(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】パワーサプライシステム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/493 20070101AFI20230530BHJP
【FI】
H02M7/493
(21)【出願番号】P 2021070437
(22)【出願日】2021-04-19
【審査請求日】2021-05-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518020255
【氏名又は名称】▲けい▼宏電子企業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 睦鈞
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-151937(JP,A)
【文献】特開2013-247788(JP,A)
【文献】特開平08-195659(JP,A)
【文献】特開2001-189657(JP,A)
【文献】国際公開第2016/170932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列接続された多数の直流或いは交流パワーサプライの同期及びインターリーブフェーズシステムであって、
マスター機、及び、複数台のスレーブ機を有し、
前記マスター機及び前記スレーブ機は、それぞれ3組の3相のスイッチング回路を有し、各前記スイッチング回路は並列接続して設置され、各前記スイッチング回路の位相順序は、ローカルインターリーブフェーズコントローラーのインターリーブフェーズ作用を受け、9相を形成し、
前記マスター機及び前記スレーブ機の各台直流パワーサプライは、3組の3相の前記スイッチング回路により形成される多相インターリーブフェーズ作用により、9相及び1MHz前後のスイッチング周波数を生成し、1台の前記スレーブ機を並列接続すると、18相及び2MHz前後の周波数を生成し、前記マスター機及び前記スレーブ機の並列接続する台数の倍数のスイッチング周波数を生成し、
前記マスター機は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、1個の連結ポートを設置し、前記連結ポートは、タイムベースセレクターに連結し、タイムベースジェネレーターは、前記タイムベースセレクターのタイムベースを提供し、前記タイムベースセレクターは、前記マスター機の前記連結ポートから外部入力されるタイムベースか、或いは前記マスター機内部の前記タイムベースジェネレーターが生成するタイムベースかを選択することができ、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにさらに連結し、前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーは、
前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーをさらに連結し、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーは、3組のスイッチング回路をさらに並列接続し、これにより各前記スイッチング回路のフェーズは、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーの制御を受け、インターリーブフェーズを形成し、
複数台の前記スレーブ機は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、各前記スレーブ機には、1個の連結ポートを設置し、前記連結ポートは、タイムベースセレクターに連結し、これにより前記タイムベースセレクターは、前記マスター機が生成するタイムベースを選択して使用し、前記タイムベースセレクターは、前記スレーブ機の前記連結ポート外部のタイムベースか、或いは前記スレーブ機内部の前記タイムベースジェネレーターが生成するタイムベースかを選択することができ、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにさらに連結し、前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーは、ローカルインターリーブフェーズコントローラーをさらに連結し、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーは、3組のスイッチング回路をさらに並列接続し、これにより各前記スイッチング回路のフェーズは、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーの制御を受け、インターリーブフェーズを形成し、
これにより、前記マスター機と各前記スレーブ機は、それぞれ前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにより、前記マスター機及び各前記スレーブ機の間のフェーズを制御し、前記マスター機及び各前記スレーブ機の間のインターリーブフェーズをさらに生成することを特徴とする、パワーサプライシステム。
【請求項2】
前記マスター機及び前記スレーブ機の各組前記スイッチング回路は、3相の前記スイッ
チング回路を有し、
各前記スイッチング回路のスイッチング周波数は、約112kHzであることを特徴とする、請求項1に記載のパワーサプライシステム。
【請求項3】
各前記スレーブ機内には、それぞれ1個のタイムベースジェネレーターを設置し、
前記マスター機は、リモートコントロールユニットに連結され、前記リモートコントロールユニットは、前記マスター機をリモートコントロールし、コンピューター或いはプログラム式コントローラーであることを特徴とする、請求項1に記載のパワーサプライシステム。
【請求項4】
前記マスター機の前記タイムベースセレクターは、外部装置のタイムベースを選択して使用することを特徴とする、請求項1に記載のパワーサプライシステム。
【請求項5】
前記外部装置は、前記マスター機の連結ポート入力端に連結し、前記タイムベースセレクターにより選択して使用されることを特徴とする、請求項4に記載のパワーサプライシステム。
【請求項6】
前記外部装置は、ルビジウム周波数標準発振器であることを特徴とする、請求項4に記載のパワーサプライシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパワーサプライに関し、特に並列接続された多数の直流或いは交流パワーサプライの同期及びインターリーブフェーズシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に従い、AC/DCパワーサプライの応用も日増しに広がっている。
現在AC/DCパワーサプライは、その作動原理及び設計構造の違いに基づき、リニアAC/DCパワーサプライ(Linear AC/DC Power Supply)とスイッチングAC/DCパワーサプライ(Switching AC/DC Power Supply)に分けられる。
リニアAC/DCパワーサプライの基本構造は、第一象限が直流で、第一象限及び第四象限が交流であるリニア増幅器及びバイポーラ直流パワーサプライからなる。
直流双方向に関しては、第一象限及び第二象限で、リニア増幅器は一般的にはA、B、AB等があり、パワーコンポーネントのリニア区を使用する。
AC/DCパワーサプライをスイッチングする基本動作の象限はリニアAC/DCパワーサプライと同様であるが、増幅器はD類が主流で、D類増幅器のスイッチングの動作モードは、効率が高いという優位を備える。
ワイドバンドギャップ半導体(WBG)の進歩、炭化ケイ素(SiC)及び窒化ガリウム(GaN)パワーコンポーネントの普及に従い、スイッチング動作は完璧になりつつある。
リニア増幅器とスイッチング増幅器の最大の違いは、前者がパワーコンポーネントのリニア区を使用するのに対し、後者は単純なスイッチング動作で、リニア増幅器は、スイッチング動作に関わらないため、スイッチング増幅器がマルチセット或いは複数台である時には、完全に異なる。
【0003】
スイッチング増幅器はスイッチング動作を行うため、必ず周波数関係を備え、そのためパワーコンポーネントがスイッチング周波数の高低を決定する。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のスイッチング周波数の大部分は20KHzより小さく、金属酸化膜半導体電界効果(MOSFET)のスイッチング周波数は、110KHz~150KHzの間である。
これにより明らかなように、上述の各パーツの動作周波数の差異は、材料自体の特性による。
スイッチング動作は周波数に関わり、パワーコンポーネント動作周波数は制限を受けるため、インターリーブフェーズ(Interleaved Phase)方式を採用して上述の問題を解決する。
これにより、総出力周波数は、多数のスイッチング増幅器並列接続後の各スイッチング周波数を加算した和となる。
マルチセット或いは複数台のスイッチング増幅器を並列接続する時、スイッチング周波数はフェーズ関係を重視しなければならない。
これにより初めて、完全な周波数領域と時間領域の関係を確立できる。
また、スイッチング周波数が同期できるなら、電磁干渉(EMI)フィルタリングを好ましく掌握できる。
マルチセットのスイッチングパワーサプライが同電位で動作する時、同期化或いは周波数逓倍及び逆位相関係となり、同様の目的で、インターリーブフェーズ後にさらに数台を並列接続し、フェーズ関係の確立はさらに必要である。
【0004】
スイッチング周波数が高ければ高いほど、出力される電流波形はよりスムーズになり、リップル率は低下し、反応速度は速くなる。
リップル率を低下させる方式は同様に、フェーズインターリーブ技術を採用できる。
フェーズがインターリーブ前である時、そのリップル率は1で、フェーズがインターリーブ後のリップル率は1/Nで、Nは2~Xである。
例えば、特許文献1の「1MHzスイッチング周波数に達する多相式直流パワーサプライ」では、9相のフェーズインターリーブ技術を利用し、リップル率を低下させ、スイッチング周波数は1MHz以上に達する。
【0005】
業界では、大出力の産業設備或いは製品テストのニーズに対応するため、大出力の直流電源供給システムが必要とされている。
単一のAC/DCパワーサプライにより大出力のニーズに応えるなら、そのコストは高くなりすぎてしまう。
よって現在は、多数のAC/DCパワーサプライを並列接続し、同期させる方式で、大出力及び高周波数のニーズに対応している。
例えば、特許文献2の「スイッチングAC/DCパワーサプライのマルチ同期回路」、及び特許文献3の「AC/DCパワーサプライのメイン/スレーブ制御システム」では、メイン/スレーブ制御方式により、マルチAC/DCパワーサプライを並列接続及び同期させ、高出力パワーを獲得し、大出力負荷の使用に供している。
【0006】
しかし、マルチAC/DCパワーサプライ並列接続は、最大出力パワーを得ることはできるが、マルチAC/DCパワーサプライ全体の総出力リップル最大値が、各AC/DCパワーサプライスイッチング周波数の出力リップル最大値を加算したものであるため、マルチAC/DCパワーサプライ並列接続後のリップルを効果的に低下させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】台湾特許第M520767 号明細書
【文献】台湾特許第M490169 号明細書
【文献】台湾特許第M486210 号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先行技術のマルチAC/DCパワーサプライ並列接続は最大出力パワーを得ることはできるが、それ全体の総出力リップル最大値は各AC/DCパワーサプライスイッチング周波数の出力リップル最大値を加算したものであるため、マルチAC/DCパワーサプライ並列接続後のリップルをいかにして効果的に低下させるかについて課題がある。
【0009】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステイション・トゥ・ステイションの間に形成されるインターリーブフェーズにより、並列接続後の直流/交流パワーサプライシステム全体のスイッチング周波数を高めリップル率を低下させ、反応速度を高められるパワーサプライシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるパワーサプライシステムは、マスター機、及び、複数台のスレーブ機を有する。前記マスター機及び前記スレーブ機は、それぞれ3組の3相のスイッチング回路を有する。各前記スイッチング回路は並列接続して設置される。各前記スイッチング回路の位相順序は、ローカルインターリーブフェーズコントローラーのインターリーブフェーズ作用を受け、9相を形成する。前記マスター機及び前記スレーブ機の各台直流パワーサプライは、3組の3相の前記スイッチング回路により形成される多相インターリーブフェーズ作用により、9相及び1MHz前後のスイッチング周波数を生成し、1台の前記スレーブ機を並列接続すると、18相及び2MHz前後の周波数を生成し、前記マスター機及び前記スレーブ機の並列接続する台数の倍数のスイッチング周波数を生成する。
前記マスター機は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、1個の連結ポートを設置し、前記連結ポートは、タイムベースセレクターに連結し、タイムベースジェネレーターは、前記タイムベースセレクターのタイムベースを提供し、前記タイムベースセレクターは、前記マスター機の前記連結ポートから外部入力されるタイムベースか、或いは前記マスター機内部の前記タイムベースジェネレーターが生成するタイムベースかを選択することができ、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにさらに連結し、前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーは、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーをさらに連結し、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーは、3組のスイッチング回路をさらに並列接続し、これにより各前記スイッチング回路のフェーズは、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーの制御を受け、インターリーブフェーズを形成し、複数台の前記スレーブ機は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、各前記スレーブ機には、1個の連結ポートを設置し、前記連結ポートは、タイムベースセレクターに連結し、前記タイムベースセレクターは、前記スレーブ機の前記連結ポート外部のタイムベースか、或いは前記スレーブ機内部の前記タイムベースジェネレーターが生成するタイムベースかを選択することができ、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにさらに連結し、前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーは、ローカルインターリーブフェーズコントローラーをさらに連結し、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーは、3組のスイッチング回路をさらに並列接続し、これにより各前記スイッチング回路のフェーズは、前記ローカルインターリーブフェーズコントローラーの制御を受け、インターリーブフェーズを形成する。
【0011】
これにより、前記マスター機と各前記スレーブ機は、それぞれ前記ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーにより、前記マスター機及び各前記スレーブ機の間のフェーズを制御し、前記マスター機及び各前記スレーブ機の間のインターリーブフェーズをさらに生成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による多数の直流/交流パワーサプライが並列接続され、メイン機とスレーブ機の関係を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す本発明の一実施形態のブロック図である。
【
図3】本発明のその他の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態によるパワーサプライシステムを図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0014】
(一実施形態)
図1及び
図2に示すように、パワーサプライシステムは、マスター機10、及び、複数台のスレーブ機20を有する。
マスター機10は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、1個の連結ポート11を設置する。
連結ポート11は、光ファイバー、同軸ケーブル或いはLANが使用するその内の一種の連結ポートを選択し、上述の連結ポートの種類に制限されない。
連結ポート11は、インプット連結ポートRX及びアウトプット連結ポートTXをさらに有する。
また、マスター機10内には、タイムベースセレクター12を設置する。
タイムベースセレクター12一端と連結ポート11とは電気的に連結し、他端は、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー13に連結する。
タイムベースセレクター12は、タイムベースジェネレーター16にさらに連結し、これによりタイムベースセレクター12は、マスター機10連結ポート11から外部入力されるタイムベースか、或いはマスター機10内部のタイムベースジェネレーター16が
生成するタイムベースかを選択することができる。
本実施形態において、タイムベースセレクター12は、マスター機10内部のタイムベースジェネレーター16が
生成するタイムベースを選択する。
ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー13は、ローカルインターリーブフェーズコントローラー14をさらに連結する。
ローカルインターリーブフェーズコントローラー14は、3組の3相のスイッチング回路15をさらに並列接続する。
各スイッチング回路15は、SiC、GaN、BJT、IGBT或いはMOSFET等の内の一種のパワーコンポーネントを選択して使用でき、上述のパワーコンポーネントの種類に限定されない。
本実施形態において、各スイッチング回路15のスイッチング周波数は、約112kHzで、各スイッチング回路15は、並列接続して設置される。
これにより、各スイッチング回路15の位相順序は、ローカルインターリーブフェーズコントローラー14のインターリーブフェーズ作用を受け、9相を形成する。
また、本実施形態において、マスター機10は、リモートコントロールユニット200を連結し、これによりマスター機10をリモートコントロールでき、リモートコントロールユニット200は、コンピューター或いはプログラム式コントローラーである。
【0015】
複数台のスレーブ機20は、直流/交流のパワーサプライを提供でき、各スレーブ機20には、1個の連結ポート21を設置する。
連結ポート21は、光ファイバー、同軸ケーブル或いはLANが使用するその内の一種の連結ポートを選択し、上述の種類に限定されない。
本実施形態において、連結ポート21は、RJ45連結ポートを選択でき、連結ポート21は、1個の入力連結ポート及び1個の出力連結ポートを有する。
各スレーブ機20の連結ポート21とマスター機10の連結ポート10は共に、外部連結線の連結により電気的に連結する。
またスレーブ機20内には、タイムベースセレクター22を設置する。
タイムベースセレクター22一端と連結ポート21とは電気的に連結し、他端は、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー23に連結する。
タイムベースセレクター22は、タイムベースジェネレーター26にさらに連結し、これによりタイムベースセレクター22は、スレーブ機20の連結ポート21外部のタイムベースか、或いはスレーブ機20内部のタイムベースジェネレーター26が生成するタイムベースかを選択することができる。
本実施形態において、タイムベースセレクター12は、外部のマスター機10のタイムベースジェネレーター16が生成するタイムベースを選択する。
これにより、スレーブ機20のタイムベースもまた、マスター機10のタイムベースジェネレーター16により提供され、スレーブ機20とマスター機10は、同期を形成する。
ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー23は、ローカルインターリーブフェーズコントローラー24をさらに連結する。
ローカルインターリーブフェーズコントローラー24は、3組の3相のスイッチング回路25をさらに並列接続する。
各スイッチング回路25は、SiC、GaN、BJT、IGBT或いはMOSFET等の内の一種のパワーコンポーネントを選択して使用でき、上述のパワーコンポーネントの種類に限定されない。
本実施形態において、各スイッチング回路25のスイッチング周波数は約112kHzで、各スイッチング回路25は、並列接続して設置される。
これにより各スイッチング回路25の位相順序は、ローカルインターリーブフェーズコントローラー24のインターリーブフェーズ作用を受けて9相形成される。
【0016】
マスター機10と各スレーブ機20が並列接続されると、マスター機10のタイムベースセレクター12及び各スレーブ機20のタイムベースセレクター22は、マスター機10のタイムベースジェネレーター16が生成するタイムベースの受け取りを選択し、同期を形成する。
さらに、ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー13、23を通して、マスター機10はフェーズ基準ソースを生成する。
各スレーブ機20に対して、マスター機10のタイムベースによりフェーズシフトを行い、マスター機10とスレーブ機20の間のインターリーブフェーズ作用を生成する。
本実施形態において、各台直流パワーサプライ自体は、3組の3相スイッチング回路により形成される多相インターリーブフェーズ作用により、9相及び1MHz前後のスイッチング周波数を生成できる。
よって、1台のマスター機10が1台のスレーブ機20を並列接続すると、18相及び2MHz前後のスイッチング周波数を生成できる。
これにより類推されるように、1台のマスター機が9台のスレーブ機を並列接続すると、90相及び10MHz前後に達するスイッチング周波数を生成することができる。
【0017】
(その他の実施形態)
図3に示すように、本発明のその他の実施形態では、マスター機10のタイムベースは、外部のタイムベースジェネレーター300により
生成される。
本実施形態において、外部のタイムベースジェネレーター300は、ルビジウム周波数標準発振器(Rubidium Frequency Standard Oscillator)で、タイムベースジェネレーター300は、マスター機10の入力連結ポートに連結する。
外部のタイムベースジェネレーター300が
生成する高周波精度により、マスター機10により精密で正確なタイムベース周波数を提供することができる。
これにより、マスター機10の時間精度はさらに高くなり、より高い精度のニーズに応えることができる。
【0018】
本発明のスレーブ機20内部には全てタイムベースジェネレーター26を設置するため、スレーブ機20とマスター機10が並列接続して出力する時、マスター機10の制御を受け、マスター機10のタイムベースはマスター機10と同期とする。
但し、スレーブ機20が単機使用を採用し、マスター機10と並列接続使用しない時、スレーブ機20のタイムベースセレクター22は、その内部のタイムベースジェネレーター26が生成するタイムベースをタイムベースとする選択をし、マスター機10と相同で、同様に独立作動の機能を備える。
【0019】
本発明は、マスター機のタイムベースジェネレーターが生成するタイムベースにより、各スレーブ機とマスター機は同期のタイムベースを有し、タイムベースの同期により、マスター機とスレーブ機のフェーズ、周波数等はすべて制御を受け、各ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラーを利用し、インターリーブフェーズ作用を生成する。
台数が多くなれば多くなるほど、その相数は多くなり、スイッチング周波数は高くなり、出力リップル率は低くなり、EMIノイズは少なくなり、より高品質の直流出力電源を得ることができる。
本発明はインターリーブフェーズ技術により等価動作周波数を高めることができる他、以下の長所を備える。
(1)比較的低い周波数を採用し、高周波効果を備えた電源を合成することができる。
(2)反応が速く、電流密度が高い。
(3)前のステージに対して脈動電流を低下し、前のステージの耐用性を高めることができる。
【0020】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 マスター機、
11 連結ポート、
12 タイムベースセレクター、
13 ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー、
14 ローカルインターリーブフェーズコントローラー、
15 スイッチング回路、
16 タイムベースジェネレーター、
20 スレーブ機、
21 連結ポート、
22 タイムベースセレクター、
23 ステイション・トゥ・ステイション同期及びインターリーブフェーズコントローラー、
24 ローカルインターリーブフェーズコントローラー、
25 スイッチング回路、
26 タイムベースジェネレーター、
200 リモートコントロールユニット、
300 タイムベースジェネレーター。