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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】動画撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20230530BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230530BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20230530BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20230530BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230530BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20230530BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20230530BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/56
H04N23/57
H04N23/66
G03B15/00 S
G03B15/02 F
G03B15/05
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019065758
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020167506
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095636
【弁理士】
【氏名又は名称】早崎 修
(72)【発明者】
【氏名】川崎 基浩
(72)【発明者】
【氏名】本橋 一孝
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-022579(JP,A)
【文献】特開2017-147578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/56
H04N 23/57
H04N 23/66
G03B 15/00
G03B 15/02
G03B 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像視野の画像を所定の露光動作期間中に撮像し、露光動作期間の終了後に撮像した各フレーム画像を表す撮像信号をその撮像動作タイミング情報とともに順次出力する撮像部と、撮像視野を照光する光源と、撮像動作タイミング情報をもとに生成される光源制御信号により光源を点滅制御する光源制御部とを有するカメラモジュールと、
前記撮像部から順次出力される前記撮像信号と撮像動作タイミング情報から各フレーム画像を連続させた動画像を生成して出力する画像信号処理部と、前記カメラモジュールに直流電源を供給する直流電源回路とを有する撮像装置本体と、
前記カメラモジュールと前記撮像装置本体とを接続する同軸ケーブルとを備え、
前記直流電源回路から前記同軸ケーブルに直流電源電圧を印加して前記カメラモジュールの各部を駆動するとともに、前記カメラモジュールの第1重畳回路で、前記撮像部から順次出力される撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、前記画像信号処理部へ出力する動画撮像装置であって、
前記第1重畳回路は、前記光源の点滅制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後の電圧安定期間に、前記撮像部から順次出力される撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳し、
前記撮像部は、相対的に光源の消灯制御時より露光動作期間の終了時を遅延させ、前記撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、前記光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、前記光源の点灯制御時までの前記電圧安定期間に出力することを特徴とする動画撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、前記光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、前記光源の点灯制御時までの前記電圧安定期間に出力するように、露光動作期間の終了後の出力タイミングを遅延させることを特徴とする請求項1に記載の動画撮像装置。
【請求項3】
前記カメラモジュールは、撮像制御信号に従って前記撮像部の撮像動作を制御する撮像制御部を更に有し、
前記画像信号処理部は、各フレーム画像を表す前記撮像信号から前記撮像制御信号を生成し、
前記撮像装置本体の第2重畳回路は、前記画像信号処理部が生成した前記撮像制御信号を、前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳して、前記撮像制御部へ出力することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の動画撮像装置。
【請求項4】
前記第1重畳回路は、前記撮像部から出力される前記電圧安定期間のタイミング情報を、前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、前記画像信号処理部へ出力し、
前記第2重畳回路は、前記撮像制御信号を、前記電圧安定期間に前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳して、前記撮像制御部へ出力することを特徴とする請求項に記載の動画撮像装置。
【請求項5】
前記第1重畳回路は、前記撮像部から出力される前記電圧安定期間のタイミング情報を、前記同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、前記画像信号処理部へ出力し、
前記画像信号処理部は、前記撮像制御信号に応答して前記撮像制御部が出力したACK信号を、前記電圧安定期間以外の期間に入力した際に、そのACK信号を無視することを特徴とする請求項に記載の動画撮像装置。
【請求項6】
前記撮像制御部は、前記電圧変動期間に前記画像信号処理部から出力される前記撮像制御信号を入力した場合には、その撮像制御信号を無視し、ACK信号を出力しないことを特徴とする請求項に記載の動画撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源で照光した撮像視野の動画を撮像する動画撮像装置に関し、更に詳しくは、動画を撮像するカメラモジュールと、撮像した動画を出力する撮像装置本体とが1本の同軸ケーブルで接続された動画撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画を撮像するカメラモジュールと撮像した動画を出力する撮像装置本体とは、カメラモジュールと撮像装置本体との間で撮像信号や制御信号を双方向で送受信し、更には、撮像装置本体からカメラモジュールの各部に電源を供給するために、電源ケーブルと多数本の信号ケーブルを用いて接続する必要があり、これらの配線や取り回しが煩雑であることから光源を駆動するための電源ケーブルと信号ケーブルであるLVDS(Low Voltage Differetial Signaling)ケーブルにまとめてカメラモジュールと撮像装置本体とを接続した動画撮像装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この従来の動画撮像装置100を図5で説明すると、カメラモジュール101に、撮像部102と撮像制御部103と記憶部104と直並列/平直列変換部105と光源であるLED106を点滅制御するLEDドライバ107とが内部バスで接続され、カメラモジュール101に接続ケーブルであるLVDSケーブル120を介して接続する撮像装置本体110に、直並列/平直列変換部111と画像信号処理部であるISP(image signal processor)112と動画出力部113とが内部バスで接続されている。
【0004】
カメラモジュール101の撮像部102は、撮像視野の画像を所定周期で撮像し、各フレーム画像を表す撮像信号をその撮像タイミング情報とともにストリームとしてシリアライザである直並列/平直列変換部105へ順次出力する。また、撮像制御部103は、撮像装置本体110のISP112から出力される撮像制御信号をもとに撮像部102のAF制御、AE制御、AWB制御等の各撮像動作を制御し、更に、撮像部102から出力される撮像タイミング情報をもとにLED106を点滅制御する光源制御信号を生成してLEDドライバ107へ出力し、撮像部102の撮像素子102aの露光期間、すなわち撮像視野の画像を撮像する期間に同期させてLED106を点灯制御している。LED106は、撮像部102が撮像する撮像視野を照光するように撮像視野に向けてカメラモジュール101に設置されているので、LED106で照光された撮像視野の画像が撮像される。
【0005】
撮像装置本体11のISP112は、1フレーム画像を表す撮像信号を連続させて動画像を生成し、動画出力部113から外部モニターなどへ動画を出力する。また、ISP112は、入力される各フレーム画像からフレーム画像を補正するための撮像制御信号を生成し、LVDSケーブル120を介して撮像制御部103へ出力し、撮像制御部103は、この撮像制御信号に従って撮像部102の撮像動作を制御するので、フレーム画像の補正が、撮像部102で新たに撮像されるフレーム画像にフィードバックされる。
【0006】
LED106とLEDドライバ107を除くカメラモジュール101の各部を駆動する直流電源は、撮像装置本体11からカメラモジュール101と接続するLVDSケーブル120を介して供給される。LVDSケーブル120は、また双方向シリアル伝送線でもあるので、カメラモジュール101の直並列/平直列変換部105から、上記撮像信号と撮像タイミング情報の他、撮像制御信号に応答するACK信号が上記直流電源電圧に重畳して撮像装置本体110へ出力され、また、撮像装置本体110の直並列/平直列変換部111から、ISP112で生成される撮像制御信号が、LVDSケーブル120の上記直流電源電圧に重畳してカメラモジュール101の撮像制御部103へ出力される。
【0007】
LED106とLEDドライバ107を除くカメラモジュール101の各部を駆動する直流電源電流は300mA程度であり、各部の消費電力はほぼ一定で安定しているので、LVDSケーブル120の直流電源電圧は大きく変動することがなく、直流電源電圧に重畳する撮像信号他の上記各信号が変化したり消失することがなく、送受信エラーは生じない。
【0008】
一方、駆動電流が1A程度と大きく、LED106が点滅することによって直流電圧が大きく変動するLED106とLEDドライバ107の電源線は、専用電源ケーブル121を用いて撮像装置本体110のLED用電源114に接続させている。
【0009】
この従来の動画撮像装置100に対して、カメラモジュールと撮像装置本体を1本の同軸ケーブルのみで接続し、撮像装置本体から同軸ケーブルを介してカメラモジュールへ直流電源を供給し、光源(LED)やLEDドライバを含むカメラモジュール側の全ての回路素子を駆動する動画撮像装置も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2017-147578号公報
【文献】特開2015-154387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の動画撮像装置100は、カメラモジュール101と撮像装置本体110とを、高価なLVDSケーブル120と、電源ケーブル121の2本のケーブルで接続するので、コスト高になるとともに、配線が煩わしく、美感も損なう。一般に、動画を撮像するカメラモジュールの設置場所と、動画を再生するモニターの近くに設置される撮像装置本体とは数m以上離れている場合が多く、その距離が長くなるほど上記問題は顕著になる。
【0012】
特許文献2に記載されているように、電源ケーブル121を別に配線することなく、カメラモジュール101と撮像装置本体110とを、1本の同軸ケーブルで接続すれば、上記問題を解決できるが、以下の新たな問題が生じる。以下、この問題を図6を用いて説明する。
【0013】
図6は、動画撮像装置100のカメラモジュール101と撮像装置本体110とを、1本の同軸ケーブルで接続した場合の各部の状態を示すタイミングチャートである。同図に示すように、撮像素子102aは、1フレーム画像の撮像信号を生成するため、1/60秒の周期でt0からt1の露光動作期間に撮像視野の画像を撮像し、露光動作期間の終了時t1後のVsyncで示すタイミングで撮像した1フレーム画像を表す撮像信号を出力する。この撮像信号は、撮像装置本体110からカメラモジュール101に電源を供給するために直流電源電圧が印加された同軸ケーブルを介して、撮像装置本体110のISP112へ出力するので、撮像信号でパルス変調した変調信号を同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて撮像装置本体110側へ出力する。
【0014】
撮像部102の撮像中に撮像視野を照光させるため、撮像素子102aの露光動作期間(t0-t1)に同期させて、LED106が点灯制御される。このLED106は、カメラモジュール101と撮像装置本体110とを接続する同軸ケーブルを介して撮像装置本体110から直流電源の供給を受けて点灯するが、LED106を点灯させる駆動電流は1A程度と大きいので、同軸ケーブルに印加されている直流電源電圧は、LED106の点灯時t0で瞬間的に低下し、徐々にもとの印加電圧まで上昇して安定する。逆に、LED106の消灯時t1は、瞬間的に上昇し、t1後通常3msec程度の期間、徐々にもとの印加電圧まで低下して安定する。
【0015】
このLED106の消灯時t1後に直流電源電圧が変動する電圧変動期間に、上述のように撮像信号でパルス変調した変調信号が直流電源電圧に加えられているので、パルス波形が崩れたり、矩形波の立ち上がり、若しくは立ち下がりの位置が直流電源電圧の変動で変化し、撮像装置本体110側でパルス変調した撮像信号を復調できないという問題が生じる。
【0016】
同様に、任意のタイミングでISP112から撮像制御部103に出力する撮像制御信号(例えばSC1、SC2、SC3)や撮像制御信号(SC1、SC2、SC3)に応答して撮像制御部103からISP112へ出力するACK信号(SA1、SA2、SA3)もパルス変調して同軸ケーブルに印加された直流電源電圧に重畳して出力されるので、図6に示すように、その一部の撮像制御信号(SC1、SC2)やACK信号(SA1、SA2)がLED106の点滅制御時t0、t1の直後の電圧変動期間に出力される場合には、復調することができず、通信エラーが生じる。
【0017】
以上の理由から、従来より動画撮像装置のカメラモジュールと撮像装置本体とを1本の同軸ケーブルで安価に簡潔に接続する要望があるにもかかわらず、このような構造の動画撮像装置を実用化することはできなかった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、カメラモジュールと撮像装置本体とを1本の同軸ケーブルのみで接続しても、同軸ケーブルを介したカメラモジュールと撮像装置本体間の通信エラーが生じることがない動画撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の動画撮像装置は、撮像視野の画像を所定の露光動作期間中に撮像し、露光動作期間の終了後に撮像した各フレーム画像を表す撮像信号をその撮像動作タイミング情報とともに順次出力する撮像部と、撮像視野を照光する光源と、撮像動作タイミング情報をもとに生成される光源制御信号により光源を点滅制御する光源制御部とを有するカメラモジュールと、撮像部から順次出力される撮像信号と撮像動作タイミング情報から各フレーム画像を連続させた動画像を生成して出力する画像信号処理部と、カメラモジュールに直流電源を供給する直流電源回路とを有する撮像装置本体と、カメラモジュールと撮像装置本体とを接続する同軸ケーブルとを備え、直流電源回路から同軸ケーブルに直流電源電圧を印加してカメラモジュールの各部を駆動するとともに、カメラモジュールの第1重畳回路で、撮像部から順次出力される撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、画像信号処理部へ出力する動画撮像装置であって、
第1重畳回路は、光源の点滅制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後の電圧安定期間に、撮像部から順次出力される撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳し、前記撮像部は、相対的に光源の消灯制御時より露光動作期間の終了時を遅延させ、前記撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、前記光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、前記光源の点灯制御時までの前記電圧安定期間に出力することを特徴とする。
【0020】
光源の点滅制御時から一定期間同軸ケーブルに印加した直流電源電圧は変動し、その点滅制御時からの電圧変動期間は、光源の消費電流、直流電源回路の出力電力等から予測できるので、光源の点滅制御時から所定経過時間の電圧変動期間を設定する。カメラモジュールの第1重畳回路は、設定した電圧変動期間が経過した電圧安定期間に、撮像部から順次出力される撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳するので、直流電源電圧の変動の影響を受けずに、撮像装置本体へ出力できる。また、撮像部が露光動作期間の終了時を遅延させ、若しくは、光源制御部が光源の消灯制御時を早め、若しくはその双方により、相対的に光源の消灯制御時より露光動作期間の終了時を遅延させることができ、電圧変動期間が経過した後の電圧安定期間に出力する撮像信号とその撮像動作タイミング情報の出力を早めることができる。
【0021】
請求項2に記載の動画撮像装置は、撮像部が、撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、光源の点灯制御時までの電圧安定期間に出力するように、露光動作期間の終了後の出力タイミングを遅延させることを特徴とする。
【0022】
光源を点滅制御する光源制御信号は、撮像部から出力される撮像動作タイミング情報をもとに生成されるので、撮像部は、光源の消灯制御後に出力する撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、次の光源の点灯制御時までの電圧安定期間に遅延して出力できる。
【0025】
請求項に記載の動画撮像装置は、カメラモジュールは、撮像制御信号に従って撮像部の撮像動作を制御する撮像制御部を更に有し、画像信号処理部は、各フレーム画像を表す撮像信号から撮像制御信号を生成し、撮像装置本体の第2重畳回路は、画像信号処理部が生成した撮像制御信号を、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳して、撮像制御部へ出力することを特徴とすることを特徴とする。
【0026】
各フレーム画像を表す撮像信号から生成する撮像制御信号を同軸ケーブルを介して撮像制御部へ出力し、撮像制御部は、撮像制御信号に従って撮像部の撮像動作を制御する。
【0027】
請求項に記載の動画撮像装置は、第1重畳回路が、撮像部から出力される電圧安定期間のタイミング情報を、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、画像信号処理部へ出力し、第2重畳回路は、撮像制御信号を、電圧安定期間に同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳して、撮像制御部へ出力することを特徴とする。
【0028】
画像信号処理部は、カメラモジュールの第1重畳回路から電圧安定期間のタイミング情報が入力されるので、電圧安定期間に第2重畳回路から画像信号処理部が生成した撮像制御信号を同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳して、撮像制御部へ出力することができる。
【0029】
請求項に記載の動画撮像装置は、第1重畳回路が、撮像部から出力される電圧安定期間のタイミング情報を、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳させて、画像信号処理部へ出力し、画像信号処理部は、撮像制御信号に応答して撮像制御部が出力したACK信号を、電圧安定期間以外の期間に入力した際に、そのACK信号を無視することを特徴とする。
【0030】
電圧安定期間以外の期間に、ACK信号を入力した場合には、撮像制御部がACK信号を出力して応答した撮像制御信号や、そのACK信号が電圧変動期間に同軸ケーブルの直流電源電圧に重畳して出力され、通信エラーが生じている可能性があるので、画像信号処理部は、ACK信号を無視し、撮像制御信号が撮像制御部で認識されなかったものとする。
【0031】
請求項に記載の動画撮像装置は、撮像制御部が電圧変動期間に画像信号処理部から出力される撮像制御信号を入力した場合には、その撮像制御信号を無視し、ACK信号を出力しないことを特徴とする。


【0032】
撮像制御部が電圧変動期間に撮像制御信号を入力した場合には、その撮像制御信号は、重畳した直流電源電圧の変動で変化している可能性があるので、その撮像制御信号に従って撮像部の動作を制御せず、撮像制御信号を無視したことを、ACK信号を出力しないことで画像信号処理部へ伝える。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の発明によれば、1本の同軸ケーブルのみで、撮像視野を照光する光源を有するカメラモジュールと撮像装置本体とを接続でき、カメラモジュールで撮像した撮像信号を同軸ケーブルを介して正確に撮像装置本体へ送信できる。
【0034】
請求項2の発明によれば、光源の消灯制御時から所定経過時間に設定する電圧変動期間が経過した後、次の光源の点灯制御時までの電圧安定期間に、撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを、同軸ケーブルの直流電源電圧に重畳できるので、カメラモジュールで撮像した撮像信号を同軸ケーブルを介して通信エラーが生じることなく撮像装置本体へ送信できる。
【0035】
請求項3の発明によれば、光源の消灯制御時後の電圧変動期間中に、撮像部の露光動作期間が終了するので、露光動作期間の終了後速やかに電圧変動期間が経過し、その後の電圧安定期間に撮像信号とその撮像動作タイミング情報とを出力できる。
【0036】
請求項4の発明によれば、画像信号処理部は、入力される各フレーム画像からフレーム画像を補正するための撮像制御信号を生成し、同軸ケーブルを介して撮像制御部へ出力するので、フレーム画像の補整を、撮像部で新たに撮像するフレーム画像にフィードバックできる。
【0037】
請求項5の発明によれば、画像信号処理部が生成した撮像制御信号を、電圧安定期間に、同軸ケーブルに印加した直流電源電圧に重畳し、撮像制御部へ正確に送信できる。
【0038】
請求項6の発明によれば、電圧安定期間以外の期間に出力した撮像制御信号は、通信エラーで異なる信号に変化している可能性があるので、撮像制御部に出力されなかったものとして、その撮像制御信号を再送したり、新たな撮像制御信号を出力できる。
【0039】
請求項7の発明によれば、通信エラーで変化した可能性のある撮像制御信号に従って撮像部の動作を誤制御することがなく、撮像制御信号に従って撮像動作を制御しなかったことを画像信号処理部へ伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施の形態に係る動画撮像装置1を示すブロック図である。
図2】動画撮像装置1の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図3】第2の実施の形態に係る動画撮像装置30を示すブロック図である。
図4】動画撮像装置30の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図5】従来の動画撮像装置100を示すブロック図である。
図6】同軸ケーブルを用いた動画撮像装置100の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の一実施の形態に係る動画撮像装置1を、図1図2を用いて説明する。この動画撮像装置1は、撮像視野の画像を撮像する撮像部11と撮像視野を照光する光源14を有するカメラモジュール10と、カメラモジュール10から連続して入力される撮像信号から動画像を生成して出力する画像信号処理部21を有する撮像装置本体20とが、1本の同軸ケーブル2で接続されている。この同軸ケーブル2の芯線には、撮像装置本体20のDC電源回路22から、5Vの直流電源電圧が印加され、光源14を含むカメラモジュール10の各部に直流電源を供給するとともに、同軸ケーブル2を介して、カメラモジュール10から撮像装置本体20へ後述する撮像信号や撮像動作タイミング情報等を送信するforward通信と、撮像装置本体20からカメラモジュール10へ後述する撮像制御信号の送信するreverse通信の双方向通信が行われる。
【0042】
本実施の形態に係る動画撮像装置1は、車両を運転するドライバーの表情から居眠り運転の警告を発信する居眠り監視システムに使用され、カメラモジュール10は、夜間であっても赤外光で照光されるドライバーの表情を高感度に撮像可能な赤外カメラ用の撮像部11と、撮像制御部と変復調部を兼ねたシリアライザ12と、同軸ケーブル2の端末に接続する重畳・分離回路13と、夜間にドライバーに運転の妨げにならない赤外線を照光する光源となる赤外LED14と、赤外LED14を点滅制御するLEDドライバ15とを有している。
【0043】
撮像部11は、フォーカス部、絞り部を有するレンズ、電子シャッター、撮像素子11a、信号処理回路、A/D変換回路及びRGBゲイン補正回路の各部から構成され、これらの各部は、撮像装置本体20の画像信号処理回路21から、シリアライザ12の撮像制御部を介して出力される撮像制御信号によってAF制御、AE制御、AWB制御等の各撮像動作が制御される。
【0044】
このうち、撮像部11の撮像素子11aは、行方向に配列される画素群からなる画素ラインが、列方向に複数ライン配置されたマトリックス状の多数の画素からなるCMOSセンサで構成され、各画素毎に、フォトダイオードによって蓄積される信号電荷を電圧信号からなる画素信号として出力する。撮像素子11aの撮像動作は、シリアライザ12から出力される撮像制御信号に含まれる露光制御信号と読み出し制御信号のタイミング制御信号で制御され、1フレーム画像の撮像周期である1/30秒、すなわち約33msecの1フレーム周期TFに、撮像視野全体のフレーム画像を撮像し、1フレーム画像を表す全ての画素信号を読み出し、アナログ信号の撮像信号としてその後段のシリアライザ12へ出力する。
【0045】
すなわち、図2に示すように、この撮像素子11aは、グローバルシャッターの電子機能を有し、グローバルリセットの露光制御信号を受けて、全ての画素ラインの画素が同一の露光動作期間(図2のt0からt1までの時間)に露光し、露光動作期間が終了したt1時から後述する第2電圧変動期間Tvc2が経過した後の後述する電圧安定期間Tvs中の垂直同期信号VSYNCに同期する出力期間(図2のt2からt3までの時間)に、画素ライン毎に順に全ての画素ラインの画素に蓄積された信号電荷を表す画素信号を読み出し、1フレーム画像を表すアナログ信号の撮像信号としてその後段のシリアライザ12へ出力する。
【0046】
また、撮像部11は、上記撮像信号に、その1フレーム画像を撮像した際の露光開始時t0、露光終了時t1、出力開始時t2、出力終了時t3の撮像動作タイミング情報を加えてその後段のシリアライザ12へ出力するとともに、撮像動作タイミング情報をもとに上記露光動作期間(図2のt0からt1までの時間)に赤外LED14を点灯制御するLED制御信号をLEDドライバ15へ出力し、LEDドライバ15は、このLED制御信号に従って露光動作期間中赤外LED14を点灯制御し、撮像視野を赤外線で照光する。
【0047】
シリアライザ12の変復調部は、撮像部11から入力される撮像信号と撮像動作タイミング情報と後述するACK信号(以下、これらの信号をfoward通信信号という)でパルス周波数変調し、変調した振幅が200mVのパルス信号からなる被変調信号を、同軸ケーブル2の端末に接続する重畳・分離回路13へ出力する。
【0048】
また、シリアライザ12は、reverse通信で重畳・分離回路13から入力される被変調信号から撮像装置本体20の画像信号処理部から出力された撮像制御信号を復調し、復調した撮像制御信号(例えば、図2のSC3)に従って撮像部11の各部の動作を制御するとともに、撮像制御信号を復調した際に、ACK信号(例えば図2のSA3)を生成して上記foward通信信号に含める。
【0049】
しかしながら、シリアライザ12で被変調信号から復調した撮像制御信号(例えば、図2のSC2)が、撮像部11から入力される撮像動作タイミング情報から判定する後述の電圧変動期間Tvc1、Tvc2に、重畳・分離回路13から入力された場合には、復調した撮像制御信号(図2のSC2)の一部にエラーが含まれている可能性があるため、その撮像制御信号を無視し、図に示すように、ACK信号を出力しない処理を行ってもよい。
【0050】
第1重畳回路である重畳・分離回路13は、シリアライザ12から入力された被変調信号を、同軸ケーブル2に印加された5Vの直流電源電圧に重畳して出力(foward通信)し、同軸ケーブル2の5Vの直流電源電圧に重畳して、撮像装置本体20から出力される被変調信号をシリアライザ12へ出力する。
【0051】
また、同軸ケーブル2から5Vの直流電源を分離して、カメラモジュール10の各部に直流電源を供給して駆動させる。このうち、カメラモジュール10の赤外LED14は、5V、1Aの直流電力で点灯するので、図2に示すように、赤外LED14の点灯制御時t0に、同軸ケーブル2の芯線の電圧は5Vから瞬間的に低下し、図示する第1電圧変動期間Tvc1に徐々に上昇し、第1電圧変動期間Tvc1の経過後、5Vで安定する。
【0052】
また、赤外LED14の消灯制御時t1には、同軸ケーブル2の芯線の電圧は5Vから瞬間的に上昇し、図示する第2電圧変動期間Tvc2に徐々に低下し、第2電圧変動期間Tvc2の経過後、5Vに復帰して安定する。点灯制御t0後の電圧が安定するまでの第1電圧変動期間Tvc1と、消灯制御t1後の電圧が安定するまでの第2電圧変動期間Tvc2は、それぞれDC電源回路22の出力電力、赤外LED14の点灯時の消費電力、他の回路定数により異なるので、実測値をもとに予め設定しておく。従って、図2に示すように、1フレーム周期TF中の第1電圧変動期間Tvc1と第2電圧変動期間Tvc2を除く期間が、同軸ケーブル2の直流電源電圧が安定する電圧安定期間Tvsとなる。従って、重畳・分離回路13は、この電圧安定期間Tvsにfoward通信する撮像信号と撮像動作タイミング情報を同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させる。
【0053】
撮像装置本体20側で同軸ケーブル2の他端に接続する第2重畳回路である重畳・分離回路23は、DC電源回路22から出力される5Vの直流電源を同軸ケーブル2に印加する。また、デシリアライザ24から入力される被変調信号を、同軸ケーブル2に印加された5Vの直流電源電圧に重畳して出力(reverse通信)し、カメラモジュール100から同軸ケーブル2の5Vの直流電源電圧に重畳して出力される振幅が200mVのパルス信号からなる被変調信号を分離してデシリアライザ24へ出力する。
【0054】
デシリアライザ24は、画像信号処理部21から入力される撮像制御信号でパルス周波数変調し、変調した振幅が200mVのパルス信号からなる被変調信号を重畳・分離回路23へ出力するとともに、foward通信で重畳・分離回路23から入力される被変調信号からfoward通信信号を復調し、画像信号処理部21へ出力する。
【0055】
撮像装置本体11の画像信号処理部21は、デシリアライザ24から入力される1フレーム画像を表す撮像信号を連続させて動画像を生成し、動画像の映像信号をドライバーの表情から居眠り運転の警告を発信する居眠り監視システムへ出力する。
【0056】
また、画像信号処理部21は、入力される各フレーム画像からフレーム画像を補正するための撮像制御信号を任意のタイミングで生成し、同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させるreverse通信でカメラモジュール10の撮像制御部であるシリアライザ12へ出力する。シリアライザ12は、この撮像制御信号に従って撮像部11の撮像動作を制御するので、フレーム画像の補正が、撮像部11で新たに撮像されるフレーム画像にフィードバックされる。
【0057】
本実施の形態では、赤外LED14の点灯制御時t0と消灯制御t1は、それぞれ露光開始時t0と露光終了時t1に等しく、第1電圧変動期間Tvc1と第2電圧変動期間Tvc2は、予め設定した画像信号処理部21において既知の期間であるので、画像信号処理部21は、カメラモジュール10から出力される撮像動作タイミング情報に含まれるれ露光開始時t0と露光終了時t1を電圧安定期間のタイミング情報として、既知の第1電圧変動期間Tvc1と第2電圧変動期間Tvcとから、1フレーム周期TF中の電圧安定期間Tvsが得られる。
【0058】
そこで、画像信号処理部21は、任意のタイミングで生成される撮像制御信号に応答してカメラモジュール10のシリアライザ12から出力されるASK信号が、電圧安定期間のタイミング情報から判定する電圧安定期間Tvs以外の期間にデシリアライザ24から入力された場合には、そのASK信号(図2のSA1)は、電圧変動期間Tvc1、Tvc2に同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳して出力された撮像制御信号(図2のSC1)であって、通信エラーを含む撮像制御信号(図2のSC1)に応答して出力されたものと推定してそのACK信号を無視し、同じ撮像制御信号を再送する。
【0059】
この動画撮像装置1によれば、1本の同軸ケーブル2のみで、カメラモジュール10と撮像装置本体20を接続しても、同軸ケーブル2の直流電源電圧が5Vに安定する電圧安定期間Tvs中に、撮像信号と撮像動作タイミング情報で変調した被変調信号を同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させるので、直流電源電圧の変動によって被変調信号のパルス波形が崩れたり、立ち上がりや立ち下がりの位置が変化することがなく、撮像装置本体20のでシリアライザ24で正確に撮像信号と撮像動作タイミング情報を復調して、画像信号処理部21へ出力できる。
【0060】
また、カメラモジュール10の各部に直流電源を供給する電源ケーブル2を利用して、撮像装置本体20の画像信号処理部21からカメラモジュール10の撮像部11の撮像動作を制御する撮像制御信号を出力できる。更に、電圧変動期間Tvc1、Tvc2に撮像制御信号を出力した場合には、カメラモジュール10側でその撮像制御信号を無視し、若しくは撮像装置本体20の画像信号処理部21で通信エラーが生じた可能性のある撮像制御信号を出力したことを知ることができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施の形態に係る動画撮像装置30を、図3図4を用いて説明する。この第2実施の形態の説明においては、第1実施の形態にかかる構成と同一若しくは同様に作用する構成については、同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
この動画撮像装置30は、第1実施の形態にかかる動画撮像装置1に対して図4に示すように、露光動作期間(図4のt0からt1までの時間)の終了時t1前のt4時に赤外LED14を消灯制御し、第2電圧変動期間Tvc2が終了した後の撮像信号の出力開始時t5を早めたものである。これにより、1フレーム画像を表す全ての撮像信号と撮像動作タイミング情報とを、1フレーム周期TFの電圧安定期間Tvs内に確実に同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳して撮像装置本体20側へ出力できる。
【0063】
露光動作期間の終了時t1前のt4時に赤外LED14を消灯制御するため、カメラモジュール10の撮像部11とLEDドライバ15の間にLEDタイミング制御部31が接続されている。LEDタイミング制御部31は、撮像部11から出力される1フレーム画像を撮像した際の露光開始時t0、露光終了時t1を含む撮像動作タイミング情報から、t0からt1までの露光動作期間中で赤外LED14の消灯制御時t4を露光終了時t1より早めたLED制御信号を生成し、LEDドライバ15へ出力する。
【0064】
また、LEDタイミング制御部31は、LED制御信号に含まれる消灯制御時t4を、シリアライザ12へ出力し、シリアライザ12は、撮像部11から入力される撮像動作タイミング情報にこの消灯制御時t4を電圧安定期間のタイミング情報として含める。
【0065】
LEDドライバ15は、このLED制御信号により赤外LED14を点滅制御するので、撮像素子11aの露光動作が終了するt1前のt4時に赤外LED14は消灯制御される。しかしながら、露光期間中のt0からt4までの期間には赤外LED14が点灯しているので、撮像素子11aは、赤外LED14で照光された撮像視野の画像を撮像できる。
【0066】
この動画撮像装置30によれば、露光動作期間が終了するt1時より前の消灯制御時t4から第2電圧変動期間Tvc2が開始するので、第2電圧変動期間Tvc2から電圧安定期間Tvsへの移行が早まり、撮像部11の撮像素子11aは、露光動作期間の終了時t1後にシリアライザ12へ出力する1フレーム画像を表すアナログ信号の撮像信号の出力開始時t5時を早めることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、撮像装置本体20の画像信号処理部21は、デシリアライザ24から入力される撮像動作タイミング情報に含まれる電圧安定期間のタイミング情報である点灯制御時(露光開始時)t0と、消灯制御時t4と、既知の第1電圧変動期間Tvc1及び第2電圧変動期間Tvc2とから1フレーム周期T毎の電圧安定期間Tvsが得られるので、図4に示すように、この電圧安定期間Tvs内にフレーム画像を補正するための撮像制御信号(図4のSC4、SC5)を出力し、電圧安定期間Tvs内にシリアライザ12から応答するACK信号(図4のSA4、SA5)を出力できる。従って、同軸ケーブル2の直流電源電圧に撮像制御信号を重畳しても通信エラーが生じることなく、撮像部11の撮像動作を制御できる。
【0068】
この実施の形態では、LEDタイミング制御部31が生成するLED制御信号で、赤外LED14の消灯制御時t4を露光終了時t1より早めるように赤外LED14を点滅制御したが、撮像制御部のシリアライザ12で赤外LED14の消灯制御時t4より露光終了時t1が遅れるように撮像素子11aの動作を制御してもよく、また、両者を併用してもよい。
【0069】
また、露光動作期間の終了時t1より撮像信号を出力する出力期間の開始時t5を遅らせているが、露光動作期間の終了時t1に第2電圧変動期間Tvc2が経過していれば、露光動作期間の終了時t1に撮像信号の出力を開始してもよい。
【0070】
また、画像信号処理部21は、電圧安定期間Tvsに撮像制御信号が同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳するタイミングで、撮像制御信号を出力しているが、デシリアライザ24若しくは重畳・分離回路23にバッファーを設け、撮像制御信号を電圧安定期間Tvsに同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させてもよい。
【0071】
一方、上述の各実施の形態では、カメラモジュール10側のシリアライザ12が、foward通信信号を電圧安定期間Tvsに同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させるタイミングで出力しているが、バッファーを設けた重畳・分離回路13で、foward通信信号を電圧安定期間Tvsに同軸ケーブル2の直流電源電圧に重畳させてもよい。
【0072】
また、動画撮像装置1、30は、必ずもしカメラモジュール10と撮像装置本体20とが車両に搭載されているものに限らず、撮像視野を照光する光源を備えた全ての動画撮像装置に本発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
光源で撮像視野の画像を撮像する動画撮像装置に適し、撮像装置本体とカメラモジュールがカメラモジュールの光源に電源を供給する電源ケーブルで接続された動画撮像装置に適している。
【符号の説明】
【0074】
1、30 動画撮像装置
2 同軸ケーブル
10 カメラモジュール
11 撮像部
11a 撮像素子
12 シリアライザ(変復調部、撮像制御部)
13 重畳・分離回路(第1重畳回路)
14 赤外LED(光源)
15 LEDドライバ(光源制御部)
20 撮像装置本体
21 画像信号処理部
22 DC電源回路
23 重畳・分離回路(第2重畳回路)
24 デシリアライザ(変復調部)
31 LEDタイミング制御部
Tvc1 第1電圧変動期間
Tvc2 第2電圧変動期間
Tvs 電圧安定期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6