(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20230529BHJP
E04H 6/06 20060101ALI20230529BHJP
E04H 6/18 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H6/06 W
E04H6/18 601Z
(21)【出願番号】P 2022195422
(22)【出願日】2022-12-07
【審査請求日】2022-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】長友 真也
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108071256(CN,A)
【文献】特開2005-030186(JP,A)
【文献】特開2011-111805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を載置可能なパレットと、
前記パレットを移動させるパレット駆動部と、
前記パレット上に設置され車両に充電を行うための充電装置と、
前記充電装置に電力を供給するための給電ケーブルであって、前記パレットの昇降に連動する第1部分と、前記パレットが昇降するときに前記パレットに対する位置関係が変化し昇降しないときに前記位置関係が変化しない第2部分と、の間に接続された第1ケーブル領域を含む給電ケーブルと、
前記昇降時のいずれか一方において前記第1ケーブル領域の少なくとも一部を巻き取るケーブルリールと、
前記ケーブルリールの回転状態を測定する回転測定装置と、
を備える、駐車装置。
【請求項2】
前記回転状態は、回転速度を含む、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記回転状態は、回転方向を含む、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記ケーブルリールの回転速度が、パレットの移動時において予め設定された範囲外となった場合に、所定の制御を実施する制御部を含む、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記予め設定された範囲は、
前記パレットの設定された
昇降時の移動速度ごとに異なる範囲となる請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記所定の制御が、前記パレットの移動を停止させることを含む、請求項4に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記所定の制御が、前記駐車装置の駆動を停止することを含む、請求項4に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記駐車装置の駆動を停止することは、前記駐車装置のブレーカーを落とし、前記駐車装置への給電を遮断することにより実現される請求項7に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記回転測定装置は、前記回転状態を測定するための非接触式又は接触式のセンサを含む、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項10】
前記回転測定装置は、ケーブルの移動速度を検出することにより間接的に前記回転状態を測定するセンサを含む、請求項9に記載の駐車装置。
【請求項11】
前記ケーブルリールは、前記第2部分に対し位置関係が変動しない部分に設置される請求項1に記載の駐車装置。
【請求項12】
前記パレットが前記駐車装置内において位置が変化しない構造体に吊り下げられ、前記ケーブルリールは前記構造体に設置される請求項1に記載の駐車装置。
【請求項13】
前記パレットは前記駐車装置内における横方向に移動可能な横行台車に吊り下げられ、前記ケーブルリールは前記横行台車に設置される請求項1に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に充電可能な駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駐車装置として、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、いわゆる多段式駐車装置が知られている。多段式駐車装置では、パレットを上下方向又は左右方向に移動させることにより、入出庫口に移動したパレットに車両を入出庫させることができる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電気自動車が駐車装置に駐車している間に充電することが考えられる。多段式駐車場では、車に充電用ケーブルを接続した状態でパレットが移動することとなる。その際、ケーブルがパレット移動に巻き込まれないように、ケーブルの長さを適切に保つ装置及びその装置を安全に運用するシステムが求められている。
【0005】
本発明の一実施形態は、充電中にパレットが移動する駐車装置において、充電設備の異常を検知することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、車両を載置可能なパレットと、前記パレットを移動させるパレット駆動部と、前記パレット上に設置され車両に充電を行うための充電装置と、前記充電装置に電力を供給するための給電ケーブルであって、前記パレットの昇降に連動する第1部分と、前記パレットが昇降するときに前記パレットに対する位置関係が変化し昇降しないときに前記位置関係が変化しない第2部分と、の間に接続された第1ケーブル領域を含む給電ケーブルと、前記昇降時のいずれか一方において前記第1ケーブル領域の少なくとも一部を巻き取るケーブルリールと、前記ケーブルリールの回転状態を測定する回転測定装置と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記回転状態が回転速度を含む。
【0008】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記回転状態が回転方向を含む。
【0009】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、ケーブルリールの回転速度が、パレットの移動時において予め設定された範囲外となった場合に、所定の制御を実施する制御部を含む。
【0010】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記予め設定された範囲が、設定された移動速度ごとに異なる範囲となる。
【0011】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記所定の制御が前記パレットの移動を停止させることを含む。
【0012】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記所定の制御が前記駐車装置の駆動を停止することを含む。
【0013】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記駐車装置の駆動を停止することは、前記駐車装置のブレーカーを落とし、前記駐車装置への給電を遮断することにより実現される。
【0014】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記回転測定装置が、前記回転状態を測定するための非接触式又は接触式のセンサを含む。
【0015】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記回転測定装置が、ケーブルの移動速度を検出することにより間接的に前記回転状態を測定するセンサを含む。
【0016】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記ケーブルリールが前記第2部分に対し位置関係が変動しない部分に設置される。
【0017】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記パレットが前記駐車装置内において位置が変化しない構造体に吊り下げられ、前記ケーブルリールは前記構造体に設置される。
【0018】
本発明の一実施形態にかかる駐車装置は、前記パレットが前記駐車装置内における横方向に移動可能な横行台車に吊り下げられ、前記ケーブルリールは前記横行台車に設置される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、充電中にパレットが移動する駐車装置において、充電設備の異常を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な背面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置の充電設備を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図5】本発明の一実施態様に係る駐車装置における、回転測定装置を備えたケーブルリールの構成を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施態様に係る駐車装置における、回転測定装置にて出力される信号を示す。
【
図7A】本発明の一実施態様に係る駐車場における、制御部において変換された信号を示す。
【
図7B】本発明の一実施態様に係る駐車場における、制御部において変換された信号を示す。
【
図8】本発明の一実施態様に係る駐車装置における、ケーブルリールの回転異常を検知した際の制御部の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0022】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0023】
[駐車装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100全体の構成を示す模式的な正面図である。本明細書では、駐車装置100の入出庫口がある面を正面とし、その反対側を背面として説明する。駐車装置100の正面から背面に向かう方向、または駐車装置100の背面から正面に向かう方向(すなわち、車両Vが駐車装置100に入出庫する方向)を前後方向として説明する。
【0024】
本実施形態において、駐車装置100は、支柱102、支柱102間に架設される梁104などの静止構造体によって主に構成される骨格構造を有する。この骨格構造により車両Vが駐車する駐車領域を形成する。
【0025】
本実施形態において、駐車装置100は、一例として車両Vが積み重なる上下方向(昇降方向)に4段、車両Vが並置される左右方向(水平方向)に4連の駐車領域を有する。駐車装置100では、最右連の1階から3階に車両Vを昇降し又は横行するための予備的空間が設けられている。予備的空間を除くと、駐車装置100は最大13台の車両Vを駐車し、収容することができる。
【0026】
車両Vが載置される駐車領域には、パレット108が設置されている。
【0027】
1階の駐車領域にはパレット108が配置可能な駐車領域が左右方向に4つ設けられているが、車両Vが乗り込み可能なパレット108は、左右方向に3つ設けられている。空いた駐車領域を利用して、1階の各パレット108は左右方向に移動可能である。この移動は、パレット108下部に設けられた駆動輪112によって行われる。すなわち各駆動輪112は、下面が駐車装置100における床部114の上面に接しており、これが回転させられることでパレット108を左右方向に移動させることができる。
【0028】
2階と3階には、パレット108が配置可能な駐車領域が左右方向に4つ設けられているが、車両Vが積載可能なパレット108は、左右方向に3つ設けられる。2階の各パレット108は、1階と2階との間で昇降可能である。3階の各パレット108は、1階と3階との間で昇降可能である。2階と3階の各パレット108は、1階に位置している時に車両Vが乗り込み、その後の出庫までの間、2階又は3階へ上昇して待機することができる。2階及び3階の各パレット108は、2階および3階に設けられた横行台車110上に設置された歯車116を介し上下左右端がチェーン118で吊るされている。チェーン118は図示しない昇降装置に連結されることができる。
【0029】
横行台車110は、2階及び3階の駐車領域において、パレット108の上部であり車両Vの周辺部となる部分に設けられている。横行台車110上には歯車116が設けられている。横行台車110に設置された昇降装置(図示せず)とパレット108を接続するチェーン118を、この歯車116にかけることにより、パレット108は横行台車110に昇降可能に吊り下げられている状態となる。そして図示しない昇降装置がチェーン118を巻き上げ又は巻き出しすることにより、パレット108が上昇又は下降することができる。
【0030】
また、横行台車110は駐車装置100の左右方向に設けられた梁104などの構造体の上面に接しながら回動可能な駆動輪112を有している。
【0031】
横行台車110の駆動輪112が梁104上で回動されることで、横行台車110は左右方向の空いている駐車部分を利用して、左右方向に移動することができる。その際、横行台車110にチェーン118で吊るされたパレット108もチェーン118に吊り下げられた状態で横行台車110とともに左右に移動することができる。
【0032】
最上階である4階は、パレット108を左右に移動させる必要がないため、パレット108が左右方向に並んで4箇所に設けられている。各パレット108は図示しない昇降装置とチェーン118を介して接続され、1階から4階の間で昇降可能である。即ち4階部分の駐車以域では、一端が接続され且つ他端が歯車116を介しパレット108と接続されているチェーン118を、図示しない昇降装置が巻き上げ又は巻き出しすることにより、パレット108が上昇又は下降することができる。
【0033】
駐車装置100の1階には、車両Vの入出庫口を有しゲート106が設置される。ゲート106は、操作盤214にて入出庫の対象となるパレット番号を指定すると、指定されたパレット108がゲート106の前に到達し、ゲート106が開放され、車両Vを出庫した後に操作盤214でゲート106を閉める指示がされることによって閉じられる。車両Vの入庫時には、駐車装置100に設置された操作盤214でゲート106を開ける操作がされることで開放され、車両Vを入庫した後に操作盤214を操作することによって閉じられる。ゲート106は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっており、パレット108が移動するときもゲート106は閉じた状態になっている。ゲート106を閉じることにより、通常は駐車装置100内への人の進入を防止することができる。
【0034】
本駐車装置100には、入庫または出庫の際の指示を入力する操作盤214、本駐車装置100全体の制御を行う制御装置(図示せず)を設置することができる。操作盤214及び制御装置は、必ずしも駐車装置に直接設置されなくともよい。
【0035】
[充電設備の構成]
本発明の一実施形態に係る駐車装置100における充電設備について説明する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100全体の構成を示す模式的な背面図である。
図3は本発明の一実施形態における駐車装置100の充電設備の概略図である。
【0037】
各パレット108上には充電装置202を設けることができる。この充電装置202を用いて、車両Vの運転者等が充電作業を行う。
【0038】
図3において、4階部分の駐車領域を例として充電設備を説明する。静止側電源装置302から伸びる電源側給電ケーブル304は、例えば支柱内あるいは支柱に沿って4階まで延び、4階の梁104に設置されたケーブルリール204上の接続部306にて電気的に接続される。また、ケーブルリール204には充電装置202と連結する給電ケーブル206の一部が巻き取られており、電源側給電ケーブル304と前記ケーブルリール204上の接続部306と電気的に接続される。電源は電源装置302から電源側給電ケーブル304及び給電ケーブル206を通し、充電装置202に供給される。
【0039】
なお、2階及び3階の場合も、4階の場合と同様に静止側電源装置302から伸びる電源側給電ケーブル304は、例えば支柱102及び梁104内又はそれらに沿って2階及び3階まで延び、2階及び3階の横行台車110内を通り、横行台車110に設置されたケーブルリール204上の接続部306と電気的に接続される。
【0040】
また1階の場合、電源側給電ケーブル304は支柱102及び梁104内又はそれらに沿って1階駐車領域まで延び、充電装置202に直接接続される。1階の場合パレット108が上下方向に移動しないため、ケーブルリール204は設けなくともよい。
【0041】
充電装置202は、給電ケーブル206にガイド部材208を介して接続されている。ここで車両Vには車両V内の充電池に外部電力を供給するための接続部位である充電用接続部がある。充電装置202は、この充電用接続部と接続可能な車両充電用の給電ケーブル(図示せず)を有し、車両Vの充電用接続部と当該給電ケーブルの一端を接続することで、車両Vに充電がなされる。
【0042】
充電装置202は給電ケーブルの収納機能のみ有するものでもよく、又は充電作業を統制する機能を有するものであってもよい。
【0043】
充電装置202、電源装置302と車両Vとが電気的に接続され充電している間に、各階のパレット108が移動することがある。その際、給電ケーブル206はパレット108の移動に追従できる十分な長さを有していなければならない。しかし、給電ケーブル206を延ばした状態のままパレット108が移動すると、給電ケーブル206が何らかの構造体に引っ掛かりパレット108が傾くなどの恐れがある。そのような事態を回避するため、梁104などに設置したケーブルリール204に余分なケーブルを巻き取らせることができる。
【0044】
駐車装置100の背面図である
図2に戻り説明する。ケーブルリール204は駐車できる車両Vの台数と同じ数だけ、駐車領域周辺に設けられる。
【0045】
そして車両Vが駐車中に充電している時にパレット108が昇降する場合は、その昇降に連動して、ケーブルリール204が給電ケーブル206を巻き取り及び巻き出しを行う。その際、ケーブルを弛ませないために巻き取り方向に一定の張力を常にかけ続けることができる。
【0046】
1階から3階の場合は、パレット108が左右方向に1つの駐車スペース分移動できなくてはならない。従って電源側給電ケーブル304は移動距離分だけ余裕をもった長さでケーブルリール204又は充電装置202と接続される。通常、ケーブルリール204の重量は非常に重く、また給電ケーブル206の出し入れ時の張力にも耐えつつ安定的に固定されることが必要であるため、駐車装置内の梁104や横行台車110など、安定した構造体に設置されることが好ましい。
【0047】
駐車装置内におけるケーブルリール204の設置箇所について、説明する。駐車装置100内において、パレット108の昇降の際にパレット108の動きに連動して移動する部分を第1部分とし、パレット108が昇降する際にパレット108に対する位置関係が変化し、昇降しないときにはパレット108に対する位置関係が変化しない部分を第2部分とした場合、その間で接続されている給電ケーブル206は、両部分の相対距離が変化する際に給電ケーブル206を弛ませないようにしなければならない。そこでケーブルリール204を設置し、少なくとも一部を巻き取ることで給電ケーブル206を弛まないように維持することができる。かかる場合、ケーブルリール204は、第1部分と第2部分との間の給電ケーブル206で接続された領域(第1ケーブル領域と呼ぶ)の少なくとも一部を巻き取れる場所に固定されることができる。
【0048】
ここで第1部分は、パレット108の一部又はパレット108に固定設置された部材などであることができる。また第2部分は、2階及び3階においてパレット108が吊り下げられている横行台車110又は横行台車110に固定設置された部材、4階ではパレット108が吊り下げられている梁104又は梁104に固定設置された部材などが該当する。また4階においては、パレット108は左右方向には移動しないので、4階の梁104のみならず、1~3階の梁104、又は駐車装置100の床部114など他の水平方向に移動しない部分が第2部分に該当してもよい。
【0049】
ケーブルリール204は、第1ケーブル領域、例えば4階では梁104とパレット108との間の領域において給電ケーブル206を巻き取り可能な位置に設置され、第2部分に対し位置関係が変化しない部分、例えば梁104自体に固定設置されることが好ましい。そして、梁104に固定されたケーブルリール204にて巻き取られる給電ケーブル206の回転を検知することとなる。
【0050】
他方、2階及び3階においては、ケーブルリール204は、第1ケーブル領域、例えば横行台車110とパレット108との間の領域においてケーブルリール204を巻き取り可能な位置に設置され、第2部分に対し位置関係が変化しない部分、例えば横行台車110自体に固定設置されることが好ましい。そして、横行台車110に固定されたケーブルリール204にて巻き取られる給電ケーブル206の回転を検知することとなる。
【0051】
図2において、1階から3階と4階とではケーブルリール204の向きが異なるように設置されている。ケーブルリール204の向きは特に限定されるものではないが、本実施形態における1階~3階のパレット108のように上下だけでなく左右にも移動する場合には、パレット108や横行台車110の動きを阻害しないような方向及び場所を選んで設置することができる。
【0052】
ケーブルリール204と充電装置202との間には、1以上のガイド部材208を設けることができる。ガイド部材208を設けることにより給電ケーブル206の方向を調節し、パレット108の移動時の給電ケーブル206の摩耗や、他の部材との干渉を防ぐことができる。
【0053】
[駐車装置に含まれる各部の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100内に含まれる各部の構成を示すブロック図である。駐車装置100は、制御装置400、操作盤214、パレット駆動装置410、ゲート駆動装置408、横行台車駆動装置416、パレット108、ゲート106、横行台車110、回転測定装置412、報知部414を備える。
【0054】
制御装置400は、記憶部404及び制御部402を備える。
【0055】
記憶部404は、論理記憶領域であり、CPU内部の記憶領域、主記憶装置、二次記憶装置などのメモリである。記憶部404は、RAM、ROMなどの記憶装置を含む。記憶部404は、各種機能を制御装置400において実現させるプログラム等を記憶する。さらに、記憶部404は駐車装置100が稼働している間の稼働状況について記憶し続けており、例えば停電や後述のように給電が遮断された場合でも、停止直前の各装置の稼働状況に復旧できるように、制御部402が記憶部404に少なくとも稼働中の最新の状況データを記録するよう制御する。
【0056】
制御部402は、CPU(Central Processing Unit)である。制御部402は、記憶部404に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を制御装置400において実現させる。
【0057】
制御部402は、パレット駆動装置410及びゲート駆動装置408に対し、パレット108及びゲート106の駆動に関する指示信号を送信する。制御部402は、利用者により操作盤214が操作されると、操作盤214から受信した情報に基づいてパレット108、横行台車110及びゲート106の駆動に関する指示信号をパレット駆動装置410、横行台車駆動装置416及びゲート駆動装置408に送信する。制御部402は、回転測定装置412から出力される測定信号を受信し、受信した測定信号に基づいて所定の制御を実行する。例えば、制御部402は、回転測定装置412からの測定信号に基づいて、パレット108の駆動に関する指示信号をパレット駆動装置410に送信し、報知部414に対し異常事態を知らせるための報知の指示信号を送信する。
【0058】
制御部402において実行されるプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また各プログラムは、ネットワークNW経由でダウンロードされてもよい。
【0059】
操作盤214は、利用者が制御装置400に対して自動操作の指示(パレット108の番号指定やゲート106の開閉指示)を入力するユーザインターフェースである。操作盤214は、利用者からの自動操作の指示の入力を受けると、制御装置400に対して自動操作を行うパレット108に関する情報や操作内容に関する情報を送信する。
【0060】
また、操作盤214は後述するように、回転測定装置412から出力される測定信号に基づきパレット駆動装置410が停止した場合、異常発生原因の対策終了後、所定の駆動再開の指示の入力を行うための端末となることができる。
【0061】
パレット駆動装置410は、制御部402から受信したパレット108の駆動に関する指示信号に基づいてパレット108を駆動する。
【0062】
横行台車駆動装置416は、制御部402から受信した横行台車110の駆動に関する指示信号に基づいて横行台車110を駆動する。
【0063】
ゲート駆動装置408は、制御部402から受信したゲート106の駆動に関する指示信号に基づいてゲート106を開閉する。
【0064】
報知部414は、車両Vの利用者やゲート周辺にいる人に対し、安全のためゲート106の閉扉や開扉を報知する。この報知は制御部402の制御により行われる。報知部414は、例えば、スピーカ、ディスプレイ、発光体等が使用できる。
【0065】
回転測定装置412は、ケーブルリール204の回転速度及び回転方向を測定する。回転測定装置412について、以下に説明する。
【0066】
[回転測定装置]
図5は、本発明の一実施形態に係る回転測定装置412を設置したケーブルリール204の構成を示す模式図であり、上側図は側面図、下側図は上面図となる
【0067】
本発明の一実施態様にかかるケーブルリール204は、給電ケーブル206を巻き取る回転体510、回転体510が回転する際の軸となる回転軸512、回転軸512を固定するリール支持体514により構成される。リール支持体514は駐車装置100にケーブルリール204を固定する部材でもあり、駐車装置100の梁104、横行台車110又は他の静止構造体に固定される。
【0068】
ケーブルリール204と充電装置202の間にはガイド部材504が設けられる。このガイド部材504に給電ケーブル206をかけることにより、パレット108の移動とともに給電ケーブル206が巻き取られ又は巻き出された際、給電ケーブル206がパレット108の移動に巻き込まれることを防ぎ、給電ケーブル206の位置を適正に制御することができる。
【0069】
給電ケーブル206はガイド部材504に掛けられ、パレット108上の充電装置202に給電する際、常に巻き取り方向に一定の張力がかかる状態に調整することができる。給電ケーブル206に常に一定の張力を加えるようにすることにより、給電ケーブル206の弛みを防止し、パレットなどの駆動が安全に行えるよう給電ケーブル206の長さを調整できる。
【0070】
ガイド部材504は、給電ケーブル206を摩耗させないように、給電ケーブル206との摩擦が小さい部材を使用することが好ましい。そのため、低摩擦材料で構成され又は滑車などを含む部材により構成されることができる。
【0071】
ガイド部材504は支持部材508により支持される。支持部材508はケーブルリール204との位置関係が固定された部分に対してガイド部材504を支持する。例えば、ケーブルリール204が位置変動しない構造体、特に梁104や支柱102などに固定されている場合にはそれらの構造物、横行台車110に取り付けられている場合には横行台車110に設置することができる。
【0072】
回転体510の側面には一又はそれ以上の磁石520A及び520Bが取り付けられる。この場合、磁石520Aと回転軸512との半径方向の距離と、磁石520Bと回転体510の回転軸512との半径方向の距離とが等しくR1となるよう固定されることができ、且つ回転軸512と磁石520Aとを結ぶ直線と、回転軸512と磁石520Bとを結ぶ直線のなす角が、180度となる位置に固定されることができる。
【0073】
給電ケーブル206の巻き出し又は巻き取り時に回転体510が回転すると、取り付けられた磁石520A及び520Bは、同一の円環上の軌跡を描いて回転する。
【0074】
回転体510に取り付けられる磁石の数は1つ又は3つ以上でもよく、回転体510の半径が大きければ、磁気センサの測定頻度を適切に保つため、多くの磁石を設置することができる。磁石を複数取り付ける場合には、隣接する磁石同士が等間隔で配置されることが好ましい。
【0075】
本実施形態の磁石520A及び520Bは、例えば直方体形状、円筒形状など任意の形態を採用できる。また磁石は、回転体510の回転により装置から離脱しないように一部が埋め込まれた状態で固定されており、一部が回転体510の一方の面から露出している。
【0076】
これら磁石520A及び520Bの動きを測定するため、磁気センサ530A及び530Bが用いられる。磁気センサ530A及び530Bは磁石520A及び520Bの動きに応じて磁力(磁束密度)の強度変化を測定し、磁力の強度に応じた測定信号を回転測定装置412へ出力する。磁気センサ530A及び530Bは回転体510の回転に伴い得られる信号を、後に制御部402において処理しやすいようパルスを際立たせるため、特定の磁束方向のみを特に高感度で測定する仕様としてもよい。
【0077】
磁気センサ530A及び530Bと回転測定装置412とは、有線又は無線にてデータのやり取りができる仕様となっている。
【0078】
磁気センサ530A及び530Bは、回転体510の回転に伴う磁石520A及び520Bの回転により生じる磁力の変化を測定しやすい位置に設置することができる。例えばリール支持体514内側、ケーブルリール204を固定する梁104上又は磁力を測定するために新たに設置されたブラケット(図示せず)などの部材などを利用し設置することができる。
【0079】
磁気センサ530A及び530Bは、回転体510の回転速度のみならず回転方向も測定するため、同時に2つの磁気センサ530A及び530Bを回転体510の同一面上で、磁力の測定位置をずらして設置することができる。
図5では磁気センサの測定方向はいずれも回転体510の回転軸方向としているが、磁石の取り付け方、出力したい信号の形状などから設置位置及び測定方向を適宜変更することができる。
【0080】
図5において、磁気センサ530A及び530Bはリール支持体514の内側(回転体と対抗する側)に設置され、回転体510上に設置された磁石520A及び520Bの回転時の軌道に沿って且つ回転体の軸方向に僅かにずらすことにより磁石520A及び520Bと接触しないようにする。この位置に磁気センサ530A及び530Bを設置することにより、磁石520A及び520Bが回転体510上で1回転するごとに1回だけ、磁力の変化を測定するよう設定することができる。すなわち磁石を2つ使用する場合、回転体510が1回転すると、磁石520A及び520Bの接近による磁力の増加を2回測定することとなる。
【0081】
図5のケーブルリール204によって給電ケーブル206が巻き取られた場合(
図5中、B方向)、回転体はX方向に回転し、回転体510に取り付けられた磁石520A及び520Bも同様にX方向に回転する。これにより磁石520A及び520Bと磁気センサ530A及び530Bが周期的に接離する。これにより磁気センサ530A及び530Bにおける各々の磁力測定方向につき測定される磁力の強度が、回転体510の回転位置により変化する。
【0082】
一対の磁気センサ530A及び530Bは、それぞれの磁力測定方向で貫通した磁力の強度に応じた測定信号を回転測定装置412出力する。
【0083】
回転測定装置412では磁気センサ530A及び530Bから入力された信号を、後の処理で扱いやすい波形に変換することができる。信号の波形処理及びそれに伴う駐車装置の駆動処理については後述する。
【0084】
なお、ケーブルリール204の回転異常が生じる例としては、ケーブルリール204がロックしたり、回転体510とリール支持体514の隙間に異物が挟まるなどして回りにくくなっている状態が考えられる。パレット下降時に回転異常が生じると給電ケーブル206が正常に巻き出されず、給電ケーブル206に過大な張力が発生し、ケーブルリール204の落下やパレット108の傾きの原因となる。また、パレット108上昇時に回転異常が生じるとケーブルが十分に巻き取られず、弛んだケーブルが他の構造体や車両等に引っ掛かり、装置や車両の破損の原因となる。
【0085】
[回転測定装置及び制御部における信号処理]
回転測定装置412及び制御部402における信号処理について説明する。
【0086】
上述の磁気センサ530A及び530Bが測定する磁力(磁束密度)に基づき得られる信号は、時間に対する磁力との関係を示す。信号は回転体510の回転に伴って
図6に示す信号波形W1,W2のように周期的に変化する。詳細には1周期が180度(1回転当たり2周期)の信号波形となる。以下、本明細書中では、回転測定装置412から出力された信号をリール回転信号と呼ぶ。
【0087】
図5に示すように、一対の磁気センサ530A及び530Bを隣り合わせにして配置したので、磁気センサ530Aから出力されるリール回転信号W1と、磁気センサ530Bから出力されるリール回転信号W2との間には、
図6に示すように明確な位相差が生じる。この位相差のある信号の配列により回転体510の回転方向を判断することができる。
【0088】
なお、磁気センサ530A及び530B出力されるリール回転信号W1及びW2は
図6のように二値化された波形になっており、これは、センサ530A及び530Bが測定した磁力に閾値と設けて二値化したものである。例えば、当初センサが測定した波形が正弦波のような波形であったものに対して閾値を設けて二値化する場合、又はセンサ自体が測定する磁力につき所定の強さのみスイッチがONになり、それ以外はOFFとなることにより生じる信号を発生させる場合が該当する。また、この
図6に示されるリール回転信号の縦軸は、測定時間に対する無次元の信号強度を表している。
【0089】
図6におけるリール回転信号では、磁気センサ530Bよりも磁気センサ530Aの方が一定以上の磁力を測定するタイミングが早くなっている。この場合、回転体510はX方向に回転していることが分かる。そして測定時間に対する周期の数を測定することで、回転体の回転速度を判別することもできる。
【0090】
磁気センサ530A及び530Bはリール回転信号W1及びW2を回転測定装置412に送信する。回転測定装置412は、得られたリール回転信号を制御部402へ出力する。
【0091】
制御部402は、回転測定装置412より送信されたリール回転信号から、回転体510が回転している際の回転速度を算出し、さらに回転方向を判別する。
【0092】
回転速度が正常な範囲内であり、回転方向が正しければ、制御部402はケーブルリール204が正常に動作していると判断し、駆動停止信号を駆動部406に送信しない。
【0093】
通常、駐車装置100におけるパレット108の上昇時、下降時及び下降停止前減速区間又は停止時では、許容できる回転速度が異なる。例えば上昇時はケーブルリール204の巻き取りが遅くなると給電ケーブル206が緩んでしまうが、パレット108や他の構造体の駆動を阻害しない程度の緩みであれば問題にならない。しかし下降時にケーブルリール204の巻き出しが遅いと、直ちにパレットの傾きになどに影響する。また停止時には、ケーブルリール204の巻き取り及び巻き出しは本来行われないものであるから、波形のON/OFFの変化が生じただけでも異常な状態と判断される。
【0094】
さらに、ケーブルリール204の回転速度が早すぎる場合についても、回転異常と判断することもできる。前述の通りパレット108の移動時に、余分な給電ケーブル206を巻き取り、その長さを適切に保つため、ケーブルリール204には巻き取る方向(
図6におけるX方向)に常に張力がかかっている。従って、例えばケーブルリール204を巻出す際に回転速度が速すぎるということは、前記張力の大きさが正常でない又は磁気センサに異常が発生したこととなる。
【0095】
駐車装置100によっては、パレット108の上昇時、下降時及び下降停止前減速区間又は停止時では、通常の動きをしていてもケーブルリール204の回転速度が異なる場合がある。かかる場合は、ケーブルリール204の回転方向に応じて、回転状態の異常有無の判断基準を変える必要がある。例えば、通常の駆動時にはパレット108の上昇時の方が下降時より回転数が遅くなる場合、上昇時より下降時の方が回転速度の上限が高くなるよう設定することができる。
【0096】
制御部402は、回転速度などの変化を判断しやすいように予め定められた規則に従いリール回転信号にさらなる変換処理を施し、変換された波形信号を用いて回転異常の有無を判断することができる。
【0097】
図7A及び
図7Bは、変換処理された信号の一例である。
図7Aの上側図の波形はケーブルリール204が正常に回転している場合の波形である。下側図の波形は上側の信号波形をさらに変換させたものである。上側図の波形においては、信号強度が閾値以下となっても直ちに0とはせず、所定の時定数で減少するように処理されている。図中のSは変換された波形において別途設定された閾値であり、ケーブルリール204が正常に作動しているときは、この閾値を下回らないようになっている。
【0098】
図7Bは途中で回転が遅くなり、磁石520A及び520Bのいずれも磁気センサ530A及び530Bの近傍を一定時間通過しなかった例を示す。変換された波形(下側図)において、信号強度が減少することで閾値を下回ることとなり、これをもって制御部402はケーブルリール204において所定の回転速度が実現されていないと判断する。
【0099】
ケーブルリール204の回転異常を判断する際の波形変換処理は、パレットの108の上昇時、下降時及び下降停止前減速区間、又は停止時で異なるものとすることができる。例えばパレット上昇時、下降時及び下降停止前減速区間では、駆動停止を判断する際の閾値の値を変更させることもできるし、一定以上の磁力を際の減少曲線の傾きを変えることもできる。
【0100】
制御部402は、パレットの昇降に関する状態、例えば上昇、下降及び下降停止前減速、又は停止のいずれかの状態であるかに基づき、ケーブルリール204の回転状態の判断レベルを設定するとともにリール回転信号を変換し、変換されたリール回転信号に基づきケーブルリール204の回転状態の状態を判断することができる。パレット108昇降時に回転体510の回転方向及び/又は回転速度の異常が生じた場合には、駐車装置100の駆動を停止するなどの信号を駆動部406に出力することとなる。すなわち制御部402は、パレットの昇降に関する状態につき設定された異なる移動速度に対して設定された異なる閾値について、それらの閾値の範囲外となる回転異常が検知された場合は、駆動停止などの所定の制御を行うことができる。
【0101】
[ケーブルリールの回転速度測定に基づく駆動処理]
図8は、本実施形態に係る駐車装置100においてケーブルリール204の回転速度を測定した際の制御部402の処理を説明するためのフローチャートである。
【0102】
この処理は駐車装置100に電力が供給されており、パレット呼び出し(開扉)動作と閉扉動作により開始される。
【0103】
操作盤214からの指示により、対象となる車両Vを出庫又は入庫させるために必要なパレット108を駆動させる信号をパレット駆動装置410に送信する(ステップS101)。
【0104】
パレット108が動き始めると、制御部402は回転測定装置412よりリール回転信号を受信する(ステップS102)。パレット108の駆動方向に対しケーブルリール204の回転方向が正常で(ステップS103;Yes)、回転速度も正常な場合(ステップS104;Yes)は、パレット108が上昇停止位置又は下降停止位置であるか判断する。停止位置に到達していなければ停止位置に到達するまで駆動を続行し、回転測定信号を受信し続け(ステップS105;No)、定位置に到達した時点で終了する(ステップS105;Yes)。一方、パレット108を駆動している際に、ケーブルリール204の回転方向が異常である場合(ステップS103;No)は駐車装置100の駆動を停止する信号を駆動部406に送信し(ステップS106)、ケーブルリール204の回転方向が正常であっても(ステップS103;Yes)、回転速度が異常である場合は(ステップS104;No)、駐車装置100の駆動を停止する信号を駆動部406に送信する(ステップS106)。駆動を停止させる異常発生原因の対策が終了した後、所定の駆動を再開する信号を受信するまで待機する(ステップS107;No)。駆動再開の信号を受信した場合は(ステップS107;Yes)、パレット駆動信号を送信する(ステップS101)。
【0105】
<変形例>
以下、本発明の駐車装置の変形例を説明する。
【0106】
[変形例1]
上述した実施形態は4階建ての立体駐車場について説明しているが、駐車場は5階建て以上でも、3階建て以下でもよい。また給電ケーブルやケーブルリールを利用できる駐車装置100であれば、例えば1階建ての駐車場にも適用することとできる。
【0107】
[変形例2]
上述した実施態様では、ケーブルリール204の回転異常を検知した場合、直ちに駐車装置100の駆動を止めることとしたが、駐車装置100の駆動を止めず、パレット108及び横行台車110の移動を止めるだけとすることもできる。又は警告音、音声ガイダンス、発光体点灯などによる報知のみとしてもよく、通信で管理者などへ連絡することのみとしてもよく、充電装置202への電力供給を停止してもよく、又はこれらと駐車装置100の駆動停止を一緒に行ってもよい。
【0108】
[変形例3]
本発明の回転測定装置412におけるセンサ530A及び530Bは他方式を含めた磁気センサに限られず、光センサ、レーザーセンサなどの非接触式センサ、又は接触式のセンサのいずれも使用できる。
また、レーザードップラーセンサーを、ケーブルリール表面あるいはケーブル表面にあててケーブルリールの回転速度、あるいはケーブルの移動速度を測定することもできる。
【0109】
[変形例4]
上述した実施態様では、パレット108の昇降に応じてケーブルリール204の回転速度及び回転方向の両方を判断しているが、センサを1つにして回転速度のみからケーブルリール204の異常を判断してもよい。
【0110】
[変形例5]
上述した実施態様では、制御部402が回転測定装置412から回転速度の異常信号を受信すると、制御部402は直ちに駐車装置100の駆動を停止する旨の信号を駆動部406に出力し、駐車装置100の駆動を停止していた。しかし、制御部402が例えば装置100のブレーカー(図示せず)を落とすことにより、駐車装置100への電源の供給を停止させる仕様としてもよい。
【0111】
[変形例6]
上述した実施態様では、ケーブルリール204の回転速度が遅い場合につき例示したが、回転速度が速すぎる場合の異常については、上下限用の波形変換回路を用いて(上下限閾値を設定して)速度の異常を判断することができる。
【符号の説明】
【0112】
100:駐車装置、 102:支柱、 104:梁、 106:ゲート、 108:パレット、 110:横行台車、 112:駆動輪、114:床部、 116:歯車、118:チェーン、 202:充電装置、 204:ケーブルリール、 206:給電ケーブル、 208:ガイド部材、302:電源装置、 304:電源側給電ケーブル、 306:接続部、 400:制御装置、 402:制御部、 404:記憶部、 406:駆動部、 408:ゲート駆動装置、 410:パレット駆動装置、 412:回転測定装置、 414:報知部、504:ガイド部材、 508:支持部材、 510:回転体、512:回転軸、514:リール支持体、520:磁石、530:磁気センサ
【要約】
【課題】充電中にパレットが移動する駐車装置において、充電設備の異常を検知する
【解決手段】一実施形態にかかる駐車装置は、車両を載置可能なパレットと、前記パレットを移動させるパレット駆動部と、前記パレット上に設置され車両に充電を行うための充電装置と、前記充電装置に電力を供給するための給電ケーブルであって、前記パレットの昇降に連動する第1部分と、前記パレットが昇降するときに前記パレットに対する位置関係が変化し昇降しないときに前記位置関係が変化しない第2部分と、の間に接続された第1ケーブル領域を含む給電ケーブルと、前記昇降時のいずれか一方において前記第1ケーブル領域の少なくとも一部を巻き取るケーブルリールと、ケーブルリールの回転状態を測定する回転測定装置と、を備える。
【選択図】
図2