(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】ガイドワイヤをナビゲートするシステムと方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20230529BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20230529BHJP
A61M 25/095 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
A61B34/20
A61M25/09 530
A61M25/095
(21)【出願番号】P 2021023886
(22)【出願日】2021-02-18
(62)【分割の表示】P 2017529351の分割
【原出願日】2015-12-04
【審査請求日】2021-03-16
(32)【優先日】2014-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ブラッカー、 スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ザープス、 クリストファー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-528256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0182226(US,A1)
【文献】特許第7031950(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61M 25/09
A61M 25/095
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル処置システムの作動方法であって、
コントローラが、
ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用してガイドワイヤを、正しい枝と側枝の接合点を通過して解剖学的構造の所望の経路を通るように前進させることと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記接合点を通過して前記所望の経路の正しい枝に存在するか否かを、関心領域の少なくとも一つの画像を処理することによって決定することと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記
正しい枝に存在
しない場合、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを前記接合点の前の位置に後退させることと、
前記ガイドワイヤを後退させるとき、ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤの近位端を所定量で自動的に回転させることと、
前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを所望の位置まで前進させることと
、
を行う、
方法。
【請求項2】
前記ガイドワイヤを所定量だけ後退させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの画像は蛍光画像である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ガイドワイヤを前進させるステップと前記ガイドワイヤを後退及び回転させるステップとは、前記ガイドワイヤ
の遠位端が前記所望の経路に存在するようになるまで繰り返される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガイドワイヤを、前記ガイドワイヤ
の近位端を後退させる制御信号により回転及び後退させる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
カテーテル処置システムの作動方法であって、
コントローラが、
正しい第1の枝および側枝における少なくとも1つの接合点を通過して解剖学的構造の所定経路を画定する一セットのパラメータを受信することと、
ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用してガイドワイヤを、前記所定経路を通るように前進させることと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記所定経路に存在するか否かを、前記接合点を通過して少なくとも関心領域の少なくとも一つの画像を処理することによって決定することと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記接合点を通過して前記所定経路に存在しない場合、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを前記接合点の前の位置に後退させることと、
前記ガイドワイヤを後退させるとき、ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤの長手方向軸を中心に前記ガイドワイヤ
の近位端を回転させることであって、前記ガイドワイヤ
の近位端を所定量だけ回転させることと、
前記ガイドワイヤを前進させることと、前記ガイドワイヤの遠位端が前記所定経路内にあるかどうかを決定することと、前記ガイドワイヤを後退させることと、を前記ガイドワイヤ
の遠位端が前記所定経路に存在するようになるまで繰り返すことであって、前記ガイドワイヤ
の近位端を最初の後退時にのみ回転させることと、
を行う、
方法。
【請求項7】
前記ガイドワイヤを後退させることは、前記ガイドワイヤ
の近位端を回転させる間に行われる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ガイドワイヤを所定量だけ後退させる請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの画像は蛍光画像である請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
カテーテル処置システムであって、
ガイドワイヤ、前記ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ、及び前記ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ回転アクチュエータを含むベッドサイドシステムと、
前記ベッドサイドシステムに結合されたワークステーションと
を含み、
前記ワークステーションは、
ユーザインタフェイスと、
少なくとも一つのディスプレイと、
前記ベッドサイドシステム、前記ユーザインタフェイス及び前記少なくとも一つのディスプレイに結合されたコントローラと
を含み、
前記コントローラは、
前記ガイドワイヤが側枝内を前進しているか否かを、関心領域の少なくとも一つの画像を処理することによって決定することと、
前記ガイドワイヤが前記側枝内を前進している場合、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して、前記ガイドワイヤを前記側枝の前の位置に後退させるとともに、前記ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤの長手方向軸まわりに前記ガイドワイヤの近位端を所定量だけ回転させることと、
前記ガイドワイヤが前記側枝の前の位置まで後退したとき、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して、前記ガイドワイヤを、前記側枝を避けて前進させることと
を行うようにプログラムされる、
カテーテル処置システム。
【請求項11】
前記コントローラが、
関心領域の少なくとも1つの画像を処理することによって、前記ガイドワイヤ
の遠位端が所望の経路にあるかどうかを決定するようにプログラムされ、前記少なくとも1つの画像は透視画像である、請求項10に記載のカテーテル処置システム。
【請求項12】
前記ガイドワイヤを前進させるステップと前記ガイドワイヤを後退させる
ステップと前記ガイドワイヤの近位端を回転させるステップとは、前記ガイドワイヤ
の遠位端が前記所望の経路に存在するようになるまで繰り返される請求項11に記載のカテーテル処置システム。
【請求項13】
前記ガイドワイヤを前記接合点の前に複数回後退させるステップであって、前記ガイドワイヤ
の近位端を、前記ガイドワイヤの最初の後退時にのみ回転させるステップを含む請求項1に記載のカテーテル処置システムの作動方法。
【請求項14】
前記ガイドワイヤ
の近位端を所定量だけ回転させる請求項6に記載のカテーテル処置システムの作動方法。
【請求項15】
前記コントローラが、
前記ガイドワイヤを複数回後退させる場合、前記ガイドワイヤの最初の後退時にのみ、前記ガイドワイヤ
の近位端を自動的に回転させるようにプログラムされる請求項10に記載のカテーテル処置システム。
【請求項16】
カテーテル処置システムであって、
ガイドワイヤ、前記ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ、及び前記ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ回転アクチュエータを含むベッドサイドシステムと、
前記ベッドサイドシステムに結合されたワークステーションと
を含み、
前記ワークステーションは、
ユーザインタフェイスと、
少なくとも一つのディスプレイと、
前記ベッドサイドシステム、前記ユーザインタフェイス及び前記少なくとも一つのディスプレイに結合されたコントローラと
を含み、
前記コントローラは、
前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを後退させるとき、前記ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して、前記ガイドワイヤの近位端が前記ガイドワイヤの長手方向軸の周りに所定量だけ回転させるようにプログラムされ、
さらに、前記コントローラは、
正しい第1の枝および側枝の接合点を通過する関心領域の少なくとも1つの画像を処理することによって、前記ガイドワイヤの遠位端が所定経路に存在するか否かを決定することと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記所定経路に存在しない場合、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを前記接合点の前の位置に後退させることと、前記ガイドワイヤを後退させるとき、前記ガイドワイヤ
の近位端を回転させることと、
前記ガイドワイヤの遠位端が前記接合点の前の位置まで後退したとき、前記ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して前記ガイドワイヤを前進させることと、
前記ガイドワイヤの前進及び前記ガイドワイヤの後退を、前記ガイドワイヤ
の遠位端が、前記接合点を通過して前記所定経路に存在するようになるまで繰り返すことと、
を行うようにプログラムされる、
カテーテル処置システム。
【請求項17】
前記コントローラが、
前記ガイドワイヤを複数回後退させる場合、前記ガイドワイヤの最初の後退時にのみ、前記ガイドワイヤ
の近位端を自動的に回転させるようにプログラムされる請求項16に記載のカテーテル処置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、治療処置を行うカテーテルシステムの分野に関し、詳しくは、ガイドワイヤをナビゲートするカテーテル処置のシステム及び方法に関する。
【0002】
関連特許出願の相互参照
本願は、「ガイドワイヤをナビゲートするシステムと方法」との名称の、2015年11月19日出願の米国特許出願第14/946,117号、及び2014年12月5日出願の米国仮出願第62/087,890号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
血管疾患、特に心血管系疾患は、様々な方法で治療することができる。心臓バイパス手術のような外科手術は、心血管系疾患を治療する一つの方法である。しかしながら、一定の状況下において血管疾患は、血管形成術のような、カテーテルベースのインターベンション処置によって治療され得る。カテーテルベースのインターベンション処置は一般に、いくつかの他のタイプの処置よりも非侵襲的とみなされている。患者が心血管系疾患を呈する症状を示す場合、患者の心臓の画像を撮ることにより、患者の疾患の診断を支援して適切な治療コースを決定することができる。アテローム性動脈硬化症のような一定の疾患タイプに対しては、患者の心臓の画像は、一以上の冠動脈を閉塞する病変を示すことがある。診断手順に引き続き、患者は、カテーテルベースのインターベンション処置を受けることができる。一つのタイプのインターベンション処置の間、ガイドワイヤが、患者の身体の血管に挿入される。ガイドワイヤはその後、所望の場所、最も一般的には心臓血管の一つ又は血管系の他の場所まで前進させられる。カテーテルはその後、ガイドワイヤを経由してスライドされ、当該カテーテルが当該病変部位に到達するまで患者の動脈系を通るように動かされる。いくつかの処置において、カテーテルにはバルーン又はステントが装備される。これらは、病変部位において展開されると、当該病変の影響を受ける冠動脈の一部を通って流れる血流の増加を許容する。心血管系疾患に加え、他の疾患(例えば高血圧症等)も、カテーテル処置を使用して治療することができる。
【0004】
ガイドワイヤを手動で挿入するべく医者は、当該ガイドワイヤの近位端にトルク及び軸方向押しつけ力を加え、その遠位端に先端方向かつ軸方向の前進をもたらす。ロボット式カテーテルシステムが開発されており、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のようなカテーテル処置を行う医者を支援するべく使用され得る。医者は、例えば閉塞動脈を広げるべく、冠動脈ガイドワイヤ及びバルーン/ステント装置を正確に操舵するようにロボット式システムを使用する。PCIを行うべく、ガイドワイヤの遠位先端は、標的病変を通過する冠動脈の解剖学的構造を通るようにナビゲートする必要がある。医者は、蛍光透視を使用して冠動脈の解剖学的構造を観察しながら、ガイドワイヤの近位端を操作して当該遠位先端を、病変に向かう適切な血管の中へと向けつつ側枝に前進させないようにする。蛍光透視の限界、不十分な可視性、奥行き知覚の欠如、及び解剖学的構造とガイドワイヤとの整合性ゆえに、ガイドワイヤの近位端を回転させてその遠位先端を所望の場所へと正確に向けることは困難となり得る。
【0005】
接合箇所を通過してナビゲートするのに必要な時間量を低減して全体的な処置時間を低減できるガイドワイヤのナビゲートのシステム及び方法を与えることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2010/0331670 (A1)号明細書
【発明の概要】
【0007】
一実施形態によれば、カテーテル処置中にガイドワイヤをナビゲートする方法が、カテーテル処置システムを使用して一経路を通るようにガイドワイヤを前進させることと、当該ガイドワイヤが所望の経路にあるか否かを、少なくとも関心領域の少なくとも一つの画像に基づいて決定することと、当該ガイドワイヤが所望の経路に存在しない場合にカテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを回転させることであって、当該ガイドワイヤは所定量だけ回転させられることと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを後退させることと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを前進させるステップと当該ガイドワイヤを回転及び後退させるステップとを、当該ガイドワイヤが当該所望の経路に存在するようになるまで繰り返すことと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを所望の位置まで前進させることとを含む。
【0008】
他実施形態によれば、カテーテル処置中にガイドワイヤをナビゲートする方法が、所定経路を画定する一セットのパラメータを受信することと、カテーテル処置システムを使用してガイドワイヤを、当該所定経路を通るように自動的に前進させることと、少なくとも関心領域の少なくとも一つの画像に基づいて当該ガイドワイヤが当該所定経路に存在するか否かを決定することと、当該ガイドワイヤが当該所定経路に存在しない場合に当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを回転させることであって、当該ガイドワイヤは所定量だけ回転させられることと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを後退させることと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを前進させるステップと当該ガイドワイヤを回転及び後退させるステップとを、当該ガイドワイヤが当該所定経路に存在するようになるまで繰り返すことと、当該カテーテル処置システムを使用して当該ガイドワイヤを所望の位置まで前進させることとを含む。
【0009】
他実施形態によれば、カテーテル処置システムが、ガイドワイヤ、当該ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ、及び当該ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ回転アクチュエータを有するベッドサイドシステムと、当該ベッドサイドシステムに結合されたワークステーションとを含み、当該ワークステーションは、ユーザインタフェイスと、少なくとも一つのディスプレイと、当該ベッドサイドシステム、当該ユーザインタフェイス及び当該少なくとも一つのディスプレイに結合されたコントローラとを含み、当該コントローラは、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して一経路を通るように当該ガイドワイヤを前進させることと、当該ガイドワイヤが所望の経路に存在するか否かを、少なくとも関心領域の少なくとも一つの画像に基づいて決定することと、当該ガイドワイヤが当該所望の経路に存在しない場合に当該ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを回転させることであって、当該ガイドワイヤは所定量だけ回転させられることと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを後退させることと、ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ及び当該ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを前進させるステップと当該ガイドワイヤを回転及び後退させるステップとを、当該ガイドワイヤが当該所望の経路に存在するようになるまで繰り返すことと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを所望の位置まで前進させることとを行うようにプログラムされる。
【0010】
他実施形態によれば、カテーテル処置システムが、ガイドワイヤ、当該ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ、及び当該ガイドワイヤに結合されたガイドワイヤ回転アクチュエータを有するベッドサイドシステムと、当該ベッドサイドシステムに結合されたワークステーションとを含み、当該ワークステーションは、ユーザインタフェイスと、少なくとも一つのディスプレイと、当該ベッドサイドシステム、当該ユーザインタフェイス及び当該少なくとも一つのディスプレイに結合されたコントローラとを含み、当該コントローラは、所定経路を画定する一セットのパラメータを、当該ユーザインタフェイスを使用して受信することと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを、当該所定経路を通るように前進させることと、少なくとも関心領域の少なくとも一つの画像に基づいて当該ガイドワイヤが当該所定経路にあるか否かを決定することと、当該ガイドワイヤが当該所定経路にない場合に当該ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを回転させることとであって、当該ガイドワイヤは所定量だけ回転させられることと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを後退させることと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ及び当該ガイドワイヤ回転アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを前進させるステップと当該ガイドワイヤを同時に後退及び回転させるステップとを、当該ガイドワイヤが当該所定経路に存在するようになるまで繰り返すことと、当該ガイドワイヤ前進/後退アクチュエータを使用して当該ガイドワイヤを所望の位置まで前進させることとを行うようにプログラムされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願は、同じ参照番号が同じ要素を参照する添付図面を併せて考慮することにより、以下の詳細な説明から十分に理解される。
【0012】
【
図1】典型的な実施形態に係るカテーテル処置システムの斜視図である。
【
図2】典型的な実施形態に係るカテーテル処置システムのブロック図である。
【
図3】典型的な実施形態に係る様々な駆動機構を描くカテーテル処置システムのブロック図である。
【
図4】典型的な実施形態に係るロボット式カテーテルシステムを制御するコントローラのブロック図である。
【
図5】典型的な実施形態に係る動き命令モジュールのブロック図である。
【
図6】一実施形態に係るガイドワイヤをナビゲートする方法を例示する。
【
図7】
図7A~7Cは、一実施形態に係るガイドワイヤの典型的なナビゲーションを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
典型的な実施形態を詳細に例示する図面を参照する前に、本出願が、本明細書に記載され又は図面に例示された詳細又は方法論に限られないことを理解すべきである。用語は、記載のみを目的とし、限定としてみなすべきでないことも理解すべきである。
【0014】
図1を参照すると、カテーテル処置システム10が示される。カテーテル処置システム10は、カテーテルベースの医療処置(例えば経皮的インターベンション処置)を行うべく使用することができる。経皮的インターベンション処置は、患者の疾患の診断を支援するべく一以上のカテーテルが使用される診断カテーテル処置を含む。例えば、カテーテルベースの診断処置の一実施形態の間に、造影剤がカテーテルを介して一以上の冠動脈の中に注入され、患者の心臓の画像が撮られる。経皮的インターベンション処置はまた、カテーテルが疾患を治療するべく使用されるカテーテルベースの治療処置(例えばバルーン血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患治療等)を含み得る。しかしながら、一定の特定経皮的インターベンションの装置又は構成要素(例えば、ガイドワイヤのタイプ、カテーテルのタイプ等)が、行われる処置のタイプに基づいて選択されると当業者であれば認識するであろうことに留意すべきである。カテーテル処置システム10は、任意数のカテーテルベースの医療処置を、当該処置に使用される特定の経皮的装置に対応するわずかな調整により行うことができる。特に、ここに記載されるカテーテル処置システム10の実施形態が主に、冠動脈疾患の診断及び/又は治療に関連して説明されるにもかかわらず、カテーテル処置システム10は、カテーテルベースの処置を介した診断及び/又は治療を受けやすい任意タイプの疾患又は病状を診断及び/又は治療するべく使用することができる。例えば、カテーテル処置システム10は、腎臓を衰弱させる一定の神経を不活性にして高血圧を制御するべく高周波放射カテーテルを利用する高血圧の治療に使用することができる。
【0015】
カテーテル処置システム10は、ラボユニット11及びワークステーション14を含む。カテーテル処置システム10は、ロボット式カテーテルシステムを含む。これは、患者21に隣接するラボユニット11の中に配置されたベッドサイドシステム12として示される。一般に、ベッドサイドシステム12には、カテーテルベースの医療処置を行うことをユーザに許容する適切な経皮的装置(例えばガイドワイヤ、ガイドカテーテル、作業カテーテル、カテーテルバルーン、ステント、診断カテーテル等)又は他の構成要素(例えば造影剤、薬剤等)が装備され得る。ベッドサイドシステム12のようなロボット式カテーテルシステムは、ロボット式システムを介してカテーテルベースの医療処置を、ワークステーション14に配置された制御のような様々な制御を動作させることによって行うことをユーザに許容するように構成された任意のシステムであり得る。ベッドサイドシステム12は、ここに記載される機能をベッドサイドシステム12に与える任意の数及び/又は組み合わせの構成要素を含み得る。ベッドサイドシステム12の様々な実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2009年5月4日出願の国際出願第US2009/042720号に詳しく記載される。
【0016】
一実施形態において、ベッドサイドシステム12は、カテーテルベースの診断処置を行うように装備される。この実施形態において、ベッドサイドシステム12には、造影剤を冠動脈に送達する様々なカテーテルの一以上のが装備され得る。一実施形態において、ベッドサイドシステム12には、造影剤を心臓の左側の冠動脈に送達する形状とされた第1カテーテルと、造影剤を心臓の右側の冠動脈に送達する形状とされた第2カテーテルと、造影剤を心室に送達する形状とされた第3カテーテルとが装備され得る。
【0017】
他実施形態において、ベッドサイドシステム12は、カテーテルベースの治療処置を行うように装備され得る。この実施形態において、ベッドサイドシステム12には、ガイドカテーテル、ガイドワイヤ及び作業カテーテル(例えばバルーンカテーテル、ステント送達カテーテル、アブレーションカテーテル等)が装備され得る。一実施形態において、ベッドサイドシステム12には、処置中にガイドワイヤが通される2次管腔を含む作業カテーテルが装備され得る。他実施形態において、ベッドサイドシステム12には、処置中にガイドワイヤが通される中心管腔を含むワイヤ経由作業カテーテルが装備され得る。他実施形態において、ベッドサイドシステム12には、血管内超音波(IVUS)カテーテルが装備され得る。他実施形態において、ベッドサイドシステム12のいずれの経皮的装置にも、身体内における構成要素の位置を示す位置センサが装備され得る。
【0018】
ベッドサイドシステム12は、ワークステーション14と通信することにより、ユーザ入力及び/又はワークステーション14の制御システムにより生成された信号が、ベッドサイドシステム12の様々な機能を制御するべくベッドサイドシステム12に送信されることを許容する。ベッドサイドシステム12はまた、フィードバック信号(例えば動作条件、警告信号、エラーコード等)をワークステーション14に与え得る。ベッドサイドシステム12は、通信リンク38を介してワークステーション14に接続されてよい。通信リンク38は、ワークステーション14とベッドサイドシステム12との間に通信を生じさせるようにできる無線接続、ケーブルコネクタ又は任意の他の手段としてよい。
【0019】
ワークステーション14はユーザインタフェイス30を含む。ユーザインタフェイス30は制御器16を含む。制御器16によりユーザは、ベッドサイドシステム12を制御してカテーテルベースの医療処置を行うことができる。例えば、制御器16は、ベッドサイドシステム12に、ベッドサイドシステム12に装備され得る様々な経皮的装置を使用して様々なタスクを行わせるように構成することができる(例えば、ガイドワイヤの前進、後退若しくは回転、作業カテーテルの前進、後退若しくは回転、ガイドカテーテルの前進、後退若しくは回転、カテーテルに配置されたバルーンの膨張若しくは収縮、ステントの位置決め及び/若しくは展開、カテーテルへの造影剤の注入、カテーテルへの薬剤の注入、又はカテーテルベースの医療処置等の一部として行われる任意の他の機能の実行)。いくつかの実施形態において、当該経皮的インターベンション装置の一以上は操舵可能としてよく、制御器16は、ユーザが一以上の操舵可能経皮的装置を操舵できるように構成することができる。一つのそのような実施形態において、ベッドサイドシステム12には、操舵可能ガイドカテーテルが装備されてよく、制御器16はまた、遠隔のワークステーション14に位置するユーザが、操舵可能ガイドカテーテルの遠位先端の曲げを制御することができるように構成される。操舵可能ガイドカテーテルを含むカテーテルシステム10のさらなる実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2010年3月17日出願の国際出願第US2010/27666号明細書に開示されている。
【0020】
一実施形態において、制御器16は、タッチ画面18、専用ガイドカテーテル制御器29、専用ガイドワイヤ制御器23及び専用作業カテーテル制御25を含む。この実施形態において,ガイドワイヤ制御器23は、ガイドワイヤを前進、後退又は回転させるように構成されたジョイスティックであり、作業カテーテル制御器25は、作業カテーテルを前進、後退又は回転させるように構成されたジョイスティックであり、ガイドカテーテル制御器29は、ガイドカテーテルを前進、後退又は回転させるように構成されたジョイスティックである。加えて、タッチ画面18は、ベッドサイドシステム12を介して一以上の経皮的装置の動きを制御し、又は以下に述べるユーザからの様々な入力を受信するための(アイコン162、164及び166のような)一以上のアイコンを表示することができる。制御器16はまた、バルーン及び/又はステントを膨張又は収縮させるように構成されたバルーン又はステントの制御器も含んでよい。各制御は、特定の構成要素の制御に望ましい、当該制御が専用の一以上のボタン、ジョイスティック、タッチ画面等を含んでよい。以下に詳述されるように、カテーテル処置システム10は、経皮的装置の動きアルゴリズムモジュール又は動き命令モジュール114を含む。これらは、ベッドサイドシステム12がどのようにして、制御器16のユーザ操作に応答して経皮的装置を特定の態様で動かせるようにするかを指示する。
【0021】
制御器16は、緊急停止ボタン31及び乗算器ボタン33を含み得る。緊急停止ボタン31が押されると、リレーがトリガーを受け、ベッドサイドシステム12への電力供給を遮断する。乗算器ボタン33は、関連づけられた構成要素が、ガイドカテーテル制御器29、ガイドワイヤ制御器23及び作業カテーテル制御器25の操作に応答して動かされる速度を増加又は減少させる役割を果たす。例えば、ガイドワイヤ制御器23の動作によりガイドワイヤが1mm/秒の速度で前進する場合、乗算器ボタン33を押すことにより、ガイドワイヤ制御器23の動作は、ガイドワイヤを2mm/秒の速度で前進させるようになる。乗算器ボタン33は、乗算器効果のオン及びオフを切り替えるトグルであってよい。他実施形態において、乗算器ボタン33は、制御器16の動作中に構成要素の速度を増加させるようにユーザが押し下げる必要がある。
【0022】
ユーザインタフェイス30は、第1モニタ26及び第2モニタ28を含み得る。第1モニタ26及び第2モニタ28は、情報又は患者固有データを、ワークステーション14にいるユーザに表示するように構成してよい。例えば、第1モニタ26及び第2モニタ28は、画像データ(例えばX線画像、MRI画像、CT画像、超音波画像等)、血行動態データ(例えば血圧、心拍数等)、患者記録情報(病歴、年齢、体重等)を表示するように構成してよい。加えて、第1モニタ26及び第2モニタ28は、処置固有情報(例えば処置の持続時間、カテーテル又はガイドワイヤの位置、送達される薬剤又は造影剤の容量等)を表示するように構成してよい。一実施形態において、ユーザは、モニタ26及び28に表示された様々なアイコン又は情報と対話し又は選択することを、ユーザ入力装置又は制御器(例えばマウス)を使用して行うことができる。モニタ26及びモニタ28は、操舵可能ガイドカテーテルの遠位先端の位置及び/又は曲げに関する情報を表示するように構成してよい。さらに、モニタ26及びモニタ28は、以下に記載されるコントローラ40の様々なモジュールに関連づけられた機能を与えるための情報を表示するように構成してよい。他実施形態において、ユーザインタフェイス30は、ここに記載されるディスプレイ構成要素及び/又はタッチ画面構成要素の一以上を表示するのに十分なサイズの単数の画面を含む。
【0023】
カテーテル処置システム10はまた、ラボユニット11の中に配置されたイメージングシステム32も含む。イメージングシステム32は、カテーテルベースの医療処置(例えば非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波等)と併せて使用することができる任意の医療イメージングシステムであってよい。典型的な実施形態において、イメージングシステム32は、ワークステーション14と通信するデジタルX線イメージング装置である。
図1に示されるように、イメージングシステム32は、C字アームを含んでよい。これにより、イメージングシステム32は、患者21に対して異なる角度位置での画像(例えば矢状図、尾側図、頭尾側図等)を得るべく、患者21まわりを部分的に又は完全に回転することができる。
【0024】
イメージングシステム32は、特定の処置中に、患者21の適切な領域のX線画像を撮るように構成される。例えば、イメージングシステム32は、心臓の病状を診断するべく当該心臓の一以上のX線画像を撮るように構成してよい。イメージングシステム32はまた、カテーテルベースの医療処置中に一以上のX線画像(例えばリアルタイム画像)を撮るように構成し、当該処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、作業カテーテル、ステント等を適切に位置決めするワークステーション14のユーザを支援するようにしてよい。単数又は複数の画像を、第1モニタ26及び/又は第2モニタ28に表示してよい。
【0025】
加えて、ワークステーション14のユーザは、患者に対するイメージングシステム32の角度位置を制御し、第1モニタ26及び/又は第2モニタ28における当該患者の心臓の様々な図を取得及び表示することができる。処置の異なる部分において異なる図を表示する支援により、ワークステーション14のユーザは、患者の心臓の3D幾何学形状内で経皮的装置を適切に動かし及び位置決めすることができる。例えば、処置中に適切な図が表示されることによりユーザは、操舵可能ガイドカテーテルの遠位先端が、当該カテーテルが意図されたように動かされていることを保証する適切な態様で曲がっていることを保証するべく、患者の血管系を適切な角度から見ることができる。加えて、処置の異なる部分において異なる図が表示されることによりユーザは、以下に述べる動き命令モジュール114の適切な命令セットを選択する支援を受けることができる。典型的な実施形態において、イメージングシステム32は、過去、現在又は未来の、X線ベースのコンピュータ断層撮影(CT)イメージング装置、磁気共鳴イメージング装置、3D超音波イメージング装置等のような任意の3Dイメージングモダリティとなり得る。この実施形態において、処置中に表示される患者の心臓の画像は、3D画像となり得る。加えて、制御器16はまた、ワークステーション14にいるユーザが、イメージングシステム32の様々な機能(例えば画像のキャプチャ、拡大、コリメーション、C字アームの位置決め等)を制御することができるように構成され得る。
【0026】
図2を参照すると、典型的な実施形態に係るカテーテル処置システム10のブロック図が示される。カテーテル処置システム10は、コントローラ40として示される制御システムを含み得る。
図2に示されるように、コントローラ40は、ワークステーション14の一部としてよい。コントローラ40は、一以上のベッドサイドシステム12、制御器16、モニタ26及び28、イメージングシステム32、並びに患者センサ35(例えば心電図(「ECG」)装置、脳波図(「EEG」)装置、血圧モニタ、温度モニタ、心拍数モニタ、呼吸モニタ等)と通信する。加えて、コントローラ40は、病院データ管理システム又は病院ネットワーク34、一以上の追加出力装置36(例えばプリンタ、ディスクドライブ、CD/DVD書き込み器等)、及び病院在庫管理システム37と通信してもよい。
【0027】
カテーテル処置システム10の様々な構成要素間の通信は、通信リンク38を介して達成することができる。通信リンク38は、専用の有線又は無線接続である。通信リンク38はまた、ネットワークを介する通信を代表し得る。カテーテル処置システム10は、明示的には示されない任意の他のシステム及び/又は装置に接続され、又はこれらを含むように構成してよい。例えば、カテーテル処置システム10は、IVUSシステム、画像プロセシングエンジン、データ記憶及びアーカイブシステム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、造影剤及び/又は薬剤注入システム、薬剤トラッキング及び/又はロギングシステム、ユーザログ、暗号化システム、カテーテル処置システム10のアクセス又は使用を制限するシステム、過去、現在又は未来のロボット式カテーテルシステム等を含んでよい。膨張及び/又は造影剤注入システムを含むカテーテル処置システム10のさらなる実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2009年12月10日出願の国際出願第US2009/67540号明細書に開示されている。
【0028】
図3を参照すると、典型的な実施形態に係るカテーテル処置システム10の一実施形態のブロック図が示される。カテーテル処置システム10は、関連付けられた経皮的装置を制御器16のユーザ操作に応答して動かす様々な駆動機構を含んでよい。図示の実施形態において、カテーテル処置システム10は、ガイドワイヤ駆動機構50、作業カテーテル駆動機構52及びガイドカテーテル駆動機構54を含む。他実施形態において、カテーテル処置システム10は、血管形成術又はステント送達バルーンを膨張させる駆動機構、及び造影剤を送達する駆動機構を含んでよい。図示の実施形態において、ガイドワイヤ駆動機構50及び作業カテーテル駆動機構52は、ベッドサイドシステム12のベースに結合されたカセット56の中に組み入れられる。ベッドサイドシステム12及びカセット56の追加実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2009年5月4日出願の国際出願第US2009/042720号明細書に詳しく記載されている。カテーテル処置システム10のさらなる実施形態は、その双方の全体がここに参照として組み入れられる2010年3月17日出願の国際出願第US2010/27666号明細書、及び2009年12月10日出願の国際出願第US2009/67540号明細書に詳しく記載されている。
【0029】
ガイドワイヤ駆動機構50は、ガイドワイヤ駆動機構50がガイドワイヤ58の前進、後退及び回転を引き起こすことができるようにガイドワイヤ58に結合される。作業カテーテル駆動機構52は、作業カテーテル駆動機構52が作業カテーテル60の前進、後退及び回転を引き起こすことができるように作業カテーテル60に接続される。コネクタ62が、ガイドカテーテル64をガイドカテーテル駆動機構54に結合することにより、ガイドカテーテル駆動機構54は、ガイドカテーテル64の前進、後退及び回転を引き起こすことができる。様々な実施形態において,ガイドワイヤ駆動機構50、作業カテーテル駆動機構52及びガイドカテーテル駆動機構はそれぞれが、対応する経皮的装置に係合するのに適切な係合構造(例えば一以上の対のピンチホイール)を含んでよい。これにより、駆動機構は、軸方向及び/又は回転の動きを経皮的装置に与えることができる。
【0030】
Y字コネクタ66は、コネクタ68を介してガイドカテーテル駆動機構54に結合される。様々な実施形態において、コネクタ68は、Y字コネクタ66及びガイドカテーテル駆動機構54の双方とは別個の構成要素としてよい。他実施形態において、コネクタ68は、Y字コネクタ66の一部(例えば、これと一体化され)、又は駆動機構54の一部としてよい。図示の実施形態において、Y字コネクタ66はカセット56にも接続される。
【0031】
一実施形態において、Y字コネクタ66は、第1レッグ、第2レッグ及び第3レッグを含む。Y字コネクタの第1レッグは、ガイドカテーテル64の内部管腔に接続され、又は当該内部管腔に連通する。第2レッグは、ガイドカテーテル64の長手方向軸から離れるように角度がつけられる。第2レッグは、流体(例えば造影剤、薬剤等)をガイドカテーテル64の管腔に注入するためのポートを与える。Y字コネクタ66の第3レッグは、カセット56に結合されてガイドワイヤ58及び作業カテーテル60の双方を受容する。すなわち、この配列により、ガイドワイヤ58及び作業カテーテル60は、Y字コネクタ66を通してガイドカテーテル64の内部管腔へと挿入される。
【0032】
ガイドワイヤ駆動機構50は、回転アクチュエータ70及び前進/後退アクチュエータ72を含む。回転アクチュエータ70は、ガイドワイヤ58の、その長手方向軸まわりの回転を引き起こすように構成される。前進/後退アクチュエータ72は、患者21の中でガイドワイヤ58を前進及び/又は後退させるように(すなわちガイドワイヤの長手方向軸に沿って前進及び/又は後退させるように)構成される。作業カテーテル駆動機構52は、回転アクチュエータ74、及び前進/後退アクチュエータ76を含む。回転アクチュエータ74は、作業カテーテル60の、その長手方向軸まわりの回転を引き起こすように構成される。前進/後退アクチュエータ76は、患者21の中で作業カテーテル60を前進及び/又は後退させるように(すなわち作業カテーテルの長手方向軸に沿って前進及び/又は後退させるように)構成される。ガイドカテーテル駆動機構54は、回転アクチュエータ78、前進/後退アクチュエータ80及び曲げアクチュエータ82を含む。回転アクチュエータ78は、ガイドカテーテル64の、その長手方向軸まわりの回転を引き起こすように構成される。前進/後退アクチュエータ80は、患者21の中でガイドカテーテル64を前進及び/又は後退させるように(すなわちガイドカテーテルの長手方向軸に沿って前進及び/又は後退させるように)構成される。いくつかの実施形態において、ガイドカテーテル64は、ユーザがガイドカテーテル64の遠位先端の曲げを引き起こすことができる一以上の曲げ制御要素を含んでよい。そのような一実施形態において、曲げアクチュエータ82は、ガイドカテーテル64の遠位先端が、制御器16のユーザ操作に応答して曲がるようにする。
【0033】
図3のブロック図に示されるように、ワークステーション14にある制御器16及びコントローラ40は、ベッドサイドシステム12の様々な部分に通信可能に結合される。その結果、ユーザ及び/又は制御システムは、ガイドワイヤ58、作業カテーテル60及びガイドカテーテル64、並びにベッドサイドシステム12に装備された任意の他の経皮的装置の動きを制御することができる。図示の実施形態において、制御器16及びコントローラ40は、ユーザがガイドカテーテル64を動かすことができるようにガイドカテーテル駆動機構54に結合される。加えて、制御器16及びコントローラ40は、ユーザが、ガイドワイヤ駆動機構50を介してガイドワイヤ58を制御し、作業カテーテル駆動機構52を介して作業カテーテル60を制御することができるようにカセット56に結合される。ワークステーション14にある制御器及びコントローラが生成した制御信号116は、ここに記載される経皮的装置を制御するべくベッドサイドシステム12へと通信される。
【0034】
図4を参照すると、典型的な実施形態に係るコントローラ40のブロック図が示される。コントローラ40は一般に、カテーテル処置システム10に、ここに記載される様々な機能を与えるのに適切な電子制御ユニットとしてよい。例えば、コントローラ40は、組み込みシステム、専用回路、ここに記載される機能がプログラムされた汎用システムとしてよい。コントローラ40は、プロセシング回路90、メモリ92、通信モジュール又はサブシステム94、通信インタフェイス96、処置制御モジュール又はサブシステム98、シミュレーションモジュール又はサブシステム100、支援制御モジュール又はサブシステム102、モード選択モジュール又はサブシステム104、在庫モジュール又はサブシステム106、GUIモジュール又はサブシステム108、データ記憶モジュール又はサブシステム110、及び記録モジュール又はサブシステム112を含む。
【0035】
プロセシング回路90は、モジュール又はサブシステム構成要素94、98~114を与えるように構成された汎用プロセッサ、アプリケーション固有プロセッサ(ASIC)、一以上のプロセシング構成要素を含む回路、一群の分散プロセシング構成要素、プロセシングを目的に構成された一群の分散コンピュータ等としてよい。メモリ92(例えばメモリユニット、メモリ装置、記憶装置等)は、本開示に記載される様々なプロセスをコンピューティングし及び/又は容易にするデータ及び/又はコンピュータコードを記憶する一以上の装置としてよい。メモリ92は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。メモリ92は、本開示に記載される様々なアクティビティをサポートするデータベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、及び/又は任意の他のタイプの情報構造を含み得る。
【0036】
典型的な実施形態によれば、過去、現在又は未来の任意の分散された及び/又はローカルのメモリ装置を、本開示のシステム及び方法とともに利用することができる。典型的な実施形態によれば、メモリ92は、(例えば、回路、又は任意の他の有線、無線若しくはネットワーク接続を介して)プロセシング回路90及びモジュール構成要素94、98~114に通信可能に接続され、ここに記載される一以上のプロセスを実行するためのコンピュータコードを含む。単数のメモリユニットが、様々な個別のメモリ装置、チップ、ディスク及び/又は他の記憶構造若しくはシステムを含んでよい。
【0037】
モジュール又はサブシステム構成要素94、98~114は、各モジュールの対応機能を行うためのコンピュータコード(例えばオブジェクトコード、プログラムコード、コンパイル済みコード、スクリプトコード、実行可能コード又はこれらの任意の組み合わせ)、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせとしてよい。モジュール構成要素94、98~114は、プロセシング回路90又は他の適切なプロセシングシステムと通信するように構成されたメモリ92又は一以上のローカル、分散及び/又は遠隔のメモリユニットに記憶されてよい。
【0038】
通信インタフェイス96は、コントローラ40を、カテーテル処置システム10の他の構成要素に通信リンク38を介して通信可能に結合する一以上の構成要素を含む。通信インタフェイス96は、通信リンク38をコントローラ40、アナログ・デジタル変換器、デジタル・アナログ変換器、信号プロセシング回路及び/又は他の適切な構成要素に物理的に結合する一以上のジャック又は他のハードウェアを含んでよい。通信インタフェイス96は、コントローラ40を、カテーテル処置システム10の構成要素に無線接続を介して接続するように構成されたハードウェアを含んでよい。通信モジュール94は、コントローラ40の通信アクティビティ(例えば、接続のネゴシエーション、標準又は独自のプロトコルを介した通信等)をサポートするように構成される。
【0039】
データ記憶モジュール110は、コントローラ40による情報の記憶及び取得をサポートするように構成される。一実施形態において、データ記憶モジュール110は、画像データを含む患者固有データを記憶するデータベースである。他実施形態において、データ記憶モジュール110は、病院ネットワーク34に配置されてよい。データ記憶モジュール110及び/又は通信モジュール94はまた、コントローラ40による使用のため病院ネットワーク34から患者固有データをインポート及び/又はエクスポートするように構成してよい。
【0040】
コントローラ40はまた、カテーテルベースの医療処置の間にベッドサイドシステム12の制御をサポートするように構成された処置制御モジュール98も含む。処置制御モジュール98によってユーザは、制御器16を操作することによりベッドサイドシステム12を動作させることができる。この制御を与えるべく、処置制御モジュール98が、経皮的装置の動きアルゴリズム又は動き命令モジュール114と通信する。動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12がどのようにして、制御器16のユーザ操作に応答して、ベッドサイドシステム12に装備された経皮的装置(例えばガイドワイヤ、作業カテーテル、ガイドカテーテル等)の一以上の動きをもたらすのかを指示する一以上の動きアルゴリズム又は命令セット(例えば命令セットのライブラリ)を含む。様々な実施形態において、処置制御モジュール98は、制御器16のユーザ操作に基づいて、及び動き命令モジュール114が与える一以上のアクティブセットに基づいて、一以上の制御信号116を生成するように構成される。処置制御モジュール98が生成する制御信号は、コントローラ40から、ベッドサイドシステム12の適切な単数又は複数のアクチュエータへと通信される。制御信号は、制御16のユーザ操作に従い、及び動き命令モジュール114のアクティブな命令セットに従う、経皮的装置の動きを引き起こすように適切なアクチュエータを制御する。この態様において、経皮的装置の動きは、ワークステーション14から制御され得る。処置制御モジュール98はまた、特定の処置に適切なデータをモニタ26及び28に表示させるようにしてよい。処置制御モジュール98はまた、様々なアイコン(例えばアイコン162、164、166等)を、ユーザがベッドサイドシステム12の使用を制御するべく対話可能なタッチ画面18に表示させるようにしてよい。
【0041】
図5を参照すると、典型的な実施形態に係る動き命令モジュール114が描かれている。一実施形態において、動き命令モジュール114は、ユーザがベッドサイドシステム12を介して経皮的装置の各動きを特定的に制御するように構成される。この実施形態において、動き命令モジュール114はユーザ制御命令セット180を含む。ユーザ制御命令セット180は、制御器16が受信した特定の入力に応答してベッドサイドシステム12に、(例えば、設定された速度で、設定された方向で等の)予め画定された設定態様での経皮的装置の(例えば前進、後退、回転等の)動きを引き起こさせる装置動き命令を含む。
【0042】
例えば、動き命令モジュール114のユーザ制御命令セット180は、ガイドワイヤ制御23が駆動されるときにベッドサイドシステム12が、設定された速度でのガイドワイヤの前進、後退又は回転を引き起こすように構成してよい。すなわち、この実施形態において、動き命令モジュール114は、経皮的装置の動きの速度及び方向を、ユーザの制御器16との対話に基づいてユーザが制御できるように構成される。すなわち、一定の処置に対しユーザは、制御器16の操作により経皮的装置のあらゆる動きを直接的に制御したいとユーザが所望すれば、ユーザ制御命令セット180を選択し又はアクティブにすることができる。
【0043】
一つの特定実施形態において、ベッドサイドシステム12により引き起こされる経皮的装置が動く速度は、制御器の変位量に比例する。例えば、制御器23、25及び29がジョイスティック制御器である場合、ユーザ制御命令セット180は、ベッドサイドシステム12が引き起こす経皮的装置の動き速度が、静止位置からのジョイスティックの変位度に比例するように構成してよい。さらに、この実施形態において、ベッドサイドシステム12により引き起こされる経皮的装置の動きの方向(例えば前進又は後退)は、静止位置からのジョイスティックの変位の方向に基づく。
【0044】
上述のように、制御器16は乗算器ボタン33を含み得る。動き命令モジュール114は、乗算器ボタン33がアクティブにされていないときにアクティブ又は動作可能である第1セットの命令と、乗算器ボタン33がアクティブにされていると動作可能な第2セットの命令とを含んでよい。この実施形態において、第2セットの命令は、経皮的装置が、第1セットの命令の制御による動きよりも速くベッドサイドシステム12により動かされるように構成される。すなわち、ユーザが乗算器ボタン33を押すと、動き命令モジュール114の第2セットの命令がアクティブにされ、制御器16の特定の動作ゆえに経皮的装置が動く速度の増加が引き起こされる。例えば、動き命令モジュール114の第1セットの命令が、制御器16がフル駆動(例えばジョイスティック制御器のフル変位)されると作業カテーテルの毎秒1mmの前進速度を指示する場合、動き命令モジュール114の第2セットの命令は、制御器16がフル駆動されると当該作業カテーテルの毎秒2mmの前進速度を引き起こし得る。
【0045】
様々な実施形態において、動き命令モジュール114は、経皮的装置による特定タイプの動きをもたらす一連の複雑な動きの中でユーザが制御器16を手動で操作する必要性なしに、ベッドサイドシステム12を介して経皮的装置が一定の動きを行うことを容易にする様々なセットの命令を含んでよい。これらの実施形態において、ユーザは、動き特性を画定する特定の動き命令セットを選択し又はアクティブにすることができ、制御器16がユーザによって操作されると、経皮的装置が当該動き特性に従って動かされる。すなわち、動き命令モジュール114は、各処置において一貫して行われるアクティブにされた命
令セットに関連づけられた経皮的装置の特定の動きを許容することができる。特定の処置を行うのに必要な動き特性は、治療される状態のタイプ(例えば慢性的完全閉塞(CTO)、部分閉塞等)、治療される病状の場所(例えば冠動脈、抹消動脈等)、治療される領域の幾何学的形状、使用される経皮的装置の特定タイプ(例えば製造元、モデル、サイズ等)のような因子に依存し得る。
【0046】
一実施形態において、動き命令モジュール114は、軸方向ステップ動き特性命令セット182を含んでよい。これは、ユーザが経皮的装置の前進を引き起こすべく制御器16を動作させるときに、ベッドサイドシステム12が経皮的装置を、一連の小さな軸方向ステップ又はパルスで動かすように構成される。そのような一実施形態において、動き命令モジュール114の軸方向ステップ動き特性命令セット182は、ステップ距離(すなわち、例えば0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、1.5mm、2mm等のような当該ステップの距離パラメータ)、ステップ持続時間(すなわち、例えば0.05秒、0.1秒、0.3秒、0.5秒、1秒等のような、装置が当該ステップ距離を動くのにかかる時間長)、及び静止持続時間(すなわち、例えば0.05秒、0.1秒、0.3秒、0.5秒、1秒等のようなステップ間の時間長)を特定することができる。そのようなパルス状の動きは、経皮的装置は、慢性的完全閉塞(CTO)を横断できるように使用することができる。この実施形態において、経皮的装置の、その長手方向軸に沿った前進は、ステップ距離、ステップ持続時間及び静止持続時間によって画定される一連のパルス状軸方向ステップとして生じる。
【0047】
他実施形態において、動き命令モジュール114の軸方向ステップ動き特性命令セット182は、ベッドサイドシステム12が一以上の後退パルス(すなわち、装置を前進方向とは反対の方向に動かすパルス)を軸方向前進パルスと散在させて、ユーザが制御器16を操作して経皮的装置の正味の前進を引き起こすように構成された動き特性を含んでよい。一実施形態において、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12が、一セットの順方向パルスで経皮的装置を動かすように構成してよい。ユーザが制御器16を操作して経皮的装置の前進を引き起こす間、当該一セットの順方向パルスに一以上の後退パルスが引き続き、当該一以上の後退パルスに第2セットの順方向パルスが引き続き等のようになる。そのような動き特性を利用した正味の順方向の進捗を保証するべく、命令セットは、各セットの順方向パルスの間に移動する距離が、後退パルスの間に移動する距離よりも大きくなることを保証する。後退パルスにより、経皮的装置は、さらなる前進に先立って構造物(例えば病変、血管壁等)との係合から外れることができる。様々な実施形態において、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12に装備されるガイドワイヤ、作業カテーテル及びガイドカテーテルを含む任意の経皮的装置のパルス状の動きを引き起こすように構成してよい。
【0048】
他実施形態において、動き命令モジュール114は、経皮的装置の前進/後退を引き起こす制御器16のユーザ操作に応答して経皮的装置が前進及び/又は後退するときに、一設定速度で経皮的装置をベッドサイドシステム12が回転させるように構成された自動回転動き特性命令セット184を含んでよい。そのような一実施形態において、動き命令モジュール114の自動回転動き特性命令セット184は、経皮的装置が前進又は後退するときに経皮的装置が経験する回転量(すなわち回転速度)を特定してよい。回転速度は、単位軸方向移動距離当たりの回転角度によって特定することができる(例えば、2mm移動ごとの360度の回転等)。または、単位軸方向移動時間当たりの回転角度によって特定することもできる(例えば、5秒の軸方向移動ごとの360度の回転)。この実施形態により、ユーザは、軸方向移動及び回転の双方を引き起こす制御器16の手動操作の必要性なしに、経皮的装置によるドリル又はコルクスクリュー動作を行うことができる。様々な実施形態において、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12に装備されるガイドワイヤ、作業カテーテル及びガイドカテーテルを含む任意の装置にそのような動きを引き起こす命令を含んでよい。
【0049】
様々な実施形態において、コントローラ40は、特定の動き特性に関連づけられたパラメータの一以上をユーザが設定又は選択することができるように構成される。例えば、ユーザは、上述した動き特性に対して所望のステップ距離、ステップ持続時間、静止持続時間、回転速度等を入力又は選択することができる。これらの実施形態において、制御器16は、動き特性に関連づけられたパラメータをユーザが入力できるようにする少なくとも一つのユーザ入力装置又は制御器(例えばタッチ画面アイコン162、164、166、キーボード等)を含んでよい。
【0050】
一実施形態において、制御器16の一以上のユーザ入力装置は、動き命令モジュール114の動き命令セットの一つに関連づけられた専用ユーザ入力装置として、関連づけられたユーザ入力装置自体が、ベッドサイドシステム12によって動き特性に従って経皮的装置を動かすようにしてよい。一実施形態において、処置制御モジュール98は、一セットの動き命令(例えば特性182及び184)に関連づけられた一以上のアイコン(例えばアイコン162、164、166等)をタッチ画面18上に表示するように構成してよい。動き命令セットに関連づけられたタッチ画面アイコンの一つをユーザが操作又はタッチすると、ベッドサイドシステム12は、タッチ画面アイコンに関連づけられた命令セットに応じて経皮的装置を動かすように制御される。一実施形態において、制御器16の一定のユーザ入力装置(例えば一以上のジョイスティック)により、ユーザによる経皮的装置の完全な又は特定の制御が可能となり、専用タッチ画面アイコンの操作によってベッドサイドシステムが、関連づけられた軸方向ステップ動き特性又は回転動き特性に応じた経皮的装置の前進を引き起こす。
【0051】
一実施形態において、ベッドサイドシステム12には、制御器16のユーザ操作に応答して曲げアクチュエータ82を介して遠位先端を曲げることにより操舵することができる操舵可能ガイドカテーテル64が装備されてよい。この実施形態において、操舵可能ガイドカテーテル64の遠位先端は、ガイドカテーテル64を、特定の処置を行うのに適切に位置決めするように、特定の形状又は角度まで曲がることができる。動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12がガイドカテーテル64の遠位先端を所望の位置まで動かすように構成された動き特性を画定する一以上の命令セットを含んでよい。一実施形態において、処置制御モジュール98は、(アイコン162、164又は166のような)いくつかのアイコンをタッチ画面18上に表示するように構成してよい。各アイコンは、異なる曲げ角度又は曲げ形状を指示し(例えば、30度曲げのボタン、40度曲げのボタン、ジャドキンス左4曲げのボタン、ジャドキンス右4曲げのボタン等)、ユーザが特定の角度曲げ又は曲げ形状のボタンを押すと、選択されたアイコンに関連づけられた動き命令モジュール114の命令セットが実行され、ガイドカテーテル64の遠位先端が、選択されたアイコンに関連づけられた曲げ角度又は曲げ形状まで動かされる。
【0052】
他実施形態において、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12を使用して行われ得る様々なタイプのカテーテルベースの処置に固有の複数セットの命令を含んでよい。例えば、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12が診断カテーテル処置を行うべく使用されている場合に実行される一セットの命令を含んでよい。これは、診断処置命令セット186として示される。また、ベッドサイドシステム12が治療カテーテル処置を行うべく使用されている場合に実行される他セットの命令を含んでよい。これは、治療処置命令セット188として示される。この実施形態において、制御器16は、カテーテル処置システム10が診断又は治療処置に使用される予定にあるか否かをユーザが選択できるようにする少なくとも一つのユーザ入力装置(例えばタッチ画面アイコン162、164、166)を含んでよい。この実施形態において、制御器16の一のユーザ入力装置(例えばタッチ画面アイコン162、164、166)が診断処置に関連
づけられ、他のユーザ入力装置が治療処置に関連づけられてよい。関連づけられたユーザ入力装置のユーザの選択又は操作により、診断処置命令セット186又は治療処置命令セット188がアクティブにされる。
【0053】
加えて、診断処置命令セット186又は治療処置命令セット188は、ベッドサイドシステム12を使用して行うことができる様々なタイプの診断又は治療処置のための様々なサブセットの命令を含んでよい。一つのそのような実施形態において、制御器16のユーザ入力装置(例えばタッチ画面アイコン162、164、166)が特定タイプの治療処置に関連づけられ、関連づけられたユーザ入力装置の選択又は操作により、行われる特定タイプの治療処置に関連する治療処置命令セット188の適切な命令セットがアクティブにされる。例えば、治療処置命令セット188は、ステント配置処置に関連づけられた第1命令セット、血管形成術処置に関連づけられた第2命令セット、アブレーション処置に関連づけられた第3命令セット等を含んでよい。すなわち、この実施形態において、ユーザは、関連づけられたユーザ入力装置を介して行われるタイプの治療処置を選択し、選択されたタイプの治療処置のための治療処置命令セット188の命令サブセットがアクティブにされる。
【0054】
他実施形態において、動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12とともに使用可能な様々なタイプの経皮的装置に固有の複数セットの命令を含んでよい。これは、装置固有の命令セット190として示される。例えば、装置固有の命令セット190は、ベッドサイドシステム12とともに使用され得る経皮的装置の異なるタイプ、製造元及び/又はモデルそれぞれに対する一セットの命令を含んでよい。そのような一実施形態において、特定のタイプ、製造元又はモデルの経皮的装置のための命令セットは、ベッドサイドシステム12が予測するように経皮的装置が動かされることを保証するべく、装置の特性(例えば重量、直径、表面摩擦、剛性等)を説明することができる。加えて、特定の経皮的装置に対する命令セットは、ベッドサイドシステム12が制御する装置のタイプ(例えばガイドワイヤ、ガイドカテーテル、作業カテーテル、血管形成術バルーン、ステント、アブレーションカテーテル、イメージングカテーテル等)に基づいてよい。
【0055】
いくつかの経皮的装置は、病状の治療中に特定の態様で動かされ又は制御されるように設計される。装置固有の命令セット190は、そのような経皮的装置をその設計に整合する態様で動かすことをベッドサイドシステム12に行わせる一以上の命令セットを含んでよい。例えば、一実施形態において、装置固有の命令セット190は、慢性的完全閉塞を横断するように特別に設計された装置(例えばBridgePointMedical製のCrossBoss(登録商標)CTOカテーテル)を制御することをベッドサイドシステム12に許容する一以上の命令セットを含んでよい。この実施形態において、動き命令モジュール114は、CrossBoss(登録商標)CTOカテーテルが、その特定の速度で回転することをベッドサイドシステム12に許容する命令セットを含む。
【0056】
他の典型的な実施形態において、装置固有の命令セット190は、Ardian社が製造する高血圧治療のためのSymplicity(登録商標)カテーテルの制御をベッドサイドシステム12に許容する一以上の命令セットを含んでよい。Symplicity(登録商標)カテーテルは、腎動脈内から一定の腎神経を失活させて高血圧を治療するべく、低出力の高周波エネルギーを放射する。この実施形態において、動き命令モジュール114は、Symplicity(登録商標)カテーテルに一定距離の後退、一定量の回転、並びに回転及び後退に引き続いての高周波エネルギーのパルス放射をさせる命令セットを含む。この実施形態において、後退距離及び回転量は、腎神経の適切な数を失活させて高血圧を治療する適切な場所にSymplicity(登録商標)カテーテルを位置決めするように決定される。
【0057】
コントローラ40はまた、シミュレーションモジュール又はサブシステム100、支援モジュール又はサブシステム102、モード選択モジュール又はサブシステム104、在庫モジュール又はサブシステム106、GUIモジュール又はサブシステム108、データ記憶モジュール又はサブシステム110、及び記録モジュール又はサブシステム112も含む。一般に、シミュレーションモジュール100は、記憶された血管画像データに基づき、及び制御器16のユーザ操作にも基づき、シミュレーションされたカテーテル処置を実行するように構成される。一般に、支援モジュール102は、実際の及び/又はシミュレーションされたカテーテル処置の間にワークステーション14にいるユーザに情報を与えて当該ユーザの当該処置の実行を支援するように構成される。シミュレーションモジュール100及び支援モジュール102の特定実施形態を含むコントローラ40の特定実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2009年8月28日出願の国際出願第US2009/055318号明細書に詳しく記載されている。GUIモジュール108の特定実施形態を含むコントローラ40の他の特定実施形態は、その全体がここに参照として組み入れられる2009年8月28日出願の国際出願第US2009/055320号明細書に記載されている。
【0058】
上述した様々な典型的な実施形態において、動き命令モジュール114が、様々な命令セットを含むように記載された。しかしながら、動き命令モジュール114が、上述した命令セットの一以上の任意の組み合わせを含み得ることを理解すべきである。動き命令モジュール114が一を超える命令セットを含む任意の実施形態において、コントローラ40は、自動的に又は受信したユーザ入力に基づいてのいずれかで一以上の適切な命令セットを選択し、特定の処置のためにアクティブにするように構成してよい。
【0059】
様々な実施形態において、コントローラ40は、動き命令モジュール114のどの単数又は複数の命令セットを選択して特定の処置をアクティブにするべきかを、制御器16のユーザが選択できるように構成される。一つのそのような実施形態において、制御器16の一以上のユーザ入力装置(例えばタッチ画面アイコン162、164、166、ボタン、スイッチ等)が、特定の動き命令セットに関連づけられてよく、関連づけられたユーザ入力装置の選択又は操作により、所望の動きパラメータ又は動き特性に関連する動き命令モジュール114の命令セットがアクティブになる。その後、関連づけられたユーザ入力装置の操作を介してアクティブにされた命令セットの一つにより、ユーザが制御器16(例えばジョイスティック)を操作すると経皮的装置は、アクティブにされた動き命令セットに応じて動かされる。
【0060】
一実施形態において、処置制御モジュール98は、ユーザが選択できる動き命令モジュール114の利用可能な命令セットの一以上に関連づけられた情報を表示してよい。例えば、利用可能な命令セット(例えば、パルス状の軸方向の動きに対する命令セット、コルクスクリュー運動に対する命令セット、異なる経皮的装置に対する命令セット等)のリストが、ディスプレイ装置に表示されてよい。この実施形態において、ユーザはその後、マウス又はタッチ画面のような装置を使用して所望の命令セットをリストから選択し、その命令セットをアクティブにすることができる。動き命令モジュール114の命令セットがアクティブになると、制御信号116及びその結果の経皮的装置の動きは、制御器16のユーザ操作に基づき、及びアクティブになった命令セットに基づく。一実施形態において、コントローラ40は、動き命令モジュール114の各動き命令セットに関連づけられた別個のタッチ画面アイコンを表示するように構成される。他実施形態において、利用可能な各命令セットが、ユーザがマウスのような入力装置を介して所望の命令セットを選択できるリストとして表示されてよい(例えばドロップダウンメニュー)。
【0061】
他実施形態において、コントローラ40は、動き命令モジュール114の一以上の動き命令セットが一度にアクティブにされるように構成されてよい。この実施形態において、ユーザは、動き命令モジュール114の一以上の命令セットの任意の組み合わせを、関連づけられたユーザ入力装置を介してアクティブにすることができる。一実施形態において、ユーザは、一を超える命令セットを、利用可能な命令セットのリストから選択することができる。例えば、ユーザは、軸方向ステップ動き特性及び回転動き特性の双方を同時にアクティブにすることができる。その結果、制御器16の操作により、ベッドサイドシステム12が、経皮的装置の回転及びパルス状軸方向前進の双方の動きを引き起こす。他例として、ユーザは、一つの命令セットを選択することができる。ユーザがベッドサイドシステム12を介して制御している装置のための一の装置固有命令セット190を選択してよく、(例えばパルス状の動き、コルクスクリューの動き等の)動きのタイプのための他の命令セットを選択してよい。他実施形態において、ユーザはまた、行われる処置のタイプ(例えば診断、治療等)に関連づけられた追加の命令セットを選択してよい。他実施形態において、以下に詳述されるように、動き命令モジュール114の利用可能な動き命令セットの一のサブセットが、ユーザによって選択可能であり(例えば特性182及び184)、動き命令モジュール114の利用可能な動き命令セットの他のサブセットが、コントローラ40によって自動的に選択され得る。動き命令モジュール114の一以上の命令セットがひとたびアクティブにされると、ベッドサイドシステム12は、制御器16のユーザ操作に基づいて、及び一以上のアクティブにされた命令セットに基づいて動作する。
【0062】
いくつかの実施形態において、処置制御モジュール98は、動き命令モジュール114の利用可能な命令セットの一以上を、コントローラ40にとって利用可能なデータ又はコントローラ40が受信したデータに基づいて自動的に選択し又はアクティブにするように構成してよい。一実施形態において、自動的にアクティブにされる命令セットは、制御される経皮的装置の特徴に関連づけられる。様々な実施形態において、経皮的装置の特徴は、当該経皮的装置のタイプ、製造元、モデル及び物理的特性を含んでよい。一つのそのような実施形態において、ユーザは、一の処置のために使用される経皮的装置のタイプを指示することができる。処置制御モジュール98は、その特定タイプの経皮的装置に関連づけられた命令セットを自動的にアクティブにすることができる。ユーザは、例えば、キーボードを介した経皮的装置の名称、モデル番号又は他の識別情報の入力、特定の経皮的装置のリストからの選択、経皮的装置に関連づけられたバーコードの、コントローラ40と通信するバーコードリーダによるスキャン等のような任意の適切な手段によって経皮的装置のタイプを指示することができる。他実施形態において、カテーテル処置システム10は、ベッドサイドシステム12に装填されている経皮的装置に関連づけられた識別情報を含むRFIDタグを読み取るRFIDリーダを含んでよい。RFIDリーダが読み取る識別情報又はデータはその後、処置制御モジュール98へと通信され、処置制御モジュール98は、RFIDリーダが読み取った識別情報に基づいて動き命令モジュール114から適切な命令セットを選択することができる。
【0063】
一実施形態において、支援モジュール102は、特定の処置のための動き命令モジュール114の適切な命令セットの選択を支援するべく、情報を(例えばモニタ26及び/又は28の表示を介して等)ユーザに与えるように構成することができる。一実施形態において、支援モジュール102は、特定の処置のために、どの命令セットをアクティブにすべきかに関してユーザに提案を表示する。一実施形態において、支援モジュール102が生成する表示は、診断又は治療処置の間に取得された患者の画像データの分析に基づいてよい。一実施形態において、支援モジュール102は、病変(例えばアテローム性動脈硬化症等)の一以上の特性(例えば密度、石灰化度等)を評価するように構成してよく、経皮的装置が病変を横切るのに適した動き命令セットを提案することができる。例えば、特定の病変が高い石灰化度を有するとして識別されると、支援モジュール102は、相対的に低いパルス持続時間のパルス状動き命令セットのような、経皮的装置が病変を横切ることを許容するのに適した動き命令セットを選択することができる。
【0064】
上述のように、カテーテル処置システム10は、カテーテルベースの医療処置を行うように使用することができる。典型的に、カテーテルベースの医療処置は、ガイドワイヤを患者の動脈系における所望の場所に配置すること(例えば、ガイドワイヤの遠位端を標的病変に又は標的病変を過ぎるように位置決めすること)を含む。コントローラ40は、ガイドワイヤの遠位端が所望の場所に位置決めされるまで、患者の動脈系を通してガイドワイヤを前進させるようにベッドサイドシステム12を操作するべく使用することができる。
図6は、一実施形態に係るガイドワイヤをナビゲートする方法を例示する。ブロック302において、ガイドワイヤのナビゲーションプロセスが開始する。典型的な処置において、ガイドワイヤは、患者の切開部に、例えば大腿動脈内に挿入され得る。ブロック304において、ベッドサイドシステム12は、動脈系を通してガイドワイヤを前進させるように動作される。一実施形態において、ユーザは、制御器16の操作によってベッドサイドシステム12を動作させる。例えば、コントローラ40が、ユーザの入力及びベッドサイドシステム12(例えばガイドワイヤ前進/後退アクチュエータ72)の制御に基づいて、冠動脈の解剖学的構造を通る経路に沿ってガイドワイヤを前進させる制御信号を生成する。経路は、ユーザが与える入力に基づく離散的な長さステップで横切られてよい。他実施形態において、ユーザは、例えば標的病変への所定経路を画定する一セットのパラメータを与えてよい。この実施形態において、コントローラ40は、ガイドワイヤを所定経路に沿って自動的に前進させるように構成される。例えば、コントローラ40の動き命令モジュール114は、ベッドサイドシステム12を制御してガイドワイヤを所定経路に沿って前進させるように構成されたガイドワイヤナビゲーションモジュール192(
図5に示す)を含んでよい。
【0065】
ブロック306において、ガイドワイヤが適切な経路を通って前進しているか否かが決定される。
図7Aは、心臓における病変への典型的な経路を例示する。
図7Aにおいて、ガイドワイヤ402は、ガイドカテーテル404を貫通して心臓406の動脈412へと向かう。標的病変408への経路は、例えば、冠動脈の解剖学的構造における一以上の接合箇所414を通過してよい。ガイドワイヤ402、特にガイドワイヤ402の遠位端410は、所望の場所、例えば標的病変408に到達する適切な血管を通して前進させる必要がある。一実施形態において、イメージングシステム32は、標的病変への経路を示す関心領域の蛍光画像を与えるべく使用することができる。画像は(例えばモニタ26、28に)表示され、ガイドワイヤが所望の場所に到達するべく正しい経路(又は血管)を通過しているか否かを決定するために使用することができる。一実施形態において、ユーザは、ガイドワイヤの場所を決定するべくディスプレイ上の画像を見ることができる。他実施形態において、コントローラ40は、ガイドワイヤの場所を決定するべく画像を処理するように構成されてよい。
【0066】
図6に戻ると、ガイドワイヤが正しい経路に沿って前進されていない場合(例えば、ガイドワイヤが接合箇所において正しい血管又は枝管を進んでいない場合)、ユーザは、ガイドワイヤを後退させるようにベッドサイドシステム12を動作させる入力を与えることができる。他実施形態において、コントローラ40は、ガイドワイヤが正しい経路に沿って前進させられていないことが決定されると、ガイドワイヤを自動的に後退させるように構成してよい。この実施形態において、ガイドワイヤナビゲーションモジュール192は、ガイドワイヤを自動的に後退させるように構成してよい。ブロック308において、コントローラ40(例えばガイドワイヤナビゲーションモジュール192)は、ガイドワイヤを後退させる制御信号に応答してベッドサイドシステム12を制御し、ガイドワイヤを回転及び後退させるように構成される。一実施形態において、ガイドワイヤは回転させられ、次に後退させられる。他実施形態において、ガイドワイヤは、後退させられ、次に回転させられてよい。さらなる他実施形態において、ガイドワイヤは、同時に回転及び後退させられる。したがって、ガイドワイヤは、後退させられる間に回転させられる。一実施形態において、ガイドワイヤの近位端が、(例えばガイドワイヤ回転アクチュエータを使
用して)所定量(例えば180度)だけ回転させられる。他実施形態において、ガイドワイヤは最初に、第1方向に第1量だけ回転させられ、その後、その反対方向に第2量だけ回転させられてよい。
図7Bは、接合部414の前にある個所へと後退させられたガイドワイヤ402を示す。一実施形態において、ガイドワイヤ402は、ガイドワイヤの遠位端410を接合箇所414の前に位置決めする距離だけ後退させられる。上述のように、ガイドワイヤは後退させられながら回転させられる。他実施形態において、接合部414に先立って遠位端410を位置決めするべく複数回ガイドワイヤを後退させる必要がある場合、ガイドワイヤは、当該ガイドワイヤの第1後退とともに回転させられるのみとしてよい。
【0067】
図6のブロック310において、ベッドサイドシステム12は、ガイドワイヤを前進させるように動作する。
図7Cは、ガイドワイヤ402が前進させられて接合箇所414を通り過ぎ、所望の経路の中へと標的病変408に向かっていることを示す。一実施形態において、ユーザは、制御器16の操作によってベッドサイドシステム12を動作させる。他実施形態において、コントローラ40(例えばガイドワイヤナビゲーションモジュール192)は、ガイドワイヤを所定経路に沿って自動的に前進させるように構成される。
図6のブロック306において、ガイドワイヤが依然として正しい経路に沿って前進していない場合、ガイドワイヤが正しい経路に配置されるまでステップ306~310が繰り返される。一実施形態において、コントローラ40(例えばガイドワイヤナビゲーションモジュール193)は、ガイドワイヤが正しい経路に存在することを指示する入力をユーザが与えるまで、ステップ306~310の反復を自動的に繰り返すように構成される。一実施形態において、ガイドワイヤの回転量は、ガイドワイヤの後退ごとに(すなわち反復ごとに)変更される。ブロック312において、ガイドワイヤが所望の場所に(例えば標的病変に)位置決めされたか否かが決定される。ガイドワイヤが適切な場所に存在しない場合、プロセスはブロック304まで戻ってガイドワイヤが前進される。ガイドワイヤが所望の場所に存在する場合、カテーテル処置における次のステップをブロック314から始めてよい。例えば、作業カテーテルを位置決めして治療処置を行うことができる。
【0068】
上述の方法に係るガイドワイヤをナビゲートするコンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形態で記憶することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータのような、情報記憶のための任意の方法又は技術で実装された揮発、不揮発、取り外し可能及び取り外し不可能の媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)若しくは他の光記憶器、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶器若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の命令を記憶するべく使用可能であってシステム10(
図1に示す)がアクセス可能な、インターネット又は他のコンピュータネットワークのアクセス形態を含む任意の他の媒体を含むがこれらに限られない。
【0069】
本発明の様々な態様のさらなる修正及び代替実施形態は、本開示を考慮する当業者にとって明らかである。したがって、本明細書は、例示のみとして解釈されるべきである。様々な典型的な実施形態に示される構造及び配列は例示にすぎない。本願がここに添付される特許請求の範囲における特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の様々な実施形態は、ここに記載されるいずれかの特徴の任意の組み合わせに関する。ただし、そのような組み合わせが目下のところ請求されていてもいなくてもよく、任意のそのような特徴の組み合わせが本願又は将来の出願において請求され得る。上述された典型的な実施形態のいずれかに係る特徴、要素又は構成要素は、単独で、又は上述された他の実施形態のいずれかに係る特徴、要素又は構成要素のいずれかとの組み合わせで使用することができる。本開示においてほんのわずかな実施形態が詳細に記載されているにもかかわらず、ここに記載される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなしに多くの修正が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値、装着配列、材料の使用、色彩又は配向等)。一体的に形成されるように示されたいくつかの要素は複数の部品又は要素から構築されてよく、要素の位置は反転又は他の変更がされてよく、離散的な要素又は位置の性質又は数は改変又は変更がされてよい。任意のプロセス、論理アルゴリズム又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態に応じて変更又は再シーケンス化してよい。他の置換、修正、変更及び省略もまた、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な典型的な実施形態の設計、動作条件及び配列において行うことができる。