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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
B66B3/00 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021172050
(22)【出願日】2021-10-21
(65)【公開番号】P2023062224
(43)【公開日】2023-05-08
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207826
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 誠治
(72)【発明者】
【氏名】田平 尚己
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】玉置 亜由美
(72)【発明者】
【氏名】端 宏晃
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-074521(JP,A)
【文献】特開2010-6520(JP,A)
【文献】特開平8-239177(JP,A)
【文献】特開2016-56013(JP,A)
【文献】特開2021-147221(JP,A)
【文献】特開2021-54582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場に設けられ、液晶で構成される第1表示部と、
前記乗場に設けられる第2表示部と、
前記乗場の呼びを登録する乗場呼びボタンと、
前記第1表示部と前記第2表示部の表示内容を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1表示部が焼き付きを防止する焼き付き防止表示を表示している期間中に、前記第2表示部に所定の表示を表示させ
前記第2表示部は、前記乗場呼びボタンに設けられた発光部であって、
前記制御部は、前記呼びが登録された場合に、前記第2表示部に呼び登録表示を表示させ、
前記所定の表示は、前記呼び登録表示と異なる、
ことを特徴とする、エレベータ。
【請求項2】
前記焼き付き防止表示は、消灯である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記第1表示部は、前記エレベータの運行によって変化する情報を含まない背景部を有し、
前記焼き付き防止表示は、前記背景部のみを表示する表示である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記制御部は、前記乗場呼びボタンの操作に基づいて、前記焼き付き防止表示を終了する、
ことを特徴とする、請求項1乃至に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記乗場の人を検出する人検出装置を備え、
前記制御部は、前記人検出装置の検出結果に基づいて、前記焼き付き防止表示を終了する、
ことを特徴とする、請求項1乃至に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関し、特に、乗場に液晶表示装置を備えたエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、乗場に液晶表示装置を備え、乗りかごの位置を示す数字や、上下の運転方向を示す矢印を表示する(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1のようなエレベータは、長時間にわたって利用されない場合には、乗りかごが一定の階に停止し続けるため、液晶表示装置が長時間同じ表示を継続することで焼き付きが生じることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-148417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、液晶で構成される乗場の表示装置の焼き付きを抑制しつつ、利用者の利便性の低下を抑制するエレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータは、エレベータの乗場に設けられ、液晶で構成される第1表示部と、前記乗場に設けられる第2表示部と、前記乗場の呼びを登録する乗場呼びボタンと、前記第1表示部と前記第2表示部の表示内容を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1表示部が焼き付きを防止する焼き付き防止表示を表示している期間中に、前記第2表示部に所定の表示を表示させる、ことを特徴とする。
【0006】
また、エレベータは、前記焼き付き防止表示は、消灯である、という構成でもよい。
【0007】
また、エレベータは、前記第1表示部は、前記エレベータの運行によって変化する情報を含まない背景部を有し、前記焼き付き防止表示は、前記背景部のみを表示する表示である、という構成でもよい。
【0008】
また、エレベータは、前記第2表示部は、前記乗場呼びボタンに設けられた発光部である、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータは、前記制御部は、前記呼びが登録された場合に、前記第2表示部に呼び登録表示を表示させ、前記所定の表示は、前記呼び登録表示と異なる、という構成でもよい。
【0010】
また、エレベータは、前記制御部は、前記乗場呼びボタンの操作に基づいて、前記焼き付き防止表示を終了する、という構成でもよい。
【0011】
また、エレベータは、前記乗場の人を検出する人検出装置を備え、前記制御部は、前記人検出装置の検出結果に基づいて、前記焼き付き防止表示を終了する、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態であるエレベータの乗場の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される乗場操作盤の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される制御ブロック図である。
図4図4は、本発明の一実施形態であるエレベータの制御を示すフロー図である。
図5図5は、本発明の一実施形態であるエレベータの焼き付き防止表示の表示中の乗場操作盤を示す図である。
図6図6は、本発明の第1変形例であるエレベータの焼き付き防止表示の表示中の乗場操作盤を示す図である。
図7図7は、本発明の第2変形例であるエレベータの焼き付き防止表示の表示中の乗場操作盤を示す図である。
図8図8は、本発明の第3変形例であるエレベータの乗場の構成を示す図である。
図9図9は、本発明の第3変形例であるエレベータの制御を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態であるエレベータ10について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータの乗場の構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、エレベータ10の乗場50は、乗降口27を備える。ここで、本実施形態においては乗場50には乗降口27が1つ設けられるが、このような構成に限られず、複数の乗降口27が設けられ、乗場50に複数のエレベータ10が停止可能に構成されてもよい。
【0016】
また、乗降口27に隣接する壁面には、乗場操作盤28が設けられる。エレベータ10の利用者は、乗場操作盤28の乗場呼び操作部30を操作することにより、エレベータ10の乗場50への呼びを登録し、後述する第1表示部44を見ることにより、エレベータ10の運行状況等の情報を確認する。なお、乗場操作盤28の詳細は後述する。
【0017】
ここで、乗場50に複数のエレベータ10が停止可能に構成される場合には、乗場操作盤28は、エレベータ10毎に複数設けられる、という構成でもよいし、乗場操作盤28が1台設けられる、という構成でもよい。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される乗場操作盤の構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、乗場操作盤28は、エレベータ10の乗場50への呼びを登録する機能を有する、乗場呼び操作部30が設けられる。
【0020】
また、乗場呼び操作部30は、乗場50から上方向に運行するエレベータ10の呼びを登録する機能を有する上呼びボタン31Aと、乗場50から下方向に運行するエレベータ10の呼びを登録する機能を有する下呼びボタン31Bが設けられる。以下、上呼びボタン31Aと下呼びボタン31Bを区別する必要がない場合は、乗場呼びボタン31と表記する。
【0021】
ここで、乗場呼びボタン31は、従来公知の押釦であるが、このような構成に限られず、他の接触式の操作を検出する装置、例えば静電容量式のタッチボタンにより構成されてもよい。
【0022】
さらに、乗場呼び操作部30には、上呼びボタン31Aの操作を受け付けたことを利用者に報知する上呼び発光部33Aと、下呼びボタン31B受け付けたことを利用者に報知する上呼び発光部33Bを備える。以下、上呼び発光部33Aと下呼び発光部33Bを区別する必要がない場合は、発光部33と表記する。
【0023】
また、発光部33は、より具体的には、図2に示すように、乗場呼びボタン31の表面に上方向又は下方向を示す矢印の形をした透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。
【0024】
発光部33は、乗場呼びボタン31を押下する操作により、エレベータ10の呼びが登録されると、後述する制御部46aにより、呼び登録表示が表示される。より具体的には、発光部33は、エレベータ10の呼びが登録されると、点灯する。
【0025】
このような構成によれば、乗場呼びボタン31を介して操作を行った際に、操作が受け付けられているか否かを利用者が目視で確認することができる。図2では、上呼び発光部33Aにハッチングを付して点灯状態を模式的に示している。
【0026】
また、発光部33の透光部は凸文字で構成される。これにより、視覚障がいのある利用者が凸文字に触れることで上方向又は下方向を示す矢印を認識し、希望する方向の呼びを円滑に登録することができる。
【0027】
乗場操作盤28は、さらに、第1表示部44を有する。第1表示部44は、液晶ディスプレイにより構成される。第1表示部44は、エレベータ10の現在の運行方向、エレベータ10の現在の階を表示する運行状況表示部44Aを有する。
【0028】
図2では、運行状況表示部44Aとして、上方向に運行中であることを示す上矢印と、エレベータ10が現在3階付近を運行していることを示す「3」の数字を示している。
【0029】
また、第1表示部44は、エレベータ10の混雑度を表示する混雑度表示部44Bを有する。混雑度は、エレベータ10の定格積載に対する、エレベータ10内の利用者の総重量の割合によって算出される。
【0030】
図2に示すように、混雑度表示部44Bは、上下の長さが左から右に向かって次第に大きくなる5つの長方形によって構成される。また、混雑度表示部44Bは、混雑度に応じて何れかの長方形の内部が点灯し、混雑度が大きいほど、上下の長さが大きい長方形が点灯するように構成される。
【0031】
このような構成によれば、乗場50にいる利用者は、エレベータ10の混雑度を乗車前に確認することができる。図2では、混雑度表示部44Bの右から2つ目の長方形にハッチングを付して点灯状態を模式的に示している。
【0032】
なお、第1表示部44は、このような構成に限られず、エレベータ10の運行によって変化する情報、例えば、エレベータ10が乗場50に到着するまでの予測待ち時間や、エレベータ10が乗場50に到着するまでの停止予定階などを表示してもよい。
【0033】
さらに、第1表示部44は、エレベータ10の運行によって変化する情報を含まない、背景部44Cを有する。背景部44Cは、本実施形態においては単色(例えば、青色)で表示されるが、このような構成に限られず、模様やイラストを含んで構成されてもよい。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される制御ブロック図である。
【0035】
制御装置46は、エレベータ10の運転制御全般を統括して行うコンピュータであり、CPUなどの制御部46aと、メモリ、HDDなどの記憶部46bを備える。記憶部46bには、例えば、巻上機(不図示)の駆動制御、行先階の登録制御などを行うための各種制御プログラムが格納されている。制御部46aが、これらのプログラムを読み出して実行することにより、制御装置46によるエレベータ10の円滑な運転が実現される。
【0036】
本実施形態のエレベータ10では、後述する表示制御も制御装置46によって行われる。制御装置46の記憶部46bには、表示制御プログラムが格納されており、制御部46aが当該制御プログラムを読み出し、後述する制御に従って第1表示部44、発光部33の表示内容を制御する。
【0037】
乗場50に設けられる乗場操作盤28は、制御装置46と電気的に接続されている。乗場操作盤28は、上呼びボタン31A、下呼びボタン31B、上呼び発光部33A、下呼び発光部33B、第1表示部44を備える。
【0038】
上呼びボタン31Aと下呼びボタン31Bは、制御部46aに操作検出信号を送信し、上呼び発光部33A、下呼び発光部33B、第1表示部は、制御部46aからの指令に基づいて、表示を行う。
【0039】
2.動作
図4は、本発明の一実施形態であるエレベータの制御を示すフロー図である。以下、エレベータ10における制御について、図4を参照しながら説明する。
【0040】
図4に示すフローは、本実施形態においては、エレベータ10が所定時間以上(例えば、10分以上)利用されていないことを検出すると開始し(ステップS1)、制御部46aは、液晶で構成される第1表示部44の焼き付きを防止する焼き付き防止表示を起動させる(ステップS2)。ここで、焼き付き防止表示とは、本実施形態においては、第1表示部44を消灯させる表示である。
【0041】
具体的には、図5に示すように、焼き付き防止表示は、運行状況表示部44A、混雑度表示部44B、背景部44Cを消灯させる。このような構成によれば、エレベータ10が長時間にわたって利用されないことで、第1表示部44に長時間同じ表示が継続して表示され、焼き付きが生じることを抑制することができる。
【0042】
次に、制御部46aは、呼び登録表示と異なる表示として、発光部33を点滅させる(ステップS3)。本実施形態においては、発光部33が第2表示部として機能する。
【0043】
ここで、点滅する発光部33は、上呼び発光部33Aと下呼び発光部33Bの両方でもよいし、何れか一方でもよい。また、上呼び発光部33Aと下呼び発光部33Bが、交互に点滅するように構成されてもよい。
【0044】
さらに、発光部33を点滅させる構成に限られず、例えば、呼び登録表示における発光部33の点灯と異なる色で点灯させる、という構成でもよい。要は、呼び登録表示と異なる表示であればよい。
【0045】
このような構成によれば、第1表示部44が焼き付き防止表示を表示していても、エレベータ10が休止や点検といった理由で利用できないと、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0046】
また、呼び登録表示と異なる表示を発光部33に表示させることから、既に呼びが登録されていると、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0047】
次に、制御部46aは、上呼びボタン31A又は下呼びボタン31Bの何れか一方の押下を検出したか否かを判定する(ステップS4)。上呼びボタン31A又は下呼びボタン31Bの何れか一方の押下を検出していない場合(ステップS4でNO)は、ステップ3を繰り返し、発光部33の点滅を継続させる。
【0048】
他方、上呼びボタン31A又は下呼びボタン31Bの何れか一方の押下を検出した場合(ステップS4でYES)は、発光部33の点滅を終了し(ステップS5)、焼き付き防止表示を終了し(ステップS6)、フローを終了する。
【0049】
このような構成によれば、エレベータ10の利用を希望する利用者が、乗場呼び操作部30を操作した直後に、エレベータ10の運行状況等を確認することができ、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0050】
3.本実施形態のまとめ
以上により、本実施形態に係るエレベータ10は、エレベータ10の乗場50に設けられ、液晶で構成される第1表示部44と、乗場50に設けられる第2表示部(発光部33)と、乗場50の呼びを登録する乗場呼びボタン31と、第1表示部44と第2表示部の表示内容を制御する制御部46aと、を備え、制御部46aは、第1表示部44が焼き付きを防止する焼き付き防止表示を表示している期間中に、第2表示部に所定の表示を表示させる。
【0051】
本実施形態の構成によれば、エレベータ10が長時間にわたって利用されないことで、第1表示部44に長時間同じ表示が継続して表示され、焼き付きが生じることを抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態の構成によれば、第1表示部44が焼き付き防止表示を表示していても、エレベータ10が休止や点検といった理由で利用できないと、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、焼き付き防止表示は、消灯である、という構成である。
【0054】
本実施形態の構成によれば、第1表示部44の焼き付きが生じることを抑制するとともに、第1表示部44に係る待機電力を抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、第2表示部は、乗場呼びボタン31に設けられた発光部33である、という構成である。
【0056】
本実施形態の構成によれば、第1表示部44が焼き付き防止表示であっても、利用者が乗場呼びボタン31の位置を容易に認識することができるため、乗場呼びボタン31の操作を促すことがでる。
【0057】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、制御部46aは、呼びが登録された場合に、前記第2表示部に呼び登録表示を表示させ、所定の表示は、呼び登録表示と異なる、という構成である。
【0058】
本実施形態の構成によれば、呼び登録表示と異なる表示を発光部33に表示させることから、既に呼びが登録されていると、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、制御部46aは、乗場呼びボタン31の操作に基づいて、焼き付き防止表示を終了する、という構成である。
【0060】
本実施形態の構成によれば、エレベータ10の利用を希望する利用者が、乗場呼びボタン31を操作した直後に、エレベータ10の運行状況等を確認することができ、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0061】
なお、エレベータ10は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、修正、又は変形が可能である。例えば、下記の変形例の構成を選択し、上記の実施形態の構成に採用することも可能である。
【0062】
4.変形例
(1)上記の実施例に係るエレベータ10においては、焼き付き防止表示は、消灯である、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0063】
(1-1)例えば、第1変形例に係るエレベータ10は、第1表示部44は、エレベータ10の運行によって変化する情報を含まない背景部44Cを有し、焼き付き防止表示は、背景部44Cのみを表示する表示である、という構成でもよい。
【0064】
具体的には、図6に示すように、焼き付き防止表示は、運行状況表示部44A、混雑度表示部44Bを消灯させ、エレベータ10の運行によって変化する情報を含まない背景部44Cのみを表示する表示である。
【0065】
第1変形例の構成によれば、第1表示部44のうち、少なくともエレベータ10の運行によって変化する情報を含む表示(例えば、運行状況表示部44A)が焼きつくことで、エレベータ10の情報を認識しにくくなることを抑制することができる。また、背景部44Cが表示されていることにより、エレベータ10が休止や点検といった理由で利用できないと、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0066】
(1-2)また、例えば、焼き付き防止表示は、アニメーションを表示させるスクリーンセーバーであってもよい。さらに、焼き付き防止表示は、第1表示部44の輝度を下げる表示であってもよい。
【0067】
このような構成によっても、エレベータ10が長時間にわたって利用されないことで、第1表示部44に長時間同じ表示が継続して表示され、焼き付きが生じることを抑制することができる。
【0068】
(2)上記の実施例に係るエレベータ10においては、第2表示部は、乗場呼びボタン31に設けられた発光部33である、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0069】
(2-1)例えば、第2変形例に係るエレベータ10は、第2表示部は、乗場操作盤28に設けられた電子ペーパー45である、という構成でもよい。
【0070】
具体的には、図7に示すように、乗場操作盤28は、第1表示部44の下部に電子ペーパー45が設けられる。第1表示部44が焼き付き防止表示を表示している期間中、電子ペーパー45には、「ご利用いただけます」の文字が表示される。なお、電子ペーパー45の表示は、このような構成に限られず、エレベータ10が利用できる旨や、乗場呼びボタン31の操作を促す旨の文字、イラストを表示してもよい。
【0071】
第2変形例の構成によれば、電子ペーパー45は電力供給が無い状態でも表示内容を長時間保持できることから、第1表示部44が焼き付き防止表示を表示している期間が長時間に及ぶ場合でも、待機電力を抑制することができる。
【0072】
(2-2)また、例えば、第2表示部は、乗場操作盤28に設けられたLEDであってもよい。第1表示部44が焼き付き防止表示を表示している期間中、LEDには、エレベータ10が利用できることを想起させる色(例えば、緑色、青色)を点灯させる、という構成でもよい。また、第2表示部は複数のLEDによって構成され、第1表示部44が焼き付き防止表示を表示している期間中、複数のLEDの点灯の組合せにより、「稼働中」という文字が表示される、という構成でもよい。
【0073】
このような構成によっても、第1表示部44が焼き付き防止表示を表示していても、エレベータ10が休止や点検といった理由で利用できないと、利用者が勘違いすることを抑制し、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0074】
(3)上記の実施例に係るエレベータ10においては、制御部46aは、乗場呼びボタン31の操作に基づいて、焼き付き防止表示を終了する、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0075】
例えば、第3変形例に係るエレベータ10は、乗場50の人を検出する人検出装置60を備え、制御部46aは、人検出装置60の検出結果に基づいて、焼き付き防止表示を終了する、という構成でもよい。
【0076】
具体的には、図8に示すように、エレベータ10の乗場50には、乗場操作盤28の前方を含む範囲を検出範囲Pとする、人検出装置60が設けられる。人検出装置60は、例えば、赤外線センサによって構成され、検出範囲Pに人がいる場合、検出結果を制御部46aに送信する。
【0077】
図9は、本発明の第3変形例であるエレベータの制御を示すフロー図である。以下、エレベータ10における制御について、図9を参照しながら説明する。
【0078】
図9に示すフローは、本実施形態においては、エレベータ10が所定時間以上(例えば、10分以上)利用されていないことを検出すると開始し(ステップS11)、制御部46aは、液晶で構成される第1表示部44の焼き付きを防止する焼き付き防止表示を起動させる(ステップS12)。次に、制御部46aは、発光部33を点滅させる(ステップS13)。
【0079】
次に、制御部46aは、人検出部60が乗場50の人を検出したか否かを判定する(ステップS14)。人検出部60が乗場50の人を検出していない場合(ステップS14でNO)は、ステップ13を繰り返し、発光部33の点滅を継続させる。
【0080】
他方、人検出部60が乗場50の人を検出した場合(ステップS14でYES)は、発光部33の点滅を終了し(ステップS15)、焼き付き防止表示を終了し(ステップS16)、フローを終了する。
【0081】
第3変形例の構成によれば、乗場操作盤28を操作しようとして乗場50に近づいた利用者を検出し、焼き付き防止表示を終了することから、エレベータ10の運行状況等を確認してから、乗場操作盤28を操作することができ、利用者の利便性の低下を抑制することができる。
【0082】
(4)上記の実施例に係るエレベータ10においては、乗場呼び操作部30は、上呼びボタン31Aと下呼びボタン31Bが設けられる、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0083】
例えば、乗場呼び操作部30は、上呼びボタン31Aと下呼びボタン31Bの何れか一方が設けられる、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 エレベータ
27 乗降口
28 乗場操作盤
30 乗場呼び操作部
31,31A,31B 乗場呼びボタン
33,33A,33B 発光部
44 第1表示部
44A 運行状況表示部
44B 混雑度表示部
44C 背景部
45 電子ペーパー
46 制御装置
46a 制御部
46b 記憶部
60 人検出装置
P 検出範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9