(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】スマートバッテリー装置及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/10 20060101AFI20230529BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230529BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
H02J7/10 N
H02J7/00 X
H01M10/48 301
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2021182618
(22)【出願日】2021-11-09
【審査請求日】2021-11-09
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】顏 維廷
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-209933(JP,A)
【文献】特開平10-174297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートバッテリー装置であって、
バッテリーユニットと、
周囲温度を感知して温度信号を生成する温度検出ユニットと、
前記バッテリーユニット及び前記温度検出ユニットに結合された処理ユニットであって、充電モードにおいて、前記温度信号を受信し、前記バッテリーユニットの電力容量を取得し、前記温度信号に従って全容量を設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記全容量に達した場合に指示フラグを生成し、前記指示フラグは、前記バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される、処理ユニットと、
を有
し、
前記処理ユニットは、前記温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低い場合に前記スマートバッテリー装置を保護モードに移行するように制御し、前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低い場合に前記全容量を第一所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第一所定値に達した場合に前記指示フラグを生成し、前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低い場合に前記全容量を第二所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第二所定値に達した場合に前記指示フラグを生成し、前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低い場合に前記全容量を第三所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第三所定値に達した場合に前記指示フラグを生成し、前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低くない場合に前記スマートバッテリー装置を前記保護モードに移行するように制御し、前記第二所定温度は前記第一所定温度よりも高く、前記第三所定温度は前記第二所定温度よりも高く、前記第四所定温度は前記第三所定温度よりも高く、前記第二所定値は前記第一所定値よりも小さく、前記第三所定値は前記第二所定値よりも小さいことを特徴とするスマートバッテリー装置。
【請求項2】
前記バッテリーユニット及び前記処理ユニットに結合された電流検出ユニットであって、前記バッテリーユニットの放電電流を感知する電流検出ユニットをさらに有し、
前記処理ユニットは、放電モードにおいて、前記温度信号及び前記放電電流を受信し、前記温度信号又は前記放電電流のCレートに従って調整指示を生成し、前記調整指示は、操作を調整することを受電装置に指示するために使用されることを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリー装置。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低い場合に前記スマートバッテリー装置を保護モードに移行するように制御し、前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低い場合に前記調整指示を生成せず、前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低い場合に第一調整値を有する前記調整指示を生成し、前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低い場合に第二調整値を有する前記調整指示を生成し、前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低くない場合に前記温度信号の温度が第五所定温度よりも低いか否かを判断し、前記温度信号の温度が前記第五所定温度よりも低い場合に第三調整値を有する前記調整指示を生成し、前記温度信号の温度が前記第五所定温度よりも低くない場合にシャットダウン指示を有する前記調整指示を生成し、前記第一所定温度は前記第二所定温度よりも低く、前記第二所定温度は前記第三所定温度よりも低く、前記第三所定温度は前記第四所定温度よりも低く、前記第四所定温度は前記第五所定温度よりも低く、前記第一調整値は前記第二調整値よりも小さく、前記第二調整値は前記第三調整値よりも小さいことを特徴とする請求項
2に記載のスマートバッテリー装置。
【請求項4】
前記処理ユニットは、前記放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低いか否かを判断し、前記放電電流のCレートが前記第一所定Cレートよりも低い場合に前記調整指示を生成せず、前記放電電流のCレートが前記第一所定Cレートよりも低くない場合に前記放電電流のCレート
が第二所定Cレートよりも低いか否かを判断し、前記放電電流のCレートが前記第二所定Cレートよりも低い場合
に第一調整値を有する前記調整指示を生成し、前記放電電流のCレートが前記第二所定Cレートよりも低くない場合に前記放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低いか否かを判断し、前記放電電流のCレートが前記第三所定Cレートよりも低い場合に第二調整値を有する前記調整指示を生成し、前記放電電流のCレートが前記第三所定Cレートよりも低くない場合に前記放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低いか否かを判断し、前記放電電流のCレートが前記第四所定Cレートよりも低い場合に制限指示を有する前記調整指示を生成し、前記放電電流のCレートが前記第四所定Cレートよりも低くない場合にシャットダウン指示を有する前記調整指示を生成し、前記第一所定Cレートは前記第二所定Cレートよりも低く、前記第二所定Cレートは前記第三所定Cレートよりも低く、前記第三所定Cレートは前記第四所定Cレートよりも低く、前記第一調整値は前記第二調整値よりも小さいことを特徴とする請求項
2に記載のスマートバッテリー装置。
【請求項5】
スマートバッテリー装置の操作方法であって、
周囲温度を感知して温度信号を生成する工程と、
充電モードにおいて、前記温度信号を受信し、バッテリーユニットの電力容量を取得する工程と、
前記温度信号に従って全容量を設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記全容量に達した場合に指示フラグを生成する工程であって、前記指示フラグは、前記バッテリーユニットがフル充電状態であることを示す、工程と、
を有
し、
前記温度信号に従って全容量を設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記全容量に達した場合に前記指示フラグを生成する工程は、
前記温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低い場合に、前記スマートバッテリー装置を保護モードに移行するように制御する工程と、
前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低い場合に、前記全容量を第一所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第一所定値に達した場合に、前記指示フラグを生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低い場合に、前記全容量を第二所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第二所定値に達した場合に、前記指示フラグを生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低い場合に、前記全容量を第三所定値に設定し、前記バッテリーユニットの前記電力容量が前記第三所定値に達した場合に、前記指示フラグを生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低くない場合に、前記スマートバッテリー装置を前記保護モードに移行するように制御する工程と、
を有し、
前記第二所定温度は前記第一所定温度よりも高く、前記第三所定温度は前記第二所定温度よりも高く、前記第四所定温度は前記第三所定温度よりも高く、前記第二所定値は前記第一所定値よりも小さく、前記第三所定値は前記第二所定値よりも小さいことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記バッテリーユニットの放電電流を感知する工程と、
放電モードにおいて、前記温度信号及び前記放電電流を受信する工程と、
前記温度信号又は前記放電電流のCレートに従って調整指示を生成する工程であって、前記調整指示は、操作を調整することを受電装置に指示するために使用される、工程と、
を有することを特徴とする請求項
5に記載のスマートバッテリー装置の操作方法。
【請求項7】
前記温度信号に従って前記調整指示を生成する工程は、
前記温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低い場合に、前記スマートバッテリー装置を保護モードに移行するように制御する工程と、
前記温度信号の温度が前記第一所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低い場合に、前記調整指示を生成しない工程と、
前記温度信号の温度が前記第二所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低い場合に、第一調整値を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第三所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低い場合に、第二調整値を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第四所定温度よりも低くない場合に、前記温度信号の温度が第五所定温度よりも低いか否かを判断する工程と、
前記温度信号の温度が前記第五所定温度よりも低い場合に、第三調整値を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記温度信号の温度が前記第五所定温度よりも低くない場合に、シャットダウン指示を有する前記調整指示を生成する工程と、を有し、
前記第二所定温度は前記第一所定温度よりも高く、前記第三所定温度は前記第二所定温度よりも高く、前記第四所定温度は前記第三所定温度よりも高く、前記第五所定温度は前記第四所定温度よりも高く、前記第二調整値は前記第一調整値よりも高く、前記第三調整値は前記第二調整値よりも大きいことを特徴とする請求項
6に記載のスマートバッテリー装置の操作方法。
【請求項8】
前記放電電流のCレートに従って前記調整指示を生成する工程は、
前記放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低いか否かを判断する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第一所定Cレートよりも低い場合に、前記調整指示を生成しない工程と、
前記放電電流のCレートが前記第一所定Cレートよりも低くない場合に、前記放電電流のCレート
が第二所定Cレートよりも低いか否かを判断する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第二所定Cレートよりも低い場合に、第一調整値を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第二所定Cレートよりも低くない場合に、前記放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低いか否かを判断する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第三所定Cレートよりも低い場合に、第二調整値を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第三所定Cレートよりも低くない場合に、前記放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低いか否かを判断する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第四所定Cレートよりも低い場合に、制限指示を有する前記調整指示を生成する工程と、
前記放電電流のCレートが前記第四所定Cレートよりも低くない場合に、シャットダウン指示を有する前記調整指示を生成する工程と、
を有し、
前記第二所定Cレートは前記第一所定Cレートよりも高く、前記第三所定Cレートは前記第二所定Cレートよりも高く、前記第四所定Cレートは前記第三所定Cレートよりも高く、前記第二調整値は前記第一調整値よりも大きいことを特徴とする請求項
6に記載のスマートバッテリー装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー装置に関し、特に、スマートバッテリー装置及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー装置は、電気エネルギーを供給することができる。よって、バッテリー装置は、様々な電子デバイスに共通して見られる。近年、バッテリー装置の寿命、パフォーマンス及び安全性が重要視されており、製造者は、高性能な製品の提供を望む。しかし、バッテリー装置の動作温度及び充/放電電流は、バッテリー装置の寿命、パフォーマンス及び安全性に影響する。よって、バッテリー装置の寿命、パフォーマンス及び安全性をどのように向上させ、管理するかが、各製造者による技術の改善の焦点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、スマートバッテリー装置及びその操作方法を提供し、バッテリーユニットの寿命、パフォーマンス及び安全性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるスマートバッテリー装置は、バッテリーユニットと、温度検出ユニットと、処理ユニットと、を有する。温度検出ユニットは、周囲温度を感知して、温度信号を生成する。処理ユニットは、バッテリーユニット及び温度検出ユニットに結合されている。処理ユニットは、充電モードにおいて、温度信号を受信するとともに、バッテリーユニットの電力容量を取得し、温度信号に従って全容量を設定し、バッテリーユニットの電力容量が全容量に達した場合に指示フラグを生成する。指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。
【0005】
本発明の一実施形態は、スマートバッテリー装置の操作方法を提供する。方法は、以下の工程を有する。周囲温度を感知して、温度信号を生成する。充電モードにおいて、温度信号を受信して、バッテリーユニットの電力容量を取得する。全容量が温度信号に従って設定されるとともに、バッテリーユニットの電力容量が全容量に達した場合に、指示フラグが生成される。指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。
【発明の効果】
【0006】
本発明により開示されるスマートバッテリー装置及びその操作方法によれば、温度検出ユニットは、周囲温度を感知して、温度信号を生成する。処理ユニットは、充電モードにおいて、温度信号及びバッテリーユニットの電力容量に従って指示フラグを生成し、指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。これにより、スマートバッテリー装置を効率的に管理することができ、バッテリーユニットの寿命、パフォーマンス、安全性を向上させる。
【0007】
本発明の実施形態は、図面及び以下の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態によるスマートバッテリー装置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるスマートバッテリー装置の操作方法のフローチャートである。
【
図3】
図2の工程206の詳細なフローチャートである。
【
図4】
図2の工程212の詳細なフローチャートである。
【
図5】
図2の工程212の別の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の各実施形態において、同じ符号は、同一又は類似の素子やコンポーネントを示す。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるスマートバッテリー装置を示す図である。
図1を参照する。スマートバッテリー装置100は、電力を蓄積するとともに、蓄積した電力を、それに接続された受電装置(図示省略)に供給する。いくつかの実施形態において、受電装置は、電力で作動させる必要がある各種電子デバイス又は電気自動車であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0011】
スマートバッテリー装置100は、バッテリーユニット110と、温度検出ユニット120と、処理ユニット130と、放電スイッチ140と、充電スイッチ150と、を有する。
【0012】
バッテリーユニット110は、電力を供給する。いくつかの実施形態において、バッテリーユニット110は、直列及び/又は並列に接続された1つ以上の電池により形成される。さらに、バッテリーユニット110は、リチウム電池、ニッケル水素電池、密閉型鉛蓄電池又は他の任意の適切な充電池であってもよい。
【0013】
温度検出ユニット120は、周囲温度を感知して、温度信号を生成する。いくつかの実施形態において、温度検出ユニット120は、正の温度係数(PTC)サーミスタ、負の温度係数(NTC)サーミスタ、温度検出チップ、又は、他の適切な温度検出素子によって実装されてもよい。
【0014】
処理ユニット130は、バッテリーユニット110及び温度検出ユニット120に結合されている。いくつかの実施形態において、処理ユニット130は、システムオンチップ(SoC)、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラーユニット(MCU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、アプリケーションプロセッサ(AP)、又は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)によって実装されてもよいが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0015】
放電スイッチ140は、バッテリーユニット110及び処理ユニット130に結合されている。処理ユニット130は、例えば、スマートバッテリー装置100が放電モードに移行するように放電スイッチ140を制御して、バッテリーユニット110の電力を受電装置に供給する。充電スイッチ150は、処理ユニット130及びスマートバッテリー装置100のバッテリー正端子BATT+に結合されている。処理ユニット130は、例えば、スマートバッテリー装置100が充電モードに移行するように充電スイッチ150を制御して、外部電源(図示省略)から供給される充電電流により、バッテリーユニット110を充電する。いくつかの実施形態において、放電スイッチ140及び充電スイッチ150は、電界効果トランジスタ(FET)によって実装されてもよいが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0016】
本実施形態において、処理ユニット130は、外部電源が存在するか否かを検出する。処理ユニット130が、外部電源の存在を検出すると、スマートバッテリー装置100が充電モードに移行することを示し、処理ユニット130は、充電スイッチ150を制御して、バッテリーユニット110を充電する。その後、処理ユニット130は、充電モードにおいて、温度信号を受信して、バッテリーユニット110の電力容量を取得し、温度信号に従って全容量を設定し、且つ、バッテリーユニット110の電力容量が全容量に達した場合に指示フラグを生成する。指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。つまり、処理ユニット130は、異なる温度に応じて、バッテリーユニット110の異なる全容量を設定してもよい。よって、バッテリーの寿命及び安全性が効果的に向上する。
【0017】
さらに、処理ユニット130が温度信号を受信した後に、処理ユニット130は、温度信号の温度が第一所定温度より低いか否かを判断する。本実施形態において、第一所定温度は、例えば0度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0018】
温度信号の温度が第一所定温度よりも低い場合、スマートバッテリー装置100が低温であることを示す。バッテリーユニット110がこの温度で充電されて、バッテリーユニット110の寿命又はパフォーマンスに影響するのを防止するために、処理ユニット130は、スマートバッテリー装置100を制御して、保護モードに移行する。例えば、処理ユニット130は、充電スイッチ150をオフに制御して、バッテリーユニット110の充電機能を停止する。
【0019】
温度信号の温度が第一所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第二所定温度より低いか否かを判断する。本実施形態において、第二所定温度は、例えば、第一所定温度よりも高い。また、第二所定温度は、例えば25度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0020】
温度信号の温度が第二所定値よりも低い場合、例えば、温度が0~25度の場合、スマートバッテリー装置100は、正常な温度であることを示す。その後、処理ユニット130は、全容量を第一所定値に設定し、バッテリーユニット110の電力容量が第一所定値に達した場合に指示フラグを生成する。本実施形態において、第一所定値は、例えば100%であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が0~25度であり、且つ、バッテリーユニット110の電力容量が第一所定値に達した場合に、処理ユニット130は、例えば、バッテリーユニット110がフル充電状態(例えば、100%)であることを示す高論理レベル“1”の指示フラグを生成する。その後、高論理レベル“1”の指示フラグが受電装置に提供され、受電装置は、バッテリーユニット110がフル充電状態(すなわち、100%)であることを表示する。
【0021】
温度信号の温度が第二所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第三所定温度は、例えば、第二所定温度よりも高い。また、第三所定温度は、例えば45度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0022】
温度信号の温度が第三所定温度よりも低い場合、例えば、温度が25~45度である場合に、スマートバッテリー装置100は、比較的高温であることを示す。その後、処理ユニット130は、全容量を第二所定値に設定し、バッテリーユニット110の電力容量が第二所定値に達した場合に指示フラグを生成する。本実施形態において、第二所定値は、例えば、第一所定値よりも小さい。また、第二所定値は、例えば95%であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が25~45度であり、且つ、バッテリーユニット110の電力容量が第二所定値(例えば、95%)に達すると、処理ユニット130は、例えば、バッテリーユニット110がフル充電状態(例えば、100%)であることを示す高論理レベル“1”の指示フラグを生成する。その後、高論理レベル“1”の指示フラグが受電装置に提供され、受電装置は、バッテリーユニット110がフル充電状態(つまり、100%)であることを表示する。
【0023】
温度信号の温度が第三所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第四所定温度は、例えば、第三所定温度よりも高い。また、第四所定温度は、例えば60度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0024】
温度信号の温度が第四所定値よりも低い場合、例えば、温度が45~60度である場合、スマートバッテリー装置100がさらに高い温度であることを示す。その後、処理ユニット130は、全容量を第三所定値に設定し、バッテリーユニット110の電力容量が第三所定値に達した場合に指示フラグを生成する。本実施形態において、第三所定値は、例えば、第二所定値よりも小さい。また、第三所定値は、例えば90%であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が45~60度であり、且つ、バッテリーユニット110の電力容量が第三所定値(例えば、90%)に達する場合に、処理ユニット130は、例えば、バッテリーユニット110がフル充電状態(例えば、100%)であることを示す高論理レベル“1”の指示フラグを生成する。その後、高論理レベル“1”の指示フラグが受電装置に提供され、受電装置は、バッテリーユニット110がフル充電状態(即ち、100%)であることを表示する。
【0025】
温度信号の温度が第四所定温度よりも低くない場合、例えば、温度が60度よりも高い場合、スマートバッテリー装置100が非常に高温であることを示す。バッテリーユニット110がこの温度で充電されることにより、バッテリーユニット110の寿命やパフォーマンスに影響するのを防止するために、処理ユニット130は、保護モードに移行するようにスマートバッテリー装置100を制御する。例えば、処理ユニット130は、充電スイッチ150をオフに制御して、バッテリーユニット110の充電機能を停止する。
【0026】
上記実施形態において、処理ユニット130が、例えば、高論理レベル“1”の指示フラグを生成した後に、バッテリーユニット110の電力容量が指示フラグに対応するフル充電状態ではない(例えば、100%、95%、又は、90%)ことを検出した場合に、処理ユニット130は、指示フラグをクリアして、バッテリーユニット110の現在の電力容量を受電装置に提供し、受電装置は、バッテリーユニット110の現在の電力容量を表示する。
【0027】
また、本実施形態のスマートバッテリー装置100は、電流検出ユニット160をさらに有する。電流検出ユニット160は、バッテリーユニット110、処理ユニット130及びスマートバッテリー装置100のバッテリー負極BATT-に結合されている。電流検出ユニット160は、バッテリーユニット110の放電電流を感知する。
【0028】
処理ユニット130は、外部電源が存在しないことを検出すると、スマートバッテリー装置100が放電モードに移行することを示し、処理ユニット130は、放電スイッチ140を制御して、バッテリーユニット110を放電する。その後、処理ユニット130は、放電モードにおいて、温度信号及び放電電流を受信し、温度信号又は放電電流のCレートに従って調整指示を生成する。調整指示は、操作の調整を受電装置に指示するために使用される。その後、処理ユニット130は、調整指示を、伝送インターフェース131を介して受電装置に送信する。いくつかの実施形態において、伝送インターフェース131は、例えば、システム管理バス(SMbus)である。つまり、処理ユニット130は、異なる温度又は異なる放電電流のCレートに従って異なる調整指示を受電装置に提供して、受電装置に、そのの内部素子の電力消費(例えば、受電装置の処理デバイス(例えば、CPU)の周波数を調整する)を調整させる。よって、バッテリーの寿命及び安全性が効果的に向上する。
【0029】
さらに、処理ユニット130は、温度信号を受信した後に、温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第一所定温度は、例えば-20度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0030】
温度信号の温度が第一所定温度よりも低い場合、スマートバッテリー装置100が低すぎる温度であることを示す。バッテリーユニット110がこの温度で放電され、バッテリーユニット110の寿命やパフォーマンスに影響するのを防止するために、処理ユニット130は、スマートバッテリー装置100を保護モードに移行するように制御する。例えば、処理ユニット130は、放電スイッチ140をオフに制御して、バッテリーユニット110の放電機能を停止する。
【0031】
温度信号の温度が第一所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第二所定温度は、例えば、第一所定温度よりも高い。また、第二所定温度は、例えば45度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0032】
温度信号の温度が第二所定値よりも低い場合、例えば、温度が-20~45度である場合、スマートバッテリー装置100が正常な温度であることを示し、処理ユニット130は、調整指示を生成しない。つまり、処理ユニット130は、調整指示を受電装置に生成せず、且つ、受電装置も、操作を調整せずに、通常操作を実行する。その後、処理ユニット130は、温度信号を連続的に監視し、後続の操作(例えば、スマートバッテリー装置100を保護モードに移行するように制御する操作や、調整指示を生成しない操作等)を実行する。
【0033】
温度信号の温度が第二所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第三所定温度は、例えば、第二所定温度よりも高い。また、第三所定温度は、例えば50度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0034】
温度信号の温度が第三所定温度よりも低い場合、例えば、温度が45~50度である場合、スマートバッテリー装置100がやや高温であることを示す。その後、処理ユニット130は、第一調整値を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第一調整値は、例えば、25%のスロットル(throttling)であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が45~50度である場合、処理ユニット130は、例えば、25%のスロットルの調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、25%のスロットルの調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して25%のスロットルを実行する。その後、処理ユニット130は、温度信号を連続的に監視して、後続の操作(例えば、調整指示を生成しない操作や、第一調整値を有する調整指示を生成する操作等)を実行する。
【0035】
温度信号の温度が第三所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第四所定温度は、例えば、第三所定温度よりも高い。また、第四所定温度は、例えば55度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0036】
温度信号の温度が第四所定値よりも低い場合、例えば、温度が50~55度である場合、スマートバッテリー装置100が比較的高温であることを示す。その後、処理ユニット130は、第二調整値を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第二調整値は、例えば50%のスロットルであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が50~55度である場合、処理ユニット130は、例えば、50%のスロットルの調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、50%のスロットルの調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して50%のスロットルを実行する。その後、処理ユニット130は、温度信号を連続的に監視して、第一調整値を有する調整指示を生成する操作や、第二調整値を有する調整指示を生成する操作を実行する。
【0037】
温度信号の温度が第四所定温度よりも低くない場合、処理ユニット130は、温度信号の温度が第五所定温度よりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第五所定温度は、例えば、第四所定温度よりも高い。また、第五所定温度は、例えば60度であるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0038】
温度信号の温度が第五所定値よりも低い場合、例えば、温度が55~60度である場合、スマートバッテリー装置100が高温であることを示す。その後、処理ユニット130は、第三調整値を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第三調整値は、例えば、75%のスロットルであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、温度が55~60度の場合、処理ユニット130は、例えば、75%のスロットルの調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、75%のスロットルの調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して75%のスロットルを実行する。その後、処理ユニット130は、温度信号を連続的に監視して、第二調整値を有する調整指示を生成する操作や、第三調整値を有する調整指示を生成する操作を実行する。
【0039】
温度信号の温度が第五所定温度よりも低くない場合、例えば、温度が60度よりも高い場合、スマートバッテリー装置100が非常に高温であることを示す。その後、処理ユニット130は、シャットダウン指示を有する調整指示を生成する。つまり、温度が60度より高い場合、処理ユニット130は、シャットダウン指示を有する調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、シャットダウン操作を実行する。これにより、バッテリーユニット110がこの温度で放電されて、バッテリーユニット110の寿命やパフォーマンスに影響することを防止する。よって、処理ユニット130は、受電装置の処理デバイスがスロットル操作やシャットダウン操作を実行してバッテリーユニット110の過放電を防止するように調整指示を生成することによって、バッテリーユニット110の寿命、パフォーマンス及び安全性を効果的に向上させる。
【0040】
また、処理ユニット130が放電電流を受信した後に、処理ユニット130は、放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第一所定Cレートは、例えば1Cであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0041】
放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低い場合、放電電流のCレートが正常であることを示し、処理ユニット130は調整指示を生成しない。つまり、処理ユニット130は、調整指示を受電装置に生成せず、受電装置は、操作を調整せずに通常の操作を実行する。その後、処理ユニット130は、放電電流を連続的に監視して、後続の操作(例えば、処理ユニット130は、調整指示を生成しない等)を実行する。
【0042】
放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低くない場合、処理ユニット130は、放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第二所定Cレートは、例えば、第一所定Cレートよりも高い。また、第二所定Cレートは、例えば1.2Cであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0043】
放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低い場合、例えば、放電電流のCレートが1C~1.2Cである場合、放電電流のCレートがやや高いことを示す。その後、処理ユニット130は、第一調整値を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第一調整値は、例えば、50%のスロットルであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、放電電流のCレートが1C~1.2Cである場合、処理ユニット130は、例えば、50%のスロットルの調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、50%のスロットルの調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して50%のスロットルを実行する。その後、処理ユニット130は、放電電流を連続的に監視して、後続の操作(調整指示を生成しない操作や、第一調整値を有する調整指示を生成する操作等)を実行する。
【0044】
放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低くない場合、処理ユニット130は、放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第三所定Cレートは、例えば、第二所定Cレートよりも高い。また、第三所定Cレートは、例えば1.4Cであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0045】
放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低い場合、例えば、放電電流のCレートが1.2C~1.4Cである場合、放電電流のCレートが高いことを示す。その後、処理ユニット130は、第二調整値を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第二調整値は、例えば、第一調整値よりも大きい。また、第二調整値は、例えば、75%のスロットルであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。つまり、放電電流のCレートが1.2C~1.4Cである場合、処理ユニット130は、例えば、75%のスロットルの調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、75%のスロットルの調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して75%のスロットルを実行する。その後、処理ユニット130は、放電電流を連続的に監視して、後続の操作(例えば、第一調整値を有する調整指示を生成する操作や、第二調整値を有する調整指示を生成する操作等)を実行する。
【0046】
放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低くない場合、処理ユニット130は、放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低いか否かを判断する。本実施形態において、第四所定Cレートは、例えば、第三所定Cレートよりも高い。また、第四所定Cレートは、例えば1.5Cであるが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0047】
放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低い場合、例えば、放電電流のCレートが1.4~1.5Cである場合、放電電流のCレートが高いことを示す。その後、処理ユニット130は、制限指示を有する調整指示を生成する。つまり、放電電流のCレートが1.4~1.5Cである場合、処理ユニット130は、制限指示を有する調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、制限指示の調整指示に従って、受電装置の処理デバイスの周波数に対して制限操作を実行する。例えば、受電装置の処理デバイスの周波数は、例えば75%のスロットルに制限される。その後、処理ユニット130は、放電電流を連続的に監視して、後続の操作(第二調整値を有する調整指示を生成する操作や、制限指示を有する調整指示を生成する操作等)を実行する。
【0048】
放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低くない場合、例えば、放電電流のCレートが1.5Cよりも高い場合、放電電流のCレートが高すぎることを示す。その後、処理ユニット130は、シャットダウン指示を有する調整指示を生成する。つまり、放電電流のCレートが1.5Cよりも高い場合、処理ユニット130は、シャットダウン指示を有する調整指示を受電装置に生成し、受電装置は、シャットダウン指示を有する調整指示に従って、シャットダウン操作を実行する。よって、処理ユニット130は、受電装置の処理デバイスがスロットル操作やシャットダウン操作を実行して、バッテリーユニット110の過放電を防止するように調整指示を生成することによって、バッテリーユニット110の寿命、パフォーマンス及び安全性を効率的に向上させる。
【0049】
以上の説明によれば、本発明の実施形態は、スマートバッテリー装置の操作方法をさらに提供する。
図2は、本発明の一実施形態によるスマートバッテリー装置の操作方法のフローチャートである。方法は、工程202において、周囲温度を感知して、温度信号を生成する。工程204において、充電モードにおいて、温度信号を受信し、バッテリーユニットの電力容量を取得する。工程206において、温度信号に従って全容量を設定し、バッテリーユニットの電力容量が全容量に達した場合に指示フラグを生成する。指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。工程208において、バッテリーユニットの放流電流を感知する。工程210において、放電モードにおいて、温度信号及び放電電流を受信する。工程212において、温度信号又は放電電流のCレートに従って調整指示を生成する。調整指示は、操作を調整することを受電装置に指示するために使用される。
【0050】
図3は、
図2の工程206の詳細なフローチャートである。工程302において、温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第一所定温度よりも低い場合、方法は、工程304を実行する。工程304において、スマートバッテリー装置を、保護モードに移行するように制御する。
【0051】
温度信号の温度が第一所定温度よりも低くない場合、方法は、工程306を実行する。工程306において、温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第二所定温度よりも低い場合、方法は、工程308を実行する。工程308において、全容量を第一所定値に設定し、バッテリーユニットの電力容量が第一所定値に達した場合に指示フラグを生成する。
【0052】
温度信号の温度が第二所定温度よりも低くない場合、方法は、工程310を実行する。工程310において、温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第三温度よりも低い場合、方法は、工程312を実行する。工程312において、全容量を第二所定値に設定し、バッテリーユニットの電力容量が第二所定値に達した場合に指示フラグを生成する。温度信号の温度が第三所定温度よりも低くない場合、方法は、工程314を実行する。工程314において、温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断する。
【0053】
温度信号の温度が第四所定温度よりも低い場合、方法は、工程316を実行する。工程316において、全容量を第三所定値に設定し、バッテリーユニットの電力容量が第三所定値に達した場合に指示フラグを生成する。温度信号の温度が第四所定温度よりも低くない場合、方法は、工程318を実行する。工程318において、スマートバッテリー装置を、保護モードに移行するように制御する。本実施形態において、第二所定温度は第一所定温度よりも高く、第三所定温度は第二所定温度よりも高く、第四所定温度は第三所定温度よりも高く、第二所定値は第一所定値よりも小さく、第三所定値は第二所定値よりも小さい。
【0054】
図4は、
図2の工程212の詳細なフローチャートである。工程402において、温度信号の温度が第一所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第一所定温度よりも低い場合、方法は、工程404を実行する。工程404において、スマートバッテリー装置を、保護モードに移行するように制御する。温度信号の温度が第一所定温度よりも低くない場合、方法は工程406を実行する。工程406において、温度信号の温度が第二所定温度よりも低いか否かを判断する。
【0055】
温度信号の温度が第二所定温度よりも低い場合、方法は、工程408を実行する。工程408において、調整指示を生成しない。工程408を実行した後、方法は、工程402に戻って後続の操作を実行する。
【0056】
温度信号の温度が第二所定温度よりも低くない場合、方法は、工程410を実行する。工程410において、温度信号の温度が第三所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第三所定温度よりも低い場合、方法は工程412を実行する。工程412において、第一調整値を有する調整指示を生成する。工程412を実行した後、方法は、工程406に戻って後続の操作を実行する。
【0057】
温度信号の温度が第三所定温度よりも低くない場合、方法は、工程414を実行する。工程414において、温度信号の温度が第四所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第四所定温度よりも低い場合、方法は、工程416を実行する。工程416において、第二調整値を有する調整指示を生成する。工程416を実行した後、方法は、工程410に戻って後続の操作を実行する。
【0058】
温度信号の温度が第四所定温度よりも低くない場合、方法は、工程418を実行する。工程418において、温度信号の温度が第五所定温度よりも低いか否かを判断する。温度信号の温度が第五所定温度よりも低い場合、方法は、工程420を実行する。工程420において、第三調整値を有する調整指示を生成する。工程420を実行した後、方法は、工程414に戻って後続の操作を実行する。
【0059】
温度信号の温度が第五所定温度よりも低くない場合、方法は、工程422を実行する。工程422において、シャットダウン指示を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第二所定温度は第一所定温度よりも高く、第三所定温度は第二所定温度よりも高く、第四所定温度は第三所定温度よりも高く、第五所定温度は第四所定温度よりも高く、第二調整値は第一調整値よりも大きく、第三調整値は第二調整値よりも大きい。
【0060】
図5は、
図2の工程212の別の詳細なフローチャートである。工程502において、方法は、放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低いか否かを判断する。放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低い場合、方法は、工程504を実行する。工程504において、調整指示を生成しない。
【0061】
放電電流のCレートが第一所定Cレートよりも低くない場合、方法は、工程506を実行する。工程506において、放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低いか否かを判断する。放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低い場合、方法は、工程508を実行する。工程508において、第一調整値を有する調整指示を生成する。工程508を実行した後、方法は、工程502に戻って後続の操作を実行する。
【0062】
放電電流のCレートが第二所定Cレートよりも低くない場合、方法は、工程510を実行する。工程510において、放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低いか否かを判断する。放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低い場合、方法は、工程512を実行する。工程512において、第二調整値を有する調整指示を生成する。工程512を実行した後、方法は、工程506に戻って後続の操作を実行する。
【0063】
放電電流のCレートが第三所定Cレートよりも低くない場合、方法は、工程514を実行する。工程514において、放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低いか否かを判断する。放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低い場合、方法は、工程516を実行する。工程516において、制限指示を有する調整指示を生成する。工程516を実行した後、方法は、工程510に戻って後続の操作を実行する。
【0064】
放電電流のCレートが第四所定Cレートよりも低くない場合、方法は、工程518を実行する。工程518において、シャットダウン指示を有する調整指示を生成する。本実施形態において、第二所定Cレートは第一所定Cレートよりも高く、第三所定Cレートは第二所定Cレートよりも高く、第四所定Cレートは第三所定Cレートよりも高く、第二調整値は第一調整値よりも大きい。
【0065】
図2、
図3、
図4及び
図5の工程の順序は、説明のためのものであり、本発明の工程の順序を限定することを意図していないことに留意されたい。ユーザーは、必要に応じて、上記の工程の順序を変更することができる。上述したフローチャートは、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、さらなる工程を追加してもよいし、工程を減らしてもよい。
【0066】
要約すると、本発明の実施形態により開示されるスマートバッテリー装置及びその操作方法によれば、温度検出ユニットは、周囲温度を感知して温度信号を生成する。充電モードにおいて、温度信号及びバッテリーユニットの電力容量に従って指示フラグを生成し、指示フラグは、バッテリーユニットがフル充電状態であることを示すために使用される。また、本発明の実施形態は、電流検出ユニットをさらに有し、バッテリーユニットの放電電流を感知する。処理ユニットは、放電モードにおいて、温度信号及び放電電流のCレートに従って調整指示を生成し、調整指示は、操作の調整を受電装置に指示するために使用される。よって、スマートバッテリー装置を効率的に管理することができ、バッテリーユニットの寿命、パフォーマンス及び安全性が向上する。
【0067】
本発明の好ましい実施例を上述したように開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0068】
100…スマートバッテリー装置
110…バッテリーユニット
120…温度検出ユニット
130…処理ユニット
131…伝送インターフェース
140…放電スイッチ
150…充電スイッチ
160…電流検出ユニット
BATT+…バッテリー正極
BATT-…バッテリー負極