(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】再生プラスチック射出成形システムの射出機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/03 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
B29C45/03
(21)【出願番号】P 2021132811
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2021-08-17
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520229943
【氏名又は名称】淨斯人間志業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JING SI PURELAND CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, 19 ZHONGXIAO EAST ROAD, SECTION 3, LANE 217, ALLEY 7, 106 DAAN DISTRICT, TAIPEI CITY, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル キュー.シアオ
(72)【発明者】
【氏名】チー-チェン ワン
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-241851(JP,A)
【文献】特表平09-503715(JP,A)
【文献】特開2006-123280(JP,A)
【文献】特開2004-351894(JP,A)
【文献】特開昭49-098467(JP,A)
【文献】特開昭49-077963(JP,A)
【文献】特開平07-060803(JP,A)
【文献】特開2002-166445(JP,A)
【文献】特開平08-229948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00
B29B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックを射出成形して成形品を形成するように、少なくとも1つの成形装置と共に用いられる、再生プラスチック射出成形システムの射出機であって、
前記プラスチックを投入端から前記射出機の受け取り経路の下流に駆動するように配置さ
れ、第1駆動装置および供給スクリューを備える第1材料駆動装置を有し、前記射出機の前記受け取り経路の上流に設けられる供給システムと、
加熱システムであって、前記供給システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、前記供給システムの下方に配置され、第2材料駆動装置および加熱装置を有し、前記第1材料駆動装置が前記加熱システム内に延び、前記加熱装置が前記プラスチックを溶融状態まで加熱するように配置され、前記第2材料駆動装置が前記プラスチックを前記加熱システムの受け取り経路の下流に駆動するように配置され、
前記第2材料駆動装置が、第2駆動装置と溶融状態のプラスチックを押すように構成された押しスクリューとを備え、前
記供給スクリューおよび前
記押しスクリューが間隔を置いて配置され、前記間隔の範囲が20~40mmであ
り、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置がインバータ駆動モータを備える、加熱システムと、
前記加熱システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、前記第2材料駆動装置と連通するシリンダおよびピストンを備え、受取状態または供給状態を取るように配置され、前記受取状態にあるとき、前記加熱システムからの前記プラスチックを受け取り、前記ピストンを受け取り位置に押すように配置され、前記供給状態にあるとき、前記プラスチックを前記加熱システムの前記受け取り経路の下流に駆動するように配置される、フィーディング緩衝システムと、
前記フィーディング緩衝システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、前記成形装置に圧力を提供するように配置される保圧装置を含む保圧システムと、
前記加熱システムと前記フィーディング緩衝システムとの間に設けられ、前記フィーディング緩衝システムの前記受取状態および前記供給状態を選択的にトリガーするように配置され、開状態であるとき、前記フィーディング緩衝システムを前記受取状態にし、閉状態であるとき、前記フィーディング緩衝システムを前記供給状態にする、切替弁と、を備
え、
前記射出機は600T型締力の射出機である射出機。
【請求項2】
前記シリンダがプランジャ管を備え、前記ピストンがプランジャロッドを備えることを特徴とする請求項1に記載の射出機。
【請求項3】
前記供給システムの上流に設けられ、前記プラスチックを前記供給システムに供給するように配置される乾燥システムをさらに備え、前記乾燥システムが、バレル本体と前記バレル本体に穿設される攪拌ロッドとを含む乾燥混合バレルと、前記乾燥混合バレルと前記供給システムとの間に設けられる側辺搬送装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載の射出機。
【請求項4】
プラスチックを射出成形して成形品を形成するように、少なくとも1つの成形装置と共に用いられる、再生プラスチック射出成形システムの射出機であって、
ホッパを含み、前記ホッパの上方に第1駆動装置が設けられ、前記第1駆動装置が、前記ホッパに穿設される供給スクリューを有し、前記供給スクリューを回転駆動するように配置される、供給システムと、
加熱システムであって、前記供給システムの下流に設けられ、加熱管を含み、前記第1駆動装置の前記供給スクリューが前記加熱システム内に延び、前記加熱管の一端に第2駆動装置が設けられ、前記第2駆動装置が、前記加熱管に穿設され、溶融状態のプラスチックを押すように構成された押しスクリューを有し、前記押しスクリューを回転駆動するように配置され、前記供給スクリューおよび前記押しスクリューが間隔を置いて配置され、前記間隔の範囲が20~40mmである、加熱システムと、
前記加熱システムの下流に設けられ、プランジャ管とプランジャロッドとを含み、前記プランジャロッドが、前記プランジャ管内に摺動可能に設けられ、かつ前記プランジャ管に密封係合される、フィーディング緩衝システムと、
前記フィーディング緩衝システムの下流に設けられ、保圧管と、前記保圧管内に摺動可能に設けられ、かつ前記保圧管に密封係合される保圧ロッドと、を含む保圧システムと、を備え
、
前記第1駆動装置、前記第2駆動装置がインバータ駆動モータを備え、
前記射出機は600T型締力の射出機である射出機。
【請求項5】
前記第1駆動装置が、前記供給スクリューを駆動して、前記プラスチックを前記ホッパから前記供給システムの下流に駆動するように配置されることを特徴とする請求
項4に記載の射出機。
【請求項6】
前記第2駆動装置が、前記押しスクリューを回転駆動して、前記プラスチックを前記加熱システムの下流に駆動するように配置され、前記加熱管に、前記プラスチックを前記溶融状態まで加熱するように配置される加熱装置が設けられていることを特徴とする請求
項4に記載の射出機。
【請求項7】
前記供給システムの上流に設けられ、前記プラスチックを前記供給システムに供給するように配置される乾燥システムをさらに備え、前記乾燥システムが、バレル本体と前記バレル本体に穿設される攪拌ロッドとを含む乾燥混合バレルと、前記乾燥混合バレルと前記供給システムとの間に設けられる側辺搬送装置とを備えることを特徴とする請求
項4に記載の射出機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック射出成形システムに関し、特に環境保護と高射出量を両立させる射出機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、気候変動や地球温暖化の衝撃により、環境保護観念が台頭し、循環経済が徐々に重視され、再生品(recycled products)はその一例である。再生品における再生プラスチックは、前処理、溶融造粒、改質などの物理的または化学的方法によって廃プラスチックを加工処理した後に得られたプラスチック原料を指し、プラスチックの再利用である。
【0003】
しかし、周知のプラスチック射出機で再生プラスチック製品を生産するにはいくつかの問題に遭遇することがある。一つは、射出機への材料供給が容易でないことであり、一部の再生プラスチック、例えば、PEコーティングフィルムの破片が軽すぎて材料供給が困難になり、プラスチック中のPEコーティングフィルムの割合が比較的に高いと、プラスチックは静電気作用により浮き上がりやすく、射出機が搬送しにくくなり、材料の供給が追いつかなくなる。
【0004】
二つは、大量生産が困難であることであり、大量生産はより高射出量の射出機を必要とすることを意味するが、高射出量の射出機ほど必要な機械の型締力(clamping force)が大きく、装置に必要なコストとエネルギーも大きく、経済効率と環境保護の観念に合わない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、環境に優しく、低コストで、高射出量の射出機を提供することは、本分野の解決すべき課題である。
【0006】
上記の状況を鑑みて、環境に優しく、低コストで、高射出量のプラスチック射出成形の射出機を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明は、再生プラスチックを用いて成形品を作製するように、少なくとも1つの成形装置と共に用いられる、プラスチック射出成形システムの射出機であって、プラスチックを投入端から前記射出機の受け取り経路の下流に駆動するように配置される第1材料駆動装置を有し、前記射出機の前記受け取り経路の上流に設けられる供給システムと、加熱システムであって、前記供給システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、第2材料駆動装置および加熱装置を有し、前記第1材料駆動装置が前記加熱システム内に延び、前記加熱装置がプラスチックを溶融状態まで加熱するように配置され、前記第2材料駆動装置がプラスチックを加熱システムの前記受け取り経路の下流に駆動するように配置され、前記第1材料駆動装置および前記第2材料駆動装置が間隔を置いて配置され、前記間隔の範囲が20~40mmである、加熱システムと、前記加熱システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、前記第2材料駆動装置と連通するシリンダおよびピストンを含み、受取状態および供給状態を取るように配置され、前記受取状態にあるとき、前記加熱システムからのプラスチックを受け取り、前記ピストンを受け取り位置に押すように構成され、前記供給状態にあるとき、プラスチックを前記加熱システムの前記受け取り経路の下流に駆動するように構成される、フィーディング緩衝システム(feeding buffer system)と、前記加熱システムと前記フィーディング緩衝システムとの間に設けられ、前記フィーディング緩衝システムの前記受取状態および前記供給状態を選択的にトリガーするように配置され、開状態であるとき、前記フィーディング緩衝システムを前記受取状態にすることができ、閉状態であるとき、前記フィーディング緩衝システムを前記供給状態にすることができる、切替弁と、を備える射出機を提供している。
【0009】
一実施例では、前記射出機は、前記フィーディング緩衝システムの前記受け取り経路の下流に設けられ、保圧装置を含む保圧システムをさらに備え、前記保圧装置は、前記成形装置に圧力を提供するように配置される。
【0010】
一実施例では、前記第1材料駆動装置は第1駆動装置および供給スクリューを備える。
【0011】
一実施例では、前記第2材料駆動装置は、第2駆動装置と、溶融状態のプラスチックを押すように構成された押しスクリューとを備える。
【0012】
一実施例では、前記シリンダはプランジャ管を備え、前記ピストンがプランジャロッドを備える。
【0013】
一実施例では、前記射出機は、前記供給システムの上流に設けられ、プラスチックを前記供給システムに供給するように配置される乾燥システムをさらに備え、前記乾燥システムは、バレル本体と前記バレル本体に穿設される攪拌ロッドとを含む乾燥混合バレルと、前記乾燥混合バレルと前記供給システムとの間に設けられる側辺搬送装置とを備える。
【0015】
本発明は、プラスチックを射出成形して成形品を形成するように、少なくとも1つの成形装置と共に用いられる、再生プラスチック射出成形システムの射出機であって、ホッパを含み、前記ホッパの上方に第1駆動装置が設けられ、前記第1駆動装置が、前記ホッパに穿設される供給スクリューを有し、前記供給スクリューを回転駆動するように配置される、供給システムと、加熱システムであって、前記供給システムの下流に設けられ、加熱管を含み、前記第1駆動装置の前記供給スクリューが前記加熱システム内に延び、前記加熱管の一端に第2駆動装置が設けられ、前記第2駆動装置が、前記加熱管に穿設される押しスクリューを有し、前記押しスクリューを回転駆動するように配置され、前記供給スクリューおよび前記押しスクリューが間隔を置いて配置され、前記間隔の範囲が20~40mmである、加熱システムと、前記加熱システムの下流に設けられ、プランジャ管とプランジャロッドとを含み、前記プランジャロッドが、前記プランジャ管内に摺動可能に設けられ、かつ前記プランジャ管に密封係合される、フィーディング緩衝システムと、を備える別の射出機を提供している。
【0016】
一実施例では、前記射出機は、前記フィーディング緩衝システムの下流に設けられ、保圧管と、前記保圧管内に摺動可能に設けられ、かつ前記保圧管に密封係合される保圧ロッドと、を含む保圧システムをさらに備える。
【0017】
一実施例では、前記第1駆動装置は、前記供給スクリューを駆動して、前記プラスチックを前記ホッパから前記供給システムの下流に駆動するように配置される。
【0018】
一実施例では、前記第2駆動装置は、前記押しスクリューを回転駆動して、前記プラスチックを前記加熱システムの下流に駆動するように配置され、前記加熱管に、プラスチックを前記溶融状態まで加熱するように配置される加熱装置が設けられている。
【0020】
一実施例では、前記射出機は、前記供給システムの上流に設けられ、前記プラスチックを前記供給システムに供給するように配置される乾燥システムをさらに備え、前記乾燥システムは、バレル本体と前記バレル本体に穿設される攪拌ロッドとを含む乾燥混合バレルと、前記乾燥混合バレルと前記供給システムとの間に設けられる側辺搬送装置とを備える。
【0021】
一実施例では、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置はインバータ駆動モータを備える。
【0022】
一実施例では、前記供給スクリューの表面に少なくとも1つの羽根が設けられ、前記少なくとも1つの羽根の幅は、前記ホッパの上開口から下開口に向かって減少している。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、環境に優しく、低コストで、高射出量のプラスチック射出成形の射出機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第一実施例によるプラスチック射出成形システムを示す側面図である。
【
図2】本発明の第一実施例によるプラスチック射出成形システムを示す斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施例による射出機を示す模式図である。
【
図4】本発明の第一実施例による射出機の供給システムを示す模式図である。
【
図5】本発明の第一実施例による射出機の加熱システムを示す模式図である。
【
図6】本発明の第一実施例による射出機のフィーディング緩衝システムを示す模式図である。
【
図7】本発明の第一実施例による射出機の保圧システムを示す模式図である。
【
図8】本発明の第一実施例による成形装置を示す平面図である。
【
図9】本発明の第二実施例による射出機および乾燥システムを示す正面図である。
【
図10】本発明の第一実施例によるプラスチック射出成形システムのステップフローチャートである。
【
図11】本発明の第三実施例による1つの射出機に対応する2つの成形装置を示す平面図である。
【
図12】本発明の第三実施例による1つの射出機に対応する2つの成形装置のステップフローチャートである。
【
図13】本発明の第四実施例による1つの射出機に対応する4つの成形装置を示す平面図である。
【
図14】本発明の第四実施例による1つの射出機に対応する4つの成形装置のステップフローチャートである。
【
図15】本発明の第二実施例による冷却フレームを示す平面図である。
【
図16】本発明の第二実施例による冷却フレームを示す背面図である。
【
図17】本発明の第二実施例による冷却フレームを示す側面図である。
【
図18】本発明の第二実施例による第1種類の成形品を示す背面図である。
【
図19】本発明の第二実施例による第2種類の成形品を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例に示す図面を参照して、より全面的に本発明を説明する。本発明は複数の異なる形態により実施されることができ、本明細書の実施例に限定されない。むしろ、これらの実施例は、当業者が本発明を完全に理解することを可能にするものである。対応部品の符号は類似する部品に対応できる。
【0026】
本発明における各用語は特定実施例を説明するためにのみ使用され、本発明の内容を限定するものではない。本文中で特に明記しない限り、ここで使用される単数形「一」、「前記」および「当該」は複数形を含む。本文で使用される用語「含む」や「備える」や「有する」は、一特徴、領域、整数、ステップ、操作、エレメント、および/またはコンポーネントが存在することを示すものであるが、より多くのその他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、エレメント、コンポーネント、および/またはそのグループの存在または追加を排除しない。
【0027】
用語「および/または」が1つ以上の羅列される関連項目のいずれかおよび全ての組み合わせを含むことを理解すべきである。本発明に出現する「第1」、「第2」および「第3」の類の用語は、ここで異なるエレメント、部材、領域、部品および/または断面を説明することがあるが、これらのエレメント、部材、領域、部品および/または断面はこれらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は、エレメント、部材、領域、部品および/または断面と、別のエレメント、部材、領域、層または断面を区別するためにのみ使用される。したがって、本発明の教示から逸脱しないという前提で、以下に記載の第1エレメント、部材、領域、部品または断面は、第2エレメント、部材、領域、層または断面と命名されることができる。
【0028】
後述において、「プラスチック」は、樹脂を主要成分とし、一定温度および圧力で一定形状に形成され、常温で所定形状を維持できる有機高分子材料を指す。
【0029】
後述において、「再生プラスチック」は、前処理、溶融造粒、改質などの物理的または化学的方法によって廃プラスチックを加工処理した後に得られたプラスチック原料を指す。例えば、PEコーティングフィルム、HDPE洗浄剤ボトル、HDPEミルクボトル、HDPEヨーグルトボトル、PP蓋、PET蓋またはPET梱包テープなど。
【0030】
後述において、「成形品」は、溶融状のプラスチックが金型に注入された後に、金型の形状に形成され、冷却を経て完成されるプラスチック製品を指す。成形品は様々な部品、様々な分野に適用でき、建築業を例にすると、成形品は、例えば、透水レンガ、エコレンガなどのような建築材料であり得る。
【0031】
図1~
図3を参照して、再生プラスチック射出成形システムは射出機1および成形装置2を備える。本実施例では、射出機の仕様は600T型締力の機械であるが、この仕様に限定されない。射出機1は、供給システム10、加熱システム11、プラスチック搬送通路12、フィーディング緩衝システム13および保圧システム14を備える。
【0032】
図4の供給システム10の模式図を参照して、供給システム10は上記射出機の受け取り経路の上流に設けられ、プラスチックを加熱システム11に供給するように設けられている。供給システム10は第1材料駆動装置を有し、一実施例では、第1材料駆動装置は、
図4に示すような供給スクリュー101および第1駆動装置102を備えることができる。第1材料駆動装置は、プラスチックを投入端から上記受け取り経路の下流に駆動するように配置され、一実施例では、投入端としては、
図4に示すようなホッパ100を用いることができ、第1駆動装置102はホッパ100の上方に設けられ、供給スクリュー101はホッパ100に穿設され、一端が第1駆動装置102に接続されている。
【0033】
図4に示すようなホッパ100は、中空体をなし、内部にテーパ状の空間が形成され、上開口100aおよび下開口100bを有し、プラスチックが上開口100aから入り、下開口100bから排出して加熱システム11に入るように、上記空間は上開口100aおよび下開口100bと連通する。供給スクリュー101は、一端が第1駆動装置102に接続されるとともに、ホッパ100の内部空間に穿設され、ホッパ100の下開口100bを介して加熱システム11に入り、供給スクリュー101の表面には螺旋状をなすシートが設けられている。
【0034】
図4に示す第1駆動装置102は、供給スクリュー101を駆動して自身の軸心に沿って回転させる。ホッパ100の上方には台103が設けられることができ、第1駆動装置102は台103に設けられることができる。
【0035】
図4に示す供給システム10の供給スクリュー101の表面には、少なくとも1枚の羽根1010が設けられることができ、プラスチックが供給スクリュー101により下開口100bに移動されるとき、羽根1010は、材料の軽さや静電気作用によりプラスチックが浮き上がることを防止することができる。
【0036】
図3および
図5を参照して、加熱システム11は、供給システムの下流に設けられ、第2材料駆動装置および加熱装置を有し、上記第2材料駆動装置はプラスチックを加熱システムの受け取り経路の下流に駆動するように配置され、上記加熱装置は、プラスチックを溶融状態まで加熱するように配置され、上記第1材料駆動装置は、加熱システム11内に延びている。本実施例では、上記第2材料駆動装置は、
図5に示すよう
な押しスクリュー111および第2駆動装置112を備える。本実施例では、上記加熱装置は、
図5に示すような横方向に延びる加熱管110を備える。第2駆動装置112は加熱管110の一端に設けられ
、押しスクリュー111は加熱管110に軸方向に穿設され、その一端は加熱管110を穿設して第2駆動装置112に接続される。
【0037】
図5に示す加熱管110は中空体をなし、加熱管110の一端かつ供給システム10に面する一側には加熱投入口110aが設けられ、加熱管110の加熱投入口110aから離れる他端には加熱吐出口110bが設けられ、加熱投入口110aはホッパ100の下開口100bと連通し、加熱吐出口110bはプラスチック搬送通路12と連通し、そのため、プラスチックはホッパ100の下開口100bから加熱投入口110aを介して加熱管110に入ることができ、かつ加熱管110の加熱吐出口110bからプラスチック搬送通路12へと出ることができる。加熱管110の外周表面には再生プラスチックを溶融状態になるように加熱することができる加熱ユニット(図示せず)が設けられている。
【0038】
押しスクリュー111は加熱管110の内部に穿設され、その表面には突起するねじ山が形成され、押しスクリュー111の一端は加熱管110を穿設して第2駆動装置112に接続され、第2駆動装置112は、押しスクリュー111を駆動して自身の軸心に沿って高速回転させ、溶融状態の再生プラスチックを押して加熱吐出口110bへ進ませる。本実施例では、押しスクリュー111の直径は約100mmであるが、この数値に限定されない。
【0039】
本実施例では、供給システム10の供給スクリュー101は下開口100bを穿設・通過して加熱管110内に入る必要があり、供給スクリュー101は押しスクリュー111と垂直に配置できる。本実施例では、供給スクリュー101の下端は押しスクリュー111のねじ山に向かっている。また、供給スクリュー101の下端と押しスクリュー111のねじ山との間に間隔を有する。この間隔が大きすぎると、材料の軽さや静電気作用により再生プラスチックが浮き上がり、スムーズに加熱システム11に落下することができなくなるため、材料の供給が追いつかなくなる。しかし、この間隔が小さすぎると、加熱管110内の加熱投入口110aの近傍の溶融状態になっていない再生プラスチックの堆積が多くなる。本実施例では、上記間隔は約20~40mmであるが、この数値に限定されない。
【0040】
また、プラスチックの性質はそれぞれ異なり、特に再生プラスチックの源は、例えば、紙食器のPEコーティングフィルムおよびPPペットボトルキャップのような各種の廃プラスチックやその混合を含むことができる。異なるプラスチックは射出機の供給速度に影響し、プラスチック中の重量の比較的に軽い成分が比較的に多いとき(例えば、PEコーティングフィルム)、プラスチックが落下し難く、供給システム10および加熱システム11の材料供給が追いつかずにアイドリングすることになる。しかし、プラスチック中の重量の比較的に重い成分が比較的に多いとき(例えば、PPペットボトルキャップ)、プラスチックは重力によって落下し、運転が速すぎると、供給過剰になる可能性がある。
【0041】
本実施例では、第1駆動装置102および第2駆動装置112としては、供給システム10と加熱システム11との間の供給速度を調整するように、インバータ駆動モータを使用する。プラスチックの重量が比較的に軽い場合、供給システム10および加熱システム11の材料供給が追いつかずにアイドリングすることを回避するように、インバータ駆動モータの速度を上げて、供給速度を上げることができる。プラスチックの重量が比較的に重い場合、供給過剰を防止するように、インバータ駆動モータを遅く調整して、供給速度を遅くする必要がある。
【0042】
再び
図3を参照して、プラスチック搬送通路12は材料管120および切替弁SHを備える。材料管120は中空体をなし、加熱吐出口110bと連通する材料管投入口120aと、フィーディング緩衝システム13と連通する材料管吐出口120bとを有し、溶融状態のプラスチックは加熱システム11から出た後に材料管投入口120aを介して材料管120に入り、その後、材料管吐出口120bから出る。切替弁SHは、材料管120に実装され、プラスチックが加熱システム11からフィーディング緩衝システム13に入るように制御するよう、フィーディング緩衝システム13の受取状態および供給状態を選択的にトリガーするように構成され、開状態であるとき、フィーディング緩衝システム13を上記受取状態にすることができ、プラスチックは材料管120を介してフィーディング緩衝システム13に入り、閉状態であるとき、フィーディング緩衝システム13を上記供給状態にすることができ、プラスチックは材料管120を通過することができない。
【0043】
大量のプラスチックが加熱システム11により成形装置2に直接送り続けられると、加熱吐出口110bに堆積したプラスチックは押しスクリュー111に逆方向の作用力を発生させ、押しスクリュー111は射出方向の逆方向へ後退し、充填量が不安定になる。そのため、プラスチックを安定に充填できることを確保するように、フィーディング緩衝システム13を別に設ける必要がある。
【0044】
図3および
図6のフィーディング緩衝システム13の模式図を参照して、フィーディング緩衝システム13は加熱システム11の下流に設けられ、上記第2材料駆動装置と連通するシリンダとピストンとを備える。一実施例では、シリンダとしては、
図6に示すような横方向に延びるプランジャ管130を用いることができ、ピストンとしては、プランジャ管130内に軸方向に摺動可能に設けられ、かつプランジャ管130に密封係合されるプランジャロッド131を用いることができる。
【0045】
プランジャ管130は、プラスチックおよびプランジャロッド131を収容するように中空体をなし、プランジャ管130の材料管120に近接する一端にはプランジャ投入口130aおよびプランジャ吐出口130bが設けられ、プランジャ投入口130aは材料管吐出口120bに面するとともに材料管吐出口120bと連通し、プランジャ吐出口130bは保圧管投入口140aに面するとともに保圧管投入口140aと連通する。
【0046】
図6に示すプランジャロッド131は直棒体であり、プランジャロッド131の材料管120に面する一端はプラスチックと接触し、プランジャロッド131の材料管120から離れる他端にはプランジャシリンダ132が設けられている。プランジャシリンダ132はシリンダ本体1320およびロッド本体1322を備え、シリンダ本体1320の内部には、ロッド本体1322を挿入・押し出すための収容室が形成されている。プランジャシリンダ132のロッド本体1322はプランジャロッド131の材料管120から離れる一端に接続され、これにより、プランジャシリンダ132は液圧方式でプランジャロッド131を押し出してプランジャ管130内に往復運動させる。本実施例では、プランジャロッド131の直径は約150mmであるが、この数値に限定されない。
【0047】
図6に示すプランジャ管130の内面およびプランジャロッド131の材料管120に面する一端には流体空間133が画定されている。材料管吐出口120bから流出する溶融状のプラスチックは、プランジャ投入口130aから流体空間133に入り、すなわち、プラスチックは流体空間133に入って、所望の射出量を達成し、プランジャ管130の内面およびプランジャロッド131に対して圧力を生成して、プランジャロッド131を押し出し、プランジャロッド131をプランジャシリンダ132の方向に移動させて受け取り位置に到達させ、その後、プランジャシリンダ132は油圧方式によりプランジャ管130内でプランジャロッド131を駆動して、流体空間133内のプラスチックをプランジャ吐出口130bに押し込む。
【0048】
本実施例では、
図3および
図7に示すように、保圧システム14はフィーディング緩衝システム13の下流に設けられ、成形装置2に一定の圧力を提供し続けるように設けられる保圧装置を備える。本実施例では、保圧装置は、
図7に示すような横方向に延びる保圧管140と、保圧管140内に軸方向に摺動可能に設けられ、かつ保圧管140に密封係合される保圧ロッド141とを備えることができる。
【0049】
図7に示す保圧管140は、プラスチックおよび保圧ロッド141を収容するように中空体をなし、かつプランジャ吐出口130bに面するとともにそれと連通する保圧管投入口140aと、成形装置2に面するとともにそれと連通するノズル140bとを有する。
【0050】
図7に示す保圧ロッド141は直棒体であり、保圧ロッド141の一端には保圧シリンダ142が設けられ、その保圧シリンダ142から離れる他端はプラスチックと接触する。保圧シリンダ142はシリンダ本体1420およびロッド本体1422を備え、シリンダ本体1420の内部にはロッド本体1422を挿入・押し出すための収容室が形成されている。保圧シリンダ142のロッド本体1422は保圧ロッド141のノズル140bから離れる一端に接続され、これにより、保圧シリンダ142は液圧方式で保圧ロッド141を押し出して保圧管140内に往復運動させる。
【0051】
図3および
図7を参照して、保圧管140の内面および保圧ロッド141の保圧シリンダ142から離れる一端には保圧空間143が画定されている。プランジャ吐出口130bから流出する溶融状のプラスチックは、保圧管投入口140aから保圧空間143に入り、ノズル140bから出て成形装置2に入る。プラスチックが成形装置2に入る過程において、保圧システム14の保圧シリンダ142は、保圧ロッド141を駆動して保圧管140内のプラスチックに圧力を印加し続ける。
【0052】
本実施例では、フィーディング緩衝システムと保圧システムは分離かつ独立して設けられているが、他の実施例では、フィーディング緩衝システムと保圧システムは1つのシステムに統合することができ、つまり、フィーディング緩衝システムも保圧機能を有している。
【0053】
図8の成形装置2の平面図を参照して、成形装置2は固定側型板22およびそれに対向する可動側型板24を備え、固定側型板22は成形装置2の射出機1に近接する一側に設けられ、可動側型板24は成形装置2の固定側型板22に対して射出機1から離れる一側に設けられる。固定側型板22および可動側型板24は互いに係合接続して金型28を収容する金型空間26を形成することができる。金型28は射出機1のノズル140bと接触するノズル(図示せず)を有する。
【0054】
プラスチックはノズル140bから出て金型のノズルを介して金型28における金型キャビティに入りかつ充填される。プラスチックで金型キャビティが徐々に埋まると、保圧システム14の保圧シリンダ142は保圧ロッド141を駆動して保圧管140内のプラスチックに圧力を印加し続け、金型キャビティが完全に埋まることを確保するように、冷却により収縮したプラスチックの体積を補償し、ゲート(図示せず)が固化するまで、成形品は金型内で冷却される。その後、可動側型板24は固定側型板22から離れ、金型28上のエジェクタピン機構(図示せず)は成形品を突き出す。
【0055】
再生プラスチック射出成形システムには、突き出される成形品を取り出すように、ロボットアーム(図示せず)が設けられることができる。
【0056】
第二実施例では、成形品は成形システムから射出された後に、冷却フレームに置かれることができる。
図15は本発明の第二実施例による冷却フレームを示す平面図である。
図16は本発明の第二実施例による冷却フレームを示す背面図である。
図17は本発明の第二実施例による冷却フレームを示す側面図である。本実施例では、冷却フレームは台1000と複数の位置決めモジュールを備える。位置決めモジュールは第1種類の成形品を収容するように配置される第1位置決めモジュール1100を備える。位置決めモジュールは第2種類の成形品を収容するように配置される第2位置決めモジュール1200をさらに備える。本実施例では、台1000の背面には、位置決めモジュールを台1000に係止し、冷却液を成形品に送るための複数の抜け孔1300が含まれる。
【0057】
図18は本発明の第二実施例による第1種類の成形品を示す背面図である。第1種類の成形品は本体121と本体121の側壁から突出するほぞ構造124を備える凸型舗装レンガであってもよい。本体121の底面122に複数の溝領域が画定される。溝領域は隅角溝R111、側溝R112および中央溝R113を備える。ほぞ構造124の底面134にほぞ溝R114が画定される。第1位置決めモジュール1100は、第1種類の成形品の隅角溝R111と相補する隅角突起1101と、第1種類の成形品の側溝R112と相補する側突起1102と、第1種類の成形品の中央溝R113と相補する中央突起1103と、第1種類の成形品のほぞ溝R114と相補するほぞ突起1104とを備える。ある実施例では、ほぞ突起1104の高さは隅角突起1101、側突起1102および中央突起1103の高さより小さい。
【0058】
図19は本発明の第二実施例による第2種類の成形品を示す背面図である。第2種類の成形品は本体21と本体21の側壁から突出するほぞ穴構造23を備える凹型舗装レンガであってもよい。本体21の底面に複数の溝領域が画定される。溝領域は隅角溝R121、側溝R122、中央溝R123、および窪みR124を備える。ある実施例では、ほぞ穴構造は内側表面233と外側表面221を有する。第2位置決めモジュール1200は、第2種類の成形品の隅角溝R121と相補する隅角突起1201と、第2種類の成形品の側溝R122と相補する側突起1202と、第2種類の成形品の中央溝R123と相補する中央突起1203と、第2種類の成形品のほぞ穴構造23と相補するほぞ穴突起1204とを備える。ほぞ穴突起1204とほぞ穴構造23の内側表面233および外側表面221は相補的である。また、ある実施例では、ほぞ穴突起1204はほぞ穴構造23における窪みR124と相補する歯状部を有する。ある実施例では、ほぞ穴突起1204の高さは隅角突起1201、側突起1202および中央突起1203の高さより小さい。
【0059】
図9を参照して、それは本発明の第二実施例の射出機の正面図を示している。射出機1は、大量のプラスチックを供給システム10に供給し続けるように、乾燥システム3をさらに備えることができ、乾燥システム3は乾燥混合バレル30および側辺搬送装置31を備える。
【0060】
図9に示す乾燥混合バレル30は、バレル本体301、第3駆動装置(図示せず)および攪拌ロッド302を有する。バレル本体301は中空体をなし、内部にプラスチックを収容する空間が形成され、バレル本体301には乾燥投入口(図示せず)および乾燥吐出口301bが設けられ、プラスチックが乾燥投入口から投入され、乾燥吐出口から排出されるように、乾燥投入口と乾燥吐出口301bとバレル本体301の内部は連通している。バレル本体301内には吹出口、送風機および加熱器(図示せず)が設けられ、送風機は空気を加熱器内に吹き込み、これにより空気の温度を上昇させて熱風を形成させ、熱風は吹出口からバレル本体301の内部に入り、プラスチックを乾燥させる。
【0061】
バレル本体301の内部には攪拌ロッド302が設けられ、攪拌ロッド302は直棒体であり、その表面には螺旋状をなすシートが設けられ、その一端は第3駆動装置に固定され、かつ第3駆動装置により自身の軸線回りに回動するように駆動され、プラスチックを攪拌して、プラスチックを混合させる。
【0062】
側辺搬送装置31は、射出機1の側辺に設けられる搬送管310、第4駆動装置32および搬送スクリュー(図示せず)を備える。搬送管310は中空体をなし、内部に搬送空間が形成され、搬送管310の乾燥混合バレル30に近接する一端には搬送投入口310aが設けられ、乾燥混合バレル30から離れる他端には搬送吐出口310bが設けられ、乾燥されたプラスチックが搬送投入口310aから入り、搬送吐出口310bから搬送管310を出るように、搬送管310の搬送投入口310aと搬送吐出口310bと搬送管310の内部は連通している。第4駆動装置32は搬送管310の搬送吐出口310bに近接する一端に設けられることができる。搬送スクリューは直棒体を有し、その表面には螺旋状をなすシートが設けられ、その一端は第4駆動装置32に固定され、第4駆動装置32により自身の軸線回りに回動するように駆動されてプラスチックを回動させ、これによりプラスチックを搬送投入口310aから搬送吐出口310bに搬送し、そして、プラスチックは供給システム10のホッパ100に入り込んで、供給システム10に供給される。
【0063】
図10の再生プラスチック射出成形システムのプロセスステップを参照して、ステップS1では、可動側型板24は固定側型板22に近接して金型28を閉鎖させる。ステップS2では、加熱システム11からフィーディング緩衝システム13に入ったプラスチックは、プランジャロッド131により保圧システム14に押し込まれて、成形装置2に直接入り、金型28における金型キャビティに充填されて成形品を形成する。ステップS3では、成形装置2における成形品は金型キャビティで冷却される。ステップS4では、成形品の冷却が完了した後、保圧ロッド141は保圧シリンダ142の方向へ後退する。ステップS5では、可動側型板24は固定側型板22から離れて型開きを行う。ステップS6では、金型の突き出し機構は成形品を突き出す。ステップS7では、成形品を取り出す。
【0064】
さらに、ステップS2のプラスチック射出が行われる前に、射出機1の切替弁SHが開き、加熱システム11のプラスチックをフィーディング緩衝システム13に入らせ、プラスチックの量が所望の射出量に達すると、プラスチック射出の際にプラスチックが加熱システム11内に押し戻されることを防止するように、切替弁SHが閉じる。
【0065】
また、成形品が厚いほど、必要とする冷却時間が比較的に長いため、比較的に厚い成形品を成形しようとする場合、ステップS6の離型の前に、再度冷却ステップを行って、完全に固化されていない成形品が離型するときに外力作用で変形することを回避することができる。
【0066】
図11を参照して、
図11は本発明の第三実施例による1つの射出機に対応する2つの成形装置を示す平面図である。再生プラスチック射出成形システムは1つの射出機1がプラスチックを2つの成形装置2A,2Bに供給するものである。一実施例では、射出機1は、
図3に示すような供給システム10と加熱システム11、成形装置2A,2Bにそれぞれ対応するプラスチック搬送通路12の2つの材料管120A,120B,切替弁SH1,SH2、およびフィーディング緩衝システム13A,13Bを備える。この実施例では、フィーディング緩衝システムおよび保圧システムは1つのシステムに統合することができ、つまり、フィーディング緩衝システム13A,13Bは上記保圧機能を有している。
【0067】
また、
図12を参照して、
図12は第三実施例による
図11の1つの射出機に対応する2つの成形装置のプラスチック射出機のステップフローチャートである。ステップS1では、成形装置2A,2Bのそれぞれの可動側型板24は固定側型板22に近接して金型を閉鎖させる。その後、フィーディング緩衝システム13Aおよび成形装置2AはステップS2~S7を行い、フィーディング緩衝システム13Bおよび成形装置2BはステップS8~S13を行い、ステップS2~S7およびステップS8~S13は
図10のステップS2~S7の記載と同じであり、ここで再度説明しない。また、フィーディング緩衝システム13Bおよび成形装置2Bが射出Bを行うステップS8は、成形装置2AがステップS7を完了した後に行われることに限らず、ステップS2~S7と同時に行われることもできる。
【0068】
ステップS2のプラスチック射出が行われる前に、射出機1の切替弁SH1が開き、切替弁SH2が閉じ、加熱システム11のプラスチックをフィーディング緩衝システム13Aに入らせ、プラスチックの量が所望の射出量に達すると、プラスチック射出の際にプラスチックが加熱システム11内に押し戻されることを防止するように、切替弁SH1が閉じる。ステップS8が行われる前に、切替弁SH2が開き、切替弁SH1が閉じ、加熱システム11のプラスチックをフィーディング緩衝システム13Bに入らせ、プラスチックの量が所望の射出量に達すると、切替弁SH2が閉じ、ステップS8~S13が行われる。
【0069】
また、
図13を参照して、
図13は本発明の第四実施例よる1つの射出機に対応する4つの成形装置を示す平面図である。再生プラスチック射出成形システムは1つの射出機1がプラスチックを4つの成形装置2A,2B,2C,2Dに供給するものである。射出機1は、
図3に示すような供給システム10と加熱システム11、成形装置2A,2B,2C,2Dにそれぞれ対応する4つの材料管120A,120B,120C,120D,切替弁SH1,SH2,SH3,SH4、およびフィーディング緩衝システム13A,13B,13C,13Dを備える。この実施例では、フィーディング緩衝システムおよび保圧システムは1つのシステムに統合することができ、つまり、フィーディング緩衝システム13A,13B,13C,13Dは上記保圧機能を有している。
【0070】
また、
図14を参照して、
図14は第四実施例による
図13の1つの射出機に対応する4つの成形装置のプラスチック射出機のステップフローチャートである。ステップS1では、成形装置2A,2B,2C,2Dのそれぞれの可動側型板24は固定側型板22に近接して金型を閉鎖させる。その後、フィーディング緩衝システム13Aおよび成形装置2AはステップS2~S7を行い、フィーディング緩衝システム13Bおよび成形装置2BはステップS8~S13を行い、フィーディング緩衝システム13Cおよび成形装置2CはステップS14~S19を行い、フィーディング緩衝システム13Dおよび成形装置2DはステップS20~S25を行い、これらのステップは
図10のステップS2~S7の記載と同じであり、ここで再度説明しない。各フィーディング緩衝システムおよび各成形装置が行う上記ステップは、前の成形装置が成形品を取り出すステップを完了した後に行えることに限らず、同時に行うこともできる。
【0071】
ステップと同様に、各フィーディング緩衝システムおよび成形装置が射出ステップを行う前に、それに対応する切替弁のみが開き、その他の切替弁が閉じて、プラスチック射出の際にプラスチックが加熱システム11内に押し戻されることを防止する。例えば、ステップS2の射出Aが行われる前に、射出機1の切替弁SH1が開き、その他の切替弁SH2,SH3,SH4が閉じ、加熱システム11のプラスチックをフィーディング緩衝システム13Aに入らせ、プラスチックの量が所望の射出量に達すると、切替弁SH1が閉じ、ステップS2~S7が行われる。
【0072】
上記の例から分かるように、本願の射出機は1つ以上の成形装置に対応できるが、成形装置の数は上記の例に限定されない。
【0073】
下表は本発明の射出機および通常の600T型締力の射出機の射出単位を示す。
【表1】
【0074】
上表のように、通常の600T型締力の射出機の最大射出重量は僅か1.39kgであり、これは大量のプラスチックが加熱システムから成形装置2に直接搬送され続けると、加熱吐出口に堆積したプラスチックは押しスクリューに逆方向の作用力を発生させ、押しスクリューが射出逆方向へ後退することになるためであり、この問題に対応するために、通常、型締力が比較的に大きい射出機を選択して、高い射出量に達成するとともに、スクリューの後退問題を解決する。通常、最大射出重量が約10kgの射出機に達するには、仕様が1800T型締力の射出機を選択する必要がある。
【0075】
しかし、本発明の仕様が600T型締力の改良した射出機は、加熱システムの下流にフィーディング緩衝システムを増設することによって、押しスクリュー111が射出逆方向へ後退することを防止しているため、その最大射出重量は通常の600T型締力の射出機の1.39kgに対して、約10kgまで上げられることができる。つまり、本発明の射出機は600Tだけで、約10kgの最大射出重量に達することができ、そのため、本発明は設備投資費用を低下させ、かつエネルギー消耗を低下させることができる。
【0076】
上記記載は、本発明の実施例だけであり、本発明のカテゴリーを限定するものではない。本発明の特許請求の範囲および明細書に基づく様々な変化は依然として本発明の範囲内にある。また、これらの実施例および特許請求の範囲は、必ずしも開示された全ての技術的利点または技術的特徴を達成する必要がない。さらに、要約書およびタイトルは特許文書の検索を容易にするためだけに使用され、いかなる点においても本発明のカテゴリーを限定することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0077】
1:射出機、2,2A,2B,2C,2D:成形装置、10:供給システム、11:加熱システム、12:プラスチック搬送通路、13,13A,13B,13C,13D:フィーディング緩衝システム、14:保圧システム、100:ホッパ、100a:上開口、100b:下開口、101:供給スクリュー、102:第1駆動装置、103:台、1010:羽根、110:加熱管、110a:加熱投入口、110b:加熱吐出口、111:押しスクリュー、112:第2駆動装置、120,120A,120B,120C,120D:材料管、120a:材料管投入口、120b:材料管吐出口、SH,SH1,SH2,SH3,SH4:切替弁、130:プランジャ管、130a:プランジャ投入口、130b:プランジャ吐出口、131:プランジャロッド、132:プランジャシリンダ、1320:シリンダ本体、1322:ロッド本体、133:流体空間、140:保圧管、140a:保圧管投入口、140b:ノズル、141:保圧ロッド、142:保圧シリンダ、1420:シリンダ本体、1422:ロッド本体、143:保圧空間、22:固定側型板、24:可動側型板、26:金型空間、28:金型、3:乾燥システム、30:乾燥混合バレル、301:バレル本体、301b:乾燥吐出口、302:攪拌ロッド、31:側辺搬送装置、310:搬送管、310a:搬送投入口、310b:搬送吐出口、32:第4駆動装置、1000:台、1100:第1位置決めモジュール、1200:第2位置決めモジュール、1300:抜け孔、21,121:本体、13:ほぞ構造、122,134:底面、R111,R121:隅角溝、R112,R122:側溝、R113,R123:中央溝、R114:ほぞ溝、1101,1201:隅角突起、1102,1202:側突起、1103,1203:中央突起、1104:ほぞ突起、23:ほぞ穴構造、R124:窪み、233:内側表面、221:外側表面、1204:ほぞ穴突起、S1~S25:ステッププロセス