(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】測定器用治具
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
G01C15/00 105R
(21)【出願番号】P 2020013830
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】平野 成志
(72)【発明者】
【氏名】堀 一夫
(72)【発明者】
【氏名】島田 由
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-112108(JP,A)
【文献】特開平03-111714(JP,A)
【文献】実開昭59-035817(JP,U)
【文献】登録実用新案第3159736(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
E02D 27/00-27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる貫通孔が形成された天板を有する基礎型枠に載置される測定器用治具であって、
基礎の幅方向に対向する上記各天板に載置される基板と、
上記基板から下方へ突出しており、上記貫通孔に挿通可能な突起と、
上記基板と連続し、測定器が載置される支持部と、
上記基板から下方へ突出可能な調整ネジと、を具備
しており、
上記基板は、上下方向に延びるネジ穴を有しており、
上記調整ネジは、上記ネジ穴に螺合されている測定器用治具。
【請求項2】
上記支持部は、
上記測定器が載置される支持板と、
上記支持板が上記基板の上方に位置するように、上記支持板と上記基板とをそれぞれ連続する脚部と、を有する
請求項1に記載の測定器用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築される建物の基礎上において測量を行う際に用いられる測定器用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、建造物の構築途中に用いられるトランシット柱脚固定用金物を開示する。当該トランシット柱脚固定用金物は、中央部に上下方向の開口を有する基台に対して平面視三角形の頂点に相当する箇所に、トランシット据付け用柱脚の脚下端を上方から嵌合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建築物の基礎工事において、生コン打設に用いられる基礎型枠の基礎芯の精度の確保や検査のためにトランシット等の測定器が使用される。
【0005】
従来、当該測定器は、基礎型枠上に配置することが必要であるため、基礎型枠を跨ぐ三脚に取り付けられて用いられていた。三脚は、脚先が地盤面へ差し込まれて固定される。測定器は、基礎型枠の上方で前後方向又は左右方向に動かされ、下げ振りが用いられて位置が調整される。
【0006】
しかしながら、三脚は、基礎型枠の外側へ拡がるため、作業者の可動範囲が限定され、三脚が測定器の位置の調整作業の妨げとなっていた。また、三脚は、脚先に障害物があると地盤面に固定できず、三脚を立てる位置を変更する必要があった。また、基礎型枠の上面と地盤面との高低差が三脚の高さより大きくなると、三脚が基礎型枠を跨げなくなるため、測定器が設置できない問題があった。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、測定器の位置調整の作業性がよく、基礎型枠の高さに関わらず用いることができる測定器用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る測定器用治具は、上下方向に延びる貫通孔が形成された天板を有する基礎型枠に載置される。基礎の幅方向に対向する上記各天板に載置される基板と、上記基板から下方へ突出しており、上記貫通孔に挿通可能な突起と、上記基板と連続し、測定器が載置される支持部と、を具備する。
【0009】
基礎型枠の天板の貫通孔に突起が挿通されることによって、天板上において基板の位置決めが容易である。したがって、基礎型枠の所望の位置に、測定器を容易に設置することができる。また、基礎型枠への測定器用治具の着脱が容易である。また、深基礎に用いられる比較的高さが高い基礎型枠に対して、測定器を設置することが容易である。
【0010】
(2) 上記基板は、上下方向に延びるネジ穴を有しており、上記ネジ穴に螺合されて上記基板から下方へ突出可能な調整ネジを更に具備する。
【0011】
調整ネジが基板から下方へ突出する寸法を調整することによって、不陸が生じている基礎型枠の天板に設置された測定器用治具に支持される測定器が、水平方向に対して傾斜することを解消できる。
【0012】
(3) 上記支持部は、上記測定器が載置される支持板と、上記支持板が上記基板の上方に位置するように、上記支持板と上記基板とをそれぞれ連続する脚部と、を有する。
【0013】
測定器用治具によって、基礎型枠の天板より高い位置に測定器が支持されるので、作業者が測定器を使いやすい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、測定器の位置調整の作業性がよく、基礎型枠の高さに関わらず用いることができる測定器用治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る測定器用治具10が基礎型枠15に載置された状態を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る測定器用治具10を示す図であり、
図2(A)は、正面図であり、
図2(B)は、側面図であり、
図2(C)は、平面図であり、
図2(D)は、
図2(A)におけるA-A断面図である。
【
図3】
図3(A)は、実施形態に係る支持板41の縦断面図であり、
図3(B)は、実施形態に係る天板62の平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る調整ネジ14が用いられる模式図であり、
図4(A)は、調整ネジ14が基板11の下方に突出しない状態を示す模式図であり、
図4(B)は、調整ネジ14が基板11の下方に突出する状態を示す模式図である。
【
図5】
図5は、変形例1に係る測定器用治具100が基礎型枠15に載置された状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、変形例1に係る測定器用治具100を示す図であり、
図6(A)は、斜視図であり、
図6(B)は、平面図である。
【
図7】
図7は、変形例2に係る測定器用治具200を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明においては、測定器用治具10が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、基礎17が延びる方向であって、上下方向7と直行する方向として長手方向5が定義され、基礎17の厚み方向であって、上下方向7及び長手方向5のいずれとも直交する方向として幅方向6が定義される。
【0017】
[測定器用治具10]
測定器用治具10は、基礎型枠15に載置され、トランシット等の測定器16を支持するために用いられる。
図1に示されるように、測定器用治具10は、例えば、基礎型枠15が上面視L字に形成された角に載置される。測定器16は、例えば、基礎芯の通りを確認するために用いられる。
【0018】
基礎型枠15は、建築物の基礎工事において、生コン打設に用いられる。
図1に示されるように、基礎型枠15は、型枠パネル61と、天板62とを有する。
【0019】
型枠パネル61は、例えば、メタルフォームであって、幅方向6に対向しつつ、複数が基礎17が延びる長手方向5へ連続して設けられることによって、基礎17の立ち上がり部となる区画を形成する。基礎17の区画には、生コンクリートが打設される。型枠パネル61は、上下方向7及び基礎型枠15が延びる方向に沿って拡がる。
【0020】
天板62は、対向する型枠パネル61の各上端に固定される。天板62は、通常、基礎用のアンカーボルトを固定し位置決めするため等に用いられるものである。天板62は、型枠パネル61の各上端に沿って、すなわち長手方向5に沿って延びる長手部62Aと、一対の長手部62Aを渡す短手部62Bと、を有する。
【0021】
長手部62Aは、上下方向7に沿って延びる貫通孔63が所定間隔ごとに多数形成されている。各長手部62Aの貫通孔63は、長手方向5に沿った位置が揃えられている。長手方向5に沿った位置が揃えられた一組の貫通孔63は、幅方向6に沿って延びる中心同士を結んだ線の中央が基礎型枠15及び基礎17の幅方向6の中央とされる。天板62は、例えば、基礎型枠15が上面視L字に形成された角において、天板62の端部同士が上下に重ねられている。
【0022】
図2に示されるように、測定器用治具10は、基板11と、突起12と、支持部13と、調整ネジ14と、固定具18と、を具備する。なお、
図2(D)では、調整ネジ14が省略されている。
【0023】
[基板11]
基板11は、下面が天板62の上面と当接する。
図2に示されるように、基板11は、矩形の平板である。基板11は、長手方向5及び幅方向6に沿って拡がる。基板11は、例えば、金属製である。基板11は、長手方向5及び幅方向6の中央に矩形の開口21が設けられている。開口21は、測定器16から基礎芯の位置を確認するためなどに用いられる。
【0024】
基板11は、上下方向7に延びるネジ穴22を有している。ネジ穴22は、基板11の四隅と、四隅の間に適宜間隔を開けて2つずつとの、合計12個が設けられている。ネジ穴22は、基板11を上下方向7に貫通している。
【0025】
[突起12]
突起12は、天板62の貫通孔63に挿通されることにより、基板11が天板62に対して長手方向5及び幅方向6の位置決めがされる。
図2に示されるように、突起12は、基板11から下方へ突出している。突起12は、下方へ向かって尖る円錐形状であって、最大径が貫通孔63の直径より短い。
【0026】
突起12は、例えば、基板11の四隅であって、ネジ穴22より角側に設けられる。長手方向5に相互に隣り合う突起12同士の間の距離は、天板62の貫通孔63同士の長手方向5に沿った距離と合致する。幅方向6に相互に隣り合う突起12同士の間の距離は、長手方向5において位置が揃えられた一組の貫通孔63同士の間の距離と合致する。幅方向6に相互に隣り合う突起12同士の中央は、基板11の幅方向6における中央と合致する。
【0027】
[支持部13]
支持部13は、測定器16が載置され、測定器16を基礎型枠15上に支持する。支持部13は基板11と連続する。支持部13は、支持板41と、係合部42と、脚部43と、を有する。
【0028】
支持板41は、測定器16が載置されることにより、測定器16を支持する矩形の平板である。支持板41は、基板11と平行であり、長手方向5及び幅方向6に沿って拡がる。支持板41は、長手方向5及び幅方向6の中央に貫通孔41Aと、長手方向5の一端に貫通孔41Aと間を空けて2つのネジ穴41Bと、を有する。貫通孔41Aは、円形状であり、中心が脚部43の長手方向5及び幅方向6の中央と合致する。
【0029】
図2及び
図3(A)に示されるように、係合部42は、固定具18と係合して固定具18を支持する。係合部42は、略楕円形状の枠であり、一端に2つの貫通孔42Aを有する。貫通孔42Aは、支持板41のネジ穴41Bと合わせられ、ネジ穴41Bと共にネジ44により螺合され、係合部42が支持板41に接合される。係合部42は、例えば、支持板41に接合されたとき、長手方向5に沿った状態とされる。
【0030】
図2(C)に示されるように、係合部42は、第1孔42Bと、第1孔42Bと連続する第2孔42Cと、を有する。第1孔42Bは、長手方向5における貫通孔42A側に設けられた円形状の貫通孔である。第1孔42Bは、第2孔42C側が開放されている。第2孔42Cは、第1孔42Bから貫通孔42Aと反対側へ長手方向5に沿って延びる楕円形状の貫通孔である。第2孔42Cは、幅方向6に沿った長さ寸法が第1孔42Bの直径より短い。第1孔42B及び第2孔42Cにおける幅方向6の中央を通る長手方向5に沿った仮想線P1は、貫通孔41Aの中心点Qと上下方向7において重なる。
【0031】
係合部42の第1孔42B及び第2孔42Cは、それぞれの長手方向5に沿った長さ寸法が、支持板41の貫通孔41Aの直径よりやや長い。
【0032】
図1、
図2(A)及び
図2(B)に示されるように、脚部43は、支持板41が基板11の上方に位置するように、支持板41と基板11とを連続する。脚部43は、上下方向7に沿った寸法が長手方向5及び幅方向6に沿った寸法より長い略直方体形状である。脚部43は、本実施形態では、幅方向6に沿った寸法が長手方向5に沿った寸法より長い。脚部43の上下方向7に沿った長さは、測定器用治具10が基礎型枠15に載置された際、支持板41の上下方向7における高さがおおよそ1.0m以上1.5m未満となる程度であることが好ましい。
【0033】
脚部43は、金属製の平板が2本の折目に沿って折り曲げられて3つの側壁43Aが形成される。脚部43は、対向する側壁43Aの側壁43Aと連続しない端部が上下方向7に沿った折目に沿って折り曲げられることが好ましい。脚部43は、
図2(D)に示されるように、横断面が略コの字形状である。脚部43は、平面上の寸法が支持板41と同じであることが好ましい。
【0034】
図2(A)及び
図2(B)に示されるように、脚部43は、各側壁43Aに開口43Bを有する。各開口43Bは、3つの各側面の上下方向7及び長手方向5或いは幅方向6の中央に配される。各開口43Bは、上下方向7に沿った寸法が幅方向6に沿った寸法より長い。脚部43は、長手方向5における一方が開放された開口43Cを有する。開口43Cは、上下方向7の両端が開放されている。
【0035】
脚部43は、下端が基板11の上面であって開口21の周囲に接合される。脚部43は、例えば、基板11の上面に溶接される。脚部43は、基板11との接合の際、例えば、側壁43Aの長手方向5又は幅方向6における方向が四隅の突起12のうち相互に隣合う2つの突起12を結ぶ線が延びる方向と平行にされる。脚部43は、接合される下端の位置が基板11の幅方向6の中央を通って長手方向5に沿って延びる仮想線P2(
図2(D)参照)に対して線対称とされる。仮想線P2は、仮想線P1と上下方向7において重なる。
【0036】
脚部43は、上端が支持板41の外周縁と接合される。脚部43は、例えば、支持板41の外周縁に溶接される。
【0037】
[調整ネジ14]
図2(A)から
図2(C)及び
図4に示されるように、調整ネジ14は、ネジ穴22に螺合されて基板11から下方へ突出可能である。調整ネジ14は、例えば、蝶ボルトである。調整ネジ14は、例えば、基板11が載置された天板62のうち上下方向7における高さが、その他より低い箇所にある調整ネジ14のみを基板11から下方へ突出させる。
図4に示されるように、調整ネジ14は、先端が天板62の上面に当接し、調整ネジ14が基板11の下方から突出する長さに応じて基板11が天板62から離れ、水平方向に対する基板11の角度が調整される。ネジ穴22は、基板11の少なくとも四隅に配されるため、調整ネジ14の上下方向7に沿った長さの範囲において、あらゆる水平方向に対する基板11の角度が調整できる。
【0038】
[固定具18]
固定具18は、測定器16の固定に用いられる。
図3(A)に示されるように、固定具18は、上下方向7に沿って延びる雄ネジ部71と、雄ネジ部71の下端に連接されたグリップ72と、を有する。
【0039】
雄ネジ部71は、横断面円形状の管状であって、外周面71Aの上部にネジ溝71B及び下部に係合のための溝71Cが設けられている。雄ネジ部71は、測定器16の下基板の中央部の貫通孔(不図示)の内周面に形成された雌ネジ部と螺合される。雄ネジ部71における長手方向5及び幅方向6の中央を通る仮想線P3は、貫通孔41Aの中心点Q(
図2(C)参照)を通る。仮想線P3は、基礎型枠15の幅方向6の中央を通る。
【0040】
外周面71Aは、直径が係合部42の第1孔42Bの直径より短く、第2孔42Cの幅方向6に沿った長さ寸法より長い。溝71Cは、直径が第2孔42Cの幅方向6に沿った長さ寸法より短い。雄ネジ部71は、第1孔42Bに挿通され、溝71Cが係合部42に合わされた状態で第1孔42Bから長手方向5に沿って第2孔42Cに移動される。
【0041】
溝71Cの直径は、係合部42が支持板41に接合されたとき、第1孔42Bと貫通孔41Aとが上下方向7において重なる開口の長手方向5に沿った長さ寸法より長い。
【0042】
固定具18は、例えば、雄ネジ部71が第2孔42Cに挿通された状態で、係合部42が基礎型枠15に載置された測定器用治具10の支持板41の裏面に接合される。その際、作業者は、脚部の開口43Cより係合部42と支持板41の接合作業を行うことができる。
【0043】
固定具18は、支持板41に接合された係合部42に支持された状態で測定器16と螺合されることで、測定器16は、支持板41上に載置される。測定器16は、支持板41上に載置された状態において、鉛直中心が基礎型枠15の幅方向6の中央と上下方向7において重なる。測定器16は、鉛直中心の位置に誤差が生じる場合、測定器16に設けられたセンタリング機能により位置が微調整される。
【0044】
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、基礎型枠15の天板62の貫通孔63に突起12が挿通されることによって、天板62上において基板11の位置決めが容易である。雄ネジ部71は、幅方向6の中央が基礎型枠15の幅方向6の中央と上下方向7において重なる。測定器16は、支持板41上に載置された状態において、鉛直中心が基礎型枠15の幅方向6の中央と上下方向7において重なる。したがって、基礎型枠15の幅方向6の中央における所望の位置に、測定器16を容易に設置することができる。
【0045】
また、基礎型枠15への測定器用治具10の着脱が容易である。また、深基礎に用いられる比較的高さが高い基礎型枠15に対して、測定器16を設置することが容易である。
【0046】
また、調整ネジ14が基板11から下方へ突出する寸法を調整することによって、不陸が生じている基礎型枠15の天板62に設置された測定器用治具10に支持される測定器16が、水平方向に対して傾斜することを解消できる。
【0047】
また、四隅のネジ穴22が天板62の貫通孔63等の貫通孔と上下方向7において重なった場合であっても、四隅以外のネジ穴22に調整ネジ14を螺合することによって、測定器用治具10に支持される測定器16が、水平方向に対して傾斜することを解消できる。
【0048】
また、測定器用治具10によって、基礎型枠15の天板62より高い位置に測定器16が支持されるので、作業者が測定器16を使いやすい。
【0049】
また、溝71Cの直径は、係合部42が支持板41に接合されたとき、第1孔42Bと貫通孔41Aとが上下方向7において重なる開口の長手方向5に沿った長さ寸法より長いため、固定具18が係合部42から外れることを防止することができる。
【0050】
[変形例1]
上記実施形態では、基板11が一枚の平板であって、脚部43が3つの側壁43Aを有する例が示された。しかしながら、基板11は、長手方向5に沿って延びる一対の基部111であってもよい。支持部13は、基部111を連続させる支持部113であってもよい。変形例1では、基部111及び支持部113が用いられる測定器用治具100の例について説明される。
【0051】
図5に示されるように、測定器用治具100は、例えば、基礎型枠15が上面視直線状に形成された箇所の任意の位置に載置される。
図5及び
図6に示されるように、測定器用治具100は、長手方向5に沿って延びる基部111と、突起12と、支持部113と、調整ネジ14と、固定具18と、を具備する。基部111及び支持部113は、1枚の矩形の平板が折り曲げられて形成される。
【0052】
基部111は、支持部113から幅方向6の両外側に拡がる。各基部111は、下面が天板62の長手部62Aの上面と当接する。各基部111は、
図6に示されるように、矩形の平板である。各基部111は、長手方向5及び幅方向6に沿って拡がる。各基部111は、上下方向7に延びるネジ穴122を有している。ネジ穴122は、各基部111に4つずつ設けられている。ネジ穴122は、例えば、各基部111の幅方向6の中心に長手方向5に沿って配されている。
【0053】
支持部113は、一対の基部111の双方と繋がっており、一対の基部111を連続させる。支持部113は、支持板141と、係合部42と、脚部143と、を有する。支持板141は、支持板41と同様に構成されるため、詳細な説明が省略される。
【0054】
脚部143は、各下端が1つの基部111と繋がる1対からなる。各脚部143は、長手方向5及び上下方向7に沿って拡がる矩形である。各脚部143は、上下方向7に沿った長さ寸法より長手方向5に沿った長さ寸法の方が長い。
【0055】
各脚部143は、各上端が支持板141と繋がっている。各脚部143は、各基部111が支持板141とは反対側へ拡がるように各基部111と繋がっている。各脚部143は、対向する。
【0056】
[変形例1の作用効果]
基部111及び支持部113は、1枚の矩形の平板が折り曲げられて形成されるため、基部111と脚部143、脚部143と支持板141を溶接等により接合する手間が省かれる。
【0057】
[変形例2]
上記実施形態では、基板11が矩形であって、脚部43が3つの側壁43Aを有する例が示された。しかしながら、基板11は、長手方向5に沿って延びる一対の片211Aを有する基板211であってもよい。脚部43は、略H字形状に形成された一対の脚部243であってもよい。変形例2では、基板211及び支持部213が用いられる測定器用治具200の例について説明される。
【0058】
図7に示されるように、測定器用治具200は、基板211と、突起12と、支持部213と、調整ネジ14と、固定具18と、を具備する。
【0059】
基板211は、長手方向5に沿って延びる一対の片211Aと、長手方向5の中央において片211A同士を繋ぐ基部211Bと、を有する。
【0060】
各片211Aは、長手方向5及び幅方向6に沿って拡がる矩形である。各片211Aは、下面が天板62の長手部62Aの上面と当接する。各片211Aは、上下方向7に延びるネジ穴222を有している。ネジ穴222は、各片211Aに4つずつ設けられている。ネジ穴222は、例えば、各片211Aの幅方向6の中心に長手方向5に沿って配されている。
【0061】
基部211Bは、平板であって、コの字と反対向きのコの字とが矩形の平板で背中合わせに繋がれた形状に形成されている。
【0062】
支持部213は、一対の片211Aの双方と繋がっている。支持部213は、支持板41と、係合部42と、脚部243と、を有する。
【0063】
脚部243は、H字形状の1対からなる。各脚部243は、下端が基部211Bと溶接により接合され、上端が支持板41と溶接により接合される。各脚部243は、例えば、基部211Bと接合され上下方向7に沿って延びる横断面L字形状の2本の棒材243A、棒材243Aの上端と溶接により接合され2本の棒材243Aを横架する棒材243B、及び各棒材243Aの上部と溶接により接合され上下方向7に沿って延び上端が支持板41の角と溶接により接合される棒材243Cから形成される。
【0064】
[その他の変形例]
上記実施形態では、測定器16としてトランシットが用いられたが、レーザーレベルやセオドライトが用いられてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、係合部42が用いられたが、係合部42が用いられずともよく、例えば、貫通孔41Aの内周面に筒等が接合され、当該筒の内周面に雌ネジが形成され、固定具18の雄ネジ部71と螺合してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、係合部42がネジ44により支持板41に固定されていたが、係合部42は、支持板41に対し回転可能やスライド可能に結合されていてもよい。例えば、係合部42は、ネジ44が螺合される貫通孔42Aを有さずともよい。具体的には、係合部42は、係合部42の下方に位置する金属製の板部材によって支持され、ネジ44によって支持板41と当該板部材の間に回転及びスライド可能に挟まれてもよい。また、ネジ44は、雄ねじの一部が筒状部材によって覆われてもよい。
【符号の説明】
【0067】
6・・・幅方向
7・・・上下方向
10・・・測定器用治具
11・・・基板
12・・・突起
13・・・支持部
14・・・調整ネジ
15・・・基礎型枠
16・・・測定器
17・・・基礎
22・・・ネジ穴
41・・・支持板
43・・・脚部
62・・・天板
63・・・貫通孔