(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム、電子カルテシステムのレポート開封制御方法およびレポート開封制御システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20230530BHJP
【FI】
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2019002628
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】陳 馨
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-189980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閲覧要求元となるユーザを識別する第1のユーザIDを含む、患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、
前記患者の担当医を
識別するユーザIDと、前記レポートの開封権限を有する
職種を示す情報とを対応付けて記憶する
第1の記憶部を参照して、受け付けた前記閲覧要求
に含まれる前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザであるか否かを判断し、
前記第1のユーザIDと対応付けて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの職種を示す情報を記憶する第2の記憶部を参照して、前記第1の記憶部に記憶された前記レポートの開封権限を有する職種を示す情報に基づいて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記レポートの開封権限を有するか否かを判断し、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【請求項2】
前記問合せメッセージを表示する処理は、
前記レポートを開封する依頼を受け付けると、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【請求項3】
前記レポートの閲覧画面の表示を終了する指示を受け付けると、前記レポートを開封するか否かを確認する確認画面を表示する、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記問合せメッセージを表示する処理は、
前記確認画面を表示した結果、前記レポートを開封する依頼を受け付けると、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【請求項4】
前記問合せメッセージを表示する処理は、
受け付けた前記閲覧要求に応じて前記レポートの閲覧画面を表示する際に、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【請求項5】
前記第1の記憶部は、前記患者の担当医を識別するユーザIDと、前記レポートの開封権限を有する特定の職種および特定の診療科を示す情報とを対応付けて記憶し、
前記第2の記憶部は、前記第1のユーザIDと対応付けて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの職種および所属診療科を示す情報を記憶し、
前記レポートの開封権限を有するか否かを判断する処理は、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの職種が前記特定の職種であり、かつ、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの所属診療科が前記特定の診療科である場合に、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記レポートの開封権限を有すると判断し、
前記特定の診療科は、前記患者の担当医と同じ診療科である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【請求項6】
閲覧要求元となるユーザを識別する第1のユーザIDを含む、患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、
前記患者の担当医を
識別するユーザIDと、前記レポートの開封権限を有する
職種を示す情報とを対応付けて記憶する
第1の記憶部を参照して、受け付けた前記閲覧要求
に含まれる前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザであるか否かを判断し、
前記第1のユーザIDと対応付けて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの職種を示す情報を記憶する第2の記憶部を参照して、前記第1の記憶部に記憶された前記レポートの開封権限を有する職種を示す情報に基づいて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記レポートの開封権限を有するか否かを判断し、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする電子カルテシステムのレポート開封制御方法。
【請求項7】
クライアント装置と、
前記クライアント装置から
、閲覧要求元となるユーザを識別する第1のユーザIDを含む、患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、前記患者の担当医を
識別するユーザIDと、前記レポートの開封権限を有する
職種を示す情報とを対応付けて記憶する
第1の記憶部を参照して、受け付けた前記閲覧要求
に含まれる前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザであるか否かを判断し、
前記第1のユーザIDと対応付けて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザの職種を示す情報を記憶する第2の記憶部を参照して、前記第1の記憶部に記憶された前記レポートの開封権限を有する職種を示す情報に基づいて、前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記レポートの開封権限を有するか否かを判断し、
前記第1のユーザIDにより識別されるユーザが、前記患者の担当医以外のユーザと判断した場合には、前記レポートの開封権限を有すると判断したユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する情報処理装置と、
を含むことを特徴とするレポート開封制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム、電子カルテシステムのレポート開封制御方法およびレポート開封制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医師が患者を診察し、必要に応じて放射線検査や病理検査などの検査を依頼することがある。検査結果は、読影医や病理医によってレポートに記載される。依頼者である医師は、電子カルテシステムのブラウザでレポートを表示し、レポートの内容を確認する。医師がレポートを確認したか否かは、例えば、レポートが「開封」されたか否かによって判別される。
【0003】
先行技術としては、治験に使用されている薬剤に対して緊急安全性情報等があるときには、対象治験について判定医に対応する開封フラグが「0:未開封」であるかを判断し、開封フラグが「0」である場合には、緊急安全性情報等を判定医端末に通知するものがある。また、ユーザの役割と属性、データの状況変化に応じて、当該データに対しアクセス制御ルールに従いアクセス制御を実行する技術がある。また、読影レポートが作成された際、重要度の設定を基に、患者に対して緊急な対応が必要か否かを判定し、緊急な対応が必要であると判定すると、読影レポートに記入された内容を基にメッセージを作成し、そのメッセージを依頼医に送信する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-125514号公報
【文献】特開2013-114598号公報
【文献】特開2009-75927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、患者に関するレポートを担当医以外の者でも開封可能にすると、不注意でレポートが開封状態となり、担当医によるレポートの確認漏れが生じてしまうおそれがある。一方で、レポートの確認は、担当医以外の医師による確認だけで十分な場合もありえるため、担当医以外の者でもレポートを開封できるようにすることが望ましい。
【0006】
一つの側面では、本発明は、担当医以外のユーザにもレポートを開封できるようにするとともに、不注意でレポートが開封状態となるのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、受け付けた前記閲覧要求をしたユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、電子カルテシステムのレポート開封制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、担当医以外のユーザにもレポートを開封できるようにするとともに、不注意でレポートが開封状態となるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかるレポート開封制御方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、レポート開封制御システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、利用者DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、レポート管理DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その1)である。
【
図8】
図8は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その2)である。
【
図9】
図9は、警告メッセージの表示例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その3)である。
【
図11】
図11は、開封確認画面の表示例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、情報処理装置101の第1のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、情報処理装置101の第2のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14A】
図14Aは、情報処理装置101の第3のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図14B】
図14Bは、情報処理装置101の第3のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム、電子カルテシステムのレポート開封制御方法およびレポート開封制御システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるレポート開封制御方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、電子カルテシステムにおけるレポートの開封を制御するコンピュータである。電子カルテシステムは、患者の診療記録(病状、処置、経過、検査の結果など)を電子的に記録・保存・管理するシステムである。レポートは、患者に関する報告書であり、例えば、患者の検査に関するレポートである。検査としては、例えば、放射線検査、病理検査などがある。
【0012】
ここで、医療機関における検査の流れは、まず、医師は患者を診察し、必要に応じて検査(例えば、放射線検査、病理検査など)を依頼する。つぎに、読影医や病理医は、レポートに患者の検査結果を記載する。医師は、電子カルテシステムにおけるブラウザでレポートを表示し、レポートの内容を確認する。ブラウザは、患者の検査結果などのレポートを閲覧するためのソフトウェアである。
【0013】
担当医は、患者のレポートを確認することが求められる。医師がレポートを確認したか否かは、例えば、レポートが開封されたか否かで判別される。すなわち、レポートが開封状態となっていることは、医師により患者の検査結果が確認されたことの証拠となる。また、レポートが未開封の場合は、医師に注意喚起するといったことが考えられる。
【0014】
通常、患者の担当医がレポートを開封することになるが、緊急時は、担当医以外の医師がレポートの内容を確認しなければならない場合がある。このときに担当医以外の医師がレポートを確認したために、レポートが開封状態となり、本来の担当医がレポートの確認をしないという状況が生じうる。
【0015】
一方で、レポートの確認は、担当医以外の医師による確認だけで十分な場合もありえる。このため、担当医以外の者がレポートを開封できないようにしてしまうと、レポートが適切に確認されたことの証拠が残らず、無駄な確認やアラートが発生してしまうおそれがある。また、救急の場合には、非常勤医師が検査オーダを発行することがある。この場合、レポートは引き継ぎの医師が確認することが多いため、オーダ発行者(非常勤医師)以外のユーザでもレポートを開封できるようにすることが望ましい。
【0016】
そこで、本実施の形態では、担当医以外のユーザにもレポートを開封できるようにするとともに、不注意でレポートが開封状態となるのを防ぐレポート開封制御方法について説明する。以下、情報処理装置101の処理例について説明する。
【0017】
(1)情報処理装置101は、患者に関するレポートの閲覧要求を受け付ける。ここで、レポートの閲覧要求とは、レポートの内容を閲覧するための要求であり、例えば、レポートの内容を含む閲覧画面の表示を要求するものである。患者に関するレポートは、例えば、患者の検査に関するレポートである。
【0018】
図1の例では、研修医であるユーザ102からの「レポートRx」の閲覧要求を受け付けた場合を想定する。「レポートRx」は、ある患者の検査に関するレポートである。
【0019】
(2)情報処理装置101は、受け付けた閲覧要求をしたユーザが、患者の担当医以外の場合には、レポートの開封権限を有するユーザであっても、レポートの閲覧画面上に、レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する。ここで、レポートの開封権限とは、レポートを開封することができる権限である。
【0020】
レポートを開封するとは、レポートを開封状態とすることであり、例えば、レポートに対応付けて管理される開封フラグをON(値を「1」にする)にすることである。開封フラグがONの状態は、医師が患者のレポートを確認したことを示す。なお、レポートの閲覧は、開封権限を有するユーザのみできるようにしてもよいし、開封権限を有していないユーザでもできるようにしてもよい。ただし、開封権限を有していないユーザは、開封することはできない。
【0021】
レポートの開封権限を有するユーザを特定する情報は、例えば、レポートと対応付けて予め設定されている。どのような者に開封権限を与えるかは、任意に設定可能である。具体的には、例えば、レポートの開封権限を有するユーザは、特定の職種のユーザであってもよいし、特定の職種かつ担当医と同じ診療科に所属するユーザであってもよい。特定の職種は、医師、研修医、看護師などである。
【0022】
患者の担当医は、患者の診察や治療等を担当した医師である。例えば、通院している患者であれば、普段診察している医師が担当医となる。救急の場合は、非常勤医師が担当医となることがある。例えば、レポートが患者の検査に関するレポートの場合、患者の担当医は、患者の検査に関するオーダの発行者である。
【0023】
レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージは、レポートに対応する開封フラグを変更するかどうかを問い合わせるものである。例えば、問合せメッセージは、他の医師が担当する患者のレポートであることや、他の医師により依頼(オーダ発行)された検査に関するレポートであることを知らせて、レポートを開封する際の注意を促すメッセージを含む。
【0024】
図1の例では、「レポートRx」の開封権限は、職種が「医師」または「研修医」であるユーザに設定されているものとする。このため、研修医であるユーザ102は、「レポートRx」の開封権限を有する。ただし、「レポートRx」は、ユーザ102とは異なる他の医師により依頼(オーダ発行)された検査に関するレポートであり、ユーザ102は、「レポートRx」の患者の担当医ではないものとする。
【0025】
すなわち、レポートRxの閲覧要求をしたユーザ102は、レポートRxの開封権限を有し、かつ、レポートRxの患者の担当医以外のユーザである。この場合、情報処理装置101は、レポートRxの閲覧画面110上に、レポートRxを確認した状態にするか否かの問合せメッセージ120を表示する。
【0026】
ここで、閲覧画面110は、レポートRxの内容を表示する画面であり、例えば、ディスプレイ130に表示される。ディスプレイ130は、情報処理装置101が有していてもよく、また、他のコンピュータ(例えば、後述の
図2に示すクライアント装置201)が有していてもよい。
【0027】
問合せメッセージ120は、レポートRxを確認した状態にするか否かを問い合わせる、すなわち、レポートRxに対応する開封フラグを変更するかどうかを問い合わせるものである。また、問合せメッセージ120は、他の医師により依頼(オーダ発行)された検査に関するレポートであることを知らせて、レポートRxを開封する際の注意を促すメッセージを含む。
【0028】
問合せメッセージ120によれば、閲覧画面110を閲覧しているユーザ102に対して、レポートRxを正式に確認した状態にしてもよいか否かを判断する機会を与えることができる。また、レポートRxを確認した状態にするにあたり、ボタン121を選択する操作を行わせることで、一手間かかるようにすることができる。
【0029】
例えば、問合せメッセージ120に対して、ボタン121を選択すると、レポートRxを確認した状態、すなわち、開封フラグをONに変更することができる。一方、ボタン122を選択すると、レポートRxは確認した状態とはならない、すなわち、開封フラグは変更されない。
【0030】
これにより、例えば、他の医師(オーダ発行者)がレポートRxの内容を確認する必要がある場合には、レポートRxを確認した状態にしてはいけない、すなわち、レポートRxを開封してはいけないことをユーザ102に気付かせることができ、不注意でレポートRxが開封状態となるのを防ぐことができる。
【0031】
(レポート開封制御システム200のシステム構成例)
つぎに、
図1に示した情報処理装置101を含むレポート開封制御システム200のシステム構成例について説明する。レポート開封制御システム200は、医療機関における電子カルテシステムに適用される。医療機関は、例えば、病院や診療所などである。
【0032】
図2は、レポート開封制御システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、レポート開封制御システム200は、情報処理装置101と、複数のクライアント装置201と、を含む。レポート開封制御システム200において、情報処理装置101および複数のクライアント装置201は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
【0033】
ここで、情報処理装置101は、利用者DB(Database)220およびレポート管理DB230を有し、電子カルテシステムにおけるレポートの開封を制御する。例えば、情報処理装置101は、サーバである。なお、利用者DB220およびレポート管理DB230の記憶内容については、
図4および
図5を用いて後述する。
【0034】
クライアント装置201は、電子カルテシステムを利用するユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、例えば、医師、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師などの医療従事者である。例えば、クライアント装置201は、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンなどである。
【0035】
(情報処理装置101のハードウェア構成例)
図3は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0036】
ここで、CPU301は、情報処理装置101の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0037】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0038】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示したクライアント装置201)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0039】
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0040】
なお、情報処理装置101は、上述した構成部のほかに、例えば、SSD(Solid State Drive)、入力装置、ディスプレイ等を有することにしてもよい。また、情報処理装置101は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ303、ディスク304、可搬型記録媒体I/F306、可搬型記録媒体307を有していなくてもよい。また、
図2に示したクライアント装置201についても、情報処理装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、クライアント装置201は、上述した構成部のほかに、入力装置、ディスプレイを有する。
【0041】
(利用者DB220の記憶内容)
つぎに、情報処理装置101が有する利用者DB220の記憶内容について説明する。利用者DB220は、例えば、
図3に示した情報処理装置101のメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0042】
図4は、利用者DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
図4において、利用者DB220は、利用者ID、職種および所属診療科のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、利用者情報(例えば、利用者情報400-1~400-3)をレコードとして記憶する。
【0043】
ここで、利用者IDは、電子カルテシステムを利用するユーザを一意に識別する識別子である。職種は、利用者IDにより識別されるユーザの職種である。職種としては、例えば、医師、研修医、看護師、検査技師などがある。所属診療科は、利用者IDにより識別されるユーザが所属する診療科である。
【0044】
例えば、利用者情報400-1は、ユーザID「U1」のユーザの職種「医師」および所属診療科「内科」を示す。以下の説明では、ユーザIDが「U#」のユーザを「ユーザU#」と表記する場合がある(#=1,2,…)。
【0045】
(レポート管理DB230の記憶内容)
つぎに、情報処理装置101が有するレポート管理DB230の記憶内容について説明する。レポート管理DB230は、例えば、
図3に示した情報処理装置101のメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0046】
図5は、レポート管理DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、レポート管理DB230は、レポートID、依頼者、開封フラグ、開封可能職種および開封可能診療科のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、レポート管理情報(例えば、レポート管理情報500-1,500-2)がレコードとして記憶される。
【0047】
ここで、レポートIDは、レポートを一意に識別する識別子である。例えば、レポートは、患者の検査に関するレポートである。依頼者は、レポートの作成を依頼したユーザを識別するユーザIDである。例えば、依頼者は、患者の検査に関するオーダの発行者である。
【0048】
開封フラグは、レポートが開封されたか否か、すなわち、レポートが確認された状態であるか否かを示す情報である。開封フラグには、「0」または「1」が設定される。開封フラグ「0」は、レポートが未開封であることを示す。開封フラグ「1」は、レポートが開封済みであることを示す。初期状態では、開封フラグは「0」である。
【0049】
開封可能職種は、レポートの開封権限を有する職種を示す。開封可能診療科は、レポートの開封権限を有する診療科を示す。例えば、レポート管理情報500-1は、レポートID「R1」のレポートの依頼者「U1」、開封フラグ「0」、開封可能職種「医師、研修医」および開封可能診療科「内科」を示す。
【0050】
なお、図示は省略するが、レポートのデータ本体は、例えば、レポートIDと対応付けて、レポート管理DB230に記憶される。以下の説明では、レポートIDが「R#」のレポートを「レポートR#」と表記する場合がある。
【0051】
(情報処理装置101の機能的構成例)
図6は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。
図6において、情報処理装置101は、受付部601と、表示制御部602と、判断部603と、更新部604と、を含む。具体的には、例えば、受付部601~更新部604は、
図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。
【0052】
受付部601は、レポートR#の閲覧要求を受け付ける。ここで、レポートR#の閲覧要求は、レポートR#の内容を閲覧するための要求である。レポートR#は、患者に関するレポートである。例えば、レポートR#は、患者の検査(放射線検査、病理検査など)に関するレポートであり、患者の検査結果を含む。
【0053】
レポートR#の閲覧要求には、例えば、レポートR#のレポートIDと、レポートR#の閲覧要求をしたユーザ(閲覧要求元ユーザ)のユーザIDとが含まれる。以下の説明では、レポートR#の対象である患者を「患者P」と表記する場合がある。
【0054】
具体的には、例えば、受付部601は、
図2に示したクライアント装置201からレポートR#の閲覧要求を受信することにより、当該閲覧要求を受け付ける。また、例えば、受付部601は、情報処理装置101の不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により、レポートR#の閲覧要求を受け付けることにしてもよい。
【0055】
表示制御部602は、受付部601が受け付けたレポートR#の閲覧要求に応じて、レポートR#を表示する制御を行う。具体的には、例えば、表示制御部602は、
図5に示したレポート管理DB230から、レポートR#の閲覧要求に含まれるレポートIDに対応するレポート管理情報を取得する。そして、表示制御部602は、取得したレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧画面を表示する。
【0056】
ここで、レポートR#の閲覧画面は、レポートR#の内容を表示する画面である。例えば、レポートR#の閲覧要求をクライアント装置201から受け付けた場合、表示制御部602は、クライアント装置201のディスプレイ(例えば、
図1に示したディスプレイ130)に、レポートR#の閲覧画面を表示する。
【0057】
レポートR#の閲覧画面の画面例については、
図9~
図11を用いて後述する。
【0058】
判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の開封権限を有するか否かを判断する。ここで、レポートR#の開封権限とは、レポートR#を開封することができる権限である。レポートR#を開封するとは、レポートを開封状態とすることであり、例えば、レポート管理DB230内のレポート管理情報の開封フラグを「1」にすることである。すなわち、レポートR#を開封するとは、レポートR#を確認した状態とすることである。なお、レポートR#の閲覧は、レポートR#の開封権限を有していないユーザでもできるものとする。
【0059】
具体的には、例えば、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、特定の職種、または、特定の職種かつ患者Pの担当医と同じ診療科に属する場合に、レポートR#の開封権限を有すると判断する。特定の職種は、レポートR#と対応付けて任意に設定可能であり、例えば、医師、研修医、看護師などである。患者Pの担当医は、患者の診察や治療等を担当した医師である。
【0060】
なお、レポートR#の開封権限を有するか否かを判断するにあたり、「特定の職種」または「特定の職種、かつ、患者Pの担当医と同じ診療科に属する」のいずれの条件を用いるかは、任意に設定可能である。また、複数のレポートについて、共通の条件を用いることにしてもよい。
【0061】
より詳細に説明すると、例えば、判断部603は、
図4に示した利用者DB220から、レポートR#の閲覧要求に含まれる閲覧要求元ユーザのユーザIDに対応する利用者情報を取得する。そして、判断部603は、取得した利用者情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザ(閲覧要求元ユーザ)の職種および所属診療科を特定する。
【0062】
つぎに、判断部603は、取得したレポート管理情報を参照して、レポートR#に対応する開封可能職種および開封可能診療科を特定する。開封可能職種は、レポートR#の開封権限を有する職種であり、上述した特定の職種に相当する。開封可能診療科は、レポートR#の開封権限を有する診療科であり、例えば、患者Pの担当医が所属する診療科である。
【0063】
ここで、レポートR#の開封権限を有するか否かを判断するにあたり、「特定の職種、かつ、患者Pの担当医と同じ診療科に属する」という条件を用いる場合を想定する。
【0064】
この場合、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの職種が、開封可能職種であるか否かを判断する。また、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの所属診療科が、開封可能診療科であるか否かを判断する。そして、判断部603は、職種が開封可能職種であり、かつ、所属診療科が開封可能診療科である場合に、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の開封権限を有すると判断する。一方、職種が開封可能職種でない、または、所属診療科が開封可能診療科でない場合には、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の開封権限を有しないと判断する。
【0065】
また、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外のユーザであるか否かを判断する。具体的には、例えば、判断部603は、取得したレポート管理情報を参照して、レポートR#の依頼者を特定する。レポートR#の依頼者は、レポートR#の作成を依頼したユーザであり、例えば、患者Pの検査に関するオーダの発行者である。
【0066】
つぎに、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、特定したレポートR#の依頼者と同一であるか否かを判断する。ここで、レポートR#の依頼者と同一の場合、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医のユーザであると判断する。一方、レポートR#の依頼者と異なる場合、判断部603は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外のユーザであると判断する。
【0067】
表示制御部602は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の開封権限を有し、かつ、患者Pの担当医以外であると判断された場合には、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する。ここで、問合せメッセージは、レポートR#に対応する開封フラグを変更するかどうかを問い合わせるためのものである。
【0068】
問合せメッセージには、例えば、他の医師が確認すべきレポートである旨のメッセージや、他の医師により依頼(オーダ発行)された検査に関するレポートである旨のメッセージが含まれていてもよい。問合せメッセージは、例えば、レポートR#の閲覧画面上にポップアップ表示される。
【0069】
また、問合せメッセージを表示するタイミングは、任意に設定可能である。
【0070】
例えば、表示制御部602は、受け付けたレポートR#の閲覧要求に応じてレポートR#の閲覧画面を表示する際に、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示することにしてもよい。
【0071】
これにより、クライアント装置201において、ブラウザを起動してレポートR#の閲覧画面を表示したときに、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0072】
なお、レポートR#の閲覧要求に応じてレポートR#の閲覧画面を表示する際に、問合せメッセージを表示する場合の画面例については、
図7を用いて後述する。
【0073】
また、例えば、表示制御部602は、受け付けたレポートR#の閲覧要求に応じてレポートR#の閲覧画面を表示してから一定時間経過後に、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示することにしてもよい。一定時間は、任意に設定可能であり、例えば、数秒程度の時間に設定される。
【0074】
また、例えば、表示制御部602は、レポートR#を開封する依頼を受け付けた際に、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示することにしてもよい。具体的には、例えば、受付部601は、レポートR#の開封依頼を受け付ける。ここで、レポートR#の開封依頼は、レポートR#の開封を依頼するものである。
【0075】
より詳細に説明すると、例えば、受付部601は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受信することにより、当該開封依頼を受け付ける。表示制御部602は、レポートR#の開封依頼を受け付けると、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示する。
【0076】
なお、レポートR#の開封依頼に応じて、レポートR#の閲覧画面上に表示される注意メッセージの表示例については、
図8を用いて後述する。
【0077】
また、表示制御部602は、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の開封権限を有していない場合には、レポートR#の閲覧画面上に、警告メッセージを表示することにしてもよい。警告メッセージは、レポートR#の開封権限を有していないために開封できない旨のメッセージである。
【0078】
なお、レポートR#の開封依頼に応じて、レポートR#の閲覧画面上に表示される警告メッセージの表示例については、
図9を用いて後述する。
【0079】
また、例えば、表示制御部602は、レポートR#の閲覧画面の表示を終了する指示を受け付けた際に、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示することにしてもよい。具体的には、例えば、受付部601は、レポートR#の閲覧画面の表示終了指示を受け付ける。表示終了指示は、レポートR#の閲覧画面の表示を終了するよう指示するものである。表示制御部602は、レポートR#の閲覧画面の表示終了指示を受け付けると、レポートR#の開封確認画面を表示する。開封確認画面は、レポートR#を開封するか否かを確認する画面である。開封確認画面は、例えば、レポートR#の閲覧画面上にポップアップ表示される。
【0080】
より詳細に説明すると、例えば、受付部601は、クライアント装置201から表示終了指示を受信することにより、当該表示終了指示を受け付ける。表示制御部602は、クライアント装置201から閲覧画面の表示終了指示を受け付けると、クライアント装置201にレポートR#の開封確認画面を表示する。開封確認画面の画面例については、
図10を用いて後述する。
【0081】
そして、表示制御部602は、レポートR#の開封確認画面を表示した結果、レポートR#の開封依頼を受け付けると、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に問合せメッセージを表示する。
【0082】
これにより、レポートR#の閲覧画面の表示を終了するときに、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0083】
なお、レポートR#の閲覧画面の表示終了指示を受け付けた際に、問合せメッセージを表示する場合の画面例については、
図10を用いて後述する。
【0084】
更新部604は、表示制御部602がレポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示した結果、受付部601がレポートR#の開封依頼を受け付けた場合、レポートR#の開封フラグを更新する。具体的には、例えば、更新部604は、開封依頼を受け付けたレポートR#に対応するレポート管理DB230内のレポート管理情報の開封フラグに「1」を設定する。これにより、レポートR#を開封状態とすることができる。
【0085】
なお、上述した説明では、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することにしたが、これに限らない。例えば、表示制御部602は、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを、レポートR#の閲覧画面と並べて表示することにしてもよい。また、表示制御部602は、レポートR#の閲覧画面を表示中に、不図示のマイクから、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを音声出力することにしてもよい。
【0086】
(各種画面の画面例)
図7~
図11を用いて、クライアント装置201に表示される各種画面の画面例について説明する。まず、
図7を用いて、レポートR#の閲覧要求に応じてレポートR#の閲覧画面を表示する際に、レポートR#の閲覧画面上に自動で表示される問合せメッセージの表示例について説明する。また、レポートR#の開封権限を有するか否かを判断するにあたり、「特定の職種」の条件を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0087】
図7は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その1)である。
図7において、閲覧画面700は、レポートR1の内容を表示する画面である。レポートR1は、患者の検査結果(患者の断面画像)を示す。レポートR1の依頼者(患者の検査に関するオーダの発行者)は、ユーザU1である(
図4参照)。
【0088】
ここでは、レポートR1の閲覧要求をしたユーザを「ユーザU3」とする。ここで、ユーザU3の職種は、「研修医」であり(
図4参照)、レポートR1の開封可能職種「医師、研修医」に含まれる(
図5参照)。一方、ユーザU3は、レポートR1の依頼者とは異なる。すなわち、レポートR1の閲覧要求をしたユーザU3は、レポートR1の開封権限を有し、かつ、患者の担当医以外のユーザである。
【0089】
この場合、表示制御部602は、レポートR1の閲覧要求に応じて閲覧画面700を表示する際に、閲覧画面700上に問合せメッセージ701を表示する。
図7の例では、表示制御部602は、閲覧画面700上に、問合せメッセージ701を含む開封確認画面(警告)710をポップアップ表示する。問合せメッセージ701は、レポートR1を確認した状態にするか否かを問い合わせるメッセージである。
【0090】
開封確認画面(警告)710において、クライアント装置201の不図示の入力装置を用いたユーザU3の操作入力により、ボタン702を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。この結果、レポートR1の開封フラグ(レポート管理情報500-1)が「1」に更新される。一方、開封確認画面(警告)710において、ユーザU3の操作入力により、ボタン703を選択すると、レポートR1の開封依頼は送信されない。
【0091】
問合せメッセージ701によれば、レポートR1の閲覧要求をしたユーザU3は、レポートR1を自分が開封することができるものの、レポートR1が他の医師A(ユーザID:U1)の依頼によるものであることがわかる。これにより、ユーザU3が不注意でレポートR1を開封してしまうことを防ぐことができる。
【0092】
つぎに、
図8を用いて、レポートR#の開封依頼に応じて、レポートR#の閲覧画面上に表示される問合せメッセージの表示例について説明する。
【0093】
図8は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その2)である。
図8において、閲覧画面800は、レポートR1の内容を表示する画面である。ここでは、レポートR1の閲覧要求をしたユーザを「ユーザU3」とする。
【0094】
閲覧画面800において、クライアント装置201の不図示の入力装置を用いたユーザU3の操作入力により、未開封ボタン801を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。ここで、レポートR1の閲覧要求(および、開封依頼)をしたユーザU3は、レポートR1の開封権限を有し、かつ、患者の担当医以外のユーザである。
【0095】
この場合、表示制御部602は、閲覧画面800上に問合せメッセージ802を表示する。
図8の例では、表示制御部602は、閲覧画面800上に、問合せメッセージ802を含む開封確認画面(警告)810をポップアップ表示する。問合せメッセージ802は、レポートR1を確認した状態にするか否かを問い合わせるメッセージである。
【0096】
開封確認画面(警告)810において、ユーザU3の操作入力により、ボタン803を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。この結果、レポートR1の開封フラグが「1」に更新される。一方、開封確認画面(警告)810において、ユーザU3の操作入力により、ボタン804を選択すると、レポートR1の開封依頼は送信されない。
【0097】
問合せメッセージ802によれば、レポートR1の開封依頼をしたユーザU3は、レポートR1を自分が開封することができるものの、レポートR1が他の医師A(ユーザID:U1)の依頼によるものであることがわかる。これにより、ユーザU3が不注意でレポートR1を開封してしまうことを防ぐことができる。
【0098】
つぎに、
図9を用いて、レポートR#の開封依頼に応じて、レポートR#の閲覧画面上に表示される警告メッセージの表示例について説明する。
【0099】
図9は、警告メッセージの表示例を示す説明図である。
図9において、閲覧画面900は、レポートR1の内容を表示する画面である。ここでは、レポートR1の閲覧要求をしたユーザを「ユーザU2」とする。
【0100】
閲覧画面900において、ユーザU2の操作入力により、未開封ボタン901を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。ここで、レポートR1の閲覧要求(および、開封依頼)をしたユーザU2の職種は、「看護師」であり(
図4参照)、レポートR1の開封可能職種「医師、研修医」に含まれない(
図5参照)。すなわち、ユーザU2は、レポートR1の開封権限を有していない。
【0101】
この場合、表示制御部602は、閲覧画面900上に警告メッセージ902を表示する。警告メッセージ902は、レポートR1の開封権限を有していないために開封できない旨のメッセージである。警告メッセージ902によれば、レポートR1の開封依頼をしたユーザU2は、レポートR1の開封権限がないために開封できないことがわかる。
【0102】
つぎに、
図10を用いて、レポートR#の閲覧画面の表示終了指示を受け付けた際に、レポートR#の閲覧画面上に表示される問合せメッセージの表示例について説明する。
【0103】
図10は、問合せメッセージの表示例を示す説明図(その3)である。
図10において、閲覧画面1000は、レポートR1の内容を表示する画面である。ここでは、レポートR1の閲覧要求をしたユーザを「ユーザU3」とする。
【0104】
閲覧画面1000において、クライアント装置201の不図示の入力装置を用いたユーザU3の操作入力により、終了ボタン1001を選択すると、閲覧画面1000の表示終了指示がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。表示制御部602は、クライアント装置201から閲覧画面1000の表示終了指示を受け付けると、閲覧画面1000上に開封確認画面1010を表示する。
【0105】
開封確認画面1010は、レポートR1を開封するか否かを選択する画面である。これにより、閲覧画面1000の表示を終了する際に、レポートR1の開封確認を行うことができ、レポートR1の開封忘れを防止することができる。
【0106】
ただし、閲覧画面1000の表示終了指示を受け付けた際に、レポートR1の開封フラグが「1」となっている場合には、開封確認画面1010を表示しないことにしてもよい。すなわち、レポートR1が開封済みの場合は、レポートR1の開封確認を行わない。
【0107】
開封確認画面1010において、ユーザU3の操作入力により、ボタン1011を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。一方、開封確認画面1010において、ユーザU3の操作入力により、ボタン1012を選択すると、レポートR1の開封依頼は送信されない。
【0108】
ここでは、開封確認画面1010において、ボタン1011が選択された場合を想定する。ここで、レポートR1の閲覧要求(および、開封依頼)をしたユーザU3は、レポートR1の開封権限を有し、かつ、患者の担当医以外のユーザである。
【0109】
この場合、表示制御部602は、開封確認画面1010の表示を終了して、閲覧画面1000上に、問合せメッセージ1021を含む開封確認画面(警告)1020をポップアップ表示する。問合せメッセージ1021は、レポートR1を確認した状態にするか否かを問い合わせるメッセージである。
【0110】
開封確認画面(警告)1020において、ユーザU3の操作入力により、ボタン1022を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。この結果、レポートR1の開封フラグが「1」に更新される。一方、開封確認画面(警告)1020において、ユーザU3の操作入力により、ボタン1023を選択すると、レポートR1の開封依頼は送信されない。
【0111】
問合せメッセージ1021によれば、レポートR1の開封依頼をしたユーザU3は、レポートR1を自分が開封することができるものの、レポートR1が他の医師A(ユーザID:U1)の依頼によるものであることがわかる。これにより、ユーザU3が不注意でレポートR1を開封してしまうことを防ぐことができる。
【0112】
つぎに、
図11を用いて、レポートR#の閲覧画面の表示終了指示をしたユーザが、レポートR#の依頼者(患者Pの担当医)である場合に、レポートR#の閲覧画面上に表示される開封確認画面の表示例について説明する。
【0113】
図11は、開封確認画面の表示例を示す説明図である。
図11において、閲覧画面1100は、レポートR1の内容を表示する画面である。ここでは、レポートR1の閲覧要求をしたユーザを「ユーザU1」とする。ユーザU1は、レポートR1の依頼者である(
図5参照)。
【0114】
閲覧画面1100において、クライアント装置201の不図示の入力装置を用いたユーザU1の操作入力により、終了ボタン1101を選択すると、閲覧画面1100の表示終了指示がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。表示制御部602は、クライアント装置201から閲覧画面1100の表示終了指示を受け付けると、閲覧画面1100上に開封確認画面1110を表示する。
【0115】
開封確認画面1110は、レポートR1を開封するか否かを選択する画面である。これにより、閲覧画面1100の表示を終了する際に、レポートR1の開封確認を行うことができ、レポートR1の開封忘れを防止することができる。
【0116】
ただし、閲覧画面1100の表示終了指示を受け付けた際に、レポートR1の開封フラグが「1」となっている場合には、開封確認画面1110を表示しないことにしてもよい。すなわち、レポートR1が開封済みの場合は、レポートR1の開封確認を行わない。
【0117】
開封確認画面1110において、ユーザU1の操作入力により、ボタン1111を選択すると、レポートR1の開封依頼がクライアント装置201から情報処理装置101に送信される。この結果、レポートR1の開封フラグ(レポート管理情報500-1)が「1」に更新される。一方、開封確認画面1110において、ユーザU3の操作入力により、ボタン1112を選択すると、レポートR1の開封依頼は送信されない。
【0118】
このように、レポートR1の開封依頼をしたユーザU1が、レポートR1の依頼者であれば、レポートR1の開封依頼をした際に問合せメッセージは表示されず、レポートR1は開封されることになる。
【0119】
(情報処理装置101のレポート開封制御処理手順)
つぎに、情報処理装置101のレポート開封制御処理手順について説明する。
【0120】
まず、
図12を用いて、情報処理装置101の第1のレポート開封制御処理手順について説明する。第1のレポート開封制御処理は、レポートR#の閲覧画面を表示する際に、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを自動表示する場合の処理である。
【0121】
図12は、情報処理装置101の第1のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の閲覧要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1201)。
【0122】
ここで、情報処理装置101は、レポートR#の閲覧要求を受け付けるのを待つ(ステップS1201:No)。そして、情報処理装置101は、レポートR#の閲覧要求を受け付けた場合(ステップS1201:Yes)、レポート管理DB230から、レポートR#の閲覧要求に含まれるレポートIDに対応するレポート管理情報を取得する(ステップS1202)。
【0123】
つぎに、情報処理装置101は、取得したレポート管理情報を参照して、クライアント装置201にレポートR#の閲覧画面を表示する(ステップS1203)。つぎに、情報処理装置101は、利用者DB220から、レポートR#の閲覧要求に含まれる閲覧要求元ユーザのユーザIDに対応する利用者情報を取得する(ステップS1204)。
【0124】
そして、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の依頼者と同一であるか否かを判断する(ステップS1205)。
【0125】
ここで、レポートR#の依頼者と同一の場合(ステップS1205:Yes)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面を表示して(ステップS1206)、ステップS1210に移行する。なお、ステップS1206において表示される開封確認画面は、例えば、
図11に示したような開封確認画面1110である。
【0126】
一方、レポートR#の依頼者と異なる場合(ステップS1205:No)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの職種が、開封可能職種であるか否かを判断する(ステップS1207)。
【0127】
ここで、職種が開封可能職種ではない場合(ステップS1207:No)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、職種が開封可能職種の場合(ステップS1207:Yes)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの所属診療科が、開封可能診療科であるか否かを判断する(ステップS1208)。
【0128】
ここで、所属診療科が開封可能診療科ではない場合(ステップS1208:No)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、所属診療科が開封可能診療科の場合(ステップS1208:Yes)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面(警告)を表示する(ステップS1209)。
【0129】
なお、ステップS1209において表示される開封確認画面(警告)は、例えば、
図7に示したような開封確認画面(警告)710である。また、ステップS1207およびステップS1208の処理は、いずれか一方の処理だけ実行することにしてもよい。
【0130】
つぎに、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受け付けたか否かを判断する(ステップS1210)。ここで、レポートR#の開封依頼を受け付けなかった場合(ステップS1210:No)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0131】
一方、レポートR#の開封依頼を受け付けた場合(ステップS1210:Yes)、情報処理装置101は、レポート管理DB230内のレポートR#の開封フラグに「1」を設定して(ステップS1211)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0132】
これにより、クライアント装置201において、ブラウザを起動してレポートR#の閲覧画面を表示した際に、レポートR#の開封確認を行うことができる。この際、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外であれば、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0133】
なお、ステップS1202において取得されたレポート管理情報の開封フラグが「1」の場合は、情報処理装置101は、ステップS1204以降の処理を行わないことにしてもよい。
【0134】
つぎに、
図13を用いて、情報処理装置101の第2のレポート開封制御処理手順について説明する。第2のレポート開封制御処理は、レポートR#の閲覧画面においてレポートR#の開封依頼(未開封ボタンの押下)が行われた際に、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する場合の処理である。
【0135】
図13は、情報処理装置101の第2のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の閲覧要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1301)。
【0136】
ここで、情報処理装置101は、レポートR#の閲覧要求を受け付けるのを待つ(ステップS1301:No)。そして、情報処理装置101は、レポートR#の閲覧要求を受け付けた場合(ステップS1301:Yes)、レポート管理DB230から、レポートR#の閲覧要求に含まれるレポートIDに対応するレポート管理情報を取得する(ステップS1302)。
【0137】
つぎに、情報処理装置101は、取得したレポート管理情報を参照して、クライアント装置201にレポートR#の閲覧画面を表示する(ステップS1303)。つぎに、情報処理装置101は、利用者DB220から、レポートR#の閲覧要求に含まれる閲覧要求元ユーザのユーザIDに対応する利用者情報を取得する(ステップS1304)。
【0138】
そして、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受け付けたか否かを判断する(ステップS1305)。ここで、レポートR#の開封依頼を受け付けるのを待つ(ステップS1305:No)。
【0139】
そして、情報処理装置101は、レポートR#の開封依頼を受け付けた場合(ステップS1305:Yes)、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の依頼者と同一であるか否かを判断する(ステップS1306)。
【0140】
ここで、レポートR#の依頼者と同一の場合(ステップS1306:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1312に移行する。
【0141】
一方、レポートR#の依頼者と異なる場合(ステップS1306:No)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの職種が、開封可能職種であるか否かを判断する(ステップS1307)。
【0142】
ここで、職種が開封可能職種ではない場合(ステップS1307:No)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、レポートR#の開封権限を有していないために開封できない旨の警告メッセージを表示して(ステップS1308)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0143】
一方、職種が開封可能職種の場合(ステップS1307:Yes)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの所属診療科が、開封可能診療科であるか否かを判断する(ステップS1309)。
【0144】
ここで、所属診療科が開封可能診療科ではない場合(ステップS1309:No)、情報処理装置101は、ステップS1308に移行する。一方、所属診療科が開封可能診療科の場合(ステップS1309:Yes)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面(警告)を表示する(ステップS1310)。
【0145】
なお、ステップS1310において表示される開封確認画面(警告)は、例えば、
図7に示したような開封確認画面(警告)710である。また、ステップS1307およびステップS1309の処理は、いずれか一方の処理だけ実行することにしてもよい。
【0146】
つぎに、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受け付けたか否かを判断する(ステップS1311)。ここで、レポートR#の開封依頼を受け付けなかった場合(ステップS1311:No)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0147】
一方、レポートR#の開封依頼を受け付けた場合(ステップS1311:Yes)、情報処理装置101は、レポート管理DB230内のレポートR#の開封フラグに「1」を設定して(ステップS1312)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0148】
これにより、クライアント装置201に表示されたレポートR#の閲覧画面において、レポートR#の開封依頼(未開封ボタンの押下)があった際に、レポートR#の開封依頼をしたユーザが、患者Pの担当医以外であれば、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0149】
つぎに、
図14Aおよび
図14Bを用いて、情報処理装置101の第3のレポート開封制御処理手順について説明する。第3のレポート開封制御処理は、レポートR#の閲覧画面の表示を終了する際に、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する場合の処理である。ここでは、クライアント装置201からのレポートR#の閲覧要求に応じて、クライアント装置201にレポートR#の閲覧画面が表示中である場合を想定する。
【0150】
図14Aおよび
図14Bは、情報処理装置101の第3のレポート開封制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14Aのフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の閲覧画面の表示終了指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS1401)。
【0151】
ここで、情報処理装置101は、表示終了指示を受け付けるのを待つ(ステップS1401:No)。そして、情報処理装置101は、表示終了指示を受け付けた場合(ステップS1401:Yes)、レポート管理DB230から、レポートR#の閲覧要求に含まれるレポートIDに対応するレポート管理情報を取得する(ステップS1402)。
【0152】
つぎに、情報処理装置101は、取得したレポート管理情報を参照して、開封フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS1403)。ここで、開封フラグが「1」の場合(ステップS1403:No)、情報処理装置101は、
図14Bに示すステップS1414に移行する。
【0153】
一方、開封フラグが「0」の場合(ステップS1403:Yes)、情報処理装置101は、利用者DB220から、レポートR#の閲覧要求に含まれる閲覧要求元ユーザのユーザIDに対応する利用者情報を取得する(ステップS1404)。なお、レポートR#の閲覧要求は、レポートR#閲覧画面を表示するにあたり、クライアント装置201から受け付けたものである。
【0154】
そして、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザが、レポートR#の依頼者と同一であるか否かを判断する(ステップS1405)。
【0155】
ここで、レポートR#の依頼者と同一の場合(ステップS1405:Yes)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面を表示して(ステップS1406)、
図14Bに示すステップS1412に移行する。なお、ステップS1406において表示される開封確認画面は、例えば、
図11に示したような開封確認画面1110である。
【0156】
一方、レポートR#の依頼者と異なる場合(ステップS1405:No)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの職種が、開封可能職種であるか否かを判断する(ステップS1407)。
【0157】
ここで、職種が開封可能職種ではない場合(ステップS1407:No)、情報処理装置101は、
図14Bに示すステップS1414に移行する。一方、職種が開封可能職種の場合(ステップS1407:Yes)、情報処理装置101は、取得した利用者情報およびレポート管理情報を参照して、レポートR#の閲覧要求をしたユーザの所属診療科が、開封可能診療科であるか否かを判断する(ステップS1408)。
【0158】
ここで、所属診療科が開封可能診療科ではない場合(ステップS1408:No)、情報処理装置101は、
図14Bに示すステップS1414に移行する。一方、所属診療科が開封可能診療科の場合(ステップS1408:Yes)、情報処理装置101は、
図14Bに示すステップS1409に移行する。
【0159】
なお、ステップS1407およびステップS1408の処理は、いずれか一方の処理だけ実行することにしてもよい。
【0160】
図14Bのフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面を表示する(ステップS1409)。なお、ステップS1409において表示される開封確認画面は、例えば、
図11に示したような開封確認画面1110である。
【0161】
つぎに、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受け付けたか否かを判断する(ステップS1410)。ここで、レポートR#の開封依頼を受け付けなかった場合(ステップS1410:No)、情報処理装置101は、ステップS1414に移行する。
【0162】
一方、レポートR#の開封依頼を受け付けた場合(ステップS1410:Yes)、情報処理装置101は、クライアント装置201に表示したレポートR#の閲覧画面上に、開封確認画面(警告)を表示する(ステップS1411)。なお、ステップS1411において表示される開封確認画面(警告)は、例えば、
図7に示したような開封確認画面(警告)710である。
【0163】
つぎに、情報処理装置101は、クライアント装置201からレポートR#の開封依頼を受け付けたか否かを判断する(ステップS1412)。ここで、レポートR#の開封依頼を受け付けなかった場合(ステップS1412:No)、情報処理装置101は、ステップS1414に移行する。
【0164】
一方、レポートR#の開封依頼を受け付けた場合(ステップS1412:Yes)、情報処理装置101は、レポート管理DB230内のレポートR#の開封フラグに「1」を設定する(ステップS1413)。そして、情報処理装置101は、レポートR#の閲覧画面の表示を終了して(ステップS1414)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0165】
これにより、クライアント装置201に表示されたレポートR#の閲覧画面の表示終了指示があった際に、レポートR#の開封確認を行うことができる。この際、レポートR#の開封依頼をしたユーザが、患者Pの担当医以外であれば、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0166】
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置101によれば、患者Pに関するレポートR#の閲覧要求を受け付け、受け付けた閲覧要求をしたユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0167】
これにより、レポートR#の開封権限を有し、かつ、患者Pの担当医以外のユーザがレポートR#を閲覧する際に、レポートR#を開封する際の注意を促すことができる。例えば、他の医師が担当する患者のレポートのため、本当に開封してもよいかの注意を促すことで、担当医以外のユーザの不注意でレポートR#が開封状態となるのを防ぐことができる。また、レポートR#を正式に確認したか否かを示すフラグ情報(開封フラグ)を変更する処理につなげることができる。
【0168】
また、情報処理装置101によれば、レポートR#を開封する依頼を受け付けると、ユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0169】
これにより、レポートR#の開封権限を有し、かつ、患者Pの担当医以外のユーザがレポートR#の開封依頼をした際に、レポートR#を開封状態(開封フラグ「0⇒1」)とする前に、レポートR#を開封する際の注意を促すことができる。
【0170】
また、情報処理装置101によれば、レポートR#の閲覧画面の表示を終了する指示を受け付けると、レポートR#を開封するか否かを確認する確認画面を表示することができる。そして、情報処理装置101によれば、確認画面を表示した結果、レポートR#を開封する依頼を受け付けると、ユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0171】
これにより、レポートR#の閲覧画面の表示を終了する際に、レポートR#の開封確認を行って、レポートR#の開封忘れを防止することができる。また、ユーザが、レポートR#の開封権限を有し、かつ、患者Pの担当医以外であれば、レポートR#を開封する際の注意を促すことができる。
【0172】
また、情報処理装置101によれば、受け付けた閲覧要求に応じてレポートR#の閲覧画面を表示する際に、ユーザが、患者Pの担当医以外の場合には、レポートR#の開封権限を有するユーザであっても、レポートR#の閲覧画面上に、レポートR#を確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示することができる。
【0173】
これにより、ブラウザを起動してレポートR#の閲覧画面を表示する際に、ユーザが、レポートR#の開封権限を有し、かつ、患者Pの担当医以外であれば、レポートR#の開封確認を行うにあたり、レポートR#を開封する際の注意を促すことができる。
【0174】
また、情報処理装置101によれば、閲覧要求をしたユーザが、特定の職種、または、特定の職種かつ担当医と同じ診療科に所属する場合に、レポートR#の開封権限を有すると判断することができる。これにより、ユーザの職種や所属診療科に応じて、そのユーザに対してレポートR#の開封権限を与えることができる。
【0175】
これらのことから、実施の形態にかかる情報処理装置101およびレポート開封制御システム200によれば、担当医以外のユーザにもレポートR#を開封できるようにするとともに、不注意でレポートR#が開封状態となるのを防ぐことができる。これにより、救急の場合などに担当医以外の非常勤医師や研修医でもレポートR#を開封できるようにして、診療の円滑化を図ることができる。その一方で、不注意でレポートR#が開封状態となるのを防ぐことにより、本来確認すべき者によるレポートR#の確認漏れが生じてしまうのを防ぐことができる。
【0176】
なお、本実施の形態で説明したレポート開封制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本レポート開封制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本レポート開封制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0177】
また、本実施の形態で説明した情報処理装置101は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0178】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0179】
(付記1)患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、
受け付けた前記閲覧要求をしたユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0180】
(付記2)前記問合せメッセージを表示する処理は、
前記レポートを開封する依頼を受け付けると、前記ユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、ことを特徴とする付記1に記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0181】
(付記3)前記レポートの閲覧画面の表示を終了する指示を受け付けると、前記レポートを開封するか否かを確認する確認画面を表示する、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記問合せメッセージを表示する処理は、
前記確認画面を表示した結果、前記レポートを開封する依頼を受け付けると、前記ユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0182】
(付記4)前記問合せメッセージを表示する処理は、
受け付けた前記閲覧要求に応じて前記レポートの閲覧画面を表示する際に、前記ユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0183】
(付記5)前記レポートの開封権限を有するユーザは、特定の職種のユーザ、または、前記特定の職種かつ前記担当医と同じ診療科に所属するユーザである、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0184】
(付記6)前記レポートは、前記患者の検査に関するレポートであり、
前記患者の担当医は、前記患者の検査に関するオーダの発行者である、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0185】
(付記7)前記問合せメッセージは、前記ユーザとは異なる他の医師が担当する患者のレポートであることを知らせて、前記レポートを開封する際の注意を促すメッセージを含む、ことを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0186】
(付記8)前記閲覧要求をしたユーザが、前記レポートの開封権限を有しない場合には、前記レポートの開封権限を有していないために開封できない旨の警告メッセージを表示する、処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の電子カルテシステムのレポート開封制御プログラム。
【0187】
(付記9)患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、
受け付けた前記閲覧要求をしたユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする電子カルテシステムのレポート開封制御方法。
【0188】
(付記10)クライアント装置と、
前記クライアント装置から患者に関するレポートの閲覧要求を受け付け、受け付けた前記閲覧要求をしたユーザが、前記患者の担当医以外の場合には、前記レポートの開封権限を有するユーザであっても、前記クライアント装置に表示される前記レポートの閲覧画面上に、前記レポートを確認した状態にするか否かの問合せメッセージを表示する情報処理装置と、
を含むことを特徴とするレポート開封制御システム。
【符号の説明】
【0189】
101 情報処理装置
102 ユーザ
110,700,800,900,1000,1100 閲覧画面
120,701,802,1021 注意メッセージ
130 ディスプレイ
200 レポート開封制御システム
201 クライアント装置
210 ネットワーク
220 利用者DB
230 レポート管理DB
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
601 受付部
602 表示制御部
603 判断部
604 更新部
1010,1110 開封確認画面