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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ボールジョイント付きPOPパーツ
(51)【国際特許分類】
   G09F 17/00 20060101AFI20230530BHJP
   G09F 7/20 20060101ALI20230530BHJP
   F16C 11/06 20060101ALN20230530BHJP
【FI】
G09F17/00 Z
G09F7/20
F16C11/06 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019061195
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020160332
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】599151259
【氏名又は名称】株式会社東具
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 克哉
(72)【発明者】
【氏名】堀本 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敦
(72)【発明者】
【氏名】泉 雅也
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-338891(JP,A)
【文献】特開2004-129935(JP,A)
【文献】実開平06-036083(JP,U)
【文献】実開平06-076987(JP,U)
【文献】特開平10-153213(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179887(JP,U)
【文献】特開2017-109048(JP,A)
【文献】特開2007-111344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00- 7/22
G09F 17/00
F16C 11/00-11/12
A47F 5/00- 8/02
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に沿って、その一端側に雄型ボールジョイントとなる球状凸部が設けられるとともに、他端側にPOP表現のための機能を発揮させる機能実現部が設けられ、前記球状凸部は雌型ボールジョイントとなる球状凹部を有する他のPOPパーツと嵌合可能なPOPパーツであって、
前記雄型ボールジョイントの球状凸部には、前記軸線方向と直交する方向の貫通孔が形成され
前記機能実現部が前記軸線方向に沿って延設される中空パイプからなることを特徴とするPOPパーツ。
【請求項2】
軸線方向に沿って、その一端側に雄型ボールジョイントとなる球状凸部が設けられるとともに、他端側にPOP表現のための機能を発揮させる機能実現部が設けられ、前記球状凸部は雌型ボールジョイントとなる球状凹部を有する他のPOPパーツと嵌合可能なPOPパーツであって、
前記雄型ボールジョイントの球状凸部には、前記軸線方向と直交する方向の貫通孔が形成され
前記機能実現部がスタンド内にマグネットを内蔵するマグネットスタンドであるPOPパーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等での販売促進用のPOP用品に用いられるPOPパーツに関し、特に、ボールジョイントとして接続する球状の凸部を備えたPOPパーツに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等で商品やサービスを広告、宣伝、展示する際に種々のPOP用品が用いられている。汎用されているPOP用品には、カードホルダやミニのぼり等の訴求表示を行うための表示部が、スタンド、クリップ、マグネット等で陳列台等に固定するための支持部で支えられるようにして使用されるものがある。
例えば図10に示すミニのぼり100は、支持部となるスタンド101と、表示部となるのぼり旗102、および、旗竿(ロッド)103,104等からなるPOP用品であり陳列台等に載せて使用される。
【0003】
また、POP用品では、支持部に対し表示部の向きや角度を変更可能に保持するために、また、必要に応じて支持部から表示部までの長さを調整できるようにするために、支持部と表示部との中間部に、球状凸部と球状凹部とが嵌合するボールジョイントを介在させて、複数のPOPパーツ(部品)に分割し、これら複数のPOPパーツを任意に組み合わせて全体で1つのPOP用品(完成品)として使用することもなされている(特許文献1、2参照)。
【0004】
例えば特許文献1の図1に記載の「表示具」では、表示部となる「先端部材」と、支持部となる「取付部材」と、中間部として雌型ボールジョイントとなる球状凹部を2つ有する「嵌合連絡部材」と、中間部として雄型ボールジョイントとなる球状凸部を2つ有する「嵌入連絡部材」との4種類のPOPパーツ(部品)が用いられていて、これらが組み合わされて1つの「表示具」として使用されるようにしてある。この「表示具」では「先端部材」および「嵌入連絡部材」に球状凸部が形成され、「取付部材」および「嵌合連絡部材」に球状凹部が形成され、「嵌入連絡部材」と「嵌合連絡部材」との個数を増減することができ、これにより「先端部材」と「取付部材」との距離や位置や向きが自由に調整できる。
【0005】
特許文献2の図1に記載の「物品支持装置」についても同様であり、表示部となる「物品固定部」と、支持部となる「基部」と、中間部としてジョイント部(ボールジョイント)を構成する「物品姿勢変更部」とを備えていて、これらが組み合わされて1つの「物品支持装置」として使用されるようにしてある。
【0006】
このように、ボールジョイントで嵌合させるPOPパーツでは、嵌合方向となる軸線方向を有し、その軸線の少なくとも一端側に、規格化された寸法を有する雄型ボールジョイントである球状凸部又は雌型ボールジョイントである球状凹部のいずれかがジョイント部として設けられており、軸線方向に雄型ボールジョイントと雌型ボールジョイントとが挿脱できるようにしてある。雄型ボールジョイント又は雌型ボールジョイントの他端側には、それぞれのPOPパーツが分担する支持部、表示部、中間部のいずれかのPOP表現のための機能を発揮させる機能実現部が一体に延設されている。
【0007】
具体的には、機能実現部が支持部としての機能を実現させるPOPパーツではスタンド、クリップ、マグネット等の支持用パーツが設けられている。表示部としての機能を実現させるPOPパーツではロッド(例えばミニのぼりでの旗を取り付ける旗竿)、カードホルダ(例えば特許文献1の先端部材におけるクリップ体)、マグネット板(例えば特許文献2の物品固定部)等の表示用パーツが設けられている。中間部としての機能の実現させるPOP用具では、他端側にも雄型ボールジョイントである球状凸部又は雌型ボールジョイントである球状凹部が接続用パーツとして設けられている(例えば特許文献1の嵌合連絡部材、嵌入連絡部材)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実開平6-36083号公報
【文献】特開2007-111344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
POPパーツのジョイント部どうしを接続してPOP用品(完成品)に組み立てて使用するPOPパーツは、これまで雄型ボールジョイントの球状凸部と雌型ボールジョイントの球状凹部とを単に嵌合接続させて使用するだけであり使用態様が限られていた。
【0010】
本発明はボールジョイントで接続するPOPパーツでありながら、本来の機能であるボールジョイントとして接続する使用態様だけではなく、異なる態様でも使用できるようにしてPOPパーツしての汎用性を高めることにより、新たな訴求表現(POP表示)ができるようにしたり、利便性のよいボールジョイント付きのPOPパーツを提供したりすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明のボールジョイント付きPOPパーツは、
軸線方向に沿って、その一端側に雄型ボールジョイントとなる球状凸部が設けられるとともに、他端側にPOP表現のための機能を発揮させる機能実現部が設けられ、前記球状凸部は雌型ボールジョイントとなる球状凹部を有する他のPOPパーツと嵌合可能なPOPパーツであって、
前記雄型ボールジョイントの球状凸部には、前記軸線方向と直交する方向の貫通孔が形成され、前記機能実現部が前記軸線方向に沿って延設される中空パイプからなるようにしてある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、雄型ボールジョイントの球状凸部に形成された貫通孔にロッドや紐や二重リングのような別のパーツを通すことでこれらを使用したPOP表現が可能になり、雌型ボールジョイントに嵌合させてボールジョイントとして接続する通常の使用態様以外に、雄型ジョイント単独でロッド、紐、二重リングのような別パーツを用いた多種多様なPOP表現を実現することができるようになる。
【0013】
前記機能実現部が前記軸線方向に沿って延設される中空パイプであってもよい。これにより、中空パイプにロッドを挿入するとともに貫通孔にロッドを挿入することで互いに直交する2本のロッドを接続できるようになり、例えばミニのぼりの旗竿の上端に取り付けてのぼり旗を吊るす際のエンドジョイントとして用いることができるようになる。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた本発明の他の実施態様のボールジョイント付きPOPパーツは、 軸線方向に沿って、その一端側に雄型ボールジョイントとなる球状凸部が設けられるとともに、他端側にPOP表現のための機能を発揮させる機能実現部が設けられ、前記球状凸部は雌型ボールジョイントとなる球状凹部を有する他のPOPパーツと嵌合可能なPOPパーツであって、
前記雄型ボールジョイントの球状凸部には、前記軸線方向と直交する方向の貫通孔が形成され、
前記機能実現部がスタンド内にマグネットを内蔵するマグネットスタンドとしてある。
このようなマグネットスタンドを、2つ間隔を開けて配置し、それぞれの貫通孔にロッドを通して暖簾棒として用いることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態であるエンドジョイントとして使用可能なPOPパーツの構成および使用態様を示す分解図である。
図2図1のPOPパーツをボールジョイントとして使用する使用態様を示す分解図である。
図3図1のPOPパーツを用いて組み立てた「ミニのぼり」の構成を示す図である。
図4図1のPOPパーツで組み立てた他の使用態様を示す図である。
図5】本発明の他の一実施形態のPOPパーツであるマグネットジョイントの構成を示す図である。
図6図5のマグネットジョイントを暖簾として使用するときの使用態様を示す図である。
図7】本発明の他の一実施形態のPOPパーツであるジョイント付きクリップ体を示す図である。
図8】本発明の他の一実施形態のPOPパーツであるジョイント付きカードホルダを示す図である。
図9】本発明の他の一実施形態の施形態のPOPパーツであるダブル雄型ボールジョイントを示す図である。
図10】従来から使用されているPOP用品である「ミニのぼり」の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のPOPパーツについて図面に基づいて説明する。本発明のPOPパーツは、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリカーボネート、アクリル、ポリオキシメチレン等の合成樹脂材を素材として射出成型等によって製造することができる。
【0017】
(エンドジョイント型POPパーツ)
図1図2図3は、本発明の一実施形態であって「ミニのぼり」での旗竿(ロッド)の先端に装着するPOPパーツ(エンドジョイントと称する)として、またボールジョイントとして使用可能なPOPパーツの構成を示す図であり、図1はエンドジョイントとして使用する態様を示す分解図であり、図2はボールジョイントとして使用する態様を示す分解図であり、図3は「ミニのぼり」として組み立てた図である。
【0018】
図1に示すように、エンドジョイント10(A)は、球体11と、球体11の軸線Xに沿って外周面(球面)から一方向に延びる中空パイプ12とが一体成形された形状をしている。球体11にはその軸線X方向と直交する方向に貫通孔13が設けてあり、中空パイプ12にロッド14、貫通孔13にロッド15を嵌挿することができるようにしてある。
【0019】
また、図2に示すようにエンドジョイント10(B)をボールジョイントとして使用する場合は、球状凸部が一体成形された支持用POPパーツであるスタンドジョイント21と、雌型ボールジョイントとなる球状凹部が両端に設けられた接続用POPパーツであるダブル雌型接続ジョイント22とを用いる。
すなわち、スタンドジョイント21の球状凸部に対し、その(嵌合方向となる)軸線Xに沿ってダブル雌型接続ジョイント22を取り付けるとともに、ダブル雌型接続ジョイント22の他方の球状凹部に対し、エンドジョイント10(B)も(嵌合方向となる)軸線Xに沿って取り付ける。なおエンドジョイント10(B)の球体11は雄型ボールジョイントとして、ダブル雌型接続ジョイント22の球状凹部(例えば球径7mm)に嵌合できるように、その球径寸法も同径に規格化されている。この使用態様のときは中空パイプ12のみにロッド14を嵌挿して使用する。
【0020】
これにより、図3に示すように同形の2つのエンドジョイント10(A)、10(B)を別々の態様で使用し、ロッド14、ロッド15にのぼり旗16を吊るすことにより、POP用品(完成品)としてのミニのぼりが形成される。
【0021】
また、図4は上述したエンドジョイント10を多数個用いて組み立てたツリー状スタンドを示す図である。このツリー状スタンドはスタンドジョイント21、ダブル雌型接続ジョイント22、複数のエンドジョイント10、枝となる複数のロッド14、幹となるロッド15からなるPOPパーツによって構成される。
【0022】
ダブル雌型ジョイント22に接続されるエンドジョイント10(B)は、雄型ボールジョイント本来の使用態様で使用され、他のエンドジョイント10(A)は、幹となるロッド15から枝となるロッド14を分岐させるために使用され、ロッド14およびロッド15の末端をエンドジョイント10(A)の球体11で丸くするために使用される。このようにエンドジョイント10を異なる態様で使用することで新たな訴求表現(POP表示)ができるようになる。
【0023】
(マグネットジョイント型パーツ)
図5は本発明の他の一実施形態であるマグネットジョイント30の構成を示す図である。マグネットジョイント30は、ベースブロック31の上面中央に雄型ボールジョイントとなる球体32が一体成形された支持用POPパーツである。ベース31の下面側には磁石33が内蔵されており、鉄壁等に磁着できるようにしてある。球体32には嵌合方向となる軸線Xと直交する方向に貫通孔34が形成され、貫通孔34にロッド35を挿入することができるようにしてある。
マグネットジョイント30の球体32をボールジョイントとして使用する場合は、図2で説明したスタンドジョイント21と同様に、例えばダブル雌型ジョイント22を接続して使用することができるものであり説明を省略する。
【0024】
一方、図6は、表示部としての「暖簾」を支持するために、マグネットジョイント30を支持用パーツとして使用する態様を示す図である。
2つのマグネットジョイント30が鉄製の壁面W(天井あるいは側壁)に、間隔を開けて磁着され、それぞれの貫通孔34に1本のロッド14の両端近傍を嵌挿するようにして「暖簾棒」とし、これに暖簾35を吊り下げるようにして使用する。
【0025】
以上、実施例について説明したが、本発明は上記のPOPパーツに限られず、雄型ボールジョイントを有する従来からの種々のPOPパーツに適用できる。例えば図7に示すようなジョイント付きクリップ体41、図8に示すようなジョイント付きカードホルダ42、図9に示すようなダブル雄型ボールジョイント43にも使用することができる。
また、上記実施形態では貫通孔にロッドを挿入するPOP表現を示したが、パーツによっては紐や二重リングを通して使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、雄型ボールジョイントとして接続する球状の凸部を備えたPOPパーツに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0027】
10 エンドジョイント
11 球体
12 中空パイプ
13 貫通孔
14 長ロッド
15 短ロッド
16 のぼり旗
21 スタントジョイント
22 ダブル雌型接続ジョイント
30 マグネットジョイント
31 ベースブロック
32 球体
33 マグネット
34 貫通孔
35 暖簾
41 ジョイント付きクリップ体
42 ジョイント付きカードホルダ
43 ダブル雄型ボールジョイント

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10