(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】家屋
(51)【国際特許分類】
E04B 1/76 20060101AFI20230530BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20230530BHJP
F24F 3/00 20060101ALI20230530BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
E04B1/76 200A
F24F5/00 K
F24F3/00 B
F24F13/02 C
(21)【出願番号】P 2020120882
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2022-10-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520261264
【氏名又は名称】シノザキ建築事務所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100217869
【氏名又は名称】吉田 邦久
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 廣和
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-068340(JP,A)
【文献】特開平04-194175(JP,A)
【文献】特開2003-185214(JP,A)
【文献】実開昭50-000718(JP,U)
【文献】特開2005-240403(JP,A)
【文献】特開2009-149797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
F24F 5/00
F24F 3/00
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下空間に連通された下端から居住空間の上端部に連通された上端まで延在する縦流路と、該床下空間と該居住空間の下端部とを連通する連通路と、該居住空間の下部に配設された暖房器と、該居住空間の上端部から該縦流路を通して該床下空間に暖気を流動させるための暖気流動手段と、該床下空間から該縦流路を通して該居住空間の上端部まで冷気を流動させるための冷気流動手段
とを備え、
該縦流路は、外周壁の内面、該外周壁の内面に対して間隔をおいて延在する対向壁、該対向壁の両端縁の各々を夫々該外周壁の内面に接続する一対の接続壁によって区画され、下端は該床下空間に連通され上端は該居住空間の上端部に連通されている流路空間と、該流路空間内を上下方向に延在し、下端は該床下空間に連通され上端は該居住空間の上端部に連通されている少なくとも1本のパイプとから構成されており、
該暖気流動手段は該流路空間の上端に配設され、該居住空間の上端部から暖気を該流路空間の上端部に流入する少なくとも1個の送風器から構成され、
該冷気流動手段は該パイプの下端に配設され、該床下空間から冷気を該パイプの下端に流入する少なくとも1個の送風器から構成されている、
ことを特徴とする家屋。
【請求項2】
該対向壁及び該接続壁は断熱材及び該断熱材の該内面に配設され該流路空間に露呈する遮熱材を具備する、請求項
1記載の家屋。
【請求項3】
該床下空間の下面を規定する基礎コンクリート層の表面には自然素材塗料が施されている、請求項1
又は2記載の家屋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房及び冷房機能を備えた家屋、更に詳しくは初期コスト及びランニングコストが充分に抑制されているにも拘わらず快適な暖房及び冷房が達成される家屋に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、暖房及び冷房機能を備えた家屋として、床下通気層、天井板裏通気層及び一対の内壁裏通気層から構成された循環通気路と共に、かかる循環通気層を通して暖気及び冷気を循環させるための循環促進装置及び室内暖房器を含む家屋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上記特許文献1に開示されている家屋においては、暖房の際には循環通気層を通して暖気を循環させ、冷房の際には循環通気層を通して冷気を循環させており、暖気及び/又は冷気が循環されることがない形態の家屋と比べて、比較的快適な暖房及び冷房が達成される。しかしながら上記特許文献1に開示されている家屋も、未だ充分に満足し得るものではなく、床下通気層(床下空間)に加えて天井板裏通気層と共に一対の内壁裏通気層を配設することが必要であること、及び循環通気層を通して暖気及び冷気を循環させることが必要である故に高出力の循環促進装置が必要であること、等に起因して初期コスト及びランニングコストが比較的高価である、という問題がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、初期コスト及びランニングコストを充分に抑制することができるにも拘わらず、より一層快適な暖房及び冷房を達成することができる、新規且つ改良された家屋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する家屋として、
床下空間に連通された下端から居住空間の上端部に連通された上端まで延在する縦流路と、該床下空間と該居住空間の下端部とを連通する連通路と、該居住空間の下部に配設された暖房器と、該居住空間の上端部から該縦流路を通して該床下空間に暖気を流動させるための暖気流動手段と、該床下空間から該縦流路を通して該居住空間の上端部まで冷気を流動させるための冷気流動手段とを備え、
該縦流路は、外周壁の内面、該外周壁の内面に対して間隔をおいて延在する対向壁、該対向壁の両端縁の各々を夫々該外周壁の内面に接続する一対の接続壁によって区画され、下端は該床下空間に連通され上端は該居住空間の上端部に連通されている流路空間と、該流路空間内を上下方向に延在し、下端は該床下空間に連通され上端は該居住空間の上端部に連通されている少なくとも1本のパイプとから構成されており、
該暖気流動手段は該流路空間の上端に配設され、該居住空間の上端部から暖気を該流路空間の上端部に流入する少なくとも1個の送風器から構成され、
該冷気流動手段は該パイプの下端に配設され、該床下空間から冷気を該パイプの下端に流入する少なくとも1個の送風器から構成されている、
ことを特徴とする家屋が提供される。
【0008】
好ましくは、該対向壁及び該接続壁は断熱材及び該断熱材の該内面に配設され該流路空間に露呈する遮熱材を具備する。該床下空間の下面を規定する基礎コンクリート層の表面には自然素材塗料が施されているのが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の家屋においては、天井板裏通気路と共に一対の内壁裏通気路を含む循環通気路に代えて、床下空間に連通された下端から居住空間の上端部に連通された上端まで延在する、流路空間とパイプとから構成された縦流路を配設している故に、初期コストを抑制することができる。また、循環通気路を通して暖気及び冷気を循環させるための比較的高出力の循環促進装置を必要とすることなく、居住空間の上端部から縦流路の流路空間を通して床下空間に暖気を流動させるための比較的低出力でよい暖気流動手段と床下空間から縦流路のパイプを通して居住空間の上端部まで冷気を流動させるための比較的低出力でよい冷気流動手段とを配設すればよく、これによっても初期コストを抑制することができる。更に、暖気流動手段及び冷気流動手段は低出力のものでよく、ランニングコストを抑制ことができる。加えて、暖房の際には居住空間においては暖気の上昇が効果的に生成され、冷房の際には居住空間において冷気の下降が効果的に生成され、かくしてより一層快適な暖房及び冷房を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に従って構成された家屋の好適実施形態の簡略断面図。
【
図5】
図1に示す家屋における縦流路の上端部及び暖気流動手段を示す部分拡大図。
【
図6】
図1に示す家屋における縦流路の下端部及び冷気流動手段を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された家屋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0012】
図1乃至
図4、特に
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された家屋の好適実施形態である図示の家屋は、多数の砕石を敷設した砕石層2a、発泡ポリスチレン板の如き適宜の断熱層2b及び防湿コンクリート層2cから構成された土間2を備えている。複数個の基礎構造体4は、地中に埋設された下部から土間2を通って上方に延出されており、かかる基礎構造体4上に家屋本体が構築されている。家屋の外郭は外周壁6及び屋根8によって区画されており、外殻内には1階10、2階12及びロフト14が規定されている。
図1と共に
図2及び
図3に図示する如く、外周壁6には複数個の窓16が配設されていると共に玄関口に位置する扉18が配設されている。
【0013】
1階10の下面は床20、この床20よりも幾分下方に変位した変位床22及び土間2の一部2Aによって規定されている。1階に直接的に露呈している土間2の一部2Aの上面にはモルタルが施されている。床20と土間2における床20の下方に位置する領域との間には床下空間24が規定されている(この床下空間24について後に更に言及する)。1階10の上面は天井26によって規定されている。2階12の下面は上階床28によって規定され、ロフト14の下面はロフト床30によって規定され、2階12の上面及びロフト14の上面は上階天井32によって規定されている。
図2及び
図3を参照することによって理解されるとおり、1階10、2階12及びロフト14は、1階から2階に至る階段34上の空間と共に2ケ所の吹き抜け36及び38によって直接的に連通されている。上述したとおりの家屋においては、複数個の窓16と共に扉18が配設されている外周壁6、1階の下面を規定している床20、床22及び土間2の一部2A、並びに上階天井32によって居住空間が規定されている。
【0014】
而して、1階10及び2階12は適宜の仕切り壁(図示していない)によって寝室、居間、玄関、台所、トイレ及び浴室等が区画されているが、図示の家屋におけるかような区画並びに上述したとおりの構成は、本発明に従って構成された家屋の新規な特徴を構成するものではなく、そしてまた本発明が適用される家屋の典型例を示すものである故に、これらについては図示を省略すると共に詳細な説明を省略する。また、外周壁6、屋根8、床20及び22、天井26、上階床28、ロフト床30並びに上階天井32についても、図面においては簡略化して図示している。
【0015】
本発明に従って構成された家屋においては、上記床下空間24に連通された下端から居住区間の上端部(図示の実施形態においてはロフト14の上端部)に連通された上端まで延在する縦流路40が配設されていることが重要である。かかる縦流路40について詳述すると、図示の実施形態においては、
図1乃至
図4において右側に位置する外周壁6の
図2乃至
図4において上下方向の略中間領域に、外周壁6の内面に対して平行に延在する対向壁42並びにこの対向壁42の両側縁を外周壁6の内面に接続する一対の接続壁44a及び44bが付設されており、外周壁6の一部、対向壁42並びに一対の接続壁44a及び44bによって、横断面形状が矩形であり床下空間24に連通された下端からロフト14の上端に連通された上端まで鉛直に延在する流路空間46が規定されている。上階床28及びロフト床30を貫通して延在する対向壁42並びに一対の接続壁44a及び44bは、断熱材とかかる断熱材の内面に配設され流路空間46に露呈する遮熱材(熱を反射する材料)の積層体から構成されているのが好ましい。断熱材の好適例としては、旭化成建材株式会社から商品名「ネオマゼウス」として販売されている発泡フェノール製断熱材を挙げることができ、遮熱材の好適例としては、プレイリーホームズ株式会社から商品名「アストロフォイル」として販売されているアムミニュウム製遮熱材を挙げることができる。図示の実施形態においては、外周壁6はウッドファイバ(木質繊維)製断熱材(図示していない)を含んでおり、従って後に詳述する如く流路空間46を暖気が流動する際に暖気から熱が奪われることが可及的に防止される。
【0016】
図示の実施形態においては、上記流路空間46内に間隔をおいて鉛直に延在する2本のパイプ48a及び48bが配設されており、上記縦流路40は上記流路空間46並びに2本のパイプ48a及び48bから構成されている。パイプ48a及び48bはアルミニュウム製でよい。所望ならば、流路空間46内に1本又は3本以上のパイプを配設することもできる。
【0017】
上記対向壁42並びに接続壁44a及び44bの上端は上階天井32に接続されており、上記流路空間46の上端面は上階天井32によって閉じられている。一方、
図5に図示する如く、対向壁42の上端部には間隔をおいて2個の円形開口50a及び50bが形成されており、かかる開口50a及び50bの各々には送風器52a及び52b(便宜上
図5に二点鎖線で図示している)が付設されている。送風器52a及び52bは、居住空間の上端部、即ちロフト14の上端部から流路空間46内に暖気を送り込み、流路空間46を通して床下空間24に流動させるための暖気流動手段を構成する。送風器52a及び52bは送風強度を適宜に調整することができる形態であるのが好都合である。所望ならば、2個の開口50a及び50b並びに2個の送風器52a及び52bを配設することに代えて1個又は3個以上の開口並びに1個又は3個以上の送風器を配設することもできる。上記開口50a及び50bよりも幾分下方にも2個の円形開口54a及び54bが形成されている。上記2本のパイプ48a及び48bの上端部は内方に折曲げられていて先端は開口54a及び54b内に位置されている。2本のパイプ48a及び48bの外周面と開口54a及び54bの内周面との間は適宜の密封手段(図示していない)によって密封されている。
【0018】
図6に図示する如く、流路空間46を規定する対向壁42並びに接続壁44a及び44bの下端は床20に接続されており、流路空間46は床20に形成されている開口56を通して床下空間24に連通されている。開口56の形状は流路空間46の形状に合致しており、開口56の周縁は適宜の密封手段(図示していない)によって密封されている。2本のパイプ48a及び48bの下端部は開口56を通って床下空間24内に延出し内方に折曲げられており、先端には送風器58a及び58bが付設されている(
図6には一方のパイプ48a及び送風器58aのみを図示している)。送風器58a及び58bは、床下空間24内の冷気をパイプ48a及び48bに送り込み、パイプ48a及び48bを通して居住区間の上流部(即ちロフト14の上流部)まで流動させる冷気流動手段を構成する。送風器58a及び58bも送風強度を適宜
に調整することができる形態であるのが好都合である。
【0019】
図1及び
図2を参照して説明を続けると、本発明に従って構成された家屋においては、床下空間24と居住区間の下部(図示の実施形態においては1階下部)とを連通する連通路が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、床下空間24を規定している床20の適宜の領域に通気開口60(便宜上
図2に二点鎖線で示す)が形成されており、かかる通気開口60が連通路を規定している。更に、図示の実施形態においては、
図2に破線で示す框61の下端は土間から10mm程度でよい所定寸法だけ上方に位置しており、框の下端縁に沿って連続した空隙(図示していない)が形成されており、かかる空隙も連通路を規定している。後に更に言及する如く、暖房時には床下空間24から連通路を通して居住空間に空気が流動し、そしてまた冷房時には居住空間から連通路を通して床下空間24内に空気が流動する。床下空間24は上記流路空間46、パイプ48a及び48b並びに通気開口60を除いて、実質上密閉されているのが好都合である。本発明に従って構成された家屋においては、床下空間24が居住空間と連通されていて、床下空間24内の空気が居住空間に流動される。それ故に、土間2を構成するコンクリート層を露呈させたままでは、コンクリートに起因する望ましくない臭気が居住空間に流動してしまう虞がある。かような問題を解決するために、床下空間24を規定する土間2のコンクリートの表面に、植物又は動物等の自然系原料を主成分とする自然素材塗料、例えば畑中産業株式会社から商品名「友喜のしるし」として販売されている化石サンゴを含む塗料、を施すことが望ましい。更に、床下空間24内の空気温度が外部の空気温度によって受ける影響を可及的に回避するために、
図1に図示する如く、床下空間24を規定する基礎構造体4の外面及び内面には、発泡ポリスチレン板の如き適宜の断熱板62を配設するのが好適である。
【0020】
更に、図示の実施形態においては、
図2に図示する如く、1階の床の一部を構成している、土間2の一部2A上に、暖房器を構成する薪ストーブ64が配設されている。薪ストーブ64の燃焼空間は適宜のダクト(図示していない)を介して、屋根8に付設されている煙突(図示していない)に連通されている。また、
図1に二点鎖線で示すとおり、上記吹き抜け38の上部には、上階天井32から吊り下げられた正逆転可能な送風器66が配置されている。更に、1階の外周壁6に換気ユニット68a(
図2)が配設され、2階の外周壁6に換気ユニット68b(
図3)が配設されている。これらの換気ユニット68a及び68bは、換気に起因する居住空間の温度変化を可及的に回避する熱交換式換気ユニット、例えば省エネテック株式会社から商品名「ヴェントサン」として販売されている熱交換換気ユニットであるのが好都合である。
【0021】
次に、主として
図1を参照して、上述したとおりの家屋における暖房及び冷房作用について説明する。居住空間を暖房する際には、暖房器即ち薪ストーブ64を作動させ、そしてまた暖気流動手段即ち送風器52a及び52bを作動させる。かくすると、居住区間の下部において薪ストーブ64によって空気が加熱されて暖気が生成され、暖気は自然対流によって居住空間を上昇する。そして、送風器52a及び52bの送風作用によって流路空間46内に送り込まれ、流路空間46内を流下して床下空間24内に流動し、連通路(通気開口60及び図示していない空隙)を通って居住空間に戻される。薪ストーブ64からの直接的輻射熱と共に暖気が上述したとおりに流動することによって、快適な暖房が達成される。暖房の程度は、薪ストーブ64の作動度合い並びに送風器52a及び52bの送風強度を調整することによって調節することができる。必要ならば、上階天井32から吊り下げられた送風器66を正転させて、居住空間内における暖気の上昇を助長することができる。
【0022】
居住空間を冷房する際には、冷気流動手段即ち送風器58a及び58bを作動する。かくすると、床下空間24内の比較的低温の空気即ち冷気がパイプ48a及び48b内に送り込まれ、横断面積が比較的小さいパイプ48a及び48bを高速で上昇し、開口54a及び54bから居住空間の上端部に放出される。居住空間の上端部に放出された冷気は自然対流によって居住空間を降下し、連通路(通気開口60及び図示していない空隙を通って床下空間24に戻される。冷気のかような流動によって快適な冷房が達成される。冷房の程度は、送風器58a及び58bの送風強度を調整することによって調節することができる。必要ならば、上階天井32から吊り下げられた送風器66を逆転させて、居住空間内における冷気の下降を助長することができる。本発明者等の経験によれば、北海道等における寒冷地においては床下空間24は充分に低温であり、特に冷房器を配設することなく快適な冷房が達成される。しかしながら、必要に応じて例えば床下空間24内或いは居住空間内の適宜の場所に冷房器を配設することもできる。
【0023】
居住空間の換気は、1階の外周壁6に配設された換気ユニット68aと2階の外周壁に配設された換気ユニット68bとを作動させることによって適宜に実行することができる。一方の換気ユニット68aを排気モードで作動させ、他方の換気ユニット68bを吸気モードで作動させ、例えば70秒程度でよい所定時間が経過すると、一方の換気ユニット68aを吸気モードに切り換え他方の換気ユニット68bを排気モードに切り換え、かかる切り換えを繰り返し実行することによって所望の換気を実現することができる。
【符号の説明】
【0024】
2:土間
4:基礎構造体
6:外周壁
8:屋根
10:1階
12:2階
14:ロフト
20:床
24:床下空間
26:天井
28:上階床
30:ロフト床
32:上階天井
40:縦流路
42:対向壁
44a:接続壁
44b:接続壁
46:流路空間
48a:パイプ
48b:パイプ
52a:送風器(暖気流動手段)
52b:送風器(暖気流動手段)
58a:送風器(冷気流動手段)
58b:送風器(冷気流動手段)
60:通気開口(連通路)
64:薪ストーブ(暖房器)
66:送風器
68a:換気ユニット
68b:換気ユニット