(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】液体煙反応生成物
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20230529BHJP
A23L 27/27 20160101ALI20230529BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/27
(21)【出願番号】P 2019558728
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2018060973
(87)【国際公開番号】W WO2018197707
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-02
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515228003
【氏名又は名称】ケリー ルクセンブルク エス.アー.エール.エル.
【氏名又は名称原語表記】Kerry Luxembourg S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】17 rue Antoine Jans Luxembourg L-1820 GRAND DUCHY OF LUXEMBOURG
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】トラーソン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ランデイ,リチャード
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第00855350(GB,A)
【文献】特表2003-511096(JP,A)
【文献】Food Sci. Nutr.,vol.1, no.1,pp.102-115
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00-27/60
A23L 3/00-3/54
A23B 4/00-4/32
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体煙反応生成物を調製するプロセスであって、
(a)液体煙組成物及びアミノ酸を含む反応溶液を調製する工程;並びに
(b)前記反応溶液を加熱する工程
を含み、
前記液体煙組成物が、
(i)単位体積当たり0.5重量%以上、25重量%(w/v)未満の濃度の滴定酸度;
(ii)単位体積当たり0重量%を超え、80重量%(w/v)までのカルボニル含有量;
(iii)
14.1mg/mLを超える濃度のフェノール含有量;及び
(iv)7.0未満のpH
を有
し、
前記液体煙反応生成物が490の波長で100超の吸光度を示す、
プロセス。
【請求項2】
前記液体煙組成物が、0%を超え、85%未満のBrix tCの固体含有量を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記反応溶液中の液体煙組成物が1重量%~85重量%の濃度の反応材料を有し、前記反応溶液中のアミノ酸が0.05重量%~35重量%の濃度の反応材料を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記液体煙組成物及び前記アミノ酸が、4:1~2:3の濃度比で前記反応溶液中に存在する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記アミノ酸が天然に存在するアミノ酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記アミノ酸が非天然アミノ酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
粉末を生成する加熱工程後に前記反応溶液を乾燥させる工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記液体煙反応生成物が、
(a)単位体積当たり0.5重量%以上、25重量%(w/v)未満の濃度の滴定酸度;
(b)7.0未満のpH;
(c)単位体積当たり0重量%を超え、75重量%(w/v)までのカルボニル含有量;
(d)
14.1mg/mLを超える濃度のフェノール含有量
を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記液体煙反応生成物が乳化剤、添加剤又は付着剤を一切含まない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
食品又は飲料製品を処理するプロセスであって、請求項1に記載のプロセスによって調製される液体煙反応生成物と前記食品及び飲料製品とを接触させることを含むプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2017年4月28日出願の米国仮特許出願第62/491,630号の利益を主張するものであり、その全ての教示及び開示はその参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の背景
1.開示分野
本開示の主題は、食品及び飲料製品の特性に影響を与える方法並びに組成物、例えば、風味、香り、色、及びタンパク質結合に関する。より詳細には、本開示の主題は、液体煙反応生成物、液体煙反応生成物の調製方法、並びに煙反応生成物で処理された食品及び飲料に関する。本開示の液体煙反応生成物は、様々な条件下での液体煙組成物とアミノ酸の反応から生じる独特の特性を有する。
【0003】
2.背景
従来の反応風味は、最終食品及び飲料製品にコクのある風味、肉の風味、又は酵母の風味を与えるために使用されてきた。従来の反応風味は、通常、香味料ブレンド、マリネード、又は注入を通じて低い割合で添加される。他の送達方法も使用できるが、該システムは、流出に対処し、風味を保持できなければならない。これらの従来の反応風味は、その調理方法への強化物として、かつ既存の香りづけを高めるために最終食品及び飲料製品に使用されてきた。
【0004】
従来の反応風味は、デキストロース、キシロース、及びフルクトースなどの還元糖とアミノ酸の反応により生成された。アミノ酸と還元糖のこの反応は「メイラード反応」と呼ばれ、加熱から生じる独特の調理された風味を食品に与える。この反応において、カルボニル化合物、特に還元糖は、アミン、アミノ酸、及びタンパク質などの遊離アミノ基を有する化合物と反応する。
【0005】
従来の反応風味は、特定の用途で使用されてきたが、それらは複数の点で制限されている。例えば、従来の反応風味は、風味、色、及び香りの限られたプロファイルを提供する。これらのプロファイルは、使用される最初の糖及びアミノ酸、並びにpH調整、温度、及びプロセス時間によって作られるサブバリエーションに直接相関する。一般に、従来の反応風味は、甘い又はコクのある香り及び風味を有する。
【0006】
さらなる制限として、従来の反応風味は、現在の製造プロセス(すなわち、浸漬、微粒化、シャワー)を用いてタンパク質表面に接着しない。代わりに、製造中に、生成物の表面から浸出するか、又は流される。
【0007】
ポリソルベート、プロピレングリコール、及びレシチンなどの乳化剤は、従来の反応風味がタンパク質表面に接着するのを助けるために使用されてきたが、不十分な結果をもたらす。これらの乳化剤の添加は、従来の反応風味をより均質にするが、従来の反応風味は依然としてフェノール化合物を有しておらず、依然としてタンパク質表面に結合しない。したがって、得られた反応乳化剤混合物は、調理サイクル中に流出し、パージされる可能性があり、色及び風味は減少したままである。
【0008】
液体煙(本明細書では「LS」と呼ばれる)溶液/組成物は、特定の風味、香り、及び特性を食品に与えるために使用される代替剤である。LS溶液は、溶液の液体相又は蒸気相に曝露された食品にスモーキーな色相又は着色及びスモーキーな風味を与えることができる液体凝縮物である。LSは、従来、限られた調理時間及び乾燥時間で、肉表面の染色により食品に暗い色を生じさせるために使用されてきた。LSは、フェノールを含むためにタンパク質に対する親和性を有し、ケーシングの接着にうまく機能する。生成物の染色に最も効率的に機能するLS溶液は、アルカリ性のpH値を有する。
【0009】
従来の反応風味と同様に、LS溶液はまた、特定の用途以外での使用を妨げるいくつかの制限を有する。LS溶液の1つの制限は、その独特の風味である。LS溶液は、非常に強く、スモーキーで、灰色で、かつ腐食性の苦味を有する。しかしながら、多くの用途では、風味は軽いか、又はないことが望ましい。さらに、食品システムを反復するためには、反応風味がpH7未満であることが一般的に望ましい。しかしながら、LS溶液は、典型的には、アルカリ性pH値を有する。当業者は、高いpH反応風味がほとんどの用途において望ましくない風味を有することも知っている。
【0010】
そこで、必要なのは、従来の反応風味及びLS溶液中で利用可能なものから、風味、色、及び香りプロファイルを拡張した反応風味である。また、LSの苦味を伴わずに、タンパク質結合を改善した反応風味が必要である。
【発明の概要】
【0011】
開示されるLS反応生成物は、反応風味の関連技術における様々な問題を克服する。従来の反応風味とは対照的に、本開示は、LS組成物とアミノ酸の反応により生成される独特の風味、色、及び香りのプロファイルを包含する。本開示の主題は、LS反応生成物を調製するためのプロセス、並びにLS反応生成物、並びにLS反応生成物で処理した食品及び飲料を提供する。以下に記載する開示の実施形態の例は、上記の欠点及び上記に記載していない他の欠点を克服し得る。
【0012】
一態様において、本開示の主題は、本明細書に記載のLS反応生成物を調製するためのプロセスを提供する。該プロセスは、LS及びアミノ酸を含む反応溶液を調製する工程、及び反応溶液を加熱する工程を含む。
【0013】
別の態様において、本開示の主題は、独特の風味、色、及び香りのプロファイルを示すLS反応生成物、並びに優れたタンパク質結合などの有益な特性を提供する。
【0014】
別の態様において、本開示の主題は、LS反応生成物で食品又は飲料製品を処理するためのプロセスを提供する。該プロセスは、LS反応生成物と食品又は飲料製品とを接触させることを含む。
【0015】
さらに別の態様において、本開示の主題は、LS反応生成物で処理した食品又は飲料製品を提供する。
【0016】
上記で述べた本開示の主題の目的、本開示の主題の他の目的及び利点は、以下の説明及び非限定的な例を検討した後に、当技術者に明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態の詳細な説明
開示されるLS反応生成物は、従来の反応風味の可変性及びカスタマイズとLSの機能性を組み合わせることによって、従来の反応風味及びLS溶液を改善する。開示されるLS反応生成物は、いくつかの実施形態において、例えば、木の実の風味、スモーキー、又は木炭であり得る独特の風味プロファイルを示す。LS反応生成物はまた、還元糖とアミノ酸の従来の反応から独特である色の深さ及び幅を示す。開示されるLS反応生成物はまた、従来の反応風味と比較して、タンパク質結合、抗菌性、乳化増強、及び料理後の褐変を含むが、これらに限定されないさらなる機能性を示す。
【0018】
より詳細には、該LS反応生成物は、いくつかのコクのある反応風味とLS溶液を別々に配合することなく、今日市場で利用できない新しい独特の反応風味プロファイルを有する。該LS反応生成物はまた、タンパク質ベースの生成物との接着性の向上など、従来の反応風味に比べて特性が向上しており、該LS反応生成物は、パージ又は浸出なく複数のプロセス工程を経ることを可能にする。該LS反応生成物はまた、糖及びアミノ酸の従来の反応により従来から利用可能であったものと比較して、例えば、木の実の風味、スモーキー、又は木炭であり得る独特の風味、並びに独特の香り、並びに独特の色の深さ及び幅を示す。
【0019】
従来の反応風味とは異なり、該LS反応生成物は、メイラード反応の重要なドライバーの1つとしての糖に依存しない。その代わりに、該反応は、LS及びその誘導体に天然に存在する様々なカルボニル含有化合物を利用する。アミノ酸とLS内のカルボニル化合物のアレイとの反応は、風味プロファイルの新規かつ独特の幅及びこれまで利用できなかった暗い堅牢な色のパレットを提供する。
【0020】
さらに、従来の反応風味とは異なり、開示されるLS反応生成物は、生成物の表面から分離及び浸出する代わりに、タンパク質構造に結合する。従来の食品及び飲料システムは、このような機能性を達成するために添加剤を含める必要があったが、開示されるLS反応生成物は、乳化剤、添加剤、又は付着剤を添加することなく、驚くほど優れたタンパク質結合を示す。開示されるLS反応生成物は、2つほどの成分-LSとアミノ酸の反応により優れたタンパク質結合を達成する。
【0021】
液体煙
開示されるLS反応生成物は、LS組成物とアミノ酸の反応から調製される。当技術分野で知られているLS組成物は、出発原料として使用され得る。例えば、限定されない様々なLS組成物には、水性液体煙、油溶性煙及び乾燥煙粉末が含まれる。好ましいLS組成物は、一次煙、濃縮煙、及び緩衝/中性煙を含むがこれらに限定されない水性煙である。当該技術分野で知られているように、LS組成物は、木材の破壊蒸留からの凝縮生成物である。LS組成物は、広葉樹のおがくずの熱分解から得られ、主にセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンの熱分解からの成分を含有する。Hollenbeckの米国特許第3,106,473号は、食品への表面塗布用のLS組成物の典型的な商業的調製について記載しており、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0022】
Hollenbeckの米国特許第3,106,473号に記載されているように、LS組成物の商業生産は、典型的には、熱分解及び木材の限定燃焼によって作られた煙から始まる。熱分解は、反応条件に応じて、凝縮性液体、非凝縮性ガス、及び固体を様々な割合で生成する。熱分解木材からの凝縮可能な液体は、さらに水溶性有機物及び水不溶性タールに細分化することができる。
【0023】
熱分解又は燃焼後に、煙は引き続き収集され、再循環水の流れに逆流するカラムを介して供給される。結果として得られる水の凝縮性煙成分の希釈は、望ましくないタール及び水不溶性成分の除去をもたらす。液体溶液のさらなる精製は、風味付け及び着色用途に使用されるLS組成物を含有する水溶性有機物を単離するために必要とされる。
【0024】
当技術分野におけるLS組成物は、例えば、焼成剤及び急速熱処理(「RTP」と呼ばれる)方法を含む異なる方法論により生成されてきた。Hollenbeckの米国特許第3,106,473号は、焼成剤の方法論について記載しており、参照により本明細書に完全に組み込まれる。RTP煙収集に関して、Underwood及びGrahamの米国特許第4,876,108号は、この方法論の説明を提供し、また、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0025】
風味付け及び着色用途に使用されるLS組成物は、化学物質の複雑で可変的な混合物であり、400超の化学化合物を含む。液体煙に見られる成分の例示的な要約は、Magaによって、「食品加工中の煙(Smoke in Food Processing)」、CRC Press,pp.61-68(1968)に提供され、これは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0026】
LS組成物の色及び風味化学は、これらの組成物の構成成分として特定された400超の化合物によって示されるように非常に複雑である。この複雑さのために、LS組成物は、化合物の特定のクラス、すなわち、酸、カルボニル、及びフェノールの含有量によって特徴付けられる。フェノールは主に風味付け化合物及び香り化合物であり、カルボニルは主に表面着色を担い、酸は主に防腐剤及びpH制御剤である。酸及びカルボニルはまた、風味に二次的に貢献し、燻製肉製品の表面特性を高めることができる。
【0027】
1つの非限定的な例として、代表的な市販のLS組成物は、約11%の滴定酸度、約13%のカルボニル、約1.5%のフェノール、及び少なくとも70%の水を含み得る。LS組成物の総質量バランスの約4.5%である残りの構成成分は、塩基性及び中性の有機化合物を含む。
【0028】
液体煙反応生成物の調製
開示されるLS反応生成物は、液体を一定時間、指定温度に加熱することができる当技術分野で公知の加熱処理工程を用いて生成することができる。例えば、特定の実施形態において、加熱処理工程は、液体を5分以上、少なくとも85℃の温度に加熱することができる。好ましくは、加熱処理工程は、食品グレードの耐食性があり、攪拌が可能である。
【0029】
1つの有利な実施形態において、攪拌が一定である密閉反応容器が使用される。攪拌速度は、容器内の乱流を維持するために5,000Re超であり得る。攪拌が一定である反応容器の使用は、好ましくは反応物接触を増加させ、生成物の均一性を維持する。
【0030】
特定の実施形態において、密閉反応容器は、0~100 PSIの圧力で作動することができる。圧力は、反応器内のヘッドスペースの量及び処理中に使用される反応物に依存する。特定の反応は、大量のガスを放出し、圧力を高め、他の反応はほとんど圧力が生じない。
【0031】
一実施形態において、反応材料は、加熱及び攪拌の供給源を備えた食品グレードの加熱反応容器に添加される。反応は、0~100 PSIの圧力で行われる。反応容器は、約85℃~約150℃、好ましくは約105℃~約125℃の温度に加熱される。この温度は、約5~約150分間維持することができる。好ましくは、温度は、約15分間~約120分間維持される。反応中、反応溶液は、好ましくは約5,000Re超の速度で一定に攪拌される。
【0032】
開示されるLS反応生成物を調製するための反応を行う際には、LS組成物は反応物として使用され、焼成剤とRTP LS組成物の両方を含む。特定の実施形態において、該LS組成物は、0%超で、約80%までのカルボニル含有量を有する。より好ましくは、LS組成物のカルボニル含有量は、約1%超で、約50%までである。
【0033】
特定の実施形態において、開示されるLS反応生成物を調製するための反応物として使用されるLS組成物はまた、約7.0未満のpH、約25重量%未満の酸含有量、約0超で約85未満のBrix tC、及び580nm波長で2,6ジメトキシフェノールの濃度で測定される約0.25mg/ml超のフェノールのフェノール含有量のうちの1以上を有し得、いくつかのLS組成物反応物は約400mg/mLまでのフェノール含有量を有する。
【0034】
開示されるLS反応生成物の調製のための例示的なLS組成物反応物は、以下に記載のゼスティコード(Zesti CODE)10、レッドアローRA12054、レッドアローRA95075、ゼスティスーパースモーク(Zesti SUPERSMOKE)100、レッドアローセレクトR24を含むが、これらに限定されない。
【表1】
【0035】
開示されるLS反応生成物は、ある範囲の濃度のLSとアミノ酸反応物の反応により生成され得るが、異なる比率の反応物は、異なる風味、色、及び香りのプロファイルを生成する。一実施形態において、LS反応物の量は、反応物質の重量で約1~約85%である。好ましくは、該LS反応物は、反応物質の重量で約5~約50%の量で含まれる。LS反応物は、単独で、又は2以上の組み合わせで使用され得る。
【0036】
アミノ酸は、開示されるLS反応生成物の生成のための反応物として使用される。これには、天然アミノ酸と非天然アミノ酸の両方が含まれる。特定の実施形態において、アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンである。アミノ酸反応物は、単独で、又は2以上の組み合わせで使用され得る。アミノ酸は、粉末又は溶液試薬などの様々な形態で提供することができるので、液体煙反応物と組み合わせると、反応物はメイラード反応を受け、本明細書で説明されるような食品及び飲料製品に適用することができる液体煙反応生成物をもたらす。
【0037】
特定の実施形態において、1以上のアミノ酸反応物は、反応物質の重量で約0.05~約35%の量で添加される。好ましくは、1以上のアミノ酸は、反応物質の重量で約0.05~約25%の量で使用される。
【0038】
特定の実施形態において、反応混合物は、反応物質の重量で約20~約99%の量の水を含有する。
【0039】
特定の実施形態において、反応混合物のpHは、好ましくは7.0未満であり、適切なpH調整剤を用いて調整され得る。例えば、pH調整剤には、水酸化ナトリウム及び塩酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
特定の実施形態において、開示されるLS反応生成物は、天然成分及び溶媒のみから調製される。開示されるLS反応生成物を生成するための反応混合物は、天然物質(例えば、木材)、天然アミノ酸、pH調整剤、及び水の熱分解からのLS凝縮物に限定され得る。開示されるLS反応生成物を生成するための反応混合物は、添加される色、人工香料、及び合成物質を含むがこれらに限定されない非天然成分及び溶媒を除外し得る。該LS反応生成物はまた、乳化剤及び付着剤を含むがこれらに限定されない任意の添加剤を除外し得る。
【0041】
反応終了後、該LS反応生成物は、さらなる精製を行わずに用いてよい。特定の実施形態において、該LS反応生成物は、さらに粉末又は希釈剤などの他の形態に加工され得る。LS反応生成物は、担体の有無にかかわらず市販の技術を用いて乾燥させることができる。担体は、マルトデキストリン、アラビアガム、食品澱粉、改変食品澱粉、又は麦芽粉を含むことができるが、これらに限定されない。
【0042】
液体煙反応生成物
LSとアミノ酸反応物との反応に関与する様々な化学的再構成の結果として、該反応は、温度、反応物濃度、pH、及び時間に基づいて複数の方向に促進させることができる。その結果、該LS反応生成物は、様々な味のプロファイル、色、及び香りを有する一連の独特な風味を示し得る。
【0043】
一実施形態において、開示されるLS反応生成物は、580nm波長で2,6ジメトキシフェノールの濃度によって測定される0.25mg/ml超のフェノールのフェノール含有量を有する。特定の実施形態において、開示されるLS反応生成物は、約400mg/mLのフェノール含有量を有する。
【0044】
一実施形態において、該LS反応生成物は、約0~約7の酸性範囲のpHと、約25重量%未満の酸含有量を有する。
【0045】
一実施形態において、該LS反応生成物は、約0~約75%のカルボニル含有量を有する。該LS反応生成物は、好ましくは約0~約50%のカルボニル含有量を有する。
【0046】
開示されるLS反応生成物は、ある範囲の固体含有量を有することができる。生成物の最終的な固体含有量は、使用されるアミノ酸及びLS組成物反応物の初期濃度によって決定される。80%の最大カルボニル含有量(480nmの波長で溶液中の反応した2-ブタノン標準物質によって測定したカルボニル濃度)及び25%の最大アミノ酸含有量を用いると、生成物はゲル又は完全に固体になったが、これは商業的には実行可能ではない。したがって、最大固体は個別的に決定する必要がある。該生成物が最小限の流動性を有する限り、固体含有量は許容される。例えば、特定の実施形態において、最大85%のbrix tCが許容される。
【0047】
開示されるLS反応生成物はまた、様々な色を示すことができる。一実施形態において、該LS反応生成物は、色指数法を用いて、490nmの波長で60超の吸光度を示す。他の実施形態において、該LS反応生成物は、色指数法を用いて、490nmの波長で100超の吸光度を示す。該色指数法は、生成物を脱イオン水で1~1000倍希釈し、490nmの波長吸光度で水ブランクと比較する。
【0048】
本開示の例示的なLS反応生成物(LSRP)は、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
【表2】
【0049】
液体煙反応生成物の適用
開示されるLS反応生成物は、一般に、限定されない様々な食品及び飲料製品に独特の風味及び香りを与えるのに有用である。本開示の主題のいくつかの実施形態において、食品は、既製(「RTE」)食品である。いくつかの実施形態において、RTE食品は、家禽、豚肉、又は牛肉を含む。いくつかの実施形態において、RTE食品は、デリ肉(例えば、七面鳥、ローストビーフ、ハム、鶏肉、サラミ、ボローニャなど)及びホットドッグを含む。
【0050】
本開示の主題のいくつかの実施形態において、食品は、すぐに調理可能な(「RTC」)食品である。いくつかの実施形態において、RTC食品は、家禽、豚肉、及び牛肉を含む。いくつかの実施形態において、RTC食品は、パン及びロールなどの牛ひき肉並びにパー焼き生地生成物を含む。他の実施形態において、開示されるLS反応生成物は、スープ、ソース、ドレッシング、焼き菓子、お菓子、スナック、及び飲料に適用することができる。
【0051】
開示されるLS反応生成物を適用する方法は、一般に限定されず、当技術分野で公知の方法を含む。従来の製造工程には、例えば、浸漬、微粒化、及びシャワーが含まれる。開示されるLS反応生成物は、食品を様々な方法で処理することにより食品を着色及び風味付けするために使用され得る。LS反応生成物の適用は、ディッピング法での噴霧により、バッチ又は連続モードで個々の項目に対して行うことができる。大きなバッチの場合、液体煙の微粒化雲が使用され得る。さらに、ソーセージ、ボローニャ及びハムは、液体煙溶液が組み込まれたケーシング中で処理され得る。
【0052】
特定の実施形態において、浸漬は、肉製品への外部適用の一例である。この方法では、水中5~100%のLS反応生成物の溶液を浸漬溶液として用いることができる。浸漬溶液は、鶏の胸肉又はハムなどの食品表面に一定の割合で与えられる。溶液の流量、滞留時間、及び濃度は、生産者が必要とする最終的な色及び風味を決定する。食品が浸漬された後、余分な水分を蒸発させ、LS反応生成物が外部タンパク質表面に結合できるように熱処理される。例えば、LS反応生成物の適用後、処理された食品は、375°Fで、15分などの期間、対流オーブン中で焼成され得る。
【0053】
食品が熱処理されると、冷やして包装される。処理された食品の包装条件は、真空、非真空、及び変更された大気条件のうちの1つであり得る。
【0054】
他の実施形態において、LS反応生成物は、天然又は人工のケーシング及びネッティングにおける香味剤として使用することもできる。該LS反応生成物は、製造業者の処理及び仕様に従ってケーシングに均一に添加及び配置される。次いで、ケーシングは、ソーセージ、デリスタイルの肉、又は他の適用可能な包装肉製品を作るために使用される。
【0055】
さらに他の実施形態において、LS反応生成物は、例えば、0.05~5.0%の使用率で風味及び色を加えるために粉砕及び形成された肉製品に配合され得る。該LS反応生成物は、他の成分とは独立して添加されるか、又は生成物に均一に分配されるまで、標準的な食品混合物中の湿潤成分と共に配合され得る。
【0056】
以下に提示する実施例では、様々な例示的なLS反応生成物、従来のLS組成物及び誘導体、並びに従来の反応生成物を定量的試験及び定性的試験に使用した。これらの実施例の結果は、本開示のLS反応生成物の独特の風味及び香りプロファイル、色及びタンパク質結合を実証する。
【0057】
実施例
以下の例は、本開示の主題を例示するために含まれている。以下の実施例の特定の態様は、本発明者が見出すか、又は企図した技術及び手順の観点から、本開示の主題の実施において十分に機能することを説明する。これらの実施例は、本発明者らの標準的な実施を示す。本開示及び当技術分野の一般的なレベルに照らして、以下の実施例が単なる例示であることが意図され、多数の変更、改変、及び修正を本開示の主題の範囲から逸脱することなく行うことができることを当業者なら理解する。
【0058】
実施例1
開示されるLS反応生成物の色深度を決定し、従来のアルカリ性又は酸性LS組成物及び従来の反応風味と比較した。これらの生成物によって付与された色を定量的に試験するために、天然凝縮煙産業で一般的な色指数試験を用いた。
【0059】
色指数試験は、試験品を水に希釈して行い、1グラムの試験品を蒸留水1000mlに添加する。次いで、490nMの波長でのこの溶液の吸光度を分光法で測定する。次いで、吸光度の値に100をかけて、色指数の数値を得る。蒸留水を、試験の標準物質として使用する。高い色指数はより濃い色を示す。
【0060】
表1は色試験した生成物の概要を提供する。
【表3】
【0061】
表2は、6つの試験材料の色指数の結果を提供する。表2に示すように、LS反応生成物(LSRP5)を、アルカリ性及び標準LS、並びに従来の反応風味と比較する。表2の以下の各処理剤を、食品産業において染色凝縮天然煙又は反応風味として使用するために選択した。ゼスティコード10を、標準的なLS溶液と暗い液体煙を作るために使用される技術(すなわち、アルカリ化又は反応)との間のコンテキストを与えるために選択した。
【表4】
【0062】
表2において、各処理の色指数スコアは、室温(23℃)での試験生成物のpHの横に載っている。表2のデータに示すように、LSRP5(LS反応生成物)は、依然として酸性pHを有する一方で、2番目に高い色指数評価を有する。同等の色等級を有する他の従来のLS組成物(ゼスティブラウンデリ、レッドアローRA14011、及びゼスティブラックデリ)は、12超のアルカリ性pHを有する。
【0063】
一方、表2のデータは、酸性pH値を有するゼスティコード10と従来の反応風味CRP1の両方が、LS反応生成物LSRP5の色指数スコアの3分の1未満を有することを実証する。表2で実証するように、該LS反応生成物は、低pHと高い色指数スコアの両方を有することについて独特である。
【0064】
実施例2
色及びタンパク質結合は、アルカリ性LS対照としてゼスティブラウンデリを、コクのある反応対照としてCRP1を、LS反応生成物としてLSRP5を用いて調べた。色及びタンパク質結合を、タンパク質結合の量と付与した色の相関による1つの試験に組み合わせた。さらに、処理剤は水中で非常に暗いが、生成物に接着する能力がない場合、その色の機能性が大幅に低下する。
【0065】
事前に調理し、形を整え、形成されたデリ七面鳥の胸肉を用いて試験を行った。この試験の目的は、LS反応生成物が他の従来の生成物と比較して、タンパク質表面で乾燥し、固化する方法を調べることであった。
【0066】
全3つの試験生成物を、水で30%希釈した。各処理剤の半分を60秒間水に浸し、未処理の生成物と直接比較した。次いで、全ての処理剤を375°Fで、15分間対流オーブン中で焼成した。次いで、全ての処理剤を軽くすすぎ、余分な浸漬液を除去し、翌日の観察のために真空パックした。
【0067】
表3は、調理前及び一晩固化した後の各七面鳥の胸肉処理の結果を示す。
【表5】
【0068】
表3に示すように、例示的なLS反応生成物LSRP5は、アルカリ性LSゼスティブラウンデリと同様に行い、タンパク質表面に接着し、肉表面に暗い安定した色を与えた。この結果は反応風味CRP1とは対照的であり、タンパク質接着及び大量の流出を最小限に抑えた。
【0069】
実施例3
生の鶏胸肉に対してさらなる適用試験を行った。この試験の目的は、生肉上への試験生成物の接着性と試験生成物の凍結融解安定性を調べ、比較することだった。これらの試験は、アルカリ性LS対照としてゼスティブラウンデリを、コクのある反応対照としてCRP1を、LS反応生成物試験としてLSRP5を用いた。
【0070】
全3つの試験生成物を水で15%に希釈した。生の鶏胸肉の各処理剤を60秒間浸漬した。全ての処理剤をラベルしたシートパン上に置き、375°Fの対流オーブンに入れた。鶏の胸肉を、166°Fの内部温度に達するまで調理した。次いで、処理剤を冷却し、軽く水ですすぎ、色、パージ、及び適用接着性について評価した。最後に、鶏の胸肉を真空密閉し、ラベルし、一晩凍結した。翌日、鶏胸肉を解凍し、色、風味、適用接着性について評価した。
【0071】
これらの試験の観測を表4及び表5にまとめる。
【表6】
表5は、L
*a
*b
*スケールを使用して、調理サイクルの終了時に各鶏胸肉の色を定量化する。この試験では、最も重要な因子は、各試料の明度を示すL
*値である。L
*値0は完全な黒さを示し、100は絶対白色を示す。a
*及びb
*は色スペクトルを示し、a
*(赤/緑)及びb
*(青/黄色)である。
【表7】
【0072】
表4及び5に示すように、LS反応生成物LSRP5は、色形成、接着、及び凍結融解安定性においてゼスティブラウンデリと同様に機能した。LS反応生成物LSRP5は、全ての測定可能なカテゴリーにおいて反応風味CRP1を大幅に上回り、最も重要なのは、塗布の接着性、及び安定性である。LSRP5はまた、肉表面に最も暗い色を付与したことを示す40.6の最低L*値を示した。
【0073】
実施例2及び3の適用試験は、食品産業における機能性の観点からLS反応生成物の独特の特性を実証する。図に示すように、該LS反応生成物は、LS生成物のタンパク質結合能力を有する独特の位置に収まるが、風味の印象及び従来の反応風味の汎用性も低い。
【0074】
実施例4
例示的なLS反応生成物について、風味及び香りプロファイルの変動性を調べた。試験及びデータは、原料濃度と試薬濃度を変えると、様々な独特の味、香り、及び色を生成でき、多くの異なる風味及び香りのプロファイルに合わせて調整することができることを示している。
【0075】
カルボニル及びアミノ酸濃度は、開示されるLS反応生成物におけるメイラード反応の2つの主要なドライバーである。カルボニルとアミノ酸濃度が色や風味に及ぼす影響を、これらの活性基質の比率を変化させることによって検討した。LS反応生成物の調製のために、ある範囲のカルボニル濃度及びアミノ酸濃度を使用し、全ての調合物を調味及び色について分析した。結果は、これらの反応が依然として所望の機能を有しながらカスタマイズできることを示している。
【0076】
表6は、カルボニル及びアミノ酸含有量が異なる6つの反応物A~Fの結果を提供する。全6つの反応を105℃で60分間行い、それぞれLS反応物としてレッドアローRA95075及びアミノ酸としてリジンを用いた。表6に報告する色指数試験は、実施例1で説明したものと同じである。
【表8】
【0077】
表6のデータは、LS又はアミノ酸の濃度を増加させると、軽い甘いロースト風味から木の実の風味、苦味、焼けた風味へと風味を変えることができることを実証している。このデータはまた、活性試薬を増加させると、カルボニル及びアミノ酸の平衡点に近づくにつれて、生成物の色指数が向上することを示している。さらに、2つの反応物の平衡点に達すると、LS反応生成物の色又は風味の変化が少なくなる。これは、風味又は色に違いがない処理剤E及びFで実証されている。
【0078】
実施例5
アミノ酸反応物及びLS組成物反応物を変化させた場合の風味及び香りプロファイルへの影響を調べた。表8は、17種の異なるアミノ酸と組み合わせた2つの異なるLS組成物反応物の組み合わせの結果を示す。この例で使用されるLS組成物反応物は、以下に説明する化学成分を有するレッドアローRA97075及びレッドアローRA04010である。
【表9】
【0079】
全ての反応を、pH5及び105℃で1時間行った。反応は標準圧力で、密閉反応容器で完了した。
【表10】
【0080】
表8で実証するように、開示されるLS反応生成物は、従来の反応風味及びLS組成物からはこれまで利用できなかった様々な独特の風味及び香りプロファイルをもたらす。
【0081】
実施例6
液体煙組成物中に存在するカルボニルが還元糖として作用し、開示の範囲内で、反応プロセス下でアミノ酸と反応することを実証するために試験を行った。これらの実験では、3つの液体煙組成物を、異なる量で、アミノ酸の組み合わせと混合した。次いで、得られた反応溶液を密閉反応容器に入れ、一定の攪拌下で、105℃で1時間加熱した。反応中に質量が失われたり、増えたりしないと判断し、標準的な試験手順を用いて、全ての可能な反応生成物を収集し、分析した。反応の結果を表9、10、及び11に記載する。
【表11】
【表12】
【表13】
【0082】
表9、10及び11で実証されるように、液体煙組成物中に存在するカルボニルは、還元糖の代わりに、アミノ酸反応物とのメイラード反応で生じる。加熱反応プロセス中にカルボニルがアミノ酸との反応に関与しなかった場合、カルボニル値は変わらず、標準的な実験室誤差に基づいて10%以内に留まる。データは、全3つの試験で、カルボニルが平均71%まで減少したことを示している。さらに、pH、酸性度、及びBrixは、加熱反応プロセスの後に全て測定可能なほど異なる。そのため、これらの実験は、さらにアミノ酸と液体煙組成物中のカルボニルの反応がpH及び濃度に影響を与える他の副生成物を作ることをさらに実証する。
【0083】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に特に明記されない限り、範囲内の各別々の値を個別に参照する短縮方法として機能することを意図したものであり、各別々の値は、本明細書で個別に記載されるように明細書に組み込まれる。本明細書に提供される任意及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良く理解することを意図するものであり、特に請求しない限り本発明の範囲に制限を与えない。本明細書内の専門用語は、本発明の実施に不可欠であるので、非請求要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0084】
本発明を実行するための本発明者に知られている最良の様式を含む本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態のバリエーションは、前述の説明を読むと、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、熟練した技術者が適宜そのようなバリエーションを採用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されているもの以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法で認められているように、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載の主題の全ての改変及び同等物を含む。さらに、その全ての可能なバリエーションにおける上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に特に示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。