IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの特許一覧

特許7286814NFCカード通信における動的電力レベル
<>
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図1A
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図1B
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図2
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図3A
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図3B
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図4
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図5
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図6
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図7
  • 特許-NFCカード通信における動的電力レベル 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】NFCカード通信における動的電力レベル
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20230529BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230529BHJP
   H04W 52/08 20090101ALI20230529BHJP
   H04W 52/18 20090101ALI20230529BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20230529BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20230529BHJP
【FI】
G06K7/10 184
G06K7/10 232
H04M1/00 U
H04W52/08
H04W52/18
H04W76/10
H04W84/10 110
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021574249
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 US2020036613
(87)【国際公開番号】W WO2020256981
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】16/442,603
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519111877
【氏名又は名称】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Capital One Services, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】ルール,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】イリンチック,ライコ
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0119300(US,A1)
【文献】特開2006-227900(JP,A)
【文献】特開2015-079516(JP,A)
【文献】特開2008-301004(JP,A)
【文献】特表2008-542940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0029685(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
H04M 1/00
H04W 52/08
H04W 52/18
H04W 76/10
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスであって、
近距離無線通信(NFC)インターフェースと、
命令を格納するように構成されたメモリと、
前記メモリに結合された1つまたは複数のプロセッサと、を備え、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記命令を実行するように動作可能であり、前記命令は、実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記NFCインターフェースを介して非接触カードから1つまたは複数のメッセージでデータおよびチェックサム値を受信することと、
前記データに基づいて第2のチェックサム値を決定することと、
前記チェックサム値と前記第2のチェックサム値が一致するかどうかを決定すること、
前記チェックサム値が前記第2のチェックサム値と一致しないことに応答して、前記NFCインターフェースを介して前記非接触カードから前記データおよび前記チェックサム値を再度受信するために前記NFCインターフェースの電力を増加させ、前記チェックサム値が計算されたチェックサムと一致するか、またはタイムアウトイベントが発生するまで、前記電力を繰り返し増加させ、前記非接触カードから前記データおよび前記チェックサム値を受信させることと、
を実行させる、コンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記1つまたは複数のメッセージは、NFCデータ交換フォーマット(NDEF)メッセージである、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記データおよび前記チェックサム値は、NFC読み取り操作に基づいて前記1つまたは複数のメッセージで受信される、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記第2のチェックサム値に基づいて受信されなかった前記データの量を決定することと、
前記NFCインターフェースの前記電力を受信されなかった前記データの前記量に比例した量だけ増加させることと、
を実行させるようにさらに構成される、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項5】
力の調整は、前記NFCインターフェースから放出される磁界が増加または強化されるように、前記NFCインターフェースの電力を第1の電力レベルから第2の電力レベルに増加させることを含む、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記第2の電力レベルで前記非接触カードから1つまたは複数の後続のメッセージを受信することと、
前記1つまたは複数の後続のメッセージの前記データおよびチェックサム値が、前記チェックサム値および前記データに対して実行された計算されたチェックサム値に基づいて正しく受信されていることを決定することと、
前記NFCインターフェースへの前記電力を前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに減少させることと、
を実行させるようにさらに構成される、請求項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサが、所定の期間の後に、前記NFCインターフェースへの前記電力を前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに自動的に減少させるようにさらに構成される、請求項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記電力の増加は、(i)前記NFCインターフェースに提供可能な最大電力の数分の1であり、前記最大電力の前記数分の1は、正しく受信された前記1つまたは複数のメッセージのパーセンテージに反比例するか、または(ii)前記NFCインターフェースに提供可能な前記最大電力である、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項9】
NFCインターフェースを介して非接触カードから1つまたは複数のメッセージでデータおよびチェックサム値を受信することと、
前記データに基づいて第2のチェックサム値を決定することと、
前記チェックサム値と前記第2のチェックサム値が一致するかどうかを決定すること、
前記チェックサム値が前記第2のチェックサム値と一致しないことに応答して、前記NFCインターフェースを介して前記非接触カードから前記データおよび前記チェックサム値を再度受信するために前記NFCインターフェースの電力を増加させ、前記チェックサム値が計算されたチェックサムと一致するか、またはタイムアウトイベントが発生するまで、前記電力を繰り返し増加させ、前記非接触カードから前記データおよび前記チェックサム値を受信させることと、
を含む、コンピュータで実施される方法
【請求項10】
前記1つまたは複数のメッセージは、NFCデータ交換フォーマット(NDEF)メッセージである、請求項9に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項11】
前記データおよび前記チェックサム値は、NFC読み取り操作に基づいて前記1つまたは複数のメッセージで受信される、請求項9に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項12】
コンピュータで実施される方法は、
前記第2のチェックサム値に基づいて受信されなかったデータの量を決定することと、
受信されなかった前記データの前記量に比例して、前記NFCインターフェースの前記電力を増加させることと、
を含む、請求項9に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項13】
電力の調整は、前記NFCインターフェースから放出される磁界が増加または強化されるように、前記NFCインターフェースの電力を第1の電力レベルから第2の電力レベルに増加させることを含む、請求項9に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項14】
コンピュータで実施される方法は、
前記第2の電力レベルで前記非接触カードから1つまたは複数の後続のメッセージを受信することと、
前記1つまたは複数の後続のメッセージの前記データおよびチェックサム値が、前記チェックサム値および前記データに対して実行された計算されたチェックサム値に基づいて正しく受信されていることを決定することと、
前記NFCインターフェースへの前記電力を前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに減少させることと、
を含む、請求項13に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項15】
コンピュータで実施される方法は、
所定の期間の後に、前記NFCインターフェースへの前記電力を前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに自動的に減少させること、
を含む、請求項13に記載のコンピュータで実施される方法
【請求項16】
電力の増加は、(i)前記NFCインターフェースに提供可能な最大電力の数分の1であり、前記最大電力の前記数分の1は、正しく受信された前記1つまたは複数のメッセージのパーセンテージに反比例するか、または(ii)前記NFCインターフェースに提供可能な前記最大電力である、請求項9に記載のコンピュータで実施される方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2019年6月17日に出願された「NFCカード通信における動的電力レベル」という名称の米国特許出願第16/442,603号(2019年12月24日に米国特許第10,516,447号として発行)の優先権を主張する。前述の特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信(NFC)は、2つのNFC対応コンポーネントを物理的に近づけることで通信を確立することができる通信プロトコルのセットである。NFC対応コンポーネントの一例は、スマートフォンなどのポータブルコンピューティングデバイスであり得る。NFC対応コンポーネントの他の例は、非接触カードであり得、これは、NFCを介してスマートフォンなどの端末デバイスと通信するように構成された組み込み集積回路を含むクレジットカードサイズの物品であり得る。
【0003】
通常、スマートフォンと非接触カードが互いに通信するために、非接触カードは、NFCの読み取りおよび書き込み機能を達成するために、スマートフォンの隣に正確に配置されなければならない。スマートフォンと非接触カードの間で複数の読み取りと書き込みを必要とする複雑なトランザクションの場合、カードは、スマートフォンの近くの特定の「スイートスポット」に所定の時間配置かれる必要があり得る。
【0004】
しかしながら、特定の期間、スイートスポットに非接触カードを正確に配置することをユーザに要求することは、煩雑であるだけでなく、非常に信頼性が低い。したがって、ユーザの不正確さを補い、カード全体の使いやすさを向上させる必要がある。
【発明の概要】
【0005】
様々な実施形態は、非接触カードとコンピューティングデバイスとの間のフィードバックメカニズムに基づいて、コンピューティングデバイスのNFCリーダへの電力を第1の電力レベルから第2の電力レベルに動的かつ一時的に調整することに向けられている。非接触カードは、チェックサムを含むメッセージを提供し得る。コンピューティングデバイスは、メッセージを受信し、受信したメッセージに基づいてチェックサムを計算し得る。これらの2つのチェックサムを比較することにより、メッセージ全体が正しく受信されたかどうかを決定し得る。そうでない場合は、非接触カードとコンピューティングデバイス間の通信を改善するために、NFCリーダへの電力を一時的に増やし得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】1つまたは複数の実施形態による例示的なデータ伝送システムを示している。
図1B】1つまたは複数の実施形態による認証されたアクセスを提供するための例示的なシーケンス図を示している。
図2】1つまたは複数の実施形態による非接触カードを使用する例示的なシステムを示している。
図3A】1つまたは複数の実施形態による例示的な非接触カードを示している。
図3B】1つまたは複数の実施形態による非接触カードの例示的な接触パッドを示している。
図4】1つまたは複数の実施形態による非接触カードとモバイルコンピューティングデバイスとの間のフィードバックメカニズムの例示的なシーケンス図を示している。
図5】1つまたは複数の実施形態による例示的なチェックサム計算を示している。
図6】1つまたは複数の実施形態によるリーダコイルの電力レベルの調整例を示している。
図7】1つまたは複数の実施形態によるNDEFメッセージの1つまたは複数の部分の例示的なストアアンドコンペア技術を示している。
図8】1つまたは複数の実施形態による例示的なフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な実施形態は、一般に、デバイスのNFCリーダへの電力を動的に調整して、NFC対応コンポーネントとの通信を改善することに向けられている。例えば、デバイスは、スマートフォンなどのモバイルコンピューティングデバイスであり、NFC対応コンポーネントは非接触カードであり得る。モバイルコンピューティングデバイスは、非接触カードからの通信の正確性、整合性、および/または完全性を評価するように構成され得、この評価に基づいて、モバイルコンピューティングデバイスは、例えば、NFCリーダへの電力を第1の電力レベル(例えば、デフォルトの電力設定)から第2の電力レベル(例えば、最大電力設定の分数または部分)に一時的に増加させ得る。少なくともその点に関して、より強力な磁界がNFCリーダによって一時的に生成され得、それは非接触カードにより強い電界を提供し得、それにより、モバイルコンピューティングデバイスと非接触カードとの間の通信を改善し得る。
【0008】
実施形態では、フィードバックメカニズムは、モバイルコンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスの非接触カードとの間に構成されて、非接触カードから受信されたメッセージまたはファイルの正確性、整合性、および/または完全性を評価し得る。例えば、非接触カードがモバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダによって生成されたアクティブな磁界に入ると、非接触カードは、チェックサムを有するペイロードを含むNFCデータ交換フォーマット(NDEF)メッセージまたはファイルを送信し得る。モバイルコンピューティングデバイスがNDEFメッセージを検出すると、デバイスは、チェックサムアルゴリズムまたは関数を使用してチェックサムを計算し、計算されたチェックサムがNDEFメッセージに含まれるチェックサムと一致するかどうかを決定し得る。チェックサムが一致しないか、正しくないか不完全である場合は、NFCリーダ(例えば、NFCリーダコイル)への電力を一時的に増やして、より強い磁界を生成し得る。このプロセスは、チェックサムが一致するまで、またはNDEFメッセージ全体が受信されるまで繰り返され得る。NDEFメッセージが正常に受信された後、または所定の時間が経過した後(NFCリーダがNDEFメッセージの読み取りに失敗した場合でも)、NFCへの電力が通常レベルまたはデフォルトレベルにステップダウンされ得る。
【0009】
例によれば、モバイルコンピューティングデバイスは、例えば、計算されたチェックサムに基づいて、NDEFメッセージの何パーセントが正しく受信されたかを決定し得る。このパーセンテージに応じて、NFCリーダへの電力がそれに応じて増加し得る。例えば、メッセージの45%のみがモバイルコンピューティングデバイスによって検出または受信された場合、NFCリーダへのランプアップ電力は、リーダコイルに損傷を与えることなくNFCリーダに提供可能な最大電力の55%とし得る。したがって、言い換えると、第2の電力レベル、または動的に調整された電力レベルは、NFCリーダに提供可能な最大電力の分数または部分であり得、ここで、分数は、正しく検出または受信されたNDEFメッセージのパーセンテージに反比例する。他の例では、正しく受信されたメッセージのパーセンテージが、20パーセントなどの所定の閾値パーセンテージを下回る場合、NFCリーダへの電力は、最大電力レベルまで増加され得る。
【0010】
さらなる例では、モバイルコンピューティングデバイスは、例えば、調整された電力レベルで、非接触カードが読み取られるたびに、完全なNDEFメッセージのどの部分が正しく受信されたかを決定し得る。メッセージのこれらの部分は、メモリに格納され得る。次に、モバイルコンピューティングデバイスは、メッセージの格納された部分を比較して、メッセージのコンテンツが完全に取得されたかどうかを決定し得る。
【0011】
以前の解決策では、NFCリーダの単一の電力設定が通常、非接触カードとの通信に使用されていた。これは、非接触カードをモバイルコンピューティングデバイスの近くに正確に配置するためにユーザに過度の負担をかけていた。本明細書に記載の実施形態および例は、ユーザの不正確さを補償し、必要に応じてカード通信を改善するためにNFCリーダへの電力を動的かつ一時的に増加させることによってカードの使いやすさを改善するという点で、以前の解決策を克服し、有利である。
【0012】
ここで、図面を参照する。ここでは、同様の参照番号を使用して、全体を通して同様の要素を参照している。以下の説明では、説明の目的で、それらを完全に理解するために、多くの具体的な詳細が示されている。しかしながら、新規の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施できることは明らかであり得る。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、その説明を容易にするためにブロック図の形で示されている。意図は、請求項の範囲内のすべての修正、均等物、および代替案をカバーすることである。
【0013】
図1Aは、1つまたは複数の実施形態に係る例示的なデータ伝送システムを示している。以下でさらに説明するように、システム100は、非接触カード105、クライアントデバイス110、ネットワーク115、およびサーバ120を含み得る。図1Aは、コンポーネントの単一のインスタンスを示しているが、システム100は、任意の数のコンポーネントを含み得る。
【0014】
システム100は、1つまたは複数の非接触カード105を含み得、これらは、図3Aおよび図3Bを参照して以下でさらに説明される。いくつかの実施形態では、非接触カード105は、一例ではNFCを利用して、クライアントデバイス110と無線通信し得る。
【0015】
システム100は、ネットワーク対応コンピュータであり得るクライアントデバイス110を含み得る。本明細書で言及されるように、ネットワーク対応コンピュータは、コンピュータデバイス、または、例えば、サーバ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、電話、スマートフォン、ハンドヘルドPC、携帯情報端末、シンクライアント、ファットクライアント、インターネットブラウザ、またはその他のデバイスを含む通信デバイスを含むがこれらに限定されない。クライアントデバイス110は、モバイルコンピューティングデバイス、例えば、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)、iPod(登録商標)、iPad(登録商標)、またはAppleのiOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行するその他の適切なデバイス、MicrosoftのWindows(登録商標)モバイルオペレーティングシステムを実行するデバイス、GoogleのAndroid(登録商標)オペレーティングシステムを実行するデバイス、および/またはスマートフォン、タブレット、または同様のウェアラブルモバイルデバイスなどの他の適切なモバイルコンピューティングデバイスであり得る。
【0016】
クライアントデバイス110デバイスは、プロセッサおよびメモリを含み得、処理回路は、本明細書に記載の機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む追加のコンポーネントを含み得ることが理解される。クライアントデバイス110は、ディスプレイおよび入力デバイスをさらに含み得る。ディスプレイは、コンピュータモニタ、フラットパネルディスプレイ、および液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマパネル、およびブラウン管ディスプレイを含むモバイルデバイス画面などの視覚情報を提示するための任意のタイプのデバイスであり得る。入力デバイスは、タッチスクリーン、キーボード、マウス、カーソル制御デバイス、タッチスクリーン、マイク、デジタルカメラ、ビデオレコーダまたはカムコーダなど、ユーザのデバイスで使用可能でサポートされている情報をユーザのデバイスに入力するための任意のデバイスを含み得る。これらのデバイスは、情報を入力し、本明細書に記載のソフトウェアおよび他のデバイスと相互作用するために使用され得る。
【0017】
いくつかの例では、システム100のクライアントデバイス110は、例えば、システム100の1つまたは複数のコンポーネントとのネットワーク通信を可能にし、データを送信および/または受信する、ソフトウェアアプリケーションなどの1つまたは複数のアプリケーションを実行し得る。
【0018】
クライアントデバイス110は、1つまたは複数のネットワーク115を介して1つまたは複数のサーバ120と通信し得、サーバ120とのそれぞれのフロントエンドからバックエンドへのペアとして動作し得る。クライアントデバイス110は、例えば、クライアントデバイス110上で実行されるモバイルデバイスアプリケーションから、1つまたは複数の要求をサーバ120に送信し得る。1つまたは複数の要求は、サーバ120からのデータの取得に関連付けられ得る。サーバ120は、クライアントデバイス110から1つまたは複数の要求を受信し得る。クライアントデバイス110からの1つまたは複数の要求に基づいて、サーバ120は、1つまたは複数のデータベース(図示せず)から要求されたデータを検索するように構成され得る。1つまたは複数のデータベースからの要求されたデータの受信に基づいて、サーバ120は、受信されたデータをクライアントデバイス110に送信するように構成され得、受信されたデータは、1つまたは複数の要求に応答する。
【0019】
システム100は、1つまたは複数のネットワーク115を含み得る。いくつかの例では、ネットワーク115は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であり得、クライアントデバイス110をサーバ120に接続するように構成され得る。例えば、ネットワーク115は、光ファイバネットワーク、パッシブ光ネットワーク、ケーブルネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、移動体通信のためのグローバルシステム、パーソナル通信サービス、パーソナルエリアネットワーク、無線アプリケーションプロトコル、マルチメディアメッセージングサービス、拡張メッセージングサービス、ショートメッセージサービス、時分割多重ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA)ベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi、固定無線データ、IEEE802.11b、802.15.1、802.11nおよび802.11g、ブルートゥース(登録商標)、NFC、無線周波数識別(RFID)、Wi-Fiなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0020】
さらに、ネットワーク115は、電話回線、光ファイバ、IEEEイーサネット802.3、ワイドエリアネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク、LAN、またはインターネットなどのグローバルネットワークを含むがこれらに限定されない。さらに、ネットワーク115は、インターネットネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせをサポートし得る。ネットワーク115は、スタンドアロンネットワークとして、または互いに協力して動作する、1つのネットワーク、または上記の任意の数の例示的なタイプのネットワークをさらに含み得る。ネットワーク115は、それらが通信可能に結合されている1つまたは複数のネットワーク要素の1つまたは複数のプロトコルを利用し得る。ネットワーク115は、他のプロトコルとの間で、または他のプロトコルからネットワークデバイスの1つまたは複数のプロトコルに変換し得る。ネットワーク115は、単一のネットワークとして示されているが、1つまたは複数の例によれば、ネットワーク115は、例えば、インターネット、サービスプロバイダのネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、クレジットカードアソシエーションネットワークなどの企業ネットワーク、およびホームネットワークなどの複数の相互接続されたネットワークを含み得ることを理解されたい。
【0021】
システム100は、1つまたは複数のサーバ120を含み得る。いくつかの例では、サーバ120は、メモリに結合された1つまたは複数のプロセッサを含み得る。サーバ120は、複数のワークフローアクションを実行するために異なる時間に様々なデータを制御および呼び出すための中央システム、サーバまたはプラットフォームとして構成され得る。サーバ120は、1つまたは複数のデータベースに接続するように構成され得る。サーバ120は、少なくとも1つのクライアントデバイス110に接続され得る。
【0022】
図1Bは、1つまたは複数の実施形態に係る認証されたアクセスを提供するための例示的なシーケンス図を示している。この図は、非接触カード105およびクライアントデバイス110を含み得、これは、アプリケーション122およびプロセッサ124を含み得る。図1Bは、図1Aに示されるのと同様のコンポーネントを参照し得る。
【0023】
ステップ102で、アプリケーション122は、非接触カード105と通信する(例えば、非接触カード105に近づけられた後)。アプリケーション122と非接触カード105との間の通信は、アプリケーション122と非接触カード105との間のNFCデータ転送を可能にするために、クライアントデバイス110のカードリーダ(図示せず)に十分に近い非接触カード105を含み得る。
【0024】
ステップ104で、クライアントデバイス110と非接触カード105との間で通信が確立された後、非接触カード105は、メッセージ認証コード(MAC)暗号文を生成する。いくつかの例では、これは、非接触カード105がアプリケーション122によって読み取られるときに発生し得る。特に、これは、NFCデータ交換フォーマットに従って作成され得る近距離無線データ交換(NDEF)タグのNFC読み取りなどの読み取り時に発生し得る。
【0025】
例えば、アプリケーション122などのリーダは、NDEF生成アプレットのアプレットIDを用いて、アプレット選択メッセージなどのメッセージを送信し得る。選択が確認されると、選択ファイルメッセージのシーケンスとそれに続く読み取りファイルメッセージが送信され得る。例えば、シーケンスは、「機能ファイルの選択」、「機能ファイルの読み取り」、および「NDEFファイルの選択」を含み得る。この時点で、非接触カード105によって維持されるカウンタ値は、更新またはインクリメントされ得、その後に「NDEFファイルの読み取り」が続き得る。この時点で、ヘッダと共有秘密を含むメッセージが生成され得る。次に、セッション鍵が生成され得る。MAC暗号文は、メッセージから作成され得、これは、ヘッダと共有秘密を含み得る。次に、MAC暗号文をランダムデータの1つまたは複数のブロックと連結し、MAC暗号文と乱数(RND)をセッション鍵で暗号化し得る。その後、暗号文とヘッダを連結し、ASCII16進数として符号化して、NDEFメッセージフォーマットで返し得る(「NDEFファイルの読み取り」メッセージに応答)。
【0026】
いくつかの例では、MAC暗号文は、NDEFタグとして送信され得、他の例では、MAC暗号文は、ユニフォームリソースインジケータとともに(例えば、フォーマットされた文字列として)含まれ得る。
【0027】
いくつかの例では、アプリケーション122は、非接触カード105に要求を送信するように構成され得、要求は、MAC暗号文を生成するための命令を含む。
【0028】
ステップ106で、非接触カード105は、MAC暗号文をアプリケーション122に送信する。いくつかの例では、MAC暗号文の送信は、NFCを介して行われる。しかしながら、本開示はそれに限定されない。他の例では、この通信は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、または他の無線データ通信手段を介して行われ得る。
【0029】
ステップ108で、アプリケーション122は、MAC暗号文をプロセッサ124に通信する。ステップ112で、プロセッサ124は、アプリケーション122からの命令に従って、MAC暗号文を検証する。例えば、以下で説明するように、MAC暗号文は、検証され得る。
【0030】
いくつかの例では、MAC暗号文の検証は、クライアントデバイス110とデータ通信しているサーバ120など、クライアントデバイス110以外のデバイスによって実行され得る(図1Aに示されているように)。例えば、プロセッサ124は、サーバ120に送信するためにMAC暗号文を出力し得、サーバ120は、MAC暗号文を検証し得る。
【0031】
いくつかの例では、MAC暗号文は、検証の目的でデジタル署名として機能し得る。この検証を実行するために、公開鍵非対称アルゴリズム、例えば、デジタル署名アルゴリズムとRSAアルゴリズムなどの他のデジタル署名アルゴリズム、またはゼロ知識プロトコルを使用し得る。
【0032】
いくつかの例では、非接触カード105は、非接触カードがクライアントデバイス110に近づけられた後に通信を開始し得ることが理解され得る。一例として、非接触カード105は、例えば、非接触カードが通信を確立したことを示すメッセージをクライアントデバイス110に送信し得る。その後、クライアントデバイス110のアプリケーション122は、上記のように、ステップ102で非接触カードとの通信に進み得る。
【0033】
図2は、非接触カードを使用する例示的なシステム200を示している。システム200は、非接触カード205、1つまたは複数のクライアントデバイス210、ネットワーク215、サーバ220、225、1つまたは複数のハードウェアセキュリティモジュール230、およびデータベース235を含み得る。図2は、コンポーネントの単一のインスタンスを示しているが、システム200は、任意の数のコンポーネントを含み得る。
【0034】
システム200は、1つまたは複数の非接触カード205を含み得、これらは、図3Aおよび図3Bに関して以下でさらに説明される。いくつかの例では、非接触カード205は、クライアントデバイス210との無線通信、例えば、NFC通信をし得る。例えば、非接触カード205は、NFCまたは他の短距離プロトコルを介して通信するように構成された、無線周波数識別チップなどの1つまたは複数のチップを含み得る。他の実施形態では、非接触カード205は、ブルートゥース(登録商標)、衛星、Wi-Fi、有線通信、および/または無線接続と有線接続の任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない他の手段を介してクライアントデバイス210と通信し得る。いくつかの実施形態によれば、非接触カード205は、非接触カード205がカードリーダ213の範囲内にあるときに、NFCを介してクライアントデバイス210のカードリーダ213(本明細書ではNFCリーダ、NFCカードリーダ、またはリーダと呼ばれ得る)と通信するように構成され得る。他の例では、非接触カード205との通信は、物理的インターフェース、例えば、ユニバーサルシリアルバスインターフェースまたはカードスワイプインターフェースを介して達成され得る。
【0035】
システム200は、ネットワーク対応コンピュータであり得るクライアントデバイス210を含み得る。本明細書で言及されるように、ネットワーク対応コンピュータは、例えば、コンピュータデバイス、または、例えば、サーバ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、モバイルデバイス、電話、ハンドヘルドPC、携帯情報端末、シンクライアント、ファットクライアント、インターネットブラウザ、またはその他のデバイスを含む通信デバイスを含み得るが、これらに限定されない。1つまたは複数のクライアントデバイス210はまた、モバイルデバイスであり得る。例えば、モバイルデバイスは、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)、iPod(登録商標)、iPad(登録商標)、またはAppleのiOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行するその他のモバイルデバイス、MicrosoftのWindows(登録商標)モバイルオペレーティングシステムを実行するデバイス、GoogleのAndroid(登録商標)オペレーティングシステムを実行するデバイス、および/またはその他のスマートフォンまたは同様のウェアラブルモバイルデバイスを含み得る。いくつかの例では、クライアントデバイス210は、図1Aまたは図1Bを参照して説明したように、クライアントデバイス110と同じであるか、または類似し得る。
【0036】
クライアントデバイス210は、1つまたは複数のネットワーク215を介して1つまたは複数のサーバ220および225と通信し得る。クライアントデバイス210は、例えば、クライアントデバイス210上で実行されるアプリケーション211から、1つまたは複数の要求を1つまたは複数のサーバ220および225に送信し得る。1つまたは複数の要求は、1つまたは複数のサーバ220および225からのデータの取得に関連付けられ得る。サーバ220および225は、クライアントデバイス210から1つまたは複数の要求を受信し得る。クライアントデバイス210からの1つまたは複数の要求に基づいて、1つまたは複数のサーバ220および225は、1つまたは複数のデータベース235から要求されたデータを検索するように構成され得る。1つまたは複数のデータベース235からの要求されたデータの受信に基づいて、1つまたは複数のサーバ220および225は、受信されたデータをクライアントデバイス210に送信するように構成され得、受信されたデータは、1つまたは複数の要求に応答する。
【0037】
システム200は、1つまたは複数のハードウェアセキュリティモジュール(HSM)230を含み得る。例えば、1つまたは複数のHSM230は、本明細書に開示されるように、1つまたは複数の暗号化操作を実行するように構成され得る。いくつかの例では、1つまたは複数のHSM230は、1つまたは複数の暗号化操作を実行するように構成された特別な目的のセキュリティデバイスとして構成され得る。HSM230は、鍵がHSM230の外部に決して公開されず、代わりに、HSM230内で維持されるように構成され得る。例えば、1つまたは複数のHSM230は、鍵導出、復号、およびMAC操作のうちの少なくとも1つを実行するように構成され得る。1つまたは複数のHSM230は、サーバ220および225内に含まれ得るか、またはそれらとデータ通信され得る。
【0038】
システム200は、1つまたは複数のネットワーク215を含み得る。いくつかの例では、ネットワーク215は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であり得、クライアントデバイス210をサーバ220および/または225に接続するように構成され得る。例えば、ネットワーク215は、光ファイバネットワーク、パッシブ光ネットワーク、ケーブルネットワーク、セルラネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線LAN、モバイル通信のためのグローバルシステム、パーソナル通信サービス、パーソナルエリアネットワーク、無線アプリケーションプロトコル、マルチメディアメッセージングサービス、拡張メッセージングサービス、ショートメッセージサービス、時分割多重ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA)ベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi、固定無線データ、IEEE802.11b、802.15.1、802.11nおよび802.11g、ブルートゥース(登録商標)、NFC、RFID、Wi-Fi、および/またはそれらのネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を含み得る。非限定的な例として、非接触カード205およびクライアントデバイス210からの通信は、NFC通信、クライアントデバイス210とキャリアとの間のセルラネットワーク、およびキャリアとバックエンドとの間のインターネットを含み得る。
【0039】
さらに、ネットワーク215は、これらに限定されないが、電話回線、光ファイバ、IEEEイーサネット802.3、ワイドエリアネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークを含み得る。さらに、ネットワーク215は、インターネットネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせをサポートし得る。ネットワーク215は、スタンドアロンネットワークとして、または互いに協力して動作する、1つのネットワーク、または上記の任意の数の例示的なタイプのネットワークをさらに含み得る。ネットワーク215は、それらが通信可能に結合されている1つまたは複数のネットワーク要素の1つまたは複数のプロトコルを利用し得る。ネットワーク215は、他のプロトコルとの間で、または他のプロトコルからネットワークデバイスの1つまたは複数のプロトコルに変換し得る。ネットワーク215は、単一のネットワークとして示されているが、1つまたは複数の例によれば、ネットワーク215は、例えば、インターネット、サービスプロバイダのネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、クレジットカードアソシエーションネットワークなどの企業ネットワーク、およびホームネットワークなどの複数の相互接続されたネットワークを含み得ることを理解されたい。
【0040】
本開示による様々な例では、システム200のクライアントデバイス210は、1つまたは複数のアプリケーション211を実行し、1つまたは複数のプロセッサ212、および1つまたは複数のカードリーダ213を含み得る。例えば、ソフトウェアアプリケーションなどの1つまたは複数のアプリケーション211は、例えば、システム200の1つまたは複数のコンポーネントとのネットワーク通信を可能にし、データを送信および/または受信するように構成され得る。図2には、クライアントデバイス210のコンポーネントの単一のインスタンスのみが示されているが、任意の数のデバイス210を使用し得ることが理解される。カードリーダ213は、非接触カード205からの読み取りおよび/または非接触カード205との通信を行うように構成され得る。1つまたは複数のアプリケーション211と併せて、カードリーダ213は、非接触カード205と通信し得る。例では、カードリーダ213は、クライアントデバイス210と非接触カード205との間の通信を可能にする磁界を生成する回路または回路コンポーネント、例えば、NFCリーダコイルを含み得る。
【0041】
クライアントデバイス210のいずれかのアプリケーション211は、短距離無線通信(例えば、NFC)を使用して非接触カード205と通信し得る。アプリケーション211は、非接触カード205と通信するように構成されたクライアントデバイス210のカードリーダ213とインターフェースするように構成され得る。注目すべき点として、当業者は、20センチメートル未満の距離がNFC範囲と一致していることを理解するであろう。
【0042】
いくつかの実施形態では、アプリケーション211は、関連するリーダ(例えば、カードリーダ213)を介して非接触カード205と通信する。
【0043】
いくつかの実施形態では、カードのアクティブ化は、ユーザ認証なしで発生し得る。例えば、非接触カード205は、NFCを介してクライアントデバイス210のカードリーダ213を介してアプリケーション211と通信し得る。通信(例えば、クライアントデバイス210のカードリーダ213に近接するカードのタップ)は、アプリケーション211がカードに関連付けられたデータを読み取り、アクティブ化を実行することを可能にする。場合によっては、タップは、アプリケーション211をアクティブ化または起動し、次いで、アカウントサーバ225との1つまたは複数のアクションまたは通信を開始して、その後の使用のためにカードをアクティブ化し得る。場合によっては、アプリケーション211がクライアントデバイス210にインストールされていない場合、カードリーダ213に対するカードのタップは、アプリケーション211のダウンロードを開始し得る(例えば、アプリケーションダウンロードページへのナビゲーション)。インストールに続いて、カードをタップすると、アプリケーション211をアクティブ化または起動し、次に(例えば、アプリケーションまたは他のバックエンド通信を介して)カードのアクティブ化を開始し得る。アクティブ化後、カードは商取引を含む様々なトランザクションで使用され得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、非接触カード205は、仮想支払いカードを含み得る。それらの実施形態では、アプリケーション211は、クライアントデバイス210上に実施されたデジタルウォレットにアクセスすることによって非接触カード205に関連付けられた情報を検索し得、デジタルウォレットは、仮想支払いカードを含む。いくつかの例では、仮想支払いカードデータは、1つまたは複数の静的または動的に生成された仮想カード番号を含み得る。
【0045】
サーバ220は、データベース235と通信するウェブサーバを含み得る。サーバ225は、アカウントサーバを含み得る。いくつかの例では、サーバ220は、データベース235内の1つまたは複数の資格情報と比較することによって、非接触カード205および/またはクライアントデバイス210からの1つまたは複数の資格情報を検証するように構成され得る。サーバ225は、非接触カード205および/またはクライアントデバイス210からの支払いおよびトランザクションなどの1つまたは複数の要求を承認するように構成され得る。
【0046】
図3Aは、1つまたは複数の非接触カード300を示し、これは、カード300の前面または背面に表示されたサービスプロバイダ305によって発行された、クレジットカード、デビットカード、またはギフトカードなどの支払いカードを含み得る。いくつかの例では、非接触カード300は、支払いカードとは関係がなく、識別カードを備え得るが、これに限定されない。いくつかの例では、支払いカードは、デュアルインターフェース非接触支払いカードを含み得る。非接触カード300は、プラスチック、金属、および他の材料で構成される単一層または1つまたは複数の積層層を含み得る基板310を含み得る。例示的な基板材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルアセテート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、陽極酸化チタン、パラジウム、金、カーボン、紙、および生分解性材料を含む。いくつかの例では、非接触カード300は、ISO/IEC7810規格のID-1フォーマットに準拠する物理的特性を有し得、そうでなければ、非接触カードは、ISO/IEC14443規格に準拠し得る。しかしながら、本開示に係る非接触カード300は、異なる特性を有し得、本開示は、支払いカードに非接触カードを実施する必要がないことを理解されたい。
【0047】
非接触カード300は、カードの前面および/または背面に表示される識別情報315、および接触パッド320も含み得る。接触パッド320は、ユーザデバイス、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップ、またはタブレットコンピュータなどの他の通信デバイスとの接触を確立するように構成され得る。非接触カード300は、処理回路、アンテナ、および図3Aには示されていない他のコンポーネントも含み得る。これらのコンポーネントは、接触パッド320の背後または基板310上の他の場所に配置され得る。非接触カード300はまた、カードの背面に位置し得る磁気ストリップまたはテープを含み得る(図3Aには示されていない)。
【0048】
図3Bに示されるように、図3Aの接触パッド320は、マイクロプロセッサ330およびメモリ335を含む、情報を格納および処理するための処理回路325を含み得る。処理回路325は、本明細書に記載の機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む追加のコンポーネントを含み得ることが理解される。
【0049】
メモリ335は、リードオンリーメモリ、ライトワンスリードマルチプルメモリ、またはリード/ライトメモリ、例えば、RAM、ROM、およびEEPROMであり得、非接触カード300は、これらのメモリの1つまたは複数を含み得る。リードオンリーメモリは、工場出荷時に読み取り専用または1回限りのプログラムが可能であり得る。1回限りのプログラムにより、一度書き込んで何度も読み取ることができる。ライトワンス/リードマルチプルメモリは、メモリチップが工場から出荷された後のある時点でプログラムされ得る。メモリは、一度プログラムされると、書き換えられないかもしれないが、何度も読み取られ得る。リード/ライトメモリは、工場出荷後に何度もプログラムおよび再プログラムされ得る。何度も読み取られ得る。
【0050】
メモリ335は、1つまたは複数のアプレット340、1つまたは複数のカウンタ345、および顧客識別子350を格納するように構成され得る。1つまたは複数のアプレット340は、Java(登録商標)カードアプレットなど、1つまたは複数の非接触カード上で実行するように構成された1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを含み得る。しかしながら、アプレット340は、Javaカードアプレットに限定されず、代わりに、非接触カードまたは限られたメモリを有する他のデバイス上で動作可能な任意のソフトウェアアプリケーションであり得ることが理解される。1つまたは複数のカウンタ345は、整数を格納するのに十分な数値カウンタを含み得る。顧客識別子350は、非接触カード300のユーザに割り当てられた一意の英数字識別子を含み得、識別子は、非接触カードのユーザを他の非接触カードユーザと区別し得る。いくつかの例では、顧客識別子350は、顧客とその顧客に割り当てられたアカウントの両方を識別し、さらに顧客のアカウントに関連付けられた非接触カードを識別し得る。
【0051】
前述の例示的な実施形態のプロセッサおよびメモリ要素は、接触パッドを参照して説明されているが、本開示は、それに限定されない。これらの要素は、パッド320の外部に、またはそれから完全に分離して、または接触パッド320内に位置するプロセッサ330およびメモリ335要素に加えて、さらなる要素として実施され得ることが理解される。
【0052】
いくつかの例では、非接触カード300は、1つまたは複数のアンテナ355を含み得る。1つまたは複数のアンテナ355は、非接触カード300内および接触パッド320の処理回路325の周りに配置され得る。例えば、1つまたは複数のアンテナ355は、処理回路325と一体化され得、1つまたは複数のアンテナ355は、外部ブースターコイルと共に使用され得る。他の例として、1つまたは複数のアンテナ355は、接触パッド320および処理回路325の外部にあり得る。
【0053】
一実施形態では、非接触カード300のコイルは、空芯変圧器の二次側として機能し得る。端末は、電力または振幅変調を切断することによって非接触カード300と通信し得る。非接触カード300は、1つまたは複数のコンデンサを介して機能的に維持され得る非接触カードの電源接続におけるギャップを使用して、端末から送信されるデータを推測し得る。非接触カード300は、非接触カードのコイルまたは負荷変調の負荷を切り替えることにより、通信を返し得る。負荷変調は、干渉によって端末のコイルで検出され得る。
【0054】
上で説明したように、非接触カード300は、Javaカードなどのメモリが限られているスマートカードまたは他のデバイス上で動作可能なソフトウェアプラットフォーム上に構築され得、1つまたは複数のアプリケーションまたはアプレットは、安全に実行され得る。アプレットは、非接触カードに追加され、様々なモバイルアプリケーションベースの使用事例で多要素認証(MFA)用のワンタイムパスワード(OTP)を提供し得る。アプレットは、モバイルNFCリーダなどのリーダからの近距離データ交換要求などの1つまたは複数の要求に応答し、NDEFテキストタグとしてエンコードされた暗号的に安全なOTPを含むNDEFメッセージを生成するように構成され得る。
【0055】
図4は、1つまたは複数の実施形態に係る非接触カード402とモバイルコンピューティングデバイス404との間のフィードバックメカニズムの例示的なシーケンス図400を示している。モバイルコンピューティングデバイス404は、非接触カード402と通信するように構成されたスマートフォンなどのクライアントデバイスであり得る。上記のように、モバイルコンピューティングデバイス404は、NFCリーダコイルを介して非接触カードとのNFC通信を確立するように構成された少なくともNFCカードリーダを含み得る。
【0056】
ステップ410で、通信は、非接触カード402とモバイルコンピューティングデバイス404との間で確立され得る。一例では、通信は、非接触カードがモバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダコイルによって生成されたアクティブな磁界に入ると自動的に確立され得る。他の例では、モバイルコンピューティングデバイス404は、非接触カード402がNFCリーダコイルによって生成されたアクティブな磁界に入ったことをコンピューティングデバイス404が検出したときに、非接触カード402に信号を送信することによって最初に通信を確立し得る。ステップ410は、任意のステップであり得ることが理解され得る。例では、非接触カードは、カードがモバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダコイルのアクティブな磁界に入るとすぐに、モバイルコンピューティングデバイス404へのメッセージの提供を自動的に開始し得る。
【0057】
ステップ412で、非接触カード402は、モバイルコンピューティングデバイスにNDEFメッセージを送信または提供し得る。例えば、NDEFメッセージは、1つまたは複数のNDEFレコードを含み、各レコードは、1つまたは複数のNDEFペイロードと関連するヘッダ、フラグなどを含む。1つまたは複数のNDEFペイロード(またはNDEFメッセージの他の適切な部分)に、チェックサムまたはチェックサム値が含まれ得る。NDEFメッセージには、埋め込まれたチェックサム値を生成するために使用されるチェックサム関数またはアルゴリズムのタイプに関連する情報がさらに含まれ得る。
【0058】
ステップ414で、モバイルコンピューティングデバイスは、NDEFメッセージを検出、受信、またはアクセスし、メッセージを評価し得る。以下でさらに説明するように、モバイルコンピューティングデバイスは、NDEFメッセージで指定されたものなどのチェックサム関数またはアルゴリズムを使用して、1つまたは複数のペイロードで受信されたメッセージコンテンツに対してチェックサム計算を実行し得る。チェックサムを計算した後、モバイルコンピューティングデバイスは、それをNDEFメッセージで提供されるチェックサムと比較し得る。チェックサムが一致する場合、NDEFメッセージ全体が正しく受信されたと判断され得る。チェックサムが一致しない場合、モバイルコンピューティングデバイス404は、NFCリーダコイルへの電力を、現在の電力レベル、例えば、デフォルトまたは工場で設定された電力レベルから、第2の電力レベル、例えば、リーダコイルの最大許容電力レベルの分数に増加させ得る。
【0059】
任意選択で、破線の矢印によって示されるように、ステップ416で、モバイルコンピューティングデバイス404は、再送信要求および/または否定応答(NACK)メッセージを非接触カード402に送信し得、これは、非接触カード402に、ステップ412で送信されたNDEFメッセージを再送信または再提供するように促す。そうでなければ、非接触カード402がモバイルコンピューティングデバイス404のNFCリーダコイルによって生成された磁界内に留まる場合、NDEFメッセージ全体が受信されるまで、モバイルコンピューティングデバイスが検出または受信するためにNDEFメッセージを継続的に利用可能にし得る。追加または代替の例では、非接触カード402は、モバイルコンピューティングデバイス404がNDEFメッセージ全体を受信するまで、所定の間隔(例えば、毎秒、5秒ごと、20秒ごとなど)、または所定の期間で、NDEFメッセージを自動的に提供し得る。したがって、ステップ418で、モバイルコンピューティングデバイス404が、チェックサム計算に基づいて完全なNDEFメッセージが受信されなかったとステップ414で決定したと仮定して、NDEFメッセージがモバイルコンピューティングデバイス404に2回目を提供される。
【0060】
ステップ420で、NDEFメッセージが再び評価される。モバイルコンピューティングデバイス404は、ステップ418で受信されたNDEFメッセージの新しいチェックサムを計算し、それがNDEFメッセージで提供されたチェックサムと一致するかどうかを決定し得る。チェックサムが一致する場合、モバイルコンピューティングデバイス404は、破線の矢印によって示されるように、オプションで、ステップ422で確認応答(ACK)メッセージを送信し得る。チェックサムが一致しない場合、NDEFメッセージは、モバイルコンピューティングデバイス404に再び提供され、さらに評価され得る。このプロセスは、NDEFメッセージ全体がモバイルコンピューティングデバイス404によって受信されるまで続き得る。他の例では、プロセス全体が、所定の反復回数または所定の期間の後に停止し得る。モバイルコンピューティングデバイス404が、所定の反復回数または所定の期間の後にNDEFメッセージ全体を読み取れなかった場合、エラーメッセージがユーザインターフェースを介してユーザに返され得る。
【0061】
図5は、1つまたは複数の実施形態に係るチェックサム計算500の例を示している。NDEFメッセージ502は、非接触カードによってモバイルコンピューティングデバイスに提供され得る。示されるように、NDEFメッセージ502は、ペイロード504およびペイロード504に関連付けられたチェックサム506を含む。ペイロード504(およびNDEFメッセージ502に含まれ得る他のペイロード)は、メッセージコンテンツまたは任意の他の適切なタイプのデータを含み得ることが理解され得る。例では、NDEFメッセージ502は、チェックサム506がどのように計算されたかに関する情報、例えば、チェックサム506に到達するためにペイロード504に適用された特定のチェックサム関数、アルゴリズムなどの指示を含み得る。
【0062】
非接触カードによって送信されたペイロード504は、ペイロード508としてモバイルコンピューティングデバイスによって受信され得る。次に、モバイルコンピューティングデバイスは、チェックサム関数(またはアルゴリズム)510を使用して、受信されたペイロード508に対してチェックサム計算を実行し得る。上記のように、チェックサム関数510は、NDEFメッセージ502に示されるチェックサム関数であり得る。あるいは、チェックサム関数510は、非接触カードとモバイルコンピューティングデバイスとの間で事前に知られ、決定され、または合意され得る。チェックサム関数510は、パリティバイトまたはパリティワードアルゴリズム、モジュラーサムアルゴリズム、位置依存アルゴリズムなどの任意の適切なタイプのアルゴリズム、またはチェックデジット、ダムアルゴリズム、データロット、ファイル検証、フレッチャチェックサム、フレームチェックシーケンス、「cksum」、「md5sum」、「shalsum」、SYSVチェックサム、「xxHash」などの他の技術、または任意の適切なタイプのハッシュ関数に基づき得ることが理解され得る。
【0063】
チェックサム関数510を受信したペイロード508に適用すると、チェックサム512が生成または導出され得る。その後、チェックサム512および506が一致するかどうかに関して決定を行い得る。他の例では、計算されたチェックサム512が不正確であるか不完全であるかに関して決定がなされ得る。例では、計算されたチェックサム512(および/またはチェックサム506との比較)は、NDEFメッセージ502内の元のペイロード504の何パーセントがペイロード508内のモバイルコンピューティングデバイスによって正しく受信されたかを明らかにし得る。例えば、示されるように、ペイロード508は、元のペイロード504のメッセージコンテンツの40パーセントのみを含むと決定され得る。以下でさらに説明するように、この決定に基づいて、モバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダコイルに供給される電力は、それに応じて増加され得る。
【0064】
図6は、1つまたは複数の実施形態に係るリーダコイル600の電力レベルの調整例を示している。図示されるように、モバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダのリーダコイル600は、デフォルトの電力レベルに設定され得、これは、デフォルトの電力レベルに対応する磁界602を生成する。例では、デフォルトの電力レベルは、事前設定された電力レベル、工場設定などであり得る。
【0065】
非接触カードとモバイルコンピューティングデバイスとの間の通信を改善するために、リーダコイル600への電力を第2の電力レベルに増加させて、より大きな磁界、例えば、磁界604を生成し得る。例えば、図5に戻ると、NDEFメッセージの40%のみがモバイルコンピューティングデバイスによって正しく受信された場合、デバイスは、リーダコイル600への電力をデフォルトの電力レベルからリーダコイル600に提供可能な最大許容電力の60%である電力レベルまで増加させ得る。したがって、言い換えると、第2の電力レベル、または動的に調整された電力レベルは、リーダコイル600に提供可能な最大電力の分数または部分であり得、ここで、分数は、正しく検出または受信されたNDEFメッセージのパーセンテージに反比例する。最大許容電力または最大電力レベルは、コイル600を損傷または燃焼させることなく、リーダコイル600に提供できる最大量の電力を意味すると理解され得る。
【0066】
さらなる例によれば、リーダコイル600への電力は、任意の適切なレベルに動的に調整され得る。例えば、正しく受信されたNDEFメッセージのパーセンテージが、20パーセント、15パーセントなどの所定の閾値パーセンテージを下回る場合、リーダコイル600への電力は、最大電力レベルまで増加され得る。
【0067】
いくつかの例では、モバイルコンピューティングデバイスは、リーダコイル600の電力レベルをその最大許容電力まで上昇させたにもかかわらず、依然としてNDEFメッセージ全体を受信しない可能性があり得る。これらの例では、モバイルコンピューティングデバイスは、ユーザインターフェースを介して、非接触カードをモバイルコンピューティングデバイス上の特定の場所の近くに、またはリーダコイル600の近くの正確な角度または向きで移動または配置するようにユーザにさらに指示し得る。
【0068】
磁界602、604の形状、およびリーダコイル600の形状および構成は、例示を目的とするものであり、それに限定されないことが理解され得る。
【0069】
図7は、1つまたは複数の実施形態に係るNDEFメッセージの1つまたは複数の部分の例示的なストアアンドコンペア技術を示している。この技術は、NDEFメッセージのフラグメントを格納し、複数の読み取りでつなぎ合わせて、最終的に完全なNDEFメッセージを取得することに関連している。一例として、非接触カードは、少なくともペイロード702を含むNDEFメッセージを提供し得る。モバイルコンピューティングデバイスは、チェックサム計算に基づいて、NDEFメッセージを検出または受信し得る。モバイルコンピューティングデバイスは、NDEFメッセージのペイロード702の部分またはパーセンテージのみ、例えば、ペイロード部分704が受信されたと決定し得る。それに応答して、モバイルコンピューティングデバイスは、受信したペイロード部分704をメモリに格納し得る。
【0070】
モバイルコンピューティングデバイスのNFCリーダコイルへの電力が動的に調整された後、非接触カードは、少なくともペイロード702を含むNDEFメッセージを再び提供し得る。モバイルコンピューティングデバイスによる他のチェックサム計算を実行し得る。この計算に基づいて、モバイルコンピューティングデバイスは、再び、ペイロード702の部分、例えば、ペイロード部分706のみを決定し得る。モバイルコンピューティングデバイスはまた、受信されたペイロード部分706を格納し得る。
【0071】
この時点で、モバイルコンピューティングデバイスは、格納されたペイロード部分(「PP」)704および706を比較し得る。例えば、ペイロード部分は、ペイロード702のメッセージコンテンツにおける任意の冗長性または重複について比較され得る。メッセージコンテンツに冗長性が見つかった場合、それらは削除され得る。ペイロード部分704および706は、組み合わされ得、モバイルコンピューティングデバイスは、「組み合わされた」ペイロードに対して新しいチェックサム計算を実行し得る。新しいチェックサムがNDEFメッセージで提供されるチェックサムと一致する場合、これは、メッセージコンテンツペイロード702が、2つの別々の読み取りで受信されたペイロード部分704および706の組み合わせを介して完全かつ全体的に取得されたことを示している。
【0072】
しかしながら、新しいチェックサムがNDEFメッセージで提供されたチェックサムと一致しない場合、または新しいチェックサムが不完全または不正確である場合は、ストアアンドコンペア技術が続行され得る。示されるように、ペイロード部分708は、その後、受信され得る。ペイロード部分704、706、および708は、任意の冗長性について比較され得、次いで、組み合わされて、新しいチェックサムを計算し得る。同様のアプローチは、ペイロード部分710などに適用され得る。
【0073】
ストアアンドコンペア技術は、ペイロード702内のメッセージコンテンツの断片またはフラグメントが、時間の経過とともに、または複数の読み取りまたは反復に亘って収集され得、それらが後で比較、結合、および解析されて、断片またはフラグメントは、集合的に合計されて、ペイロード702に含まれるメッセージ全体に到達する。したがって、この技術は、モバイルコンピューティングデバイスが各読み取りでペイロード702全体を取得することは決してないかもしれないという事実を補償する。
【0074】
図8は、1つまたは複数の実施形態に係る例示的なフロー図800を示している。フロー図800は、NFCリーダコイルへの電力を第1の電力レベルから第2の電力レベルに動的に増加させることに関連している。図示されたブロックに関連付けられた特徴は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス、例えば、モバイルコンピューティングデバイス、および/またはそこに含まれる処理回路によって実行または実行され得ることが理解され得る。さらに、フロー図800のブロックは特定の順序に限定されず、1つまたは複数のブロックが同時に実行または実行され得ることが理解され得る。
【0075】
ブロック802で、第1のNDEFメッセージまたはファイルは、デフォルトの電力レベルであり得る第1の電力レベルで、NFCリーダコイルを介して受信され得る。第1のNDEFメッセージは、1つまたは複数のペイロードに含まれ得るデータなどのメッセージコンテンツを含み得、メッセージコンテンツに関連付けられた第1のチェックサムを含み得る。
【0076】
ブロック804で、第2のチェックサムが計算され得る。上記のように、チェックサム関数またはアルゴリズムを、受信したメッセージコンテンツまたはメッセージデータに適用して、第2のチェックサムを計算し得る。第2のチェックサムは、非接触カードから受信した第1のNDEFメッセージの正確性、整合性、および/または完全性を示し得る。
【0077】
ブロック806で、第1のチェックサムおよび第2のチェックサムが比較され得、そして第1および第2のチェックサムが一致するかどうかが決定され得る。第1および第2のチェックサムが一致する場合は、第1のNDEFメッセージが正しく受信されたことを示し得る。
【0078】
第1および第2のチェックサムが一致しない場合、ブロック808で、NFCリーダコイルへの電力は、第1の電力レベルから第2の電力レベルに増加され得る。第2の電力レベルは、動的に決定および調整され得る。例えば、NDEFメッセージの特定のパーセンテージが正しく受信された場合、第2の電力レベルは、NFCリーダコイルに提供可能な最大電力の分数に設定され得る。ここで、分数は、正しく受信されたNDEFメッセージのパーセンテージに反比例する。他の例では、正しく受信されたNDEFのパーセンテージが所定のパーセンテージ閾値を下回る場合、第2の電力レベルが最大電力レベルであり得る。
【0079】
上記の実施形態および例は、モバイルコンピューティングデバイスに実施されたリーダコイルを含むが、任意のタイプのデバイスにインストールされた任意のNFCリーダへの電力は、NFC通信を改善するために動的に調整され得ることが理解され得る。さらに、上記のNDEFメッセージおよび対応するペイロードは、非接触カードのアクティブ化、ユーザ検証、ユーザ認証、様々なトランザクション、販売、購入などの非接触カードの様々な使用例に関連するメッセージコンテンツまたはデータを含み得る。
【0080】
上記のデバイスのコンポーネントおよび機能は、ディスクリート回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理ゲート、および/またはシングルチップアーキテクチャの任意の組み合わせを使用して実施され得る。さらに、デバイスの機能は、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックアレイおよび/またはマイクロプロセッサ、または前述の任意の組み合わせを適切に使用して実施され得る。ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェア要素は、本明細書では集合的または個別に「論理」または「回路」と呼ばれ得ることに留意されたい。
【0081】
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、システムに本明細書に記載のコンピュータ実施方法のいずれかを実行させる命令を含み得る。
【0082】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「一実施形態」または「実施形態」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特に断りのない限り、上記の特徴は、任意の組み合わせで一緒に使用されることが認識されている。したがって、別々に議論された任意の特徴は、特徴が互いに互換性がないことに留意されない限り、互いに組み合わせて使用され得る。
【0083】
本明細書で使用される表記法および命名法を一般的に参照して、本明細書の詳細な説明は、コンピュータまたはコンピュータのネットワーク上で実行されるプログラム手順に関して提示され得る。これらの手順の説明および表現は、当技術分野の当業者によって、当技術分野の当業者に自分の作業の内容を最も効果的に伝えるために使用される。
【0084】
手順は、本明細書にあり、一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の演算であると考えられている。これらの演算は、物理量の物理的な操作を必要とする演算である。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気、磁気、または光信号の形をとる。主に一般的な使用法の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶと便利な場合がある。しかしながら、これらおよび類似の用語はすべて、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意すべきである。
【0085】
さらに、実行される操作は、加算または比較などの用語で参照されることが多く、これらは一般に、人間のオペレータによって実行される知的な演算に関連付けられている。1つまたは複数の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の演算のいずれにおいても、人間のオペレータのそのような能力は必要ではないか、またはほとんどの場合望ましいものではない。むしろ、演算は、機械演算である。
【0086】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「結合された」および「接続された」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、必ずしも相互の同義語として意図されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために、「接続された」および/または「結合された」という用語を使用して説明され得る。しかしながら、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協力または相互作用していることを意味し得る。
【0087】
様々な実施形態はまた、これらの操作を実行するための装置またはシステムに関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成され得る。本明細書に提示される手順は、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。これらの様々な機械に必要な構造は、与えられた説明から明らかになる。
【0088】
読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように、開示の要約が提供されていることが強調されている。請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、前述の詳細な説明において、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態に一緒にグループ化されていることが分かる。この開示方法は、請求された実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものである。したがって、以下の請求項は、各請求項が個別の実施形態として独立している状態で、詳細な説明に組み込まれる。添付の請求項において、「含む」および「その中」という用語は、それぞれ「備える」および「ここで」というそれぞれの用語の平易な英語の均等物として使用される。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値要件を課すことを意図するものではない。
【0089】
上で説明されたことは、開示されたアーキテクチャの例を含む。もちろん、コンポーネントおよび/または方法論の考えられるすべての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、さらに多くの組み合わせおよび順列が可能であることを認識し得る。したがって、新規のアーキテクチャは、添付の請求項の精神および範囲内にあるそのようなすべての変更、修正、および変形を包含することを意図している。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8