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  • 特許-ポンプ効率向上のための出口バルブ配列 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ポンプ効率向上のための出口バルブ配列
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20230530BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20230530BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20230530BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20230530BHJP
   F04B 53/10 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B65D83/00 K
A47K5/12
B05B9/04
B67D1/08 Z
F04B53/10 J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020545576
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019202
(87)【国際公開番号】W WO2019168758
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】62/637,487
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マックナルティー, ジョン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ドナルド アール
(72)【発明者】
【氏名】チバレーラ, ニック イー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス, ダニエル エム
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル, アーロン ディー
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-184734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090737(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0206794(US,A1)
【文献】米国特許第03258175(US,A)
【文献】特表2006-509153(JP,A)
【文献】特表2006-521887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A47K 5/12
B05B 9/04
B67D 1/08
F04B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサーであって、
ハウジングと、
液体を保持するために前記ハウジング内に配置された容器であって、
前記容器の底部に近接して位置する液体出口を有する容器と、
出口ノズルと、
前記容器と前記出口ノズルの間に配置されたポンプであって、
前記容器の前記液体出口と流体連通するポンプ入口と、
前記出口ノズルと流体連通するポンプ出口と、
前記ポンプ入口および前記ポンプ出口と流体連通するポンプチャンバであって、前記ポンプチャンバが拡張位置と圧縮位置の間で移動可能であるポンプチャンバと、を備えるポンプと、
前記ポンプと前記出口ノズルの間に配置された第一のチェックバルブであって、第一のクラッキング圧力を有する第一のチェックバルブと、
前記第一のチェックバルブと前記出口ノズルの間に配置された第二のチェックバルブであって、第二のクラッキング圧力を有する第二のチェックバルブと、を備え、
前記第二のチェックバルブの前記第二のクラッキング圧力が、前記第一のチェックバルブの前記第一のクラッキング圧力よりも大きく、
前記第一のチェックバルブが常閉弁であり、前記第二のチェックバルブが常閉弁であり、
前記ポンプにおける、前記拡張位置から前記圧縮位置への前記ポンプチャンバの移動により、流体が前記ポンプチャンバから前記第一のチェックバルブを通過し、続いて前記第二のチェックバルブを通過して、前記出口ノズルから流れ出るように、前記第一のチェックバルブが閉位置から開位置に移動し、前記第二のチェックバルブも閉位置から開位置に移動するように構成されている、
ディスペンサー。
【請求項2】
前記第二のチェックバルブが、バルブ部材をバルブシートに押し付けるための付勢部材を備える、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記第二のチェックバルブが吹き出しボールバルブである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記ポンプが、複数のポンプチャンバを有する連続的に起動するマルチダイヤフラムポンプである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記ポンプと前記第二のチェックバルブの間に配置された第三のチェックバルブをさらに備え、
第一のポンプチャンバの移動により、流体が前記第一のポンプチャンバから前記第一のチェックバルブを通過し、前記第二のチェックバルブを通過して、前記出口ノズルから流れ出るように、前記第一のチェックバルブが開位置に移動し、
第二のポンプチャンバの移動により、流体が前記第二のポンプチャンバから前記第三のチェックバルブを通過し、前記第二のチェックバルブを通過して、前記出口ノズルから流れ出るように、前記第三のチェックバルブが開位置に移動する、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記ポンプチャンバが前記拡張位置にある時に、前記ポンプチャンバが0.2cc~0.5ccの容積を有する、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記第一のチェックバルブの前記第一のクラッキング圧力が0psi(MPa)~2psi(0.01379MPa)である、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記第二のチェックバルブの前記第二のクラッキング圧力が0.5psi(0.003448MPa)~3psi(0.02069MPa)である、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記第二のクラッキング圧力と前記第一のクラッキング圧力の比が、2:1~4:1である、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項10】
石鹸、消毒剤またはローションを分配するためのディスペンサーであって、
ハウジングと、
石鹸、消毒剤またはローションを保持する前記ハウジング内に配置された容器の底部に近接して位置する液体出口を有する容器と、
出口ノズルと、
前記容器と前記出口ノズルの間に配置されたポンプであって、
前記容器と流体連通するポンプ入口と、
前記出口ノズルと流体連通するポンプ出口と、
前記ポンプ入口および前記ポンプ出口と流体連通するポンプチャンバであって、拡張位置と圧縮位置の間で移動可能であるポンプチャンバと、を備えるポンプと、
前記ポンプ出口と前記出口ノズルの間に配置され、常閉弁であり、0.5psi(0.003448MPa)未満のクラッキング圧力を有する第一のチェックバルブと、
前記第一のチェックバルブと前記出口ノズルの間に配置され、常閉弁であり、0.5psi(0.003448MPa)より大きいクラッキング圧力を有する第二のチェックバルブと、を備え、
前記ポンプにおける、前記拡張位置から前記圧縮位置への前記ポンプチャンバの移動により、流体が前記ポンプチャンバから前記第一のチェックバルブを通過し、続いて前記第二のチェックバルブを通過して、前記出口ノズルから流れ出るように、前記第一のチェックバルブが閉位置から開位置に移動し、前記第二のチェックバルブも閉位置から開位置に移動するように構成されている、
るディスペンサー。
【請求項11】
前記第二のチェックバルブが吹き出しボールバルブである、請求項10に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記ポンプと前記第二のチェックバルブの間に配置された第三のチェックバルブをさらに備え、
第一のポンプチャンバの移動により、前記第一のチェックバルブが開閉し、
第二のポンプチャンバの移動により、前記第三のチェックバルブが開閉し、
前記第一のチェックバルブおよび前記第三のチェックバルブを通過する流体が、前記第二のチェックバルブを開いて前記流体が通過するのを可能にする、請求項10に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記第二のクラッキング圧力と前記第一のクラッキング圧力の比が、2:1~4:1である、請求項10に記載のディスペンサー。
【請求項14】
ディスペンサーであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置するアクチュエータと、
前記ハウジング内に位置する容器であって、石鹸、ローション、または消毒剤を含む流体を収容する容器と、
ポンプであって、
入口と、
少なくとも2つのポンプチャンバと、
出口と、を備えるポンプと、
前記ポンプ出口の下流に位置する少なくとも1つの常閉弁である高速作動出口弁と、
前記高速作動出口弁の下流に位置する少なくとも1つの常閉弁である低速作動出口弁と、
出口ノズルと、を備え、
前記ポンプにおける、前記ポンプチャンバの移動により、流体が前記ポンプチャンバから前記高速作動出口弁を通過し、続いて前記低速作動出口弁を通過して、前記ポンプの出口から流れ出るように、前記高速作動出口弁が閉位置から開位置に移動し、前記低速作動出口弁も閉位置から開位置に移動するように構成されており、
選択された分配時間中、前記低速作動出口弁が周期的に1回開閉するたびに、前記高速作動出口弁が少なくとも2回周期的に開閉する、
ディスペンサー。
【請求項15】
ディスペンサーであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置するアクチュエータと、
石鹸、消毒剤またはローションの容器を保持するためのホルダーと、
入口、少なくとも1つのポンプチャンバ、および出口を有するポンプと、
連続した少なくとも2つの出口弁であって、前記ポンプの下流に位置する少なくとも2つの、常閉弁である第一のチェックバルブ及び常閉弁である第二のチェックバルブと、
出口ノズルと、を備え、
前記ポンプにより、流体が前記ポンプチャンバから前記第一のチェックバルブを通過し、続いて前記第二のチェックバルブを通過して、分配されるように、前記第一のチェックバルブが閉位置から開位置に移動し、前記第二のチェックバルブも閉位置から開位置に移動するように構成されており、
選択された分配時間中、前記第二のチェックバルブが周期的に1回開閉するたびに、前記第一のチェックバルブが少なくとも2回周期的に開閉する、
ディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年3月2日に出願され、「Outlet Valve Arrangement for Enhanced Pump Efficiency」と題された米国仮出願番号第62/637,487号の優先権および利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
石鹸、消毒剤およびローションディスペンサーなどのディスペンサーシステムは、ディスペンサーの作動に伴い選択された量の液体をユーザーに提供する。ディスペンサーシステムは多くの場合、ポンプを使用して、容器からユーザーの手に液体を汲み出す。
【発明の概要】
【0003】
例示的ディスペンサーは、ハウジング、ハウジング内に配置された倒立容器、出口ノズル、ポンプ、第一のチェックバルブ、および第二のチェックバルブを含む。容器は流体を保持する。ポンプは容器と出口ノズルの間に配置されている。ポンプは、容器と流体連通したポンプ入口、出口ノズルと流体連通したポンプ出口、ならびにポンプ入口およびポンプ出口と流体連通したポンプチャンバを含む。ポンプチャンバは、拡張位置と圧縮位置との間で移動可能である。第一のチェックバルブはポンプと出口ノズルの間に配置され、第一のチェックバルブは第一のクラッキング圧力を有する。第二のチェックバルブは第一のチェックバルブと出口ノズルの間に配置され、第二のチェックバルブは第二のクラッキング圧力を有する。第二のチェックバルブの第二のクラッキング圧力は、第一のチェックバルブの第一のクラッキング圧力よりも大きい。
【0004】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、ハウジング内に配置された倒立容器、出口ノズル、ポンプ、第一のチェックバルブ、および第二のチェックバルブを含む。倒立容器は液体を保持する。ポンプは容器と出口ノズルの間に配置されている。ポンプは、ポンプ入口、ポンプ出口、およびポンプチャンバを含む。ポンプ入口は、容器およびポンプチャンバと流体連通しており、ポンプ出口はポンプチャンバおよび出口ノズルと流体連通している。ポンプチャンバは、拡張位置と圧縮位置との間で移動可能である。第一のチェックバルブはポンプと出口ノズルの間に配置され、第一のチェックバルブは約0.5psi未満のクラッキング圧力を有する。第二のチェックバルブは第一のチェックバルブと出口ノズルの間に配置され、第二のチェックバルブは約0.5psiより大きいクラッキング圧力を有する。
【0005】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、ハウジング内に位置するアクチュエータ、ハウジング内に位置する容器、ポンプ、ポンプの下流に位置する少なくとも1つの高速作動出口弁、高速作動出口弁の下流に位置する低速作動出口弁、および出口ノズルを含む。容器は、石鹸、ローション、または消毒剤を含む流体を収容する。ポンプは、入口、少なくとも2つのポンプチャンバ、および出口を有する。選択された分配時間中、高速作動出口弁は、低速作動出口弁が周期的に1回開閉するたびに少なくとも2回周期的に開閉する。
【0006】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、ハウジング内に位置するアクチュエータ、容器を保持するためのホルダー、ポンプ、少なくとも2つの出口弁、および出口ノズルを含む。容器は、石鹸、消毒剤、またはローションを保持する。ポンプは、入口、少なくとも1つのポンプチャンバ、および出口を有する。少なくとも2つの出口弁は、ポンプの下流に位置する。選択された分配時間中、2つの出口弁の少なくとも1つは、2つの出口弁の2つ目が周期的に1回開閉するたびに少なくとも2回周期的に開閉する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、新しい出口弁配列を有するディスペンサーの例示的実施形態の断面図である。
図2図2は、新しい出口弁配列を有する別のディスペンサーの例示的実施形態の部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態を説明しており、いかなる場合も特許請求の範囲を制限することを意図していない。実際に、本発明は、例示的実施形態よりも広く、それらによって制限されず、特許請求の範囲で使用される用語は、それらの完全な通常の意味を有する。一つの例示的実施形態の特徴および構成要素は、他の例示的な実施形態に組み込まれてもよい。本出願の範囲内の発明は、例示的な実施形態に示されるものよりも、追加の特徴を含むか、または特徴が少ない場合がある。
【0009】
図1は、ハウジング102、液体を保持するための容器104、ポンプ108、第一のチェックバルブ120、第二のチェックバルブ122、およびディスペンサー出口110を有する例示的なディスペンサー100を図示する。図示した実施形態に示すように、ディスペンサーは倒立ディスペンサーである。ポンプ108は、容器104から出口110を通ってユーザーの手に液体を汲み出すように構成されている。液体は、例えば、石鹸、濃縮石鹸、消毒剤、ローション、保湿剤などでありうる。ポンプ108は、例えば、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、回転ポンプなどの容積型ポンプであってもよい。特定の実施形態では、ポンプ108は、連続的に起動するマルチダイヤフラムポンプであってもよい。連続的に起動するマルチダイヤフラムポンプの例示的な実施形態は、2017年2月10日に出願され、「HIGH QUALITY NON-AEROSOL HAND SANITIZING FOAM」と題された米国非仮出願番号第15/429,389号;2016年12月5日に出願され、「SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS, REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS」と題された米国非仮出願番号第15/369,007号;2016年11月18日に出願され、「SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS, REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS」と題された米国非仮特許出願番号第15/355,112号;2016年11月14日に出願され、「IMPROVED FOAMING CARTRIDGE」と題された米国非仮出願番号第15/350,190号;2016年11月21に出願され、「FOAM DISPENSING SYSTEMS, PUMPS AND REFILL UNITS HAVING HIGH AIR TO LIQUID RATIOS」と題された米国非仮出願番号第15/356,795号;および2017年4月6日に出願され、「FOAM DISPENSING SYSTEMS, PUMPS AND REFILL UNITS HAVING HIGH AIR TO LIQUID RATIOS」と題された、米国非仮出願番号第15/480,711号に示され、開示されており、それぞれはその全体が本明細書に組み込まれている。
【0010】
さまざまな実施形態では、ディスペンサー100は「タッチフリー」ディスペンサーであり、ポンプ108を作動させて液体を容器104から送り、ディスペンサー100の出口ノズル110から出すアクチュエータ114を含む。いくつかの実施形態では、液体は、空気と組み合わせられ、泡として分配される。例示的なタッチフリーディスペンサーは、「Electronically Keyed Dispensing System And Related Methods Utilizing Near Field Response」と題された米国特許第7,837,066号;「Power Systems For Touch Free Dispensers and Refill Units Containing a Power Source」と題された米国特許第9,172,266号;「Apparatus for Hands-Free Dispensing of a Measured Quantity of Material」と題された米国特許第7,909,209号;「Apparatus for Hans-Free Dispensing of a Measured Quantity of Material」と題された米国特許第7,611,030号;「Electronically Keyed Dispensing Systems and Related Methods Utilizing Near Field Response」と題された米国特許第7,621,426号; 「Touch-Free Dispenser with Single Cell Operation and Battery Banking」と題された米国特許公開第8,960,498号に示され記載されており、それらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。タッチフリー機能を含む実施形態では、ディスペンサー100は、電源(図示せず)、手の存在を検出するためのセンサー(図示せず)、コントローラ(図示せず)、およびモーター(図示せず)を含んでもよく、これらはすべて当技術分野で良く知られている。電源は、センサー、コントローラ、およびモーターと電気的に通信し、これらに電力を供給する。電源は、例えば、一つまたは複数の電池などの内部電源、または例えば、太陽電池などの外部電源、または従来の120 VAC電源、またはその組み合わせであってもよい。
【0011】
さまざまな実施形態では、ディスペンサーは手動ディスペンサーである。こうした実施形態では、アクチュエータ114は、例えば、ユーザーがプッシュバーを操作する、ユーザーがフットペダル、プッシュボタンなどを操作するなどの手動起動を必要とする場合がある。手動起動を必要とするいくつかの実施形態では、プッシュバー(図示せず)はポンプ108に機械的に結合され、ユーザーがプッシュバーを操作すると、ポンプが、容器104からディスペンサー100の出口ノズル110を通して液体を送り出す。
【0012】
図1をさらに参照すると、ポンプ108の例示的な実施形態は、ポンプ入口112、ポンプ出口116、およびポンプチャンバ118を含む。ポンプ入口112は、ポンプ入口が容器104から液体を受けるように、容器104と流体連通している。ポンプチャンバ118は、ポンプチャンバ118が容器104からポンプ入口112を通って液体を受けることができるように、ポンプ入口112と流体連通している。ポンプ出口116は、ポンプ108が、ポンプチャンバ118からポンプ出口116および出口ノズル110を通って液体を送り出すことができるように、ポンプチャンバ118および出口ノズル110と流体連通している。特定の実施形態では、ポンプ108は、拡張位置と圧縮位置との間のポンプチャンバ118の移動により、ポンプ108が液体をディスペンサー100の出口ノズル110を通して送り出し、容器104からポンプチャンバ118内に液体を移動させるような容積式ポンプである。特定の実施形態では、ポンプチャンバ118は小さい容積を有する。特定の実施形態では、ポンプチャンバ118の容積は、ポンプチャンバ118が拡張位置にある時に、約0.2cc~約0.5ccである。
【0013】
ディスペンサー100は、第一のチェックバルブ120および第二のチェックバルブ122を含む。第一のチェックバルブ120および第二のチェックバルブ122の両方は、ポンプ108と出口ノズル110の間に配置されている。第一のチェックバルブ120は、ポンプ108の出口116に隣接して配置された常閉弁であってもよい。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120は、通常は開いていてもよく、またはクラッキング圧力が最小限か全くなくてもよい。第一のチェックバルブ120は高速作動弁である。
【0014】
閉位置から開位置への第一のチェックバルブ120の移動により、ポンプチャンバ118中の液体が、第一のチェックバルブ120を通過して、第一のチェックバルブ120と第二のチェックバルブ122の間の領域121に流れ込むことが可能になる。開位置から閉位置へと戻る第一のチェックバルブ120の移動は、流体(すなわち、空気または液体)が、第一のチェックバルブ120と第二のチェックバルブ122の間の領域121からポンプチャンバ118内に流れ込むのを防止する。
【0015】
ポンプチャンバ118内で圧縮された空気(ならびに/またはポンプチャンバ内の空気および第一のチェックバルブ120と第二のチェックバルブ122の間の空気)はポンプ108の効率に影響する、および/またはポンプ108がプライミングするのを妨げうるので、(例えば、ディスペンサー100のプライミングおよび使用中に)空気が第一のチェックバルブ120と第二のチェックバルブ122の間の領域からポンプチャンバ118に入るのを防止することは有利である。つまり、ポンプ108のプライミング中に、空気が領域121からポンプチャンバ118に入ると、空気はポンプチャンバ118の容積の一部を占め、これはポンプチャンバ118内に引き出される液体が少なくなるか、または引き出される液体が全くなくなることにつながる。加えて、空気は液体よりも圧縮性が高いため、ポンプチャンバ118内の空気は、ポンプチャンバ118の拡張および圧縮によって容易に圧縮および拡張して、液体を汲み出さないか、または望ましい量よりも少ない液体しか汲み出さない可能性がある。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120は、ポンプチャンバ118の下流端にできるだけ近く位置することが好ましい。ポンプ出口という用語は本明細書では広く使用され、第一のチェックバルブ120は、ポンプチャンバ118からのポンプ出口116の開口部内または開口部地点に位置しうる。
【0016】
特定の実施形態では、第一のチェックバルブ120は、高流量の高速作動弁である。例えば、いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブは約0.1秒未満で閉じる。いくつかの実施形態では、(例えば、連続的に起動するダイヤフラムポンプを使用した)ポンプ108の起動に伴い、第一のチェックバルブ120は、例えば0.5秒に約10回など、約0.5秒に約5回~約20回、閉位置から開位置に移動する。特定の実施形態では、第一のチェックバルブ120は、最小限のクラッキング圧力を有する。例えば、いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120のクラッキング圧力は、約0psi~約2psiである。第一のチェックバルブ120は、例えば、アンブレラバルブ、ダックビルバルブ、フラッパーバルブなどであってもよい。
【0017】
第二のチェックバルブ122は、第一のチェックバルブ120と出口ノズル110の間に配置されている。第二のチェックバルブ122は常閉弁である。第二のチェックバルブ122は、ポンプ108が動作していない時に、液体がディスペンサー100の出口ノズル110から流れ出るのを防止するように構成されている。閉位置から開位置への第二のチェックバルブ122の移動により、領域121内の流体がディスペンサー100の出口ノズル110を出て、ユーザーの手の中へと分配される。流体が第二のチェックバルブ122を通過し出口ノズル110を通って移動するのを停止した後、第二のチェックバルブ122は閉位置に戻り、これは領域121内の残留流体が出口ノズル110を通ってディスペンサー100から流れ出るのを防止する。従って、第二のチェックバルブ122は、液垂れ防止機構として機能する。いくつかの実施形態では、第二のチェックバルブ122は、遅反応性の高流量チェックバルブである。例えば、いくつかの実施形態では、ポンプ108の起動に伴い、第一のチェックバルブ120が同じ期間中に複数回開閉されても、第二のチェックバルブ122は約0.5秒間など約0.25秒~約0.75秒間、開位置のままとなる。特定の実施形態では、第二のチェックバルブ122は、0.75psi以上、1psi以上、1.25psi以上など、0.5psi以上のクラッキング圧力を有する。第二のチェックバルブ122は、例えば、吹き出しボールバルブ、マッシュルームバルブ、フラッパーバルブなどであってもよい。
【0018】
特定の実施形態では、第二のチェックバルブ122は、第一のチェックバルブ120よりも大きなクラッキング圧力を有する。さまざまな実施形態で、第二のチェックバルブ122は約0.5psi~約3psiのクラッキング圧力を有することができ、第一のチェックバルブ120は約0psi~約2psiのクラッキング圧力を有することができる。特定の実施形態では、第二のチェックバルブ122のクラッキング圧力と第一のチェックバルブ120のクラッキング圧力の比は、約2:1および約4:1でありうる。代替的実施形態では、第二のチェックバルブ122のクラッキング圧力と第一のチェックバルブ120のクラッキング圧力の比は、例えば5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1および12:1など、4:1より大きくてもよい。
【0019】
ディスペンサー100を操作するために、ユーザーは、アクチュエータ114を使用してポンプ108を起動し、これにより、流体がポンプチャンバ118から出口ノズル110を通って、ユーザーの手の中へと流れ込む。ポンプ108の起動により、ポンプチャンバ118が拡張位置から圧縮位置に移動し、これによって、ポンプチャンバ118内の流体がポンプ出口116を通って移動し、第一のチェックバルブ120を開位置に移動させる力が第一のチェックバルブに加えられるように第一のチェックバルブ120を係合させる。つまり、流体によって加えられる力は、第一のチェックバルブのクラッキング圧力を超える圧力を第一のチェックバルブ120上に作り出し、これにより第一のチェックバルブ120が開位置に移動する。第一のチェックバルブ120の開位置への移動により、流体が、第一のチェックバルブ120を通過して、第一のチェックバルブ120と第二のチェックバルブ122の間の領域121に流れ込むことが可能になる。流体が領域121内に移動すると、流体は第二のチェックバルブ122を係合させて、第二のチェックバルブ122を開位置に移動させる力を第二のチェックバルブ122に加える。つまり、(ポンプ108の起動から)流体によって加えられる力は、第二のチェックバルブ122のクラッキング圧力を超える圧力を第二のチェックバルブ122上に作り出し、これにより第二のチェックバルブ122が開位置に移動する。第二のチェックバルブ122の開位置への移動により、流体が第二のチェックバルブ122を通過し、ディスペンサー100の出口ノズル110を通って、ユーザーの手の中へと移動できるようになる。ポンプチャンバ118の収縮により、流体が領域121から引き出されて流体が容器104から引き出されるのを防止するために、第一のチェックバルブ120が急速に閉じる。
【0020】
ポンプチャンバ118の上流からの空気がポンプチャンバ118を出た後、ポンプ108の別の起動が、流体をディスペンサー100の出口ノズル110に向かって汲み出すように、ポンプ108はプライミングされる(すなわち、流体が容器104からポンプチャンバ118内に移動する)。ポンプチャンバ118が完全に収縮すると、流体の流れが停止し、第一のチェックバルブ120に加えられた圧力が第一のチェックバルブのクラッキング圧力より小さくなるまで、流体によって第一のチェックバルブ120に加えられる力が減少し、これによって第一のチェックバルブ120が閉位置に戻りうる。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120は、ポンプチャンバ118に陰圧が発生するまで(すなわち、ポンプチャンバ118が拡張し始めるまで)閉位置に戻らない。流体の流れが停止すると、第二のチェックバルブ122に加えられた圧力が第二のチェックバルブのクラッキング圧力より小さくなるまで、液体によって第二のチェックバルブ122に加えられる力が減少し、これは第二のチェックバルブを閉位置に戻す。ポンプチャンバ118の拡張および収縮により、第一のチェックバルブ120がそれぞれ開閉する。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120の開閉とポンプチャンバ118の拡張および収縮は、十分な流体の流れが領域121を通って継続して第二のチェックバルブ122を開いたままにするのに十分速い速度で起こる。多くの実施形態では、領域121に供給する複数のポンプチャンバ118がある。いくつかの実施形態では、複数のポンプチャンバ118は、1つのポンプチャンバ118が拡張している間に別のポンプチャンバが圧縮されるように順序付けられ、そのため領域121を通って第二のチェックバルブ122を通過する流体の一定の流れを維持するのに役立つ。
【0021】
いくつかの実施形態では、領域121の容積はポンプチャンバ118の容積よりも大きい。いくつかの実施形態では、領域121の容積はポンプチャンバ118の容積の2倍以上である。いくつかの実施形態では、領域121の容積はポンプチャンバ118の容積の3倍以上である。いくつかの実施形態では、領域121の容積はポンプチャンバ118の容積の4倍以上である。いくつかの実施形態では、領域121の容積はポンプチャンバ118の容積の5倍以上である。
【0022】
ポンプチャンバ118が圧縮位置から拡張位置に移動すると、ポンプチャンバ118内に陰圧が生成される。ポンプチャンバ118の陰圧により、液体が容器104からポンプ入口112を通ってポンプチャンバに入る。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ120は、領域121内の空気および/または液体がポンプ出口116を通ってポンプチャンバ118に入るのを防止するので、有利である。ポンプ108の動作中、特にポンプのプライミング中に、空気および/または残留液体がポンプ出口116を通ってポンプチャンバ118に入ると、ポンプ108は効率が低くなる場合があり、プライミングしない可能性がある。いくつかの実施形態では、第二のチェックバルブ122は、領域121内の残留流体がポンプ108の起動と次回起動の間に出口ノズル110を通って滴下するのを防止するので、有利である。
【0023】
図2は、新しい出口弁配列を有する例示的ディスペンサー200の一部の断面図である。ディスペンサー200は、ポンプ208、第一のチェックバルブ220、第二のチェックバルブ222、および出口ノズル210を含む。ポンプは、ディスペンサー200の容器(図示せず)と流体連通しているポンプ入口(図示せず)と、ポンプチャンバ218と、ポンプ出口216とを含む。ポンプ208は倒立した設定である、すなわち、流体で満たされた容器(図示せず)はポンプチャンバ218と流体連通しており、容器内の流体の少なくとも一部分がポンプチャンバ218の上方に位置するように位置付けられている。ポンプチャンバ218は、拡張位置と圧縮位置との間で移動可能である。
【0024】
特定の実施形態では、ポンプチャンバ218は、圧縮可能部分217および非圧縮可能部分219を含む。ポンプチャンバ218の圧縮可能部分217の容積は、拡張容積(すなわち、拡張状態のポンプの容積)とポンプチャンバが圧縮状態にある時の圧縮容量の間を移動する。ポンプチャンバ218の非圧縮可能部分219の容積は一定のままである。特定の実施形態では、圧縮可能部分217の容積は、ポンプチャンバ全体の容積(すなわち、圧縮可能部分217および非圧縮可能部分219の両方の容積)の約80%~約100%である。いくつかの実施形態では、容積式ポンプは、ポンプチャンバの容積のより大きな部分が圧縮可能な場合により効率的なので、ポンプチャンバ全体の容積の80%~100%の容積を有する圧縮可能部分217を含むポンプチャンバ218を有することは有利である。特定の実施形態では、ポンプチャンバ218は小さなポンプチャンバである。例えば、ポンプチャンバ218は、ポンプチャンバが拡張位置にある時に、約0.2cc~約0.5ccの容積を有することができる。
【0025】
第一のチェックバルブ220および第二のチェックバルブ222は、ポンプ208と出口ノズル210の間に配置されている。第一のチェックバルブ220は、ポンプ208と第二のチェックバルブ222の間に配置されている。特定の実施形態では、第一のチェックバルブ220は、ポンプ208のポンプチャンバ218に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220は、ポンプチャンバ218の圧縮可能部分217から距離Xだけ離れて配置される。距離Xは、約0.125インチ~約0.25インチなど、例えば、約0インチ~約0.375インチとしうる。特定の実施形態では、距離Xは、約0.375インチ以下、約0.25インチ以下、約0.125インチ以下など、0.5インチ以下としうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220は、第一のチェックバルブ220が閉位置にある時に、液体がポンプ出口216を通ってポンプチャンバ218から出るのを防止する常閉弁である。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220がポンプチャンバ218の最小真空圧力で急速に閉じる限り、第一のチェックバルブ220は中立状態を有するか、または非常にわずかなクラッキング圧力を有する。閉位置から開位置への第一のチェックバルブ220の移動により、ポンプチャンバ218中の液体が、第一のチェックバルブ220を通過して、第一のチェックバルブと第二のチェックバルブ222の間の領域221に流れ込むことが可能になる。開位置から閉位置へ戻る第一のチェックバルブ220の移動は、液体および/または空気がポンプ208の領域221からポンプチャンバ218に入ることを防止する。ポンプチャンバ218内で圧縮されている空気はポンプ208の効率に影響を与えるので、(例えば、ディスペンサー200のプライミングおよび使用中に)空気がポンプチャンバ218に入るのを防止することは有利である。つまり、ポンプのプライミング中に空気がポンプチャンバ218に入ると、空気がポンプチャンバの容積の一部分を占めて、これはより少ない流体がポンプチャンバ218に引き出されることにつながるか、またはポンプチャンバ218内で空気が単に圧縮および除圧してポンプ208がプライミングされないか、もしくはプライミングのために長時間かかることになりうる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ポンプ208の起動に伴い、第一のチェックバルブ220は閉位置と開位置の間を、約0.5秒に約10回など、約0.5秒に約5回~約20回急速に移動する。特定の実施形態では、第一のチェックバルブ120は、高流量の高速作動弁である。例えば、いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220は約0.1秒未満で閉じる。特定の実施形態では、第一のチェックバルブ120は、最小限のクラッキング圧力を有する。例えば、第一のチェックバルブ120のクラッキング圧力は、約0psi~約2psiである。図示した実施形態では、第一のチェックバルブ220はアンブレラバルブである。代替的な実施形態では、第一のチェックバルブは、ダックビルバルブ、フラッパーバルブ等でありうる。
【0028】
特定の実施形態では、ポンプ208は、複数のポンプチャンバ(例えば、上述のポンプチャンバ218)を有する連続的に起動するマルチダイヤフラムポンプである。これらの実施形態の一部では、チェックバルブ(例えば、上述の第一のチェックバルブ220)は、チェックバルブのそれぞれが対応するポンプチャンバと第二のチェックバルブ222の間に配置されるように、ポンプチャンバのそれぞれに隣接して配置されてもよい。その他の実施形態では、単一チェックバルブ(例えば、上述の第一のチェックバルブ218)は、単一のチェックバルブがポンプチャンバのそれぞれと第二のチェックバルブ222の間に配置されるように、ポンプチャンバのすべてに隣接して配置されてもよい。上述の実施形態では、ポンプチャンバと第二のチェックバルブ222の間のチェックバルブは、第一のチェックバルブ220に関して本明細書で説明した任意の形態を取ってもよく、任意の方法で動作しうる。上述の実施形態では、ポンプチャンバと第二のチェックバルブ222の間のチェックバルブ220は、ポンプの起動に伴い、閉位置と開位置との間を急速に移動しうる。例えば、チェックバルブ220は、閉位置と開位置の間を、約0.5秒に約10回など、約0.5秒に約5回~約20回移動しうる。加えて、上述の実施形態では、チェックバルブは、約0.1秒未満で閉じる高流動、高速作動弁でありうる。チェックバルブはまた、例えば、約0psi~約2psiなど、最小限のクラッキング圧力を有してもよい。チェックバルブは、アンブレラバルブ、ダックビルバルブ、フラッパーバルブなどであってもよい。
【0029】
この例示的実施形態では、第二のチェックバルブ222は、マッシュルーム部材226および付勢部材228(例えば、ばね)を含む。同様の特性を有するその他のチェックバルブ、例えば、ばねおよびボールバルブなどが使用されうる。第二のチェックバルブ222は、開位置と閉位置との間で移動可能である。マッシュルーム部材226が領域221の密封面231と係合する時に第二のチェックバルブ222は閉位置にあり、マッシュルーム部材226が密封面231から方向Dに遠ざかる時に第二のチェックバルブ222は開位置にある。特定の実施形態では、第二のチェックバルブ222は常閉弁であり、付勢部材228がマッシュルーム部材226に対して方向Zの力を加え、それにより第二のチェックバルブが閉位置を維持する。第二のチェックバルブ220が閉位置にある時、領域221内の流体は第二のチェックバルブ220および出口ノズル210を通過して移動することが防止される。マッシュルーム部材226の方向Dへの移動により、第二のチェックバルブ222が開位置に移動し、領域221からの流体が第二のチェックバルブ222を通過し、出口ノズル210を通って移動できるようになる。特定の実施形態では、第二のチェックバルブ222は、第二のチェックバルブ222が閉位置にある時に、出口ノズル210からの流体の静的滴下を防止するように構成された高流量バルブである。いくつかの実施形態では、第二のチェックバルブ222は、例えば、0.75psi以上、1psi以上、1.25psi以上など、0.5psi以上のクラッキング圧力を有する低速作動チェックバルブである。いくつかの実施形態では、ポンプ208の起動に伴い、第二のチェックバルブ222は、第一のチェックバルブ220が同じ期間中に複数回開閉しても、約0.5秒など、約0.25秒~約0.75秒の間(選択された流体の量を分配する動作時間)開位置のままとなる。図示した実施形態では、第二のチェックバルブ222はマッシュルームバルブである。代替的実施形態では、第二のチェックバルブ222は、例えば、吹き出しボールバルブ、マッシュルームバルブ、フラッパーバルブなどでありうる。
【0030】
特定の実施形態では、第二のチェックバルブ222は、第一のチェックバルブ220よりも大きなクラッキング圧力を有する。さまざまな実施形態で、第二のチェックバルブ222は約0.5psi~約3psiのクラッキング圧力を有し、第一のチェックバルブ220は約0psi~約2psiのクラッキング圧力を有する。特定の実施形態では、第二のチェックバルブ222のクラッキング圧力と第一のチェックバルブ220のクラッキング圧力の比は、約2:1および約4:1である。代替的な実施形態では、第二のチェックバルブ弁222のクラッキング圧力と第一のチェックバルブ220のクラッキング圧力の比は、4:1より大きくてもよい。
【0031】
ディスペンサー200を操作するために、ユーザーは、アクチュエータ(図示せず)を使用してポンプ208を起動し、これにより、流体がポンプチャンバ218から出口ノズル210を通って、ユーザーの手の中へと流れ込む。ポンプ208の起動により、ポンプチャンバ218が拡張位置から圧縮位置に移動し、これによって、ポンプチャンバ218内の流体は、第一のチェックバルブ220を開位置に移動させるのに十分な力で、ポンプ出口216を通って第一のチェックバルブ220を超えて移動する。つまり、流体によって加えられる力は、第一のチェックバルブ220のクラッキング圧力を超える圧力を第一のチェックバルブ220上に作り出し、これにより第一のチェックバルブ220が開位置に移動する。第一のチェックバルブ220の開位置への移動により、流体が、第一のチェックバルブ220を通過して、第一のチェックバルブ220と第二のチェックバルブ222の間の領域221に流れ込むことが可能になる。流体が領域221を通って移動すると、流体は第二のチェックバルブ222を関与させて、マッシュルーム部材226を方向Dの開位置に移動させるのに十分な力が第二のチェックバルブ222のマッシュルーム部材226に加えられる。つまり、(ポンプの起動から)流体によって加えられる力はまた、第二のチェックバルブのクラッキング圧力を超える圧力を第二のチェックバルブ222上に作り出し、これによって第二のチェックバルブが開位置に移動する。第二のチェックバルブ222の開位置への移動により、流体が第二のチェックバルブ222を通過し、ディスペンサー200の出口ノズル210を通って、ユーザーの手の中へと移動できるようになる。またポンプチャンバ218の収縮により、流体が領域221から引き出されて流体が容器から引き出されるのを防止するために、第一のチェックバルブ120が急速に閉じる。
【0032】
ポンプチャンバ218の上流からの空気がポンプチャンバ218を出た後、ポンプ208の別の起動が、流体をディスペンサー200の出口ノズル210に向かって汲み出すように、ポンプはプライミングされる(すなわち、流体が容器からポンプチャンバ218内に移動する)。いくつかの実施形態では、複数のポンプチャンバ218が使用される。いくつかの実施形態では、複数のポンプチャンバ218のうちの一つ以上が空気を送り出すので、プライミングする必要がなく、残りのポンプチャンバ218が液体を送り出す。いくつかの実施形態では、一つ以上のポンプチャンバ218は液体と空気の混合物を送り出すので、選択された容積の割合が液体を含む時にプライムミングされる。ポンプチャンバ218が完全に収縮すると、第一のチェックバルブ220に加えられた圧力が第一のチェックバルブのクラッキング圧力より小さくなるまで液体によって第一のチェックバルブ220に加えられる力が減少し、これによって第一のチェックバルブが閉位置に戻りうる。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220は、ポンプチャンバ218に陰圧が発生するまで閉位置に戻らない。出口ノズル210からの流体の流出が停止すると、第二のチェックバルブ222に加えられた圧力が第二のチェックバルブのクラッキング圧力より小さくなるまで液体によって第二のチェックバルブ222に加えられる力が減少し、これは第二のチェックバルブ222を閉位置に戻す。
【0033】
ポンプチャンバ218が圧縮位置から拡張位置に移動すると、ポンプチャンバ218内に陰圧が生成される。ポンプチャンバ218の陰圧により、容器からの液体がポンプ入口212を通ってポンプチャンバに入り、第一のチェックバルブ220を閉じる。いくつかの実施形態では、第一のチェックバルブ220は、領域221内の空気および/または液体がポンプ出口216を通ってポンプチャンバ218に入るのを防止するので、有利である。ポンプ208の動作中、特にポンプのプライミング中に、空気および/または残留液体がポンプ出口116を通ってポンプチャンバ218に入ると、ポンプ208は効率が低くなる場合があり、プライミングしない可能性がある。いくつかの実施形態では、第二のチェックバルブ222は、領域221内の残留流体がポンプ208の起動と次回起動の間に出口ノズル210を通って滴下するのを防止するので、有利である。
【0034】
本明細書に記載したポンプ、第一のチェックバルブ、および第二のチェックバルブの例示的な実施形態は、ディスペンサー用の交換可能な再充填ユニットの一部とすることも、ディスペンサーのハウジングに固定することもできる。さらに、本明細書に記載の例示的な第一および第二のチェックバルブは、ポンプのハウジング内に配置されてもよく、またはポンプから分離されてもよい。
【0035】
本発明のさまざまな発明の態様、概念および特徴は、例示的な実施形態と組み合わせて実施されるものとして本明細書で説明および図示されてもよく、これらのさまざまな態様、概念および特徴は、多くの代替的実施形態で、個々に、またはさまざまな組み合わせおよびサブコンビネーションのいずれかで、使用されてもよい。本明細書に明示的に除外されない限り、こうしたすべての組み合わせおよびサブコンビネーションは、本発明の範囲内であることが意図されている。さらに、本発明のさまざまな態様、概念、および特徴に関するさまざまな代替実施形態、例えば、代替材料、構造、構成、方法、回路、デバイスとコンポーネント、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック、形成、適合、および機能に関する代替物などが本明細書で記載され得るが、そのような記載は、現在公知であるか、または後に開発されるかに関わらず、利用可能な代替的実施形態の完全なまたは網羅的なリストであることを意図していない。当業者であれば、このような実施形態が本明細書に明示的に開示されていない場合であっても、本発明の範囲内での本発明の態様、概念または特徴のうち一つまたは複数を追加の実施形態に容易に採用し、使用することができる。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念または態様は、好ましい配置または方法であるとして本明細書に説明され得るが、こうした説明は、明示的に述べられない限り、こうした特徴が必要とされるまたは必要であることを示唆する意図はない。さらに、例示的または代表的な値および範囲は、本開示の理解を助けるために含めることができるが、このような値および範囲は、限定的意味で解釈されるべきではなく、明示的に述べられている場合に限り、重要な値または範囲であることを意図している。さらに、さまざまな態様、特徴および概念は、発明性がある、または発明の一部を形成するものとして本明細書に明示的に識別され得るが、このような識別は排他的であるように意図されておらず、むしろそのようなものとして、または特定の発明の一部として明示的に識別されることなく、本明細書で完全に説明される発明の態様、概念、および特徴があり得る。例示的方法またはプロセスの説明は、すべての場合に必要とされるすべてのステップの包含に限定されず、明示的に述べられていない限り、ステップが提示される順序は、必要とされるまたは必要であると解釈されるものでもない。
図1
図2