(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】除塵装置用レーキおよび除塵装置
(51)【国際特許分類】
E02B 5/08 20060101AFI20230530BHJP
E02B 9/04 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
E02B5/08 101C
E02B5/08 103D
E02B9/04 E
(21)【出願番号】P 2019119142
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594162722
【氏名又は名称】西技工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 哲也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義徳
(72)【発明者】
【氏名】河野 敬史
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-036147(JP,A)
【文献】実開昭57-160322(JP,U)
【文献】特開2017-106217(JP,A)
【文献】特開2006-022527(JP,A)
【文献】実開昭58-095206(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/08
E02B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水口のスクリーンに沿って上昇することで、前記スクリーンに滞留した塵芥を掻き揚げる除塵装置用レーキであって、
格子板状のレーキ本体と、
横長形状で、前記スクリーンに対向する前記レーキ本体の外縁部側に沿って、かつ、一方の長辺部が前記スクリーン側に突出し
、かつ、塵芥を掻き揚げる際に、前記スクリーンに対して所定の角度になるように配設された爪板と、
を備え、前記爪板の前記一方の長辺部に、前記スクリーン側に突出する突起状の大爪が、前記スクリーンの上下方向に延びるスクリーン縦材の配設間隔と略同じ間隔で複数設けられ、該大爪よりも前記スクリーン側への突出量が小さい小爪が、前記大爪間に設けられている、
ことを特徴とする除塵装置用レーキ。
【請求項2】
前記小爪が、前記大爪間に複数設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の除塵装置用レーキ。
【請求項3】
前記レーキ本体は、複数の縦長のレーキ縦材と複数の横長のレーキ横材とが格子状に配設されて構成され、前記レーキ縦材の配設間隔が前記スクリーン縦材の配設間隔と略同じに設定され、
前記レーキ縦材の延長線上に前記大爪が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の除塵装置用レーキ。
【請求項4】
前記大爪と前記小爪は、前記スクリーン側が尖った略三角形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の除塵装置用レーキ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の除塵装置用レーキを昇降させる、ことを特徴とする除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取水口のスクリーンに滞留・付着した塵芥を除去する除塵装置で使用される除塵装置用レーキおよび、この除塵装置用レーキを備えた除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水力発電所などの取水口には、ゴミや流木などの塵芥が流入するのを防止するためのスクリーンが設置され、発電取水に塵芥が混入しないようになっている。そして、スクリーンに塵芥が滞留した場合には、棒にレーキが取り付けられた熊手を人が使用して、塵芥をスクリーンの上部に掻き揚げていた。しかしながら、この除塵作業は、重労働で、しかも、河川などに転落するおそれがあった。このため、通常は除塵機を設置して、人力によらずに除塵作業を行うが、従来の通常の除塵機は大型で自動化されているため、スペースが狭い場所には設置できない、高額である、などといった問題がある。
【0003】
このため、例えば、比較的小さな水路において、ごみや流木等を確実に掻き揚げることができる、という除塵機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この除塵機は、レーキから延びる2本の摺動部材(棒材)が直進案内手段によって昇降自在に保持され、直進案内手段は、人の高さよりも上に配設された1本のガイドレールに沿って移動自在となっている。また、電動式油圧シリンダ装置によって直進案内手段およびレーキの角度が調整自在で、電動ウインチによってレーキを昇降させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の除塵機では、流木などを掻き揚げるレーキが、鉤形のレーキ本体を複数並設して構成され、レーキ本体の先端をスクリーン側に向けて流木などを掻き揚げるだけのものとなっている。すなわち、棒状のレーキ本体だけで塵芥を掻き揚げるため、レーキ本体とレーキ本体との間の塵芥を掻き揚げられなかったり、塵芥の大きさや形状などによってはレーキ本体が塵芥に噛み込まなかったりして、適正に塵芥を掻き揚げられない場合がある。この結果、複数回にわたってレーキで塵芥を掻き揚げなければならず、多大な時間と労力とを要する。
【0006】
そこでこの発明は、効率的に塵芥を掻き揚げることが可能な除塵装置用レーキおよび除塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、取水口のスクリーンに沿って上昇することで、前記スクリーンに滞留した塵芥を掻き揚げる除塵装置用レーキであって、格子板状のレーキ本体と、横長形状で、前記スクリーンに対向する前記レーキ本体の外縁部側に沿って、かつ、一方の長辺部が前記スクリーン側に突出し、かつ、塵芥を掻き揚げる際に、前記スクリーンに対して所定の角度になるように配設された爪板と、を備え、前記爪板の前記一方の長辺部に、前記スクリーン側に突出する突起状の大爪が、前記スクリーンの上下方向に延びるスクリーン縦材の配設間隔と略同じ間隔で複数設けられ、該大爪よりも前記スクリーン側への突出量が小さい小爪が、前記大爪間に設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の除塵装置用レーキにおいて、前記小爪が、前記大爪間に複数設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の除塵装置用レーキにおいて、前記レーキ本体は、複数の縦長のレーキ縦材と複数の横長のレーキ横材とが格子状に配設されて構成され、前記レーキ縦材の配設間隔が前記スクリーン縦材の配設間隔と略同じに設定され、前記レーキ縦材の延長線上に前記大爪が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3に記載の除塵装置用レーキにおいて、前記大爪と前記小爪は、前記スクリーン側が尖った略三角形状に形成されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の除塵装置用レーキを昇降させる、ことを特徴とする除塵装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1および請求項5の発明によれば、格子板状のレーキ本体の外縁部側に沿って、横長形状の爪板が配設されているため、この爪板で漏らさずに塵芥を掻き揚げることが可能となる。しかも、この爪板に、スクリーン側に突出する突起状の大爪が、スクリーン縦材の配設間隔と略同じ間隔で複数設けられているため、スクリーン縦材間にわたる塵芥(特に大きな塵芥)に大爪を突き当てて、まとめて塵芥を掻き揚げることが可能となる。さらには、大爪間に小爪が設けられているため、大爪間の塵芥(特に小さい塵芥)も漏らさずに掻き揚げることが可能となる。このようにして、効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となり、この結果、除塵に要する時間と労力とを軽減することが可能となり、取水および発電を早期に復旧させて発電量を増やすことが可能となる。
【0013】
請求項2の発明によれば、大爪間に複数の小爪が設けられているため、大爪間の塵芥をより漏らさずに、あるいは、大爪で捕捉した塵芥をより強固に捕捉して、掻き揚げることが可能となり、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。
【0014】
請求項3の発明によれば、レーキ本体のレーキ縦材の延長線上に大爪が設けられているため、レーキ縦材と大爪とが長い一体的な爪となって、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。また、外部から見やすいレーキ縦材をスクリーン縦材間に配置することで、容易かつ迅速に大爪をスクリーン縦材間に配置することが可能となる。
【0015】
請求項4の発明によれば、大爪と小爪とが、スクリーン側が尖った略三角形状に形成されているため、大爪と小爪とが塵芥に突き刺さりやすくなり、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の実施の形態に係る除塵装置を示す側面図である。
【
図3】
図1の除塵装置の設置状態を示す側面図である。
【
図4】
図1の除塵装置の設置状態を示す正面図である。
【
図5】
図1の除塵装置の設置状態を示す平面図である。
【
図6】
図1の除塵装置の下部移動体を示す平面図(
図2のB-Bから見た図)である。
【
図7】
図1の除塵装置の上部移動体を示す平面図(
図2のA-Aから見た図)である。
【
図8】
図1の除塵装置のリンク機構およびシリンダ装置の周辺を示す拡大図である。
【
図9】
図1の除塵装置の上部支持体の周辺を示す拡大図である。
【
図10】
図1の除塵装置の熊手を示す正面図(a)と側面図(b)である。
【
図11】
図10の熊手のレーキを示す正面図(a)と側面図(b)と平面図(c)である。
【
図14】
図11のレーキのレーキローラを示す正面図(a)と側面図(b)である。
【
図15】
図11のレーキをスクリーン側から見た斜視図である。
【
図16】
図1の除塵装置の熊手の各位置の状態を示す図であり、(a)は開限位置、(b)は休止位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
図1および
図2は、この発明の実施の形態に係る除塵装置1を示す側面図と正面図である。この除塵装置1は、
図3~
図5に示すように、水力発電所などの取水口100の上に設置され、取水口100の開口前面に配設されたスクリーン101に滞留した、ゴミや流木などの塵芥を掻き揚げる装置であり、主として、熊手2と、下部ガイドレール31および上部ガイドレール32と、下部移動体41および上部移動体42と、熊手ガイド5と、電動チェーンブロック(昇降駆動手段)6と、リンク機構7と、シリンダ装置8と、を備える。
【0019】
熊手2は、1つの棒状体21の先端に塵芥を掻き取るレーキ(除塵装置用レーキ)20が設けられたものであり、詳細については後述する。
【0020】
下部ガイドレール31は、
図3~
図5に示すように、スクリーン101の上方に設けられ、スクリーン101の幅方向に沿って水平に延びる長尺のレールである。具体的には、断面が四角形状の中空棒体で構成され、取水口100の上の取水台102に設置された複数のポール33に支持されて、水平に延びて配設されている。また、下部ガイドレール31の配設高さは、人がスクリーン101側に転落するのを防止可能なように、例えば、平均的な体型の人の腰の辺りに、設定されている。一方、下部ガイドレール31の長さは、後述するようにして、熊手2を移動させてスクリーン101全面の除塵が行えるように、設定されている。
【0021】
上部ガイドレール32は、下部ガイドレール31の上方に設けられ、下部ガイドレール31に沿って水平に延びる長尺のレールである。具体的には、断面が四角形状の中空棒体で構成され、
図1に示すように、取水台102に設置された既設の網場架台103に支持されて、水平に延びて配設されている。すなわち、柱状の網場架台103がスクリーン101の幅方向に沿って複数設置され、各網場架台103にスクリーン101側に水平に延びるレール支持材34が配設されている。そして、各レール支持材34の上面に設けられた支持部35に支持されて、上部ガイドレール32が配設されている。
【0022】
この上部ガイドレール32は、下部ガイドレール31よりも反スクリーン101側に設置されている。つまり、下部ガイドレール31と上部ガイドレール32とが、段違い平行棒のように配設され、下部ガイドレール31と上部ガイドレール32とを含む面の傾斜方向が、スクリーン101の面の傾斜方向と同方向になるようになっている。
【0023】
また、
図4に示すように、上部ガイドレール32の一端部32aが、下部ガイドレール31の一端部から突出して配設され、後述するようにして、この端部32aにおいて熊手2を格納できるようになっている。ここで、この一端部32aは、スクリーン101の外側に位置し、熊手2による除塵を行わない領域となっている。また、上部ガイドレール32の他端部は、下部ガイドレール31の他端部とほぼ同位置となっている。
【0024】
下部移動体41は、下部ガイドレール31に沿って摺動自在な移動体であり、
図6に示すように、略正三角形の下部主板411の各角部に、下部ローラ412が垂直軸回りに回転自在に配設されている。そして、1つの下部ローラ412と2つの下部ローラ412とで下部ガイドレール31を挟持した状態で、各下部ローラ412が回転することで、下部ガイドレール31に沿って摺動(移動)自在となっている。
【0025】
また、下部主板411には、下部ガイドレール31の一側面(反熊手2側の側面)に対向する下部側板413が配設され、この下部側板413に、2つの横行ロックネジ414が螺合されている。そして、横行ロックネジ414の横行ロックハンドル415を回して横行ロックネジ414を下部ガイドレール31に締め付ける(押圧する)ことで、下部移動体41を任意の位置で固定できるようになっている。
【0026】
また、下部主板411の上面には、互いに対向する一対の第1の連結部416が配設されている。この第1の連結部416は、板状で板面が略垂直方向に延び、下部ガイドレール31と平行な軸線を中心に、後述する第1のリンク71の一端部を回転自在に支持するものである。また、下部移動体41の下部主板411には、後述するようにして除塵装置1を休停止させる休止ロックピン417が設けられている。
【0027】
さらに、下部主板411の熊手2の棒状体21側の側面には、2つの下部ローラ412間に位置して略垂直方向に延びる緩和部材418が配設されている。この緩和部材418は、後述するように、熊手2の棒状体21が略垂直に延びた際に、棒状体21が下部移動体41や上部移動体42などの固定部材(非可動部材)に接触することによる衝撃を緩和するものであり、固定部材に接触する前に棒状体21が緩和部材418に接触するように配置されている。この緩和部材418は、ゴム材などの弾性材で構成され、その強度(バネ定数)や厚みは、衝撃を十分に緩和できるように設定されている。
【0028】
また、下部側板413の外側(反下部ガイドレール31側)の側面には、互いに対向する一対の第2の連結部419が配設されている。この第2の連結部419は、板状で板面が略垂直方向に延び、下部ガイドレール31と平行な軸線を中心に、後述するシリンダ80の基端部81を回転自在に支持するものである。
【0029】
一方、下部主板411には、下部ガイドレール31の他側面(熊手2側の側面)に対向する支持板41aが、一方の下部ローラ412側に配設されている。この支持板41aの自由端部(反下部ローラ412側)には連結孔41bが形成され、この連結孔41bに後述する駆動装置9のボルトなどを挿入することで、下部移動体41に駆動装置9を連結するものである。
【0030】
上部移動体42は、上部ガイドレール32に沿って摺動自在な移動体であり、
図7に示すように、略三角形の上部主板421の各角部に、上部ローラ422が垂直軸回りに回転自在に配設されている。そして、1つの上部ローラ422と2つの上部ローラ422とで上部ガイドレール32を挟持した状態で、各上部ローラ422が回転することで、上部ガイドレール32に沿って摺動(移動)自在となっている。さらに、上部主板421の上面には、2つの第2の上部ローラ423が水平軸回りに回転自在に配設され、この第2の上部ローラ423が、上部ガイドレール32の上面に接して回転するようになっている。
【0031】
また、上部主板421の上面には、互いに対向する一対の第3の連結部424が配設されている。この第3の連結部424は、板状で板面が略垂直方向に延び、上部ガイドレール32と平行な軸線を中心に、後述する上部支持体52を回転自在に支持するものである。
【0032】
このような下部移動体41と上部移動体42とは、
図1、
図2に示すように、2本の連結柱43によって連結されている。
【0033】
熊手ガイド5は、熊手2の棒状体21を長手方向に摺動自在に支持し、上端部側が水平軸回りに回動自在に上部移動体42に連結され、反上端部側がリンク機構7を介して下部移動体41に連結されたものであり、主として、下部支持体51と、上部支持体52と、熊手カバー53と、を備える。
【0034】
下部支持体51は、
図8に示すように、棒状体21の両側面を挟むように配設された2つの下部支持板511間に、2つの上部支持ローラ512が水平軸回りに回転自在に配設されている。そして、上部支持ローラ512が棒状体21の上下面に接して回転支持することで、棒状体21が下部支持体51に対して摺動(移動)自在となっている。
【0035】
上部支持体52は、
図9に示すように、棒状体21の両側面を挟むように配設された2つの上部支持板521間に、2つの上部支持ローラ522が水平軸回りに回転自在に配設されている。そして、上部支持ローラ522が棒状体21の上下面に接して回転支持することで、棒状体21が上部支持体52に対して摺動(移動)自在となっている。
【0036】
また、上部支持板521には、上部移動体42側に突出した回転支持部523が設けられ、この回転支持部523が、上部移動体42の第3の連結部424に水平軸回りに回転自在に連結されている。このようにして、熊手ガイド5の上端部側である上部支持体52が上部移動体42に連結され、水平軸回りに回動自在となっている。
【0037】
このような下部支持体51と上部支持体52とが、断面がコ字状の棒体で棒状体21に沿って延びる熊手カバー53によって連結され、この熊手カバー53で支持体51、52間の棒状体21が覆われるようになっている。また、下部支持体51と上部支持体52との距離は、レーキ20に強い水圧がかかっても、熊手2の棒状体21を安定して支持して、レーキ20による塵芥の掻き揚げを安定して行えるように設定されている。また、熊手カバー53の下部支持体51側(反上端部側)が、後述するリンク機構7を介して下部移動体41に連結されている。
【0038】
電動チェーンブロック6は、熊手2を昇降させる電動機であり、下部支持体51に配設されている。すなわち、
図1に示すように、下部支持体51の上面に本体62が配設されて人の腰辺りに位置し、チェーン61の先端が熊手2の接続部材23に接続されている。そして、チェーン61を巻き出したり巻き取ったりすることで、熊手2(レーキ20)が降下したり上昇したりするものである。また、本体62を遠隔操作するための押ボタンスイッチ63は、連結柱43の中央部に配設された水平バー431に配置されている。
【0039】
一方、
図1、
図4に示すように、各レール支持材34の下面に、上部ガイドレール32と平行に延びるケーブルガイドレール64が配設されている。そして、
図2に示すように、このケーブルガイドレール64に、電動チェーンブロック6の電源ケーブル65に取り付けられた複数のケーブル滑車66が移動自在に配設されて、電源ケーブル65がケーブルガイドレール64に沿って移動・伸縮自在となっている。また、電動チェーンブロック6には、熊手2の上限位置を規定するための上限リミットが設けられている。
【0040】
リンク機構7は、熊手ガイド5の反上端部側(中央部で下端部側)を上下動自在(回動自在)に下部移動体41に連結する機構である。すなわち、
図8に示すように、第1のリンク71の一端部が、下部移動体41の第1の連結部416に水平軸回りに回転自在に連結されている。この第1のリンク71の他端部が、第2のリンク72の一端部に相互に水平軸回りに回転自在に連結されている。さらに、第2のリンク72の他端部が、熊手ガイド5の熊手カバー53に取り付けられた第3のリンク73の自由端部に、水平軸回りに回転自在に連結されている。ここで、各リンク71~73の長さおよび第3のリンク73と後述する連結板74の取付位置は、後述するシリンダ装置8のロッド82が進退動することで、熊手ガイド5つまり熊手2が所定の角度だけ回動し、かつ、ロッド82のストロークが小さくなるように設定されている。
【0041】
シリンダ装置8は、下部移動体41に配設され、進退動するロッド82の先端部82aがリンク機構7に連結された装置である。すなわち、この実施の形態では、油圧を駆動源とし、
図8に示すように、シリンダ80に対してロッド82が軸方向に進退動自在となっている。このシリンダ80の基端部81が、下部移動体41の第2の連結部419に水平軸回りに回転自在に連結され、ロッド82の先端部82aが、リンク機構7の第1のリンク71に取り付けられた連結板74の自由端部に、水平軸回りに回転自在に連結されている。
【0042】
このシリンダ装置8は、駆動装置9から油圧を供給されることで駆動し、シリンダ装置8と駆動装置9とは、ケーブルや管などで繋がっている。この駆動装置9は、
図2に示すように、下部に移動ローラ91が配設され、この移動ローラ91が回転することで下部ガイドレール31に沿って摺動(移動)自在となっている。また、駆動装置9に配設されたボルトなどを下部移動体41の連結孔41bに挿入してナットを締め付けることで、下部移動体41に着脱自在に連結されている。これにより、下部移動体41つまりシリンダ装置8が下部ガイドレール31に沿って移動するのに伴って、駆動装置9も下部ガイドレール31に沿って移動する。
【0043】
そして、シリンダ装置8(駆動装置9)の操作部を操作してロッド82を進退動させることで、熊手ガイド5が上部移動体42側を中心に回動して、スクリーン101に対する熊手2の棒状体21の角度(レーキ20とスクリーン101との距離や接触強さ)を任意に変えられるようになっている。すなわち、ロッド82が進動すると(伸びると)、リンク機構7が伸びる方向に動作して、熊手ガイド5つまり熊手2が時計回りに回動する。また、ロッド82が退動すると(縮むと)、リンク機構7が縮む方向に動作して、熊手ガイド5つまり熊手2が反時計回りに回動する。
【0044】
例えば、ロッド82が上死点まで伸びた開限位置では、
図16(a)に示すように、水平面に対する棒状体21の傾斜角が67°となる。ここで、水平面に対するスクリーン101の傾斜角を68.2°とする。一方、ロッド82が下死点まで縮んだ休止位置では、
図16(b)に示すように、水平面に対する棒状体21の傾斜角が80°程度となる。この際、下部移動体41の休止ロックピン417を、下部ガイドレール31の所定位置(休止場所)に設けられた休止孔に挿入することで、除塵装置1が休停止するようになっている。
【0045】
さらに、上部ガイドレール32の一端部32aに上部移動体42が位置する状態(格納位置)では、下部移動体41が下部ガイドレール31から外れて、熊手ガイド5がさらに反時計回りに回動して、自重によって熊手2の棒状体21が、ほぼ垂直に延びるようになっている。このようにして、上部ガイドレール32の一端部32aにおいて、熊手2が格納されるものである。
【0046】
また、シリンダ装置8のロッド82は、操作部で所定の操作がされると所定の位置まで進退動して自動で停止するようになっている。すなわち、熊手2を降ろす際に所定のボタン操作(第1の操作)を行うと、ロッド82が進動して上死点つまり開限位置で(
図16(a))自動停止する。また、熊手2で塵芥を掻き取る際に所定のボタン操作(第2の操作)を行うと、レーキ20がスクリーン101に接するまでロッド82が退動して(
図1)自動停止する。この状態で、熊手2が上昇してレーキ20がスクリーン101の上端を超えると、後述するように、熊手2が自重によって反時計回りに回転してロッド82がさらに退動し、下死点つまり休止位置で(
図16(b))停止する。
【0047】
ここで、この実施の形態では、レーキ20をスクリーン101に当接させる際および、その後休止位置まで上昇させる間においては、シリンダ装置8に対する油圧は作用しておらず、熊手2や熊手ガイド5などの自重によって熊手2等が反時計回りに回動し、ロッド82が退動する。すなわち、熊手2を降ろす際にのみシリンダ装置8に対して油圧を作用させ、熊手2を上昇させて休止位置に至るまでは、油圧を作用させない。
【0048】
熊手2は、
図10に示すように、1本の棒状体21の先端にレーキ20が配設されて構成されている。棒状体21は、断面が四角形状の中空棒体で構成され、その長さは、レーキ20がスクリーン101の下端から上端まで昇降できるように設定されている。
【0049】
レーキ20は、取水口100のスクリーン101に沿って上昇することで、スクリーン101に滞留した塵芥を掻き揚げる金物であり、主として、レーキ本体22と爪板24を備える。
【0050】
レーキ本体22は、
図11に示すように、格子板状で、複数の縦長のレーキ縦材221と複数の横長のレーキ横材222とが格子状に配設されて構成されている。すなわち、レーキ縦材221は、長い板状で円弧状に形成され、板面同士が対向するように複数並列に配設され、レーキ横材222は、細長い丸棒で、各レーキ縦材221を貫通して複数並列に配設されている。このようにして、縦方向に延びるレーキ縦材221と横方向に延びるレーキ横材222とが、升目状に組み付けられてレーキ本体22が形成され、正面の外形状が略長方形で、側面の形状が円弧状(ショベル状)となっている。
【0051】
また、レーキ縦材221の配設間隔は、スクリーン101の上下方向に延びるスクリーン縦材101aの配設間隔と略同じに設定されている。すなわち、
図11(c)に示すように、すべてのレーキ縦材221をスクリーン縦材101a間に配置できるように、レーキ縦材221の配設間隔が設定されている。このようなレーキ本体22の大きさおよび形状は、一度の上昇でスクリーン101に滞留した所定量の塵芥を掻き揚げられるように、設定されている。
【0052】
このレーキ本体22つまりレーキ20は、棒状体21に着脱自在となっている。すなわち、レーキ本体22の上側の横辺部(円弧の一方の縁辺)223の中央部に筒状の連結筒22aが配設され、この連結筒22a内に棒状体21を挿入してボルト締結し、ボルト解除して棒状体21を引き出すことで着脱自在となっている。そして、棒状体21とレーキ本体22を連結した状態で、
図10に示すように、レーキ本体22の一方の横辺部223から接線状に棒状体21が延びるように、連結筒22aが配設されている。また、連結筒22aの背面(反スクリーン101側の面)には、連結筒22aに対して略垂直に延びる柱状体23aが配設され、この柱状体23aの頂部に、電動チェーンブロック6のチェーン61を接続するためのリング状の接続部材23が取り付けられている。
【0053】
爪板24は、横長形状で、スクリーン101に対向するレーキ本体22の外縁部側に沿って、かつ、一方の長辺部がスクリーン101側に突出して配設された板材である。すなわち、横長の帯状板で、
図11(b)に示すように、各レーキ縦材221のスクリーン101側の端面(レーキ本体22の下側の横辺部)に沿って配設され、かつ、一方の長辺部がスクリーン101側に突出するように配設されている。さらに、塵芥を掻き揚げる際に、スクリーン101に対して爪板24が所定の角度(効率的に掻き揚げられる角度)になるように、爪板24が配設されている。
【0054】
この爪板4の一方の長辺部には、
図12に示すように、スクリーン101側に突出する突起状の大爪241が複数形成されている。この大爪241は、後述するように、細長く大きく突出した爪で、主に大きな塵芥を掻き取れるように形成されており、スクリーン101のスクリーン縦材101aの配設間隔と略同じ間隔で形成されている。そして、
図15に示すように、レーキ縦材221の延長線上に大爪241が位置するように(レーキ縦材221と大爪241が同心上に連なるように)、爪板4が配設されている。ここで、レーキ縦材221のスクリーン101側の端部(下端部)が大爪241の根元側に重なるように、爪板4が配設されている。
【0055】
また、爪板4の一方の長辺部には、大爪241よりもスクリーン101側への突出量が小さい小爪242が、大爪241間に複数形成されている。この小爪242は、主に大爪241間の小さな塵芥を掻き取れるように形成されており、
図12に示すように、各大爪241間に等間隔に複数(この実施の形態では3つ)形成されている。
【0056】
このような大爪241と小爪242は、スクリーン101側が尖った略三角形状に形成されている。すなわち、
図13に示すように、大爪241は、縦長の略二等辺三角形(略等脚台形状)で、底辺t1が頂辺t2の3~4倍程度に設定され、高さh1は、爪板4の高さh0の約1/2に設定されている。小爪241は、略正三角形で、高さh2は、大爪241の高さh1の約1/3に設定されている。また、大爪241の配設間隔P1は、上記のように、スクリーン縦材101aの配設間隔と略同寸法に設定され、小爪242の配設間隔P2は、大爪241間の小爪242の配設数(この実施の形態では3)で配設間隔P1を除算した値に設定されている。
【0057】
このような大爪241と小爪242とによって、大きな塵芥を掻き取るとともに小さい塵芥を掻き落とさない(漏らさない)ようになっており、また、大爪241で捕捉した塵芥を小爪242でより強固に捕捉できるようになっている。換言すると、このように作用するように、大爪241と小爪242の形状、大きさおよび配設間隔P1、P2が設定されている。
【0058】
このような爪板24の背面(塵芥を掻き取る面の反対面)には、円筒状で水平方向に延びる2つのレーキローラ25が配設されている。すなわち、
図14に示すように、板状で板面が略垂直方向に延びる一対のローラ支持板251が、互いに対向して爪板24の背面に取り付けられている。このローラ支持板251の中央部には孔が形成されている。そして、ローラ支持板251間にレーキローラ25が配置され、ローラ支持板251の孔とレーキローラ25の筒内にボルト252が挿入されてナット253が締め付けられることで、レーキローラ25がボルト252周りに回転自在に配設されている。また、ボルト252のネジ先端部には、ピン孔252aが形成され、このピン孔252aにロックピン・割りピンを挿入することで、ボルト252の緩みを防止できるようになっている。そして、レーキ20が取水台102側に突出した際に、レーキローラ25が取水台102に沿って回転することで、レーキ20が円滑に回動、移動するようになっている。
【0059】
次に、このような構成の除塵装置1による除塵作業などについて説明する。
【0060】
スクリーン101に滞留した塵芥を除塵する場合、まず、熊手2をガイドレール31、32に沿って所望の除塵箇所まで移動させ、横行ロックハンドル415を回して横行ロックネジ414を締め付けて、熊手2を固定する。この際、レーキ本体22のレーキ縦材221をスクリーン縦材101a間に配置させることで、大爪241をスクリーン縦材101a間に配置する。次に、上記のように、操作部で第1の操作を行ってシリンダ装置8のロッド82を進動させて、熊手2を
図16(a)に示すような開限位置に寝かせ、熊手2のレーキ20がスクリーン101に滞留した塵芥に触れないように、レーキ20をスクリーン101から離す。
【0061】
この状態で、電動チェーンブロック6を起動して、熊手2をスクリーン101の下端まで降下させる。次に、上記のように、操作部で第2の操作を行って(油圧の作用を解除して)シリンダ装置8のロッド82を退動させて、レーキ20の爪板24をスクリーン101に接触させる。続いて、電動チェーンブロック6を起動して、レーキ20をスクリーン101の上端まで上昇させると、熊手2の自重によってレーキ20がスクリーン101を押圧しながら塵芥を掻き揚げ、レーキ20内の塵芥が取水台102にふるい落とされる。
【0062】
このような除塵作業をすべての除塵箇所に対して行い、除塵作業を休止する場合には、上記のように、熊手2を休止位置(
図16(b))に位置させてシリンダ装置8を停止する。さらに、下部ガイドレール31の所定の休止場所まで熊手2を移動し、休止ロックピン417を下部ガイドレール31の休止孔に挿入して、除塵装置1を休停止させる。また、網場を昇降させる場合など、除塵装置1を格納する必要がある場合には、上部ガイドレール32の一端部32aに上部移動体42が位置するまで熊手2を移動する。これにより、下部移動体41が下部ガイドレール31から外れて、熊手2の棒状体21が略垂直に延び、熊手2が格納されるものである。この際、棒状体21が略垂直に延びると、棒状体21が緩和部材418に当たり下部移動体41等への衝撃が緩和される。
【0063】
以上のように、本除塵装置1によれば、作業者Mがすべて人力で除塵する場合に比べて、作業者Mの労力・負担を大きく軽減することができ、作業時間を大きく短縮することができる。そして、除塵作業に要する時間を短縮できる結果、取水を早期に復旧させて発電量を増加させることが可能となる。
【0064】
また、熊手2が1本の棒状体21で構成され、棒状体21に沿って延びる熊手ガイド5で棒状体21を支持する構成のため、幅を小さくして小型化が可能となり、スペースが狭い場所にも設置することが可能となる。また、シリンダ装置8のロッド82が進退動すると、リンク機構7を介して熊手ガイド5が回動して熊手2の角度が変わるため、ロッド82で直接熊手ガイド5を回動させる場合に比べて、シリンダ装置8のロッド82のストロークを小さくして、小型化することが可能となる。しかも、シリンダ装置8が下部移動体41に配設されているため、下部移動体41の摺動、移動に伴ってシリンダ装置8も移動する。従って、シリンダ装置8を移動させるための機構を別途設ける必要がなく、小型化、簡素化することが可能となる。
【0065】
さらに、上部移動体42と下部移動体41に連結されて安定した熊手ガイド5で熊手2の棒状体21が支持されながら、熊手2が昇降するため、流速が速い箇所や揚程が比較的高い箇所においても、熊手2の安定した昇降および熊手2による安定した除塵が可能となる。同様に、シリンダ装置8が下部移動体41に配設されているため、装置1全体の重心が低くなり、より安定した熊手2の昇降や除塵が可能となる。
【0066】
また、シリンダ装置8の駆動装置9が下部移動体41に連結されているため、下部移動体41とシリンダ装置8の移動に伴って駆動装置9も下部ガイドレール31に沿って移動する。このため、シリンダ装置8と駆動装置9とを繋ぐケーブルや管などを長く敷設したり束ねたりする機構を設ける必要がなく、小型化、簡素化することが可能となる。また、下部移動体41つまり熊手2を移動させれば駆動装置9も移動するため、作業者Mによる労力を軽減することが可能となる。さらに、駆動装置9が下部ガイドレール31側に配設されているため、装置1全体の重心が低くなり、より安定した熊手2の昇降や除塵が可能となる。また、下部移動体41と駆動装置9がそれぞれ独立して下部ガイドレール31上を摺動するため、下部移動体41に駆動装置9を配設・載置する場合に比べて、装置1全体を安定して移動させることが可能となる。
【0067】
さらに、所定の操作を行うと、シリンダ装置8のロッド82が所定の位置まで進退動して自動で停止する。例えば、上記のように、熊手2を降ろす際に第1の操作を行うと、ロッド82が進動してレーキ20がスクリーン101から所定距離だけ離れた時点(所定の位置)で、ロッド82が停止する。このように、自動的にロッド82が所定の位置で停止するため、スクリーン101に対する熊手2の角度を常に適正に制御することが可能となるとともに、作業者Mによる労力を軽減することが可能となる。
【0068】
また、緩和部材418が配設されているため、熊手2が接触することによる衝撃を緩和することができる。しかも、この緩和部材418が下部移動体41に設けられているため、小型化、簡素化することが可能となる。すなわち、熊手2の移動に伴って緩和部材418が移動できるような機構を別途備える必要がない。また、緩和部材418を下部移動体41に設けることで、衝撃を安定して下部ガイドレール31で受けることが可能となる。
【0069】
そして、このようにして小型化、軽量化が可能なため、作業者Mが容易に移動させたり、除塵作業したりすることができ、使い勝手がよい。
【0070】
一方、本レーキ20によれば、格子板状のレーキ本体22の外縁部側に沿って、横長形状の爪板24が配設されているため、この爪板24で漏らさずに塵芥を掻き揚げることが可能となる。しかも、この爪板24に、スクリーン101側に突出する突起状の大爪241が、スクリーン縦材101aの配設間隔と略同じ間隔で複数設けられているため、スクリーン縦材101a間にわたる塵芥(特に大きな塵芥)に大爪241を突き当てて、まとめて塵芥を掻き揚げることが可能となる。さらには、大爪241間に小爪242が設けられているため、大爪241間の塵芥(特に小さい塵芥)も漏らさずに、あるいは、大爪241で捕捉した塵芥を強固に捕捉して、掻き揚げることが可能となる。このようにして、効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となり、この結果、除塵に要する時間と労力とを軽減することが可能となり、取水および発電を早期に復旧させて発電量を増やすことが可能となる。
【0071】
さらに、大爪241間に複数の小爪242が設けられているため、大爪241間の塵芥をより漏らさずに、あるいは、大爪241で捕捉した塵芥をより強固に捕捉して、掻き揚げることが可能となり、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。
【0072】
また、レーキ本体22のレーキ縦材221の延長線上に大爪241が設けられているため、レーキ縦材221と大爪241とが長い一体的な爪となって、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。また、外部から見やすいレーキ縦材221をスクリーン縦材101a間に配置することで、容易かつ迅速に大爪241をスクリーン縦材101a間に配置することが可能となる。
【0073】
さらに、大爪241と小爪242とが、スクリーン101側が尖った略三角形状に形成されているため、大爪241と小爪242とが塵芥に突き刺さりやすくなり、より効率的に塵芥を掻き揚げることが可能となる。
【0074】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、シリンダ装置8の駆動源が油圧であるが、空圧などのその他の駆動源であってもよい。また、リンク機構についても上記のリンク機構7に限らず、熊手ガイド5つまり熊手2が所定の角度だけ回動し、かつ、ロッド82のストロークが小さくなるようなリンク機構であればよい。さらに、リンク機構7の動きを規制するストッパを設け、スクリーン101に対する熊手2の角度を常に適正に制御できるようにしてもよい。
【0075】
また、1つの棒状体21の先端にレーキ20が設けられた熊手2を昇降させる場合について説明したが、レーキ20を昇降させればどのようなものであってもよい。例えば、2本の棒状体21でレーキ20を昇降させたり、ワイヤでレーキ20を上昇させて自重で降下させたりしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 除塵装置
2 熊手
21 棒状体
20 レーキ(除塵装置用レーキ)
22 レーキ本体
221 レーキ縦材
222 レーキ横材
24 爪板
241 大爪
242 小爪
31 下部ガイドレール
32 上部ガイドレール
41 下部移動体
418 緩和部材
42 上部移動体
5 熊手ガイド
51 下部支持体
52 上部支持体
6 電動チェーンブロック(昇降駆動手段)
7 リンク機構
8 シリンダ装置
80 シリンダ
82 ロッド
82a 先端部
9 駆動装置
91 移動ローラ
100 取水口
101 スクリーン
101a スクリーン縦材
M 作業者