IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 博動医学影像科技(上海)有限公司の特許一覧

特許7286763血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置
<>
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図1
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図2
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図3
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図4
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図5
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図6
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図7
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図8
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図9
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図10
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図11
  • 特許-血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】血管圧力差の取得装置の作動方法及び血管圧力差の取得装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230529BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230529BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20230529BHJP
   A61B 8/08 20060101ALI20230529BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
A61B6/03 360Z
A61B1/00 526
A61B1/313 510
A61B8/08
A61B8/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021520992
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2019076511
(87)【国際公開番号】W WO2020107732
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】201811454057.3
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518198842
【氏名又は名称】上海博動医療科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI PULSE MEDICAL TECHNOLOGY, INC.
【住所又は居所原語表記】Floor 14th,Building 82,No.1198 North Qinzhou Road, Xuhui District, Shanghai 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(72)【発明者】
【氏名】塗 聖賢
(72)【発明者】
【氏名】黄 佳悦
(72)【発明者】
【氏名】韓 静峰
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】松本 隆彦
【審判官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108717874(CN,A)
【文献】特表2018-503419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0071486(US,A1)
【文献】国際公開第01/13779(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管圧力差の取得装置の作動方法において、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するステップと、
前記1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するステップと、
前記画像データに基づき、前記特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するステップと、
前記空間モデル毎に基づき、前記対象領域血管の軸方向に沿って、前記対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するステップと、
前記第一断面モデル毎に基づき、相応の第一断面関数を作成するステップと、
時系列に沿って、前記若干の特徴時刻は順次にt,t,・・・,tとなり、前記対象領域血管の前記軸方向に沿って、前記対象領域血管の近端から遠端までの各前記位置1,2,・・・,rの前記第一断面モデルに対応する第一断面関数が順次にd,d,・・・,dとなるようにするステップと、
前記第一断面関数と前記特徴時刻、前記位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するステップと、
【数1】

を含み、
式中、Arqは、特徴時刻がtqであり、かつ、前記対象領域血管の前記位置がrであると
きの前記第一断面モデルの第一断面関数drであり、
【数2】

であり、かつ、q、rは正の整数であり、
前記第一断面モデルは異なる尺度での第二断面モデルを備え、尺度毎での前記第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成し、前記第二断面関数と前記特徴時刻、前記位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成し、ここで、前記尺度は二つの隣接する前記位置間の距離であり、前記尺度は、第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を備え、
尺度毎での前記第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、前記異なる尺度での前記対象領域血管の二つの隣接する前記位置に対応する前記第二断面関数間の第二差異関数を作成し、
前記第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での前記第二差異関数に基づき、対応する前記対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成し、
ここで、前記nは1より大きい正の整数であり、
前記画像データに基づき、前記対象領域血管の血流モデルを取得し、
前記血流モデルに基づき、前記対象領域血管の血流速度Vを取得し、
前記血流速度Vと前記第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、前記特徴時刻毎の第一血管圧力差△pを取得し、
各前記特徴時刻と隣接する前記特徴時刻との時間間隔が前記1つの心拍周期に占める割合に基づき、前記第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得することを特徴とする、
血管圧力差の取得装置の作動方法。
【請求項2】
前記第一血管圧力差△pの前記異なる尺度での計算式は、
【数3】

であり、式中、
c1,c2,・・・,cmはそれぞれ前記血流速度Vの参照係数であり、
α1,α2,・・・,αnはそれぞれ前記異なる尺度での前記第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)の重み付け係数であり、
m、nは正の整数であることを特徴とする、
請求項1に記載の血管圧力差の取得装置の作動方法。
【請求項3】
前記空間モデル毎に基づき、処理が必要である冠動脈系における領域情報を取得するステップと、
前記領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正し、修正後の第三血管圧力差△pを取得するステップと、をさらに含み、
ここで、前記第三血管圧力差△pと前記第一血管圧力差△pは、
△p=ω*△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、かつ、
【数4】

であることを特徴とする、
請求項1に記載の血管圧力差の取得装置の作動方法。
【請求項4】
前記領域情報は、左冠動脈主幹部、左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈及び分岐血管のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする、請求項3に記載の血管圧力差の取得装置の作動方法。
【請求項5】
左冠動脈主幹部を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=1であり、
左前下行枝を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.9~1.0であり、
左回旋枝を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.65~0.85であり、
右冠動脈を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.75~0.9であり、
分岐血管を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.5~0.85であり、
前記ずれ補正パラメータωは、以上の1種又は複数種を満たしていることを特徴とする、
請求項4に記載の血管圧力差の取得装置の作動方法。
【請求項6】
血管圧力差の取得装置において、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するための画像取得モジュールと、
前記1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するための時間選択モジュールと、
前記画像データに基づき、前記特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するための空間モデル生成モジュールと、
前記空間モデル毎に基づき、前記対象領域血管の軸方向に沿って、前記対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するための第一断面モデル作成モジュールと、
前記第一断面モデル毎に基づき、相応の第一断面関数を作成するための第一断面関数作成モジュールと、を備え、時系列に沿って、前記若干の特徴時刻は順次にt,t,・・・,tとなり、前記対象領域血管の前記軸方向に沿って、前記対象領域血管の近端から遠端までの各前記位置1,2,・・・,rでの前記第一断面モデルに対応する第一断面関数は順次にd,d,・・・,dとなり、
前記第一断面関数と前記特徴時刻、前記位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するための第一断面マトリックス作成モジュールをさらに備え、
【数5】

式中、Arqは、特徴時刻がtqであり、かつ、前記対象領域血管の前記位置がrであると
きの前記第一断面モデルの第一断面関数drであり、
【数6】

であり、かつ、q、rは正の整数であり、
前記第一断面モデルは異なる尺度での第二断面モデルを備え、
尺度毎での前記第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成するための第二断面関数作成モジュールと、
前記第二断面関数と前記特徴時刻、前記位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成するための第二断面マトリックス作成モジュールと、をさらに備え、
ここで、前記尺度は二つの隣接する前記位置間の距離であり、
前記尺度は第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を備え、
尺度毎での前記第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、前記異なる尺度での前記対象領域血管の二つの隣接する前記位置に対応する前記第二断面関数間の第二差異関数を作成するための第二差異関数作成モジュールと、
前記第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での前記第二差異関数に基づき、対応する前記対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成するための第二変化関数作成モジュールと、をさらに備え、
ここで、前記nは1より大きい正の整数であり、前記画像データに基づき、前記対象領域血管の血流モデルを取得するための血流モデル取得モジュールと、
前記血流モデルに基づき、前記対象領域血管の血流速度Vを取得するための血流速度取得モジュールと、
前記血流速度Vと前記第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、前記特徴時刻毎の第一血管圧力差△pを取得するための第一血管圧力差取得モジュールと、
各前記特徴時刻と隣接する前記特徴時刻との時間間隔が前記1つの心拍周期に占める割合に基づき、前記第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得するための第二血管圧力差取得モジュールと、を備えることを特徴とする、
血管圧力差の取得装置。
【請求項7】
前記第一血管圧力差△p1の前記異なる尺度での計算式は、
【数7】

であり、式中、
c1,c2,・・・,cmはそれぞれ前記血流速度Vの参照係数であり、
α1,α2,・・・,αnはそれぞれ前記異なる尺度での前記第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)の重み付け係数であり、
m、nは正の整数であることを特徴とする、
請求項6に記載の血管圧力差の取得装置。
【請求項8】
前記空間モデル毎に基づき、病変の冠動脈系における領域情報を取得するための領域情報取得モジュールと、
前記領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正し、修正後の第三血管圧力差△pを取得するための第三血管圧力差取得モジュールと、をさらに備え、
ここで、前記第三血管圧力差△pと前記第一血管圧力差△pが、
△p=ω*△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、かつ、
【数8】

であることを特徴とする、
請求項6に記載の血管圧力差の取得装置。
【請求項9】
前記領域情報は左冠動脈主幹部、左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈及び分岐血管のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする、請求項8に記載の血管圧力差の取得装置。
【請求項10】
前記左冠動脈主幹部を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=1であり、
前記左前下行枝を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.9~1.0であり、
前記左回旋枝を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.65~0.85であり、
前記右冠動脈を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.75~0.9であり、
前記分岐血管を処理する必要がある場合、前記ずれ補正パラメータω=0.5~0.85であり、
前記ずれ補正パラメータωは、以上の1種又は複数種を満たしていることを特徴とする、
請求項9に記載の血管圧力差の取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療器械分野に関し、特に、血管断面関数、血管圧力差と血管応力の作成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体血液中の脂類及び糖類物質の血管壁上での堆積によって、血管壁にプラークを形成し、続いて血管が狭くなってしまう。特に、心臓の冠動脈付近に発生した血管の狭窄化は、心筋への血液供給不足を招き、冠動脈性心臓病、狭心症等の病気を誘発させ、人類の健康に深刻な脅威を与えることになる。
【0003】
多くの冠動脈生理機能評価技術において、冠血流予備量比(FFR)は、現在最も正確な機能的な評価指標として認められている。
【0004】
冠血流予備量比(FFR)は、対象領域血管近端の血流圧力P及び対象領域血管近端と遠端との間の血流圧力の差値△pから算出することで得たものである。
【0005】
しかしながら、プラークの大きさ、プラークの長さ、プラーク形成の角度、プラークの形状及び形状の変化のいずれも血流圧力の差値△pの計算結果に影響を与えることになる。従来技術では、血流圧力の差値△pを計算する時、いずれもプラークの上記要素を考慮していないため、計算結果と実際値との誤差が大きい。
【0006】
上記の課題を解決するために、対象領域血管の各位置における断面を取得し、内腔の異なる位置における形態を取得し、さらに、プラークの長さ、プラークの形状等の要素を考慮することが提案されている。
【0007】
しかし、同一の位置における血管については、異なる時点での内腔の形態も全部が同じではない。したがって、計算結果には依然として一定の誤差が存在する。
【発明の概要】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は誤差が小さい血管断面関数の作成方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、血管断面関数の作成方法であって、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するステップと、
1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するステップと、
画像データに基づき、特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するステップと、
空間モデル毎に基づき、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するステップと、
第一断面モデル毎に基づき、相応の第一断面関数を作成するステップと、を含む、
血管断面関数の作成方法を提供する。
【0010】
さらに、
時系列に沿って、若干の特徴時刻は順次にt,t,・・・,tとなり、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の近端から遠端までの各位置1,2,・・・,rの第一断面モデルに対応する第一断面関数が順次にd,d,・・・,dとなるようにするステップと、
第一断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するステップを含み、
【0011】
【数1】
【0012】
式中、Arqは特徴時刻tq、対象領域血管の位置rであり、第一断面モデルに対応する第一断面関数はdrとなり、
【0013】
【数2】
【0014】
であり、かつ、q、rは正の整数である。
【0015】
さらに、第一断面マトリックスAに基づき、列方向に沿って、特徴時刻毎の対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するステップを含む。
【0016】
さらに、第一差異関数に基づき、特徴時刻毎の対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第一変化関数f(x)を作成するステップを含む。
【0017】
さらに、第一断面モデルは異なる尺度での第二断面モデルを含み、方法は、
尺度毎での第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成するステップと、
第二断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成するステップと、を含み、
ここで、尺度が二つの隣接する位置間の距離である。
【0018】
さらに、尺度は第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を含み、方法は、
尺度毎での第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、異なる尺度での対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第二断面関数間の第二差異関数を作成するステップと、
第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での第二差異関数に基づき、対応する対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成するステップと、を含み、
ここで、nは1より大きい正の整数である。
【0019】
さらに、第一断面マトリックスAに基づき、行方向に沿って、位置毎の対象領域血管の二つの隣接する特徴時刻に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するステップを含む。
【0020】
さらに、第一断面関数は面積関数、直径関数、周長関数及びエッジ距離関数のうちの1種又は複数種を含む。
【0021】
本発明は、血管圧力差の取得方法であって、
上記血管断面関数の作成方法と、
画像データに基づき、対象領域血管の血流モデルを取得するステップと、
血流モデルに基づき、対象領域血管の血流速度Vを取得するステップと、
血流速度Vと第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、特徴時刻毎の第一血管圧力差△pを取得するステップと、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得するステップと、を含む、
血管圧力差の取得方法をさらに提供する。
【0022】
さらに、第一血管圧力差△pの異なる尺度での計算式は、
【0023】
【数3】
【0024】
であり、式中、
c1,c2,・・・,cmはそれぞれ血流速度Vの参照係数であり、
α1,α2,・・・,αnはそれぞれ異なる尺度での第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)の重み付け係数であり、
m、nは正の整数である。
【0025】
さらに、空間モデル毎に基づき、病変の冠動脈系における領域情報を取得するステップと、
領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正して、修正後の第三血管圧力差△pを取得するステップと、を含み、
ここで、第三血管圧力差△pと第一血管圧力差△pは、
△p=ω×△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、かつ、
【0026】
【数4】
【0027】
である。
【0028】
さらに、領域情報は左冠動脈主幹部、左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈及び分岐血管のうちの1種又は複数種を含む。
【0029】
さらに、ずれ補正パラメータωは、以下の1種又は複数種を満たしている:
病変が左冠動脈主幹部にある場合、ずれ補正パラメータω=1であり;
病変が左前下行枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.9~1.0であり;
病変が左回旋枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.65~0.85であり;
病変が右冠動脈にある場合、ずれ補正パラメータω=0.75~0.9であり;
病変が分岐血管にある場合、ずれ補正パラメータω=0.5~0.85である。
【0030】
本発明は、血管応力の取得方法であって、
上記方法で血管断面関数を作成するステップと、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、同一の位置の二つの隣接する特徴時刻に対応する第一差異関数の第一絶対値関数を重み付け加算して、対象領域血管の各位置における変形を取得するステップと、を含む、
血管応力の取得方法をさらに提供する。
【0031】
さらに、対象領域血管の各位置における変形に基づき、対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する変形間の変形差異関数を取得するステップを含む。
【0032】
さらに、変形差異関数の第二絶対値関数に基づき、累積的に加算して、対象領域血管の変形不均一さを取得するステップを含む。
【0033】
本発明は、血管断面関数の作成装置であって、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するための画像取得モジュールと、
1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するための時間選択モジュールと、
画像データに基づき、特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するための空間モデル生成モジュールと、
空間モデル毎に基づき、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するための第一断面モデル作成モジュールと、
第一断面モデル毎に基づき、相応の第一断面関数を作成するための第一断面関数作成モジュールと、を備える、
血管断面関数の作成装置をさらに提供する。
【0034】
さらに、時系列に沿って、若干の特徴時刻が順次にt,t,・・・,tとなり、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の近端から遠端までの各位置1,2,・・・,rの第一断面モデルに対応する第一断面関数が順次にd,d,・・・,dとなることを備え、装置は、
第一断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するための第一断面マトリックス作成モジュールをさらに備え、
【0035】
【数5】
【0036】
式中、Arqは特徴時刻tq、対象領域血管の位置rであり、第一断面モデルに対応する第一断面関数はdrとなり、
【0037】
【数6】
【0038】
であり、かつ、q、rは正の整数である。
【0039】
さらに、装置は、
第一断面マトリックスAに基づき、列方向に沿って、特徴時刻毎の対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するための第一差異関数作成モジュールをさらに備える。
【0040】
さらに、装置は、
第一差異関数に基づき、特徴時刻毎の対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第一変化関数f(x)を作成するための第一変化関数作成モジュールをさらに備える。
【0041】
さらに、第一断面モデルが異なる尺度での第二断面モデルを備え、装置は、
尺度毎での第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成するための第二断面関数作成モジュールと、
第二断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成するための第二断面マトリックス作成モジュールと、をさらに備え、
ここで、尺度が二つの隣接する位置間の距離である。
【0042】
さらに、尺度は第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を含み、装置は、
尺度毎での第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、異なる尺度での対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第二断面関数間の第二差異関数を作成するための第二差異関数作成モジュールと、
第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での第二差異関数に基づき、対応する対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成するための第二変化関数作成モジュールと、をさらに備え、
ここで、nは1より大きい正の整数である。
【0043】
さらに、装置は、
第一断面マトリックスAに基づき、行方向に沿って、位置毎の対象領域血管の二つの隣接する特徴時刻に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するための第一差異関数作成モジュールをさらに備える。
【0044】
さらに、第一断面関数は面積関数、直径関数、周長関数及びエッジ距離関数のうちの1種又は複数種を含む。
【0045】
本発明は、血管圧力差の取得装置であって、
上記血管断面関数の作成装置と、
画像データに基づき、対象領域血管の血流モデルを取得するための血流モデル取得モジュールと、
血流モデルに基づき、対象領域血管の血流速度Vを取得するための血流速度取得モジュールと、
血流速度Vと第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、取得特徴時刻毎の第一血管圧力差△pを取得するための第一血管圧力差取得モジュールと、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得するための第二血管圧力差取得モジュールと、を備える、
血管圧力差の取得装置をさらに提供する。
【0046】
さらに、第一血管圧力差△pの異なる尺度での計算式は、
【0047】
【数7】
【0048】
であり、式中、
c1,c2,・・・,cmはそれぞれ血流速度Vの参照係数であり、
α1,α2,・・・,αnはそれぞれ異なる尺度での第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)の重み付け係数であり、
m、nは正の整数である。
【0049】
さらに、装置は、
空間モデル毎に基づき、病変の冠動脈系における領域情報を取得するための領域情報取得モジュールと、
領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正して、修正後の第三血管圧力差△pを取得するための第三血管圧力差取得モジュールと、をさらに備え、
ここで、第三血管圧力差△pと第一血管圧力差△pは、
△p=ω*△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、かつ、
【0050】
【数8】
【0051】
である。
【0052】
さらに、領域情報は左冠動脈主幹部、左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈及び分岐血管のうちの1種又は複数種を含む。
【0053】
さらに、ずれ補正パラメータωは、以下の1種又は複数種を満たしている:
病変が左冠動脈主幹部にある場合、ずれ補正パラメータω=1であり;
病変が左前下行枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.9~1.0であり;
病変が左回旋枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.65~0.85であり;
病変が右冠動脈にある場合、ずれ補正パラメータω=0.75~0.9であり;
病変が分岐血管にある場合、ずれ補正パラメータω=0.5~0.85である。
【0054】
本発明は、血管応力の取得装置であって、
上記血管断面関数の作成装置と、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、同一の位置の異なる特徴時刻の第一差異関数の第一絶対値関数を重み付け加算し、対象領域血管の各位置における変形を取得するための変形取得モジュールと、を備える、
血管応力の取得装置をさらに提供する。
【0055】
さらに、装置は、
対象領域血管の各位置における変形に基づき、対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する変形間の変形差異関数を取得するための変形差異関数取得モジュールをさらに備える。
【0056】
さらに、装置は、
変形差異関数の第二絶対値関数に基づき、累積的に加算し、対象領域血管の変形不均一さを取得するための変形不均一さ取得モジュールをさらに備える。
【0057】
したがって、本発明に提供される血管断面関数の作成方法は、異なる位置と異なる時刻に基づいて作成された血管断面関数であり、従来技術において空間のみに基づいて、又は時間のみに基づいて作成された血管断面関数と比べると、血管の実情をより精確に反映でき、その後の解析演算に誤差が小さい中間変数を提供し、後期の計算値を実際値にさらに接近させる。
【0058】
本発明の上記内容をより明らかに分かり易くさせるために、ここに、好ましい実施例を挙げ、図面を参照しながら、次のように詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態について、さらに詳しく説明する。
【0060】
図1図1は、本発明実施例中の血管断面関数の作成方法のフローを示す図である。
図2図2は、本発明実施例中の対象血管の一形態における空間モデルを示す図である。
図3図3は、図2中の第一断面モデルD1の構造を示す図である。
図4図4は、図2中の第一断面モデルD2の構造を示す図である。
図5図5は、図3図4中の第一断面モデルD1と第一断面モデルD2の対応点が互いに重ね合わされた後の構造を示す図である。
図6図6は、本発明実施例中の対象血管の別の形態における空間モデルを示す図である。
図7図7は、図6中の第一断面モデルD3の構造を示す図である。
図8図8は、図6中の第一断面モデルD4の構造を示す図である。
図9図9は、図7図8中の第一断面モデルD3と第一断面モデルD4の対応点が互いに重ね合わされた後の構造を示す図である。
図10図10は、本発明実施例中の血管断面関数の作成装置の構造を示す図である。
図11図11は、本発明実施例中の血管圧力差の取得装置の構造を示す図である。
図12図12は、本発明実施例中の血管応力の取得装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、特定の具体的な実施例で本発明の実施形態を説明し、当業者は本明細書に開示された内容から本発明のその他の利点及び効果を容易に理解できる。本発明の内容は好ましい実施例を挙げて説明するが、これはこの発明の特徴が該実施形態のみに限定されることを表したものではない。まさしく逆であり、実施形態に基づいて発明を説明する目的は、本発明の特許請求の範囲に基づいて拡張可能なその他の選択又は改造をカバーするためである。本発明への深く理解を提供するために、以下の記載には多くの具体的な細部が含まれる。本発明もこれらの細部を使用せずに実施可能である。この他、本発明の重点を混乱や曖昧にさせるのを避けるために、ある具体的な細部は記載において省略される。説明が必要なのは、コンフリクトのない場合には、本発明中の実施例及び実施例中の特徴を互いに組み合わせることができることである。
【0062】
図1を参照すると、本発明は血管断面関数の作成方法であって、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するステップと、
1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するステップと、
画像データに基づき、特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するステップと、
空間モデル毎に基づき、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するステップと、
各第一断面モデルに基づき、相応の第一断面関数を作成するステップと、を含む、
血管断面関数の作成方法を提供する。
【0063】
説明が必要なのは、「特徴時刻」は、1つの心拍周期の画像データのうち、比較的にはっきりしていて、且つ解析に有利である各画像データに対応する各時刻点でもよいことである。病変血管があった場合には、「対象領域血管」は、少なくとも病変血管を含んだある領域の血管でもよい。「各位置」は、取得した画像データの解像度に基づき、対象領域血管が軸方向に沿って該解像度に対応する最小間隔で連続的に取得した各位置でもよい。「第一断面関数」は、対象領域血管断面の形態(内腔断面の形態)を反映でき、且つ取得した全ての物理量を算出できる関数でもよい。
【0064】
実施例では、画像データは、CT、OCT、IVUSやX線などの検出手段により取得することができる。空間モデルは、少なくとも対象領域血管の形状、長さ、直径及び面積のようなパラメータを含む。空間モデルは、二次元、三次元等の多次元でもよいし、その多くとも到達可能な次元数は上記画像データの取得に用いられる検出手段に依存する。
【0065】
血管にとって、同一の時刻点に、その各位置における収縮と弛緩の程度が一様でないため、内腔の形態がまちまちになってしまう。特に、病変が発生した血管、例えば、プラークを有する血管について、そのプラーク位置における血管とプラークのない位置における血管とでは、同一の時刻点で、その内腔の形態が全て同じではない。たとえ同じく一段のプラークを有する血管内でも、同一の時刻点で、その各位置における内腔の形態も各々同じではない。同様に、同一の位置での血管について、その異なる時刻点での内腔の形態が全部同じでもない。
【0066】
したがって、本発明に提供される血管断面関数の作成方法は、異なる位置と異なる時刻に基づいて作成された血管断面関数であり、従来技術において空間のみに基づいて、又は時間のみに基づいて作成された血管断面関数と比べると、血管の実情をより精確に反映でき、その後の解析演算に誤差が小さい中間変数を提供し、後期の計算値を実際値にさらに接近させる。
【0067】
本実施例では、第一断面モデルは、対象領域血管の近端の断面を参照面とし、参照面と対象領域血管の空間モデルの中心軸線との交点を参照点とするステップと、参照点を原点とし、中心軸線に沿って延びる方向をx軸とし、座標系を作成するステップと、中心軸線に垂直な方向に沿って対象領域血管の各位置に断面を作り、各断面の内外エッジを座標系に投影させ、対象領域血管の各位置での内腔断面の平面幾何図形を取得し、即ち、第一断面モデルを作成完了するステップによって作成することができる。その他の実施例では、第一断面モデルはその他の座標の作成と投影の方法で作成することができる。
【0068】
説明が必要なのは、本願の「近端」は、対象領域血管の血流が先に流れる一端であり、「遠端」は、対象領域血管の血流が後に流れる一端であることである。
【0069】
さらに、該血管断面関数の作成方法は、
時系列に沿って、若干の特徴時刻が順次にt,t,・・・,tとなり、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の近端から遠端までの各位置1,2,・・・,rでの第一断面モデルに対応する第一断面関数が順次にd,d,・・・,dとなるようにするステップと、
第一断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するステップと、
【0070】
【数9】
【0071】
をさらに含み、
式中、Arqは特徴時刻tq、対象領域血管の位置rであり、第一断面モデルに対応する第一断面関数はdrとなり、
【0072】
【数10】
【0073】
であり、かつ、q、rは正の整数である。
【0074】
本実施例では、第一断面関数は、面積関数、直径関数、周長関数及びエッジ距離関数のうちの1種又は複数種を含む。説明が必要なのは、面積関数は、内腔断面面積を表す関数でもよいことである。周長関数は、内腔断面周長を表す関数でもよい。直径関数は、内腔断面直径を表す関数でもよく、その中で、直径は、内腔断面が厳格な幾何学的な円形の直径でもよく、内腔断面が厳格な幾何学的な円形ではない場合の等価直径でもよい。
【0075】
エッジ距離関数は、同一の特徴時刻に、ある位置における断面エッジ上の各点を別の隣接する位置における断面エッジ上の各点に1対1に対応させ、2つの断面エッジ上の対応点の間の直接距離又は間接距離を計算して取得し、更に加算又は平均することで得る、或いは、同一の位置に、ある特徴時刻に対応する断面エッジ上の各点を別の隣接する特徴時刻に対応する断面エッジ上の各点に1対1に対応させ、2つの断面エッジ上の対応点の間の直接距離又は間接距離を計算して取得し、更に加算又は平均することで得る、と理解できる。
【0076】
説明が必要なのは、直接距離については、2つの断面を互いに重ね合わせ、2つの断面間の軸方向での距離を省略することで、2つの断面エッジ上の対応点の間の距離を直接計算して取得したものである、と理解できることである。もし2つの断面上の対応点の間の直接距離が共にゼロ、即ち2つの断面のエッジ距離関数が共にゼロであれば、該2つの断面で表される内腔の形態が完全一致であり、さもなくば、該2つの断面で表される内腔の形態が完全一致でない。内腔の形態が完全一致であることは、2つの内腔の対応点における内外輪郭が完全に重ね合わせ可能である、と理解できる。
【0077】
間接距離については、参照位置を導入することで、2つの断面エッジ上の各点の該参照位置からの距離を計算して取得したものである、と理解できる。例えば、参照位置は、対象領域血管の空間モデルの中心軸線の位置でもよい。もし2つの断面エッジ上の各点の中心軸線からの間接距離が共にある固定値、即ち2つの断面のエッジ距離関数がともにある固定値であれば、該2つの断面で表される内腔の形態が完全一致であり、さもなくば、該2つの断面で表される内腔の形態が完全一致ではない。
【0078】
さらに、該血管断面関数の作成方法は、
第一断面マトリックスAに基づき、列方向に沿って、特徴時刻毎の対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するステップをさらに含む。
【0079】
さらに、該血管断面関数の作成方法は、
第一差異関数に基づき、特徴時刻毎の対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第一変化関数f(x)を作成するステップをさらに含む。
【0080】
ここで、参照点は、即ち上記の対象領域血管の近端の断面を参照面とし、参照面と対象領域血管の空間モデルの中心軸線との交点である。
【0081】
第一差異関数は、二つの隣接する位置での断面で表される内腔の形態差異を示す関数でもよい。本実施例では、第一断面関数は定数関数である。第一断面関数によって算出して得た第一差異関数も定数関数である。第一変化関数f(x)は、第一差異関数と対応の距離xからなる若干対の離散点に対してデータをフィッティングさせることによって得ることができる。
【0082】
具体的には、図2を参照すると、対象領域血管内の血液が血流方向Yに沿って流れる。第一断面関数が面積関数となる時、対象領域血管の位置1と位置2での断面エッジ上の各点を1対1に対応させる。図3を参照し、対象領域血管の位置1での第一断面モデルDのプラークを有する領域をAとし、対応の面積をSとする。図4を参照し、対象領域血管の位置2の第一断面モデルDのプラークを有する領域をAとし、対応の面積をSとする。図5を参照し、DとDの内腔(プラーク)が重ね合わされないため、血流がDを経てDへ流れる時、血流圧力がそれに従って変化することになる。この時、第一差異関数は、2つの断面中の非重畳領域(S,S)と重畳領域面積(S)との割合、又は、非重畳領域(S,S)と総面積(S,S,S)との割合であり、かつ、第一変化関数f(x)>0、即ち、DとDとの間には圧力差が存在する。
【0083】
図6を参照すると、対象領域血管内の血液が血流方向Yに沿って流れる。図7を参照し、対象領域血管の位置3での第一断面モデルDのプラークを有する領域をAとし、対応の面積をSとする。図8を参照し、対象領域血管の位置4での第一断面モデルDのプラークを有する領域をAとし、対応の面積をSとする。ここで、S=Sである。図9を参照し、プラークを有する領域AとAが完全に重ね合わせ可能であり、即ち、非重畳領域(S,S)=0であり、第一差異関数がゼロであり、かつ、第一変化関数f(x)=0であり、即ち、DとDとの間には圧力差が存在しない。
【0084】
同様に、第一断面関数がエッジ距離関数である場合、DとDとの間の第一変化関数
【0085】
【数11】
【0086】
であり、即ち、2つの内腔の形態が完全に重なり合っておらず、DとDとの間には圧力差が存在しており、DとDとの間の第一変化関数f(x)=0であり、即ち、2つの内腔の形態が完全に重なり合っており、DとDとの間には圧力差が存在しない。
【0087】
第一差異関数は、第一断面マトリックスAに基づき、列方向に沿って、特徴時刻毎の対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第一断面関数間の関数を作成し、又は、第一断面マトリックスAに基づき、行方向に沿って、位置毎での対象領域血管の二つの隣接する特徴時刻に対応する第一断面関数間の関数を作成したものである。
【0088】
つまり、第一差異関数は、(1)列方向に沿って、(2)行方向に沿ってという2つの異なるパスを介して計算して取得することができる。別の実施例では、第一差異関数は、別のパスを介して、例えば、対角線方向に沿って計算して取得することもできる。異なるパスを介して計算して取得した第一差異関数は同一になり得るし、異なり得る。具体的には、最終的に取得を必要とする計算量、例えば、血管圧力差、血流予備量比、血管応力等に応じて適切なパスを選択できる。
【0089】
本実施例では、最終的に取得を必要とする計算量が血管圧力差又は血流予備量比である場合、第一差異関数は、第一断面マトリックスAに、列方向に沿って、即ち特徴時刻が同一で、位置が異なる方向に沿って計算することで取得できる。最終的に取得を必要とする計算量が血管応力である場合、第一差異関数は、第一断面マトリックスAに、行方向に沿って、即ち位置が同一で、特徴時刻が異なる方向に沿って計算することで取得できる。
【0090】
さらに、第一断面モデルは異なる尺度での第二断面モデルを備える。
【0091】
該血管断面関数の作成方法は、
尺度毎での第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成するステップと、
第二断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成するステップと、をさらに含み、
ここで、尺度は二つの隣接する位置の間の距離である。
【0092】
さらに、尺度は第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を含む。
【0093】
該血管断面関数の作成方法は、
尺度毎での第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、異なる尺度での対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第二断面関数間の第二差異関数を作成するステップと、
第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での第二差異関数に基づき、対応する対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成するステップと、をさらに含み、
ここで、nは1より大きい正の整数である。
【0094】
第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度は、異なる病変特徴の検出に用いるものでもよい。例えば、第一種の病変特徴は比較的大きい尺度の第一尺度で検出する必要があり、第n種の病変特徴は比較的小さい尺度の第n尺度で検出する必要がある。異なる尺度により、より精確に各種の病変を検出でき、計算結果と実際値との誤差をさらに減少できる。
【0095】
本発明は、血管圧力差の取得方法であって、
上記血管断面関数の作成方法と、
画像データに基づき、対象領域血管の血流モデルを取得するステップと、
血流モデルに基づき、対象領域血管の血流速度Vを取得するステップと、
血流速度Vと第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、特徴時刻毎での第一血管圧力差△pを取得するステップと、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得するステップと、を含む、
血管圧力差の取得方法をさらに提供する。
【0096】
ここで、各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合は、例えば、1つの心拍周期内に4つの特徴時刻を選択し、時系列に沿って順次にt1、t2、t3、t4とし、1つの心拍周期をTとすると、t1の1つの心拍周期に占める割合=(t2-t1)/Tであり、t2の1つの心拍周期に占める割合=(t3-t2)/Tであり、その他はこれによって類推することができる。又は、t2の1つの心拍周期に占める割合=(t2-t1)/Tであり、t3の1つの心拍周期に占める割合=(t3-t2)/Tであり、その他はこれによって類推することができる。若しくは、t1の1つの心拍周期に占める割合={1/2(t2-t1)+1/2(t3-t2)}/Tであり、t2の1つの心拍周期に占める割合={1/2(t3-t2)+1/2(t4-t3)}/Tであり、その他はこれによって類推することができる、と理解できる。
【0097】
血流モデルは、固定血流モデルと個性化血流モデルを含む。固定血流モデルは、経験値血流モデルであり、実際の臨床経験に基づき、ビッグデータによる採集及び模擬の方法によって直接作成されたものである。血流速度Vは、固定血流モデルから直接取得することができる。血流速度Vは固定の数値でもよい。
【0098】
個性化血流モデルは、安静時血流モデルと負荷時血流モデルをさらに含む。個性化血流モデルが安静時血流モデルである場合、血流速度Vは流体が充満状態での速度を計算することで得ることができる。
【0099】
一実施例では、安静時血流モデルは造影剤血流モデルである。血流速度Vはグレースケール時間フィッティング関数を利用して、対象領域血管の造影プロセスにおける造影剤の平均血流速度Vqcを得ることができる。又は、TIMIフレームカウントにより計算し、対象領域血管の造影プロセスにおける造影剤の平均血流速度Vqcを得ることができる。
【0100】
別の実施例では、安静時血流モデルはCT血流モデルである。血流速度Vは血管樹の形態によって計算して得ることができる。血管樹の形態は少なくとも血管樹の面積、体積及び血管樹中の血管セグメントの内腔直径のうちの1種又は複数種を含む。空間モデルはさらに少なくとも灌注面積と分岐血管角度というパラメータのうちの1種又は複数種を含まなければならない。
【0101】
個性化血流モデルが負荷状態血流モデルである場合、血流速度Vはアデノシルを注射することで、血管が十分に拡張された後の最大血流速度Vmaxである。
【0102】
一般的に言うと、対象領域血管が冠動脈領域に位置する場合、血流速度Vは最大血流速度Vmaxとなり、対象領域血管が外周血管系に位置する場合、血流速度Vは安静時の平均血流速度Vqcとなる。
【0103】
ここで、第一血管圧力差△pの異なる尺度での計算式は、
【0104】
【数12】
【0105】
であり、式中、
c1,c2,・・・,cmはそれぞれ血流速度Vの参照係数であり、
α1,α2,・・・,αnはそれぞれ異なる尺度での第二変化関数f1(x),f2(x),・・・,fn(x)の重み付け係数であり、
m、nは正の整数である。
【0106】
ここで、参照係数c1,c2,・・・,cmは血液の粘度による影響要素、血液の乱流による影響要素及び粘性係数等の複数のパラメータ係数を含む。本実施では、m=2であり、かつ、c1は血液の流動摩擦によるパラメータ係数であり、c2は血液の乱流によるパラメータ係数である。
【0107】
さらに、血管圧力差の取得方法は、
空間モデル毎に基づき、病変が冠動脈系にある領域情報を取得するステップと、
領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正し、修正後の第三血管圧力差△pを取得するステップと、をさらに含み、
ここで、第三血管圧力差△pと第一血管圧力差△pは、
△p=ω*△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、かつ、
【0108】
【数13】
【0109】
である。
【0110】
病変(プラーク)のある位置が異なるため、対象領域血管の供給を受ける心筋体積の領域が異なるから、最終的に計算して得られた対象領域血管圧力差の数値のずれが発生してしまうことになる。したがって、本発明はずれ補正パラメータωを導入することで、病変(プラーク)のある箇所の位置要素の圧力差の計算への影響をさらには減らし、計算結果の正しさを高める。
【0111】
本実施では、領域情報は、左冠動脈主幹部、左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈及び分岐血管のうちの1種又は複数種を含む。
【0112】
ずれ補正パラメータωは、以下の1種又は複数種を満たしており:
病変が左冠動脈主幹部にある場合、ずれ補正パラメータω=1であり;
病変が左前下行枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.9~1.0であり;
病変が左回旋枝にある場合、ずれ補正パラメータω=0.65~0.85であり;
病変が右冠動脈にある場合、ずれ補正パラメータω=0.75~0.9であり
病変が分岐血管にある場合、ずれ補正パラメータω=0.5~0.85である。
【0113】
説明が必要なのは、上記病変(プラーク)のあるところの位置要素が対象領域血管圧力差の計算結果に影響を及ぼすことになる以外、その他、例えば、病歴情報、生理情報も圧力差の計算結果に程度が異なる影響を及ぼすことになることである。その他の実施例では、病歴情報や生理情報に対する偏差除去処理を行うこともできる。そのうち、病歴情報は、血流の流速又は血液の粘度に影響を与える循環系の病気、呼吸器の病気、神経系の病気、骨格の病気、消化器の病気、代謝の病気や家族史などを含む。生理情報は、年齢、性別、血圧、体質指数や冠動脈の優勢類型など直接又は間接的に取得可能な情報を含む。
【0114】
上記方法で取得した圧力差に基づき、冠血流予備量比FFRをさらに計算して取得することができる。
【0115】
冠血流予備量比FFRの取得方法は、少なくとも、
対象領域血管の近端圧力値pを取得するステップと、
近端圧力値pと第二血管圧力差△pに基づき、冠血流予備量比FFRを取得するステップと、を含み、
ここで、冠血流予備量比FFRは、下記の式を満たしている。
FFR=(pa-△p)/pa
【0116】
本発明は、血管応力の取得方法であって、
上記方法に基づき、血管断面関数を作成するステップと、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、同一の位置における二つの隣接する特徴時刻に対応する第一差異関数の第一絶対値関数を重み付け加算し、対象領域血管の各位置における変形を取得するステップと、を含む、
血管応力の取得方法をさらに提供する。
【0117】
説明が必要なのは、第一差異関数が第一断面マトリックスAに、行方向に沿って、即ち位置が同一で、特徴時刻が異なる方向に沿って計算することで得られることである。第一絶対値関数は第一差異関数に対して絶対値を取って得られた関数である。
【0118】
さらに、血管応力の取得方法は、
対象領域血管の各位置における変形に基づき、対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する変形間の変形差異関数を取得するステップをさらに含んでもよい。
【0119】
さらに、血管応力の取得方法は、
変形差異関数の第二絶対値関数に基づき、累積的に加算し、対象領域血管の変形不均一さを取得するステップをさらに含んでもよい。
【0120】
説明が必要なのは、第二絶対値関数は変形差異関数に対して絶対値を取って得られた関数であることである。
【0121】
上記方法で得られた応力は、従来技術において空間のみに基づいて、又は時間のみに基づいて計算して得られた応力と比べると、実際値にさらに接近させるので、続いてくる評価及び意思決定の正確さを高めることができる。例えば、正常又は病変の血管壁のリアルタイム変形能力及び力学行為を評価し、正常又は病変の血管壁プラークのひび割れのリスクを評価し、ステント埋め込み手術において、ステントの所在する位置やピンチアウトの程度の心拍周期における病変のプラークの変位、内腔解剖形態への影響、及びステント断裂の潜在的なリスクを評価する。
【0122】
図10を参照し、本発明は、血管断面関数の作成装置10であって、
少なくとも1つの心拍周期を含んだ画像データを取得するための画像取得モジュール11と、
1つの心拍周期内に、若干の特徴時刻を選択するための時間選択モジュール12と、
画像データに基づき、特徴時刻毎に対応する対象領域血管の空間モデルを生成するための空間モデル生成モジュール13と、
空間モデル毎に基づき、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の各位置における第一断面モデルを作成するための第一断面モデル作成モジュール14と、
第一断面モデル毎に基づき、相応の第一断面関数を作成するための第一断面関数作成モジュール15と、を備える、
血管断面関数の作成装置10をさらに提供する。
【0123】
さらに、該血管断面関数の作成装置10は、
時系列に沿って、若干の特徴時刻が順次にt,t,・・・,tとなり、対象領域血管の軸方向に沿って、対象領域血管の近端から遠端までの各位置1,2,・・・,rでの第一断面モデルに対応する第一断面関数が順次にd,d,・・・,dとなり、
第一断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、第一断面マトリックスAを作成するための第一断面マトリックス作成モジュールをさらに備え、
【0124】
【数14】
【0125】
式中、Arqは特徴時刻tq、対象領域血管の位置rであり、第一断面モデルに対応する第一断面関数はdrとなり、
【0126】
【数15】
【0127】
であり、かつ、q、rは正の整数である。
【0128】
さらに、血管断面関数の作成装置10は、
第一断面マトリックスAに基づき、列方向に沿って、特徴時刻毎の対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成する、又は、行方向に沿って、位置毎の対象領域血管の二つの隣接する特徴時刻に対応する第一断面関数間の第一差異関数を作成するための第一差異関数作成モジュールをさらに備える。
【0129】
さらに、血管断面関数の作成装置10は、
第一差異関数に基づき、特徴時刻毎の対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第一変化関数f(x)を作成するための第一変化関数作成モジュールをさらに備える。
【0130】
さらに、第一断面モデルは異なる尺度での第二断面モデルを備える。
【0131】
該血管断面関数の作成装置10は、
尺度毎での第二断面モデルに基づき、相応の第二断面関数を作成するための第二断面関数作成モジュールと、
第二断面関数と特徴時刻、位置との対応関係に基づき、異なる尺度での第二断面マトリックスを作成するための第二断面マトリックス作成モジュールと、を更に備え、
ここで、尺度は二つの隣接する位置の間の距離である。
【0132】
さらに、尺度は第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度を含む。
【0133】
該血管断面関数の作成装置10は、
尺度毎での第二断面マトリックスに基づき、列方向に沿って、異なる尺度での対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する第二断面関数間の第二差異関数を作成するための第二差異関数作成モジュールと、
第一尺度、第二尺度、・・・、第n尺度での第二差異関数に基づき、対応する対象領域血管のそのいずれか1つの位置から参照点までの距離xの変化に従って変化する第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)を作成するための第二変化関数作成モジュールと、をさらに備え、
ここで、nは1より大きい正の整数である。
【0134】
図11を参照し、本発明は、血管圧力差の取得装置であって、
上記血管断面関数の作成装置10と、
画像データに基づき、対象領域血管の血流モデルを取得するための血流モデル取得モジュール20と、
血流モデルに基づき、対象領域血管の血流速度Vを取得するための血流速度取得モジュール30と、
血流速度Vと第二変化関数f(x),f(x),・・・,fn(x)に基づき、特徴時刻毎での第一血管圧力差△pを取得するための第一血管圧力差取得モジュール40と、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、第一血管圧力差△pを重み付け加算し、第二血管圧力差△pを取得するための第二血管圧力差取得モジュール50と、を備える、
血管圧力差の取得装置をさらに提供する。
【0135】
さらに、血管圧力差の取得装置は、
空間モデル毎に基づき、病変が冠動脈系にある領域情報を取得するための領域情報取得モジュールと、
領域情報に基づき、第一血管圧力差△pを修正し、修正後の第三血管圧力差△pを取得するための第三血管圧力差取得モジュールと、をさらに備え、
ここで、第三血管圧力差△pと第一血管圧力差△pは、
△p=ω*△pの関係式を満たし、ωはずれ補正パラメータであり、
【0136】
【数16】
【0137】
である。
【0138】
図12を参照し、本発明は、血管応力の取得装置であって、
上記血管断面関数の作成装置10と、
各特徴時刻と隣接する特徴時刻との時間間隔が1つの心拍周期に占める割合に基づき、同一の位置に異なる特徴時刻の第一差異関数の第一絶対値関数を重み付け加算し、対象領域血管の各位置における変形を取得するための変形取得モジュール60と、を備える、
血管応力の取得装置をさらに提供する。
【0139】
さらに、血管応力の取得装置は、
対象領域血管の各位置における変形に基づき、対象領域血管の二つの隣接する位置に対応する変形間の変形差異関数を取得するための変形差異関数取得モジュール70をさらに備える。
【0140】
さらに、血管応力の取得装置は、
変形差異関数の第二絶対値関数に基づき、累積的に加算し、対象領域血管の変形不均一さを取得するための変形不均一さ取得モジュール80をさらに備える。
【0141】
各装置の具体的な実施について、上記相応の方法を参照されたい。ここでは、詳細を再度記載しない。
【0142】
上記のように、本発明が提供した上記実施例はただ例示的に本発明の原理及びその効果を説明しただけであり、本発明を制限するためのものではない。当業者は本発明の主旨や範囲に違反せず、上記実施例を修飾又は変更することができる。したがって、本発明に開示された主旨及び技術思想から逸脱せずに当業者によってなされる全ての等価の修飾又は変更が、やはり本発明の請求の範囲に包括されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12