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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】伸縮ブーム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20230530BHJP
   B66C 23/693 20060101ALI20230530BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B66F9/06 L
B66C23/693 Z
B66F11/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019050983
(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公開番号】P2020152490
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 輝
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-046894(JP,U)
【文献】実開平06-063586(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01787939(EP,A2)
【文献】特開平03-023194(JP,A)
【文献】特開2016-079008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/06;
11/04
B66C 23/693
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
記配線及び配管の配索経路のうち、前記ワイヤロープの配索経路と同じ配索経路は、前記シリンダ固定シーブで折り返された経路を含む伸縮ブーム。
【請求項2】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、を備え、
前記配線及び配管は、前記ベースブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ベースブームの先端側で折り返し、前記第1中間ブームの基端側で折り返し、前記シリンダ固定シーブで折り返し、前記第2中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームの先端側に至る経路に配索され、
前記ワイヤロープの少なくとも一部は、前記第2中間ブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記シリンダ固定シーブで折り返し、前記第2中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームに至る経路に配索されている伸縮ブーム。
【請求項3】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、前記第3中間ブームの直近の第4中間ブームと、を備え、
前記第2中間ブームの内部に、前記第2中間ブームの基端部から先端部まで延びて設けられた補助ロッドと、前記補助ロッドの先端部に固定されたロッド固定シーブと、を備え、
前記配線及び配管の配索経路のうち、前記ワイヤロープの配索経路と同じ配索経路は、前記ロッド固定シーブで折り返された経路を含む伸縮ブーム。
【請求項4】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
前記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、前記第3中間ブームの直近の第4中間ブームと、を備え、
前記第2中間ブームの内部に、前記第2中間ブームの基端部から先端部まで延びて設けられた補助ロッドと、前記補助ロッドの先端部に固定されたロッド固定シーブと、を備え、
記配線及び配管は、前記ベースブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ベースブームの中間部で折り返し、さらに前記トップブームの方向に折り返し、前記第1中間ブームの先端側で折り返し、前記第2中間ブームの基端側で折り返し、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第3中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームの先端側に至る経路に配索され、
前記ワイヤロープの少なくとも一部は、前記第3中間ブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第3中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームに至る経路に配索されている伸縮ブーム。
【請求項5】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、前記第3中間ブームの直近の第4中間ブームと、前記第4中間ブームの直近の第5中間ブームと、を備え、
前記第3中間ブームの内部に、前記第3中間ブームの基端部から先端部まで延びて設けられた補助ロッドと、前記補助ロッドの先端部に固定されたロッド固定シーブと、を備え、
前記配線及び配管の配索経路のうち、前記ワイヤロープの配索経路と同じ配索経路は、前記ロッド固定シーブで折り返された経路を含む伸縮ブーム。
【請求項6】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
前記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、前記第3中間ブームの直近の第4中間ブームと、前記第4中間ブームの直近の第5中間ブームと、を備え、
前記第3中間ブームの内部に、前記第3中間ブームの基端部から先端部まで延びて設けられた補助ロッドと、前記補助ロッドの先端部に固定されたロッド固定シーブと、を備え、
記配線及び配管は、前記ベースブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ベースブームの先端側で折り返し、前記第1中間ブームの基端側で折り返し、前記シリンダ固定シーブで折り返し、前記第2中間ブームの基端側で折り返し、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第4中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームの先端側に至る経路に配索され、
前記ワイヤロープの少なくとも一部は、前記第4中間ブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第4中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームに至る経路に配索されている伸縮ブーム。
【請求項7】
入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、
前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、
前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、
前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、
前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、
前記中間ブームは、前記第1中間ブームと、前記第1中間ブームの直近の第2中間ブームと、前記第2中間ブームの直近の第3中間ブームと、前記第3中間ブームの直近の第4中間ブームと、前記第4中間ブームの直近の第5中間ブームと、を備え、
前記第3中間ブームの内部に、前記第3中間ブームの基端部から先端部まで延びて設けられた補助ロッドと、前記補助ロッドの先端部に固定されたロッド固定シーブと、を備え、
記配線及び配管は、前記ベースブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ベースブームの先端側で折り返し、前記第1中間ブームの基端側で折り返し、前記第2中間ブームの先端側で折り返し、前記第3中間ブームの基端側で折り返し、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第4中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームの先端側に至る経路に配索され、
前記ワイヤロープの少なくとも一部は、前記第4中間ブームの基端側から前記トップブームの方向に延びて、前記ロッド固定シーブで折り返し、前記第4中間ブームの基端側で折り返して、前記トップブームに至る経路に配索されている伸縮ブーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮ブームに関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業車は、伸縮ブームの先端に、高所での作業を行う作業者が載るバケットが設けられている。そして、バケットに載った作業者が種々の作業を行うために、伸縮ブームの基端側からバケットまで、電力供給用の配線や、油圧等供給用の配管が配索されている。これらの配線や配管は、伸縮ブームの伸縮に応じて、弛んだり張りすぎたりしないように配索する必要がある。
【0003】
そこで、伸縮ブームの伸縮に応じて、すなわち、ブームの重なりに応じて配線や配管を伸縮方向に折り返した配索が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-180681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、伸縮ブームを伸縮させるための伸縮シリンダを2本用いたブーム伸縮機構を採用しているため、ブーム伸縮機構と配線及び配管の配索経路とが複雑になり、重量が増大するという問題がある。なお、この問題は、高所作業車に限定した問題ではなく、配線及び配管を伸縮ブームの先端まで配索されたものであれば、クレーンの伸縮ブームについても同様に生じうる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、ブーム伸縮機構と配線及び配管の配索経路を簡略化することのできる伸縮ブームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、入れ子式に格納される、ベースブーム、3本以上の中間ブーム及びトップブームと、前記ベースブームの基端部にピストンロッドの先端が固定され、前記中間ブームのうち前記ベースブームの直近の第1中間ブームにシリンダが固定され、前記シリンダに対するピストンロッドの出入りによって伸縮し、この伸縮動作に応じて、前記第1中間ブームを前記ベースブームに対して突出・収容させる伸縮シリンダと、前記伸縮シリンダの、前記シリンダの基端部に固定されたシリンダ固定シーブと、前記伸縮シリンダの伸縮動作に連動して、トップブームと、前記第1中間ブーム以外の他の中間ブームとを、突出・収容させるようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープと、前記ベースブームの基端側と前記トップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管と、を備え、前記配線及び配管の少なくとも一部は、前記ワイヤロープの配索経路と同じ経路に配索され、前記配線及び配管の配索経路のうち、前記ワイヤロープの配索経路と同じ配索経路は、前記シリンダ固定シーブで折り返された経路を含む伸縮ブームである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る伸縮ブームによれば、ブーム伸縮機構と配線及び配管の配索経路を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る伸縮ブームを有する高所作業車1を示す模式図である。
図2図1の伸縮ブームの要部を示す斜視図である。
図3図2に示した伸縮ブームを伸縮させる伸縮シリンダ及び伸縮シリンダの伸縮動作に連動するようにブーム間に配索された2本以上のワイヤロープの配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図4図2に示した伸縮ブームのベースブームの基端側とトップブームの先端側との間に掛け回されて配索された配線及び配管の配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図5図3のワイヤロープとは異なる配索経路のワイヤロープの配索経路で、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図であり、実施形態の一変形例である。
図6図3のワイヤロープとは異なる配置のワイヤロープの配索経路で、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図であり、実施形態の一変形例である。
図7図4の配線等とは異なる配置の配線等の配索経路を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図であり、実施形態の一変形例である。
図8】6つのブームが入れ子式に収容された伸縮ブームを伸縮させる伸縮シリンダ、補助ロッド及び伸縮シリンダの伸縮動作に連動するようにブーム間に配索された7本のワイヤロープの配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図9図8に示した伸縮ブームのベースブームの基端部とトップブームの先端部との間に掛け回されて配索された配線等の配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図10】7つのブームが入れ子式に収容された伸縮ブームを伸縮させる伸縮シリンダ、補助ロッド及び伸縮シリンダの伸縮動作に連動するようにブーム間に配索された8本のワイヤロープの配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図11図10に示した伸縮ブームのベースブームの基端部とトップブームの先端部との間に掛け回されて配索された配線等の配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
図12図11とは異なる配索経路の配線等の配索経路を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図であり、変形例4の一変形例である。
図13図10とは異なる配索経路のワイヤロープ及びシーブの配索状態を、伸縮ブームが伸長した状態で示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る伸縮ブームの具体的な実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
<実施形態>
(高所作業車の構成)
図1は本発明に係る伸縮ブーム10を有する高所作業車1を示す模式図、図2図1の伸縮ブーム10の要部を示す斜視図、図3図2に示した伸縮ブーム10を伸縮させる伸縮シリンダ50及び伸縮シリンダ50の伸縮動作に連動するようにブーム11,12,13,14,15間に配索された5本のワイヤロープ21,22,23,24,25の配索状態を、伸縮ブーム10が伸長した状態で示す模式図である。
【0012】
また、図4図2に示した伸縮ブーム10のベースブーム11の基端部11aとトップブーム15の先端部15b(バケット8まで)との間に掛け回されて配索された配線及び配管の配索状態を、伸縮ブーム10が伸長した状態で示す模式図である。
【0013】
図1に示した高所作業車1は、車両の荷台2上に、荷台2に対して起伏及び旋回するとともに軸C方向に伸縮する伸縮ブーム10が設けられ、伸縮ブーム10の伸長側の先端に、作業者が載るバケット8が設けられたものである。
【0014】
伸縮ブーム10は、荷台2に対して荷台面に対して旋回自在の旋回台4上に設けられている。旋回台4には、基部ブラケット5が設置され、伸縮ブーム10の基端(図2において、伸縮ブーム10の軸C方向のうち基部ブラケット5に向かう方向(基端方向B)の端部)が、この基部ブラケット5に、鉛直面内で揺動自在に支持されている。
【0015】
そして、同じく基部ブラケット5に一端が保持され、他端が伸縮ブーム10の基端よりも前方(伸縮ブーム10の軸C方向(長手方向)の先端に向かう方向(先端方向F))の部分に保持された起伏シリンダ6が伸縮することで、伸縮ブーム10は、基端を回転中心として回転することで、荷台2に対して起伏する。
【0016】
伸縮ブーム10は、図2に示すように、例えば、5つのブーム11,12,13,14,15が入れ子式に収容されて、それぞれのブーム12~15が軸C方向の先端方向Fに突出することで伸長する構成となっている。この伸縮ブーム10を構成している5つのブーム11~15は、基部ブラケット5に直接支持された最外側のベースブーム11と、ベースブーム11の直近の内側に収容される第1中間ブーム12と、第1中間ブーム12の直近の内側に収容される第2中間ブーム13と、第2中間ブーム13の直近の内側に収容される第3中間ブーム14と、第3中間ブーム14の内側に収容されるトップブーム15とで構成されている。
【0017】
伸縮ブーム10は、外側から内側に向かう順に、ベースブーム11、第1中間ブーム12、第2中間ブーム13、第3中間ブーム14、トップブーム15の配置となっている。
【0018】
各ブーム12~15が、相対的に外側のブーム(外側ブーム)に最も長く収容された状態で、伸縮ブーム10は長さが最短(全縮)となる。そして、この全縮の状態から、ベースブーム11を除いた他のブーム12~15が、それぞれの外側のブームに対して、先端方向Fに突出することで、軸C方向に伸長する。
【0019】
伸縮ブーム10には、図3に示すように、伸縮シリンダ50と、5本のワイヤロープ21,22,23,24,25とが設けられていて、伸縮シリンダ50の伸縮動作に連動して、ワイヤロープ21~25によって連結されたブーム11,12,13,14,15が軸方向に相対的に変位することで、同時に突出又は同時に収容されて、伸縮ブーム10は伸び又は縮む。伸縮シリンダ50とワイヤロープ21~25の配索の詳細は後述する。
【0020】
バケット8は、図1に示すように、伸縮ブーム10の格納状態(起伏角度が最小、伸縮長さが全縮、旋回方向が前方やや右向きとなる基準位置で、車両のキャビン3の上前方に配置された状態となっている。なお、高所作業車1は、伸縮ブーム10の起伏角度、伸縮ブーム10の伸縮状態、伸縮ブーム10の旋回角度に拘わらず、バケット8を水平に維持する機構(図示せず)を備えている。
【0021】
また、高所作業車1は、荷台の前部と後部とにそれぞれ、車両の幅方向に張り出して、路面に設置されるアウトリガ7,7を備えている。前後の各アウトリガ7は、伸縮ブーム10の起伏状態、伸縮状態及び旋回状態に応じて適切な長さに張り出され、車両の走行時は、路面から上昇して離れる。
【0022】
(伸縮シリンダ、ワイヤロープ、配線及び配管)
伸縮シリンダ50は、図3に示すように、伸縮ブーム10の長手方向に沿って設けられている。伸縮シリンダ50は、シリンダ52と、ピストンロッド51とが組み合わせて構成され、供給される油圧によって、シリンダ52に対してピストンロッド51が出入りすることで伸縮する。
【0023】
伸縮シリンダ50は、シリンダ52の全長が第1中間ブーム12とほぼ同じ長さに形成され、ピストンロッド51の全長がベースブーム11とほぼ同じ長さに形成されている。
【0024】
シリンダ52の、ピストンロッド51が突出する側の端部である突出端部52aは、第1中間ブーム12の基端部12aに固定され、ピストンロッド51の、シリンダ52から突出した側の先端部51aは、ベースブーム11の基端部11aに固定されている。
【0025】
そして、シリンダ52の内部にピストンロッド51の大部分が収容された伸縮シリンダ50の全縮状態で、第1中間ブーム12はベースブーム11の内部に完全に収容された全縮状態となる。一方、ピストンロッド51の大部分がシリンダ52の突出端部52aから外部に突出した伸縮シリンダ50の全伸状態で、第1中間ブーム12のほぼ全長がベースブーム11の内部から突出した全伸状態となる。
【0026】
なお、シリンダ52の基端部(突出端部52aとは反対側の端部)52bには、シーブ53(以下、シリンダ固定シーブ53という。)が固定されていて、このシリンダ固定シーブ53は、伸縮ブーム10の軸方向における第1中間ブーム12の先端部12b付近に位置する。
【0027】
また、第1中間ブーム12の内側の基端部12aにはシーブ71(以下、第1基端シーブ71という。)が設けられ、第1中間ブーム12の外側の先端部12bには別のシーブ72(以下、第1先端シーブ72という。)が設けられている。
【0028】
また、第2中間ブーム13の内側の基端部13aにはシーブ73(以下、第2基端シーブ73という。)が設けられ、第2中間ブーム13の外側の先端部13bには別のシーブ74(以下、第2先端シーブ74という。)が設けられている。
【0029】
また、第3中間ブーム14の外側の先端部14bにはシーブ75(以下、第3先端シーブ75という。)が設けられ、トップブーム15の外側の基端部15aには別のシーブ76(以下、トップ基端シーブ76という。)が設けられている。
【0030】
そして、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の伸びに連動して第2中間ブーム13を第1中間ブーム12から突出させる第2中間ブーム伸びワイヤロープ21は、一端がベースブーム11の先端部11bに固定され、トップブーム15の方向に延びて、第1先端シーブ72に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム13の基端部13aに固定されている。
【0031】
また、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の縮みに連動して第2中間ブーム13を第1中間ブーム12に収容する第2中間ブーム縮みワイヤロープ22は、一端がベースブーム11の先端部11bに固定され、ベースブーム11の基端部11aの方向に延びて、第1基端シーブ71に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム13の基端部13aに固定されている。
【0032】
また、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の伸びに連動して第3中間ブーム14を第2中間ブーム13から突出させる第3中間ブーム伸びワイヤロープ23は、一端が第1中間ブーム12の基端部12aに固定され、トップブーム15の方向に延びて、第2先端シーブ74に掛け回されて折り返し、他端が第3中間ブーム14の基端部14aに固定されている。
【0033】
また、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の縮みに連動して第3中間ブーム14を第2中間ブーム13に収容する第3中間ブーム縮みワイヤロープ24は、一端が第1中間ブーム12の基端部12aに固定され、トップブーム15の方向に延びて、第3先端シーブ75に掛け回されて折り返し、さらにトップ基端シーブ76に掛け回されて折り返し、他端が第3先端シーブ75に固定されている。
【0034】
なお、第3中間ブーム縮みワイヤロープ24は、伸縮シリンダ50の伸びに連動してトップブーム15を第3中間ブーム14から突出させるトップブーム伸びワイヤロープも兼ねているため、以下、第3中間ブーム縮みワイヤロープ24をトップブーム伸びワイヤロープ24ということもある。
【0035】
また、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の縮みに連動してトップブーム15を第3中間ブーム14に収容するトップブーム縮みワイヤロープ25は、一端が第2中間ブーム13の基端部13aに固定され、トップブーム15の方向に延びて、シリンダ固定シーブ53に掛け回されて折り返し、さらに第2基端シーブ73に掛け回されて折り返し、他端がトップブーム15の基端部15aに固定されている。
【0036】
以上のように伸縮シリンダ50と5本のワイヤロープ21~25とが配索されていることにより、まず、伸縮シリンダ50の伸びに応じて、第1中間ブーム12がベースブーム11から突出する。
【0037】
この第1中間ブーム12の突出の動作に連動して、第1中間ブーム伸びワイヤロープ21により、第2中間ブーム13が第1中間ブーム12から突出する。この第2中間ブーム13の突出の動作に連動して、第2中間ブーム伸びワイヤロープ23により、第3中間ブーム14が第2中間ブーム13から突出する。この第3中間ブーム14の突出の動作に連動して、トップブーム伸びワイヤロープ24により、トップブーム15が第3中間ブーム14から突出する。
【0038】
このように、伸縮シリンダ50及び5本のワイヤロープ21~25により、伸縮ブーム10は、全体が同時に伸びる。
【0039】
一方、まず、伸縮シリンダ50の縮みに応じて、第1中間ブーム12がベースブーム11に収容される。
【0040】
この第1中間ブーム12の収容の動作に連動して、第1中間ブーム縮みワイヤロープ22により、第2中間ブーム13が第1中間ブーム12に収容される。この第2中間ブーム13の収容の動作に連動して、トップブーム縮みワイヤロープ25により、トップブーム15が第3中間ブーム14に収容される。このトップブーム15の収容の動作に連動して、第3中間ブーム縮みワイヤロープ24により、第3中間ブーム14が第2中間ブーム13に収容される。
【0041】
このように、伸縮シリンダ50及び5本のワイヤロープ21~25により、伸縮ブーム10は、全体が同時に縮む。
【0042】
また、高所作業車1は、バケット8に載った作業者が種々の作業を行うために、伸縮ブーム10の基端部(ベースブーム11の基端部11a)からバケット8まで、電力供給用の配線や油圧等供給用の配管が配索されている。つまり、これら配線及び配管(以下、これらの配線と配管とをまとめて配線等41という。)は、ベースブーム11の基端部11aとトップブーム15の先端部15bとの間に掛け回されて配索されている。
【0043】
具体的には、配線等41は、図4に示すように、ベースブーム11の基端部11aからトップブーム15の方向に延びて、ベースブーム11の先端部11bで折り返し、第1基端シーブ71に掛け回されて折り返し、シリンダ固定シーブ53に掛け回されて折り返し、第2基端シーブ73に掛け回されて折り返し、トップブーム15の先端部15bに達して配索されている。
【0044】
このように、配線等41が配索されていることにより、リール等を用いた巻取りや巻解きを行わなくても、配線等41は、伸縮ブーム10の伸縮に追従して、突っ張ったり弛んだりすることのない配索状態を維持することができる。
【0045】
しかも、配線等41の配索経路のうち、第1基端シーブ71に掛け回されてトップブーム15の方向に折り返し、第2中間ブーム13の基端部13aに至る経路は、第1中間ブーム縮みワイヤロープ22の配索経路と同じ経路となり、かつ、第2中間ブームの13の基端部13aからトップブーム15の方向に延びて、シリンダ固定シーブ53に掛け回して折り返し、第2基端シーブ73に掛け回して折り返してトップブーム15に至る経路は、トップブーム縮みワイヤロープ25の配索経路と同じ経路となっている。
【0046】
このように配線等41の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ21~25の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム10の伸縮機構(伸縮シリンダ50及びワイヤロープ21~25の配索)と配線等41の配索経路を簡略化することができる。
【0047】
<変形例1:5段ブームのワイヤロープの配索経路違い>
図5は、図3のワイヤロープ21,22,23,24,25とは異なる配索経路のワイヤロープ21,22,23,24,25の配索経路を、伸縮ブーム10が伸長した状態で示す模式図であり、実施形態の一変形例である。
【0048】
上述した実施形態のワイヤロープ21,22,23,24,25の配索経路に代えて、図5の変形例1に示す配索経路を採用してもよい。すなわち、第1中間ブーム12の内側の基端部12aには第1基端シーブ71が設けられている。
【0049】
また、第2中間ブーム13の内側の基端部13aには第2基端シーブ73が設けられ、第2中間ブーム13の外側の先端部13bには第2先端シーブ74が設けられている。
【0050】
また、第3中間ブーム14の外側の先端部14bには第3先端シーブ75が設けられ、トップブーム15の外側の基端部15aにはトップ基端シーブ76が設けられている。
【0051】
そして、ワイヤロープ21~25のうち、伸縮シリンダ50の伸びに連動して第2中間ブーム13を第1中間ブーム12から突出させる第2中間ブーム伸びワイヤロープ21は、一端がベースブーム11の基端部11aに固定され、トップブーム15の方向に延びて、シリンダ固定シーブ53に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム13の基端部13aに固定されている。他のワイヤロープ22~25の配索経路は、図3に示した実施形態と同じである。
【0052】
以上のように伸縮シリンダ50と5本のワイヤロープ21~25とが配索されていることにより、伸縮シリンダ50の伸びに応じて、伸縮ブーム10は、全体が同時に伸びる。一方、伸縮シリンダ50の縮みに応じて、伸縮ブーム10は、全体が同時に縮む。
【0053】
そして、変形例1のワイヤロープ21~25の配索経路によっても、図4に示した配線等41の配索経路のうち、第1基端シーブ71に掛け回されてトップブーム15の方向に折り返し、第2中間ブーム13の基端部13aに至る経路は、第1中間ブーム縮みワイヤロープ22の配索経路と同じ経路となり、かつ第2中間ブームの13の基端部13aからトップブーム15の方向に延びて、シリンダ固定シーブ53に掛け回して折り返し、第2基端シーブ73に掛け回して折り返してトップブーム15に至る経路は、トップブーム縮みワイヤロープ25の配索経路と同じ経路となっている。
【0054】
このように、変形例1は、配線等41の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ21~25の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム10の伸縮機構(伸縮シリンダ50及びワイヤロープ21~25の配索)と配線等41の配索経路を簡略化することができる。
【0055】
<変形例2:5段ブームのワイヤロープと、配線等との配置の違い>
図6は、図3のワイヤロープ21,22,23,24,25とは異なる配置のワイヤロープ21,22,23,24,25の配索経路で、伸縮ブーム10が伸長した状態で示す模式図であり、図7は、図4の配線等41とは異なる配置の配線等41の配索経路を、伸縮ブーム10が伸長した状態で示す模式図であり、実施形態の一変形例である。
【0056】
上述した実施形態(図3)のワイヤロープ21,22,23,24,25は、第2中間ブーム伸びワイヤロープ21及び第2中間ブーム縮みワイヤロープ22は伸縮シリンダ50よりも鉛直方向の上側に配置され、第3中間ブーム伸びワイヤロープ23及び第3中間ブーム縮みワイヤロープ(トップブーム伸びワイヤロープ)24は伸縮シリンダ50よりも鉛直方向の下側に配置されていているが、これらの配置は上下反対でもよい。
【0057】
すなわち、図6に示した変形例2のワイヤロープ21,22,23,24,25は、配索経路自体は、図3に示したワイヤロープ21~25の配索経路と同じであるが、第2中間ブーム伸びワイヤロープ21及び第2中間ブーム縮みワイヤロープ22は図6に示すように伸縮シリンダ50よりも鉛直方向の下側に配置され、第3中間ブーム伸びワイヤロープ23及び第3中間ブーム縮みワイヤロープ(トップブーム伸びワイヤロープ)24は伸縮シリンダ50よりも鉛直方向の上側に配置されていてもよい。
【0058】
この場合、配線等41も、図7に示すように、配索経路自体は図4に示した配線等41の配索経路と同じであるが、伸縮シリンダ50に対して鉛直方向の上下反対に配置されたものとする。
【0059】
そして、変形例2のワイヤロープ21~25の配置の配索経路及び配線等41の配置の配索経路によっても、図6に示した配線等41の配索経路のうち、第1基端シーブ71に掛け回されてトップブーム15の方向に折り返し、第2中間ブーム13の基端部13aに至る経路は、第1中間ブーム縮みワイヤロープ22の配索経路と同じ経路となり、かつ第2中間ブームの13の基端部13aからトップブーム15の方向に延びて、シリンダ固定シーブ53に掛け回して折り返し、第2基端シーブ73に掛け回して折り返してトップブーム15に至る経路は、トップブーム縮みワイヤロープ25の配索経路と同じ経路となっている。
【0060】
このように、変形例2は、配線等41の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ21~25の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム10の伸縮機構(伸縮シリンダ50及びワイヤロープ21~25の配索)と配線等41の配索経路を簡略化することができる。
【0061】
<変形例3:6段ブームのワイヤロープ、配線等の配索経路>
図8,9は、6つのブーム111,112,113,114,115、116が入れ子式に収容されて、それぞれのブーム112~116が軸C方向に突出することで伸長する構成の伸縮ブーム110で、図3,4に示した実施形態の変形例3である。
【0062】
この伸縮ブーム110を構成している6つのブーム111~116は、基部ブラケット5に直接支持された最外側のベースブーム111と、ベースブーム111の直近の内側に収容される第1中間ブーム112と、第1中間ブーム112の直近の内側に収容される第2中間ブーム113と、第2中間ブーム113の直近の内側に収容される第3中間ブーム114と、第3中間ブーム114の内側に収容される第4中間ブーム115と、第4中間ブーム115の内側に収容されるトップブーム116とで構成されている。
【0063】
図8は、伸縮ブーム110を伸縮させる伸縮シリンダ150、補助ロッド160及び伸縮シリンダ150の伸縮動作に連動するようにブーム111,112,113,114,115,116間に配索された7本のワイヤロープ121,122,123,124,125,126,127の配索状態を、伸縮ブーム110が伸長した状態で示す模式図である。
【0064】
また、図9図8に示した伸縮ブーム110のベースブーム111の基端部111aとトップブーム116の先端部116b(バケット8まで)との間に掛け回されて配索された配線等141の配索状態を、伸縮ブーム110が伸長した状態で示す模式図である。
【0065】
(伸縮シリンダ、ワイヤロープ、配線及び配管)
伸縮シリンダ150は、図8に示すように、伸縮ブーム110の長手方向に沿って設けられている。伸縮シリンダ150は、シリンダ152と、ピストンロッド151とが組み合わせて構成され、供給される油圧によって、シリンダ152に対してピストンロッド151が出入りすることで伸縮する。
【0066】
伸縮シリンダ150は、シリンダ152の全長が第1中間ブーム112とほぼ同じ長さに形成され、ピストンロッド151の全長がベースブーム111とほぼ同じ長さに形成されている。
【0067】
シリンダ152の、ピストンロッド151が突出する側の端部である突出端部152aは、第1中間ブーム112の基端部112aに固定され、ピストンロッド151の、シリンダ152から突出した側の先端部151aは、ベースブーム111の基端部111aに固定されている。
【0068】
そして、シリンダ152の内部にピストンロッド151の大部分が収容された伸縮シリンダ150の全縮状態で、第1中間ブーム112はベースブーム11の内部に完全に収容された全縮状態となる。一方、ピストンロッド151の大部分がシリンダ152の突出端部152aから外部に突出した伸縮シリンダ150の全伸状態で、第1中間ブーム112のほぼ全長がベースブーム111の内部から突出した全伸状態となる。
【0069】
なお、シリンダ152の基端部(突出端部152aとは反対側の端部)152bには、シーブ153(以下、シリンダ固定シーブ153という。)が固定されていて、このシリンダ固定シーブ153は、伸縮ブーム110の軸方向における第1中間ブーム112の先端部112b付近に位置する。
【0070】
補助ロッド160は、図8に示すように、伸縮ブーム110の長手方向に沿って設けられている。補助ロッド160は、全長が第2中間ブーム113とほぼ同じ長さに形成されている。
【0071】
補助ロッド160の一端部である基端部160aは、第2中間ブーム113の基端部113aに固定され、他端部である先端部160bには、シーブ161(以下、ロッド固定シーブ161という。)が固定されている。ロッド固定シーブ161は、伸縮ブーム110の軸方向における第2中間ブーム113の先端部113b付近に位置する。
【0072】
また、第1中間ブーム112の内側の基端部112aにはシーブ171(以下、第1基端シーブ171という。)が設けられている。
【0073】
また、第2中間ブーム113の内側の基端部113aにはシーブ172(以下、第2基端シーブ172という。)が設けられ、第2中間ブーム113の外側の先端部113bには別のシーブ173(以下、第2先端シーブ173という。)が設けられている。
【0074】
また、第3中間ブーム114の内側の基端部114aにはシーブ174(以下、第3基端シーブ174という。)が設けられ、第3中間ブーム114の外側の先端部114bには別のシーブ175(以下、第3先端シーブ175という。)が設けられている。
【0075】
また、第4中間ブーム115の外側の先端部115bにはシーブ176(以下、第4先端シーブ176という。)が設けられ、トップブーム116の外側の基端部116aには別のシーブ177(以下、トップ基端シーブ177という。)が設けられている。
【0076】
そして、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の伸びに連動して第2中間ブーム113を第1中間ブーム112から突出させる第2中間ブーム伸びワイヤロープ121は、一端がベースブーム111の基端部111aに固定され、トップブーム116の方向に延びて、シリンダ固定シーブ153に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム113の基端部113aに固定されている。
【0077】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の縮みに連動して第2中間ブーム113を第1中間ブーム112に収容する第2中間ブーム縮みワイヤロープ122は、一端がベースブーム111の先端部111bに固定され、ベースブーム111の基端部111aの方向に延びて、第1基端シーブ171に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム113の基端部113aに固定されている。
【0078】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の伸びに連動して第3中間ブーム114を第2中間ブーム113から突出させる第3中間ブーム伸びワイヤロープ123は、一端が第2中間ブーム113の基端部113aに固定され、トップブーム116の方向に延びて、第2先端シーブ173に掛け回されて折り返し、他端が第3中間ブーム114の基端部114aに固定されている。
【0079】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の縮みに連動して第3中間ブーム114を第2中間ブーム113に収容する第3中間ブーム縮みワイヤロープ124は、一端が第1中間ブーム112の先端部112bに固定され、ベースブーム111の基端部111aの方向に延びて、第2基端シーブ172に掛け回されて折り返し、他端が第3中間ブーム114の基端部114aに固定されている。
【0080】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の伸びに連動して第4中間ブーム115を第3中間ブーム114から突出させる第4中間ブーム伸びワイヤロープ125は、一端が第2中間ブーム113の基端部113aに固定され、トップブーム116の方向に延びて、第3先端シーブ175に掛け回されて折り返し、他端が第4中間ブーム115の基端部115aに固定されている。
【0081】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の縮みに連動して第4中間ブーム115を第3中間ブーム114に収容する第4中間ブーム縮みワイヤロープ126は、一端が第2中間ブーム113の基端部113aに固定され、トップブーム116の方向に延びて、第4先端シーブ176に掛け回されて折り返し、さらにトップ基端シーブ177に掛け回されて折り返し、他端が第4先端シーブ176に固定されている。
【0082】
なお、第4中間ブーム縮みワイヤロープ126は、伸縮シリンダ150の伸びに連動してトップブーム116を第4中間ブーム115から突出させるトップブーム伸びワイヤロープも兼ねているため、以下、第4中間ブーム縮みワイヤロープ126をトップブーム伸びワイヤロープ126ということもある。
【0083】
また、ワイヤロープ121~127のうち、伸縮シリンダ150の縮みに連動してトップブーム116を第4中間ブーム115に収容するトップブーム縮みワイヤロープ127は、一端が第3中間ブーム114の基端部114aに固定され、トップブーム116の方向に延びて、ロッド固定シーブ161に掛け回されて折り返し、さらに第3基端シーブ174に掛け回されて折り返し、他端がトップブーム116の基端部116aに固定されている。
【0084】
以上のように伸縮シリンダ150と補助ロッド160と7本のワイヤロープ121~127とが配索されていることにより、まず、伸縮シリンダ150の伸びに応じて、第1中間ブーム112がベースブーム111から突出する。
【0085】
この第1中間ブーム112の突出の動作に連動して、第2中間ブーム伸びワイヤロープ121により、第2中間ブーム113が第1中間ブーム112から突出する。この第2中間ブーム113の突出の動作に連動して、第3中間ブーム伸びワイヤロープ123により、第3中間ブーム114が第2中間ブーム113から突出する。この第3中間ブーム114の突出の動作に連動して、第4中間ブーム伸びワイヤロープ125により、第4中間ブーム115が第3中間ブーム114から突出する。この第4中間ブーム115の突出の動作に連動して、トップブーム伸びワイヤロープ126により、トップブーム116が第4中間ブーム115から突出する。
【0086】
このように、伸縮シリンダ150、補助ロッド160及び7本のワイヤロープ121~127により、伸縮ブーム110は、全体が同時に伸びる。
【0087】
一方、まず、伸縮シリンダ150の縮みに応じて、第1中間ブーム112がベースブーム111に収容される。
【0088】
この第1中間ブーム112の収容の動作に連動して、第2中間ブーム縮みワイヤロープ122により、第2中間ブーム113が第1中間ブーム112に収容される。この第2中間ブーム113の収容の動作に連動して、第3中間ブーム縮みワイヤロープ124により、第3中間ブーム114が第2中間ブーム113に収容される。この第3中間ブーム114の収容の動作に連動して、トップブーム縮みワイヤロープ127により、トップブーム116が第4中間ブーム115に収容される。このトップブーム116の収容の動作に連動して、第4中間ブーム縮みワイヤロープ126により、第4中間ブーム115が第3中間ブーム114に収容される。
【0089】
このように、伸縮シリンダ150、補助ロッド160及び7本のワイヤロープ121~127により、伸縮ブーム110は、全体が同時に縮む。
【0090】
また、配線等141は、ベースブーム111の基端部111aとトップブーム116の先端部116bとの間に掛け回されて配索されている。
【0091】
具体的には、配線等141は、図9に示すように、ベースブーム111の基端部111aからトップブーム116の方向に延びて、ケーブルベア(登録商標:以下同じ。)180により、ベースブーム11の略中間部で2回折り返し、第1中間ブーム112の先端部112bで折り返し、第2基端シーブ172に掛け回されて折り返し、ロッド固定シーブ161に掛け回されて折り返し、第3基端シーブ174に掛け回されて折り返し、トップブーム116の先端部116bに達して配索されている。
【0092】
なお、ケーブルベア180は、伸縮ブーム110が図9に示す伸びた状態では、実線で示す位置にあり、伸縮ブーム110が縮んだ状態では、二点鎖線で示す位置に移動して、長さの変動を吸収する。
【0093】
このように、配線等141が配索されていることにより、リール等を用いた巻取りや巻解きを行わなくても、配線等141は、伸縮ブーム110の伸縮に追従して、突っ張ったり弛んだりすることのない配索状態を維持することができる。
【0094】
しかも、配線等141の配索経路のうち、第2基端シーブ172に掛け回されてトップブーム116の方向に折り返し、第3中間ブーム114の基端部114aに至る経路は、第3中間ブーム縮みワイヤロープ124の配索経路と同じ経路となり、かつ第3中間ブームの114の基端部114aからトップブーム116の方向に延びて、ロッド固定シーブ161に掛け回して折り返し、第3基端シーブ174に掛け回して折り返してトップブーム116に至る経路は、トップブーム縮みワイヤロープ127の配索経路と同じ経路となっている。
【0095】
このように配線等141の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ121~127の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム110の伸縮機構(伸縮シリンダ150、補助ロッド160及びワイヤロープ121~127の配索)と配線等141の配索経路を簡略化することができる。
【0096】
<変形例4:7段ブームのワイヤロープ、配線等の配索経路>
図10,11は、7つのブーム211,212,213,214,215、216,217が入れ子式に収容されて、それぞれのブーム212~217が軸C方向に突出することで伸長する構成の伸縮ブーム210で、図3,4に示した実施形態の変形例4である。
【0097】
この伸縮ブーム210を構成している7つのブーム211~217は、基部ブラケット5に直接支持された最外側のベースブーム211と、ベースブーム211の直近の内側に収容される第1中間ブーム212と、第1中間ブーム212の直近の内側に収容される第2中間ブーム213と、第2中間ブーム213の直近の内側に収容される第3中間ブーム214と、第3中間ブーム214の内側に収容される第4中間ブーム215と、第4中間ブーム215の内側に収容される第5中間ブーム216と、第5中間ブーム216の内側に収容されるトップブーム117とで構成されている。
【0098】
図10は、伸縮ブーム210を伸縮させる伸縮シリンダ250、補助ロッド260及び伸縮シリンダ250の伸縮動作に連動するようにブーム211,212,213,214,215,216,217間に配索された8本のワイヤロープ221,222,223,224,226,227,228,229の配索状態を、伸縮ブーム210が伸長した状態で示す模式図である。
【0099】
また、図11図10に示した伸縮ブーム210のベースブーム211の基端部211aとトップブーム217の先端部217b(バケット8まで)との間に掛け回されて配索された配線等241の配索状態を、伸縮ブーム210が伸長した状態で示す模式図である。
【0100】
(伸縮シリンダ、ワイヤロープ、配線及び配管)
伸縮シリンダ250は、図10に示すように、伸縮ブーム210の長手方向に沿って設けられている。伸縮シリンダ250は、シリンダ252と、ピストンロッド251とが組み合わせて構成され、供給される油圧によって、シリンダ252に対してピストンロッド251が出入りすることで伸縮する。
【0101】
伸縮シリンダ250は、シリンダ252の全長が第1中間ブーム212とほぼ同じ長さに形成され、ピストンロッド251の全長がベースブーム211とほぼ同じ長さに形成されている。
【0102】
シリンダ252の、ピストンロッド251が突出する側の端部である突出端部252aは、第1中間ブーム212の基端部212aに固定され、ピストンロッド251の、シリンダ252から突出した側の先端部251aは、ベースブーム211の基端部211aに固定されている。
【0103】
そして、シリンダ252の内部にピストンロッド251の大部分が収容された伸縮シリンダ250の全縮状態で、第1中間ブーム212はベースブーム211の内部に完全に収容された全縮状態となる。一方、ピストンロッド251の大部分がシリンダ252の突出端部252aから外部に突出した伸縮シリンダ250の全伸状態で、第1中間ブーム212のほぼ全長がベースブーム211の内部から突出した全伸状態となる。
【0104】
なお、シリンダ252の基端部(突出端部252aとは反対側の端部)252bには、シーブ253(以下、シリンダ固定シーブ253という。)が固定されていて、このシリンダ固定シーブ253は、伸縮ブーム210の軸方向における第1中間ブーム212の先端部212b付近に位置する。
【0105】
補助ロッド260は、図10に示すように、伸縮ブーム210の長手方向に沿って設けられている。補助ロッド260は、全長が第3中間ブーム214とほぼ同じ長さに形成されている。
【0106】
補助ロッド260の一端部である基端部260aは、第3中間ブーム214の基端部214aに固定され、他端部である先端部260bには、シーブ261(以下、ロッド固定シーブ261という。)が固定されている。ロッド固定シーブ261は、伸縮ブーム210の軸方向における第3中間ブーム214の先端部214b付近に位置する。
【0107】
また、第1中間ブーム212の内側の基端部212aにはシーブ271(以下、第1基端シーブ271という。)が設けられ、第1中間ブーム212の外側の先端部212bには別のシーブ272(以下、第1先端シーブ272という。)が設けられている。
【0108】
また、第2中間ブーム213の内側の基端部213aにはシーブ273(以下、第2基端シーブ273という。)が設けられ、第2中間ブーム213の外側の先端部213bにはシーブ275(以下、第2先端シーブ275という。)が設けられている。
【0109】
また、第3中間ブーム214の外側の先端部214bには別のシーブ277(以下、第3先端シーブ277という。)が設けられている。
【0110】
また、第4中間ブーム215の外側の基端部215aにはシーブ278(以下、第4基端外側シーブ278という。)が設けられ、第4中間ブーム215の内側の基端部215aには別のシーブ276(以下、第4基端内側シーブ276という。)が設けられ、第4中間ブーム215の外側の先端部215bには別のシーブ279(以下、第4先端シーブ279という。)が設けられている。
【0111】
また、第5中間ブーム216の外側の先端部216bにはシーブ280(以下、第5先端シーブ280という。)が設けられ、トップブーム217の外側の基端部217aには別のシーブ281(以下、トップ基端シーブ281という。)が設けられている。
【0112】
そして、8本のワイヤロープのうち、伸縮シリンダ250の伸びに連動して第2中間ブーム213を第1中間ブーム212から突出させる第2中間ブーム伸びワイヤロープ221は、一端がベースブーム211の先端部211bに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第1先端シーブ272に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム213の基端部213aに固定されている。
【0113】
また、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第2中間ブーム213を第1中間ブーム212に収容する第2中間ブーム縮みワイヤロープ222は、一端がベースブーム211の先端部211bに固定され、ベースブーム211の基端部211aの方向に延びて、第1基端シーブ271に掛け回されて折り返し、他端が第2中間ブーム213の基端部213aに固定されている。
【0114】
また、伸縮シリンダ250の伸びに連動して第3中間ブーム214を第2中間ブーム213から突出させる第3中間ブーム伸びワイヤロープ223は、一端が第1中間ブーム212の基端部212aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第2先端シーブ275に掛け回されて折り返し、他端が第3中間ブーム214の基端部214aに固定されている。
【0115】
また、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第3中間ブーム214を第2中間ブーム213に収容する第3中間ブーム縮みワイヤロープ226は、一端が第1中間ブーム212の基端部212aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第3先端シーブ277に掛け回されて折り返し、第4基端外側シーブ278に掛け回されて折り返し、他端が第3先端シーブ277に固定されている。
【0116】
なお、第3中間ブーム縮みワイヤロープ226は、伸縮シリンダ250の伸びに連動して第4中間ブーム215を第3中間ブーム214から突出させる第4中間ブーム伸びワイヤロープも兼ねているため、以下、第3中間ブーム縮みワイヤロープ226を第4中間ブーム伸びワイヤロープ226ということもある。
【0117】
また、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第4中間ブーム215を第3中間ブーム214に収容する第4中間ブーム縮みワイヤロープ224は、一端が第2中間ブーム213の基端部213aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、シリンダ固定シーブ253に掛け回されて折り返し、さらに第2基端シーブ273に掛け回されて折り返し、他端が第4中間ブーム215の基端部215aに固定されている。
【0118】
また、伸縮シリンダ250の伸びに連動して第5中間ブーム216を第4中間ブーム215から突出させる第5中間ブーム伸びワイヤロープ227は、一端が第3中間ブーム214の基端部214aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第4先端シーブ279に掛け回されて折り返し、他端が第5中間ブーム216の基端部216aに固定されている。
【0119】
また、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第5中間ブーム216を第4中間ブーム215に収容する第5中間ブーム縮みワイヤロープ228は、一端が第3中間ブーム214の基端部214aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第5先端シーブ280に掛け回されて折り返し、トップ基端シーブ281に掛け回されて折り返し、他端が第5先端シーブ280に固定されている。
【0120】
なお、第5中間ブーム縮みワイヤロープ228は、伸縮シリンダ250の伸びに連動してトップブーム217を第5中間ブーム216から突出させるトップブーム伸びワイヤロープも兼ねているため、以下、第5中間ブーム縮みワイヤロープ228をトップブーム伸びワイヤロープ228ということもある。
【0121】
また、伸縮シリンダ250の縮みに連動してトップブーム217を第5中間ブーム216に収容するトップブーム縮みワイヤロープ229は、一端が第4中間ブーム215の基端部215aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、ロッド固定シーブ261に掛け回されて折り返し、さらに第4基端内側シーブ276に掛け回されて折り返し、他端がトップブーム217の基端部217aに固定されている。
【0122】
以上のように伸縮シリンダ250と補助ロッド260と8本のワイヤロープ221~229とが配索されていることにより、まず、伸縮シリンダ250の伸びに応じて、第1中間ブーム212がベースブーム211から突出する。
【0123】
この第1中間ブーム212の突出の動作に連動して、第2中間ブーム伸びワイヤロープ221により、第2中間ブーム213が第1中間ブーム212から突出する。この第2中間ブーム213の突出の動作に連動して、第3中間ブーム伸びワイヤロープ223により、第3中間ブーム214が第2中間ブーム213から突出する。この第3中間ブーム214の突出の動作に連動して、第4中間ブーム伸びワイヤロープ226により、第4中間ブーム215が第3中間ブーム214から突出する。この第4中間ブーム215の突出の動作に連動して、第5中間ブーム伸びワイヤロープ227により、第5中間ブーム216が第4中間ブーム215から突出する。この第5中間ブーム216の突出の動作に連動して、トップブーム伸びワイヤロープ228により、トップブーム217が第5中間ブーム216から突出する。
【0124】
このように、伸縮シリンダ250、補助ロッド260及び8本のワイヤロープ221~224,226~229により、伸縮ブーム210は、全体が同時に伸びる。
【0125】
一方、まず、伸縮シリンダ250の縮みに応じて、第1中間ブーム212がベースブーム211に収容される。
【0126】
この第1中間ブーム212の収容の動作に連動して、第2中間ブーム縮みワイヤロープ222により、第2中間ブーム213が第1中間ブーム212に収容される。この第2中間ブーム213の収容の動作に連動して、第4中間ブーム縮みワイヤロープ224により、第4中間ブーム215が第3中間ブーム214に収容される。この第4中間ブーム215の収容の動作に連動して、第3中間ブーム縮みワイヤロープ226により、第3中間ブーム214が第2中間ブーム213に収容される。また、第4中間ブーム215の収容の動作に連動して、トップブーム縮みワイヤロープ229により、トップブーム217が第5中間ブーム216に収容される。このトップブーム217の収容の動作に連動して、第5中間ブーム縮みワイヤロープ228により、第5中間ブーム216が第4中間ブーム215に収容される。
【0127】
このように、伸縮シリンダ250、補助ロッド260及び8本のワイヤロープ221~224,226~229により、伸縮ブーム110は、全体が同時に縮む。
【0128】
また、配線等241は、ベースブーム211の基端部211aとトップブーム217の先端部217bとの間に掛け回されて配索されている。
【0129】
具体的には、配線等241は、図11に示すように、ベースブーム211の基端部211aからトップブーム217の方向に延びて、ベースブーム11の先端部211bで折り返し、第1基端シーブ271に掛け回されて折り返し、シリンダ固定シーブ253に掛け回されて折り返し、第2基端シーブ273に掛け回されて折り返し、ロッド固定シーブ261に掛け回されて折り返し、第4基端内側シーブ276に掛け回されて折り返し、トップブーム217の先端部217bに達して配索されている。
【0130】
このように、配線等241が配索されていることにより、リール等を用いた巻取りや巻解きを行わなくても、配線等241は、伸縮ブーム210の伸縮に追従して、突っ張ったり弛んだりすることのない配索状態を維持することができる。
【0131】
しかも、配線等241の配索経路のうち、ベースブーム211の先端部211bからベースブーム211の基端部211aの方向に延びて、第1基端シーブ271に掛け回して折り返し、第2中間ブーム213に至る経路は、第2中間ブーム縮みワイヤロープ222の配索経路と同じ経路となり、かつ、第2中間ブームの213の基端部213aからトップブーム217の方向に延びて、シリンダ固定シーブ253に掛け回して折り返し、第2基端シーブ273に掛け回して折り返して第4中間ブーム215に至る経路は、第4中間ブーム縮みワイヤロープ224の配索経路と同じ経路となり、かつ、第4中間ブーム215の基端部215aからトップブーム217の方向に延びて、ロッド固定シーブ261に掛け回して折り返し、第4基端内側シーブ276に掛け回して折り返してトップブーム217に至る経路は、トップブーム縮みワイヤロープ229の配索経路と同じ経路となっている。
【0132】
このように配線等241の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ221~224,226~229の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム210の伸縮機構(伸縮シリンダ250、補助ロッド260及びワイヤロープ221~224,226~229の配索)と配線等241の配索経路を簡略化することができる。
【0133】
<変形例5:7段ブームの配線等の配索経路違い>
図12は、図11とは異なる配索経路の配線等241の配索経路を、伸縮ブーム210が伸長した状態で示す模式図であり、変形例4の一変形例(変形例5)である。
【0134】
上述した変形例4の配線等241の配索経路に代えて、図12の変形例5に示す配索経路を採用してもよい。すなわち、第2中間ブーム213の基端部213aには別の第2基端シーブ282が設けられている。
【0135】
そして、配線等241は、図12に示すように、ベースブーム211の基端部211aからトップブーム217の方向に延びて、ベースブーム11の先端部211bで折り返し、第1基端シーブ271に掛け回されて折り返し、別の第2基端シーブ282に掛けられて先端部212bを通って第2中間ブーム213の外側を通り、先端部213bで折り返し、第3基端シーブ274に掛け回されて折り返し、ロッド固定シーブ261に掛け回されて折り返し、第4基端内側シーブ276に掛け回されて折り返し、トップブーム217の先端部217bに達して配索されている。
【0136】
このように、配線等241が配索されていることにより、リール等を用いた巻取りや巻解きを行わなくても、配線等241は、伸縮ブーム210の伸縮に追従して、突っ張ったり弛んだりすることのない配索状態を維持することができる。
【0137】
しかも、配線等241の配索経路のうち、ベースブーム211の先端部211bからベースブーム211の基端部211aの方向に延びて、第1基端シーブ271に掛け回して折り返し、第2中間ブーム213に至る経路は、第2中間ブーム縮みワイヤロープ222の配索経路と同じ経路となり、かつ、第4中間ブーム215の基端部215aからトップブーム217の方向に延びて、ロッド固定シーブ261に掛け回して折り返し、第4基端内側シーブ276に掛け回して折り返してトップブーム217に至る経路は、図10に示した変形例5のトップブーム縮みワイヤロープ229の配索経路と同じ経路となっている。
【0138】
このように配線等241の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ221~224,226~229の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム210の伸縮機構(伸縮シリンダ250、補助ロッド260及びワイヤロープ221~224,226~229の配索)と配線等241の配索経路を簡略化することができる。
【0139】
なお、図12に示した配線等241の配索経路の場合は、図10に示したワイヤロープ221~224,226~229の配索に代えて、図13に示したワイヤロープ221~223,225,227~231の配索を適用することもできる。
【0140】
具体的には、図13に示したワイヤロープ221~223,225,227~231の配索は、図10に示したワイヤロープ221~224,226~229の配索に対して、ワイヤロープ224,226、シリンダ固定シーブ253及び第4基端シーブ278に代えて、ワイヤロープ225,230,231及び第3基端シーブ274を備えている以外は、図10に示したワイヤロープ221~224,226~229の配索と同じである。
【0141】
ここで、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第3中間ブーム214を第2中間ブーム213に収容する第3中間ブーム縮みワイヤロープ230は、一端が第1中間ブーム212の先端部212bに固定され、ベースブーム211の方向に延びて、第2基端シーブ273に掛け回されて折り返し、他端が第3中間ブーム214の基端部214aに固定されている。
【0142】
また、第3基端シーブ274は、第3中間ブーム214の内側の基端部214aに設けられている。そして、伸縮シリンダ250の縮みに連動して第4中間ブーム215を第3中間ブーム214に収容する第4中間ブーム縮みワイヤロープ225は、一端が第2中間ブーム213の先端部213bに固定され、ベースブーム211の方向に延びて、第3基端シーブ274に掛け回されて折り返し、他端が第4中間ブーム215の基端部215aに固定されている。
【0143】
また、伸縮シリンダ250の伸びに連動して第4中間ブーム215を第3中間ブーム214から突出させる第4中間ブーム伸びワイヤロープ231は、一端が第2中間ブーム213の基端部213aに固定され、トップブーム217の方向に延びて、第3先端シーブ277に掛け回されて折り返し、他端が第4中間ブーム215の基端部215aに固定されている。
【0144】
そして、このようにワイヤロープ221~223,225,227~231が配索されているものでは、配線等241の配索経路のうち、ベースブーム211の先端部211bからベースブーム211の基端部211aの方向に延びて、第1基端シーブ271に掛け回して折り返し、第2中間ブーム213に向かう経路は、第2中間ブーム縮みワイヤロープ222の配索経路と同じ経路となり、かつ、第2中間ブーム213の先端部213bからベースブーム211の方向に延びて、第3基端シーブ274に掛け回して折り返し、第4中間ブーム215に至る経路は、第4中間ブーム縮みワイヤロープ225の配索経路と同じ経路となり、かつ、第4中間ブーム215の基端部215aからトップブーム217の方向に延びて、ロッド固定シーブ261に掛け回して折り返し、第4基端内側シーブ276に掛け回して折り返してトップブーム217に至る経路は、図10に示した変形例5のトップブーム縮みワイヤロープ229の配索経路と同じ経路となる。
【0145】
このように配線等241の経路の少なくとも一部を、ワイヤロープ221~223,225,227~231の配索経路と同じ経路とすることにより、伸縮ブーム210の伸縮機構(伸縮シリンダ250、補助ロッド260及びワイヤロープ221~223,225,227~231の配索)と配線等241の配索経路をさらに簡略化することができる。
【0146】
なお、図13に示したワイヤロープ221~223,225,227~231の配索を採用する場合は、図12に示したシリンダ固定シーブ253は不要である。
【0147】
上述した実施形態や変形例1-5は、高所作業車に用いられている伸縮ブーム10,110,210であるが、本発明に係る伸縮ブームは、高所作業車の伸縮ブームに限定するものではなく、クレーンの伸縮ブームに適用することもできる。
【符号の説明】
【0148】
1 高所作業車
10 伸縮ブーム
11 ベースブーム
11a 基端部
12 第1中間ブーム
13 第2中間ブーム
14 第3中間ブーム
15 トップブーム
15b 先端部
21~25 ワイヤロープ
41 配線等(配線及び配管)
50 伸縮シリンダ
53 シリンダ固定シーブ
B 基端方向
C 軸
F 先端方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13