(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】外科システムと共に用いられる灌注スリーブ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
A61B17/32 510
(21)【出願番号】P 2020503281
(86)(22)【出願日】2018-02-05
(86)【国際出願番号】 US2018016840
(87)【国際公開番号】W WO2019022791
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-01-28
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514318275
【氏名又は名称】ストライカー・ユーロピアン・ホールディングス・I,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】カッシェン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】タイナン,フィンタン
(72)【発明者】
【氏名】ワレン,ジェイムズ・ジー
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202005018372(DE,U1)
【文献】米国特許第5709698(US,A)
【文献】特表2003-520078(JP,A)
【文献】米国特許第6030356(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276832(US,A1)
【文献】特表2007-521916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科システム(40)と共に用いられる灌注スリーブ(78)であって、前記外科システム(40)は、灌注源(68)と、チューブ遠位端(62)に延在するチューブ(60)を有する回転器具(50)
であって、前記チューブが前記回転器具(50)の外面を形成する、回転器具(50)と、ヘッド(64)及び前記ヘッド(64)から延在するシャンク(66)を有して前記回転器具(50)の前記チューブ(60)によって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリ(52)と、を備える、灌注スリーブ(78)において、
スリーブ近位端(86P)とスリーブ遠位端(86S)との間に延在する
廃棄可能なスリーブ本体(86)と、
前記回転器具(50)
の前記外面上の前記チューブ(60)の少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体(86)内に形成され、テーパ付き輪郭を有する第1の管腔(88)であって、前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)が、
前記スリーブ遠位端(
86S)に隣接して配置されている、第1の管腔(88)と、
前記スリーブ本体(86)内に前記第1の管腔(88)から離間して形成された第2の管腔(90)であって、前記第2の管腔(90)は、近位側管腔領域(92)及び遠位側管腔領域(94)を備え、前記近位側管腔領域(92)は、前記灌注源(68)に流体連通するように適合された管腔入口(96)から管腔移行部(98)に延在し
且つ前記スリーブ本体(86)の前記スリーブ近位端(86P)に隣接して配置され、前記遠位側管腔領域(94)は、前記管腔移行部(98)から流体を前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)に隣接して導くように配置された管腔出口(100)に延在し、前記近位側管腔領域(92)は、前記管腔移行部(98)における断面において前記遠位側管腔領域(94)よりも大きい断面積を有する、第2の管腔(90)と、
を備え、
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、前記第1の管腔(88)と流体連通しないように離間しており、
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有する、灌注スリーブ(78)。
【請求項2】
前記第1の管腔(88)は、略円筒状輪郭を有する、請求項1に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項3】
前記第1の管腔(88)は、閉じた周囲を有する、請求項1-2のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項4】
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、請求項1-3のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項5】
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、略円筒状輪郭を有する、請求項1-4のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項6】
前記管腔出口(100)は、前記管腔移行部(98)と前記スリーブ遠位端(86S)との間に配置されている、請求項1-5のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項7】
前記管腔出口(100)は、前記スリーブ遠位端(86S)に配置されている、請求項1-5のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項8】
前記管腔移行部(98)は、移行面(102)を画定し、
前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行面(102)に画定された移行部入口(104)を備え、前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行部入口(104)と前記管腔出口(100)との間に流体連通して延在している、
請求項1-7のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項9】
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭によって少なくとも部分的に画定された外周を有する、
請求項8に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項10】
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、第1の管腔コーナ面(114)及び第2の管腔コーナ面(116)を備える輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記第1の管腔コーナ面(114)と略一致する第1の移行部コーナ面(122)を備える輪郭を有する、
請求項8-9のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項11】
前記移行面(102)は、前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致する第2の移行部コーナ面(124)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記第1の移行部コーナ面(122)と前記第2の移行部コーナ面(124)との間に配置されている、
請求項10に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項12】
前記移行面(102)は、前記移行部入口(104)によって画定された入口コーナ面(126)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記移行面(102)の前記入口コーナ面(126)と略一致し且つ前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致するように、配置されている、
請求項10-11のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項13】
前記移行面(102)は、略平面状である、請求項8-12のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項14】
前記移行部入口(104)は、略円筒状輪郭を有する、請求項8-13のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項15】
第1の距離(128)が、前記管腔出口(100)と前記管腔移行部(98)との間に画定され、
前記第1の距離(128)よりも大きい第2の距離(130)が、前記管腔移行部(98)と前記管腔入口(96)との間に画定されている、
請求項1-14のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項16】
前記第1の管腔(88)の方向は、第1の管腔路(108)の方向に略整合され、
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の方向は、前記第1の管腔路(108)から離間した第2の管腔路(110)の方向に略整合されている、
請求項1-15のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項17】
前記第1の管腔路(108)は、直線状である、請求項16に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項18】
前記第2の管腔路(110)は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間されている、請求項16-17のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項19】
前記第2の管腔路(110)は、直線状である、請求項16-18のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項20】
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)の方向は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間した第3の管腔路(112)の方向に略整合されている、
請求項16-18のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項21】
前記第3の管腔路(112)は、直線状である、請求項20に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項22】
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)から半径方向に離間されている、請求項20-21のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項23】
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)と略一致している、請求項20-22のいずれか1つの記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項24】
外科システム(40)と共に用いられる灌注スリーブ(78)であって、前記外科システム(40)は、灌注源(68)と、チューブ遠位端(62)に延在するチューブ(60)を有する回転器具(50)と、ヘッド(64)及び前記ヘッド(64)から延在するシャンク(66)を有して前記回転器具(50)の前記チューブ(60)によって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリ(52)と、を備える、灌注スリーブ(78)において、
スリーブ近位端(86P)とスリーブ遠位端(86S)との間に延在するスリーブ本体(86)と、
前記回転器具(50)の前記チューブ(60)の少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体(86)内に形成され、テーパ付き輪郭を有する第1の管腔(88)であって、前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)が、スリーブ遠位端(76S)に隣接して配置されている、第1の管腔(88)と、
前記スリーブ本体(86)内に前記第1の管腔(88)から離間して形成された第2の管腔(90)であって、前記第2の管腔(90)は、近位側管腔領域(92)及び遠位側管腔領域(94)を備え、前記近位側管腔領域(92)は、前記灌注源(68)に流体連通するように適合された管腔入口(96)から管腔移行部(98)に延在し、前記遠位側管腔領域(94)は、前記管腔移行部(98)から流体を前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)に隣接して導くように配置された管腔出口(100)に延在し、前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有し、前記遠位側管腔領域(94)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、第2の管腔(90)と、
を備える灌注スリーブ(78)。
【請求項25】
前記第1の管腔(88)は、略円筒状輪郭を有する、請求項24に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項26】
前記第1の管腔(88)は、閉じた周囲を有する、請求項24-25のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項27】
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、略円筒状輪郭を有する、請求項24-26のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項28】
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、前記管腔移行部(98)における断面において前記遠位側管腔領域(94)よりも大きい断面積を有する、請求項24-27のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項29】
前記管腔出口(100)は、前記管腔移行部(98)と前記スリーブ遠位端(86S)との間に配置されている、請求項24-28のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項30】
前記管腔出口(100)は、前記スリーブ遠位端(86S)に配置されている、請求項24-28のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項31】
前記管腔移行部(98)は、移行面(102)を画定し、
前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行面(102)に画定された移行部入口(104)を備え、前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行部入口(104)と前記管腔出口(100)との間に流体連通して延在している、
請求項24-30のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項32】
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭によって少なくとも部分的に画定された外周を有する、請求項31に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項33】
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、第1の管腔コーナ面(114)及び第2の管腔コーナ面(116)を備える輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記第1の管腔コーナ面(114)と略一致する第1の移行部コーナ面(122)を備える輪郭を有する、
請求項31-32のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項34】
前記移行面(102)は、前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致する第2の移行部コーナ面(124)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記第1の移行部コーナ面(122)と前記第2の移行部コーナ面(124)との間に配置されている、
請求項33に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項35】
前記移行面(102)は、前記移行部入口(104)によって画定された入口コーナ面(126)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記移行面(102)の前記入口コーナ面(126)と略一致し且つ前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致するように、配置されている、
請求項33-34のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項36】
前記移行面(102)は、略平面状である、請求項31-35のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項37】
前記移行部入口(104)は、略円筒状の輪郭を有する、請求項31-36のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項38】
第1の距離(128)が、前記管腔出口(100)と前記管腔移行部(98)との間に画定され、
前記第1の距離(128)よりも大きい第2の距離(130)が、前記管腔移行部(98)と前記管腔入口(96)との間に画定されている、
請求項24-37のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項39】
前記第1の管腔(88)の方向は、第1の管腔路(108)の方向に略整合され、
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の方向は、前記第1の管腔路(108)から離間した第2の管腔路(110)の方向に略整合されている、
請求項24-38のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項40】
前記第1の管腔路(108)は、直線状である、請求項39に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項41】
前記第2の管腔路(110)は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間されている、請求項39-40のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項42】
前記第2の管腔路(110)は、直線状である、請求項39-41のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項43】
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)の方向は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間した第3の管腔路(112)の方向に略整合されている、請求項40-42のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項44】
前記第3の管腔路(112)は、直線状である、請求項43に記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項45】
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)から半径方向に離間されている、請求項43-44のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
【請求項46】
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)と略一致している、請求項43-45のいずれか1つの記載の灌注スリーブ(78)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/536,733号の優先権及び利得の全てを主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0002】
[技術分野]
ここに記載される開示内容は、概して、外科システムに関し、更に詳細には、外科システムと共に用いられる灌注スリーブに関する。また、この開示内容は、外科システムと共に用いられる灌注スリーブを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の医療処置では、局部的な外科部位にアプローチし、該外科部位を観察し、処理し、又は治療を行う医療専門家を支援するために、外科工具が日常的に用いられている。いくつかの適用例、例えば、高速ドリル、回転バー、開窓式シェーバ、等が用いられる適用例では、外科部位に熱及び破片の蓄積が必然的に生じる。そのために、外科システムは、一般的に柔軟ラインを介して灌注器に接続される灌注源を備える灌注システムを用いる。灌注器は、通常、外科工具と同時に運動するための外科工具への取付けを容易にするために、1つ又は複数のクリップ又は固定具を用いる。また、灌注システムは、典型的には、使用中に灌注器から外科部位に向かう流体の流れを制御するために、ユーザー入力装置を用いる。
【0004】
従来の灌注システムは、使用中に灌注器の外に滴をしたたらせるドリッピングをもたらす傾向にある。このドリッピングによって、流体が回転切断器具上に溜まり、その結果、外科部位にスプラッシング(滴の跳ね返り)が生じることになる。この場合、外科処置中に使用されている内視鏡に滴の飛沫が掛かる傾向にある。内視鏡へのこのような滴の跳ね返りが生じると、外科部位に対する医療専門家の視界を妨げることを理解されたい。
【0005】
前述のスプラッシングを軽減するために、いくつかのシステムは、灌注器の近くに位置する追加的な弁又はユーザー入力制御器を備えることがある。しかし、これらの外科システムは、高価であり、清浄化及び/又は無菌化を保つのが困難であり、医学的又は外科的処置の準備且つ実施を複雑にする傾向にある。他の外科システムは、灌注器を外科工具から更に離れて配置することによって、例えば、灌注器を切断アクセサリの回転軸から離れる方に移動させることによって、スプラッシングを軽減させるように試みている。しかし、この構成は、外科工具の取扱い上の大きさを増大させ、より大きい外科部位を露出させる必要がある。これは、望ましいことではなく、いくつかの医学的及び外科的処置、例えば、最小侵襲性手術と関連して用いられるような医学的及び外科的処置と相反することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当業界では、前述の欠点を解消する外科用灌注システムであって、医学的及び外科的処置に広く用いられる種々の形式の外科工具と関連して用いることができ、有用性、機能性、及び製造コストの実質的なバランスに優れ、同時に使用中に一貫した高信頼性の灌注をもたらすことができる、外科用灌注システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、外科システムと共に用いられる灌注スリーブであって、外科システムは、灌注源と、チューブ遠位端に延在するチューブを有する回転器具と、ヘッド及びヘッドから延在するシャンクを有して回転器具のチューブによって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリと、を備える、灌注スリーブを提供する。灌注スリーブは、スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体を備えている。第1の管腔が、回転器具のチューブの少なくとも一部を受け入れるためにスリーブ本体内に形成されている。切断アクセサリのヘッドが、スリーブ遠位端に隣接して配置されている。第1の管腔から離間した第2の管腔が、スリーブ本体内に形成されている。第2の管腔は、近位側管腔領域及び遠位側管腔領域を備えている。近位側管腔領域は、灌注源に流体連通するように適合された管腔入口から管腔移行部に延在している。遠位側管腔領域は、管腔移行部から流体を切断アクセサリのヘッドに隣接して導くように配置された管腔出口に延在している。近位側管腔領域は、管腔移行部における断面において遠位側管腔領域よりも大きい断面積を有している。第2の管腔の遠位側管腔領域は、前記第1の管腔と流体連通しないように離間している。
【0008】
本開示は、外科システムと共に用いられる灌注スリーブであって、外科システムは、灌注源と、チューブ遠位端に延在するチューブを有する回転器具と、ヘッド及びヘッドから延在するシャンクを有して回転器具のチューブによって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリと、を備える、灌注スリーブも提供する。灌注スリーブは、スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体を備えている。第1の管腔が、
回転器具のチューブの少なくとも一部を受け入れるためにスリーブ本体内に形成されている。切断アクセサリのヘッドが、スリーブ遠位端に隣接して配置されている。第1の管腔から離間した第2の管腔が、スリーブ本体内に形成されている。第2の管腔は、近位側管腔領域及び遠位側管腔領域を備えている。近位側管腔領域は、灌注源に流体連通するように適合された管腔入口から管腔移行部に延在している。遠位側管腔領域は、管腔移行部から流体を切断アクセサリのヘッドに隣接して導くように配置された管腔出口に延在している。近位側管腔領域は、略三日月状輪郭を有し、遠位側管腔領域は、近位側管腔領域の三日月状輪郭と異なる輪郭を有している。
【0009】
本開示は、灌注スリーブを製造する方法も提供する。この方法は、スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体を形成するステップであって、スリーブ本体は、第1の管腔及び第1の管腔から離間した第2の管腔を有し、第2の管腔は、三日月状輪郭を有する、ステップを含んでいる。この方向は、スリーブ遠位端においてシャフトを第2の管腔内に配置し、スリーブ本体のスリーブ遠位端に隣接する部分をシャフトの周りに再形成し、第2の管腔をシャフトによって画定された円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域と三日月状輪郭を有する近位側管腔領域とに分化させるステップを更に含んでいる。
【0010】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を読むことによってよく理解されたなら、容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】コンソール、灌注源、及び切断アクセサリを有する回転器具を備える外科システムを、回転器具に連結されて灌注源に流体連通して配置された一実施形態による灌注スリーブアセンブリと共に示す概略図である。
【
図2】灌注スリーブアセンブリの灌注出口から流出した流体の噴流が切断アクセサリの近くを通り且つそこを超えて例示的な外科部位に向かって投射される状態を示す、
図1の回転器具、切断アクセサリ、及び灌注スリーブアセンブリの部分的右側面図である。
【
図3】流体の噴流が切断アクセサリの近くを通り且つそこを超えて椎骨から成る例示的な外科部位に向かって投射される状態を示す、
図2の回転器具、切断アクセサリ、及び灌注スリーブアセンブリの部分的斜視図である。
【
図4】
図1-3の回転器具、切断アクセサリ、及び灌注スリーブアセンブリの斜視図である。
【
図5】
図4の回転器具、切断アクセサリ、及び灌注スリーブアセンブリの分解斜視図である。
【
図6】
図4に示される回転器具、切断アクセサリ、及び灌注スリーブアセンブリを長手方向に切断した部分破断断面図である。
【
図7】
図1-6に示される灌注スリーブアセンブリの灌注スリーブの一実施形態の斜視図である。
【
図8】遠位側管腔領域及び近位側管腔領域を備える(仮想線で示される)第2の管腔が第1の管腔から離間されている状態を示す、第1の管腔及び第2の管腔を備える
図7の灌注スリーブの拡大部分斜視図である。
【
図10】
図9の線10-10に沿ったスライス断面図である。
【
図11】
図9の線11-11に沿ったスライス断面図である。
【
図12】
図9の線12-12に沿ったスライス断面図である。
【
図13】
図9の線11-11に沿った断面図である。
【
図15】
図15Aは、シャフトから離間された第1のマンドレルを備える第1のマンドレルアセンブリの部分的分解斜視図である。
図15Bは、第2のマンドレルアセンブリの斜視図である。
【
図16A】三日月状輪郭を有する第2の管腔を仮想線で示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図16B】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図16C】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示し、テーパ輪郭を有するスリーブ本体のスリーブ遠位端を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図16D】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示し、遠位側管腔領域と流体連通する管腔出口を画定するために面取り切断されたテーパ輪郭を有するスリーブ本体のスリーブ遠位端を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図17】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示し、遠位側管腔領域と流体連通する管腔出口を画定するために薄切りされたテーパ輪郭を有するスリーブ本体のスリーブ遠位端を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図18】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示し、遠位側管腔領域と流体連通する管腔出口を画定するために穿孔されたテーパ輪郭を有するスリーブ本体のスリーブ遠位端を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図19】三日月状輪郭を有する近位側管腔領域及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示し、遠位側管腔領域と流体連通するようにスリーブ遠位端に配置された管腔出口を画定するために横断された略平坦な輪郭を有するスリーブ本体のスリーブ遠位端を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分斜視図である。
【
図20A】
図15Aの第1のマンドレルアセンブリの第1のマンドレルを長手方向に切断した拡大部分断面図である。
【
図20B】
図16Aに示されるスリーブ本体のスリーブ遠位端を支持する
図20Aの第1のマンドレルアセンブリの他の拡大部分断面図である。
【
図20C】
図15Aのシャフトが第1のマンドレルアセンブリの挿入ガイドを通って
図16Aに示されるスリーブ本体の第2の管腔内に配置された状態を示す、
図20Bの第1のマンドレルアセンブリ及びスリーブ本体の他の拡大部分断面図である。
【
図20D】第2のマンドレルアセンブリが
図16Bに示されるスリーブ本体のスリーブ遠位端を支持している状態を示す、
図15Bの第2のマンドレルアセンブリを長手方向に沿って切断した拡大部分断面図である。
【
図20E】第2のマンドレルアセンブリが
図16Cに示されるスリーブ本体のスリーブ遠位端を支持している状態を示す、
図20Dの第2のマンドレルアセンブリの他の拡大部分断面図である。
【
図20F】
図16Dに示されるスリーブ本体のスリーブ遠位端の拡大部分断面図である。
【
図21】外科システムの灌注スリーブアセンブリの灌注スリーブの他の実施形態の斜視図である。
【
図22】遠位側管腔領域及び近位側管腔領域を備える(仮想線で示される)第2の管腔が第1の管腔から離間されている状態を示す、第1の管腔及び第2の管腔を備える
図21の灌注スリーブの拡大部分斜視図である。
【
図24】
図23の線24-24に沿ったスライス断面図である。
【
図25】
図23の線25-25に沿ったスライス断面図である。
【
図26】
図23の線26-26に沿ったスライス断面図である。
【
図29】第1のマンドレル本体が軸を中心として回転可能に支持されている状態を示す、第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体を第2の管腔を遠位側管腔領域及び近位側管腔領域に分化させるように再形成するために用いられる製造システムの概略図である。
【
図30A】
図29の製造システムの第1のマンドレル本体の拡大部分斜視図である。
【
図30B】第1及び第2の管腔を備えるスリーブ本体とスリーブ本体の第1の管腔内に延在する第1のマンドレル本体を更に示し、三日月状輪郭を有する第2の管腔を仮想線で示す、
図30Aに示される第1のマンドレル本体の他の拡大部分斜視図である。
【
図30C】シャフトがスリーブ本体の第2の管腔内に配置された状態を示す、
図30Bに示される第1のマンドレル本体及びスリーブ本体の他の拡大部分斜視図である。
【
図30D】スリーブ本体のスリーブ遠位端に隣接する一部の周りに配置された熱収縮チューブを更に示す、
図30Cに示される第1のマンドレル本体、スリーブ本体、及びシャフトの他の拡大部分斜視図である。
【
図30E】軸を中心として回転し、局部熱を受けている状態を示す、
図30Dに示される第1のマンドレル本体、スリーブ本体、シャフト、及び熱収縮チューブの他の拡大部分斜視図である。
【
図30F】熱収縮チューブが局部熱の印可に応じてスリーブ部材の周りに部分的に収縮した状態を示す、
図30D-30Eに示される第1のマンドレル本体、スリーブ本体、シャフト、及び熱収縮チューブの他の拡大部分斜視図である。
【
図30G】三日月状輪郭を有する管腔廃棄領域、三日月状輪郭を有する近位側管腔領域、及び円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域を有する第2の管腔を仮想線で示す、
図30Fの第1のマンドレル本体、スリーブ本体、及び熱収縮チューブの拡大部分斜視図である。
【
図30H】三日月状管腔廃棄領域と三日月状近位側管腔領域との間に配置された円筒状遠位側管腔領域を示す、
図30Gのスリーブ本体の拡大部分斜視図である。
【
図30I】遠位側管腔領域と流体連通するようにスリーブ遠位端に配置される管腔出口を画定するために円筒状遠位側管腔領域に沿って横方向切断されたスリーブ本体の断面によって画定された略平坦な輪郭を有するスリーブ遠位端を示す、
図30Hのスリーブ本体の他の拡大部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照すると、
図1において、外科システムが40で示されている。なお、いくつかの図を通して、同様の番号は、同様の部品を指すものとする。外科システム40は、概して、灌注システム42及び外科工具44を備えている。以下、これらの各々について詳細に説明する。灌注システム42及び外科工具44の両方をフットスイッチ48を介して制御するために、コンソール46が用いられる。しかし、以下の記載から明らかなように、灌注システム42及び外科工具44のいずれも、多くの異なる方法によって構成され及び/又は制御されてもよい。非制限的な例によれば、外科工具44及び灌注システム42は、例えば、個別的なコンソール又は入力装置によって独立して制御されてもよい。
【0013】
以下、
図1-3を参照すると、これらの図に示される代表的な実施形態では、外科工具44は、回転器具50として具体化されている。回転器具50は、52で総称的に示される切断アクセサリを駆動するものである。ここでは、切断アクセサリ52は、外科部位STにアプローチし及び/又は該外科部位STを(組織、骨、等を除去することによって)処理する医療専門家を支援するように適合されている。この目的を達成するために、切断アクセサリ52は、図面の全体を通してバーとして描かれている。しかし、当業者であれば、切断アクセサリ52は、多くの異なる形式又は構成のものであってもよいことを理解するだろう。非制限的な例によれば、切断アクセサリ52は、ドリル、シェーバ、等であってもよい。更に、本明細書に示される代表的な外科工具44は、回転器具50として具体化されているが、当業者であれば、外科工具44は、(以下に更に詳細に説明する灌注システム42と協働するのに十分な任意の適切な方法によって制御される任意の数の構成要素を備える)多くの異なる形態の工具として、例えば、制限されないが、内視鏡、往復工具等として構成されてもよいことを理解するだろう。
【0014】
回転器具50は、一般的に、(
図1に概略的に示される)連結具56及びモータ58を支持するハウジング54を備えている。モータ58が回転トルクを生じ、回転トルクが連結具56に伝達される。連結具56は、切断アクセサリ52を離脱可能に固定するように構成されており、これによって、切断アクサセリ52がモータ58と同時に回転する。回転器具50は、60で総称的に示されるチューブを更に備えている。チューブ60は、ハウジング54からチューブ遠位端62に延在している。一方、切断アクセサリ52は、ヘッド64及びヘッド64から延在するシャンク66を備えている。シャンク66は、回転器具50のチューブ60によって回転可能に支持されるように適合され、(詳細に示されない)連結具56を介して回転器具50に軸方向に固定されている。本明細書に示される例示的な切断アクセサリ52では、ヘッド64は、バーとして具体化されているが、前述したように、どのような適切な形式又は構成のものであってもよい。
【0015】
本明細書に示される例示的な回転器具50では、モータ58は、コンソール46に対する有線接続によって動力供給され、コンソール46に同じように電気接続されたフットスイッチ48を介して制御される。しかし、当業者であれば、回転器具50は、コンソール46によって制御されるモータ58が有線接続されるか否かに関わらず、多くの異なる形態に構成されてもよいことを理解するだろう。非制限的な例によれば、回転器具50は、空圧によって動力供給されてもよいし、又はコンソール内に配置されたモータによって駆動されてもよい。同様に、フットスイッチ48は、コンソール46を介してモータ58の制御を行うために用いられるようになっているが、他の形式のユーザー入力も考えられる。例えば、モータ58の回転を制御するボタン、スイッチ、等が回転器具50のハウジング54に動作可能に取り付けられてもよいし、又はコンソール46がフットスイッチ48を介することなくモータ58の回転を制御してもよい。
【0016】
当業者であれば、高速ドリル、回転バー、開窓式シェーバ、等の使用によって、外科部位STにおける破片の蓄積が必然的に生じることを理解するだろう。ここでは、外科システム40は、灌注システム42を用いて、流体を外科部位STの方に導き、破片を遊離、浮遊、及び/又は移動させ、その後、破片を(例えば、吸引によって)取り除くようになっている。また、灌注システム42は、処置中に、内視鏡上の破片を清浄化し、切断アクセサリを冷却し、切断アクセサリ上への破片の蓄積を阻止する、等によって、外科工具44の適切な操作を確実なものとするために、用いられてもよい。
【0017】
外科システム40の灌注システム42は、流体を灌注源68から外科部位STの方に導くように構成されている。
図1において、灌注源68は、流体貯蔵器70を備えている。流体貯蔵器70は、モータ駆動されるポンプカセット72と流体連通する生理食塩液のバッグとして具体化されている。ポンプカセット72は、ライン74と流体連通して配置されている。ここでは、コンソール46に動作可能に取り付られたポンプカセット72は、フットスイッチ48によって制御され、流体を流体貯蔵器70からライン74に導くように構成されている。ライン74は、76で総称的に示される灌注スリーブアセンブリに離脱可能に取り付られるように適合されている。灌注スリーブアセンブリ76は、
図2-3に基づき以下に更に詳細に説明するように、流体を外科部位STに向かって導くものである。
【0018】
従来式の灌注システム42は、多くの異なる形式の外科工具44と関連して用いることができることを理解されたい。従って、灌注システム42は、一般的に、流速又はポンプ速度に関して調整可能である。すなわち、医学的又は外科的処置の種類、用いられる外科工具44の特定の構成、及び/又は医療専門家の好みに応じて、灌注システム42は、(例えば、ポンプ速度を選択することによって)流体を特定の調整可能な流速で供給するように構成されているとよい。当業者であれば、灌注システム42は、多くの異なる方法によって構成され及び/又は制御されてもよいことを理解するだろう。具体的には、灌注システム42は、前述したように、個別のコンソールによって制御されてもよい。更に、ポンプカセット72は、有利には、コンソール46を介して電動モータによって駆動されるが、ここでは、灌注源68の他の構成も考えられる。例えば、流体貯蔵器70から灌注スリーブアセンブリ76への流体の移送は、手動ポンプによって行われてもよい。更に、灌注システム42及び/又は外科工具44は、医学的及び/又は外科的処置と関連して利用される吸引システム又は他のシステム、工具等と一体になっていてもよく、又は協働して用いられてもよいことを理解されたい。
【0019】
図1及び
図4-6を参照すると、図示される灌注スリーブアセンブリ76は、灌注スリーブ78、送液チューブ80、コネクタ82、及び接着部材84を備えている。以下の説明から明らかなように、灌注スリーブアセンブリ76は、種々の形式の外科工具44、灌注システム42、外科システム40、等に適応可能であり、廃棄可能な一回使用製品として構成されてもよいし、洗浄可能及び/又は滅菌可能な多数回使用製品として構成されてもよい。
【0020】
以下に更に詳細に述べるように、灌注スリーブ78は、回転器具50のチューブ60に連結されるように適合され、いくつかの構成では、流体噴流FJを切断アクセサリ52のヘッド64の近くを通って且つそこを超えて外科部位STの方に投射するように構成されている(
図2-3参照)。この目的を達成するために、送液チューブ80は、コネクタ82と灌注スリーブ78との間に流体連通するように介設され、コネクタ82は、前述の灌注システム42のライン74に取り付けられるように適合されている。従って、ポンプカセット72によって移送される流体は、灌注源68からライン74及び送液チューブ80を通って灌注スリーブ78に流れ、灌注スリーブ78が、前述したように、及び以下に更に詳細に説明するように、流体噴流FJを投射する。
【0021】
送液チューブ80は、多くの異なる方法によって、例えば、紫外線接合、接着、逆目接続、等によって、灌注スリーブ78及びコネクタ82に連結可能であることを理解されたい。コネクタ82は、前述したライン74に離脱可能に取り付けられるように適合されているが、他の構成も考えられる。例えば、送液チューブ80は、種々の長さを有し、灌注源68、ポンプカセット72、弁接続部、等に直接に取り付けられるように適合されていてもよい。接着部材84は、送液チューブ80に連結され、使用中に送液チューブ80を回転器具50のハウジング54に固定するように構成されている(
図5参照;但し、接着は、詳細に示されていない)。更に、灌注スリーブアセンブリ76は、本開示に適応する種々の様式、長さ、構成等を有する灌注スリーブ78を用いるとよいことを理解されたい。非制限的な例によれば、
図1-14に示される灌注スリーブ78の実施形態は、概して「テーパ付き(tapered)」の遠位輪郭を有し、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態は、概して「平坦(flat)」な遠位輪郭を有している。図示の実施形態間の具体的な違いについては、以下に更に詳細に説明する。
【0022】
以下、
図1-14及び
図21-28を参照すると、灌注スリーブ78の図示される実施形態は、前述したように、回転器具50のチューブ60に連結されるように適合されている(
図4-6参照)。この目的を達成するために、一実施形態では、灌注スリーブ78は、スリーブ近位端86Pとスリーブ遠位端86Sとの間に延在するスリーブ本体86を備えている。回転器具50のチューブ60を受け入れるための第1の管腔88がスリーブ本体86に形成され、これによって、切断アクセサリ52のヘッド64は、スリーブ遠位端86Sに隣接して配置される(
図2、3、6参照)。以下の説明から明らかなように、灌注スリーブ78は、最初、回転器具50のチューブの周りに配置され、次いで、切断アクセサリ52が回転器具50に固定される。第1の管腔88から離間した第2の管腔90も、スリーブ本体86に形成されている。第2の管腔90は、第1の管腔88と第2の管腔90との間に流体連通が生じないように、第1の管腔88から隔離されている。灌注スリーブ78の図示の実施形態は、第1の管腔88及び第2の管腔90が形成される単一の一体スリーブ本体86を用いている。
【0023】
図6,8,22を参照すると、スリーブ本体86の第2の管腔90は、近位側管腔領域92及び遠位側管腔領域94を備えている。以下に更に詳細に説明するように、遠位側管腔領域94は、流体FJが多くの異なる操作条件下において一貫した高信頼性の投射を可能とするために、近位側管腔領域92とは異なって構成されている。いくつかの構成では、遠位側管腔領域94は、切断アクセサリのシャンク66から離れる方への流体噴流FJの投射を助長するようになっている。いくつかの構成では、遠位側管腔領域94は、切断アクセサリ52のシャンク66と実質的に平行となる流体噴流FJの投射を助長するようになっている。
【0024】
図6,8,22を更に参照すると、近位側管腔領域92は、管腔入口96(
図6参照)から管腔移行部98に延在している。管腔入口96は、送液チューブ80及びライン74を介して灌注源68に流体連通するように適合されている(
図1参照)。遠位側管腔領域94は、管腔移行部98から管腔出口100に延在している。管腔出口100は、以下に更に詳細に説明するように、流体を切断アクセサリ52のヘッド64の近くに導くように配置されている。いくつかの構成では、管腔移行部98は、移行面102を画定し(
図13-14及び
図27-28も参照)、遠位側管腔領域94は、管腔出口100と移行面102との間に流体連通をもたらすように延在している。この目的を達成するために、
図8,22に最もよく示されるように、遠位側管腔領域94は、移行面102に画定された移行部入口104を備えている。従って、遠位側管腔領域94は、移行部入口104と管腔出口100との間に流体連通をもたらすように延在している。第1の管腔88、第2の管腔90、近位側管腔領域92、遠位側管腔領域94、管腔入口90、管腔移行部98、管腔出口100、移行面102、及び移行部入口90の各々については、以下更に詳細に説明する。
【0025】
灌注スリーブ78は、使用中に回転器具50の視認性を促進するために透明材料又は半透明材料から作製されているとよい。一構成例では、灌注スリーブ78は、灌注スリーブ78が回転器具50のチューブ60の形状に適合するのを助長するために、弾性的、追従的、又は拡張可能な材料、例えば、軟質プラスチック又はゴムから作製されている。この目的を達成するために、第1の管腔88は、有利には、回転器具50のチューブ60の周りに密に嵌合するように形作られ、且つ寸法決めされている。ここでは、第1の管腔88の内面は、灌注スリーブ78と回転器具50のチューブ60との間の偶発的な移動を阻止するために、滑り止め皮膜又は高摩擦係数皮膜(例えば、共押出しされた粘着性のある熱可塑性エラストマーの皮膜)を備えているとよい。逆に、灌注スリーブ78の外面は、灌注スリーブ78を外科部位STの方に移動させるのを助長するために、滑らかな皮膜(例えば、ポリテトラフルオロエチレンの皮膜)を備えているとよく、又は水溶性潤滑剤によって被覆されているとよい。一構成例では、灌注スリーブ78は、滅菌材料から作製されている。しかし、当業者であれば、灌注スリーブ78がどのような材料又はその組み合わせから作製されてもよいことを理解するだろう。
【0026】
前述したように、灌注スリーブ78の管腔入口96は、灌注源68と流体連通するように適合されている。この目的を達成するために、
図6に示されるように、管腔入口96は、スリーブ本体86のスリーブ近位端86Pに隣接して配置され、送液チューブ80に連結されている。ここでは、灌注スリーブ78は、106で総称的に示されるチューブ受容器を備えている。チューブ受容器106は、送液チューブ80と第2の管腔90の遠位側管腔領域94との間の流体連通を容易にするために、送液チューブ80の一部分を受け入れるように形作られている。図面の全体を通して示される灌注スリーブ78において、チューブ受容器106は、例えば、第2の管腔90の近位側管腔領域92の(スリーブ本体86の近位側スリーブ端86Pに隣接する)部分を拡げることによって、スリーブ本体86に一体に形成されている(
図9-12及び
図23-26参照)。しかし、当業者であれば、管腔入口96は、灌注源68と灌注スリーブ78の第2の管腔90との間の流体連通を容易にするのに十分などのような適切な方法によって形成されてもよいことを理解するだろう。更に、ここに示される灌注スリーブ78は、単一の近位側管腔領域92及び単一の遠位側管腔領域94を有する単一の第2の管腔90を備えているが、多数の近位側管腔領域92が単一の遠位側管腔領域94と接続するように配置されてもよいことを理解されたい。同様に、単一の近位側管腔領域92が多数の遠位側管腔領域94と連通するように配置されてもよい。更に、多数の第2の管腔90が利用されてもよことを理解されたい。
【0027】
図9-14及び
図23-28を参照すると、第1の管腔88の方向は、第1の管腔路108の方向に略整合され(
図10-13及び
図24-27参照)、第2の管腔90の近位側管腔領域92の方向は、第1の管腔路108から離間した第2の管腔路92の方向に略整合されている(
図11、25参照)。これらの図に示される灌注スリーブ78の代表的な実施形態では、第1の管腔路108及び第2の管腔路110は、いずれも直線状であり、第2の管腔路110は、第1の管腔路108から半径方向に離間し、且つ第1の管腔路108と平行に並んでいる。この配置は、図面の全体を通して略真っすぐな円筒状の輪郭を有するものとして示される回転器具50のチューブ60の構成と適合する。しかし、前述したように、回転器具50は、多くの異なる形態に構成されてもよく、従って、種々の形状、構成、輪郭、等を有するチューブ60を用いてもよい。非制限的な例では、チューブは、湾曲した円筒輪郭を有してもよく、この場合、第1の管腔路108及び第2の管腔路110は、チューブの輪郭に合わせるために非直線状(湾曲状)であるとよい。但し、この例においても、第1の管腔路108及び第2の管腔路110は、互いに離間され、互いに位置整合されているとよい。しかし、チューブ60の特定の構成に関わらず、当業者であれば、第1の管腔路108及び第2の管腔路110は、どのような適切な形態に構成、配置、又は画定されてもよいことを理解するだろう。
【0028】
図9-14及び
図23-28を更に参照すると、一構成例において、第2の管腔90の遠位側管腔領域94の方向は、第3の管腔路112の方向に略整合されている。第3の管腔路112は、第2の管腔路110と同様、略直線状であり、第1の管腔路108から半径方向に離間し、且つ第1の管腔路108と平行に並んでいる。
図7-14に示される灌注スリーブ78の実施形態では、第3の管腔路112は、第2の管腔路110と略一致している(
図13-14参照)。しかし、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態では、第3の管腔路112は、第2の管腔路110から半径方向に離間している(
図27-28参照)。ここでも、第3の管腔路112は、多くの異なる形態に構成、配置、又は画定されてもよいことを理解されたい。
【0029】
図面の全体を通して示される灌注スリーブ78の図示の実施形態では、
図10-12及び
図24-26に最もよく示されるように、第1の管腔88は、回転器具50のチューブ60の形状に相補的な略円筒状の輪郭を有している。第1の管腔88は、閉じた円周(例えば、完全な円筒状領域)として示されているが、第1の管腔88は、長孔付きであってもよいし、及び/又は異なる形状、輪郭、等を有するものとして構成されてもよい。他の構成も考えられる。例えば、第1の管腔88は、回転器具50のチューブ60の一部を受け入れるのに十分などのような適切な輪郭を有してもよいことを理解されたい。
【0030】
図7-14に示される灌注スリーブ78の実施形態では、第1の管腔88の(スリーブ本体86のスリーブ遠位端86Sに隣接する)部分は、略テーパ付き輪郭を有している。スリーブ遠位端86Sは、回転器具50のチューブ60のチューブ遠位端62と相補的に形作られ、チューブ遠位端62と同様、テーパ付きの略円錐台輪郭を有している(
図1-6も参照)。
図7-14に示される灌注スリーブ78の実施形態では、スリーブ本体86のスリーブ遠位端86Sは、第1の管腔88及び第2の管腔90の遠位側管腔領域86Sの両方が斜めに切断されるように面取り加工され、これによって、管腔出口100は、管腔移行部98とスリーブ本体86のスリーブ遠位端86Sとの間に配置されることになる。しかし、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態では、スリーブ本体86のスリーブ遠位端86Sは、第1の管腔88及び第2の管腔90の遠位側管腔領域94の両方が横断されるように切断加工され、これによって、管腔出口100がスリーブ本体86のスリーブ遠位端86Sに配置されることになる。前述したように、スリーブ本体86は、他の輪郭、形態、等を有することができる(例えば、
図17-19参照)。
【0031】
図面の全体を通して示される灌注スリーブ78の実施形態では、第2の管腔90の近位側管腔領域92は、略三日月輪郭を有し(
図11、25参照)、第2の管腔90の遠位側管腔領域94は、略円筒輪郭を有している(
図10、24参照)。ここでは、近位側管腔領域92の三日月輪郭は、遠位側管腔領域94に供給される流体をスリーブ本体86の長さに沿って蓄えるように構成され、同時に灌注スリーブ78の第2の管腔90内の流体を回転器具50のチューブ60に近接して効率的に位置決めするように構成されている。この構成は、灌注スリーブ78の全体の大きさに著しい利点をもたらすことを理解されたい。しかし、当業者であれば、近位側管腔領域92は、流体をスリーブ本体86の長さに沿って遠位側管腔領域94に導くのに十分な種々の形状、配置、等を有することができることを認識するだろう。従って、他の近位側管腔領域92の輪郭、例えば、制限されないが、円形、多角形、矩形、等も考えられる。
【0032】
図8,13-14,22,27-28を参照すると、前述したように、管腔移行部98は、移行面102を画定しており、遠位側管腔領域94は、管腔出口100と移行面102に画定された移行部入口104との間に流体連通するように延在している。
図8,22に最もよく示されるように、移行面102は、略平坦面であり、第2の管腔90の近位側管腔領域92と遠位側管腔領域94との間の「段(step)」として作用する。しかし、移行面102は、異なって構成されてもよく、例えば、近位側管腔領域92と遠位側管腔領域94との間で先細になる「傾斜(draft)」として構成されてもよいことを理解されたい。
【0033】
移行面102の外周は、第2の管腔90の近位側管腔領域92の略三日月輪郭によって少なくとも部分的に画定されることを理解されたい。更に詳細には、
図14,28に示されるように、第2の管腔90の近位側管腔領域92は、第1の管腔コーナ面114、第2の管腔コーナ面116、第1の円弧面118、及び第2の円弧面120を備える輪郭を有している。第1及び第2の円弧面118,120は、互いに向き合い、第1及び第2の管腔コーナ面114,116間に延在している。
図14,28に示される灌注スリーブ78の実施形態では、移行面102は、近位側管腔領域92の第1の管腔コーナ面114と略一致する第1の移行部コーナ面122を備える輪郭を有している。しかし、他の配列(例えば、同心配列)も考えられることを理解されたい。
【0034】
図14に示される灌注スリーブ78の実施形態を特に参照すると、移行面102は、近位側管腔領域92の第2の管腔コーナ面116と略一致するように同様に配置された第2の移行部コーナ面124を更に備える輪郭を有している。ここでも、他の配列が考えられる。更に、この実施形態では、移行部入口104は、略円筒状輪郭を有し、第1の移行部コーナ面122と第2の移行部コーナ面124との間に位置するように移行面102に形成されている。移行部入口104は、第1及び第2の移行部コーナ面122,124間に等距離を隔てて配置されるように略示されているが、他の構成も考えられる。
【0035】
図28に示される灌注スリーブ78の実施形態を特に参照すると、移行面102は、(ここでも略円筒状輪郭を有するように図示される)移行部入口104によって画定された入口コーナ面126を更に備える輪郭を有している。ここでは、移行部入口104は、移行面102の入口コーナ面126と略一致するように、また第2の管腔90の近位側管腔領域92の第2の管腔コーナ面116と略一致するように、配置されている。ここでも、他の配置が考えられることを理解されたい。
【0036】
前述したように、第2の管腔90の近位側管腔領域92及び遠位側管腔領域94は、互いに異なるように構成されている。この目的を達成するために、一実施形態では、近位側管腔領域92は、管腔移行部98の断面において遠位側管腔領域94の断面積よりも大きい断面積を有している(
図8,14,22,28参照)。以下の説明から明らかなように、灌注スリーブ78の図示の実施形態において、近位側管腔領域92の断面積及び遠位側管腔領域94の断面積のいずれもスリーブ本体86の長さに沿って実質的に変化しない。前述したように、
図7-14に示される灌注スリーブ78の実施形態では、(この説明のために同一尺度で示される)
図10,11は、遠位側管腔領域94の断面積(
図10参照)及び近位側管腔領域92の断面積(
図11参照)を比較して示している。換言すれば、
図10,11は、それぞれ、この実施形態の管腔移行部98に隣接する断面における遠位側管腔領域94の断面積及び近位側管腔領域92の断面積を表している(
図13-14も参照)。更に、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態においても、同様に、(この説明のために同一尺度で示される)
図24,25は、遠位側管腔領域94の断面積(
図24参照)及び近位側管腔領域92の断面積(
図25参照)を比較して表している。換言すれば、
図24,25は、それぞれ、この実施形態の管腔移行部98に隣接する断面における遠位側管腔領域94の断面積及び近位側管腔領域92の断面積を表している(
図27-28も参照)。
【0037】
一構成例では、近位側管腔領域92の断面積は、遠位側管腔領域94の断面積よりも2倍から20倍大きい。一構成例では、近位側管腔領域92の断面積は、遠位側管腔領域94の断面積よりも5倍から15倍大きい。一構成例では、近位側管腔領域92の断面積は、遠位側管腔領域94の断面積よりも少なくとも10倍大きい。
【0038】
図9,23を参照すると、管腔移行部98は、スリーブ近位端86Pよりもスリーブ遠位端86Sの近くに配置されている。一構成例では、第1の距離128が管腔出口100と管腔移行部98との間に画定され、第1の距離128よりも大きい第2の距離130が管腔移行部98と管腔入口96との間に画定されている。
【0039】
当業者であれば、比較的小さい断面積を有する比較的長い流路は、流体流れを妨げることを理解するだろう。更に、流体に対する過度の抵抗は、流体を外科医部位STの方に導く灌注源68の能力に悪影響を与える。ここでは、前述の近位側管腔領域92及び遠位側管腔領域94の輪郭の差、断面積の差、及び相対長さの差によって、流体は、著しい圧力増大をもたらすことなく近位側管腔領域92に沿って遠位側管腔領域94に向かって流れることができ、同時に、使用中に流体噴流FJが管腔出口100から切断アクセサリ52のヘッド64の近くを通って且つそこを超えて投射されることが確実なものになる(
図2-3参照)。更に、前述の灌注スリーブ78の構成は、最小侵襲性手術(例えば、最小侵襲性脊椎手術)、内視鏡外科手術(例えば、内視鏡経鼻手術)、等におけるように外科部位STへの灌注が困難ないくつかの医学的及び外科的処置に対して著しい利点をもたらすことを理解されたい。
【0040】
図2-3を参照すると、前述したように、灌注スリーブ78は、有利には、外科部位STの灌注を促進するために、例えば、骨BNを灌注するために用いられるとよい。ここでは、骨BNがバーヘッド64の前に流体噴流FJに接触することによって、有利には、外科部位STを横切る流体の跳ね返り(splashing)を最小限に抑えるか又は阻止することを理解されたい。流体の跳ね返り(splashing)は、流体が切断アクセサリ52のシャンク66に接触することによって、又は流体がバーヘッド64に直接投射されることによって生じる。しかし、医療専門家の好み及び実施される処置に依存して、有利には、いくつかの用途においてバーヘッド64の外縁をかすめる(skin)ようになっていてもよい。これは、灌注源68を調整することによって、及び/又は(灌注スリーブ78を回転器具50のチューブ60に沿って移動させることによって)バーヘッド64に対する管腔出口100の相対的な位置及び/又は方位を調整することによって、達成される。
【0041】
以下、
図7-14に示される灌注スリーブ78の実施形態を製造するプロセスを
図15A-20Fに関連付けて開示し、且つ説明する。また、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態を製造するプロセスを
図29-30Iに関連付けて開示し、且つ説明する。
【0042】
図15A-20Fを参照すると、132で総称的に示される第1のマンドレルアセンブリが
図15Aに示されている。図示される第1のマンドレルアセンブリ132は、第1のマンドレル本体134、挿入ガイド136、カラー138、及びシャフト140を備えている。ここでは、第1のマンドレル本体134は、カラー138から延在し、カラー138は、挿入ガイド136を支持している。挿入ガイド136は、中空のテーパ付き漏斗(funnel)形態を有し、挿入ガイド136を貫通するシャフト140を支持するように形作られている。142で総称的に示される第2のマンドレルアセンブリが、
図15Bに示されている。第2のマンドレルアセンブリ142は、円錐領域146を有するマンドレル本体144を備えている。
図16A-16Dにおいて、
図7-14に関連して前述した灌注スリーブ78の実施形態が、
図20A-20Fに関連して以下に更に詳細に説明する段階的及び/又は選択的製造「ステップ(step)」に従って示されている。
【0043】
図16Aにおいて、第1のスリーブ本体80Aが部分的に示されている。ここでは、第1のスリーブ本体86Aは、同じようにスリーブ遠位端86Sと(図示されない)スリーブ近位端86Pとの間に延在している。ここでも、第1の管腔88及び第2の管腔90は、第1のスリーブ本体86A内に形成され、互いに離間している。この製造ステップにおいて、ここに示される代表的な実施形態によれば、第2の管腔90は、第1のスリーブ本体86Aの全長に沿ってスリーブ遠位端86Sとスリーブ近位端86Pとの間に延在する三日月状輪郭を有している。しかし、前述したように、第2の管腔90の他の輪郭も考えられる。ここでは、第1のスリーブ本体86Aは、有利には、押出製造プロセスによって準備されるとよいことを理解されたい。押出製造プロセスによって、灌注スリーブ78の第1のスリーブ本体86Aを製造コストを著しく増大させることなく特定の用途に対して容易に調整することが可能である。
【0044】
図20A-20Cを参照すると、第1のマンドレルアセンブリ132の一部の断面が示されている。
図20Aは、第1のマンドレルアセンブリ132の第1のマンドレル本体134、挿入ガイド136、及びカラー138を示している。
図20Bは、
図20Aに続く段階的ステップを示している。ここでは、前述の第1のスリーブ本体86Aが、その第1の管腔88を貫通するように位置決めされた第1のマンドレル本体134の一部に支持されている。
図20Bは、第1のマンドレルアセンブリ132のカラー138に当接するスリーブ本体88のスリーブ遠位端86Sも示している。
図20Cは、
図20Bに続く段階的ステップを示している。ここでは、第1のマンドレル132のシャフト140が、挿入ガイド136を通って第2の管腔90内に挿入されている。ここで、第1のマンドレルアセンブリ132は、シャフト140が多くの異なる形態で配置されることを可能にするように構成されていることを理解されたい。具体的には、この実施形態において第2の管腔90の近位側管腔領域92及び遠位側管腔領域94が互いに略真っすぐに並んでいるが(
図10、11を比較参照;
図14参照)、種々の配置、位置合わせ、及び構成が考えられる。
【0045】
図20Cに示されるように第1のスリーブ本体86Aが第1のマンドレルアセンブリ132に対して位置決めされた後、例えば、局部熱LHを第1のスリーブ本体86Aのスリーブ遠位端86Sに隣接する部分に加えることによって、第1のスリーブ本体86Aが第2のスリーブ本体86Bに再形成される。ここでは、熱は、種々の局部加熱装置、例えば、レーザー加熱、ヒートガン、等を用いて加えられるとよい。
図30A-30Hと関連して以下に更に詳細に説明するように、材料が第2のスリーブ本体86Bに再形成される時に第1のスリーブ本体86Aに周方向圧縮(hoop compression)を加えるために、熱収縮チューブが第1のスリーブ本体86Aを覆って配置されるとよい。第2のスリーブ86Bは、
図16Bに最もよく示されている。以下、
図20Dと関連付けて、第2のスリーブ86Bについて更に詳細に説明する。
【0046】
図16Bを参照すると、第2のスリーブ本体86Bは、以下のように、すなわち、スリーブ遠位端86Sの少なくとも一部が第1のマンドレル132のシャフト140の周りに再形成され、これによって、第2の管腔90がシャフト140によって画定された円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域94と第1のスリーブ本体86Aに関連付けて説明した三日月状輪郭を維持する近位側管腔領域92とに分化されるように、構成されている。この時点で、第2のスリーブ本体86Bが第1のマンドレル本体134から取り出され、シャフト140が第2の管腔90から取り出される。次いで、第2のスリーブ本体86Bは、
図20Dに示されるように、第2のマンドレルアセンブリ142の第2のマンドレル本体144によって支持される。
【0047】
図20Dに示されるように第2のスリーブ本体86Bが第2のマンドレルアセンブリ142に対して位置決めされた後、第2のスリーブ本体86Bは、例えば、局部熱LHを第2のスリーブ本体86Bのスリーブ遠位端86Sに隣接する部分に加えてスリーブ遠位端86Sを円錐領域146の周りに収縮させることによって、第3のスリーブ本体Cに再形成される(
図16C参照)。
図20Eは、
図20Dに続く段階的ステップを示している。具体的には、第3のスリーブ本体86Cは、スリーブ遠位端86Sに隣接する部分に対応するように形作られたテーパ輪郭を画定するように、第2のマンドレルアセンブリ142の円錐領域146の周りに再形成されている(
図16C参照)。この時点で、第3のスリーブ本体86Cは、第2のマンドレル本体144から取り出され、第4のスリーブ本体86Dに形成される(
図16D,20F参照)。
【0048】
第4のスリーブ本体86Dは、再形成されたスリーブ遠位端Sの少なくとも一部を前述の管腔出口100を画定、露出、又はそれ以外の形態で露呈させるように除去することによって形成される(
図20E,20Fを比較参照)。この目的を達成するために、再形成されたスリーブ遠位端86Sは、管腔出口100を露出させるように面取り加工(
図16D参照)、薄切加工(
図17参照)、又は穿孔加工(
図18参照)され、これによって、第4のスリーブ本体86Dが画定されるとよい。しかし、当業者であれば、管腔出口100は、他の方法によって露出されてもよいことを理解するだろう。更に、本明細書に記載される灌注スリーブ78は、前述の説明と矛盾しないどのような適切な方法によって製造されてもよいことを理解されたい。非制限的な例として、
図19は、管腔出口100を露出させるために略直角方向(又は横方向)に「真っすぐに切断」されたスリーブ本体86の実施形態を示している。他の構成も考えられる。
【0049】
前述したように、
図21-28に示される灌注スリーブ78の実施形態を製造するプロセスが、
図29-30Iと関連付けて開示される。
【0050】
以下、
図29を参照すると、製造システム148が概略的に示されている。製造システム148は、概して、駆動体150、ギアセット152、及びエネルギーアプリケータ154を備えている。駆動体150は、回転トルクを選択的に生成し、この回転トルクをギアセット152に伝達し、これによって、円筒状の第1のマンドレル本体134を軸AXを中心として回転させるようになっている。この目的を達成するために、駆動体150は、電動モータによって具体化され、ギアセット152は、軸を中心とする第1のマンドレル本体134の回転速度を調整するための複数の減速ギアによって具体化されるとよい。しかし、駆動体150は、ギアセット152を用いるかどうかに関わらず、第1のマンドレル本体134を回転させるの十分な多くの異なる形態に構成されてもよいことを理解されたい。
図29に同じように概略的に示されるエネルギーアプリケータ154は、局部熱LHを生成し、該局部熱LHを導き、又は印可するように構成され、レーザーヒーター、ヒーターガン、等として具体化されるとよい。
【0051】
図30A-30Iを参照すると、
図21-28と関連して前述した灌注スリーブ78の実施形態を製造するプロセスのいくつかのステップが、連続的に示されている。
図30Aにおいて、略円筒状の第1のマンドレル本体134の一部が、例えば、駆動体150によって選択的に生じるトルクによって軸AHを中心として回転するように配置された状態で示されている(
図29参照)。
【0052】
図30Bにおいて、
図16Aと関連付けて前述した形式の第1のスリーブ本体86Aの一部が示されている。ここでも、第1のスリーブ本体86Aは、同じようにスリーブ遠位端86Sとスリーブ近位端86P(図示せず)との間に延在し、第1及び第2の管腔88,90が第1のスリーブ本体86Aに予め形成されている。この製造ステップにおいて、第2の管腔90は、同じように第1のスリーブ本体の全長に沿って、例えば、押出製造プロセスによって設けられた三日月状輪郭を有している。第1のスリーブ本体86Aは、第1のマンドレル本体134を第1のスリーブ本体86Aの第1の管腔88内に位置決めすることによって、第1のマンドレル本体134によって支持されている。
【0053】
図30Cにおいて、第1のスリーブ本体86Aの第2の管腔90内に挿入されたシャフト140が示されている。シャフト140は、第1の管腔コーナ面114に隣接又は当接して位置決めされている。しかし、前述したように、シャフト140は、第2の管腔90の遠位側管腔領域94を効果的に画定しているので、このシャフト140を第2の管腔90の第1の管腔コーナ面114に当接させる以外の形態によって第2の管腔90内に位置決めすることもできることを理解されたい。
【0054】
図30Dにおいて、第1のスリーブ本体86Aの周りに配置された熱収縮チューブ156の区域が示されている。前述したように、熱収縮チューブ156は、例えば、エネルギーアプリケータ154(
図29参照)による局部熱LHの印可に応じて、第1のスリーブ本体86Aに対して周方向圧縮を加えることができる。
【0055】
図30Eにおいて、第1のマンドレル本体134、第1のスリーブ本体86A、シャフト140、及び熱収縮チューブ156は、例えば、駆動体150(
図30参照)によって軸AXを中心として略同時に回転し(
図30Eを
図30Dと比較参照)、その一方局部熱LHが熱収縮チューブに隣接して印可され、これによって、第1のスリーブ本体86Aの材料が第1のマンドレル本体134及びシャフト140の周りに再形成される。更に具体的には、軸AXを中心とする回転及び局部熱LHの印可によって、熱収縮チューブ156が「収縮(shrink)」して周方向圧縮を加え、その結果、この効率的且つ比較的均等な応力分配によって、第2のスリーブ本体86Bへの第1のスリーブ本体86Aの再形成が助長されることになる。
【0056】
図30Fにおいて、軸AXを中心とする回転及び局部熱LHの印可が終了し、第2のスリーブ本体86Bは、第1のマンドレル本体134に支持され、シャフト140は、依然として第2の管腔90内に配置されている。熱収縮チューブ156は、第2のスリーブ本体86Bの一部の周りに部分的に「収縮」されている。
図30Gにおいて、シャフト140が第2の管腔90から取り出されている。第2の管腔90は、三日月状輪郭を有する近位側管腔領域92と、シャフト140によって画定された円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域94と、管腔廃棄領域158とに分化されている状態で示されている。ここで、遠位側管腔領域94は、熱収縮チューブ156の(局部熱LHに晒されたことによって)収縮した熱収縮チューブ156の一部と効果的に位置整合しており、近位側管腔領域92と管腔廃棄領域158との間に長手方向に配置されている。
【0057】
図30Hにおいて、第2のスリーブ本体86Bが第1のマンドレル本体134から取り外され、熱収縮チューブ156も取り外されている。
図30Iにおいて、第2のスリーブ本体86Bは、第1の管腔88及び第2の管腔90の再形成された遠位側管腔領域94の一部を横断するように、切断され、これによって、スリーブ遠位端86S及び管腔出口100が画定される(
図30Iを
図30Hと比較参照)。前述したように、この実施形態では、管腔出口100は、スリーブ遠位端86Sに位置している。
【0058】
このようにして製造された前述の灌注スリーブアセンブリ76の灌注スリーブ78の実施形態は、多くの異なる操作条件下で外科部位STの一貫した高信頼性の灌注を可能にする。特に、当業者であれば、灌注が望まれた場合(例えば、フットスイッチを作動させた場合)、灌注スリーブ78は、切断アクセサリ52のヘッド64の近くを通って且つそこを超える流体の投射を容易にし、同時に管腔出口100から過剰な流体が投射され(例えば、フットスイッチ48の操作を遮断することによって)灌注が終了した時に切断アクセサリ52のシャンク66に対して「跳ね返り(splashing)」が生じるのを阻止することを理解するだろう。更に、灌注スリーブ78の低輪郭は、例えば、灌注が望まれるが外科部位STが小さくてアクセスが困難な医学的及び/又は外科的処置(例えば、経鼻アプローチと関連付けられる手術)に著しい利点を発揮することを理解されたい。更に、当業者であれば、本明細書に記載される灌注スリーブ78は、多くの異なる形式の外科工具44、特に、閉じ込められた外科部位ST内において用いられる外科工具44と関連して用いられることが可能であり、且つ多くの異なる形式の従来の灌注システム42と共に用いられるように適合されていることを理解するだろう。
【0059】
「備える(include, includes, 及びincluding)」という用語は、「備える(comprise, comprises, 及びcomprising)」という用語と同じ意味を有することを更に理解されたい。更に、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、等の用語は、明瞭化及び一貫性のある非制限的な例示を目的としていくつかの構造学的特徴部及び構成要素を区別するために本明細書において用いられることを理解されたい。
【0060】
以上、いくつかの構成例について検討してきた。しかし、ここで検討したこれらの構成例は、排他的であることを意図せず、すなわち、本発明をいくつかの特定の形態に制限することを意図していない。用いられている技術用語は、制限のための用語というよりもむしろ説明のための用語であることが意図されている。上記の示唆に照らして多くの修正及び変更が可能であり、本発明は、具体的に記載される以外の方法によって実施されてもよい。
【0061】
本発明は、独立請求項において規定されることが意図され、具体的な特徴は、従属請求項に開示される。1つの独立請求項に従属する請求項の主題は、他の独立請求項に関連して実施されることも可能である。
【0062】
本開示は、以下の条項を更に含み、具体的な特徴は、従属条項に開示される。これらの条項は、前述の構成例及び図面を参照してより詳細に説明したように、具体的に実施されてもよい。
【0063】
[条項I]
外科システムと共に用いられる灌注スリーブであって、外科システムは、灌注源と、チューブ遠位端に延在するチューブを有する回転器具と、ヘッド及びヘッドから延在するシャンクを有して回転器具のチューブによって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリと、を備える、灌注スリーブにおいて、
スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体と、
回転器具のチューブの少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体内に形成された第1の管腔であって、切断アクセサリのヘッドが、前記スリーブ遠位端に隣接して配置されている、第1の管腔と、
前記スリーブ本体内に前記第1の管腔から離間して形成された第2の管腔であって、前記第2の管腔は、近位側管腔領域及び遠位側管腔領域を備え、前記近位側管腔領域は、灌注源に流体連通するように適合された管腔入口から管腔移行部に延在し、前記遠位側管腔領域は、前記管腔移行部から流体を切断アクセサリのヘッドに隣接して導くように配置された管腔出口に延在し、前記近位側管腔領域は、前記管腔移行部における断面において前記遠位側管腔領域よりも大きい断面積を有する、第2の管腔と、
を備える灌注スリーブ。
【0064】
[条項II]
前記第1の管腔は、略円筒状輪郭を有する、条項Iに記載の灌注スリーブ。
【0065】
[条項III]
前記第2の管腔の前記近位側管腔領域は、三日月状輪郭を有する、条項I-IIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0066】
[条項IV]
前記第2の管腔の前記遠位側管腔領域は、前記近位側管腔領域の前記三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、条項I-IIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0067】
[条項V]
前記第2の管腔の前記遠位側管腔領域は、円筒状輪郭を有する、条項I-IVのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0068】
[条項VI]
前記管腔出口は、前記管腔移行部と前記スリーブ遠位端との間に配置されている、条項I-Vのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0069】
[条項VII]
前記管腔移行部は、移行面を画定し、前記遠位側管腔領域は、前記管腔出口と前記移行面との間に流体連通して延在している、条項I-VIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0070】
[条項VIII]
第1の距離が、前記管腔出口と前記管腔移行部との間に画定され、前記第1の距離よりも大きい第2の距離が、前記管腔移行部と前記管腔入口との間に画定されている、条項I-VIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0071】
[条項IX]
前記第1の管腔の方向は、第1の管腔路の方向に略整合され、前記第2の管腔の方向は、前記第1の管腔路から離間した第2の管腔路の方向に略整合されている、条項I-VIIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0072】
[条項X]
前記第1の管腔路は、直線状である、条項IXに記載の灌注スリーブ。
【0073】
[条項XI]
前記第2の管腔路は、前記第1の管腔路から半径方向に離間されている、条項IX-Xのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0074】
[条項XII]
前記第2の管腔路は、直線状であり、前記第1の管腔路と平行である、条項IX-XIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0075】
[条項XIII]
前記第1の管腔路の方向は、前記第2の管腔路の方向に整合されている、条項IX-XIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0076】
[条項XIV]
外科システムと共に用いられる灌注スリーブであって、外科システムは、灌注源と、チューブ遠位端に延在するチューブを有する回転器具と、ヘッド及びヘッドから延在するシャンクを有して回転器具のチューブによって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリと、を備える、灌注スリーブにおいて、
スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体と、
回転器具のチューブの少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体内に形成された第1の管腔であって、切断アクセサリのヘッドが、前記スリーブ遠位端に隣接して配置されている、第1の管腔と、
前記スリーブ本体内に前記第1の管腔から離間して形成された第2の管腔であって、前記第2の管腔は、近位側管腔領域及び遠位側管腔領域を備え、前記近位側管腔領域は、灌注源に流体連通するように適合された管腔入口から管腔移行部に延在し、前記遠位側管腔領域は、前記管腔移行部から流体を切断アクセサリのヘッドに隣接して導くように配置された管腔出口に延在し、前記近位側管腔領域は、三日月状輪郭を有し、前記遠位側管腔領域は、前記近位側管腔領域の前記三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、第2の管腔と、
を備える灌注スリーブ。
【0077】
[条項VX]
前記第1の管腔は、略円筒状輪郭を有する、条項XIVに記載の灌注スリーブ。
【0078】
[条項XVI]
前記第2の管腔の前記遠位側管腔領域は、略円筒状輪郭を有する、条項XIV-XVのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0079】
[条項XVII]
前記第2の管腔の前記近位側管腔領域は、前記管腔移行部における断面において前記遠位側管腔領域よりも大きい断面積を有する、条項XIV-XVIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0080】
[条項XVIII]
前記管腔出口は、前記管腔移行部と前記スリーブ遠位端との間に配置されている、条項項XIV-XVIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0081】
[条項XIX]
前記管腔移行部は、移行面を画定し、前記遠位側管腔領域は、前記管腔出口と前記移行面との間に流体連通して延在している、条項XIV-XVIIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0082】
[条項XX]
第1の距離が、前記管腔出口と前記管腔移行部との間に画定され、前記第1の距離よりも大きい第2の距離が、前記管腔移行部と前記管腔入口との間に画定されている、条項XIV-XIXのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0083】
[条項XXI]
前記第1の管腔の方向は、第1の管腔路の方向に略整合され、前記第2の管腔の方向は、前記第1の管腔路から離間した第2の管腔路の方向に略整合されている、条項XIV-XXのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0084】
[条項XXII]
前記第1の管腔路は、直線状である、条項XXIに記載の灌注スリーブ。
【0085】
[条項XXIII]
前記第2の管腔路は、前記第1の管腔路から半径方向に離間されている、条項XXI-XXIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0086】
[条項XXIV]
前記第2の管腔路は、直線状であり、前記第1の管腔路と平行である、条項XXI-XXIIIのいずれか1つに記載の灌注スリーブ。
【0087】
[条項XXV]
前記第1の管腔路は、前記第2の管腔路と略一致している、条項XXI-XXIVのいずれか1つの記載の灌注スリーブ。
【0088】
[条項XXVI]
灌注スリーブを製造する方法であって、
スリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体を形成するステップであって、スリーブ本体は、第1の管腔及び第1の管腔から離間した第2の管腔を有し、第2の管腔は、三日月状輪郭を有する、ステップと、
スリーブ遠位端においてシャフトを第2の管腔内に配置するステップと、
スリーブ本体のスリーブ遠位端に隣接する部分をシャフトの周りに再形成し、第2の管腔をシャフトによって画定された円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域と三日月状輪郭を有する近位側管腔領域とに分化させるステップと、
を含む方法。
【0089】
[条項XXVII]
シャフトを支持するように形作られた挿入ガイドを有する第1のマンドレルアセンブリを準備するステップと、
スリーブ本体を第1のマンドレルアセンブリによって支持するステップと、
シャフトを第1のマンドレルアセンブリの挿入ガイド内に配置するステップと、
を更に含む、条項XXVIに記載の方法。
【0090】
[条項XXVIII]
シャフトを第2の管腔の遠位側管腔領域から取り外すステップを更に含む、条項XXVI-XXVIIのいずれか1つに記載の方法。
【0091】
[条項XXIX]
円錐状領域を有する第2のマンドレルアセンブリを準備するステップと、
スリーブ本体を第2のマンドレルアセンブリによって支持するステップと、
スリーブ本体のスリーブ遠位端に隣接する少なくとも一部を第2のマンドレルアセンブリの円錐領域の周りに再形成するステップと、
を更に含む、条項XXVI-XXXVIIIのいずれか1つに記載の方法。
【0092】
[条項XXX]
スリーブ本体のスリーブ遠位端に隣接する少なくとも一部を除去し、遠位側管腔領域と流体連通する管腔出口を画定するステップを更に含む、条項XXIXに記載の方法。
【0093】
[条項XXXI]
外科部位において骨を灌注する方法であって、
回転器具、バーヘッドを有する切断アクセサリ、及びスリーブ近位端とスリーブ遠位端との間に延在するスリーブ本体を有する灌注スリーブを準備するステップであって、第1の管腔がスリーブ本体に形成され、第2の管腔がスリーブ本体内において第1の管腔から離間して形成されている、ステップと、
回転器具を灌注スリーブの第1の管腔内に、切断アクセサリのバーヘッドがスリーブ遠位端を超えて延びるように、位置決めするステップと、
骨を切断アクセサリのバーヘッドに係合させるステップと、
流体を灌注スリーブの第2の管腔を通して導くステップであって、第2の管腔のスリーブ遠位端に隣接する部分から流出する流体がバーヘッドの近くを通って且つそこを超えて骨に向かって投射される、ステップと、
を含む方法。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
外科システム(40)と共に用いられる灌注スリーブ(78)であって、前記外科システム(40)は、灌注源(68)と、チューブ遠位端(62)に延在するチューブ(60)を有する回転器具(50)と、ヘッド(64)及び前記ヘッド(64)から延在するシャンク(66)を有して前記回転器具(50)の前記チューブ(60)によって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリ(52)と、を備える、灌注スリーブ(78)において、
スリーブ近位端(86P)とスリーブ遠位端(86S)との間に延在するスリーブ本体(86)と、
前記回転器具(50)の前記チューブ(60)の少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体(86)内に形成された第1の管腔(88)であって、前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)が、前記スリーブ遠位端(76S)に隣接して配置されている、第1の管腔(88)と、
前記スリーブ本体(86)内に前記第1の管腔(88)から離間して形成された第2の管腔(90)であって、前記第2の管腔(90)は、近位側管腔領域(92)及び遠位側管腔領域(94)を備え、前記近位側管腔領域(92)は、前記灌注源(68)に流体連通するように適合された管腔入口(96)から管腔移行部(98)に延在し、前記遠位側管腔領域(94)は、前記管腔移行部(98)から流体を前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)に隣接して導くように配置された管腔出口(100)に延在し、前記近位側管腔領域(92)は、前記管腔移行部(98)における断面において前記遠位側管腔領域(94)よりも大きい断面積を有する、第2の管腔(90)と、
を備え、
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、前記第1の管腔(88)と流体連通しないように離間している、
灌注スリーブ(78)。
[請求項2]
前記第1の管腔(88)は、略円筒状輪郭を有する、請求項1に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項3]
前記第1の管腔(88)は、閉じた周囲を有する、請求項1-2のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項4]
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有する、請求項1-3のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項5]
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、前記近位側管腔領域(92)の前記三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、請求項1-4のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項6]
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、略円筒状輪郭を有する、請求項1-5のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項7]
前記管腔出口(100)は、前記管腔移行部(98)と前記スリーブ遠位端(86S)との間に配置されている、請求項1-6のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項8]
前記管腔出口(100)は、前記スリーブ遠位端(86S)に配置されている、請求項1-6のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項9]
前記管腔移行部(98)は、移行面(102)を画定し、
前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行面(102)に画定された移行部入口(104)を備え、前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行部入口(104)と前記管腔出口(100)との間に流体連通して延在している、
請求項1-8のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項10]
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭によって少なくとも部分的に画定された外周を有する、
請求項9に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項11]
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、第1の管腔コーナ面(114)及び第2の管腔コーナ面(116)を備える輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記第1の管腔コーナ面(114)と略一致する第1の移行部コーナ面(122)を備える輪郭を有する、
請求項9-10のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項12]
前記移行面(102)は、前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致する第2の移行部コーナ面(124)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記第1の移行部コーナ面(122)と前記第2の移行部コーナ面(124)との間に配置されている、
請求項11に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項13]
前記移行面(102)は、前記移行部入口(104)によって画定された入口コーナ面(126)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記移行面(102)の前記入口コーナ面(126)と略一致し且つ前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致するように、配置されている、
請求項11-12のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項14]
前記移行面(102)は、略平面状である、請求項9-13のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項15]
前記移行部入口(104)は、略円筒状輪郭を有する、請求項9-14のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項16]
第1の距離(128)が、前記管腔出口(100)と前記管腔移行部(98)との間に画定され、
前記第1の距離(128)よりも大きい第2の距離(130)が、前記管腔移行部(98)と前記管腔入口(96)との間に画定されている、
請求項1-15のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項17]
前記第1の管腔(88)の方向は、第1の管腔路(108)の方向に略整合され、
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の方向は、前記第1の管腔路(108)から離間した第2の管腔路(110)の方向に略整合されている、
請求項1-16のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項18]
前記第1の管腔路(108)は、直線状である、請求項17に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項19]
前記第2の管腔路(110)は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間されている、請求項17-18のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項20]
前記第2の管腔路(110)は、直線状である、請求項17-19のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項21]
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)の方向は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間した第3の管腔路(112)の方向に略整合されている、
請求項17-19のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項22]
前記第3の管腔路(112)は、直線状である、請求項21に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項23]
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)から半径方向に離間されている、請求項21-22のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項24]
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)と略一致している、請求項21-23のいずれか1つの記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項25]
外科システム(40)と共に用いられる灌注スリーブ(78)であって、前記外科システム(40)は、灌注源(68)と、チューブ遠位端(62)に延在するチューブ(60)を有する回転器具(50)と、ヘッド(64)及び前記ヘッド(64)から延在するシャンク(66)を有して前記回転器具(50)の前記チューブ(60)によって回転可能に支持されるように適合された切断アクセサリ(52)と、を備える、灌注スリーブ(78)において、
スリーブ近位端(86P)とスリーブ遠位端(86S)との間に延在するスリーブ本体(86)と、
前記回転器具(50)の前記チューブ(60)の少なくとも一部を受け入れるために前記スリーブ本体(86)内に形成された第1の管腔(88)であって、前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)が、前記スリーブ遠位端(76S)に隣接して配置されている、第1の管腔(88)と、
前記スリーブ本体(86)内に前記第1の管腔(88)から離間して形成された第2の管腔(90)であって、前記第2の管腔(90)は、近位側管腔領域(92)及び遠位側管腔領域(94)を備え、前記近位側管腔領域(92)は、前記灌注源(68)に流体連通するように適合された管腔入口(96)から管腔移行部(98)に延在し、前記遠位側管腔領域(94)は、前記管腔移行部(98)から流体を前記切断アクセサリ(52)の前記ヘッド(64)に隣接して導くように配置された管腔出口(100)に延在し、前記近位側管腔領域(92)は、略三日月状輪郭を有し、前記遠位側管腔領域(94)は、前記近位側管腔領域(92)の前記三日月状輪郭と異なる輪郭を有する、第2の管腔(90)と、
を備える灌注スリーブ(78)。
[請求項26]
前記第1の管腔(88)は、略円筒状輪郭を有する、請求項25に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項27]
前記第1の管腔(88)は、閉じた周囲を有する、請求項25-26のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項28]
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)は、略円筒状輪郭を有する、請求項25-27のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項29]
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、前記管腔移行部(98)における断面において前記遠位側管腔領域(94)よりも大きい断面積を有する、請求項25-28のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項30]
前記管腔出口(100)は、前記管腔移行部(98)と前記スリーブ遠位端(86S)との間に配置されている、請求項25-29のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項31]
前記管腔出口(100)は、前記スリーブ遠位端(86S)に配置されている、請求項25-29のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項32]
前記管腔移行部(98)は、移行面(102)を画定し、
前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行面(102)に画定された移行部入口(104)を備え、前記遠位側管腔領域(94)は、前記移行部入口(104)と前記管腔出口(100)との間に流体連通して延在している、
請求項25-31のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項33]
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記略三日月状輪郭によって少なくとも部分的に画定された外周を有する、請求項9に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項34]
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)は、第1の管腔コーナ面(114)及び第2の管腔コーナ面(116)を備える輪郭を有し、
前記移行面(102)は、前記近位側管腔領域(92)の前記第1の管腔コーナ面(114)と略一致する第1の移行部コーナ面(122)を備える輪郭を有する、
請求項32-33のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項35]
前記移行面(102)は、前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致する第2の移行部コーナ面(124)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記第1の移行部コーナ面(122)と前記第2の移行部コーナ面(124)との間に配置されている、
請求項34に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項36]
前記移行面(102)は、前記移行部入口(104)によって画定された入口コーナ面(126)を更に備える輪郭を有し、
前記移行部入口(104)は、前記移行面(102)の前記入口コーナ面(126)と略一致し且つ前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の前記第2の管腔コーナ面(116)と略一致するように、配置されている、
請求項34-35のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項37]
前記移行面(102)は、略平面状である、請求項32-36のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項38]
前記移行部入口(104)は、略円筒状の輪郭を有する、請求項32-37のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項39]
第1の距離(128)が、前記管腔出口(100)と前記管腔移行部(98)との間に画定され、
前記第1の距離(128)よりも大きい第2の距離(130)が、前記管腔移行部(98)と前記管腔入口(96)との間に画定されている、
請求項25-38のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項40]
前記第1の管腔(88)の方向は、第1の管腔路(108)の方向に略整合され、
前記第2の管腔(90)の前記近位側管腔領域(92)の方向は、前記第1の管腔路(108)から離間した第2の管腔路(110)の方向に略整合されている、
請求項25-40のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項41]
前記第1の管腔路(108)は、直線状である、請求項40に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項42]
前記第2の管腔路(110)は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間されている、請求項40-41のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項43]
前記第2の管腔路(110)は、直線状である、請求項40-42のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項44]
前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(94)の方向は、前記第1の管腔路(108)から半径方向に離間した第3の管腔路(112)の方向に略整合されている、請求項41-43のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項45]
前記第3の管腔路(112)は、直線状である、請求項44に記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項46]
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)から半径方向に離間されている、請求項44-45のいずれか1つに記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項47]
前記第3の管腔路(112)は、前記第2の管腔路(110)と略一致している、請求項44-46のいずれか1つの記載の灌注スリーブ(78)。
[請求項48]
灌注スリーブ(78)を製造する方法であって、
スリーブ近位端(86S)とスリーブ遠位端(86S)との間に延在するスリーブ本体(86)を形成するステップであって、前記スリーブ本体(86)は、第1の管腔(88)及び前記第1の管腔(88)から離間した第2の管腔(90)を有し、前記第2の管腔(90)は、三日月状輪郭を有する、ステップと、
前記スリーブ遠位端(86S)においてシャフト(140)を前記第2の管腔(90)内に配置するステップと、
前記スリーブ本体(86)の前記スリーブ遠位端(86S)に隣接する部分を前記シャフト(140)の周りに再形成し、前記第2の管腔(90)を前記シャフト(140)によって画定された円筒状輪郭を有する遠位側管腔領域(94)と前記三日月状輪郭を有する近位側管腔領域(92)とに分化させるステップと、
を含む方法。
[請求項49]
前記シャフト(140)を支持するように形作られた挿入ガイド(136)を有する第1のマンドレルアセンブリ(132)を準備するステップと、
前記スリーブ本体(86)を前記第1のマンドレルアセンブリ(132)によって支持するステップと、
前記シャフト(140)を前記第1のマンドレルアセンブリ(132)の前記挿入ガイド(136)内に配置するステップと、
を更に含む、請求項48に記載の方法。
[請求項50]
前記シャフト(140)を前記第2の管腔(90)の前記遠位側管腔領域(90)から取り外すステップを更に含む、請求項48-49のいずれか1つに記載の方法。
[請求項51]
円錐状領域(146)を有する第2のマンドレルアセンブリ(142)を準備するステップと、
前記スリーブ本体(86)を前記第2のマンドレルアセンブリ(142)によって支持するステップと、
前記スリーブ本体(86)の前記スリーブ遠位端(86S)に隣接する少なくとも一部を前記第2のマンドレルアセンブリ(142)の前記円錐領域(146)の周りに再形成するステップと、
を更に含む、請求項48-50のいずれか1つに記載の方法。
[請求項52]
前記スリーブ本体(86)の前記スリーブ遠位端(86S)に隣接する少なくとも一部を除去し、前記遠位側管腔領域(94)と流体連通する管腔出口(100)を画定するステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
[請求項53]
第1のマンドレル本体(134)を有する第1のマンドレルアセンブリ(132)を準備するステップと、
前記第1のマンドレル本体(134)を前記スリーブ本体(86)の前記第1の管腔(88)内に配置するステップと、
を更に含む、請求項48-52のいずれか1つに記載の方法。
[請求項54]
前記スリーブ本体(86)を再形成する前記ステップに先立ち、
熱収縮チューブ(156)を設けるステップと、
前記熱収縮チューブ(156)を前記スリーブ本体(86)の前記スリーブ遠位端(86S)に隣接する部分の周りに配置するステップと、
が行われる、請求項53に記載の方法。
[請求項55]
前記スリーブ本体(86)を再形成する前記ステップは、前記第1のマンドレルアセンブリ(132)を回転することを更に含む、請求項54に記載の方法。
[請求項56]
前記スリーブ本体(86)を再形成する前記ステップは、前記スリーブ本体(86)及び前記熱収縮チューブ(156)を前記第1のマンドレルアセンブリ(132)と同時に回転させることを更に含む、請求項54-55のいずれか1つに記載の方法。
[請求項57]
前記スリーブ本体(86)を再形成する前記ステップは、前記スリーブ本体(86)を回転させることを更に含む、請求項48-56のいずれか1つに記載の方法。