(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】豆腐のパック詰め装置
(51)【国際特許分類】
B65B 25/06 20060101AFI20230530BHJP
A23L 11/45 20210101ALI20230530BHJP
【FI】
B65B25/06 G
A23L11/45 H
(21)【出願番号】P 2018247900
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】591162631
【氏名又は名称】株式会社高井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】高井 東一郎
(72)【発明者】
【氏名】武田 正秀
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161074(JP,A)
【文献】特開2014-226759(JP,A)
【文献】特開2016-047725(JP,A)
【文献】特開2014-024563(JP,A)
【文献】特開平05-137528(JP,A)
【文献】特開2007-006759(JP,A)
【文献】特開昭61-000114(JP,A)
【文献】特開2006-212005(JP,A)
【文献】特開平08-217029(JP,A)
【文献】特開昭63-203516(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0000020(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 25/06
A23L 11/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送コンベヤの搬送面上で、前後左右に所定の間隔に整列された複数の豆腐に対してパックを裏返して被せるパック被せ装置と、
前記パック被せ装置の下流側に配置され、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させる反転装置と、
を備える豆腐のパック詰め装置であって、
前記パック被せ装置は、前記パックを裏返しに把持し、前記パックを前記豆腐に対して途中まで被せる先端把持部を有し、
前記反転装置は、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させるとともに、前記パック内に前記豆腐を収め、
前記反転装置は、前記搬送面を反転させる反転支持部と、
該反転支持部に対面する位置に設けられ、前記パックが被せられた前記豆腐を、前記搬送面からスライドさせて収容及び保持すると共に、前記パックが上下反転するまで案内して固定支持するか、または回転移動するパック保持部と、を備える、豆腐のパック詰め装置。
【請求項2】
移送コンベヤの搬送面上で、前後左右に所定の間隔に整列された複数の豆腐に対してパックを裏返して被せるパック被せ装置と、
前記パック被せ装置の下流側に配置され、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させる反転装置と、
を備える豆腐のパック詰め装置であって、
前記パック被せ装置は、前記パックを裏返しに把持し、前記パックを前記豆腐に対して途中まで被せる先端把持部を有し、
前記反転装置は、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させるとともに、前記パック内に前記豆腐を収め、
前記パック被せ装置には、前記豆腐の状態を検出可能な第一の画像センサが設けられており、
前記第一の画像センサにより、前記豆腐を画像解析して、該豆腐の異常を検出したときには、該豆腐に前記パックを被せない
、豆腐のパック詰め装置。
【請求項3】
移送コンベヤの搬送面上で、前後左右に所定の間隔に整列された複数の豆腐に対してパックを裏返して被せるパック被せ装置と、
前記パック被せ装置の下流側に配置され、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させる反転装置と、
を備える豆腐のパック詰め装置であって、
前記パック被せ装置は、前記パックを裏返しに把持し、前記パックを前記豆腐に対して途中まで被せる先端把持部を有し、
前記反転装置は、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させるとともに、前記パック内に前記豆腐を収め、
前記パックを供給するパック供給装置を更に備え、当該パック供給装置は、パックをストックするパック供給マガジンを少なくとも一つ備え、
前記パック供給装置は、前記パックを連続搬送するコンベアを備える、豆腐のパック詰め装置。
【請求項4】
移送コンベヤの搬送面上で、前後左右に所定の間隔に整列された複数の豆腐に対してパックを裏返して被せるパック被せ装置と、
前記パック被せ装置の下流側に配置され、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させる反転装置と、
を備える豆腐のパック詰め装置であって、
前記パック被せ装置は、前記パックを裏返しに把持し、前記パックを前記豆腐に対して途中まで被せる先端把持部を有し、
前記反転装置は、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させるとともに、前記パック内に前記豆腐を収め、
前記パックを供給するパック供給装置を更に備え、当該パック供給装置は、パックをストックするパック供給マガジンを少なくとも一つ備え、
前記パック供給装置は、前記パックの状態を検出可能な第二の画像センサが設けられている、豆腐のパック詰め装置。
【請求項5】
前記パック被せ装置は、前記パックを把持する先端把持部を三次元的に高速駆動可能なパラレルリンク機構またはスカラー機構のロボットを備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の豆腐のパック詰め装置。
【請求項6】
前記パック被せ装置は、前記搬送面の幅方向の左右両側に設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の豆腐のパック詰め装置。
【請求項7】
前記パック被せ装置は、前記パックを、その下流側を下方、上流側を上方にした斜めの姿勢で前記豆腐に覆い被せる、請求項1から6のいずれか1項に記載の豆腐のパック詰め装置。
【請求項8】
前記豆腐は硬さが20~100gf/cm
2である、請求項1から7のいずれか1項に記載の豆腐のパック詰め装置。
【請求項9】
前記パックは、パック内面に、少なくともパック底部からパック開口に向って延びる溝を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の豆腐のパック詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して製造されたシート状豆腐のカットからパック詰めまでを連続して自動で行う豆腐のパック詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に絹ごし豆腐は、型枠内でその原料となる豆乳に凝固剤を加えた状態で凝固熟成した後に、木綿豆腐は適当な容器(ex.寄桶、バケットや型枠等)で同様に凝固熟成して、これを型枠に流しこんで圧密・成形した後に、各々型枠から取り出して所定のサイズにカットし、パック詰めすることにより製造される。
近年、連続的に凝固熟成されたシート状絹ごし豆腐又はその絹ごし豆腐を崩して連続的に圧密成型する木綿豆腐から一丁ずつ切り出してパックに詰めて包装する連続量産ラインが多くなってきた。
【0003】
従来の豆腐のパック詰め装置の例としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1に係る豆腐の自動連続パック詰め装置は、水槽内で型枠豆腐を縦方向・横方向にカットする切断手段(表記されず)と、カットされた型枠豆腐のうち、最前の横一行分の各豆腐(整列豆腐)を、水槽外に設置されたパック供給装置の方向へと誘導する豆腐案内装置と、豆腐案内装置の延長線上に位置し、豆腐案内装置から供給された横一行分の各豆腐(整列豆腐)をパック供給装置へと誘導する移送コンベヤと、移送された横一行分の各豆腐(整列豆腐)を順次パック詰めする上記パック供給装置とで構成される。この装置を使用すれば、水槽内での型枠豆腐のカット及びその後のパック詰めを自動的に連続して行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1においては、カットして搬送されてくる豆腐に対してパックを上から供給している。この場合、豆腐に対してパックを上から垂直に押しつけるように供給しているが、このとき、パックの押しつけ操作によって、豆腐が破損するおそれあり、歩留まりの悪化を招く問題を抱えていたため、高速のパック詰めが難しく、処理能力は3,000丁/時が上限であった。
【0006】
また、このようなパックの供給の仕方であると、豆腐とパックとの間に空気が残留するため、素早くパックを被せようとすると、パック内の空気が豆腐に押し出されて生じる空気流に勢いがついて豆腐を破損しやすくなり、パック被せに手間取り作業性が悪くなっている。この解決方法として、例えば、豆腐のサイズに対してパックのサイズを大きくして、すき間を大きくすることで空気が抜けやすくなる。また、パックを豆腐により強く押しつけることで、豆腐のパック収容を迅速にして生産性を上げることも考えられる。しかし、前者においては、豆腐とパックとのサイズ差が大きくなると、豆腐の保護並びに流通上の取り扱い性の点から望ましいが、パックと豆腐の隙間が大きく見えて見栄えが悪く、パック水を多く使用して無駄に輸送コストが増えるという課題があった。また、後者においては、押しつけによって豆腐の破損の危険性が更に高まる問題があった。特に、絹ごし豆腐など比較的柔らかい豆腐の場合、空気が抜けにくく且つ破損の危険性が高くなるため、歩留まり良く迅速なパック詰めをするには大きな課題を抱えていた。
また特許文献1のパック供給装置(いわゆるパック供給マガジン)を配列された豆腐の列ごとに設ける必要があり、列数が多いとその供給の作業に人手がかかっていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、パック詰めの高速化が図れ、尚且つ柔らかい豆腐であっても迅速且つ的確にパック詰めができる豆腐のパック詰め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1)移送コンベヤの搬送面上で、前後左右に所定の間隔に整列された複数の豆腐に対してパックを裏返して被せるパック被せ装置と、前記パック被せ装置の下流側に配置され、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させる反転装置と、を備える豆腐のパック詰め装置であって、前記パック被せ装置は、前記パックを裏返しに把持し、前記パックを前記豆腐に対して途中まで被せる先端把持部を有し、前記反転装置は、前記パックが被せられた前記豆腐を上下反転させるとともに、前記パック内に前記豆腐を収める。
(2)前記パック被せ装置は、前記パックを把持する先端把持部を三次元的に高速駆動可能なパラレルリンク機構またはスカラー機構のロボットを備える。
(3)前記反転装置は、前記搬送面を反転させる反転支持部と、該反転支持部上の前記搬送面に沿って配置され、前記パックが反転するまで該パックを保持するパック保持部と、を備える。
(4)前記反転装置は、前記搬送面を反転させる反転支持部と、該反転支持部に対面する位置に設けられ、前記パックが被せられた前記豆腐を、前記搬送面からスライドさせて収容及び保持すると共に、前記パックが上下反転するまで案内して固定支持するか、または回転移動するパック保持部と、を備える。
(5)前記パック被せ装置には、前記豆腐の状態を検出可能な第一の画像センサが設けられている。
(6)前記第一の画像センサにより、前記豆腐を画像解析して、該豆腐の異常を検出したときには、該豆腐に前記パックを被せない。
(7)前記パック被せ装置は、前記搬送面の幅方向の左右両側に設けられている。
(8)前記パック被せ装置は、前記パックを、その下流側を下方、上流側を上方にした斜めの姿勢で前記豆腐に覆い被せる。
(9)前記豆腐は硬さが20~100gf/cm2である。
(10)前記パックは、パック内面に、少なくともパック底部からパック開口に向って延びる溝を有する。
(11)前記パックを供給するパック供給装置を更に備え、当該パック供給装置は、パックをストックするパック供給マガジンを少なくとも一つ備える。
(12)前記パック供給装置は、前記パックを連続搬送するコンベアを備える。
(13)前記パック供給装置に、前記パックの状態を検出可能な第二の画像センサが設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記(1)によれば、先端把持部が、パックを裏返しに把持し、パックを豆腐に対して途中まで被せる設定となっていることで、パック被せ時の豆腐へのダメージを少なくでき豆腐の損傷を回避できる。更に、反転装置においては、パックが途中まで被せられた豆腐を上下反転させるとともに、パック内に豆腐に無理な力を掛けずに収めるので、豆腐がパックに入った状態で水平から垂直な姿勢になる過程で、パックと豆腐に挟まれた空間の空気が上手く抜けて、豆腐のつぶれの発生も無くパックに対する豆腐の収まりを無理なく円滑に行うことができる。
【0010】
本発明の上記(2)によれば、パック被せ装置は、パックを把持する先端把持部を三次元的に高速に駆動可能なパラレルリンク機構やスカラー機構のロボットを備えることで、高速でパックを被せることができる。その速度は1往復(サイクル)0.6秒以下、100CPM以上である。
【0011】
本発明の上記(3)によれば、反転装置は、搬送面を反転させる反転支持部と、この反転支持部上の搬送面に沿って配置され、パックが反転するまでパックを保持するパック保持部と、を備えるので、豆腐を収容したパックを搬送面に保持したまま反転させることができ、豆腐を搬送しながらパック内に収めることができる。
【0012】
本発明の上記(4)によれば、反転装置は、搬送面を反転させる反転支持部と、反転支持部に対面する位置に設けられ、パックが被せられた豆腐を、搬送面からスライドさせて収容及び保持すると共に、パックが上下反転するまで回転移動するパック保持部と、を備えるので、豆腐を収容したパックを搬送面から離れた位置に移動しながら反転させることができる。
【0013】
本発明の上記(5)によれば、パック被せ装置には、豆腐の状態(欠け、異物、気泡、向き、姿勢、ダレ具合など)を検出可能な画像センサが設けられているので、豆腐の位置や形状・向き(傾き)などを測定・監視を行うことができ、その検出情報によりパック詰めの迅速性及び、豆腐の向きに合わせて被せるパックの向きを制御して正確性の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の上記(6)によれば、画像センサにより、豆腐を画像解析して、豆腐の異常を検出したときには、この豆腐にパックを被せないので、パックの無駄をなくし、検品担当者の不要な作業を少なくし作業性を向上させると共に、後工程での検品作業の軽減ができ、その分余裕をもって検品でき、基準レベルを上げることもでき、商品の品質を向上することができる。
【0015】
本発明の上記(7)によれば、パック被せ装置は、搬送面の幅方向の左右両側に設けられているので、パックを被せる領域が、搬送面の左右方向で二分することができ、パック被せ装置の稼動範囲を小さくしてパック被せ作業の高速化を図ることができる。また行方向の動作範囲を広めることで、搬送ベルト幅を広くすることができ、行方向に並ぶ豆腐の数を増やすことができ、機械長を長くしなくても、省スペースになり、高い生産能力を創出することができる。
【0016】
本発明の上記(8)によれば、パック被せ装置は、パックを、その下流側を下方、上流側を上方にした姿勢で豆腐に対して常に同じ状態で被せることができる。この結果、パックは、常に下流側を下に斜めになって豆腐に被さることから、反転時の豆腐は、下流側から上流側に斜めにパック内へ挿入されることになり、パックと豆腐間の残留空気の排出が円滑に行われる。この結果、パック詰めの高速化を図ることができる。
【0017】
本発明の上記(9)によれば、豆腐は硬さが20~100gf/cm2であることで、豆腐が損傷しやすい場合でも、迅速且つ正確にパック詰めすることができる。なお、豆腐とは、絹ごし豆腐、木綿豆腐、ソフト豆腐、ソフト木綿豆腐や、それらに焼き目をつけた焼き豆腐や、それらをフライした絹生揚げ、木綿豆腐の生揚げ、膨化した厚揚げなど、略直方体、略立方体ないしは略三角柱状で、1つのパックに最小単位1個または複数個の豆腐が収まる形態が含まれる。
【0018】
本発明の上記(10)によれば、パックは、パック内面に、少なくともパック底部からパック開口に向って延びる溝を有するので、パックを被せた状態で豆腐とパックを反転し、パックと豆腐間に挟まれた空気が抜けるとき、パック内面の溝が空気抜け路として機能し、空気が素早く抜け、パックに対する豆腐の収まりを無理なく迅速且つ円滑に行うことができる。
【0019】
本発明の上記(11)によれば、パックを供給するパック供給装置には、パックをストックするパック供給マガジンが設けられるが、豆腐列数に関わりなく、パック供給装置1台に対してパック供給マガジン少なくとも1台あればよい。十分な量のパックを1つのマガジンにセットすれば、作業者は次の補充までほかの作業も可能になる。最近の豆腐連続ラインの能力が5000丁/hを超えて、8,000~12,000丁/h以上になり、豆腐列数は15列~30列あり、それに同数のパック供給マガジンがあると、装置コストが高くなり、個々の調整も必要になり、個々に人手でパックをセットする必要があり、専属作業者が1名必要になる。
【0020】
本発明の上記(12)によれば、前記パック供給装置は、パックを連続搬送するコンベアを備える。パックはたゆまなく連続で供給されて、移動中のパックを画像センサで画像解析して、ロボットの先端把持部が該パックを把持することができる。パックを停止させる必要がなく、高速化が可能になる。
【0021】
本発明の上記(13)によれば、前記パック供給装置に、該パックの状態を検出可能な第二の画像センサが設けられている。パックが移動中でも、傾いてもパックの位置や向きに合わせて正確に把持して受け取れて、しかも変形したり、潰れたパックを除去したりできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態における豆腐のパック詰め装置の全体図を示す概略側面図である。
【
図2】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における豆腐の受け渡し部分の要部斜視図である。
【
図3】本発明におけるパックを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図4】
図1に示す豆腐のパック詰め装置におけるパック被せ装置を移送コンベヤの正面側から見た正面図である。
【
図5】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックがパックより十分に小さめの豆腐の上方に位置された状態を示す側面図である。
【
図6】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックがパックより十分に小さめの豆腐の上方に接近された状態を示す側面図である。
【
図7】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックがパックより十分に小さめの豆腐に被せられる状態を示す側面図である。
【
図8】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックが豆腐に被せられる状態を示す側面図である。
【
図9】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックが豆腐に被せられる状態を示す側面図である。
【
図10】
図1に示す豆腐のパック詰め装置における要部を拡大した側面図で、パックが豆腐に被せられる状態を示す側面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態における豆腐のパック詰め装置の要部を示す概略側面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態における豆腐のパック詰め装置の要部を示す概略側面図である。
【
図13】本発明の第3実施形態における豆腐のパック詰め装置の要部を示す概略側面図で、反転装置がパックを受けた状態を示す概略側面図ある。
【
図14】本発明の第3実施形態における豆腐のパック詰め装置の要部を示す概略側面図で、反転装置がパックを反転させた状態を示す概略側面図ある。
【
図15】本発明のパック詰め装置における反転装置の変形例を示す要部概略側面図である。
【
図16】本発明のパック詰め装置における反転装置の変形例を示す要部概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用した豆腐のパック詰め装置の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る豆腐のパック詰め装置1は、
図1に示すように、連続したシート状豆腐Aの先端を水槽2内に移送する第1の移送コンベヤ3と、連続したシート状豆腐Aの先端から、陸上または水中において縦・横方向に適宜順次カットして1丁の豆腐A1・・に切断するカット手段4と、カットされた各豆腐A1・・を陸上または水中において順次間隔を離して配列して移送する第2の移送コンベヤ5と、第2の移送コンベヤ5の下流に設置され、移送された各豆腐A1・・に順次パックPを被せてパック詰めするパック被せ装置20と、パック被せ装置20の下流側に配置されパックP(豆腐A1・・に途中まで被った状態)を上下反転させる反転装置30と、を備える。また、このパック詰め装置1は、カット手段4によりカットされた連続したシート状豆腐A(最前の横一行分の各豆腐A1・・)を第1の移送コンベヤ3側から第2の移送コンベヤ5側へとスムーズに受け渡すことができる受け渡し手段7を有する。
【0025】
第1の移送コンベヤ3は、連続したシート状豆腐Aの先端を水槽2内に移送するためのものであり、水槽2の後ろ側の周縁部付近から所定勾配で折れ曲がり、水槽2内に潜入している。第2の移送コンベヤ5は、第1の移送コンベヤ3により水槽2内に移送された連続したシート状豆腐Aの先端が水中または陸上においてカット手段4により適宜一丁サイズにカットされた後、これらカットされた各豆腐A1・・を順次配列して水槽2外(陸上)に移送するためのものである。更に、第2の移送コンベヤ5における下流には、移送された豆腐を陸上で順次パック詰めするパック詰め装置20が設置されており、一連のパック詰め作業工程を、できるだけ第2の移送コンベヤ5上で、水中から半陸上または陸上で行えるよう工夫されている。前記カット手段4は連続したシート状豆腐Aの先端を(1)列方向の縦切り後1丁ずつ横切する手段あるいは複数丁ずつ横切りする手段、(2)複数丁分の幅の太帯状豆腐生地を横方向で切り出して、縦切り後、1丁単位に横切りする手段、(3)複数丁分の幅の太帯状豆腐生地を横方向に切り出して、次に一丁単位の幅に横切り後、列方向に縦切りして1」丁単位にする手段、の(1)~(3)のいずれかの手段で、水中または陸上問わず1丁ずつに切り出す方法であれば限定しない。一度に格子状の切断刃で1丁単位(最小単位)のサイズに切断してもよい。第2の移送コンベヤ5上で豆腐A1・・を水中または陸上を問わず、左右前後の間隔を空けて分配し配列する分配配列手段11(横開き切断刃、千鳥配列など)を備える。
なお本願では、連続したシート状豆腐の進行方向を縦方向または列方向とし、その進行方向と直角に交わる方向を横方向または行方向とする。
【0026】
第1の移送コンベヤ3により移送されてきた連続したシート状豆腐Aは、第1の移送コンベヤ3に連続して設置されたカット手段4によって、縦・横方向にカットされる。このカット手段4は、例えば、第1の移送コンベヤ3の搬送面3aの延長線上に設けられた補助台4a・4aと、この補助台4a・4a上方に設けられた回転刃4b・・及び押切刃4cから構成される。連続したシート状豆腐Aを縦方向にカットする複数の回転刃4b・・は、補助台4a・4aのうち第1の移送コンベヤ3に近い側の補助台4aの上方に、連続したシート状豆腐Aの進行方向と直行する回転軸L1に所定の間隔で取り付けられている。連続したシート状豆腐Aが第1の移送コンベヤ3から移送され、補助台4aを通過する際、複数の回転刃4b・・が回転し、連続したシート状豆腐Aを縦方向にカットする。
【0027】
次に、補助台4a・4a間には、わずかに隙間が設けられており、この隙間の上方に、縦方向にカットされた連続したシート状豆腐Aを更に横方向にカットするための押切刃4cが昇降可能に取り付けられている。この押切刃4cは、上下方向に稼動するロッドの先端部に取り付けられており、複数の回転刃4b・・により縦方向にカットされた連続したシート状豆腐Aが補助台4a・4a間を通過する際に昇降し、所定の長さごとに連続したシート状豆腐Aを横方向にカットする。回転刃4b・・及び押切刃4cにより、連続したシート状豆腐Aは一丁単位の豆腐A1・・にカットされる。なお、前記押切刃の代わりに横方向に動作するナイフ式切断刃を備えた形態であってもよい。
【0028】
ここで、連続したシート状豆腐Aのカットは第1の移送コンベヤ3側で、水中または部分的に水に浸かった「半水中」で行ってもよいが、完全に水中に没した状態の方が、柔らかい連続したシート状豆腐Aの変形による切断寸法精度を出しやすく、好ましい。なお、切断精度を確保できる手段(切断時、豆腐両端面を保持板などで固定する等の手段)を併用すれば、水のない、空中(陸上)での切断は可能である。この場合は、第1の移送コンベヤ3の上流側に連続したシート状豆腐Aをカットするなんらかのカット手段を設け、連続したシート状豆腐Aをカットした状態で水槽2内に移送することになる。なお水槽2内の水は、例えば水道水や井戸水など飲用可能な清水を換水するか、60℃以上99℃以下の高温状態か、食品添加物規格の次亜塩素酸(商品名:ハセッパー水)または次亜塩素酸ナトリウムを、有効濃度0.1~200ppmに調製しておくか、衛生的な手段を併用すると効果的である。
【0029】
連続したシート状豆腐Aのカット手段はこの形態に限らず、1丁単位の豆腐A1・・に切断する手段であればよい。例えば前記カット手段4は連続したシート状豆腐Aの先端を第一の移送コンベア3の後端で複数丁分の幅の太帯状豆腐生地に切り離す第一の横方向切断分配手段を備えて、次に第二の移送コンベア5に乗り移り、縦切りして横方向の間隔を広げる縦方向切断分配手段を備えて、その後に1丁単位の豆腐A1・・に切断し、前後方向に間隔を広げる第二の横方向切断分配手段を備えて、豆腐A・・を1丁ずつ前後左右の間隔を広げて配列された状態にしてもよい(参考:特開2014-207901号)。
【0030】
また同様に連続したシート状豆腐Aの先端を移送コンベア3の後端で複数丁分の幅の太帯状豆腐生地に切り離す第一の横方向切断分配手段を備えて、次に第二の移送コンベア5に乗り移り、さらに1丁分の幅の細帯状豆腐生地に切断して前後方向の間隔を広げる第二の横方向切断分配手段を備えて、その後に1丁単位の豆腐A1・・に切断し横方向の間隔を広げる縦方向切断分配手段を備えて、豆腐1丁ずつ前後左右の間隔を広げて配列された状態にしてもよい。
【0031】
これらの切断分配手段は、水中または半水中半陸上または陸上のいずれで行う形態であってもよく、全て陸上であってもよい。最終的に陸上に移送されて豆腐A1・・を1丁ずつ、前後左右の間隔を空けて整列する手段であれば特に限定しない。
【0032】
各切断時には位置決め手段を用いて所望の切断寸法に正確に切断するようにしてもよい。また前記太帯状豆腐生地、細帯状豆腐生地、あるいは1丁単位の豆腐のみを上下180度反転する反転機構を適宜備えてもよい。
【0033】
従来、豆腐を下方にあるパックに落とし込む方式のパック陸詰め装置では、凝固成型時の底面の表面が滑らかなため、パックのフィルム面に該底面を向けるために豆腐のみの反転機構を設けるが、本発明では、豆腐単独での反転機構は不要であり、パック収納した後の反転機構によって、フィルムがかかる表面が自ずと該底面になる。
【0034】
図1の例では、連続したシート状豆腐Aからカット手段4により水中でカットされた豆腐A1・・は、その最前の横一行分の各豆腐A1・・ごとに、受け渡し手段7により第1の移送コンベヤ3側から第2の移送コンベヤ5側へと受け渡される。この受け渡し手段7は、第1の移送コンベヤ3と第2の移送コンベヤ5間に設置され、第1の移送コンベヤ3側から最前の横一行分の各豆腐A1・・を受け取る回転板8を有する。また、この受け渡し手段7は、第2の移送コンベヤ5の上方に設けられ、回転板8が受け取った各豆腐A1・・を受け継いで第2の移送コンベヤ5まで誘導するスクレーバコンベヤ9を有する。そして、この受け渡し手段7は、回転板8と第2の移送コンベヤ5間に掛け渡され、スクレーバコンベヤ9が第2の移送コンベヤ5へ各豆腐A1・・を誘導するのを補助する誘導補助台10を有する(
図2参照)。
【0035】
第1の移送コンベヤ3側から最前の横一行分の各豆腐A1・・を受け取る回転板8は、その回転軸L2の中心が、第1の移送コンベヤ3(の搬送面3a)の延長線と、第2の移送コンベヤ5(の搬送面5s)の延長線との交差点付近にくるように設置される。回転板8は、等間隔で設置された複数枚の羽8a・・を有している。この羽8a・・は、櫛歯構造になっており、以下で説明するスクレーバコンベヤ9及び誘導補助台10から影響を受けることなく回転軸L2を中心に回転可能となっている。回転板8の羽8a・・の枚数については、
図2では2枚となっているが、1~6枚程度の枚数とすることが可能である。
【0036】
回転板8が受け取った各豆腐A1・・を受け継いで第2の移送コンベヤ5まで誘導するスクレーバコンベヤ9は、第2の移送コンベヤ5(の搬送面5s)と平行となるように、その上方に設置される。このスクレーバコンベヤ9は、所定間隔を置いて複数のスクレーバ9aを有しており、回転板8の羽8a・・が第1の移送コンベヤ3側から受け取る各豆腐A1・・を、この各スクレーバ9aで受け継いで、これら各豆腐A1・・を第2の移送コンベヤ5まで誘導する。ここで、回転板8の羽8a・・は、上記のように櫛歯構造となっているが、各スクレーバ9aも、この羽8a・・の櫛歯の位置に対応した櫛歯を有する櫛歯構造となっているため、羽8a・・と各スクレーバ9aとが互いに接触してしまうことがない。
【0037】
スクレーバコンベヤ9が第2の移送コンベヤ5と同期同調して、水中から陸上へ各豆腐A1・・を誘導するのを初期に補助する誘導補助台10は、回転板8と第2の移送コンベヤ5間に掛け渡されるように設置される。この誘導補助台10は、スクレーバコンベヤ9のスクレーバ9aが、回転板8の羽8aから各豆腐A1・・を引き継いだ後、このスクレーバ9aが第2の移送コンベヤ5上に達するまで、各豆腐A1・・の誘導路としての役割を果たす。ここで、誘導補助台10は、回転板8の羽8aの櫛歯の位置に対応した櫛歯を有する櫛歯構造となっているため、回転板8の羽8aが回転しても、羽8a・・と誘導補助台10とが接触する恐れはない。
【0038】
受け渡し手段7(回転板8、スクレーバコンベヤ9及び誘導補助台10)により、第1の移送コンベヤ3側から第2の移送コンベヤ5側への各豆腐A1・・の受け渡しがスムーズに行える。すなわち、上記カット手段4により縦・横方向にカットされた豆腐A1のうち、押し出された最前の横一行分の各豆腐A1・・を、回転板8が羽8a・・を回転させながら受け取る。そして、この受け取った横一行分の各豆腐A1・・を、スクレーバコンベヤ9の各スクレーバ9aに受け渡す。そして、このスクレーバコンベヤ9の各スクレーバ9aは、誘導補助台10に沿って各豆腐A1・・を第2の移送コンベヤ5側に誘導する。そして、回転板8が180度回転すると、その羽8a・・が再び、第1の移送コンベヤ3側から、最前の横一行分の各豆腐A1・・を受け取り、スクレーバコンベヤ9のスクレーバ9aへと受け渡す。このように、連続したシート状豆腐Aを水槽2内に連続して進行させても、カットされた連続したシート状豆腐Aを、スムーズにパック詰めのライン、すなわち、第2の移送コンベヤ5へと受け渡せるため、装置1全体の稼動効率を高い水準で維持することができる。
【0039】
第2の移送コンベヤ5には、並走した状態で移送されてきた縦切り済みの横一行分の各豆腐A1・・を、移送コンベヤ5で移送しながら、一列おきに一時せき止めて前後左右の間隔を広げて千鳥配列にする千鳥配列手段11が設けられている。この千鳥配列手段11は、第2の移送コンベヤ5における下流側に設置されるパック被せ装置20の前に、少なくとも1つは配されもので、各豆腐A1・・の進行方向に直行する回転軸11cに回転自在に取り付けられる千鳥配列板11aを有する。この千鳥配列板11aは、各豆腐A1の左右の幅に合わせた櫛歯を有する櫛歯構造となっている。更に、この千鳥配列板11aの上端部は、伸縮自在の(駆動シリンダの)ロッド11bに回転自在に連結されている。
【0040】
第2の移送コンベヤ5により並走した状態で横一行分の各豆腐A1・・が通過しようとすると、まず、ロッド11aが上方に収縮し、このロッド11aに連結された千鳥配列板1の上端部も上方に移動する。これにより、回転軸11cを中心に千鳥配列板1が直立する方向に回転し、横一行分の各豆腐A1・・を一列おきにせき止める。千鳥配列板1によって一部の豆腐A1・・はその位置でせき止められ、これに対し、せき止められなかった他の豆腐A1・・は進行する。これにより、それまで横一行に左右同士ほぼ密着して接して並走した状態であった各豆腐A1・・が、前後左右に間隔の空いた千鳥配列となる。その後、千鳥配列板11aが上記とは逆に回転し、千鳥配列となった各豆腐A1・・が、その配置を保ったままパック被せ装置20に移送される。
【0041】
千鳥配列手段11により、横一行に並走した状態で移送されてきた各豆腐A1・・を千鳥配列とすることで各豆腐A1・・間の間隔が空き、パック被せ装置20によってパックPを被せる際のスペースを確保し、パック被せを円滑に行うことができる。
【0042】
また、絹ごし豆腐の製造の場合には、第2の移送コンベヤ5の上方に補助コンベヤ12を配置し、滑りやすい絹ごし豆腐に対して搬送の補助を行うことが望ましい。
【0043】
また、本実施形態における豆腐A1の硬さ(破断力)は、その連続したシート状豆腐Aの後端付近の破断力測定で、20~200gf/cm2であり、より好ましくは、20~100gf/cm2である。そして、本明細書で柔らかめの豆腐A1とは、搬送面5sに載置された状態においてダレてしまって側面視で台形状になったり、横に傾いたりして歪みが発生した状態を云い20~60gf/cm2、固めの豆腐A1とは、搬送面5sに載置された状態で、歪むこと無く四角の状態を確りと保つものを云い、60~100gf/cm2ないしはそれ以上である。なお、破断力測定は成型機出口や包装直前の芯温50~80℃の温かい状態での現場測定であって、簡易的な物性試験装置や携帯用の硬さ計やフォースゲージを適宜用いることができる。ちなみに製造条件にもよるが、包装後の加熱冷却後の硬さとしては概ね1.5~3倍の硬さになる。
【0044】
また、本実施形態で使用するパックPは、
図3に示すように、底部Pbとは反対側の開口側にパックフランジ部Pfを備え、側壁部Pwが底部Pbから開口側に向って若干広がる形状であると共に底部Pbから開口側に向って溝Pgを備えたものである。
【0045】
パック被せ装置20は、千鳥配列となって搬送される各豆腐A1に対して、パックPを被せる。このパック被せ装置20は、
図4に示すように、モータ5mにより駆動される第2の移送コンベヤ5の上方において、支持レール21がコンベヤ幅方向に掛渡されている。そして、この支持レール21に、移動基台部22がスライド可能に設けられ、この移動基台部22にパラレルリンク機構23が設けられている。すなわち、パック被せ装置20は、パックPを把持する先端把持部23bを三次元的に駆動する3本のリンクシャフト23aを含むパラレルリンク機構23を備えたロボットである。また、先端把持部23bは、パックPを吸盤で吸引吸着する吸着式或いは2~4本指の鉗子を備えて挟み込むチャック式、更にはこれらを組み合わせた把持構造とすることができ、パックの向きを同じにしてしっかり把持できる方式であれば、特に限定しない。移動基台部22や先端把持部23bにも水平回転軸や垂直回転軸を設けて、併せて自由度を合計4~6個の制御軸を設けてもよい。またパラレルリンク機構が好ましいが、そのほか、スカラー式ロボットでもよく、1分間に200~300mmの水平距離を100回往復(サイクル)以上(100CPM;サイクル・パ-・ミニッツの略)の動作可能な高速型ロボットであればよい。好ましくは1分間に0.5~1.5mの水平距離を100回往復以上(100CPM;サイクル・パ-・ミニッツの略)の動作可能な高速型ロボットであれば一層によい。
【0046】
また、パック被せ装置20には、搬送面5s上を流れる各豆腐A1・・を撮像する(第一の)画像センサ24(カメラ装置)が移動基台部22に設けられている。この画像センサ24により撮像された各豆腐A1・・の位置に合わせ各豆腐A1・・のパックPを正確に被せることができる。また、図示しないが、必要に応じて画像センサ24用の照明部材を適宜設けるようにしても良い。
【0047】
この画像センサ24による検出信号に基づいて豆腐A1の画像解析を行う。したがって、画像解析に基づいて豆腐A1の異常を検出したときは、該豆腐A1にパックPを被せないように処理する。ここで云う豆腐A1の異常とは、例えば、豆腐A1の大きさ(切断寸法)が小さいもの、台形やひし形に切れた変形したもの、崩れや欠けたもの、切断面の気泡が
多いもの、異物付着があるもの等の検出を云う。また、第2の移送コンベヤ5上の各豆腐A1の直前の画像信号を画像解析することによって、多少位置ズレした各豆腐A1があっても、該豆腐A1に対して、先端把持部23bのパックPの被せ位置を修正し、正確にパック被せを行うようにする。
【0048】
また、パック被せ装置20は、コンベヤ幅方向左右に二台設置されている。したがって、両パック被せ装置20の作業領域は、コンベヤ左右幅方向において二分されている。ここで、パック被せ装置20の水平方向の移動範囲は、例えば、豆腐A1・・の配列幅が1.0メートルから3.0メートルの範囲であるので、0.5メートルから1.5メートルの範囲に設定され、動作精度は、±2.0ミリメートル以内、好ましくは±0.2ミリメートル、より好ましくは±0.02ミリメートル以内である。
【0049】
また、パックPの供給は、第2の移送コンベヤ5の幅方向両脇にそれぞれ設けられたパック供給コンベヤ(パック供給装置)40によって供給される。パック被せ装置20の台数と同じ台数のパック供給コンベヤ40が設けられる。1つのパック供給コンベヤ40には多数の空パックをストックするパック供給マガジンが少なくとも1つ設けられるので、空パックの供給を行う作業者はその一つのマガジンに集中して作業でき、負担が軽減するようになり、一旦マガジンをある程度満杯まで補充にすれば、反対側のパック供給手段の方にパックPを補充したり、しばらく他の作業が可能である。また、パック供給コンベヤに、パックPの状態を検出可能な(第二の)画像センサを設けてもよい。
【0050】
なお、
図4に示すパック供給コンベヤ40は、コンベヤ幅方向にパックPを供給するよう図示してあるが、実際には、
図5以降に示すように、第2の移送コンベヤ5のパックPの搬送方向に沿って供給する構造となっている。またパックPの落下開始位置とほぼ同じ高さに送り出される。すなわち、第2の移送コンベヤ5の豆腐A1の搬送方向に沿って、上下移動なく、水平に最短距離で供給する方が有利である。また、パックPを同時に複数把持するような場合を考慮するとなお効率的で望ましい。
【0051】
また、本実施形態のパラレルリンク機構(のロボット)23や図示しないスカラー機構(のロボット)は、例えば、0.2~3m、好ましくは0.5~1.5mの水平距離を水平往復で100往復(100CPM)以上の高速処理能力(高速駆動可能な能力)を有しているロボットが望ましい。本明細書で云う高速処理とは、一台のパック被せ装置20で1時間あたり4000~6000丁かそれ以上の処理能力を云う。二台あればその倍の処理能力になる。なお同等以上の高速処理可能であれば多関節型(シリアルリンク機構)のロボットでもよい。
【0052】
反転装置30は、第2の移送コンベヤ5の搬送面5sを反転させるローラである反転支持部31と、この反転支持部31に位置する搬送面5sに沿って配置され、パックPが反転するまで該パックPを保持する円弧状のパック保持部32と、パック保持部32の下流端に、反転したパックPを排出する接続シュータ33と、を備えている。なお、接続シュータ33によって排出されたパックPは、第3の移送コンベヤ50にて次の加工工程(包装工程)に移送される。
【0053】
パック被せ装置20及び反転装置30の動作について説明する。
なお、以下の説明は、パックPの大きさに対して豆腐A1が小さめの場合(
図5、
図6及び
図7、パック内寸より5mm以上の隙間がある場合)、パックPの大きさに対して豆腐A1が大きめ(
図8、パック内寸より5mm未満の隙間がある場合)、ないしは少しダレた柔らかめの場合(
図9、豆腐の破断力で60~100gf/cm
2)、豆腐が柔らかく大きくダレた場合(
図10、豆腐の破断力で20~60gf/cm
2)、の各場合について説明する。
【0054】
まず、パック被せ装置20の動作全般について説明する。
搬送面5sにおいて、所定の間隔に配列された各豆腐A1がパック被せ装置20の近くまで流れて来ると、パックPを被せる豆腐A1は、画像センサ24にて検出され、この検出情報に基づき各豆腐A1の位置に合わせてパック被せ装置20の先端把持部23bが駆動される。
【0055】
パック被せ装置20は、移動基台部22がパック供給コンベヤ40側に移動して先端把持部23bにてパックPを逆さの状態(パックPの開口が下向きになった状態)で把持する。その後、移動基台部22が、
図5に示すように、豆腐A1の真上まで近接するように移動し、パックPは、豆腐A1の略真上に位置される。なお、パック被せ装置20の先端把持部23bの動作範囲が十分広い場合は、移動基台部22は省くこともできる。
【0056】
その後、
図6に示すように、パラレルリンク機構23を伸ばすよう駆動させてパックPを豆腐A1の上方近くまで接近させる。この動作に引き続いて、
図7(
図8,
図9,
図10も同様)に示すように、先端把持部23bによるパックPの把持を解除し該パックPを落下させる。このとき、パックPは、強制的に押し付けずに、その自重によってふんわりと落下して豆腐A1に対して緩く被さる。
【0057】
次に、パックPの大きさに対して豆腐A1が小さめの場合について説明する。
この場合、パックPを豆腐A1の真上から落下させたとき、パックPが搬送面5sから浮くように豆腐A1に被さる格好か、或いは少し引っ掛かる形で少し浮き上がってパックPが少し傾く格好、また、パックPの一端が搬送面5sに接するような格好になる。すなわち、
図5~
図7に示すように、パックPが豆腐A1の上に平に乗った状態や前後左右に斜めに傾いて被せられた状態が発生する。
【0058】
次に、
図8を参照して、パックPの大きさに対して豆腐A1が大きめ場合(パックと豆腐の隙間が5mm未満)について説明する。
この場合、パックPを豆腐A1の真上でも若干下流側から落下させる。この結果、パックPの上流側が豆腐A1の上流端に引っ掛かる。したがって、パックPの上流側が浮き上がった格好でパックPが傾いた状態に被さる。場合によっては、
図8に示すように、パックPの下流側端が搬送面5sに接するような格好になる。
【0059】
次に、
図9を参照して、豆腐A1が少しダレた柔らかめの場合(60~100gf/cm
2)について説明する。
この場合、豆腐A1は下側が少し大きくなっているので、パックPを豆腐A1の真上から落下させたとき、パックPは、多少は傾く場合もあるが、ほぼ全てのパックPが搬送面5sから浮いた格好で豆腐A1に被さった状態になる。
【0060】
次に、
図10を参照して、豆腐A1が柔らかく大きくダレた場合(20~60gf/cm2)について説明する。
この場合、豆腐A1は下側が大きくダレ、全体的に扁平となり平面的なサイズがかなり大きく(
図9の場合よりも大きく)なっている。したがって、パックPを豆腐A1の真上から落下させたとき、多少は傾くものもあるが、
図10に示すように、ほぼ全てのパックPは、大きく浮いた格好で豆腐A1に被さった状態になる。
【0061】
このように本実施形態では、豆腐A1の硬さについて色々の条件のもとで、豆腐A1に対してパックPを被せるが、何れの場合も、豆腐A1に対して、パックPが途中まで被せられた状態で反転装置30へと移送される。
【0062】
次に、反転装置30について説明する。
反転装置30においては、パックPは、その底部Pbがパック保持部32によって保持された状態で水平から垂直に立ち上がり、引き続き反転して再び水平になる。このとき、パックPは、移動しながら底部Pbが常に保持されている一方、パックP内の豆腐A1は、搬送面5sによってパックPの開口側が位置規制されている。したがって、豆腐A1は、重力によってパック内で下方に落ち込む(下方に寄る)。これにより、パックPと豆腐A1の間に溜まっていた空気は、その多くがパックPの上側の側壁部Pw及び溝Pgに沿うようにして外部に素早く排出される。この結果、パックP内に豆腐A1が素早く収まる。
【0063】
このようにして反転され豆腐A1を収容したパックPは、第2の移送コンベヤ5のベルト下方に回り込み、パックPの開口側を上方に向けて、包装機(不図示)に搬送され、フィルムによって密封シールされる。
【0064】
以上述べたように、本実施形態のパック詰め装置20においては、先端把持部23bにより、パックPを豆腐A1に対して途中まで被せることで、パック被せ時の豆腐A1へのダメージを少なくでき豆腐A1の損傷を回避できる。更に、反転装置30においては、パックPが被せられた豆腐A1を上下反転させるとともに、パック内に豆腐A1に力を掛けずに収めるので、豆腐A1がパックPに入った状態で水平から垂直な姿勢になる過程で、パックPと豆腐A1に挟まれた空間の空気が上手く抜けて、豆腐A1のつぶれの発生も無くパックPに対する豆腐A1の収まりを無理なく円滑に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態のパック被せ装置20においては、パックPを把持する先端把持部23bを三次元的に高速で駆動するパラレルリンク機構23、または図示しないスカラー機構を備えることで、100CPM以上の高速処理能力を有しており、破断力20~100gf/cm2の温かい柔らかめの豆腐に、極めて高速で高精度にパックPを被せ収めることができる。したがって、従来では3,000丁/時間が限界であったところ、例えば、4,000~12,000丁/時間、ないしはそれ以上に、豆腐A1のパック詰め個数を飛躍的に増大させることが可能となる。
【0066】
本実施形態においては、反転装置30は、搬送面5sを反転させる反転支持部31と、この反転支持部31上の搬送面5sに沿って配置され、パックPが反転するまでパックPを保持するパック保持部32と、を備えるので、豆腐A1を収容したパックPを搬送面5sに保持したまま反転させることができ、豆腐A1を搬送しながらパック内に収めることができる。
【0067】
本実施形態においては、豆腐A1の状態を検出可能な画像センサ24が設けられているので、豆腐A1の位置や形状などを測定・監視を行うことができ、その検出情報によりパック詰めの迅速性及び正確性の向上を図ることができる。
【0068】
本実施形態においては、画像センサ24により、豆腐A1を画像解析して、豆腐A1の異常を検出したときには、この豆腐A1にパックPを被せないので、不要な作業を少なくし作業性を高速化できると共に歩留まりを向上させることができる。この結果、後工程での検品作業の軽減ができ、商品の品質を向上することができる。
【0069】
本実施形態のパック被せ装置20は、搬送面5sの幅方向の左右両側に設けられているので、パックPを被せる領域が、搬送面5sの左右方向で二分することができ、パック被せ装置20の作業範囲を小さくしてパック被せ作業の大幅に高速化を図ることができる。もちろん多少能力は下がってもパック被せ装置20を片側だけに配置する形態であってもよい。
【0070】
本実施形態のパック被せ装置20においては、成型機出口の温かい状態での硬さとして、豆腐A1は硬さ(破断力)が20~100gf/cm2、好ましくは30~80gf/cm2であることで、豆腐A1が柔らかくダレやすく損傷しやすい場合でも、迅速且つ正確にパック詰めすることができる。
【0071】
本実施形態におけるパックPは、パック内面に、少なくともパック底部Pbから開口側に向って延びる溝Pgを有するので、パックPを被せた状態で豆腐A1とパックPを反転し、パックPと豆腐A1間に挟まれた空気が抜けるとき、溝Pgが空気抜け路として機能し、空気が素早く抜ける。この結果、パックPに対する豆腐A1の収まりを無理なく迅速且つ円滑に行うことができる。
【0072】
また、従来においては、豆腐A1をパックPに落とし込む場合、豆腐A1とパックPとの隙間が5ミリから10ミリ程度必要であったが、本実施形態においては、空気が抜けやすくなることから、豆腐A1とパックPの寸法差を5ミリ未満と小さくできる。この寸法差は、本実施形態によれば、5~10ミリから1~4.9ミリと飛躍的に小さくできる。また、これにより、パックPによる豆腐A1の保持をより確実にすることができると共にパックPの小型化を図ることができる。
【0073】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について
図11及び
図12を参照して説明する。
なお、
図11は、柔らかめのダレた豆腐A1の場合を図示し、
図12は、硬い豆腐の場合について図示する。また、
図11及び
図12においては、第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態におけるパック被せ装置20は、パックPを、その下流側を下方、上流側を上方にした姿勢で豆腐A1に覆い被せるところが第1実施形態と相違する。すなわち、第1実施形態においても、パックPの下流側が下方となる状態が偶発的に発生することがあるが、本実施形態の場合は、全てのパックPがその下流側を下方、上流側を上方にした姿勢に常になるようにするところが特徴である。
【0075】
先ず、
図11に示す柔らかめのダレた豆腐A1の場合について説明する。
この場合、先端把持部23bにより把持した後に、パラレルリンク機構23により先端把持部23bを傾斜させる。したがって、パックPは、その向きが所定だけ傾斜した状態で、豆腐A1のほぼ真上に位置される。このとき、パックPの前後位置(上下流の位置)は、下流側に位置するようにする。そして、パックPの把持を解除し落下させる。ここで、豆腐A1は下方側が少し大きくなるようにダレていることから、パックPの下流側端が、豆腐A1の下流側端またはその近傍に位置するように被さる。この結果、パックPは、豆腐A1に対してかなり浮いた格好で、全体が搬送面5sから離れた格好や一部が搬送面5sに接した格好となるが、パックPの豆腐A1に対する被さり方は、全て下流側が下方で上流側が上方となる格好で被さる。そして反転装置30に受け入れられて、反転支持部31と反転装置30の隙間が絞り通路に構成せれているため、パックPと豆腐A1が垂直姿勢になる付近で、豆腐のダレが下方側(下流側)に偏りながら、上方側(上流側)はパックPと豆腐A1との隙間が生じて、パックPの上流側が豆腐A1の上流側に深く被さることになる。このようにパックPは豆腐A1の下流側から上流側へとスムーズにほぼ完全に覆い被さり、かつ反転が完了する。
【0076】
次に、
図12の硬い豆腐A1の場合について説明する。
この場合、
図11に示した場合とパックPの被さり方が少し異なる以外は全く同じである。すなわち、豆腐A1が硬い場合は、豆腐A1がダレないので、豆腐A1の下部が大きく膨らまない。この結果、
図12に図示の如く、パックPの下流側の開口端が搬送面5sに必ず接するように被せられる。
また、本実施形態においては、パックPを被せた後の反転装置30による反転は、第1実施形態と同じである。
【0077】
以上、本実施形態におけるパック被せ装置20は、パックPを、その下流側を下方、上流側を上方にした姿勢で豆腐A1に対して常に同じ状態で被せることができる。この結果、パックPは、常に下流側を下に斜めになって豆腐A1に被さることから、反転時の豆腐A1は、下流側から上流側に斜めにパック内へ挿入されることになり、パックPと豆腐A1間の残留空気の排出が円滑に行われる。この結果、パック詰めの高速化を図ることができる。この形態では反転支持部31と反転装置30の隙間が絞り通路に構成されることは必ずしも必要ではない。また豆腐A1に対して、パックPを被せる精度も高くなくてもよく、パックPを斜めにせずともよいが、下流側にずれて被せるようにして、水平に被さるパックPや斜めに被さるパックPが混在するような状態であってもよい。
【0078】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について
図13及び
図14を参照して説明する。
なお、
図13及び
図14においては、第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施形態の反転装置30aは、
図13に示すように、搬送面5sを反転させる反転支持部31と、この反転支持部31に対面する位置設けられ、パックPが被せられた豆腐A1を、搬送面5sからスライドさせて収容、さらには保持すると共に、パックPが上下反転するまで回転移動するパック保持部35と、搬送面5sからパック保持部35へ豆腐A1を入れるシュート部36と、パック保持部35から反転したパックPを送り出す接続シュータ33とを備えている。シュート部36は上方板と下方板から成り、受け入れ側から排出側に向けて豆腐A1に途中まで被ったパックPを更に被るように絞り通路になるよう構成する。そして、パック保持部35は、シュート部36の下流側に回転軸34を有して回動可能で、シュート部36から豆腐A1を受け取り収容する2つのパック収容部35cを有している。シュート部36の下方板は下り勾配でパックPが被せられた豆腐A1が滑走しやすい勾配を有する。シュート部36の下方板には小孔を多数設けて水または空気を噴出するようにして摩擦抵抗を減らす構造にしてもよく、あるいは上方から適宜散水する散水装置を備えてもよい。またシュート部36の下方板が水平に近い場合、2つのパック収容部35cは櫛刃状に構成し、別途押し込み装置を備えて、その櫛刃状の送り込み板とかみ合うように、押し込み、送り出し動作を行うようにしてもよい。
【0080】
このように構成された反転装置30aは、先ず、第2の移送コンベヤ5からパックPが途中まで被さった豆腐A1を、シュート部36を介してパックPを豆腐A1に更に深く被せてパック保持部35に収容する。その後、パック保持部35は、
図14に示すように、パックPが被さった豆腐A1を保持した状態で回転軸34を支点にして、図中時計回りの方向に回転する。この回転によって、パックPは、パック収容部35cの上下の壁面によって保持された状態で上下が反転される。その後、反転したパックPは、接続シュータ33を介して第3の移送コンベヤ50側に移送される。一方、パック保持部35の他方のパック収容部35cは、シュート部36に対応して、次のパックPの受け入れが可能な状態となる。この反転装置30aは、このようにして回転しながらパックPを移送する。
【0081】
このように、本実施形態の構成によれば、反転装置30aは、搬送面5sを反転させる反転支持部31と、反転支持部31に対面する位置設けられ、パックPが被せられた豆腐A1を、搬送面5sからスライドさせて収容、さらには保持すると共に、パックPが上下反転するまで回転移動するパック保持部35と、を備えるので、豆腐Pを収容したパックPを搬送面5sから離れた位置に移動しながら反転させることができる。
【0082】
前掲の第1実施形態における反転装置30は、パック保持部32が円弧状の板部材で構成されたが、その他に、変形例として
図15及び
図16に示すように構成しても良い。なお、
図15及び
図16においては、第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付して説明を省略する。
【0083】
図15に示す反転装置30bは、反転支持部31に対面する位置において、パックPの反転が可能なようにエンドレスのベルト32aが設けられている。このベルト32aは、パックPの移動に合わせて回転するように回転駆動されている。本変形例の場合、反転するときのパックPの底部Pbを保持する部分が、パックPの移動に合わせて動くと共に、ベルト32aの弾性と緩めに調整されたテンションによって、パックPを柔らかく保持し反転移送することができる。
【0084】
図16に示す反転装置30cは、反転支持部31に対面する位置に回転駆動された複数の回転ローラ38が円弧状に配置されている。反転支持部31と回転ローラ38の距離は受け入れ側からは排出側に向けて絞り通路に構成することが好ましい。この場合、パックPの底部Pbが回転ローラ38により保持されながら該パックPは反転される。また、本変形例の場合、パックPの底部Pbを保持する部分が、連続配列された回転ローラ38であることから、この回転ローラ38により、パックPに微振動を付与することができ、パックPを送りつつ微振動を加えて反転移送することができる。この結果、パックPと豆腐A1との間の空気の排出を促進することができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前掲の実施形態に何ら制限されるものではない。例えば、画像センサ24については、前掲の実施形態では、パック被せ装置20に設けたが、特にこれに限定されるものではなく、また、画像センサ24を複数個設けるようにしても良い。
【0086】
また、前掲の実施形態においては、図示では、パック被せ装置20によるパックPの把持を1つの場合にについて記載したが、複数のパックPを同時に把持して被せ処理を行うようにしても良い。
【0087】
また、前掲の実施形態においては、パラレルリンク機構は4軸のリンクシャフトを用いたロボットであるが、パックを把持する先端把持部を回転する軸や傾斜する軸など適宜軸数(自由度)が増えてもよく、リンクシャフト数はこれに限るのではない。また、パラレルリンク機構23を有するロボットではなく、100CPM以上の高速処理能力を有するものであれば、水平多関節ロボット(スカラタイプロボット(3~5軸))や垂直多関節ロボット(シリアルリンクロボット(3軸~7軸))でも良い。
【0088】
また、パックPの底部Pbの形状については、図示した形状のものに限らず、例えば、底部Pbにも溝が形成され、また、底部Pbの溝と側壁部Pwの溝とが連続した溝を構成するようにしても良い。
【0089】
また、前掲の第3実施形態における反転装置30aにおいては、パック保持部35は回転軸34の中心にして180度反対側に一対のパック収容部35cが形成された構成としたが、パック収容部35cは、2つの構成ではなく、1つの構成でも良く、あるいは更に多く設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0090】
1 豆腐のパック詰め装置
3 第1の移送コンベヤ
5 第2の移送コンベヤ(移送コンベヤ)
5s 搬送面
20 パック被せ装置
21 支持レール
22 移動基台部
23 パラレルリンク機構
23b 先端把持部
24 画像センサ
30,30a,30b,30c 反転装置
31 反転支持部
32,32a,35,38パック保持部
A 連続したシート状豆腐
A1 1丁単位の豆腐
P パック