(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】カーボンナノ粒子のインターカレーションを使用したナノ構造材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/20 20060101AFI20230530BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20230530BHJP
C08K 9/02 20060101ALI20230530BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20230530BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20230530BHJP
【FI】
C08J3/20 B CER
C08J3/20 CEZ
C08L101/00
C08K9/02
B82Y30/00
B82Y40/00
(21)【出願番号】P 2020504714
(86)(22)【出願日】2018-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2018000893
(87)【国際公開番号】W WO2019025853
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】309003131
【氏名又は名称】エデン イノベーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EDEN INNOVATIONS LIMITED
(73)【特許権者】
【識別番号】320010000
【氏名又は名称】ズー,ヂォンフゥア
【氏名又は名称原語表記】ZHU, Zhonghua
【住所又は居所原語表記】12 Crotty St. Indooroopilly Brisbane, Queensland (AU)
(73)【特許権者】
【識別番号】320010022
【氏名又は名称】ヘルナンデス,バイロン スタンリー,ヴィラコルタ
【氏名又は名称原語表記】HERNANDEZ, Byron Stanley,Villacorta
【住所又は居所原語表記】10/36 Lucinda Street Taringa, Queensland (AU)
(73)【特許権者】
【識別番号】320010033
【氏名又は名称】タァン,シュエコン
【氏名又は名称原語表記】TANG, Xuegang
【住所又は居所原語表記】8-2-10-39 Chengnanmingzhu, No. 1299 Tianfu Avenue South Section High-tech Zone, Chengdu Sichuan (CN)
(73)【特許権者】
【識別番号】320010044
【氏名又は名称】トラス,ローワン,ウェイン
【氏名又は名称原語表記】TRUSS, Rowan, Wayne
【住所又は居所原語表記】58 Kaboora Crescent Westlake Queensland (AU)
(73)【特許権者】
【識別番号】320010055
【氏名又は名称】ソロモン,ハワード,グレゴリー
【氏名又は名称原語表記】SOLOMON, Gregory, H.
【住所又は居所原語表記】7 Torres Street Cottesloe, Western Australia (AU)
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズー,ヂォンフゥア
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス,バイロン スタンリー,ヴィラコルタ
(72)【発明者】
【氏名】タァン,シュエコン
(72)【発明者】
【氏名】トラス,ローワン,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ソロモン,ハワード,グレゴリー
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-105841(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0035469(US,A1)
【文献】特表2007-515502(JP,A)
【文献】特表2013-515847(JP,A)
【文献】JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE,2014年10月,Volume 49 Issue 20,p7004-7013
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00-48/96
B82Y 30/00
B82Y 40/00
C01B 32/00-32/991;
33/20-39/54
C08J 3/00-3/28;
C08K 3/00-13/08;
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ構造材料を製造する方法であって、
カーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)を含む、複数のカーボンナノ粒子(CNP)を提供する工程;
前記カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートするように構成されたインターカレーションナノ粒子(INP)を提供する工程;
前記インターカレーションナノ粒子(INP)と前記カーボンナノ粒子(CNP)とを混合して前記カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートし、層状構造を有する前記カーボンナノ粒子(CNP)と前記インターカレーションナノ粒子(INP)からなるインターカレートされた材料を、CNP:INP比を有する積層構造で形成する工程;および
前記インターカレートする工程の後、ベース材料中で、乾燥状態にある前記インターカレートされた材料と前記ベース材料とを混合し、前記インターカレートされた材料についてマトリックスを提供する工程
を含
み、
前記インターカレートする工程に先立ち、前記インターカレートする工程を強化するように構成された、化学修飾または表面処理を使用して、前記カーボンナノ粒子(CNP)および前記インターカレーションナノ粒子(INP)をナノ修飾剤にさらす工程をさらに含む方法。
ここで、「インターカレーション」および「インターカレートする」とは、層状構造を有する材料への物質の可逆的包含または挿入を意味する。
【請求項2】
CNP:INP比が3:1である、請求項1に記載のナノ構造材料を製造する方法。
【請求項3】
前記インターカレーションナノ粒子(INP)がハロイサイトナノ粒子(HNP)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ベース材料がポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記インターカレートする工程が、液体媒体に懸濁された前記カーボンナノ粒子(CNP)および前記インターカレーションナノ粒子(INP)とを混合する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ナノ構造材料を製造する方法であって、
カーボンナノ粒子(CNP)の混合物を提供する工程であって、該混合物は、カーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)とともに、少なくとも1つの他の異なるカーボンナノ粒子(CNP)を含む工程;
前記カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートするように構成されたインターカレーションナノ粒子(INP)としてのハロイサイトナノ粒子(HNP)を提供する工程;
化学修飾または表面処理を使用して前記カーボンナノ粒子(CNP)および前記ハロイサイトナノ粒子(HNP)を修飾し、前記ハロイサイトナノ粒子(HNP)による前記カーボンナノ粒子(CNP)のインターカレーションを強化する工程;
前記ハロイサイトナノ粒子(HNP)と前記混合物とを液体媒体中で混合して前記カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートし、前記カーボンナノ粒子(CNP)と前記インターカレーションナノ粒子(INP)からなるインターカレートされた材料を、CNP:INP比を有する積層構造で形成する工程;および
前記インターカレートする工程の後、乾燥状態にある前記インターカレートされた材料と、前記ポリマーベース材料とを、該ポリマーベース材料中において溶融混合を使用して混合し、前記インターカレートされた材料についてマトリックスを提供する工程
を含む方法。
ここで、「インターカレーション」および「インターカレートする」とは、層状構造を有する材料への物質の可逆的包含または挿入を意味する。
【請求項7】
前記カーボンナノ粒子(CNP)の混合物が、グラフェン粒子、グラファイト粒子、カーボンブラック、「アモルファス」準結晶または多結晶炭素粒子、ナノダイヤモンド、または単層または多層フラーレン粒子からなる群より選択される少なくとも1つのカーボンナノ粒子を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記インターカレートする工程が、高周波機械波、高せん断混合、湿式粉砕、および高圧均質化からなる群より選択される混合工程を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記インターカレートする工程が、超音波処理および/または高せん断混合を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記CNP:HNP比が3:1である、請求項
6に記載の方法。
【請求項11】
前記混合する工程が、前記インターカレートされた材料をバッチ中で前記ポリマーベース材料で均質化し、次いでスクリューを有する押出機で前記バッチを配合する工程を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項12】
前記スクリューの長さ対直径比(L/D)が約40である、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記押出機が、負の勾配を有する温度プロファイルを有する複数の加熱ゾーンを有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記カーボンナノ粒子(CNP)の適合性、前記カーボンナノ粒子(CNP)のインターカレーション、前記ナノ粒子(NP)および前記ポリマーベース材料の均質化、および前記カーボンナノ粒子(CNP)の混合を評価する工程をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項15】
ポリマーベース材料;
前記ポリマーベース材料中の複数のカーボンナノ粒子(CNP);
前記カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートするよう構成される前記ポリマーベース材料中の複数のインターカレーションナノ粒子(INP);および
前記カーボンナノ粒子(CNP)を前記ポリマーベース材料中に分散させるよう、また前記カーボンナノ粒子(CNP)の濃度を前記ポリマーベース材料の総重量に対して0.05質量%~30質量%とするように選択されたCNP:INP比を有する積層構造で、前記ポリマーベース材料、前記カーボンナノ粒子(CNP)および前記インターカレーションナノ粒子(INP)からなるインターカレートされたマトリックス
を含
み、
前記カーボンナノ粒子(CNP)および前記インターカレーションナノ粒子(INP)は、ナノ修飾剤による化学修飾または表面処理を受けることで、インターカレーションが強化されているナノ構造材料。
ここで、「インターカレーション」および「インターカレートする」とは、層状構造を有する材料への物質の可逆的包含または挿入を意味する。
【請求項16】
前記カーボンナノ粒子(CNP)が、カーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)を含む、請求項
15に記載のナノ構造材料。
【請求項17】
前記インターカレーションナノ粒子(INP)がハロイサイトナノ粒子(HNP)を含む、請求項
15に記載のナノ構造材料。
【請求項18】
CNP:INP比が3:1である、請求項
15に記載のナノ構造材料。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、インターカレーションナノ粒子(INP)を使用したカーボンナノ粒子(CP)のインターカレーションを介して、プラスチックなどのナノ構造材料を作製する方法に関する。本開示は、この方法を使用して製造されたナノ構造材料にも関する。
【0002】
さまざまな種類のナノ粒子(NP)(例えば、ナノカーボン、ナノクレイ、ナノ金属)がナノスケールで優れた特性を示すことはよく知られているが、巨視的な用途での性能は、材料中のナノ粒子の分散の程度によって制限される。ほとんどの場合、NPの分散は、強力な固有の分子吸引力だけでなく、分散媒体との適合性、その濡れ性と粘度、および利用される混合戦略によっても妨げられる。例えば、ナノ複合材料の特性の最終的な性能(例えば、電気的、熱的、機械的)は、主に(a)マトリックス-NP界面の品質によって、および(b)一次凝集塊からのNPの分散/剥離の程度によって制限される。
【0003】
本開示は、ナノ構造材料中のカーボンナノ粒子(CNP)のより効果的な分散および剥離をもたらす、ナノ構造材料の製造方法に関する。本開示はまた、化学プロセスおよび分離プロセス、ナノデバイス、および他のナノテクノロジー用途での使用に適した、高性能および多機能のハイブリッドおよび複合材料を含む方法を用いて形成されたナノ構造材料に関する。
【発明の概要】
【0004】
ナノ構造材料を作製する方法は、以下を含む:選択された組成を有するカーボンナノ粒子(CNP)の混合物を提供する工程;カーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートするように構成されたインターカレーションナノ粒子(INP)を提供する工程;選択されたCNP:INP比でインターカレーションナノ粒子(INP)を混合することによりカーボンナノ粒子(CNP)をインターカレートし、インターカレートされた材料を形成する工程;ベース材料中にインターカレートされた材料を、選択された濃度でベース材料と混合し、インターカレートされた材料のためのマトリクスを提供する工程。
【0005】
例示的な実施形態では、プラスチックナノ構造材料を作製するために、インターカレーションナノ粒子はハロイサイトナノ粒子(HNP)を含んでもよく、インターカレート材料のマトリックスを形成するベース材料は、ポリアミドなどのポリマーを含んでもよい。また、例示的な実施形態では、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物は、高い割合のカーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)、ならびに(または代替的に)他のタイプのカーボンナノ粒子(CNP)を含むことができる。例えば、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物には、グラフェン粒子、グラファイト粒子、カーボンブラック、「アモルファス」準結晶または多結晶炭素粒子、ナノダイヤモンド、または単層または多層のフラーレン粒子が含まれる。
【0006】
インターカレーションステップには、液体媒体に懸濁したカーボンナノ粒子(CNP)およびインターカレーションナノ粒子(INP)との高エネルギー混合プロセスが含まれる。インターカレーションステップ中に、インターカレーションナノ粒子(INP)は、さまざまなタイプのカーボンナノ粒子(CNP)を初期凝集体から剥離および分散させる機能を果たす。カーボンナノ粒子(CNP)、およびインターカレーションナノ粒子(INP)もまた、異なるタイプの化学修飾または表面処理を用いるナノ修飾を受けて、インターカレーションステップの相乗効果を高めることができる。
【0007】
この方法で生成されたナノ構造材料には、ポリマーのようなベース金属中で、ハロイサイトナノ粒子(HNP)のようなインターカレーションナノ粒子(INP)によってインターカレートされる、カーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)のようなカーボンナノ粒子(CNP)が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
例示的な実施形態は、図面の参照図に示される。本明細書に開示される実施形態および図は、限定ではなく例示と見なされるべきであることが意図される。
【0009】
【
図1】
図1は、(a)カーボンナノチューブ(CNT)を含むカーボンナノ粒子(CNP)の混合物、および(b)カーボンナノファイバー(CNF)のようなカーボンナノチューブを含むカーボンナノ粒子(CNP)の混合物の透過型電子顕微鏡写真である。
【0010】
【
図2】
図2は、天然に存在するハロイサイトナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【0011】
【
図3】
図3は、(a)ハロイサイトの一次凝集体の低倍率および(b)高倍率の走査型電子顕微鏡写真である。
【0012】
【
図4】
図4は、ナノ粒子強化プラスチックを製造するためにカスタマイズされたネジの概略図である。
【0013】
【
図5】
図5は、本発明の方法に従って製造されたナノ構造材料の拡大概略断面図である。
【詳細な説明】
【0014】
本明細書で使用される「インターカレーション」または「インターカレートする」という用語は、層状構造を有する材料への物質の可逆的包含または挿入を意味する。「剥離」という用語は、材料の層の完全な分離を伴うインターカレーションを意味する。「カーボンナノ粒子(CNP)」という用語は、500ナノメートル(nm)以下のオーダーで1つまたは複数の粒子寸法を持つ炭素の同素体を含む粒子を意味する。「ナノチューブ」という用語は、長さ対直径の比が高い原子の1つまたは複数の円筒形チューブを含む円筒形ナノ構造を意味する。ナノチューブは、単層ナノチューブ(SWNT)または多層ナノチューブ(MWNT)に分類できる。「ナノチューブ粒子」は、ナノチューブで構成される個々の分子、粒子、または粒子の凝集体を含む。「ナノファイバー」という用語は、長さ対直径の比率が高く、積層されたプレート、カップ、またはコーン構成の原子層を持つ円筒形のナノ構造を意味する。「ナノファイバー粒子」は、ナノファイバーで構成される個々の分子、粒子、または粒子の凝集体を含む。「グラフェン」とは、炭素原子の二次元六角格子の小さな粒子を意味する。グラフェンは、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイト、その他のフラーレンなど、他の多くの炭素同素体の基本構造である。「グラファイト」とは、グラフェンの層で構成される炭素結晶原子構造を意味する。「カーボンブラック」とは、炭化水素原料の分解と不完全燃焼から通常作られる「アモルファス」準結晶または多結晶原子構造を持つナノメートルスケールの粒子と凝集体で構成される微細粉末を意味するが、本開示の目的では「カーボンブラック」には、細かく挽いた炭、石炭、または活性炭材料も含まれる。「ハロイサイトナノ粒子(HNP)」という用語は、実験式Al2Si2O5(OH)4を有するアルミノケイ酸塩の同素体を含む粒子を意味する。
【0015】
以下は、ナノ構造材料の製造方法のステップの詳細な説明である。
【0016】
カーボンナノ粒子(CNP)の混合物を提供するステップ。カーボンナノ粒子(CNP)の混合物には、カーボンナノチューブ粒子、カーボンナノファイバー粒子、グラフェン粒子、グラファイト粒子、カーボンブラック、「アモルファス」準結晶または多結晶炭素粒子、ナノダイヤモンド、単層または多層のフラーレン粒子からなる群より選択される1つ以上のタイプの粒子が含まれてもよい。カーボンナノ粒子(CNP)の各タイプは、混合物の質量による所定のパーセンテージ範囲を有する。
【0017】
例として、加熱された反応器および炭化水素供給ガスの触媒分解を使用して、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物を生成することができる。製造プロセスを実行するために、反応器内の触媒および反応条件を選択して、選択した質量パーセント範囲で異なるタイプのカーボンナノ粒子を提供できる。例えば、反応条件および触媒は、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物が上記の少なくとも2つの異なるタイプのカーボンナノ粒子を含むように選択および制御することができる。カーボンナノ粒子(CNP)の混合物を生成するための1つの適切なプロセスは、参照により本明細書に組み込まれる、Zhuらの米国特許第8,092,778B2号に開示されている。
【0018】
図1は、(a)カーボンナノチューブ(CNT)を含むカーボンナノ粒子(CNP)の混合物、および(b)カーボンナノファイバー(CNF)を含むカーボンナノ粒子(CNP)の混合物の透過型電子顕微鏡写真を示す。カーボンナノチューブ(CNT)およびカーボンナノファイバー(CNF)はいずれも、加熱された反応器と炭化水素供給ガスの触媒分解を用いて生成された。
図1の(a)部分に示すように、ナノカーボン粒子の混合物は、欠陥を含む(CNT)、ナノカーボンの他のアモルファス形態、および触媒粒子を含む。通常、(CNT)は多層(CNT)(MWCNT)で構成されるが、単層(CNT)(SWCNT)を含んでもよい。さらに、カーボンナノチューブ(CNT)は、アモルファスカーボン構造に乗せられた(CNT)の束で生じうる。ナノカーボン混合物は粉末のテクスチャーを有するが、カーボンナノチューブ(CNT)やアモルファスカーボンを含む束などの炭素材料の大きな塊や凝集物を含みうる。
図1の(b)部分では、ナノカーボン粒子の混合物は、欠陥を含むカーボンナノファイバー(CNF)と、ナノカーボンの他のアモルファス形態および触媒粒子を含む。
【0019】
ナノカーボン粒子の混合物は、加熱された反応器で生成されるのではなく、ナノカーボン粒子の所望の組成としてブレンドされてもよい。例えば、特定のナノカーボン材料は大量生産されており、生産者から工業用商品市場で市販されている。適切な生産者の1つは、オーストラリアのパースにあるEden Innovations LLCである。ナノカーボン混合物の製造または商業購入により、異なるプロセスから製造された異なるタイプのナノカーボン粒子を一緒にブレンドまたは混合して、特定のタイプのナノカーボン粒子(例えば、CNT、CNF)の所望の質量パーセント範囲のような、所望の特性を持つナノカーボン粒子の特定の混合物を提供することができる。
【0020】
インターカレーションナノ粒子(INP)を提供するステップ
1つの適切なインターカレーションナノ粒子(INP)は、ハロイサイトナノ粒子(HNP)を含む。ハロイサイトナノ粒子(HNP)は、ユニークで自然に発生する管状、板状、または積層形状の多層アルミノケイ酸塩ナノ構造である。
図2は、主に管状の形状と層状の表面を示す顕微鏡写真である。ハロイサイトナノ粒子(HNP)の寸法は、外径が50~300nmのナノスケールで、元の堆積物に応じて2ミクロン以上にもなりうる。自然界でのそれらの発生を考えると、本発明の方法は、ハロイサイトナノ粒子(HNP)が他の合成市販ナノ粒子の経済的な代替品であることを認識する。さらに、表面積が大きく、イオン交換容量が大きく、機械的および熱的特性が高く、生体適合性があるため、化学、環境、および生物学的用途で幅広い革新的な材料を製造するのに適している。これらの顕著な特徴と低コストに加えて、ハロイサイトナノ粒子(HNP)は、非常に大きな一次凝集体(直径が30μ未満、ハロイサイトの一次凝集体の(a)低いおよび(b)高い倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す
図3参照)を形成しないという重要な利点も備えている。
【0021】
ハロイサイトナノ粒子(HNP)の真っ直ぐで硬い性質のため、それらの間の絡み合いは存在しない。粘土のカテゴリのうち、ハロイサイトナノ粒子(HNP)は、それらの間の極性結合の形成を最小限に抑え、主要クラスターからのハロイサイトナノ粒子(HNP)の剥離と分散を促進する、最も活性の低い極性表面を持っている。しかしながら、ハロイサイトナノ粒子(HNP)は、他の極性分子や材料と相互作用するのに十分な互換性がある。極小相互作用に加えて、それらの比較的大きな直径は、他のタイプの分子間力、したがってクラスター化の傾向を低減するのにも貢献する。
【0022】
ハロイサイトナノ粒子(HNP)のユニークな特性と、真に効果的な巨視的用途のためにナノスケール分散の高レベルに到達する必要性を考えると、本発明の方法では、ハロイサイトナノ粒子(HNP)を使用して、最初の凝集物からさまざまなタイプのカーボンナノ粒子(CNP)の剥離および分散することを補助する。これは、高周波振動エネルギーのような高エネルギー混合法、および/または超臨界流体の急速な膨張、および/または粉砕、および/または混合、および/または均質化などの方法論を介したハロイサイトナノ粒子(HNP)とのカーボンナノ粒子(CNP)のインターカレーションによって達成される。
【0023】
インターカレーションステップ
インターカレーションステップは、系統的に最適化されたCNP:HNPハイブリッド比で実行できる。例えば、インターカレーションステップは、超音波処理、および/または超臨界CO2の急速な膨張、および/または高せん断流、および/または湿式粉砕、および/またはジェット粉砕、および/またはまたはボールミリング、および/または高圧均質化などの技術の組合せによって行ってもよい。インターカレーションステップでは、カーボンナノ粒子(CNP)をハロイサイトナノ粒子(HNP)と混合し相互浸透を可能にする。さらに、主要な凝集体はより剥離したものに分解される可能性があり、これにより、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)の活性表面間において界面レベルで相乗効果が生じる。さらに、ハロイサイトナノ粒子(HNP)の立体効果は、最終用途で安定した分散状態に到達する決定的な役割を果たす、インターカレートされたクラスターの再凝集プロセスの防止に役立つ。
【0024】
また、インターカレーションステップの前に、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)は、インターカレーションステップの相乗効果を高めるために、異なるタイプの化学ナノ修飾または表面処理を受けてもよい。例えば、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)は、有機溶媒、超臨界溶媒、および/または水性懸濁液における前述の高エネルギー混合法の組み合わせによって別個に破壊することができる。クラスターの分解を容易にするために、特別なカチオン性、アニオン性、非イオン性、両性の界面活性剤またはこれらの組み合わせ(例えば、塩化コリン、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)を追加してもよい。続いて、2つの別個に得られた懸濁液(すなわち、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP))をブレンドし、得られたインターカレートされた材料が液体媒体中に懸濁粒子を含んでもよい。前述のように、所定の時間(>5分間)、高周波機械波などの高エネルギー混合プロセス、および/または高せん断混合、および/または湿式粉砕、および/または高圧均質化、および同様の方法を使用して、完全なインターカレーションを実現できる。
【0025】
インターカレートされた材料は、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)が液体媒体中に懸濁状態で保持されるか、または作製されるナノ構造材料に応じて制御された温和な条件下で乾燥されるように保管することもできる。この懸濁状態では、カーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)は、単純なせん断/伸長/分布混合フローパターンおよび最終用途向けの他のタイプの均質化プロセスによって完全に分散する傾向が非常にある。
【0026】
インターカレートされた材料をベース材料中で混合するステップ
1つの適切なベース材料は、ポリアミドなどのポリマーを含む。この場合、インターカレートされた材料は、押出などのプロセスを使用してベース材料(ポリマー)と組み合わせてもよい。
図4は、押出プロセスを実行するための押出機のスクリューの構成を示す。押出プロセス中に、ベース材料(ポリマー)を挿入材料と混合して、ナノ構造のプラスチック材料を形成できる。
図4に、スクリューのさまざまな混練ブロックの詳細なシーケンスと、エクステンダーのさまざまなエクステンションゾーンに対する相対的な位置を示す。このタイプのエクステンション装置は、スクリューの形状、相対寸法、温度、および流量/熱伝達率がそれに比例して維持される場合、スケールアップできる。さらに説明するように、エクステンダーには複数の明確に指定された加熱ゾーンを含めることができる。また、他の構成やスケールアップでも同じ結果が得られるため、これは単なる一例である。
【0027】
ナノ構造材料
図5を参照すると、この方法を使用して製造されたナノ構造材料10が拡大された概略断面図に示されている。ナノ構造化材料10は、ハロイサイトナノ粒子(HNP)などのインターカレーションナノ粒子(INP)14によってインターカレートされ、ポリマーなどのベース材料16中に分散する、カーボンナノ粒子(CNP)12、例えばカーボンナノチューブ粒子(CNT)またはカーボンナノファイバー粒子(CNF)を含む。用途に応じて、ナノ構造材料10を保管、輸送し、さまざまな形で使用することができる。例えば、ナノ構造材料10はペレットの形態とすることができ、その後、エンドユーザーが射出、圧縮、鋳造、押出または成形により成形する。ナノ構造材料10は、粉末形態、ペレット形態、マスターバッチ形態、または最終製品形態に成形することもできる。加えて、炭素ナノ粒子(CNP)12の濃度は、材料16の総重量が代表的である0.05質量%から10質量%のナノ粒子を使用する用途のために選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
オーストラリアのパースにあるEden Innovations LLCは、エンジニアリングプラスチックの強化に効果的であることがわかっている、費用対効果の高い高品質のカーボンナノチューブ(CNT)とカーボンナノファイバー(CNF)を生産している。この実施例では、この方法を実行して、ナノ粒子ベースのポリアミド6ナノコンポジットの形でナノ構造材料を作製する。この実施例では、インターカレーションナノ粒子(INP)はハロイサイトナノ粒子(HNP)を含み、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物はカーボンナノチューブ(CNT)(
図1の(a)部分を参照)またはカーボンナノファイバー(CNF)(参照
図1の(b)部分)を含む。加えて、ベース材料はポリアミドを含む。
【0029】
最初に、(CNP)の互換性、(CNP)のインターカレーション、(CNP)の均質化、および(CNP)のポリマーと配合を含む、選択された一連の実用的な処理ステップが実行される。さらに、カーボンナノ粒子(CNP)の混合物は、4~96時間(必要な酸化レベルに応じて)還流下で行われる、高温の30%v/vH202溶液処理を使用した制御酸化プロセスによって処理される。激しい攪拌(600+rpm)も適用される。酸化剤溶液中の3~6%w/vの範囲のカーボンナノ粒子(CNP)の濃度が利用される。この処理により、カルボキシル(-COOH)およびヒドロキシル(-OH)部分がカーボンナノ粒子(CNP)の表面に付着し、X線光電子分光法(XPS)で測定して、カーボンナノ粒子(CNP)の原子酸素濃度が少なくとも2at%増加する。
【0030】
結果として得られるカーボンナノ粒子(CNP)の機能化混合物をろ過し、溶媒(例えば無水エタノール)で洗浄し、穏やかな条件で乾燥させて、結合した極性官能基の化学変化を防ぐ。このような機能により、カーボンナノ粒子(CNP)の表面エネルギーが変更され、カーボンナノ粒子(CNP)、ハロイサイトナノ粒子(HNP)、およびポリアミドチェーン間の界面相互作用が高まり、結果として生じるナノ構造材料のマトリックスナノ粒子の機械的ストレスの移動が増強される。関連する化学物質の低コストを考えると、この処理ステップは、全体的なアプローチの実用性と費用対効果に沿ったものである。
【0031】
ポリアミド鎖のアミド官能基が交互になっているため、酸化炭素ナノ粒子(CNP)の表面にアミノ(-NH2)およびアミド(-COONH-)部分を結合できるエチレンジアミンによる代替の追加処理も実行できる。これにより、カーボンナノ粒子(CNP)の表面は、ポリマー鎖の化学的性質により類似したものとなり、適合性が向上する。したがって、アミノ化カーボンナノ粒子(CNP)は、酸化カーボンナノ粒子(CNP)を、2%w/vの濃度のエチレンジアミンで処理し、0.1%v/vのカップリング剤HATU(1-[Bis(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート、N-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b][ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド)を高温超音波浴中で4時間加えることにより、生成される。得られたアミノ化カーボンナノ粒子(CNP)は、メタノールで洗浄され、真空乾燥される。この処理により、CNPの窒素原子濃度が少なくとも1at%増加する。
【0032】
インターカレートされた材料を形成するカーボンナノ粒子(CNP)のインターカレーション
前述のように、初期の超微細ハロイサイトナノ粒子(HNP)は、開発されたインターカレーションプロセスによって、最初の凝集体からカーボンナノ粒子(CNP)を剥離するために使用される。このタイプのナノコンポジットの場合、処理されたカーボンナノ粒子(CNP)とハロイサイトナノ粒子(HNP)は、最適なCNP:HNP比3:1において、超音波処理(1-4時間、750W)および/または高せん断混合(30分)によりエタノールにインターカレートされる。次に、ナノ粒子(NP)のインターカレートされたバッチを室温で乾燥させる。異なるインターカレーション処理時間と処理能力は、軽度から積極的なインターカレーションまでの異なるレベルにもつながる。
【0033】
ナノ粒子(NP)とポリマーの均質化を介したベース材料ステップでインターカレートされた材料を混合する工程
このステップでは、100~800μm(平均で~350μm)の範囲の粒度分布を持つポリカプロラクトン(ポリアミド6)粉末が、通常のペレットの低温粉砕によって生成される。100μmを超えるポリマー粒子サイズは、ポリアミドの分子量の最小限の劣化を保証するだけでなく、ポリマーと処理されたNPとの間の密接な接触を可能にするのに十分な表面積を示し、結果として生じるナノコンポジットの全体的な均質化を増加させる。この方法では、粉末ポリマーと乾燥NPが、ある種の乾式粉砕によって混合される。純粋なポリマーに関するナノ粒子(NP)の望ましい濃度は、対象とする用途の種類:a)高強度、b)高靭性、c)高剛性、d)マスターバッチ、e)静電気消散、f)導電性、g)電磁シールド、およびh)熱伝導性に応じて、0.01質量%から30質量%の範囲でもよい。均質化されたNP/ポリマーバッチを含むインターカレートされた材料は、最終的な混合ステップにおける押出プロセス中にマトリックスが縮合反応タイプの劣化をすること防ぐために、70℃で48時間混合する前に真空乾燥(PA6から-0.15%H2Oまで)される。
【0034】
ナノ粒子を混合するステップ
均質化されたNP/ポリマーバッチは、最終的に長さ対直径比(L/D)が40で、カスタマイズされたスクリュー構成で、直径16mmの交差ツインスクリュー押出機で混合される。この押出機は、明確に定められた10の加熱ゾーンを有し、表1に示すように、負の勾配の異常な温度プロファイルが設定されている。このプロファイルは、異なる混合および混練ゾーンが特定の設定ポイントで動作するため、スクリュー構成と連動する。
(表1) 押出機の温度プロファイル設定。
【0035】
ゾーン2~4は、ポリマーを迅速に溶融して、高速混合(>500rpm)での操作を可能にするだけでなく、ポリマーの粘度を下げて溶融物が残りのNP凝集体への湿潤および浸潤をできるようにするために、比較的高温に保たれる。これにより、最初の破裂が発生し、これは、最終的な分散状態を達成するための最初の最も重要なステップである。ここで、樹脂の適切な溶融のために適切な熱伝達を維持することに関して、指定されたポリマー粒子サイズ(平均で~350μm)は非常に重要である。さらに、大きなポリマーペレットは溶融に時間がかかり、500+rpmで押出機が詰まる可能性がある。それにもかかわらず、より細かい粉末グレードは、多くの欠陥とボイドを伴う押出物を生成する空気を閉じ込める。最適化されていない場合、均質化されたNP/ポリマーバッチの供給速度にも同様の効果がある。したがって、0.2~0.5kg/hの範囲のスループットが、このような実験室サイズの押出機で最適であることがわかっている。このスループットのレベルは、5分未満の最小滞留時間(熱劣化の低減)と、2000W-h/Kgのオーダーの特定の混合エネルギーレベルに対応する。このように、凝集物に浸透した後、溶融物はゾーン4に到達し、前方(R)混練要素の最初のブロック(30°で9つ)が複雑なフローパターンを課し、分散混合とせん断プロセスを開始して溶融マトリックス内でインターカレートされたNPの分散/分配プロセスを継続する。
【0036】
ゾーン5および6は温度が低下するため、ゾーン6の60°にある4つの前方(R)要素の別のブロックによって、比較的粘度の高い溶融物が混練される。同様に、ゾーン7、8、および9は、さまざまな構成でニーディングブロックを表示する:ゾーン7は、5要素のニュートラル(N)ブロックを課す;ゾーン8は60°の10個の要素のブロックで構成され、半分のブロックが前方に移動し(R)、半分が後方に移動し(L)、さらに複雑な折り畳み/せん断メルトフローパターンを作成する;ゾーン9は、溶融物をせん断してゾーン10の最後の超せん断ブロックまで押し出す60°の短い前方(R)ブロックである。したがって、わずか220~225℃のゾーン10は、それぞれが2倍の幅を持つ4つの要素のみのニュートラル(N)ブロックで溶融物を受け取る。この最終ブロックの目的は、ナノコンポジットにインターカレートされたNPの最終的な分散に到達するために、溶融物に最高のせん断作用を適用することである。このゾーンは計量セクションの非常に近く(ダイの近く)に配置され、複合材溶融物におけるNPの再凝集プロセスの条件も最小限に抑える。220~225℃に設定されたダイは、強制冷却空気を使用した比較的高速の固化のために、ポリマーの融点にわずかに近づいている。この最後の段階は、得られた分散の大部分を保持するのに役立つが、同時に、より高いレベルのポリマー結晶化度に到達するために、押出物の急冷を回避する。ハロイサイトナノ粒子(HNP)とカーボンナノ粒子(CNP)の相乗効果により、ナノコンポジットが最も硬いアルファ結晶相の含有量を高めることを強調することが重要である。これは、カーボンナノ粒子(CNP)ナノコンポジットだけでは見られない、インターカレートされたコンポジットによって達成されたより高いモジュラス値に反映されている。
【0037】
この環境に優しい低コストの方法は、光学(マクロ)および透過電子(マイクロ)顕微鏡で研究される高度に分散した複合形態をもたらした。詳述した押出条件は、マスターバッチの希釈により他のナノ複合材料の配合にも使用されている。この方法で調製されたナノコンポジットは、電気浸透だけでなく、弾性率が2.5~5GPa(「成形された状態で乾燥」として測定)および強度レベル+80MPaを示し、同時に最大で250%以上の延性値を保持する。
【0038】
さらに、この方法は相乗効果を生み出し、機械的特性、つまり弾性率、降伏点、極限強度および靭性を、カーボンナノ粒子(CNP)ナノコンポジットまたはハロイサイトナノ粒子(HNP)ナノコンポジットのみで大幅に増加させる。したがって、ナノ粒子(NP)の同じ合計濃度でのCNPベースのナノコンポジットと比較して、CNP/HNPがインターカレートされたナノコンポジットの値は、モジュラス、強度、延性の値がそれぞれ+60%、+24%、+45%高い。ナノ粒子(NP)の負荷に応じて、電気伝導率の向上も、同様に多機能性をもたらすナノコンポジットで発見されている。
【0039】
いくつかの例示的な態様および実施形態が上記で議論されたが、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および今後導入される特許請求の範囲は、それらの真の精神および範囲内にあるすべてのそのような修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを含むと解釈される。