(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-26
(45)【発行日】2023-06-05
(54)【発明の名称】ハイビーム・ロービーム切り替え装置、車両ライト及び車両
(51)【国際特許分類】
F21S 41/689 20180101AFI20230529BHJP
F21S 45/435 20180101ALI20230529BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20230529BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20230529BHJP
【FI】
F21S41/689
F21S45/435
B60Q1/04 Z
F21W102:13
(21)【出願番号】P 2022513584
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2020081960
(87)【国際公開番号】W WO2021109375
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】201911229916.3
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520372939
【氏名又は名称】▲華▼域▲視▼▲覺▼科技(上▲海▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲潔▼
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02620325(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第105691287(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0022807(US,A1)
【文献】中国実用新案第209165278(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/689
F21S 45/435
B60Q 1/04
F21W 102/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光板(1)、インペラ(2)、及び前記遮光板(1)と前記インペラ(2)を正転・逆転駆動するための駆動装置(3)を備え、前記遮光板(1)と前記駆動装置(3)との間には、前記遮光板(1)の回転角度を限定するための制限手段(4)が設けられ
、前記遮光板(1)は、初期位置においてロービーム光形のカットオフラインを形成し、前記遮光板(1)を正転・反転駆動して前記ロービーム光形とハイビーム光形との切り替えを実現するためのものであり、同時に前記駆動装置(3)は、前記インペラ(2)を回転駆動して空気対流を形成し、これにより車両ライトの内部の曇りを除去し、前記車両ライトの内部を降温する、ことを特徴とするハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項2】
前記駆動装置(3)はモータ及び前記モータの駆動軸(31)に外嵌された摩擦ホイール(32)を備え、前記摩擦ホイール(32)が前記遮光板(1)と接触する、ことを特徴とする請求項1に記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項3】
前記遮光板(1)は第1の連結棒(12)が設けられた遮光板本体(11)を備え、前記摩擦ホイール(32)は前記第1の連結棒(12)と接触する、ことを特徴とする請求項2に記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項4】
前記駆動装置(3)はモータと油圧カプラーを備え、
前記油圧カプラーのポンプインペラが前記モータの駆動軸(31)に接続され、前記油圧カプラーのタービンが前記遮光板(1)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項5】
前記遮光板(1)は第2の連結棒(13)が設けられた遮光板本体(11)を備え、前記制限手段(4)は前記駆動装置(3)に設けられた制限ブロック(41)を備え、前記制限ブロック(41)には制限溝(411)が設けられ、
前記第2の連結棒(13)は前記駆動装置(3)に回転可能に接続され、且つ前記第2の連結棒(13)には、前記制限溝(411)内に配置されて前記遮光板(1)の回転角度を限定する突起(131)が設けられる、又は、
前記遮光板(1)は第2の連結棒(13)が設けられた遮光板本体(11)を備え、前記制限手段(4)は前記駆動装置(3)に設けられた2つの制限ブロック(41)を備え、2つの前記制限ブロック(41)の間には制限溝(411)が形成され、
前記第2の連結棒(13)は前記駆動装置(3)に回転可能に接続され、且つ、前記第2の連結棒(13)には、前記制限溝(411)内に配置されて前記遮光板(1)の回転角度を限定する凸起(131)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項6】
前記駆動装置(3)には、前記遮光板(1)を復位させるためのばねユニット(5)がさらに取り付けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項7】
前記ばねユニット(5)は、渦巻ばね(51)とばね受け(52)を備え、前記渦巻ばね(51)がばね受け(52)を介して前記駆動装置(3)に固定され、前記渦巻ばね(51)の自由端が前記遮光板(1)に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置を備える、ことを特徴とする車両ライト。
【請求項9】
請求項8に記載の車両ライトを備える、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ライトの技術分野に関し、具体的には、ハイビーム・ロービーム切り替え装置に関する。さらに、本発明は、上記ハイビーム・ロービーム切り替え装置を備える車両ライト及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は現代人の生活や仕事に不可欠な交通工具であり、現代人の生活や仕事に大きな便利さをもたらしている。しかし、車両には一般的に車両ライトを取り付ける必要があり、これにより、周囲の車両や運転者が自車をいち早く観察し、警告の役割を果たすことができるとともに、運転者が走行中の道路状況を観察することを可能とし、それにより交通事故の発生を減らす。
【0003】
ただし、場合によって、車両ライトの内部に水が入りやすいこともある。このとき、車両ライトの内部の光源が点灯すると、車両ライトの内部の温度が高くなり、車両ライトの内部に入った水が車両ライトの内部で曇りとなり、車両ライトの光源から放射された光が車両ライトの内部でランダムに屈折し、車両ライト全体の光形や明るさに影響を与え、運転者の視線や走行の安全性に影響を与える。
【0004】
現在、車両ライトの曇りを除去するために最も多く使われている方法は、車両ライトの内部に加熱装置を設ける方法と、車両ライトの内部に別途ファンを設置する方法との2種類の方法がある。しかし、第1の方法は車両ライトの内部の温度を過度に高くして、安全上のリスクを引き起こし、しかも、この方法は車両ライトの内部の水を加熱して蒸発させて水蒸気にするだけであり、車両ライトの内部の温度が下がると、水蒸気が液化して液体の水となり、車両ライトが再び点灯すると、曇りはまた現れて、曇りを根本的に除去することはできない。第2の方法では、取り付けられるファンにはモータも含まれているので、このファンの体積は一般的に大きく、このように設計すると、車両ライトの占めるスペースが大きくなり、取り付けコストが高くなる。
【0005】
ハイビーム・ロービーム切り替え装置は自動車用ライトの分野で広く使用されているが、現在の研究は、消費電力の低減、発熱の低減、切り替え効果の向上や切り替え時の振動の低減などに注目されている。ハイビーム・ロービーム切り替え装置による防曇効果が考えられない。
【0006】
以上に鑑み、除曇り可能なハイビーム・ロービーム切り替え装置を提供することが期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする第1の態様の技術的課題は、車両ライトの使用に影響を与えずにハイビームとロービームを順調に切り替えることができ、車両ライトの内部の曇りや水分を除去することができ、また車両ライトの放熱効果を高めることができ、そして車両ライトの占めるスペースを増大することはないハイビーム・ロービーム切り替え装置を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする第2の態様の技術的課題は、ハイビーム・ロービーム切り替え装置が車両ライトの内部の曇りや水分を除去することができ、また車両ライトの放熱効果を高めることができ、そして車両ライトの占めるスペースを増大することはない車両ライトを提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする第3の態様の技術的課題は、車両ライトがハイビームとロービームを順調に切り替えることができ、そして車両ライトの内部の曇りをなくし、車両の運転の安全性を確保できる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を解決するために、本発明の第1の態様は、遮光板、インペラ、及び前記遮光板と前記インペラを正転・逆転駆動するための駆動装置を備え、前記遮光板と前記駆動装置との間には、前記遮光板の回転角度を限定するための制限手段が設けられる。
【0011】
好ましくは、前記駆動装置はモータ及び前記モータ駆動軸に外嵌された摩擦ホイールを備え、前記摩擦ホイールが前記遮光板と接触する。
【0012】
さらに好ましくは、前記遮光板は第1の連結棒が設けられた遮光板本体を備え、前記摩擦ホイールは前記第1の連結棒と接触する。
【0013】
好ましくは、前記駆動装置はモータと油圧カプラーを備え、
前記油圧カプラーのポンプインペラが前記モータの駆動軸に接続され、前記油圧カプラーのタービンが前記遮光板に接続される。
【0014】
さらに好ましくは、前記遮光板は第2の連結棒が設けられた遮光板本体を備え、前記制限手段は前記駆動装置に設けられた制限ブロックを備え、前記制限ブロックには制限溝が設けられ、
前記第2の連結棒は前記駆動装置に回転可能に接続され、且つ前記第2の連結棒には、前記制限溝内に配置されて前記遮光板の回転角度を限定する突起が設けられる。
【0015】
さらに好ましくは、前記遮光板は第2の連結棒が設けられた遮光板本体を備え、前記制限手段は前記駆動装置に設けられた2つの制限ブロックを備え、2つの前記制限ブロックの間には制限溝が形成され、
前記第2の連結棒は前記駆動装置に回転可能に接続され、且つ、前記第2の連結棒には、前記制限溝内に配置されて前記遮光板の回転角度を限定する突起が設けられる。
【0016】
さらに好ましくは、前記駆動装置には、前記遮光板を復位させるためのばねユニットがさらに取り付けられる。
【0017】
さらに好ましくは、前記ばねユニットは、渦巻ばねとばね受けを備え、前記渦巻ばねがばね受けを介して前記駆動装置に固定され、前記渦巻ばねの自由端が前記遮光板に接続される。
【0018】
第2の態様によれば、本発明は、上記第1の態様のいずれかの技術案に記載のハイビーム・ロービーム切り替え装置を備える車両ライトを提供する。
【0019】
第3の態様によれば、本発明は、上記第2の態様のいずれかの技術案に記載の車両ライトを備える車両を提供する。
【発明の効果】
【0020】
上記技術案によれば、本発明のハイビーム・ロービーム切り替え装置は、駆動装置によってインペラを回転制御して空気対流を形成することで、ファンのような作用を果たし、車両ライトの内部の曇りを除去し、そして、空気対流によって車両ライトの内部の放熱効果を高めることができる。本発明のハイビーム・ロービーム切り替え装置は、駆動装置によって遮光板を正転・逆転させることでハイビーム・ロービームを切り替え、そして、制限手段によって遮光板の回転角度を限定することができ、このように、ハイビーム・ロービームを切り替えるとともに、過度の回転角度による遮光板の復位への悪影響を防止する。本発明のハイビーム・ロービーム切り替え装置は、車両ライト全体の体積を増大することなく、車両ライトの内部の曇りを除去するとともに、車両ライトの放熱効果を高めることができる。
【0021】
本発明の他の利点及び好適な実施形態の技術的効果について、以下の特定の実施形態にてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の1つの視角からの構造模式図である。
【
図2】本発明の一実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の別の視角からの構造模式図である。
【
図3】本発明の一実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の1つの視角からの側面図である。
【
図4】本発明の別の実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の1つの視角からの側面図である。
【
図5】本発明の一実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の別の視角からの側面図である。
【
図6】本発明の一実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の部分模式図である。
【
図7】本発明の別の実施例におけるハイビーム・ロービーム切り替え装置の部分模式図である。
【
図8】本発明の一実施例におけるばねユニットの構造模式図である。
【
図9】本発明の一実施例における制限手段の構造模式図である。
【
図10】本発明の別の実施例における制限手段の構造模式図である。
【
図11】本発明の一実施例における遮光板の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の特定実施形態を詳細に説明する。なお、ここで説明する特定実施形態は、本発明を説明して解釈するために過ぎず、本発明を制限するものではない。
【0024】
なお、本発明の説明において、別に明確な規定や限定がない限り、用語「接続」、「連結」は広義に理解すべきであり、たとえば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、一体に接続されてもよい。直接接続されてもよく、中間物を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部が連通するか又は2つの素子が相互に作用してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な定義を理解できる。
【0025】
本発明の基本的な実施形態では、
図1~
図5に示すように、本発明は、ハイビーム・ロービーム切り替え装置を提供し、該ハイビーム・ロービーム切り替え装置は、遮光板1、インペラ2、及び前記遮光板1と前記インペラ2を正転・逆転駆動するための駆動装置3を備え、前記遮光板1と前記駆動装置3との間には、前記遮光板1の最大回転角度を限定するための制限手段4が設けられる。
【0026】
具体的には、前記インペラ2は前記駆動装置3の駆動軸31に接続され、前記駆動装置3が作動すると、前記駆動軸31は前記インペラ2を回転駆動し、空気対流を形成して車両ライトの内部の曇りを除去する。
【0027】
もちろん、ここで正転と反転は相対的なものであり、特に限定がなく、インペラ2に対向する場合、インペラ2の時計回りを正転、反時計回りを反転とするようにしてもよい。ただし、具体的には、正転によりハイビーム光形が形成されるか、ロービーム光形が形成されるかについては、ハイビーム・ロービームライトの取り付けの上下位置、遮光板1の初期位置の設定などを考慮する必要があり、ここでは、取り付けスタッフが実際の取り付け状況に応じて決定する。以下、正転によりハイビームが形成され、反転によりロービームが形成される場合を例とする。
【0028】
上記基本形態に係るハイビーム・ロービーム切り替え装置が作動する際に、遮光板1が初期位置にあるとき、前記車両ライトはロービーム光形を形成し、遮光板1にロービーム光形のカットオフラインが形成され、このとき、ハイビーム光形に切り替える場合、駆動装置3によって遮光板1を正転駆動するだけでよく、制限手段は遮光板1の回転の最大角度を限定し、遮光板1がハイビーム光形を形成するのに適切な位置にあるようにすることができ、このとき、駆動装置3は、同時にインペラ2を正転駆動して空気対流を形成することで、車両ライトの内部の曇りを除去することができる。再度ロービーム光形に切り替える場合、駆動装置3によって遮光板1を反転し、制限手段は遮光板1を初期位置に回復させ、ロービーム光形を形成できるようにし、遮光板1にはロービーム光形のカットオフラインが形成され、このとき、駆動装置3は、同時にインペラ2を反転駆動して空気対流を形成することで、車両ライトの内部の曇りを除去することができる。
【0029】
上記基本形態に係るハイビーム・ロービーム切り替え装置は、素子の光を切り替えるとともに、インペラ2の正転又は反転によって空気対流を形成して、車両ライトの内部の曇りを除去することができ、そして、車両ライトの内部を降温することもでき、また、車両ライト全体の体積を増大することはない。
【0030】
前記駆動装置3によって前記遮光板1を正転・逆転駆動する方式が多数あり、具体的には、
図7に示すように、前記駆動装置3は、モータ及び前記モータ駆動軸31に外嵌された摩擦ホイール32を備え、前記摩擦ホイール32は前記遮光板1と接触する。モータの駆動軸31は摩擦ホイール32を回転駆動し、次に回転している摩擦ホイール32と遮光板1との間の滑り摩擦力により遮光板1が回転駆動され、もちろん、このとき、遮光板1と摩擦ホイール32との間の滑り摩擦は遮光板1を回転駆動するのに適しており、このように設計すると、遮光板1が固定位置に至った後の、摩擦ホイール32と遮光板1との間の摩擦による内部エネルギーの損失を低減できる。
【0031】
より具体的には、
図11に示すように、前記遮光板1は第1の連結棒12が取り付けられた遮光板本体11を備え、前記摩擦ホイールは前記第1の連結棒12と接触する。
【0032】
さらに具体的には、前記遮光板本体11は、円弧状板部と直線状板部を含み、前記円弧状板部のラジアンがモータ周りの回転に影響を与えないように設定され、直線状板部は、一端が円弧状板部に連結され、他端がカットオフライン構造14として形成される。
【0033】
具体的には、前記駆動装置3は、モータと油圧カプラーを含み、前記油圧カプラーのポンプインペラが前記モータの駆動軸31に接続され、前記油圧カプラーのタービンが前記遮光板1に接続される。前記駆動装置3は、ポンプインペラとタービンとの間の液体及びタービンとポンプインペラのブレードの相互作用による角運動量の変化を通じてトルクを伝達し、それにより遮光板1を回転駆動する。
【0034】
前記制限手段には、制限機能を実現し得る構造が複数あり、本発明の一実施例では、
図3、
図9及び
図11に示すように、前記遮光板1は、第2の連結棒13が取り付けられた遮光板本体11を備え、前記制限手段4は、前記駆動装置3に取り付けられた制限ブロック41を備え、前記制限ブロック41には制限溝411が開けられ、前記第2の連結棒13は前記駆動装置3に回転可能に接続され、前記第2の連結棒13には、前記制限溝411内に配置されて前記遮光板1の最大回転角度を限定する突起131が設けられる。
【0035】
本発明の別の実施例では、
図4、
図10及び
図11に示すように、前記遮光板1は、第2の連結棒13が設けられた遮光板本体11を備え、前記制限手段4は、前記駆動装置3に設けられた2つの制限ブロック41を備え、2つの前記制限ブロック41の間には制限溝411が形成され、前記第2の連結棒13は前記駆動装置3に回転可能に接続され、前記第2の連結棒13には、前記制限溝411内に配置されて前記遮光板1の最大回転角度を限定する突起131が設けられる。
【0036】
遮断板の移動をさらに制限するか、又は駆動装置3に通電しないときに復位させていない遮断板1が元の位置に戻ることを確保するために、前記駆動装置3には、前記遮光板1を復位させるばねユニット5がさらに取り付けられる。
【0037】
具体的には、
図8に示すように、前記ばねユニット5は、渦巻ばね51とばね受け52を備え、前記渦巻ばね51はばね受け52を介して前記駆動装置3に固定され、前記渦巻ばね51の自由端が前記遮光板1に接続される。遮光板1が元の位置から他の位置に回転するときに、前記遮光板1に接続された渦巻ばね51は引張状態であり、このとき、駆動装置3への電力の供給が遮断されると、渦巻ばね51は弾力の作用により自動的に元の位置に戻り、それと同時に、遮光板を駆動して元の位置に回復させる。
【0038】
本発明の好ましい特定実施形態では、
図1~
図3、
図8、
図9、及び
図11に示すように、前記ハイビーム・ロービーム切り替え装置は、遮光板1、インペラ2、及び駆動装置3を備え、前記駆動装置3はモータと油圧カプラーを備え、前記油圧カプラーのポンプインペラが前記モータの駆動軸31に接続され、前記油圧カプラーのタービンが前記遮光板1に接続され、前記遮光板1と前記駆動装置3との間には、前記遮光板1の最大回転角度を制御するための制限手段4が設けられ、前記遮光板1は、第2の連結棒13が取り付けれらた遮光板本体11を備え、前記制限手段4は、前記駆動装置3に設けられた制限ブロック41を備え、前記制限ブロック41には制限溝411が設けられ、前記第2の連結棒13は前記駆動装置3に回転可能に接続され、前記第2の連結棒13には、前記制限溝411内に配置されて前記遮光板1の最大回転角度を限定する突起131が設けられ、前記駆動装置3には、前記遮光板1を復位させるためのばねユニット5が設けられ、前記ばねユニット5は、渦巻ばね51とばね受け52を備え、前記渦巻ばね51がばね受け52を介して前記駆動装置3に固定され、前記渦巻ばね51の自由端が前記遮光板1に接続される。
【0039】
本発明の一部の実施例に係るハイビーム・ロービーム切り替え装置は、モータによって油圧カプラーを制御してインペラ2を回転駆動して空気対流を形成することで、ファンのような作用を果たし、それによって、車両ライトの内部の曇りを除去し、そして、車両ライトの内部の放熱効果を高めることができる。本発明では、遮光板1を回転することによってハイビーム・ロービームを切り替え、そして制限手段4によって遮光板1の回転最大角度を限定し、それにより、ハイビーム・ロービームを切り替えるとともに、過大の回転角度による遮光板1の復位への悪影響を与えることを回避することができる。本発明では、通電しない場合、次回の使用時にハイビーム・ロービーム装置を簡便に切り替えることができるように、ばねユニット5の渦巻ばね51の弾力により遮光板1を復位させる。本発明は、車両ライトの内部の曇りを除去するとともに、車両ライトの放熱効果を高め、そして車両ライト全体の体積を増大することができる。
【0040】
さらに、本発明の実施例は、上記のいずれかの実施例に係るハイビーム・ロービーム切り替え装置を備える車両ライトをさらに提供する。
【0041】
本発明の実施例は、上記実施例に記載の車両ライトを備える車両をさらに提供する。
【0042】
以上は、図面を参照しながら本発明の好適実施形態を詳しく説明するが、本発明はそれに制限されない。本発明の技術構想の範囲では、本発明の技術案に対して、各具体的な技術的特徴の任意の適切な方式の組み合わせを含む、様々な簡単な変形を行うことができる。余分な重複を回避するために、本発明では、様々な組み合わせ方式についてさらに説明しない。しかし、これらの簡単な変形及び組み合わせも本発明の開示内容とみなすべきであり、本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0043】
1 遮光板
2 インペラ
3 駆動装置
4 制限手段
5 ばねユニット
11 遮光板本体
12 第1の連結棒
13 第2の連結棒
14 カットオフライン構造
31 駆動軸
32 摩擦ホイール
41 制限ブロック
51 渦巻ばね
52 ばね受け3 駆動装置
131 突起
411 制限溝