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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】パターン成形装置及びパターン成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/04 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
B29C59/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020012818
(22)【出願日】2020-01-29
(65)【公開番号】P2021115843
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 光明
(72)【発明者】
【氏名】萩原 明彦
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-087318(JP,A)
【文献】特開2007-168094(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1062128(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の基材にパターンを成形するパターン成形装置であって、
前記基材を繰り出す繰出ロールと前記基材を巻き取る巻取ロールとを有する第1搬送手段と、
軸中心で回転し前記パターンを構成する凹部及び凸部が外周に形成されるモールドロールと、
前記モールドロールの外周の前記凹部に硬化性樹脂を供給し、前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する供給回収手段と、
前記凹部に供給されて前記モールドロールの回転に伴い前記基材に接触する前記硬化性樹脂を硬化させ前記基材と一体化させる硬化手段と、を備え、
前記供給回収手段は、
シート状の保持部と、
前記保持部に前記硬化性樹脂を吐出する吐出部と、
前記保持部を搬送して、前記保持部に塗工された前記硬化性樹脂の一部を前記モールドロールの外周の前記凹部に供給すると共に前記凹部に供給されない残りを前記モールドロールの外周から回収する第2搬送手段と、を有する、
パターン成形装置。
【請求項2】
シート状の基材にパターンを成形するパターン成形装置であって、
前記基材を繰り出す繰出ロールと前記基材を巻き取る巻取ロールとを有する第1搬送手段と、
軸中心で回転し前記パターンを構成する凹部及び凸部が外周に形成されるモールドロールと、
前記モールドロールの外周の前記凹部に硬化性樹脂を供給し、前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する供給回収手段と、
前記凹部に供給されて前記モールドロールの回転に伴い前記基材に接触する前記硬化性樹脂を硬化させ前記基材と一体化させる硬化手段と、を備え、
前記供給回収手段は、
前記モールドロールの外周に前記硬化性樹脂を吐出する吐出部と、
前記モールドロールの外周の前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する回収手段と、を有する、
パターン成形装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパターン成形装置であって、
前記供給回収手段は、
前記モールドロールとの間で前記保持部を挟むようにして前記保持部を支持する支持ロールと、
前記支持ロールを前記モールドロールに対して進退させる進退装置と、を有する、
パターン成形装置。
【請求項4】
請求項2に記載のパターン成形装置であって、
前記回収手段は、
シート状のフィルム部材と、
前記フィルム部材を搬送する第2搬送手段と、
前記モールドロールとの間で前記フィルム部材を挟むようにして前記フィルム部材を支持する支持ロールと、
前記支持ロールを前記モールドロールに対して進退させる進退装置と、を有する、
パターン成形装置。
【請求項5】
シート状の基材にパターンを成形するパターン成形方法であって、
パターンを構成する凹部及び凸部が形成されたモールドロールの外周に吐出部から吐出される硬化性樹脂を供給し、前記モールドロールの前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する供給回収工程と、
搬送される前記基材に対して前記モールドロールの外周の前記凹部に供給された前記硬化性樹脂を前記モールドロールの回転に伴って順次接触させ、前記基材に接触した状態で前記硬化性樹脂を硬化させて前記基材と一体化させる硬化工程と、を含み、
前記供給回収工程では、
シート状の保持部に前記硬化性樹脂を吐出し、
前記保持部を搬送して、前記保持部に塗工された前記硬化性樹脂の一部を前記モールドロールの外周の前記凹部に供給すると共に前記凹部に供給されない残りを前記モールドロールの外周から回収する、
パターン成形方法。
【請求項6】
シート状の基材にパターンを成形するパターン成形方法であって、
パターンを構成する凹部及び凸部が形成されたモールドロールの外周に吐出部から吐出される硬化性樹脂を供給し、前記モールドロールの前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する供給回収工程と、
搬送される前記基材に対して前記モールドロールの外周の前記凹部に供給された前記硬化性樹脂を前記モールドロールの回転に伴って順次接触させ、前記基材に接触した状態で前記硬化性樹脂を硬化させて前記基材と一体化させる硬化工程と、を含み、
前記供給回収工程では、
前記モールドロールの外周に前記吐出部から前記硬化性樹脂を直接吐出することで前記硬化性樹脂を供給し、
シート状のフィルム部材を長手方向に搬送して前記モールドロールの外周の前記硬化性樹脂に接触させることで、前記モールドロールの外周の前記凹部に供給されない残りの前記硬化性樹脂を前記モールドロールの外周から回収する、
パターン成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン成形装置及びパターン成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基材の表面にパターンを成形するインプリント技術として、特許文献1には、フィルム基材上に樹脂材料を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、基材上に形成された樹脂材料の塗膜に転写ロールを押し付けて転写ロールの凹凸パターンを塗膜に転写し、塗膜を硬化させる転写工程と、を含むものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-85659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、インプリント技術では、モールドの凸部と基材との間に樹脂材料が残存することがあり、基材上に残存する樹脂材料(以下、「残膜」とも称する。)を低減することが望まれている。
【0005】
特許文献1に開示されるパターン成形方法では、予め基材に塗布された凹凸形成材料(硬化性樹脂)の膜に転写ロールを押し付けて硬化性樹脂を流動させることで、基材にパターンを転写する構成である。このため、転写ロールの凸部と基材との間で挟み込まれる樹脂材料が基材上に残存しやすく、この方法では、残膜を低減するには限界があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、基材上の残膜を低減することができるパターン成形装置及びパターン成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、パターン成形装置は、基材を繰り出す繰出ロールと基材を巻き取る巻取ロールとを有する搬送手段と、軸中心で回転しパターンを構成する凹部及び凸部が外周に形成されるモールドロールと、モールドロールの外周の凹部に硬化性樹脂を供給する供給手段と、凹部に供給されてモールドロールの回転に伴い基材に接触する硬化性樹脂を硬化させ基材と一体化させる硬化手段と、を備える。
【0008】
本発明のある態様によれば、パターン成形装置は、基材を繰り出す繰出ロールと基材を巻き取る巻取ロールとを有する第1搬送手段と、軸中心で回転しパターンを構成する凹部及び凸部が外周に形成されるモールドロールと、モールドロールの外周の凹部に硬化性樹脂を供給し、凹部に供給されない残りの硬化性樹脂をモールドロールの外周から回収する供給回収手段と、凹部に供給されてモールドロールの回転に伴い基材に接触する硬化性樹脂を硬化させ前記基材と一体化させる硬化手段と、を備え、供給回収手段は、シート状の保持部と、モールドロールの外周に硬化性樹脂を吐出する吐出部と、保持部を搬送して、モールドロールの外周の凹部に供給されない残りの硬化性樹脂をモールドロールの外周から回収する第2搬送手段と、を有する。
【0009】
本発明のある態様によれば、パターン成形装置は、基材を繰り出す繰出ロールと基材を巻き取る巻取ロールとを有する搬送手段と、軸中心で回転しパターンを構成する凹部及び凸部が外周に形成されるモールドロールと、モールドロールの外周の凹部に供給される硬化性樹脂を基材に吐出する吐出部と、凹部に供給されてモールドロールの回転に伴い基材に接触する硬化性樹脂を硬化させ基材と一体化させる硬化手段と、吐出部及び硬化手段の作動を制御するコントローラと、を備え、吐出部は、基材の搬送方向に沿って所定の長さを有しモールドロールの外周の凹部に供給される硬化性樹脂が塗工される塗工領域と、搬送方向において塗工領域の上流に設けられ硬化性樹脂が塗工されずに基材が露出する成形領域と、が基材上に形成されるように作動が制御され、搬送手段は、塗工領域の硬化性樹脂をモールドロールの外周に接触させ、一部をモールドロールの凹部に供給し、残りをモールドロールの外周から回収するように構成され、硬化手段は、塗工領域からモールドロールの外周の凹部に供給された硬化性樹脂が成形領域に接触した状態で当該硬化性樹脂を硬化するように作動が制御される。
【0010】
本発明のある態様によれば、パターン成形方法は、パターンを構成する凹部及び凸部が形成されたモールドロールの外周に硬化性樹脂を供給する供給工程と、搬送される基材に対してモールドロールの外周の凹部に供給された硬化性樹脂をモールドロールの回転に伴って順次接触させ、基材に接触した状態で硬化性樹脂を硬化させて基材と一体化させる硬化工程と、を含み、供給回収工程では、シート状の保持部に硬化性樹脂を吐出し、保持部を搬送して、保持部に塗工された硬化性樹脂の一部をモールドロールの外周の凹部に供給すると共に凹部に供給されない残りをモールドロールの外周から回収する。
【0011】
本発明のある態様によれば、パターン成形方法は、パターンを構成する凹部及び凸部が形成されたモールドロールの外周に吐出部から吐出される硬化性樹脂を供給し、モールドロールの凹部に供給されない残りの硬化性樹脂をモールドロールの外周から回収する供給回収工程と、搬送される基材に対してモールドロールの外周の凹部に供給された硬化性樹脂をモールドロールの回転に伴って順次接触させ、基材に接触した状態で硬化性樹脂を硬化させて基材と一体化させる硬化工程と、を含み、供給回収工程では、モールドロールの外周に吐出部から硬化性樹脂を直接吐出することで硬化性樹脂を供給し、シート状のフィルム部材を長手方向に搬送してモールドロールの外周の硬化性樹脂に接触させることで、モールドロールの外周の凹部に供給されない残りの硬化性樹脂をモールドロールの外周から回収する。
【発明の効果】
【0013】
これらの態様によれば、吐出部から吐出された硬化性樹脂は、一部がモールドロールの外周の凹部に供給され、残りはモールドロールの外周から回収される。このようにして凹部内に供給された硬化性樹脂が、基材に一体化される。よって、余分な硬化性樹脂は回収し、必要な分だけ硬化性樹脂を凹部内に供給できるため、モールドロールの外周の凸部と基材との間で硬化性樹脂が残存することを抑制することができる。したがって、基材上の残膜を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るパターン成形装置の構成図である。
図2】本発明の第2実施形態に係るパターン成形装置の構成図である。
図3】本発明の第3実施形態に係るパターン成形装置の構成図である。
図4A】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4B】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4C】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4D】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4E】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4F】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4G】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
図4H】本発明の第3実施形態に係るパターン成形方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るパターン成形装置100及びパターン成形方法について説明する。なお、各図面においては、説明の便宜上、各構成の縮尺を適宜変更しており、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0016】
まず、図1を参照して、パターン成形装置100の構成について説明する。
【0017】
図1に示すように、パターン成形装置100は、いわゆるロールツーロール式であって、シート状の基材としてのベースフィルム1の一面(フィルム面)に、紫外線(UV)硬化性樹脂(以下、単に「樹脂」とも称する。)5によってパターン2を成形する装置である。以下では、図1の上下方向を鉛直方向としてパターン成形装置100について説明する。以下の説明において、特に断りのない限り、「上」及び「下」は、鉛直方向の上下、つまり、図面中の上下方向を指すものとする。
【0018】
ベースフィルム1は、平面状のフィルム面が所定長さに亘って連続する樹脂フィルムである。ベースフィルム1は、光透過性(透光性)、より具体的には紫外線透過性を有する透明のフィルムである。なお、以下では、パターン2を形成する樹脂5が一体化したベースフィルム1を「パターンフィルム3」とも称する。
【0019】
パターン成形装置100は、ベースフィルム1を長手方向に搬送する第1搬送手段としての第1搬送機構10と、所定のパターン2を構成する凹部21及び凸部22が外周に形成されるモールドロール20と、モールドロール20を回転駆動する駆動部としての電動モータ23と、モールドロール20との間にベースフィルム1が挿入される押付ロール25と、モールドロール20の外周の凹部21に樹脂5を供給すると共に凹部21に供給されない残りをモールドロール20の外周から回収する供給回収手段としての供給回収機構30と、モールドロール20の凹部21に供給されてモールドロール20の回転に伴いベースフィルム1に接触する樹脂5を硬化させベースフィルム1と一体化させる硬化手段としてのランプ50と、パターンフィルム3をモールドロール20から剥離する剥離ロール26と、パターン成形装置100を制御するコントローラ60と、を備える。
【0020】
第1搬送機構10は、ベースフィルム1を繰り出す繰出ロール11と、繰出ロール11から繰り出されるベースフィルム1を巻き取る巻取ロール12と、を有する。繰出ロール11及び巻取ロール12は、それぞれ電動モータ(図示省略)によって中心軸を中心として回転駆動される(図中矢印参照)。繰出ロール11の中心軸と巻取ロール12の中心軸とは、互いに平行に設けられる。繰出ロール11から繰り出されるベースフィルム1を巻取ロール12によって巻き取ることで、繰出ロール11と巻取ロール12との間でベースフィルム1が長手方向に搬送される。繰出ロール11と巻取ロール12とを回転させる電動モータは、撓みが生じないよう所定の張力を付与しながらベースフィルム1を一定速度で搬送するようにコントローラ60によって制御される。以下では、繰出ロール11側を搬送方向の「上流」、巻取ロール12側を搬送方向の「下流」として説明する。
【0021】
モールドロール20の中心軸は、繰出ロール11及び巻取ロール12の中心軸と平行に設けられる。モールドロール20の円筒状の外周面には、ベースフィルム1に成形するパターン2を構成する凹部21及び凸部22が形成される。モールドロール20の下部には、繰出ロール11から巻取ロール12に搬送されるベースフィルム1が巻きかけられる。
【0022】
電動モータ23は、中心軸を中心としてモールドロール20を回転駆動する。電動モータ23は、第1搬送機構10によるベースフィルム1の搬送速度にモールドロール20の回転速度が同期するようにコントローラ60によって制御される。電動モータ23は、モールドロール20を回転させることで、モールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5を、ベースフィルム1のフィルム面に順次接触させる。なお、電動モータ23は、図面中破線で模式的に示している。
【0023】
押付ロール25は、その中心軸がモールドロール20の中心軸と平行となるように、モールドロール20に隣接して設けられる。押付ロール25は、その中心軸を中心として回転可能に設けられ、外周面にはモールドロール20の上流側にあるベースフィルム1が巻きかけられる。ベースフィルム1は、押付ロール25とモールドロール20の間に挿入され、押付ロール25の外周面は、ベースフィルム1を挟んでモールドロール20の外周面に対向する。よって、押付ロール25は、巻きかけられたベースフィルム1の搬送(移動)により自由回転する。
【0024】
また、押付ロール25は、アクチュエータ(図示省略)によって、モールドロール20に対して進退するように構成される。つまり、アクチュエータによって押付ロール25とモールドロール20との中心軸間距離を調整できる。本実施形態では、押付ロール25は、アクチュエータによって図1中左右方向に移動可能である。これにより、ベースフィルム1に対するモールドロール20の密着力が調整される。アクチュエータの作動は、コントローラ60によって制御される。
【0025】
剥離ロール26は、その中心軸がモールドロール20の中心軸と平行となるように、モールドロール20に隣接して設けられる。剥離ロール26は、その中心軸を中心として回転可能に設けられ、外周面にはモールドロール20の下流側にあるベースフィルム1が巻きかけられる。ベースフィルム1は、剥離ロール26とモールドロール20の間に挿入され、剥離ロール26の外周面は、ベースフィルム1を挟んでモールドロール20の外周面に対向する。剥離ロール26は、巻きかけられたベースフィルム1の搬送(移動)によって自由回転する。
【0026】
また、剥離ロール26は、アクチュエータ(図示省略)によって、モールドロール20に対して進退するように構成される。つまり、アクチュエータによって剥離ロール26とモールドロール20との中心軸間距離を調整できる。本実施形態では、剥離ロール26は、アクチュエータによって図1中左右方向に移動可能である。パターンフィルム3は、剥離ロール26によって案内されることで樹脂5と共にモールドロール20から剥離される。
【0027】
ランプ50は、紫外線を照射可能な光源であり、例えば、LEDランプが利用される。ランプ50の作動は、コントローラ60によって制御される。ランプ50は、ベースフィルム1を挟んでモールドロール20に対向する位置に配置される。より具体的には、ランプ50は、モールドロール20におけるベースフィルム1に接触する部分(図1では、モールドロール20の下部)にベースフィルム1を挟んで対向する。ランプ50から発せられる紫外線は、透光性を有するベースフィルム1を通じて、ベースフィルム1に接触した状態のモールドロール20の凹部21内の樹脂5に対して照射される。これにより、モールドロール20の凹部21の樹脂5が硬化して、ベースフィルム1に一体化(固着)される。なお、ランプ50は、LEDランプに限定されるものではなく、紫外線を照射可能なものであれば、その他のものでもよい。
【0028】
供給回収機構30は、モールドロール20の凹部21に供給する未硬化の樹脂5を吐出する吐出部としての塗工ダイ32と、塗工ダイ32から吐出される樹脂5を保持可能なシート状の保持部としての供給フィルム31と、供給フィルム31を長手方向に搬送して供給フィルム31に保持される樹脂5をモールドロール20の外周に接触させる第2搬送手段としての第2搬送機構40と、モールドロール20との間で供給フィルム31を挟むようにして供給フィルム31を支持する支持ロール33と、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させる進退装置34と、を有する。
【0029】
供給フィルム31は、樹脂5を保持できるものであれば、任意の材質のものでよい。つまり、供給フィルム31は、ベースフィルム1と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。また、供給フィルム31は、ベースフィルム1と同様に透光性を有するものでもよいし、透光性を有していない(つまり、遮光性を有する)ものでもよい。
【0030】
塗工ダイ32は、第2搬送機構40によって搬送される供給フィルム31に向けて硬化前の樹脂5を吐出して、供給フィルム31に樹脂5を塗工する。これにより、供給フィルム31の一方の面には、樹脂5の膜が形成される。塗工ダイ32は、公知の構成を採用できるため、詳細な図示及び具体的な説明は省略する。塗工ダイ32の作動は、コントローラ60によって制御される。
【0031】
第2搬送機構40は、供給フィルム31を搬送して、供給フィルム31に塗工された樹脂5の一部をモールドロール20の凹部21に供給し、残りをモールドロール20の外周から回収するように構成される。第2搬送機構40は、供給フィルム31を繰り出す第2繰出ロール41と、供給フィルム31を巻き取る第2巻取ロール42と、第2繰出ロール41と第2巻取ロール42との間で搬送される供給フィルム31を支持する複数のガイドロール43と、を有する。
【0032】
第2繰出ロール41と第2巻取ロール42とは、それぞれ電動モータ(図示省略)によって中心軸を中心として回転駆動される。第2繰出ロール41と第2巻取ロール42の中心軸は、互いに平行であって、かつ、モールドロール20の中心軸に対しても平行に設けられる。第2繰出ロール41と第2巻取ロール42との間で搬送される供給フィルム31は、複数のガイドロール43に掛け回されて支持される。
【0033】
支持ロール33は、その中心軸がモールドロール20の中心軸と平行となるように、モールドロール20に隣接して設けられる。支持ロール33は、その中心軸を中心として回転可能に設けられ、外周面には塗工ダイ32によって樹脂5が塗布された供給フィルム31が巻きかけられる。供給フィルム31は、樹脂5が塗布された面がモールドロール20側となるように、言い換えれば樹脂5が塗布されていない面が支持ロール33の外周に接触するように、支持ロール33とモールドロール20の間に挿入される。つまり、支持ロール33の外周面は、供給フィルム31を挟んでモールドロール20の外周面に対向する。支持ロール33は、巻きかけられた供給フィルム31の搬送(移動)によって自由回転する。このように構成することで、第2搬送機構40が供給フィルム31を搬送するのに伴い、供給フィルム31に保持された樹脂5の一部がモールドロール20の外周に接触し、モールドロール20の外周の凹部21に樹脂5が供給される。
【0034】
進退装置34は、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させる。進退装置34としては、例えば、電動モータとボールねじとを組み合わせた直動機構を利用することができる。なお、これに限らず、エアシリンダなど他の装置を利用してもよい。進退装置34によって支持ロール33とモールドロール20との中心軸間距離が調整される。本実施形態では、支持ロール33は、進退装置34によって図1中上下方向に移動可能である。これにより、支持ロール33とモールドロール20との間の隙間、ひいては、供給フィルム31からモールドロール20に供給される樹脂5の量を調整することができる。進退装置34の作動は、コントローラ60によって制御される。
【0035】
コントローラ60は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。コントローラ60は、複数のマイクロコンピュータで構成されてもよい。コントローラ60は、少なくとも、各実施形態や変形例に係る制御を実行するために必要な処理を実行可能にプログラムされている。なお、コントローラ60は一つの装置として構成されていても良いし、複数の装置に分けられ、各制御を当該複数の装置で分散処理するように構成されていてもよい。
【0036】
コントローラ60は、以下に説明するパターン成形方法を実行可能となるように、パターン成形装置100の各構成の作動を制御する。
【0037】
次に、パターン成形装置100により実行されるパターン成形方法について説明する。
【0038】
本実施形態に係るパターン成形方法は、パターン2を構成する凹部21及び凸部22が形成されたモールドロール20の外周に樹脂5を供給し、凹部21に供給されない残りの樹脂5を回収する供給回収工程と、モールドロール20の回転に伴ってモールドロール20の外周の樹脂5をベースフィルム1に順次接触させ、ベースフィルム1に接触した状態で樹脂5を硬化させてベースフィルム1と一体化させる硬化工程と、パターンフィルム3をモールドロール20から剥離する剥離工程と、を含む。以下、各工程について具体的に説明する。
【0039】
[供給回収工程]
供給回収工程では、まず、第1搬送機構10の繰出ロール11を駆動する電動モータと巻取ロール12を駆動する電動モータとをそれぞれ所定の方向に所定の速度で回転させ、ベースフィルム1を所定の搬送速度で搬送する。また、電動モータ23を回転させ、モールドロール20を所定の回転方向に所定の速度で回転させる。モールドロール20の回転速度は、第1搬送機構10によるベースフィルム1の搬送速度に対応するような速度に設定される。つまり、モールドロール20は、ベースフィルム1の搬送速度に対応するように、第1搬送機構10と同期するように制御される。
【0040】
また、第2搬送機構40の第2繰出ロール41を駆動する電動モータと第2巻取ロール42を駆動する電動モータとをそれぞれ所定の回転方向に所定の速度で回転させ、供給フィルム31を所定の搬送速度で搬送する。さらに、第2搬送機構40によって搬送される供給フィルム31の一面(モールドロール20に臨む面)に対して、塗工ダイ32により樹脂5を塗工する。これにより、モールドロール20に臨む供給フィルム31の一面には、所定の膜厚を有する樹脂5の膜が形成される。
【0041】
樹脂5が塗布された供給フィルム31は、第2搬送機構40に搬送されて支持ロール33とモールドロール20の間を通過する。この際、供給フィルム31の樹脂5は、モールドロール20の外周に接触する。これにより、供給フィルム31に保持される樹脂5の一部がモールドロール20の外周の凹部21に供給され、凹部21に供給されない残りの樹脂5は供給フィルム31に保持されたまま供給フィルム31と共に第2巻取ロール42に向けて搬送される。この際、凸部22の先端面に接触する樹脂5も、供給フィルム31によって保持されて第2巻取ロール42に回収される。このようにして、凹部21にはモールドロール20の回転に伴い供給フィルム31から樹脂5が順次供給される一方、搬送される供給フィルム31によって樹脂5がモールドロール20の外周から回収されることで凸部22の先端面への樹脂5の付着は抑制される。
【0042】
[硬化工程]
硬化工程では、まず、ランプ50を点灯させる。供給回収工程でモールドロール20の外周に供給された樹脂5は、モールドロール20の回転に伴い、押付ロール25との間を通過したベースフィルム1のフィルム面に順次接触する。さらにモールドロール20が回転してベースフィルム1を挟んでランプ50と対向する位置まで移動すると、モールドロール20の外周の樹脂5は、ランプ50から紫外線が照射されて硬化し、ベースフィルム1に固着される。このようにして、回転するモールドロール20の外周の樹脂5が、ベースフィルム1に対して順次一体化される。
【0043】
[剥離工程]
硬化工程で樹脂5が固着されたベースフィルム1(パターンフィルム3)は、剥離ロール26によってモールドロール20から離間するように案内(転向)されることでモールドロール20の外周から剥離される。
【0044】
以上により、ベースフィルム1のフィルム面には、パターン2が成形され、パターンフィルム3が得られる。パターン2が成形されたパターンフィルム3は、巻取ロール12によって巻き取られる。
【0045】
ここで、従来のパターン成形方法としては、ベースフィルムに樹脂を予め塗工して樹脂の膜を形成し、この膜にモールドロールを押し当ててパターンを転写する方法がある。この方法では、モールドロールの押し当てに伴いベースフィルム上の樹脂が流動することでパターン成形されるため、モールドロールの外周の凸部とベースフィルムとの間で挟まれる樹脂が流動しきれずに残存し、残膜を生じさせやすい。
【0046】
このような従来の方法で残膜を低減するには、例えば、ベースフィルムに対するモールドロールの押し付け力を大きくすることが考えられるが、押し付け力が大きすぎると樹脂がベースフィルムの幅方向に広がり、ベースフィルムから樹脂があふれるおそれがある。
【0047】
その他に残膜を低減する方法としては、ベースフィルムに塗工する樹脂量を少なくする、言い換えれば、塗工する樹脂(塗膜)の膜厚を薄くすることが考えられる。しかしながら、塗工する樹脂量を少なくすると、塗膜の膜厚にむらが生じて均一な塗工面を形成することが難しくなる。特に、搬送速度が速くなるほど、均一な塗工面の形成が難しい。均一な塗工面が形成できないと、パターンを精度よく転写できず、成形不良が生じるおそれがある。よって、成形不良を回避するために樹脂をベースフィルムに余分に塗工せざるをえず、この余分な樹脂が残膜となって残存するため、残膜を充分に低減させることが難しかった。
【0048】
このように、モールドロールの押し付け力を増大させる方法や、塗工する膜厚を薄くする方法では、不具合を生じずに残膜を低減するには限界がある。
【0049】
これに対し、本実施形態のパターン成形方法は、ベースフィルム1に樹脂5の膜を塗工してこの膜にモールドロール20を押し当てるのではなく、供給フィルム31からモールドロール20の外周の凹部21に樹脂5を供給し、樹脂5が塗工されていないベースフィルム1のフィルム面に凹部21内の樹脂5を接触させて一体化させる。モールドロール20の凹部21内に供給しきれない供給フィルム31上の余分な樹脂5は、供給フィルム31によって保持されてモールドロール20の外周から回収される。このため、本実施形態のパターン成形方法では、パターン2を構成する樹脂5を凹部21に充分に充填できると共に、凸部22の先端面への樹脂5の付着を抑制できる。したがって、モールドロール20の外周の凸部22とベースフィルム1との間での樹脂5の挟み込みを抑制することができ、パターンフィルム3における残膜を低減することができる。
【0050】
また、本実施形態では、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させることで、支持ロール33とモールドロール20との間の隙間を調整できる。これにより、供給回収機構30からモールドロール20の凹部21に供給される樹脂量を容易に最適な量に調整することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、ロールツーロール方式によって残膜を低減できるため、連続したフィルム製品を高い生産性で得ることができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、図2を参照して、第2実施形態に係るパターン成形装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を適宜省略する。具体的には、第2実施形態に係るパターン成形装置200は、供給回収機構130の構成を除き、上記第1実施形態に係るパターン成形装置100と同様の構成である。よって、以下では、主に供給回収機構130の構成について説明する。
【0053】
第1実施形態に係るパターン成形装置100の供給回収機構30では、塗工ダイ32によって供給フィルム31に塗布された樹脂5をモールドロール20の外周の凹部21に供給する。つまり、パターン成形装置100では、塗工ダイ32から供給フィルム31を介してモールドロール20の凹部21に樹脂5が供給される。
【0054】
これに対し、第2実施形態に係るパターン成形装置200の供給回収機構130は、モールドロール20の外周に樹脂5を直接塗工する吐出部としてのディスペンサ132と、モールドロール20の外周の凹部21に供給されない残りの樹脂5をモールドロール20の外周から回収する回収手段としての回収機構140と、を有する。回収機構140は、シート状のフィルム部材としての除去フィルム131と、モールドロール20の外周に塗工された樹脂5に除去フィルム131を接触させ、モールドロール20の外周から樹脂5の一部を除去(回収)する第2搬送手段としての第2搬送機構40と、モールドロール20との間で除去フィルム131を挟むようにして除去フィルム131を支持する支持ロール33と、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させる進退装置34と、を有する。第2搬送機構40は、第1実施形態と同様の構成であるため、具体的な説明は省略する。
【0055】
ディスペンサ132は、モールドロール20の外周に向けて樹脂5を連続して滴下するように構成される。ディスペンサ132は、モールドロール20の中心軸の直上に配置されず、モールドロール20の中心軸の直上の位置から図中左方向にずれて配置されることで、モールドロール20の最上部からモールドロール20の回転方向の前方側(図中左側)へ周方向にずれた位置に樹脂5を滴下するように構成される。ディスペンサ132の作動は、コントローラ60によって制御される。
【0056】
支持ロール33は、第1実施形態と基本的な構成は同様である。支持ロール33は、外周に巻きかけられた除去フィルム131が、ディスペンサ132からモールドロール20に供給された樹脂5に接触するように、ディスペンサ132よりもモールドロール20の回転方向の前方側(図中左側)に配置される。これにより、ディスペンサ132から滴下される樹脂5が、支持ロール33とモールドロール20との間の空間に貯留され、モールドロール20の凹部21に供給されやすくなる。
【0057】
除去フィルム131は、支持ロール33とモールドロール20の間に挿入される。第2搬送機構40により除去フィルム131が搬送されることで、除去フィルム131がモールドロール20の外周に滴下された樹脂5に接触し、モールドロール20の外周に滴下された樹脂5のうち凹部21に供給されない残りの樹脂5が除去フィルム131に保持されてモールドロール20の外周から回収される。このようにしてモールドロール20の外周の樹脂5の一部が除去されることで、モールドロール20の凹部21に適切な量の樹脂5を供給することができる。つまり、除去フィルム131、支持ロール33、及び第2搬送機構40は、モールドロール20の外周に供給される樹脂量を調整する調整手段として機能する。
【0058】
なお、除去フィルム131は、第1実施形態の供給フィルム31と同様に、ベースフィルム1と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0059】
進退装置34は、鉛直方向から傾斜した方向に支持ロール33を進退させる点を除き、第1実施形態と構成は同様である。進退装置34は、モールドロール20の中心軸に向けて(言い換えれば、モールドロール20の径方向に沿って)支持ロール33を進退させる。これにより、支持ロール33とモールドロール20との間の隙間が調整され、除去フィルム131によってモールドロール20の外周から除去される樹脂量が調整される。
【0060】
第2実施形態のパターン成形装置200によるパターン成形方法は、予めモールドロール20の凹部21に樹脂5を供給し、凹部21の樹脂5をベースフィルム1に接触させる点と、保持部(除去フィルム131)及び第2搬送機構40によって、モールドロール20の凹部21に供給されない余分な樹脂5をモールドロール20の外周から回収するという点とにおいて、第1実施形態と共通する。第2実施形態におけるパターン成形方法は、第1実施形態のパターン成形方法が供給フィルム31を介してモールドロール20に樹脂5を供給する構成であるのに対し、モールドロール20に樹脂5を直接滴下する構成である点を除き、第1実施形態のパターン成形方法と同様である。よって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、図3図4A~4Hを参照して、第3実施形態に係るパターン成形装置300及びパターン成形方法について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0062】
第1実施形態では、パターン成形装置100は、供給回収機構30を備え、供給回収機構30は、ベースフィルム1とは別の供給フィルム31と、供給フィルム31を搬送する第2搬送機構40と、を有する。塗工ダイ32から供給フィルム31に塗工された樹脂5が、モールドロール20に供給されてベースフィルム1にパターン2を形成する。
【0063】
これに対し、図3に示すように、第3実施形態に係るパターン成形装置300は、第1搬送機構10、吐出部としての塗工ダイ232、モールドロール20、及びランプ50を備える一方、第1実施形態のような供給フィルム31、第2搬送機構40、及び支持ロール33を有していない。
【0064】
塗工ダイ232は、基本的な構成は第1実施形態と同様であり、公知の構成を採用できるため具体的な説明は省略する。塗工ダイ232は、モールドロール20の上流のベースフィルム1に樹脂5を塗工可能な位置に配置される。本実施形態では、塗工ダイ232は、モールドロール20とベースフィルム1とが接触する部分(図3中Cで表す部分)から、モールドロール20の外周長さの2倍分だけ上流側に離れた位置にあるベースフィルム1に樹脂5を塗工するよう配置されている。つまり、モールドロール20の直径を「D」とすると、塗工ダイ232から塗工された樹脂は、ベースフィルム1が2πDの走行長さだけ搬送されると、モールドロール20の外周に接触する。
【0065】
次に、第3実施形態のパターン成形装置100によるパターン成形方法について説明する。
【0066】
第3実施形態のパターン成形方法は、塗工ダイ232によるベースフィルム1への樹脂5の塗工のタイミングと、ランプ50の照射のタイミングと、を制御することでベースフィルム1にパターン2を成形する。
【0067】
図4Aは、供給回収工程を開始する状態を示す図である。以下では、図4Aの状態をベースフィルム1の走行長さ(搬送長さ)Lがゼロ(L=0)の基準状態として説明する。図4Bは走行長さLがπDの状態、図4Cは走行長さLが2πDの状態を示す図である。図4Dは走行長さLが(2+1/2)πDの状態、図4Eは走行長さLが3πDの状態、図4Fは走行長さLが(3+1/4)πDの状態を示す図である。図4Gは走行長さLが4πDの状態、図4Hは走行長さLが(4+1/4)πDの状態を示す図である。
【0068】
まず、図4A~4Eを参照して供給回収工程について説明する。
【0069】
供給回収工程では、塗工ダイ232によるベースフィルム1への樹脂5の塗工のタイミングを制御して、ベースフィルム1の搬送方向に沿って所定の長さを有し樹脂5が塗工される塗工領域と、搬送方向において塗工領域の上流に設けられ樹脂5が塗工されずにベースフィルム1の一面が露出する成形領域と、をベースフィルム1上に形成する。そして、第1搬送機構10によってベースフィルム1を搬送することで、塗工領域の樹脂5をモールドロール20の外周に接触させモールドロール20の外周の凹部21に樹脂5を供給する。なお、図4A図Eに示される供給回収工程では、ランプ50は消灯されている。
【0070】
具体的には、図4Aに示すように、まず、塗工ダイ232によってベースフィルム1に対して連続して樹脂5を吐出させ、ベースフィルム1上に樹脂5の膜を形成する。この状態で所定の長さπD分だけベースフィルム1を搬送し、塗工ダイ232による塗工を停止する(図4B参照)。これにより、長さπD分だけ樹脂5が塗工された塗工領域がベースフィルム1に形成される。
【0071】
次に、図4Cに示すように、塗工ダイ232による塗工を停止して樹脂5を塗工しない状態で、πD分だけベースフィルム1を搬送する。これにより、長さπDを有する塗工領域の上流に、長さπDを有する成形領域が形成される。図4B及び図4Cに示す点P1は、ベースフィルム1上における塗工領域の開始位置、点P2はベースフィルム1上における塗工領域の終了位置(言い換えれば成形領域の開始位置)、点P3はベースフィルム1上における成形領域の終了位置を示すものである。つまり、点P1とP2の間の領域が塗工領域であり、点P2と点P3との間の領域が成形領域である。図4Cの状態では、塗工領域の開始位置P1にある樹脂5がモールドロール20の外周に接触する。
【0072】
図4Cの状態からさらにベースフィルム1が搬送されると、回転するモールドロール20の外周に塗工領域の樹脂5が順次接触する(図4D参照)。これにより、塗工領域の樹脂5の一部がモールドロール20の外周の凹部21に樹脂5が供給される。この際、上述のように、ランプ50は、その作動が停止されており、紫外線を照射していない。よって、モールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5は、モールドロール20の回転に伴いベースフィルム1を挟んでランプ50に対向するものの、紫外線が照射されないため硬化しない。これにより、塗工領域の樹脂5は、図4Eに示すように、未硬化の状態でモールドロール20の外周の凹部21に供給される。モールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5は、モールドロール20の回転によって塗工領域にあるベースフィルム1から離間する。また、モールドロール20の凹部21に供給しきれなかった樹脂5は、ベースフィルム1上に残存し第1搬送機構10によってベースフィルム1と共に下流へ搬送される。このように、第1搬送機構10は、塗工領域の樹脂5の一部を凹部21に供給し、凹部21に供給されない残りの樹脂5をモールドロール20の外周から回収する搬送手段として機能する。
【0073】
図4Eに示すように、図4Cの状態からπD分だけベースフィルム1がさらに搬送されると、モールドロール20の凹部21の全体に塗工領域の樹脂5が供給されて、供給回収工程が完了する。
【0074】
次に、図4F図4Hを参照して硬化工程について説明する。
【0075】
硬化工程では、ベースフィルム1の塗工領域からモールドロール20に供給された樹脂5をベースフィルム1の成形領域に接触させた状態で硬化させる。
【0076】
具体的には、図4Eの状態からさらにモールドロール20が回転すると、モールドロール20の外周の凹部21に供給され塗工領域のベースフィルム1から離間した樹脂5が、モールドロール20の回転によって成形領域にあるベースフィルム1に順次接触される。そして、図4Fに示すように、図4Eの状態から1/4πD分だけベースフィルム1が搬送されると、塗工領域の終了点P2、言い換えれば、成形領域の開始点がベースフィルム1を挟んでランプ50に対向する。この状態でランプ50が点灯される。よって、モールドロール20の回転に伴ってベースフィルム1の成形領域に順次接触した凹部21内の樹脂5が紫外線を受けて硬化されて、ベースフィルム1に固着される。このように、ランプ50は、塗工領域の樹脂5がモールドロール20の外周に接触している状態、言い換えれば、ランプ50が塗工領域に対向する状態(図4Eの状態)では消灯されて樹脂5を硬化させず、凹部21の樹脂5が塗工領域から離間しモールドロール20の外周を移動して成形領域に接触した状態、言い換えれば、ランプ50が成形領域に対向した状態で点灯されて凹部21内の樹脂を硬化させる。
【0077】
図4Gに示すように、図4Fの状態からさらにベースフィルム1が搬送されることで、剥離ロール26によってベースフィルム1(パターンフィルム3)がモールドロール20から剥離される。
【0078】
図4Hに示すように、図4Fの状態からπD分だけベースフィルム1が搬送されると、モールドロール20の外周のすべての凹部21に供給された樹脂5の硬化が完了し、ランプ50が消灯される。このようにして、硬化工程が完了する。この状態からさらにベースフィルム1が搬送されると、樹脂5が固着されたベースフィルム1の全域(つまり、成形領域の全域)がモールドロール20から剥離される(剥離工程)。以上の工程により、ベースフィルム1上にパターン2が成形される。
【0079】
硬化工程が完了して1サイクルのパターン成形が完了すると、再び供給回収工程が開始され、ベースフィルム1上に新たなパターン2が成形される。また、第3実施形態では、成形領域に硬化した樹脂5によるパターン2が形成され、塗工領域には未硬化の樹脂5が残存する。よって、硬化工程の後工程において、塗工領域と成形領域とを分けるようにベースフィルム1を切断することで、パターン2が成形されたパターンフィルム3が得られる。
【0080】
以上のような第3実施形態であっても、塗工ダイ232から吐出されベースフィルム1に塗工された塗工領域の樹脂5の一部がモールドロール20の凹部21に供給され、残りはベースフィルム1及び第1搬送機構10によってモールドロール20の外周から回収される。そして、ベースフィルム1の塗工領域からモールドロール20の凹部21に供給された樹脂5は、モールドロール20の回転によって、樹脂5が塗工される塗工領域から離間し、モールドロール20の外周を移動して、樹脂5が塗工されない成形領域に接触される。このようにして成形領域に接触した状態で樹脂5がベースフィルム1に固着されてパターン2が成形されるため、第1実施形態と同様の理由により、残膜を低減することができる。つまり、第1、第2、第3実施形態は、吐出部(塗工ダイ32、ディスペンサ132、塗工ダイ232)から吐出された樹脂5の一部がモールドロール20の凹部21に供給され、凹部21に供給されない残りの樹脂5がモールドロール20の外周から回収される構成と、予め凹部21に供給される樹脂5がモールドロール20の回転によりベースフィルム1のフィルム面に接触して硬化される構成と、を備える点において共通である。
【0081】
また、第3実施形態によれば、第1実施形態の供給フィルム31及び第2搬送機構40、第2実施形態の除去フィルム131といった装置を設けなくても、塗工ダイ232及びランプ50の作動を制御することで第1及び第2実施形態と同様に残膜を低減できるため、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
【0082】
別の観点からいうと、第3実施形態では、モールドロール20へ供給する樹脂5を保持する第1実施形態の供給フィルム31(保持部)の機能がベースフィルム1の一部である塗工領域によって発揮されるものである。また、第1搬送機構10が、第1実施形態における第2搬送機構40としても機能する。つまり、塗工領域にあるベースフィルム1と第1搬送機構10が、塗工ダイ232と共に第1実施形態における供給回収機構30としての機能も発揮する。よって、第3実施形態によれば、装置の小型化や低コスト化することができる。
【0083】
なお、塗工領域の長さは、上記の説明ではπDであったが、これに限定されず、πDより短いものであってもよい。先に形成される塗工領域と後に形成される塗工領域の間隔、つまり、成形領域の長さは、少なくとも塗工領域の長さ(本実施形態ではπD)分確保されていればよく、塗工領域の長さより長くてもよい。また、上述の説明では、パターンフィルム3の全体がモールドロール20から剥離される、つまり、1サイクル分のパターン成形が完了すると再び供給回収工程が開始されるとしたが、これに限定されない。例えば、パターンフィルム3の生産性を向上させるには、塗工領域の間隔(成形領域の長さ)を短くして、1サイクルのパターン成形が完了する前に、次のサイクルのパターン成形を開始すればよい。具体的には、塗工領域の間隔を塗工領域の長さと一致させることで、サイクルタイムを短縮することができる。上記の説明では、図4Cに示す状態で再び塗工ダイ232を作動させてベースフィルム1に樹脂5を塗工し、塗工領域の間隔をπDとすることでサイクルタイムを短縮することができる。
【0084】
また、第3実施形態では、塗工ダイ232は、ベースフィルム1とモールドロール20の接触部分から走行長さにして2πDだけ離れた位置でベースフィルム1に樹脂5を塗工するように構成される。しかしながら、塗工ダイ232の位置は、この構成に限定されるものではなく、塗工ダイ232による樹脂5の塗工が適切に制御できるものであれば、塗工ダイ232は任意の位置に設けてもよい。つまり、塗工ダイ232は、ベースフィルム1とモールドロール20の接触部分から2πD以上離れた位置に樹脂5を塗工するように設けられてもよいし、2πDよりも近い位置に樹脂5を塗工するように設けられてもよい。
【0085】
以下、各実施形態の作用効果について説明する。
【0086】
シート状の基材(ベースフィルム1)にパターン2を成形するパターン成形装置100は、基材を繰り出す繰出ロール11と基材を巻き取る巻取ロール12との間で基材を搬送する第1搬送機構10と、軸中心で回転しパターン2を構成する凹部21及び凸部22が外周に形成されるモールドロール20と、モールドロール20の外周の凹部21に樹脂5を供給する供給回収機構30と、凹部21に供給されてモールドロール20の回転に伴い基材に接触する樹脂5を硬化させ基材と一体化させる硬化手段(ランプ50)と、を備え、供給回収機構30は、シート状の保持部(供給フィルム31)と、保持部に樹脂5を吐出する吐出部(塗工ダイ32)と、保持部を搬送して、保持部に塗工された樹脂5の一部をモールドロール20の外周の凹部21に供給すると共にモールドロール20の凹部21に供給されない残りをモールドロール20の外周から回収する第2搬送機構40と、を有する。
【0087】
また、シート状の基材(ベースフィルム1)にパターン2を成形するパターン成形装置200は、基材を繰り出す繰出ロール11と基材を巻き取る巻取ロール12との間で基材を搬送する第1搬送機構10と、軸中心で回転しパターン2を構成する凹部21及び凸部22が外周に形成されるモールドロール20と、モールドロール20の外周の凹部21に樹脂5を供給する供給回収機構130と、凹部21に供給されてモールドロール20の回転に伴い基材に接触する樹脂5を硬化させ基材と一体化させる硬化手段(ランプ50)と、を備え、供給回収機構130は、モールドロール20の外周に樹脂5を吐出する吐出部(ディスペンサ132)と、モールドロール20の外周の凹部21に供給されない残りの樹脂5をモールドロール20の外周から回収する第2搬送機構40と、を有する。
【0088】
また、パターン成形装置100,200によるパターン成形方法は、パターン2を構成する凹部21及び凸部22が形成されたモールドロール20の外周に吐出部から吐出される樹脂5を供給し、凹部21に供給されない残りの樹脂5を回収する供給回収工程と、搬送される基材に対してモールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5をモールドロール20の回転に伴って順次接触させ、基材に接触した状態で樹脂5を硬化させて基材と一体化させる硬化工程と、を含む。
【0089】
これらの構成によれば、吐出部から吐出された樹脂5は、一部がモールドロール20の外周の凹部21に供給され、残りはモールドロール20の外周から回収される。このようにして凹部21内に供給された樹脂5が、基材に一体化される。よって、余分な樹脂5は回収し、必要な分だけ樹脂5を凹部21内に供給できるため、モールドロール20の外周の凸部22と基材との間での樹脂5が残存することを抑制することができる。したがって、基材上の残膜を低減することができる。
【0090】
また、パターン成形装置100では、供給回収機構30は、モールドロール20との間で保持部を挟むようにして保持部を支持する支持ロール33と、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させる進退装置34と、を有する。
【0091】
また、パターン成形装置200では、回収機構140は、シート状のフィルム部材(除去フィルム131)と、フィルム部材を搬送する第2搬送手段(第2搬送機構40)と、モールドロール20との間でフィルム部材を挟むようにしてフィルム部材を支持する支持ロール33と、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させる進退装置34と、を有する。
【0092】
これらの構成では、支持ロール33をモールドロール20に対して進退させることで、支持ロール33とモールドロール20との間の隙間を調整できる。これにより、供給回収機構30からモールドロール20の凹部21に供給される樹脂量を容易に最適な量に調整することができる。したがって、ベースフィルム1上の残膜をより一層低減することができる。
【0093】
また、パターン成形装置300は、基材を繰り出す繰出ロール11と基材を巻き取る巻取ロール12との間で基材を搬送する第1搬送機構10と、軸中心で回転しパターン2を構成する凹部21及び凸部22が外周に形成されるモールドロール20と、モールドロール20の外周の凹部21に供給される樹脂5を吐出する吐出部(塗工ダイ232)と、凹部21に供給されてモールドロール20の回転に伴い基材に接触する樹脂5を硬化させ基材と一体化させる硬化手段(ランプ50)と、吐出部及び硬化手段の作動を制御するコントローラ60と、を備え、吐出部は、基材の搬送方向に沿って所定の長さを有しモールドロール20の外周の凹部21に供給される樹脂5が塗工される塗工領域と、搬送方向において塗工領域の上流に設けられ樹脂5が塗工されずに基材が露出する成形領域と、が基材上に形成されるように作動が制御され、第1搬送機構10は、塗工領域の樹脂5をモールドロール20の外周に接触させ、樹脂5の一部をモールドロール20の凹部21に供給し、残りをモールドロール20の外周から回収するように構成され、硬化手段は、塗工領域からモールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5が成形領域に接触した状態で当該樹脂5を硬化させるように作動が制御される。
【0094】
また、パターン成形装置300によるパターン成形方法は、パターン2を構成する凹部21及び凸部22が形成されたモールドロール20の外周に吐出部から吐出される樹脂5を供給し、モールドロール20の外周の凹部21に供給されない残りの樹脂5をモールドロール20の外周から回収する供給回収工程と、搬送される基材に対してモールドロール20の外周の凹部21に供給された樹脂5をモールドロール20の回転に伴って順次接触させ、基材に接触した状態で樹脂5を硬化させて基材と一体化させる硬化工程と、を含み、供給回収工程では、基材の搬送方向に沿って所定の長さを有し樹脂5が塗工される塗工領域と、搬送方向において塗工領域の上流に設けられ樹脂5が塗工されずに基材が露出する成形領域と、を基材上に形成し、塗工領域の樹脂5をモールドロール20の外周に接触させ、樹脂5の一部をモールドロール20の外周の凹部21に供給し、残りをモールドロール20の外周から回収し、硬化工程では、塗工領域から供給された樹脂5を成形領域の基材に接触させた状態で硬化させる。
【0095】
また、パターン成形装置300によるパターン成形方法では、搬送される基材(ベースフィルム1)上に樹脂5を塗工して搬送方向に所定の長さを有する塗工領域を形成し、樹脂5を塗工せずに基材が露出する成形領域を搬送方向における塗工領域の上流に形成し、パターン2を構成する凹部21及び凸部22が外周に形成されたモールドロール20を軸中心で回転させる共に基材を搬送して、塗工領域の樹脂5をモールドロール20の外周に順次接触させて塗工領域の一部をモールドロール20の凹部21に供給し、凹部21に供給されない残りの樹脂5をモールドロール20の外周から回収し、モールドロール20を回転させて、塗工領域からモールドロール20の凹部21に供給された樹脂5を成形領域に順次接触させ、樹脂5を硬化させる硬化手段(ランプ50)によって、塗工領域の樹脂5がモールドロール20の外周に接触している状態では凹部21の樹脂5を硬化させず、モールドロール20の回転に伴って成形領域に接触した状態で凹部21の硬化性樹脂を硬化させる。
【0096】
これらの構成では、第1実施形態の供給フィルム31、第2実施形態の除去フィルム131、第2搬送機構40といった装置を設けなくても、塗工ダイ232及びランプ50の作動を制御することで残膜を低減できるため、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0098】
上記各実施形態では、樹脂5は紫外線硬化性樹脂であり、硬化手段は紫外線を照射可能なランプ50である。これに対し、上記各実施形態では、硬化性樹脂として、熱硬化性樹脂を利用してもよい。この場合には、パターン成形装置100,200,300には、硬化手段として硬化性樹脂を加熱するヒータを設ければよい。
【0099】
また、上記各実施形態では、ランプ50は、透光性を有するベースフィルム1を挟んでモールドロール20の外周に対向する位置に設けられる。これに対し、ベースフィルム1が透光性を有しない材質である場合には、透光性を有する材質(例えば、ガラス)でモールドロール20を形成し、ランプ50をモールドロール20の内部に設ければよい。この場合であっても、モールドロール20を透過してランプ50から樹脂5に紫外線が照射されるため、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0100】
100 パターン成形装置
200 パターン成形装置
300 パターン成形装置
1 ベースフィルム(基材)
2 パターン
5 硬化性樹脂
10 搬送機構(第1搬送手段、搬送手段)
11 繰出ロール
12 巻取ロール
20 モールドロール
21 凹部
26 剥離ロール(剥離手段)
30 供給回収機構(供給回収手段)
31 供給フィルム(保持部)
32 塗工ダイ(吐出部)
33 支持ロール
34 進退装置
40 第2搬送機構(第2搬送手段)
50 ランプ(硬化手段)
60 コントローラ
130 供給回収機構(供給回収手段)
131 除去フィルム(フィルム部材)
132 ディスペンサ(吐出部)
140 回収機構(回収手段)
232 塗工ダイ(吐出部)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H