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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/38 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
E02F3/38 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020088960
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021183767
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊田 大輔
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-90946(JP,U)
【文献】特開2006-257839(JP,A)
【文献】特開2016-117989(JP,A)
【文献】特開2000-234346(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0008130(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に支持された上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に支持されたブーム、前記ブームの先端に回動可能に支持されたアーム、及び前記アームの先端に回動可能に支持されたアタッチメントを有するフロント作業機とを備える作業機械であって、
前記アームは、
前記フロント作業機の幅方向において互いに対向する一対の側面と、
前記フロント作業機の幅方向に直交する方向において互いに対向し、且つ各々が前記一対の側面の端部同士に接続される腹面及び背面とを有し、
前記フロント作業機は、
前記アームの前記腹面に取り付けられて、作動油が給排されることによって伸縮する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダが伸長したときに前記アタッチメントをダンプさせ、前記油圧シリンダが縮小したときに前記アタッチメントをクラウドさせるリンク機構とを有し、
前記リンク機構は、
前記アームの前記背面に沿って延設された第1リンクロッドと、
前記フロント作業機の幅方向に延びる第1ピンによって前記アームの前記側面に回動可能に支持され、一端が前記アームの前記背面側に突出し、他端が前記アームの前記腹面側に突出した第2リンクロッドとを有し、
前記第1リンクロッドの一端は、前記アタッチメントに回動可能に連結され、
前記第2リンクロッドの一端は、前記フロント作業機の幅方向に延びる第2ピンによって、前記第1リンクロッドの他端に回動可能に連結され、
前記第2リンクロッドの他端は、前記フロント作業機の幅方向に延びる第3ピンによって、前記油圧シリンダのシリンダロッドの先端に回動可能に連結されていることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第1ピン及び前記第3ピンの間の距離は、前記第1ピン及び前記第2ピンの間の距離以上であることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械において、
前記アームの前記背面に固定され、前記油圧シリンダが最大まで伸長する以前に前記第1リンクロッドが当接して、前記アタッチメントがさらにダンプするのを阻止するストッパを有することを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量の大きいアタッチメントを装着した作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上部旋回体に起伏可能に支持されたブームと、ブームの先端に回動可能に支持されたアームと、アームの先端に回動可能に支持されたアタッチメント(例えば、バケット)とを備える油圧ショベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記構成の油圧ショベルにおいて、アタッチメントは、アームの背面に支持された油圧シリンダが伸長したときに重力方向に動作し、油圧シリンダが縮小したときに重力方向と逆向きに動作するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-26782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クラウド動作をするアタッチメントを、ロッドが伸長した状態の油圧シリンダで保持すると、油圧シリンダに大きな負荷がかかる。また、このような課題は、アタッチメントの重量が大きくなるほど顕著になる。
【0006】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、アタッチメントに作用する荷重を適切に支持しつつ、アタッチメントを回動させることができる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に支持された上部旋回体と、前記上部旋回体に起伏可能に支持されたブーム、前記ブームの先端に回動可能に支持されたアーム、及び前記アームの先端に回動可能に支持されたアタッチメントを有するフロント作業機とを備える作業機械であって、前記アームは、前記フロント作業機の幅方向において互いに対向する一対の側面と、前記フロント作業機の幅方向に直交する方向において互いに対向し、且つ各々が前記一対の側面の端部同士に接続される腹面及び背面とを有し、前記フロント作業機は、前記アームの前記腹面に取り付けられて、作動油が給排されることによって伸縮する油圧シリンダと、前記油圧シリンダが伸長したときに前記アタッチメントをダンプさせ、前記油圧シリンダが縮小したときに前記アタッチメントをクラウドさせるリンク機構とを有し、前記リンク機構は、前記アームの前記背面に沿って延設された第1リンクロッドと、前記フロント作業機の幅方向に延びる第1ピンによって前記アームの前記側面に回動可能に支持され、一端が前記アームの前記背面側に突出し、他端が前記アームの前記腹面側に突出した第2リンクロッドとを有し、前記第1リンクロッドの一端は、前記アタッチメントに回動可能に連結され、前記第2リンクロッドの一端は、前記フロント作業機の幅方向に延びる第2ピンによって、前記第1リンクロッドの他端に回動可能に連結され、前記第2リンクロッドの他端は、前記フロント作業機の幅方向に延びる第3ピンによって、前記油圧シリンダのシリンダロッドの先端に回動可能に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アタッチメントに作用する荷重を適切に支持しつつ、アタッチメントを回動させることができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る作業機械の側面図である。
図2】アーム及びカッターの斜視図である。
図3】油圧シリンダが縮小したときのカッターの姿勢を示す図である。
図4】油圧シリンダが伸長したときのカッターの姿勢を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る作業機械の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る作業機械1の側面図である。なお、本明細書中の前後左右は、特に断らない限り、作業機械1に搭乗して操作するオペレータの視点を基準としている。
【0011】
作業機械1は、下部走行体2と、下部走行体2に支持された上部旋回体3とを備える。下部走行体2は、左右一対のクローラ8を備える。そして、走行モータ(図示省略)の回転が伝達されて左右一対のクローラ8が回転すると、作業機械1が走行する。但し、下部走行体2は、クローラ8に代えて、装輪式であってもよい。
【0012】
上部旋回体3は、下部走行体2に旋回可能に支持されている。上部旋回体3は、ベースとなる旋回フレーム5と、旋回フレーム5の前方左側に配置されたキャブ(運転席)7と、旋回フレーム5の前端中央に上下方向に回動可能に取り付けられたフロント作業機10と、旋回フレーム5の後部に配置されてフロント作業機10との重量バランスを取るカウンタウェイト6とを主に備える。
【0013】
キャブ7には、作業機械1を操作するオペレータが搭乗する内部空間が形成されている。キャブ7の内部には、オペレータが着席するシート(図示省略)と、シートに着席したオペレータが操作する操作装置(ステアリング、ペダル、レバー、スイッチなど)が配置されている。そして、キャブ7に搭乗したオペレータが操作装置を操作することによって、下部走行体2が走行し、上部旋回体3が旋回し、フロント作業機10が動作する。
【0014】
フロント作業機10は、上部旋回体3に起伏可能に支持されたブーム11と、ブーム11の先端に回動可能に支持されたアーム12と、アーム12の先端に回動可能に支持されたカッター(アタッチメント)13と、ブーム11、アーム12、及びカッター13を駆動させる油圧シリンダ14、15、16と、リンク機構17と、ストッパ18(図2参照)とを含む。
【0015】
アーム12は、腹面12aと、背面12bと、左側面(側面)12cと、右側面(図示省略)とを有する。腹面12a及び背面12bは、左右方向(フロント作業機4の幅方向)に直交する方向において、互いに対向する面である。左側面12c及び右側面(一対の側面)は、左右方向において、互いに対向する面である。そして、腹面12a及び背面12bそれぞれは、左側面12c及び右側面の端部同士に接続される。
【0016】
特に、アーム12の先端がブーム11の先端より前方に位置するとき(油圧シリンダ15をある程度まで収縮させたとき)、腹面12aは下方を向き、背面12bは上方を向く。そして、カッター13を装着した作業機械1は、アーム12の先端をブーム11の先端より前方に位置させた状態(すなわち、腹面12aを下方に向け、背面12bを上方に向けて)で作業を行うのが一般的である。
【0017】
カッター13は、対象物(例えば、建築物など)を把持して解体するための解体用アタッチメントの一例である。カッター13は、後述するように部品点数が多く、且つ油圧アクチュエータ(旋回モータ13b、油圧シリンダ13e、13f)を備えるので、バケット等のアタッチメントより重量が大きい。カッター13は、取付ブラケット13aと、旋回モータ13bと、一対の刃13c、13dと、一対の油圧シリンダ13e、13fとを主に備える。
【0018】
取付ブラケット13aは、左右方向(フロント作業機10の幅方向)に延びるピン13gによって、アーム12の先端に回動可能に支持されている。また、取付ブラケット13aは、左右方向に延びるピン13hによって、後述するリンクロッド17aの一端に回動可能に連結されている。ピン13hは、ピン13gよりアーム12の背面12b側に配置されている。換言すれば、フロント作業機10の作業姿勢において、ピン13hはピン13gより上方に配置されている。
【0019】
旋回モータ13bは、作動油が給排されることによって取付ブラケット13aに対して構成部品13c~13fを回動させる。旋回モータ13bは、ピン13g、13hと直交する方向に延びる回動軸線回りに、構成部品13c~13fを回動させる。作動油は、上部旋回体3に搭載された油圧ポンプ(図示省略)から旋回モータ13bに供給され、旋回モータ13bから上部旋回体3に搭載された作動油タンク(図示省略)に還流する。
【0020】
一対の刃13c、13dは、一対の油圧シリンダ13e、13fに作動油が給排されることによって、開閉される。より詳細には、油圧シリンダ13e、13fのボトム室に作動油が供給され、ロッド室から作動油が排出されることによって、一対の刃13c、13dが閉じる。一方、油圧シリンダ13e、13fのロッド室に作動油が供給され、ボトム室から作動油が排出されることによって、一対の刃13c、13dが開く。
【0021】
油圧シリンダ16は、作動油が給排されることによって伸縮する。油圧シリンダ16は、シリンダチューブ16aと、ピストン(図示省略)と、シリンダロッド16bと、キャップ16cとを有する。油圧シリンダ16は、アーム12の背面に沿って、アーム12の長手方向に延設されている。また、油圧シリンダ16は、シリンダチューブ16aの基端がアーム12の基端側に回動可能に支持され、シリンダロッド16bの先端が後述するリンクロッド17bに回動可能に連結されている。
【0022】
シリンダチューブ16aは、作動油を給排可能な円筒形状の部材である。シリンダチューブ16aは、基端側が閉塞され、先端側が開放されている。ピストンは、シリンダチューブ16a内を往復動する。また、ピストンは、シリンダチューブ16aの内部空間を、基端側のボトム室と、キャップ16c側のロッド室とに区画する。
【0023】
シリンダロッド16bは、一端がピストンに連結され、他端がキャップ16cを通じてシリンダチューブ16aの外部に突出している。キャップ16cは、シリンダチューブ16aの先端にボルト(図示省略)等によって取り付けられる。キャップ16cには、シリンダロッド16bの突出を許容し、ピストンの突出を阻止する貫通孔が形成されている。
【0024】
油圧ポンプからボトム室に作動油が供給され、ロッド室から作動油タンクに作動油が還流すると、シリンダチューブ16aからシリンダロッド16bを突出させる向きにピストンが移動する(以下、この動作を「油圧シリンダ16の伸長」と表記する。)。一方、油圧ポンプからロッド室に作動油が供給され、ボトム室から作動油タンクに作動油が還流すると、シリンダチューブ16aにシリンダロッド16bを没入させる向きにピストンが移動する(以下、この動作を「油圧シリンダ16の縮小」と表記する。)。
【0025】
図2は、アーム12及びカッター13の斜視図である。リンク機構17は、カッター13と油圧シリンダ16とに接続されている。リンク機構17は、油圧シリンダ16の伸縮によって、アーム12に対してカッター13を回動させる。図1及び図2に示すように、リンク機構17は、長尺棒状のリンクロッド17a(第1リンクロッド)と、長尺棒状の一対のリンクロッド17b(第2リンクロッド)と、左右方向に延びるピン17c、17d、17e(第1ピン、第2ピン、第3ピン)とを有する。
【0026】
リンクロッド17aは、アーム12の背面12b側に配置されている。リンクロッド17aは、アーム12の背面12bに沿って延設されている。但し、リンクロッド17aは、背面12bと平行である必要はない。そして、リンクロッド17aの一端は、ピン13hによって取付ブラケット13aに回動可能に連結されている。また、リンクロッド17aの他端は、ピン17dによって一対のリンクロッド17bの一端に回動可能に連結されている。
【0027】
一対のリンクロッド17bは、アーム12の左側面12c及び右側面に、ピン17cによって回動可能に支持されている。一対のリンクロッド17bは、一端がアーム12の背面12b側に突出し、他端がアーム12の腹面12a側に突出している。そして、一対のリンクロッド17bの一端(背面12b側の端部)は、ピン17dによってリンクロッド17aの他端に回動可能に連結されている。また、一対のリンクロッド17bの他端(腹面12a側の端部)は、ピン17eによってシリンダロッド16bの先端に回動可能に連結されている。さらに、図3に示すように、ピン17c、17e間の距離Aは、ピン17c、17d間の距離B以上に設定される(A≧B)。
【0028】
また、図2に示すように、ストッパ18は、アーム12の背面12bに固定されている。ストッパ18は、油圧シリンダ16が伸長したときに、リンクロッド17aの他端が当接する位置において、背面12bに固定されている。また、ストッパ18の上面は、リンクロッド17aの他端に沿う凹形状になっている。
【0029】
図3は、油圧シリンダ16が縮小したときのカッター13の姿勢を示す図である。油圧シリンダ16を縮小させると、リンクロッド17bがピン17cを中心に図3の反時計回りに回動する。換言すれば、リンクロッド17bは、背面12b側の端部がアーム12の先端側に移動し、腹面12a側の端部がアーム12の基端側に移動するように、ピン17cを中心に回動する。
【0030】
これにより、リンクロッド17aは、ピン13hの位置(すなわち、ピン13gより上方)において、カッター13を押す向きに移動する。その結果、カッター13は、図3に矢印で示す方向に回動(すなわち、クラウド動作)する。なお、「クラウド動作」とは、カッター13をアーム12の腹面12a側に回動させる動作である。そして、アーム12の先端がブーム11の先端より前方に位置しているとき、クラウド動作は、カッター13を重力方向に回動させる。
【0031】
図4は、油圧シリンダ16が伸長したときのカッター13の姿勢を示す図である。油圧シリンダ16を伸長させると、リンクロッド17bがピン17cを中心に図3の時計回りに回動する。換言すれば、リンクロッド17bは、背面12b側の端部がアーム12の基端側に移動し、腹面12a側の端部がアーム12の先端側に移動するように、ピン17cを中心に回動する。
【0032】
これにより、リンクロッド17aは、ピン13hの位置(すなわち、ピン13gより上方)において、カッター13を引く向きに移動する。その結果、カッター13は、図4に矢印で示す方向に回動(すなわち、ダンプ動作)する。なお、「ダンプ動作」とは、カッター13をアーム12の背面12b側に回動させる動作である。そして、アーム12の先端がブーム11の先端より前方に位置しているとき、ダンプ動作は、カッター13を重力方向と反対方向(以下、「反重力方向」と表記する。)に回動させる。
【0033】
さらに、リンクロッド17aの他端は、油圧シリンダ16が最大まで伸長したタイミング或いはこの直前のタイミング(すなわち、油圧シリンダ16が最大まで伸長する以前のタイミング)で、ストッパ18に当接する。油圧シリンダ16が最大まで伸長したタイミングとは、例えば、キャップ16cの内面にピストンが当接するタイミングである。これにより、カッター13が反重力方向にさらに回動するのが阻止される。その結果、油圧シリンダ16をさらに伸長させる向きの力が、リンク機構17を通じてカッター13から油圧シリンダ16に伝達されるのを遮断する。
【0034】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0035】
上記の実施形態に係る油圧シリンダ16において、ピストンのボトム側の受圧面積は、シリンダロッド16bが接続されているロッド側の受圧面積より大きい。また、シリンダロッド16bの突出量が少ないときの油圧シリンダ16は、シリンダロッド16bの突出量が大きいときと比較して、荷重を安定して保持することができる。
【0036】
そこで上記の実施形態によれば、油圧シリンダ16は、縮小することによってカッター13をクラウド動作させるので、油圧シリンダ16が伸長した状態でカッター13を保持する場合よりも大きな力でカッター13を保持することができる。そのため、アーム12の先端をブーム11の先端より前方に突出させた状態で作業する場合において、カッター13に不測の荷重が加わりカッター13がさらにアーム12の腹面12a側に回動しようとしても、油圧シリンダ16は十分に大きな力でカッター13を安定して支持することができる。
【0037】
また、リンクロッド17a、17bは、荷重が負荷されることによって弾性変形する。そのため、リンク機構17は、カッター13に負荷される荷重を吸収して、油圧シリンダ16への伝搬を阻止する緩衝材としても機能する。すなわち、上記の実施形態によれば、カッター13から油圧シリンダ16に負荷される荷重を軽減することができる。
【0038】
また、上記の実施形態によれば、ピン17c、17e間の距離Aを、ピン17c、17d間の距離B以上に設定することによって、油圧シリンダ16が発生させる力を増幅して、カッター13に伝達することができる。その結果、カッター13に作用する荷重をさらに適切に支持することができる。
【0039】
また、上記の実施形態によれば、油圧シリンダ16が最大まで伸長する以前のタイミングで、リンクロッド17aがストッパ18に当接する。これにより、油圧シリンダ16をさらに伸長させる向きの力が、リンク機構17を通じてカッター13から油圧シリンダ16に伝達されるのを防止できる。その結果、シリンダロッド16bが必要以上に引き出されて、キャップ16cが外れるのを防止することができる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、アタッチメントの一例としてカッター13を説明したが、アタッチメントの具体例はこれに限定されない。他の例として、アタッチメントは、吊荷を吊下するフックを備えた吊用アタッチメントでもよい。なお、本発明は、重量の大きいアタッチメントを備える作業機械1に適用することによって、特に有利な作用効果を奏する。
【0041】
上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 作業機械
2 下部走行体
3 上部旋回体
5 旋回フレーム
6 カウンタウェイト
7 キャブ
8 クローラ
10 フロント作業機
11 ブーム
12 アーム
12a 腹面
12b 背面
12c 左側面(側面)
13 カッター(アタッチメント)
13a 取付ブラケット
13b 旋回モータ
13c,13d 刃
13g,13h ピン
13e,13f,14,15,16 油圧シリンダ
16 油圧シリンダ
16a シリンダチューブ
16b シリンダロッド
16c キャップ
17 リンク機構
17a リンクロッド(第1リンクロッド)
17b リンクロッド(第2リンクロッド)
17c ピン(第1ピン)
17d ピン(第2ピン)
17e ピン(第3ピン)
18 ストッパ
図1
図2
図3
図4