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特許7287602希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/76 20060101AFI20230530BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B65D83/76 200
B65D81/32 S
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020550089
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 BR2019050043
(87)【国際公開番号】W WO2019183696
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】BR1020180065955
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】520354957
【氏名又は名称】サンドリ シルバ,アンドレ グスタボ
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】サンドリ シルバ,アンドレ グスタボ
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0088982(KR,A)
【文献】特開2010-202237(JP,A)
【文献】特開平02-057586(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096585(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00-83/76
B65D 81/32
B65D 51/28
B65B 3/12
B05B 9/03-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジであって、前記濃縮製品は、通常液体または粉末であり、前記カートリッジ(1)は、再利用可能な希釈および分配容器(50)内に配置され、前記カートリッジ(1)は、その下端部に開口部(11)を提供し、半径方向に内側に延びる閉鎖端部(12)を有する中空の外側本体(10)と、前記本体の円筒管を超えて延びる少なくとも2つのフラップ(14)を提供する前記外側本体(10)の対向上端部と、前記フラップ(14)の端部に配置され、かつその内側領域にアクセスするための開口部(15)も提供するクイック結合手段(141)とを含み、また、前記濃縮製品で満たされる領域(40)を形成するために、中空体を有し、前記外側本体(10)の内径よりも十分に小さい直径を有し、同軸的に配置することができるように適合されており、前記開口部(15)を通り、前記外側本体(10)の内側にある内側プランジャ(20)も含み、前記下端部には、前記内側プランジャ(20)の本体の直径よりも大きい直径を有し、前記外側本体(10)の開口部(11)と密着してそれ自体を配置するように適合されたプランジャヘッド(21)を提供し、前記内側プランジャ(20)の上端部の領域に、カバー(30)に隣接して取り付けられるように適合されたクイック結合(24)が設けられ、上部の環状フラップ(31)を有し、前記容器(50)の開口部よりも大きな直径を有する、前記カバー(30)を含み、前記内側プランジャ(20)の前記クイック結合(24)に嵌るように適合するように配置された止め具(34)を含み、前記内側プランジャ(20)を前記カバー(30)に互いに取り付けることでセットを形成し、前記環状フラップ(31)は、前記外側本体(10)の前記フラップ(14)に適合する開口部(311)を提供し、前記外側本体(10)が、前記内側プランジャ(20)の前記プランジャヘッド(21)に対して下向きと上向きの両方の方向に一方向に変位可動性を有し、下向きに行くときには、前記領域(40)に貯蔵された前記濃縮製品の放出を可能にするために、前記プランジャヘッド(21)と前記閉鎖端部(12)との間に円形開口部(120)を形成する、希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項2】
前記カバー(30)は、環状の形状を有し、中空であり、前記開口部(15)の領域において、前記外側本体(10)に対して内側にそれ自体を位置決めするために、前記外側本体(10)の内径よりも十分に小さい直径を有する本体(32)を含み、前記カバー(30)の下部領域は、より小さい直径を有し、前記貯蔵領域(40)の上部を強固に密封するために十分に適合した寸法を有する閉鎖部(33)を形成する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項3】
前記外側本体(10)の下端の領域に内側フィン(13)を提供する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項4】
前記内側フィン(13)が前記外側本体(10)に対して長手方向に設けられている、請求項3に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項5】
前記領域(40)の水密閉鎖のためのフランジとして機能するために、前記閉鎖端部(12)上に配置される適合性のある直径を有する前記プランジャヘッド(21)上の小さな突起(22)を提供する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項6】
前記カバー(30)の前記本体(32)は、前記外側本体(10)の内径よりも大きい直径を有し、前記外側本体(10)の前記フラップ(14)の間の隙間に配置される最高面(321)を提供する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項7】
前記最高面(321)は、組み立て時に前記フラップ(14)の各々を前記開口部(311)の各々に案内するために、曲線状の輪郭を有し、かつ、前記外側本体(10)の前記フラップ(14)の輪郭の傾斜に適した一定の傾斜を有する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項8】
前記内側プランジャ(20)の外面は、外側フィン(23)を有する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項9】
前記外側フィン(23)は、滑らかな輪郭および前記外側本体(10)の内径に近い外形寸法を有する、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項10】
前記クイック結合手段(141)および前記環状フラップ(31)の間に間隔(140)を形成している、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【請求項11】
前記最高面(321)および前記外側本体(10)壁の上端部の間に間隔(320)を形成している、請求項1に記載の希釈および分配容器用の濃縮製品貯蔵カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮製品、特に液体または粉末を貯蔵するためのカートリッジに関するものであり、再利用可能な希釈および分配容器内で、少なくとも2つの別々の成分であって一方は水のような液体希釈剤を合わせるために、その目的に適合する。前記カートリッジは、再利用可能な希釈および分配容器から挿入され、取り外される。濃縮物質および希釈剤の混合溶液の後、空の使用済みカートリッジは取り外され、充填されたものと交換することができる。希釈剤は希釈および分配容器に再充填され、2つの成分が合わさって新たな溶液の供給を形成する。
【0002】
多くの場合、多成分システムの成分を互いに分離した状態にしておくことが望ましく、そして、それらは使用直前に合わされる。これは、成分が相互に適合性がないシステム、および水で希釈して溶液を形成できるその利点を利用して濃縮物質を消費者に提供することが望まれるシステムに当てはまる。
【0003】
本明細書で提案されている対象は、分配容器と共に使用するための濃縮物質を収納するためのカートリッジであって、濃縮物質を希釈剤材料と合わせて、特定の性能特性を有する溶液を得るためのものを記載する。本発明による使用可能な最も一般的な濃縮物質は洗剤であり、その後これを水で希釈して、窓用洗剤、シミ取り剤、硬質表面用消毒剤、セラミッククリーナー、壁用クリーナーなどとして使用するための適切な濃度の洗剤溶液を形成し得る。しかしながら、このような用途は、例えば、食品、飲料などの他の分野、農薬、医薬品および医療製品、化粧品、除菌剤などの分野にもさらに拡大し得る。
【0004】
使用直前に多成分システムの成分を組み合わせるために使用される容器である分配器は、異なる群に分類され得る。第1の群は、溶液が使用されたときに新しい濃縮物用カートリッジで再充填することができる再利用可能な容器を使用するものであり、容器および濃縮物用カートリッジが、単一の使用およびその後の廃棄のために設計されている第2の群、そして、濃縮物用カートリッジが、別の希釈された操作溶液を製造するために使用された後に濃縮物を補充することができる第3の群である。
【0005】
この特許文献の対象は、特に第1の群の一部であり、ここでは、容器は再利用可能であり、新しい濃縮カートリッジで再充填されるが、カートリッジはまた、再利用可能であると考えられ得る。
【背景技術】
【0006】
本発明の関連する背景として、US6290100のような文献を引用することができるが、この文献は、本体の外周面から完全に周囲に延び、カートリッジ本体の内側領域に接続された環状カラーを有し、カートリッジの断面が概してU字形であるチャネルを形成するフランジの領域内に、フランジ紙を形成する環状フラップを有する、開放下端部および対向端部、上端部を有するカートリッジと、カートリッジ本体に内部的に嵌め込まれ、カートリッジ本体の下端部の開口部を隔離するために半径方向外方に延びる下端部にロックを有するプランジャ状の内側部分と、を有し、内側部分の上端部は、カートリッジが取り付けられている容器を閉じるときに、内側部分のこの上端部が容器の閉鎖キャップに接触して、強制的に濃縮カートリッジ本体内に滑り落ち、カートリッジ本体の下端部から外れ、濃縮物を希釈および分配容器内に放出するように、上端フランジを越えて延びている構造的構成を有する。
【0007】
文献US7922032には、内側プランジャも移動して下部領域を開放して濃縮液を放出する構成を有する濃縮物用カートリッジが記載されている。
【0008】
文献US6041969も、異なる構造的構成を有しているが、操作は同様であり、希釈および分配容器の閉鎖は、その蓋を介して、それが内側ピストンの上部を押圧し、下部開口部を形成し、濃縮液体を放出する方向にそれを移動することを引き起こす。
【0009】
換言すれば、上記で提示されたこれらの構成は、内側部分、すなわちカートリッジのプランジャが下方に移動して、カートリッジの本体を容器に対して着脱自在に保持したまま濃縮物を放出するように構成されていることが理解されよう。
【0010】
先に引用したこれらの構造的形態に関連する問題は、濃縮製品の充填に関連するカートリッジの組み立てにある。これらの引用文献では、プランジャは、下部領域を閉じるために、最初にカートリッジ本体に取り付けられなければならず、そうでなければ、それを充填することができないであろう。外側の本体内のプランジャを組み立てた後、濃縮物が追加されるが、これらの場合、それがカートリッジの底部を介して充填されなければならない。しかしながら、これらのタイプのカートリッジのプランジャ閉鎖自体の構造的構成は、この充填手順を困難にする。なぜなら、あなたがそれを除去したり、この充填手順を自動化したい場合は、より複雑な手段を持つ必要があり、またはそれを実行可能にするためにはそれほど効率的ではないからであり、下端部を閉じるために、その下部開口部を通って、カートリッジ内のプランジャーを挿入する必要があるからであり、追加される液体の漏れを防ぐために、同時に、この領域にアクセスして、カートリッジを充填する濃縮物で充填を実行する別の要素を可能にするためにいくつかのギャップを残し、そして充填されたカートリッジの後で、それは閉鎖されなければならない。
【0011】
もう1つの重要な態様は、貯蔵された濃縮製品の放出に関して、カートリッジがどのように機能するかである。これらの文献では、カートリッジの外側の本体が固定され(移動されていない)、上下運動を行う要素が内側のプランジャであり、すなわち、内側要素によって移動が行われる。この動作モードに関連した問題は、移動する内側部分が、好ましくは、それが外側本体の下部を通って挿入されなければならず、組み立てられた後、濃縮製品を流すための開口部を提供するために、外側本体の下端部からのそれを越えた変位を実現しなければならないということである。この変位は、大きな問題でさえないが、外側本体の下端部による内側プランジャの組み立ては、以前に説明したように、組み立てラインでの使用と充填プロセスの両方において、より大きな困難を発生させる。
【0012】
したがって、示されているように、本発明の最も関連する背景文献を知ることにより、これらの構成のカートリッジの充填、およびその組み立ては、あなたの充填プロセスに関連するより良い組み立て効率を可能にする構造を有していないので、連続充填システムを有する自動化プロセスにはあまり適していないことに気づくであろう。
(発明の利点)
【0013】
この特許文献の目的は、完全に自動化され得る、ラインでの生産に適した、容易な組み立て、容易な製作、容易な充填プロセスを可能にするカートリッジを示すことである。
【0014】
安全性、機能性、および製造の容易さを特徴としており、既に知られている装置、特に上記のカートリッジよりも格段に優れている。その構造は、外側本体、内側プランジャ(内側本体である)、およびカバーの3つの主要な部分を含む。そして、それらは、カートリッジの内側部分であるプランジャに、それらを組み立てることができるようにする構成を有するが、カートリッジのフランジの役割を持っているカバーに取り付けられた固定された(移動されていない)ままであり、外側本体また、そのカバーに取り付けられているがしかし、それは濃縮物を放出するために垂直方向に移動する外側本体である。この構成により、プランジャが位置決めされた後、カバーが配置される前に、カートリッジの上部が開放された状態を維持することができ、カバーはカートリッジを充填した後にのみ配置される。このように、この構成によれば、自動化されたプロセスラインであっても、カートリッジ内の濃縮物の充填を容易にし、組み立てを容易にすることができる。その充填後、カートリッジカバーがプランジャに取り付けられているので、外側本体も固定される。この構成は、生産ラインや自動化ラインでの使用に適する。
【0015】
この構成の利点は、大規模かつ完全に効率的な構成で、自動カートリッジ充填システムを実現できることである。生産ラインに配置されるように適合するようになり、それは完全に自動化することができ、カートリッジの外側本体が適切なベース上に配置され、その後、内側プランジャが前記外側本体に内部的に配置され、次いで製品が充填され、その後、そのカバーを介してカプセルが閉じられる。
【0016】
充填はカートリッジの上部から行われる。この構成により、充填手段、例えば充填用スパウトを配置するためのより大きな開口部が可能となる。
【0017】
提示された構成はまた、カートリッジの取り扱いを容易にし、手でそれを操作するのにも一定の容易さを提供する。
【0018】
このカートリッジは、経済的に製造することができ、より効率的に組み立てることができ、自動化されたプロセスによる充填により適しており、その結果、充填時間および組み立て時間を短縮することができる。
【0019】
本文献で提案されている物体の別の特徴は、前記カートリッジが、その上部によって充填されることを可能にするために、構造的および構成的な特徴を組み込んでいることであり、それは、内側プランジャに対してスライドして、貯蔵された濃縮製品を放出するためのカートリッジ外側本体である。
【0020】
別の利点は、カートリッジを含む3つの部品の形状が単純化されていることに関連しており、これらの部品の構造とその組み立てが数ステップで達成できるようになっていることである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下に例示および図示として提示され、後にさらに詳細に説明される図面は、本特許文献で明らかにされた対象のより良い理解に役立つであろう。
【0022】
図1A】カートリッジの外側本体を例示的に示す。
図1B】カートリッジの外側本体を例示的に示す。
図1C】カートリッジの外側本体を例示的に示す。
【0023】
図2A】内側プランジャと呼ばれるカートリッジの内側本体を例示的に示す。
図2B】内側プランジャと呼ばれるカートリッジの内側本体を例示的に示す。
図2C】内側プランジャと呼ばれるカートリッジの内側本体を例示的に示す。
【0024】
図3A】カートリッジカバーを示す。
図3B】カートリッジカバーを示す。
図3C】カートリッジカバーを示す。
【0025】
図4A】閉鎖状態の組み立てカートリッジを示す。
図4B】閉鎖状態の組み立てカートリッジを示す。
図4C】閉鎖状態の組み立てカートリッジを示す。
【0026】
図5A】開放状態の組み立てカートリッジを示す。
図5B】開放状態の組み立てカートリッジを示す。
図5C】開放状態の組み立てカートリッジを示す。
【0027】
図6】カートリッジを説明する分解図である。
【0028】
図7】希釈および分配容器に対するカートリッジの配置を説明するための断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0029】
図面に示すように、この特許文献の対象は、いずれも実質的に円筒状な、図1A図1B、および図1Cの外側本体(10)と、図2A図2B、および図2Cの内側プランジャ(20)と、図3A図3B、および図3Cのカバー(30)との3つの主要部分から構成されたカートリッジ(1)である。特に、内側プランジャ(20)は、図4Bに示すように、濃縮製品で満たされる領域(40)を形成するために、外側本体(10)と同軸的に内側に配置される適合性のある寸法を有していなければならない。カバー(30)は、その上端部で外側本体(10)に取り付けられると共に、その上端部で内側プランジャ(20)を保持するように配置される。
【0030】
図1A、1Bおよび1Cによれば、外側本体(10)は、挿入される希釈および分配容器(50)(図7)の首部分の内径よりもわずかに小さい外径を有し、そして、主中空円筒体と、プランジャヘッド(21)のための止め具として機能する、半径方向内方に延びる閉鎖縁(12)を有する開放下端部(11)と、前記外側本体(10)の開放下端部(11)に向かって内側プランジャ(20)のプランジャヘッド(21)のためのガイドとして機能する構成を有する内側フィン(13)とを備える。外側本体(10)の上部、対向端部は、円筒管を越えて延びる少なくとも2つのフラップ(14)を含み、好ましくは前記フラップ(14)の端部に配置され、前記フラップ(14)のこの領域に止め具を提供することができるようにクイック結合手段(141)を含み、その内側領域にアクセスするための開口部(15)を含む。これらのフラップ(14)は、好ましくはある傾斜で曲線状に輪郭付けされ、この傾斜は、カートリッジ(1)を組み立てる際に、この領域における前記カバー(30)の正しい方向を容易にするために、カバー(30)の細部の傾斜に適合する。
【0031】
図2A、2Bおよび2Cによると、内側プランジャ(20)はまた、必要に応じて、例えばディップチューブのような他の要素の容器(50)内への通過を可能にするための中空体である。それは、濃縮製品を貯蔵するための領域(40)を作製するためにそれの内側に配置されるために、外側本体(10)の内径よりも十分に小さい直径を有する。下端部において、プランジャヘッド(21)は、前記内側プランジャ(20)の本体の直径よりも大きい直径を有し、外側本体(10)の開放下端部(11)と密接に適合して配置されるように適合しており、このプランジャヘッド(21)には、適合した直径を有し、外側本体(10)の閉鎖端部(12)上に配置され、フランジとして作用し、領域(40)の緊密な閉鎖を確実にする小さな突起(22)も設けられている。内側プランジャ(20)の外側領域は、好ましくは、外側本体(10)の内側に配置されたときに前記外側本体(10)の内壁の近くを通過し、内側プランジャ(20)のよりよい長手方向の位置決めを確実にするために、長手方向に延び、滑らかな輪郭および外側本体(10)の内径に近いより外側の寸法を呈する外側フィン(23)を含む。内側プランジャ(20)の上端部の領域には、カバー(30)に隣接して取り付けられるクイック結合(24)が含まれ、一緒に取り付けられた単一のセットを形成する。
【0032】
図3A、3Bおよび3Cによれば、カートリッジ(1)のカバー(30)は、環状で中空の形状を有し、カートリッジ(1)が挿入される容器(50)の開口部よりも大きい直径を有する上部環状フラップ(31)を介してフランジとしても機能し、前記環状フラップ(31)は、外側本体(10)のフラップ(14)に適合する開口部(311)を含み、それらは、両方向について、前記フラップ(14)に配置されたクイック結合手段(141)が外れにくく、外側本体(10)の下向き方向への変位のためのエンドストップとしても機能するように、前記外側本体(10)の一方向への小さな変位可動性を有するように組み立てられる。カバー(30)は、その上部領域において前記外側本体(10)に対して内部的にそれ自体を位置決めするために、外側本体(10)の内径よりも十分に小さい直径を有する本体(32)を含み、フラップ(14)の各々を開口部(311)の各々に向け、フラップ(14)の間の隙間の各最高面(321)に配置され、また、外側本体(10)の上方向への変位のためのエンドストップとしても機能する、組み立て時に外側本体(10)の開口部(15)内でのカバー(30)の正しい向きと位置決めを容易に保証するためのガイドとして機能するために、本体(32)はまた、外側本体(10)の内径よりも大きい直径を有し、好ましくは曲線状の輪郭を有し、外側本体(10)のフラップ(14)の傾斜に適した一定の傾斜を有する最高面(321)を提供する。前記カバー(30)の下側領域は、濃縮製品を貯蔵するための領域(40)の上部を密封するのに十分な適合性のある寸法の閉鎖部(33)を形成するために、特に内側領域ではより小さい直径を有し、カバー(30)のこの下側領域はまた、内側プランジャ(20)のクイック結合(24)に適合するように配置された止め具(34)を含み、内側プランジャ(20)をカバー(30)と結合して、お互いに取り付けられた単一のセットを作製する。
【0033】
図4A、4Bおよび4Cは、カートリッジ(1)を閉じた状態で、外側本体(10)が内側プランジャ(20)を内側で受けている状態でのカートリッジ(1)の組み立てを示しており、開口部(11)に隣接する内側プランジャ(20)のプランジャヘッド(21)の正しい位置決めを保証し、容易にするために、外側本体(10)の内側フィン(13)の役割をより明確に示し、外側本体(10)の内側に取り付けられたときに、その正しい長手方向の位置決めを保証するために、内側プランジャ(20)の外側フィン(23)の役割を示し、そして、カバー(30)がどのように組み立てられ、どのように取り付けられるかの理解を容易にすることを示し、そのクイック結合(24)が止め具(34)に適切に配置され、フラップ(14)が開口部(311)に適切に配置されることによって内側プランジャ(30)に取り付けられ、その取り付けは、最高面(321)と前記外側本体(10)の変位のためのリミットストップとしてのクイック結合手段(141)によって支援されることになる。外側本体(10)の上下方向の「下」および「上」方向の変位は、クイック結合手段(141)と環状フラップ(31)との間の間隔(140)、または最高面(321)と外側本体(10)の壁の上端部との間の間隔(320)に比例する。
【0034】
図5A、5Bおよび5Cは、例示的に、先に説明したように組み立てられたカートリッジ(1)を示すが、その開放状態、すなわち、外側本体(10)がプランジャヘッド(21)に対して間隔をあけて変位した状態で、プランジャヘッド(21)と閉鎖端部(12)との間に円形開口部(120)を形成し、濃縮製品の流れを可能にし、それが領域(40)から容器(50)の内側に放出され、そして混合され、その後に分配されるようにする。上部では、外側本体(10)の変位に対するエンドストップの役割を果たす、クイック結合手段(141)がカバー(30)の一部である環状フラップ(31)に近接しているため、間隔(320)は残り、間隔(140)は消える。
【0035】
図6は、カートリッジ(1)がどのように組み立てられているかを示す分解斜視図である。自動化された組み立てと充填のために、外側本体(10)は、例えば、ベルトコンベア上を走行する、またはカルーセル上で回転する適合するベース上に配置され得、内側プランジャ(20)は、既に詳細に説明されているように、構造的構成がそれを可能にするので、手動または自動で、前記外側本体(10)の中に内側に配置される。このようにして、外側本体(10)の開放下端部(11)は、プランジャヘッド(21)によって既にしっかりと密封されており、外側本体(10)の開口部(15)は開放されたままであり、濃縮製品の充填領域(40)への完全なアクセスを可能にする。したがって、この領域(40)は、その充填までの間、濃縮製品を領域(40)の内側で廃棄することを可能にする針または他の手段と適合性のある供給ヘッドを必要とする、簡単な方法で、手動または自動化されたプロセスによって充填され得る。領域(40)が適切に満たされた後、カバー(30)はその後、手動または自動的に取り付けられ、外側本体(10)上に位置決めされ、その最高面(321)を介して、クイック結合(24)が止め具(34)に位置決めされ、フラップ(14)が開口部(311)に位置決めされるように適切に案内され、その後、カバー(30)上の簡単な押し付けによって適切に取り付けられ、装着される。
【0036】
外側本体(10)の変位は、手の直接的な作用によって、または最も一般的に行われるように、フラップ(14)の端部に接触して外側本体(10)を押し下げる容器(50)の蓋(51)の作用によって行われ得る。
【0037】
この特許文献のカートリッジ(1)の対象は、一例として図7に示すように、溶媒、例えば水を含む容器(50)の上部開口部に、組み立て済みの状態で配置される。この場合、カバー(30)の環状フラップ(31)部が容器(50)の開口部の端部に対して重なるまで、外側本体(10)は完全に容器(50)内に配置される。その後、容器(50)は、その蓋(51)で閉鎖することができ、これは単純なキャップであってもよいし、ノズルのような何らかの分配要素であってもよい。カートリッジ(1)の中央領域には、必要に応じて、例えばディップチューブのような他の要素を容器(50)内に通過させるための貫通孔を含む。容器(50)の蓋(51)を閉じる間、前記蓋(51)の上部の内側領域がフラップ(14)の端部に接触し、全体の外側本体(10)を下向きに押圧し、その軸方向の変位を促進し、その結果、外側本体(10)の閉鎖端部(12)は、カバー(30)に取り付けられたプランジャヘッド(21)から離れて移動し、それにより、濃縮製品が流れることを可能にする円形開口部(120)を形成し、領域(40)からそれを容器(50)に放出し、次いで混合され、そして分配される。
【0038】
このように、カートリッジ(1)からの濃縮製品の放出は、カバー(30)と共に、分配容器に対して不動のままの内側プランジャ(20)に対して外側本体(10)が変位することによって行われる。
【0039】
前記カートリッジ(1)は、部品点数が少なくシンプルな構造で、組み立ても非常にシンプルな方法で行われ、同様に、その構成は、大規模な生産ラインと充填プロセスでの使用を可能にするために特に設計される。前記容器がその配置のための適合性のある開口部を有する限り、それは、異なる寸法で製造され、異なる容器に結合され得る。前記カートリッジ(1)は、異なるコンパートメントを形成するために、濃縮物を貯蔵する領域(40)に配置された内側分割(図示せず)を提供し得、それにより、これらのコンパートメントの各々に異なる濃縮物を貯蔵することができる。さらに、本明細書で示された発明の概念を伴ういかなる構成的な変形も、本明細書で明らかにされた対象の明白な結果として、当業者によって解釈されなければならない。

図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7