影した画像を作業者が確認しなければ、判断することができない。そして、もし水が濁っていると判断すれば、プローブを引き上げてボーリング孔内を洗浄する必要がある。
【0005】
このとき、ボーリング孔が鉛直方向に形成されている場合は、沈澱剤などを利用して水中の濁り成分を沈澱させることで、比較的簡単に水を綺麗にして撮影することができる。
【0006】
一方、ボーリング孔が鉛直方向ではなく傾斜して形成されている孔、すなわち斜孔である場合は、このような方法を用いることができないため、ロッドを孔底まで降ろし、当該ロッドを通じて清水を送り込み水の濁りを取るという作業を、ボーリング孔内の水が綺麗になるまで繰り返し行わなければならず、大変な労力となる。
【0007】
本発明は、上記技術的課題に鑑み、ボーリング孔が斜孔である場合にも簡便に地質を調査することを可能とする、地質調査装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の発明に係る地質調査装置は、
ボーリング孔に対して出し入れ可能であり、内部を水が流通可能とする中空棒状のロッドと、
前記ロッドの先端側に設けられ、前記ボーリング孔の内壁面を撮影する撮像装置を備えるプローブと、
前記ロッドの前記内部と連通し当該内部を通過した水が流通可能な環状の空隙が前記プローブとの間に形成されるようにして、前記ロッドの先端に接続しつつ、前記プローブの外周に設けられる、筒形状の水出し部とを備え、
前記水出し部は、その先端の開口部分が、前記撮像装置よりも前記ロッドの後端側に位置しており、前記空隙を通過した水が当該開口部分から前記撮像装置の撮影範囲に向けて噴射されることを可能とする
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための第2の発明に係る地質調査装置は、
上記第1の発明に係る地質調査装置において、
水が溜められたタンクと、
前記タンク内の水を、前記ロッドの後端側から前記ロッドの前記内部に送り込むポンプとを備える
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための第3の発明に係る地質調査装置は、
上記第1又は2の発明に係る地質調査装置において、
前記ロッドの延伸方向上の移動及び角度変更を制御する制御部を備える
ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための第4の発明に係る地質調査装置は、
上記第3の発明に係る地質調査装置において、
前記制御部は、さらに前記ポンプの動作を制御する
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するための第5の発明に係る地質調査装置は、
上記第1から4のいずれか1つの発明に係る地質調査装置において、
前記撮像装置で撮影した画像を取得する画像取得解析部を備える
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するための第6の発明に係る地質調査装置は、
上記第1から5のいずれか1つの発明に係る地質調査装置において、
前記ロッド及び前記制御部は、地表に設置されるボーリングマシンに設けられている
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するための第9の発明に係る地質調査方法は、
上記第1の発明に係る地質調査装置を用いた地質調査方法であって、
前記ロッド及び前記プローブを前記ボーリング孔の孔底に向けて移動させ、前記撮像装置を可能な限り前記孔底に近づけるようにする第1のステップと、
前記ロッドを前記ボーリング孔の前記孔底側から入口側に向けて移動させつつ、前記撮像装置により前記ボーリング孔の前記内壁面を撮影する第2のステップと、
前記撮像装置によって撮影した画像を取得する第3のステップとを有し、
前記第2のステップでは、前記撮像手段による撮影とともに、水を前記ロッドの内部に送り込み、前記水出し部の前記先端から前記撮像装置の撮影範囲に向けて噴射する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る地質調査装置及び方法によれば、ボーリング孔が斜孔である場合にも簡便に地質を調査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る地質調査装置(測定開始前)の構成を表す概略図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3】本発明の実施例に係る地質調査装置の動作を説明するフローチャートである。
図4】本発明の実施例に係る地質調査装置(測定中)の構成を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る地質調査装置及び方法について、実施例にて図面を用いて説明する。
【実施例
【0018】
まず、図1,2を用いて本実施例に係る地質調査装置の構成を説明する。図1の概略図に示すように、本実施例に係る地質調査装置は、主たる構成として、ボーリングマシン11、プローブ12、画像取得解析部13、水出し部14、タンク15、及び、ポンプ16を備えている。
【0019】
地表2に設置されたボーリングマシン11には、制御部11a及びロッド11bが設けられている。
【0020】
ロッド11bは、延伸方向上の移動、及び、地表2に対する傾斜角度の変更が可能な、中空棒状のものであり、これにより、ボーリング孔1に対して出し入れ可能となっている。また、その内部(図示略)を清水が流通可能となっており、ロッド11bの後端側はポンプ16と連通している。
【0021】
タンク15には清水が溜められている。ポンプ16は、この清水を吸い上げ、ロッド11の後端側からその内部に送り込むことが可能である。
【0022】
ボーリングマシン11に設けられた制御部11aは、上述したロッド11bの延伸方向上の移動及び角度変更、さらには、ポンプ16の動作を制御する。
【0023】
プローブ12は、ロッド11bの先端側に設けられ、ロッド11bと平行に延伸している。また、プローブ12の先端には、撮像装置12aが設けられている。撮像装置12aは、ボーリング孔1の内壁面1aを撮影可能に配置されている。なお、撮像装置12aは、詳細にはプローブ12内部に埋め込まれるようにして配設され、プローブ12における撮像装置12aの配設位置の壁面を、透明な材質(例えばアクリル管等)とすることで、内壁面1aを撮影可能としている。
【0024】
画像取得解析部13は、一般的にボアホールカメラ又はボアホールスキャナと呼称されるものであって、コントロールユニット13a、ウィンチ13b、ケーブル13c、及び、PC13d等を備えている。
【0025】
そして、画像取得解析部13のコントロールユニット13aは、ウィンチ13bによって巻き取り・引き出しされるケーブル13cによって、プローブ12と接続している。撮像装置12aにて撮影した内壁面1aの画像は、ケーブル13aを介してコントロールユニット13aが取得し、コントロールユニット13aに接続するPC13dにて、解析される。
【0026】
水出し部14は、例えばステンレス等の材質から成り、図2の断面図に示すように、プローブ12との間に空隙Gが形成されるようにしてプローブ12の外周側に配設される、円筒形状のものである。
【0027】
また、図2に示すプローブ12の外周面12bと水出し部14の内周面14bとの間の円環状の空隙Gは、ロッド11bの内部と連通しており、ロッド11bの内部を通過した清水が流通可能となっている。さらに、水出し部14の先端は開口しており、この開口部分は、撮像装置12aよりもロッド11bの後端側に位置していることで、プローブ12の先端に配置された撮像装置12aが露出した状態となっている。
【0028】
そして、空隙Gを通過した清水は、水出し部14の先端14aからプローブ12の撮像装置12aの撮影範囲に向けて噴射される。
【0029】
以上が、本実施例に係る地質調査装置の主たる構成の説明である。以下では、上記構成とした本実施例に係る地質調査装置の主たる動作について、図1,3,4を用いて説明する。
【0030】
まず、図3におけるステップS1では、ボーリングマシン11において、制御部11aによりロッド11bの傾斜角度を調整し、ロッド11b及びプローブ12をボーリング孔1の延伸方向と平行にした状態で、ロッド11b及びプローブ12をボーリング孔1の孔底1bに向けて移動させ、図1の状態のように、撮像装置12aを可能な限り孔底1bに近づけるようにする。
【0031】
次に、ステップS2では、ボーリング孔1の内壁面1aの撮影を行う。具体的には、図4に示すように、ロッド11bをボーリング孔1の孔底1b側から入口1c側に向けて移動させつつ、撮像装置12aによりボーリング孔1の内壁面1aを撮影する。
【0032】
その際、ポンプ16を作動させ、タンク15内の清水をロッド11bに送り込む。清水は、ロッド11b内、そして空隙Gを通過し、水出し部14の先端14aから撮像装置12aの撮影範囲に向けて噴射される。
【0033】
最後に、ステップS3では、撮像装置12aによって撮影した画像データを画像取得解析部13により取得及び解析する。
以上が本実施例に係る地質調査装置の動作説明である。
【0034】
すなわち本実施例では、ボーリング孔内に溜まった水が濁っているか否かを確認することなく、ボーリング孔1の内壁面1aの撮影中、水出し部14の先端14aから撮像装置12aの撮影範囲に噴射し、撮像装置12aの撮影範囲における水に清水が入り込むことで、濁った水が透明になり、良好な撮影環境とすることができる。
【0035】
なお、ロッド11bを移動させつつ撮像装置12aにて撮影するため、撮像装置12aの撮影範囲は刻々と変化していくが、撮影中は水出し部14の先端14aから常に清水が噴射されている状態であるため、撮像装置12aの撮影範囲の水の透明度は維持される。
【0036】
これにより本実施例では、従来のようにボーリング孔内に溜まった水の濁りを確認する必要がなくなり、ボーリング孔が斜孔である場合にも簡便に地質を調査することが可能となる。
【0037】
なお、本実施例は、ボーリング孔が斜孔である場合を想定して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鉛直方向に形成されるボーリング孔にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、地質調査装置及び方法として好適である。
【符号の説明】
【0039】
1 ボーリング孔
1a (ボーリング孔1の)内壁面
1b (ボーリング孔1の)孔底
1c (ボーリング孔1の)入口
2 地表
3 支障物
11 ボーリングマシン
11a 制御部
11b ロッド
12 プローブ
12a 撮像装置
12b (プローブ12の)先端面
12c (プローブ12の)外周面
13 画像取得解析部
13a コントロールユニット
13b ウィンチ
13c ケーブル
13d PC
14 水出し部
14a (水出し部14の)先端
14b (水出し部14の)内周面
15 タンク
16 ポンプ
17 カメラ保護部
図1
図2
図3
図4