(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】液体レンズ、当該レンズを含むカメラモジュールおよび液体レンズの制御方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20230530BHJP
G02B 3/12 20060101ALI20230530BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230530BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20230530BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20230530BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20230530BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230530BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20230530BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B3/12
G03B17/02
G03B17/55
G03B30/00
H04N23/55
H04N23/60
H04N23/68
(21)【出願番号】P 2020565867
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2019006165
(87)【国際公開番号】W WO2019225974
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0058365
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ムン ヨン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン ウン
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-025523(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1821189(KR,B1)
【文献】特開2012-230105(JP,A)
【文献】国際公開第2018/187591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 3/12
G03B 17/02
G03B 17/55
G03B 30/00
H04N 23/55
H04N 23/60
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性液体および非伝導性液体を収容するキャビティを有する第1プレートと、
前記第1プレートの上および下にそれぞれ配置され、前記第1プレートとともに前記キャビティを定義する第2
プレートおよび第3プレートと、
前記第1プレートと前記第3プレートとの間から前記伝導性液体まで延びて配置される共通電極と、
前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置され、互いに電気的に離隔した複数の個別電極と、
前記第1プレートの内部、前記第2プレートの内部および前記第3プレートの内部の
うち少なくとも1ヶ所に配置される温度センシング部と、
前記第1プレートの内部、前記第2プレートの内部および前記第3プレートの内部のうち少なくとも1ヶ所に配置される発熱部と、を有
し、
前記温度センシング部または前記発熱部は、平面上で隣接する個別電極の間に配置され、前記隣接する個別電極のいずれかに連結される、液体レンズ。
【請求項2】
伝導性液体および非伝導性液体を収容するキャビティを有する第1プレートと、
前記第1プレートの上および下にそれぞれ配置され、前記第1プレートとともに前記キャビティを定義する第2プレートおよび第3プレートと、
前記第1プレートと前記第3プレートとの間から前記伝導性液体まで延びて配置される共通電極と、
前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置され、互いに電気的に離隔した複数の個別電極と、
前記第1プレートの内部、前記第2プレートの内部および前記第3プレートの内部のうち少なくとも1ヶ所に配置される温度センシング部と、
前記第1プレートの内部、前記第2プレートの内部および前記第3プレートの内部の
うち少なくとも1ヶ所に配置される発熱部
と、を有し、
前記温度センシング部または前記発熱部は、共通電極の周辺に配置され、前記共通電極の一部と連結される、液体レンズ。
【請求項3】
前記温度センシング部または前記発熱部は
、前記個別電極と接して配置される、請求項
1に記載の液体レンズ。
【請求項4】
前記温度センシング部
または前記発熱部は、前記共通電
極と接して配置される、請求項
2に記載の液体レンズ。
【請求項5】
前記発熱部と前記温度センシング部とは、一体である、請求項
1~4のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項6】
前記発熱部または前記温度センシング部のいずれか一つは、金属を有する、請求項2~5のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項7】
前記発熱部および前記温度センシング部のそれぞれは、
抵抗体を有する、請求項2~6のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項8】
前記発熱部および前記温度センシング部の少なくとも一つは、前記複数の個別電
極と一体である、請求項
1および5~7のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項9】
前記発熱部および前記温度センシング部の少なくとも一つは、前記共通電極と一体である、請求項2および5~7のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項10】
前記発熱部および前記温度センシング部の少なくとも一つと一体である前記複数の個別電極または前記共通電極は、パターン化した形状を有する、請求項
1~
9のいずれか一項に記載の液体レンズ。
【請求項11】
請求項
1~
10のいずれか一項に記載の前記液体レンズと、
前記液体レンズの温度を制御する制御回路と、を有し、
前記制御回路は、
センシング制御信号に応じて前記温度センシング部にセンシング電圧を供給するセンシング電圧供給部と、
発熱制御信号に応じて前記発熱部に発熱電圧を供給する発熱電圧供給部と、
前記温度センシング部と連結され、前記液体レンズの温度を算出する温度算出部と、
前記センシング制御信号を生成し、前記算出された温度によって前記発熱制御信号を生成する温度制御部と、を有する、カメラモジュール。
【請求項12】
前記温度制御部は、前記算出された温度と所定温度範囲とを比較し、比較された結果によって前記発熱制御信号のレベルまたは生成が可能か否かを制御する、請求項
11に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記所定温度範囲は、20℃~60℃である、請求項1
2に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
請求項
11~
13のいずれか一項に記載のカメラモジュールで行われる液体レンズの制御方法であって、
前記液体レンズの温度をセンシングする段階と、
前記センシングされた温度が所定温度範囲内に属するかを検査する段階と、
前記センシングされた温度が前記所定温度範囲内の温度より低い場合、前記発熱部を発熱させ、前記温度を再びセンシングする段階に進む段階と、を有する、液体レンズ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、液体レンズ、当該レンズを含むカメラモジュールおよび液体レンズの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用装置のユーザは、高解像度を有しながらもサイズが小さくて多様な撮影機能(例えば、光学ズーム機能(zoom-in/zoom-out)、オートフォーカス(Auto-Focusing、AF)機能、手ぶれ補正または光学式手ぶれ補正(Optical Image Stabilizer、OIS)機能など)を有する光学機器を望んでいる。このような撮影機能は、多数のレンズを組み合わせて直接レンズを動かす方法で具現することができるが、レンズの数を増加させる場合、光学機器のサイズが大きくなることがある。オートフォーカスおよび手ぶれ補正機能は、レンズホルダに固定されて光軸が整列された多数のレンズモジュールが、光軸方向にまたは光軸の垂直方向に移動するかティルト(Tilting)することによってなされ、レンズモジュールを駆動させるために別途のレンズ駆動装置が使われる。しかしながら、レンズ駆動装置は電力消費(消耗)が高く、これを保護するためにカメラモジュールとは別にカバーガラスを追加しなければならないので、全体の厚さが厚くなる。したがって、2種液体の界面の曲率を電気的に調節してオートフォーカスおよび手ぶれ補正の機能を果たす液体レンズに関する研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実施例は、温度センシングおよび発熱の可能な液体レンズと、この液体レンズを含むカメラモジュールと、このカメラモジュールで行われる液体レンズの制御方法と、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施例による液体レンズは、伝導性液体および非伝導性液体を収容するキャビティを有する第1プレートと、第1プレートの上および下にそれぞれ配置され、第1プレートとともにキャビティを定義する第2および第3プレートと、第1プレートと第3プレートとの間から伝導性液体まで延びて配置される共通電極と、第1プレートと第2プレートとの間に配置され、互いに電気的に離隔した複数の個別電極と、第1プレートの内部、第2プレートの内部および第3プレートの内部の少なくとも1ヶ所に配置される温度センシング部と、を有することができる。
【0005】
例えば、液体レンズは、第1プレートの内部、第2プレートの内部および第3プレートの内部の少なくとも1ヶ所に配置される発熱部をさらに有することができる。
【0006】
例えば、発熱部は、共通電極または個別電極と接して配置されることができる。
【0007】
例えば、温度センシング部は、共通電極または個別電極と接して配置されることができる。
【0008】
例えば、発熱部と温度センシング部とは、一体であることができる。
【0009】
例えば、発熱部または温度センシング部の一つは、金属を有することができる。
【0010】
例えば、発熱部および温度センシング部のそれぞれは、低抗体を有することができる。
【0011】
例えば、発熱部および温度センシング部の少なくとも一つは、複数の個別電極または共通電極の一つと一体であってもよい。
【0012】
例えば、発熱部および温度センシング部の少なくとも一つと一体である複数の個別電極または共通電極は、パターン化した形状を有することができる。
【0013】
例えば、温度センシング部または発熱部は、平面上で隣り合う個別電極の間に配置され、隣り合う個別電極の一つと連結されることができる。
【0014】
例えば、温度センシング部または発熱部は、共通電極の周辺に配置され、共通電極の一部と連結されることができる。
【0015】
他の実施例によるカメラモジュールは、液体レンズおよび液体レンズの温度を制御する制御回路を有し、制御回路は、センシング制御信号に応じて温度センシング部にセンシング電圧を供給するセンシング電圧供給部と、発熱制御信号に応じて発熱部に発熱電圧を供給する発熱電圧供給部と、温度センシング部と連結され、液体レンズの温度を算出する温度算出部と、センシング制御信号を生成し、算出された温度によって発熱制御信号を生成する温度制御部と、を有することができる。
【0016】
例えば、温度制御部は、算出された温度と所定温度範囲とを比較し、比較された結果によって発熱制御信号のレベルまたは生成が可能か否かを制御することができる。
【0017】
例えば、所定温度範囲は、20℃~60℃であることができる。
【0018】
さらに他の実施例によれば、カメラモジュールで行われる液体レンズの制御方法は、液体レンズの温度をセンシングする段階と、センシングされた温度が所定温度範囲内に属するかを検査する段階と、センシングされた温度が所定温度範囲内の温度より低い場合、発熱部を発熱させ、温度を再びセンシングする段階に進む段階と、を有することができる。
【0019】
前記本発明の様態は、本発明の好適な実施例による部に過ぎず、本発明の技術的特徴が反映された多様な実施例が、当該技術分野の通常の知識を有する者によって、以下で詳述する本発明の詳細な説明に基づいて導出されて理解されることができる。
【発明の効果】
【0020】
実施例による液体レンズは、設定温度範囲内の温度で比較的一定したジオプタを有するので、この液体レンズを含むカメラモジュールは、撮影しようとする映像のコントラスト比(または、blur)の低下を防止することができる。
【0021】
本発明で得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は、下記の記載から本発明が属する分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例によるカメラモジュールの概略断面図である。
【
図2】
図1に示したカメラモジュールの実施例の断面図である。
【
図3】駆動電圧に対応して焦点距離が調整される液体レンズを説明する図である。
【
図5】発熱部を含む一実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【
図6】発熱部を含む他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【
図7】温度センシング部を含むさらに他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【
図8】
図7に示した温度算出部の一実施例の回路図である。
【
図9】温度センシング部を含む他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【
図10】実施例による液体レンズ制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳細に説明する。実施例は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示し本文で詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、実施例の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解すべきである。
【0024】
“第1”、“第2”などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使えるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。また、実施例の構成および作用を考慮して特別に定義された用語は、実施例を説明するためのものであるだけであり、実施例の範囲を限定するものではない。
【0025】
実施例の説明において、各要素(element)の“上または下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上または下(on or under)は、二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するか、あるいは一つまたは複数の他の要素(element)が上記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものを全て含む。また、“上または下(on or under)”と表現される場合、1個の要素(element)を基準に上方だけでなく下方の意味も含むことができる。
【0026】
また、以下で使われる“上/上部/上の”および“下/下部/下の”などの関係的用語は、そのような実体または要素間のある物理的または論理的関係または手順を必ず要求するか内包せず、ある一つの実体または要素を他の実体または要素と区別するために用いることもできる。
【0027】
図1は、実施例によるカメラモジュールの概略断面図を示す。
【0028】
以下、実施例による液体レンズおよびこの液体レンズを含むカメラモジュールをデカルト座標系に基づいて説明するが、実施例は、これに限られない。すなわち、デカルト座標系によれば、x軸、y軸およびz軸は、互いに直交するが、実施例はこれに限られない。すなわち、x軸、y軸、z軸は、直交する代わりに互いに交差することができる。
【0029】
以下、一実施例によるカメラモジュール100を添付図面の
図4に基づいて次のように説明する。しかしながら、実施例による液体レンズは、
図1~
図3に示したカメラモジュール100と違う構成を有するカメラモジュールにも適用することができる。
【0030】
図1は、一実施例によるカメラモジュール100の概略側面図を示す。
【0031】
図1を参照すると、カメラモジュール100は、レンズアセンブリ22、制御回路24およびイメージセンサ26を含むことができる。
【0032】
まず、レンズアセンブリ22は、レンズ部およびレンズ部を収容するホルダを含むことができる。後述するように、レンズ部は、液体レンズ部を含むことができ、第1レンズ部または第2レンズ部をさらに含むことができる。あるいは、レンズ部は、第1および第2レンズ部および液体レンズ部の全てを含むことができる。
【0033】
制御回路24は、液体レンズ部に駆動電圧(または、動作電圧)を供給する役割を果たす。
【0034】
前述した制御回路24およびイメージセンサ26は、単一のプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)上に配置されることができるが、これは一例に過ぎないだけで、実施例はこれに限られない。
【0035】
実施例によるカメラモジュール100が光学機器(Optical Device、Optical Instrument)に適用される場合、制御回路24の構成は、光学機器で要求する仕様によって違うように設計されることができる。特に、制御回路24は、単一のチップ(single chip)から具現され、レンズアセンブリ22に印加される駆動電圧の強度を減らすことができる。これにより、携帯用装置に搭載される光学機器の大きさがより小さくなることができる。
【0036】
図2は、
図1に示したカメラモジュール100の実施例による断面図を示す。
【0037】
図2を参照すると、カメラモジュール100は、レンズアセンブリ、メイン基板150およびイメージセンサ182を含むことができる。また、カメラモジュール100は、ミドルベース172をさらに含むことができる。カメラモジュール100は、センサベース174およびフィルタ176をさらに含むこともでき、
図2に示したように、センサベース174およびフィルタ176を含まなくてもよい。
【0038】
実施例によれば、
図2に示したカメラモジュール100の構成要素110~176の少なくとも一つは、省略することができる。あるいは、
図2に示した構成要素110~176と違う少なくとも一つの構成要素がカメラモジュール100にさらに含まれることもできる。
【0039】
図2を参照すると、レンズアセンブリは、液体レンズ部140、ホルダ120、第1レンズ部110および第2レンズ部130の少なくとも一つを含むことができ、
図1に示したレンズアセンブリ22に相当することができる。このようなレンズアセンブリは、メイン基板150上に配置されることができる。
【0040】
レンズアセンブリにおいて、液体レンズ部140と区別するために、第1レンズ部110および第2レンズ部130を‘第1固体レンズ部’および‘第2固体レンズ部’とそれぞれ言うこともできる。
【0041】
第1レンズ部110は、レンズアセンブリの上側に配置され、レンズアセンブリの外部から光が入射する領域であることができる。すなわち、第1レンズ部110、110Aは、ホルダ120内で液体レンズ部140上に配置されることができる。第1レンズ部110、110Aは、単一のレンズから具現されることもでき、中心軸を基準に整列されて光学系をなす2個以上の複数のレンズから具現されることもできる。
【0042】
ここで、中心軸とは、カメラモジュール100に含まれる第1レンズ部110、110a、液体レンズ部140および第2レンズ部130がなす光学系の光軸(Optical axis)LXを意味することもでき、光軸LXに平行な軸を意味することもできる。光軸LXは、イメージセンサ182の光軸に相当することができる。すなわち、第1レンズ部110、液体レンズ部140、第2レンズ部130およびイメージセンサ182は、アクティブアライン(AA:Active Align)によって光軸LXに整列されて配置されることができる。
【0043】
ここで、アクティブアラインとは、より良いイメージ獲得のために、第1レンズ部110、第2レンズ部130および液体レンズ部140のそれぞれの光軸を一致させ、イメージセンサ182とレンズ部110、130、140との間の軸または距離関係を調節する動作を意味することができる。
【0044】
また、
図2に例示したように、第1レンズ部110は、例えば2個のレンズL1、L2を含むことができるが、これは例示的なものであり、第1レンズ部110に含まれるレンズの個数は、1個または3個以上であることができる。
【0045】
また、第1レンズ部110の上側に露出レンズが配置されることができる。ここで、露出レンズとは、第1レンズ部110に含まれるレンズの中で最外殻レンズを意味することができる。すなわち、第1レンズ部110の最上部に位置するレンズL1が上方に突出するので、露出レンズの機能を行うことができる。露出レンズは、ホルダ120の外部に突出して表面が損傷する可能性を有する。露出レンズの表面が損傷する場合、カメラモジュール100で撮影されるイメージの画質が低下することがある。よって、露出レンズの表面損傷を防止および抑制するために、露出レンズの上部にカバーガラス(cover glass)を配置するか、コーティング層を形成するか、露出レンズの表面損傷を防止するために、他のレンズ部のレンズより剛性の高い耐磨耗性素材から露出レンズを具現することもできる。
【0046】
第1連結基板141および第2連結基板144は、-z軸方向にベンディングされる(曲げられる)。スペーサ143は、第1連結基板141と第2連結基板144との間に配置されることができ、ホルダ120の第1および第2開口OP1、OP2の少なくとも一つから突出して配置されることができる。
【0047】
第1および第2ホールがホルダ120の上部および下部にそれぞれ形成され、ホルダ120の上部および下部をそれぞれ開放させることができる。第1レンズ部110は、ホルダ120の内部に形成された第1ホールに収容、装着、着座、接触、固定、仮固定、支持、結合、または配置されることができ、第2レンズ部130は、ホルダ120の内部に形成された第2ホールに収容、装着、着座、接触、固定、仮固定、支持、結合、または配置されることができる。
【0048】
また、ホルダ120の第1および第2側壁は、光軸LX方向に垂直な方向(例えば、x軸方向)に互いに対面するように配置され、第3および第4側壁は、光軸LX方向に垂直な方向(例えば、y軸方向)で互いに対面するように配置されることができる。また、ホルダ120で、第1側壁は、第1開口OP1を含み、第2側壁は、第1開口OP1と同一または類似の形状の第2開口OP2を含むことができる。よって、第1側壁に配置された第1開口OP1および第2側壁に配置された第2開口OP2は、光軸LX方向に垂直な方向(例えば、x軸方向)で互いに対面するように配置されることができる。
【0049】
第1および第2開口OP1、OP2によって、液体レンズ部140が配置されるホルダ120の内部空間が開放されることができる。ここで、液体レンズ部140は、第1または第2開口OP1、OP2を通して挿入され、ホルダ120の内部空間に装着、着座、接触、固定、仮固定、支持、結合、または配置されることができる。
【0050】
このように、液体レンズ部140が第1または第2開口OP1、OP2を通してホルダ120の内部空間に挿入されることができるように、光軸LX方向を基準にホルダ120の第1または第2開口OP1、OP2のそれぞれの大きさは、液体レンズ部140のy軸方向およびz軸方向への断面積より大きいことができる。
【0051】
第2レンズ部130は、ホルダ120の内部で液体レンズ部140の下に配置されることができる。第2レンズ部130は、第1レンズ部110から光軸方向(例えば、z軸方向)に隔たって配置されることができる。
【0052】
カメラモジュール100の外部から第1レンズ部110に入射した光は、液体レンズ部140を通過して第2レンズ部130に入射することができる。第2レンズ部130は、単一のレンズから具現されることもでき、中心軸を基準に整列されて光学系を形成する2個以上の複数のレンズから具現されることもできる。例えば、
図2に例示したように、第2レンズ部130は、3個のレンズL3、L4、L5を含むことができるが、これは例示的なものであり、第2レンズ部130に含まれるレンズの個数は、2個以下または4個以上であることができる。
【0053】
液体レンズ部140とは違い、第1レンズ部110および第2レンズ部130のそれぞれは、固体レンズであり、ガラスまたはプラスチックから具現されることができるが、実施例は、第1レンズ部110および第2レンズ部130のそれぞれの特定の素材に限られない。
【0054】
また、
図2に示したように、液体レンズ部140は、第1連結基板141、液体レンズ142、スペーサ143および第2連結基板144を含むことができる。
【0055】
第1連結基板141は、液体レンズ142に含まれる複数の個別電極(図示せず)をメイン基板150に電気的に連結し、液体レンズ142上に配置されることができる。第1連結基板141は、フレキシブルプリント基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)から具現されることができる。
【0056】
また、第1連結基板141は、複数の個別電極のそれぞれと電気的に連結された連結パッド(図示せず)を介してメイン基板150上に形成された電極パッド(図示せず)と電気的に連結されることができる。このために、液体レンズ部140がホルダ120の内部空間に挿入された後、第1連結基板141は、メイン基板150に向かって-z軸方向にベンディング(bending)された後、連結パッド(図示せず)および電極パッド(図示せず)は、伝導性エポキシ(conductive epoxy)によって電気的に連結されることができる。他の実施例として、第1連結基板141は、ホルダ120の表面に配置、形成、またはコートされた導電性第1ホルダ表面電極と連結され、ホルダ120の表面に配置された導電性第1ホルダ表面電極を介してメイン基板150と電気的に連結されることができるが、実施例はこれに限定されない。
【0057】
第2連結基板144は、液体レンズ142に含まれる共通基板150に電気的に連結し、液体レンズ142の下に配置されることができる。第2連結基板144は、FPCBまたは単一メタル基板(伝導性メタルプレート)から具現されることができる。ここで、個別電極および共通電極については、後述する
図3および
図4に基づいて詳細に説明する。
【0058】
第2連結基板144は、共通電極と電気的に連結された連結パッドを介してメイン基板150上に形成された電極パッドと電気的に連結されることができる。このために、液体レンズ部140がホルダ120の内部空間に挿入された後、第2連結基板144は、メイン基板150に向かって-z軸方向にベンディングされることができる。他の実施例として、第2連結基板144は、ホルダ120の表面に配置、形成、またはコートされた導電性第2ホルダ表面電極と連結され、ホルダ120の表面に配置された導電性第2ホルダ表面電極を介してメイン基板150と電気的に連結されることができるが、実施例はこれに限定されない。
【0059】
スペーサ143は、液体レンズ142を取り囲むように配置され、液体レンズ142を外部衝撃から保護することができる。このために、スペーサ143は、液体レンズ142がその内部に装着、着座、接触、固定、仮固定、支持、結合または配置可能な形状を有することができる。
【0060】
第1連結基板141と第2連結基板144との間に配置されることができ、ホルダ120の第1および第2開口OP1、OP2の少なくとも一つから突出して配置されることができる。すなわち、スペーサ143の少なくとも一部は、第1および第2連結基板141、144とともに光軸LXに垂直な方向(例えば、x軸方向)にホルダ120の第1および第2側壁の少なくとも一つから突出した形状を有することができる。これは、スペーサ143のx軸方向への長さがホルダ120のx軸方向への長さより長いこともできるからである。
【0061】
また、第1カバー(図示せず)は、ホルダ120、液体レンズ部140およびミドルベース172を取り囲むように配置され、これら120、140、172を外部の衝撃から保護することができる。特に、カバーが配置されることにより、光学系を形成する複数のレンズを外部衝撃から保護することができる。
【0062】
一方、ミドルベース172は、ホルダ120の第2ホールを取り囲むように配置されることができる。このために、ミドルベース172は、第2ホールを収容するための収容ホール(図示せず)を含むことができる。ミドルベース172の内径(すなわち、収容ホールの直径)は、第2ホールの外径以上であることができる。収容ホールは、ミドルベース172の中央付近で、カメラモジュール100に配置されたイメージセンサ182の位置に対応する位置に形成されることができる。ミドルベース172は、メイン基板150上で回路素子から離隔してメイン基板150に装着されることができる。すなわち、ホルダ120は、回路素子から離隔してメイン基板150上に配置されることができる。
【0063】
メイン基板150は、ミドルベース172の下部に配置され、イメージセンサ182が装着、着座、接触、固定、仮固定、支持、結合、または収容されることができる溝、回路素子(図示せず)、連結部(または、FPCB)(図示せず)およびコネクタ(図示せず)を含むことができる。
【0064】
メイン基板150の回路素子は、液体レンズ部140およびイメージセンサ182を制御する制御モジュールを構成することができる。回路素子は、受動素子および能動素子の少なくとも一つを含むことができ、多様な広さおよび高さを有することができる。複数の回路素子ホルダ120と光軸LXに平行な方向にオーバーラップしないように配置されることができる。メイン基板150は、FPCBを含むRFPCB(Rigid Flexible Printed Circuit Board)から具現されることができる。FPCBは、カメラモジュール100が装着される空間の要求によってベンディングされることがある。
【0065】
イメージセンサ182は、レンズアセンブリ110、120、130、140の第1レンズ部110、液体レンズ部140および第2レンズ部130を通過した光をイメージデータに変換する機能を果たすことができる。より具体的には、イメージセンサ182は、複数のピクセルを含むピクセルアレイを介して光をアナログ信号に変換し、アナログ信号に相応するデジタル信号を合成してイメージデータを生成することができる。
【0066】
図3は、駆動電圧に対応して焦点距離が調整される液体レンズを説明する。具体的には、
図3(a)は、レンズアセンブリ22に含まれる液体レンズ28を説明し、
図3(b)は、液体レンズ28の等価回路を説明する。ここで、液体レンズ28は、
図2に示した液体レンズに相当することができる。
【0067】
まず、
図3(a)を参照すると、駆動電圧に対応して焦点距離が調整される液体レンズ28は、同じ角距離をもって4個の相異なる方向に配置される個別電極のセクタL1、L2、L3、L4(以下、‘個別電極セクタ’という)を介して駆動電圧を受けることができる。ここで、個別電極セクタとは、後述する
図4に示したように、個別電極において第2プレート145によって覆われずに露出される個別電極の一部を意味する。個別電極セクタL1、L2、L3、L4は、液体レンズ28の中心軸を基準に同じ角距離をもって配置されることができ、個別電極セクタの個数は、4個であることができる。4個の個別電極セクタは、液体レンズ28の4個のコーナにそれぞれ配置されることができる。個別電極セクタL1、L2、L3、L4を介して駆動電圧(以下、‘個別電圧’という)が印加されれば、印加された個別電圧は、後述する共通電極セクタC0に印加される電圧(以下、‘共通電圧’という)との相互作用によって形成される駆動電圧によって、レンズ領域310に配置される導電性液体と非導電性液体との境界面が変形されることができる。ここで、共通電極セクタとは、後述する
図4に示したように、共通電極Cにおいて第3プレート146によって覆われずに露出される共通電極Cの一部を意味する。
【0068】
また、
図3(b)を参照すると、液体レンズ28は、その一側が相異なる個別電極セクタL1、L2、L3、L4から個別電圧を受け、他側が共通電極セクタC0と連結される複数のキャパシタ30と説明することができる。ここで、等価回路に含まれる複数のキャパシタ30は、約数十~200ピコファラッド(pF)以下の小さなキャパシタンスを有することができる。
【0069】
以下、実施例による液体レンズ部140を添付図面の
図4に基づいて次のように説明する。ここで、液体レンズ部140は、
図2に示したカメラモジュール100に含まれることができるが、実施例はこれに限られない。
【0070】
図4は、実施例による液体レンズ部28Aの断面図を示す。
【0071】
図4に示した液体レンズ部28Aは、第1連結基板141、液体レンズ、スペーサ143および第2連結基板144を含むことができる。
図4でスペーサ143の図示は省略する。
【0072】
図4に示した液体レンズ部28Aは、
図2に示した液体レンズ部140に相当することができる。よって、
図4に示した第1連結基板141、液体レンズおよび第2連結基板144は、
図2に示した第1連結基板141、液体レンズ142および第2連結基板144にそれぞれ相当するので、重複説明を省略する。
【0073】
液体レンズは、相異なる種類の複数の液体LQ1、LQ2、第1~第3プレート147、145、146、個別電極210、212、共通電極220および絶縁層148を含むことができる。
【0074】
液体レンズは、キャビティ(cavity)CAを含むことができる。
図4に示したように、キャビティCAにおいて光が入射する方向の開口面積は、反対方向の開口面積より小さいことができる。あるいは、キャビティCAの傾斜方向が反対になるように液体レンズが配置されることもできる。すなわち、
図4に示したものとは違い、キャビティCAにおいて光が入射する方向の開口面積は、反対方向の開口面積より大きいこともできる。また、キャビティCAの傾斜方向が反対になるように液体レンズが配置されるとき、液体レンズの傾斜方向によって液体レンズに含まれる構成の配置全部または一部が一緒に変わるか、キャビティCAの傾斜方向のみ変更され、残りの構成の配置は、変わらないこともできる。
【0075】
複数の液体LQ1、LQ2は、キャビティCAに収容され、伝導性を有する第1液体LQ1と非伝導性を有する第2液体(または、絶縁液体)LQ2とを含むことができる。第1液体LQ1と第2液体LQ2とは互いに混じらず、第1および第2液体LQ1、LQ2が接する部分に界面BOが形成されることができる。例えば、第1液体LQ1上に第2液体LQ2が配置されることができるが、実施例はこれに限られない。
【0076】
第1プレート147の内側面は、キャビティCAの側壁を成すことができる。第1プレート147は、予め設定された傾斜面を有する上下の開口部を含むことができる。すなわち、キャビティCAは、第1プレート147の傾斜面、第2プレート145と接触する第3開口、および第3プレート146と接触する第4開口で取り囲まれた領域として定義することができる。このように、キャビティCAは、第1~第3プレートによって定義されることができる。
【0077】
第3および第4開口の中でより広い開口の直径は、液体レンズで要求する画角(FOV)またはレンズ142がカメラモジュール100で遂行すべき役割によって変わることができる。第3および第4開口のそれぞれは、円形の断面を有するホール(hole)の形状を有することができる。2種の液体が形成した界面BOは、駆動電圧によってキャビティCAの傾斜面に沿って動くことができる。
【0078】
第1プレート147のキャビティCAに第1液体LQ1および第2液体LQ2が充填、収容または配置される。また、キャビティCAは、第1レンズ部110を通過した光が透過する部位である。よって、第1プレート147は、透明な材料からなることもでき、光の透過が容易でないように不純物を含むこともできる。
【0079】
第1プレート147の一面および他面に、個別電極210、212および共通電極220がそれぞれ配置されることができる。複数の個別電極210、212は、共通電極220から離隔して配置され、第1プレート147の一面(例えば、上面、側面および下面)に配置されることができる。すなわち、複数の個別電極210、212は、第1プレート147と第2プレート145との間に配置されることができる。
【0080】
共通電極220は、第1プレート147の他面(例えば、下面)の少なくとも一部領域に配置され、第1液体LQ1と直接接触することができる。すなわち、共通電極220は、第1プレート147と第3プレート146との間から伝導性液体LQ1まで延びて配置されることができる。よって、第1プレート147の他面に配置された共通電極220の一部が伝導性を有する第1液体LQ1に露出されることができる。
【0081】
また、個別電極210、212の個数は、一つであることもでき、複数であることもできる。個別電極210、212の個数が複数の場合、複数の個別電極210、212は、互いに電気的に離隔することもできる。前述した個別電極センサおよび共通電極セクタのそれぞれは、少なくとも一つであることができる。例えば、複数の個別電極セクタL1~L4は、光軸を中心に時計方向(または、反時計方向)に沿って順次配置されることができる。
【0082】
個別電極および共通電極210、212、220のそれぞれは、導電性材料からなることができる。
【0083】
また、第2プレート145は、個別電極210、212の一面に配置されることができる。すなわち、第2プレート145は、第1プレート147上に配置されることができる。具体的には、第2プレート145は、個別電極210、212の上面およびキャビティCA上に配置されることができる。
【0084】
第3プレート146は、共通電極220の一面に配置されることができる。すなわち、第3プレート146は、第1プレート147の下に配置されることができる。具体的には、第3プレート146は、共通電極220の下面およびキャビティCAの下に配置されることができる。
【0085】
第2プレート145と第3プレート146とは、第1プレート147を挟んで互いに対向するように配置されることができる。また、第2プレート145および第3プレート146の少なくとも一つは、省略することもできる。
【0086】
第2および第3プレート145、146のそれぞれは、光が通過する領域であり、透光性材料からなることができる。例えば、第2および第3プレート145、146のそれぞれは、ガラス(glass)からなることができ、工程の便宜上、同じ材料から形成されることができる。また、第2および第3プレート145、146のそれぞれの縁部は、方形であり得るが、必ずしもこれに限定されない。
【0087】
第2プレート145は、第1レンズ部110から入射する光が第1プレート145のキャビティCAの内部に進行するように許容する構成を有することができる。
【0088】
第3プレート146は、第1プレート145のキャビティCAを通過した光が第2レンズ部130に進行するように許容する構成を有することができる。第3プレート146は、第1液体LQ1と直接接触することができる。
【0089】
実施例によれば、第3プレート146は、第1プレート147の第3および第4開口の中で広い開口の直径より大きな直径を有することができる。また、第3プレート146は、第1プレート147から離隔した周辺領域を含むことができる。
【0090】
絶縁層148は、キャビティCAの上部領域で第2プレート145の下面の一部を覆うように配置されることができる。すなわち、絶縁層148は、第2液体LQ2と第2プレート145との間に配置されることができる。
【0091】
また、絶縁層148は、キャビティCAの側壁を成す個別電極210、212の一部を覆うように配置されることができる。また、絶縁層148は、第1プレート147の下面で、個別電極210、212の一部、第1プレート147および共通電極220を覆うように配置されることができる。これにより、個別電極210、212と第1液体LQ1との間の接触および個別電極210、212と第2液体LQ2との間の接触を絶縁層148によって遮断することができる。
【0092】
絶縁層148は、個別および共通電極210、212、220の一つの電極(例えば、個別電極210、212)を覆い、他の一つの電極(例えば、共通電極220)の一部を露出させることにより、伝導性を有する第1液体LQ1に電気エネルギが印加されるようにすることができる。
【0093】
一方、
図4を参照すると、実施例による液体レンズ28Aは、温度センシング部および発熱部の少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0094】
温度センシング部は、第1プレート147の内部、第2プレート145の内部または第3プレート146の内部の少なくとも1ヶ所に配置されることができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つが温度センシング部に相当することができる。
【0095】
また、発熱部は、第1プレート147の内部、第2プレート145の内部または第3プレート146の内部の少なくとも1ヶ所に配置されることができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つが発熱部に相当することができる。
【0096】
また、発熱部は、共通電極220または個別電極210、212と接して配置されることができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つが発熱部に相当する場合、第1部材M1は、第1個別電極210と接して配置され、第2および第3部材M2、M3のそれぞれは、共通電極220と接して配置されることが分かる。
【0097】
これと同様に、温度センシング部は、共通電極220または個別電極210、212と接して配置されることができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つが温度センシング部に相当する場合、第1部材M1は、個別電極210と接して配置され、第2および第3部材M2、M3のそれぞれは、共通電極220と接して配置されることが分かる。
【0098】
また、温度センシング部を液体に最大限に近く位置付けるか個別電極210および共通電極220に接するように配置させる場合、液体レンズの体積膨張因子である液体LQ1、LQ2の温度をより正確にセンシングすることができる。また、発熱部を液体レンズに最大限に近く位置付けるか個別電極210および共通電極220に接するように配置させるとき、液体LQ1、LQ2の温度をより早く上昇させることができる。
【0099】
また、発熱部および温度センシング部は、一体になることができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つは、発熱部の役割および温度センシング部の役割の全部を行うことができる。
【0100】
また、発熱部および温度センシング部のそれぞれは、低抗体を含むことができる。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つは、低抗体から具現されることもできる。このような低抗体の抵抗は、数Ω~数kΩであることができる。
【0101】
また、発熱部または温度センシング部の一つは、金属を含むことができる。なぜなら、金属成分も抵抗を有するからである。例えば、
図4に示した第1~第3部材M1、M2、M3の少なくとも一つは、金属物質から具現されることができる。このように、発熱部または温度センシング部の一つは、金属から具現されることができるので、金属から具現された共通電極220および個別電極210、212の一つが、発熱部および温度センシング部の少なくとも一つの役割を果たすことができる。この場合、別途の発熱部または温度センシング部(例えば、第1~第3部材M1~M3)は省略することができる。
【0102】
発熱部および温度センシング部の少なくとも一つが複数の個別電極210、212および共通電極220の少なくとも一つと一体になる場合、複数の個別電極210、212または共通電極220は、パターン化した形状を有することができる。よって、複数の個別電極210、212または共通電極220の金属抵抗を用いてパターニングすることにより、温度センシングおよび発熱のための低抗体から具現されることができる。
【0103】
以下、前述した実施例による液体レンズ部28Aを含む実施例によるカメラモジュールを添付図面に基づいて次のように説明する。以下で、便宜上、参照符号28B~28Eは、実施例による液体レンズ部の液体レンズを示すものとして説明する。
【0104】
図5は、発熱部を含む一実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
図5は、液体レンズ28Bの平面図を示す。
【0105】
図5に示したカメラモジュールは、液体レンズ28Bおよび制御回路を含むことができる。
【0106】
図5に示した液体レンズ28Bは、
図4に示した液体レンズ28Aに相当することができる。液体レンズ28Bは、個別電極E1~E4および発熱部H1~H4を含むことができる。個別電極E1~E4は、
図4に示した個別電極210、212に相当し、発熱部H1~H4のそれぞれは、第1~第3部材M1~M3のいずれか一つに相当することができるが、実施例はこれに限られない。
【0107】
実施例によれば、発熱部は、平面上で隣接する個別電極の間に配置され、隣接する個別電極の一つと連結されることができる。例えば、
図5に示したように、発熱部は、第1~第4発熱部H1~H4を含むことができる。第1発熱部H1は、隣接する第1および第3個別電極E1、E3の間に配置され、第1個別電極E1に連結されることができる。第2発熱部H2は、隣接する第1および第2個別電極E1、E2の間に配置され、第2個別電極E2に連結されることができる。第3発熱部H3は、隣接する第2および第4個別電極E2、E4の間に配置され、第4個別電極E4に連結されることができる。第4発熱部H4は、隣接する第3および第4個別電極E3、E4の間に配置され、第3個別電極E3に連結されることができる。
【0108】
以下、発熱部は、4個の第1~第4発熱部H1~H4を含むものとして説明するが、実施例はこれに限られない。すなわち、発熱部の個数が4個より多いか少ない場合にも下記の説明を適用することができる。
【0109】
また、
図5に示した制御回路は、
図1に示した制御回路24の一実施例に相当し、液体レンズ28Bの温度を制御する役割を果たす。このために、制御回路は、温度制御部320および発熱電圧供給部330Aを含むことができる。
【0110】
発熱電圧供給部330Aは、温度制御部320から出力される第1発熱制御信号HC1に応じて第1~第4発熱部H1~H4のそれぞれに発熱電圧を供給する。ここで、第1~第4発熱部H1~H4に供給される発熱電圧のレベルは、互いに同一であることも異なることもできる。
【0111】
このために、発熱電圧供給部330Aは、第1~第5供給電圧源V1~V5および複数のスイッチSW1~SW10を含むことができる。第1および第2スイッチSW1、SW2は、第1発熱電圧V1と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第3および第4スイッチSW3、SW4は、第2発熱電圧V2と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第5および第6スイッチSW5、SW6は、第3発熱電圧V3と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第7および第8スイッチSW7、SW8は、第4発熱電圧V4と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第9および第10スイッチSW9、SW10は、第5発熱電圧V5と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結されることができる。
【0112】
前述した構成を有する発熱電圧供給部330Aの動作を説明すると次の通りである。
【0113】
まず、第1~第4発熱部H1~H4のそれぞれに発熱電圧を供給しようとするとき、第1発熱制御信号HC1に応じて第1、第4、第6、第8および第10スイッチSW1、SW4、SW6、SW8、SW10は、オン(すなわち、スイッチオン)され、第2、第3、第5、第7および第9スイッチSW2、SW3、SW5、SW7、SW9は、オフ(すなわち、スイッチオフ)される。よって、第1発熱電圧V1が第1~第4発熱部H1~H4にそれぞれ供給される経路が形成され、第1~第4発熱部H1~H4が発熱することによって液体レンズ28Bの温度を高めることができる。ここで、第1~第4発熱部H1~H4のそれぞれが発熱する温度は、第1発熱電圧V1のレベルを増加/減少させることによって増加/減少させることができる。
【0114】
また、第1~第4発熱部H1~H4のそれぞれに発熱電圧を供給しないようにしようとするとき、第1発熱制御信号HC1に応じて第1スイッチSW1をオフさせ、第2スイッチSW2をオンさせることができる。よって、第1発熱電圧V1が第1~第4発熱部H1~H4に供給される経路が遮断され、第1~第4発熱部H1~H4の発熱動作が中断されることができる。
【0115】
また、発熱動作を行わないとき、第1発熱制御信号HC1は、個別電極E1~E4を駆動させる駆動制御信号としての役割を果たすことができる。すなわち、個別電極E1~E4を駆動させようとするとき、駆動制御信号に応じて第1、第4、第6、第8および第10スイッチSW1、SW4、SW6、SW8、SW10は、オフされ、第2、第3、第5、第7および第9スイッチSW2、SW3、SW5、SW7、SW9は、オンされることができる。よって、第2、第3、第4および第5発熱電圧V2、V3、V4、V5が第1~第4個別電極E1~E4の個別電極セクタL1~L4にそれぞれ供給され、第1~第4個別電極E1~E4が駆動されることができる。ここで、第1~第4発熱電圧のレベルは、互いに同じか異なることができる。
【0116】
前述した
図5で、発熱電圧供給部330Aは、第1~第4発熱部H1~H4を発熱させる機能と個別電極E1~E4を駆動させる役割との全部を行うことができる。このように、単一の回路を用いて二つの機能を行うように具現する場合、制御回路の構成部品の個数が減少することができる。
【0117】
しかしながら、他の実施例によれば、発熱電圧供給部330Aが第1~第4発熱部H1~H4を発熱させる機能のみを行い、個別電極を駆動させる回路は、別に具現されることもできる。この場合、発熱電圧供給部330Aは、第1供給電圧源V1、第1および第2スイッチSW1、SW2のみを含むことができる。
【0118】
図6は、発熱部を含む他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【0119】
図6に示したカメラモジュールは、液体レンズ28Cおよび制御回路を含むことができる。
【0120】
図6に示した液体レンズ28Cは、
図4に示した液体レンズ部28Aに含まれる液体レンズに相当することができる。液体レンズ28Cは、共通電極Cおよび第5発熱部H5を含むことができる。共通電極Cは、
図4に示した共通電極220に相当し、発熱部H5は、第1~第3部材M1~M3のいずれか一つに相当することができるが、実施例はこれに限られない。
【0121】
実施例によれば、発熱部は、共通電極Cの周辺に配置され、共通電極Cの一部、すなわち共通電極セクタCOと連結されることができる。例えば、
図6に示したように、第5発熱部H5は、共通電極Cの周辺を全部取り囲む底面形状を有し、共通電極セクタCOと連結されることができる。
【0122】
また、
図6に示した制御回路は、
図1に示した制御回路24の他の実施例に相当し、液体レンズ28Cの温度を制御する役割を果たす。このために、制御回路は、温度制御部320および発熱電圧供給部330Bを含むことができる。
【0123】
発熱電圧供給部330Bは、温度制御部320から出力される第2発熱制御信号HC2に応じて第5発熱部H5に発熱電圧を供給することができる。このために、発熱電圧供給部330Bは、第6および第7供給電圧源V6~V7ならびに複数のスイッチSW11~SW14を含むことができる。第11および第12スイッチSW11、SW12は、第6発熱電圧V6と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第13および第14スイッチSW13、SW14は、第7発熱電圧V7と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結されることができる。
【0124】
前述した構成を有する発熱電圧供給部330Bの動作を説明すると次の通りである。
【0125】
まず、第5発熱部H5に発熱電圧を供給しようとするとき、第2発熱制御信号HC2に応じて第11および第14スイッチSW11、SW14は、オンされ、第12および第13スイッチSW12、SW13は、オフされる。よって、第6発熱電圧V6が第5発熱部H5に供給される経路が形成され、第5発熱部H5が発熱することによって液体レンズ28Cの温度を高めることができる。ここで、第5発熱部H5が発熱する温度は、第6発熱電圧V6のレベルを増加/減少させることによって増加/減少させることができる。
【0126】
また、第5発熱部H5に発熱電圧を供給しないようにするとき、第2発熱制御信号HC2に応じて第11スイッチSW11をオフさせ、第12スイッチSW12をオンさせることができる。よって、第6発熱電圧V6が第5発熱部H5に供給される経路が遮断され、第5発熱部H5の発熱動作が中断されることができる。
【0127】
また、発熱動作を行わないとき、第2発熱制御信号HC2は、共通電極Cを駆動させる駆動制御信号としての役割を果たすことができる。すなわち、共通電極Cを駆動させようとするとき、駆動制御信号に応じて第11および第14スイッチSW11、SW14は、オフされ、第12および第13スイッチSW12、SW13は、オンされることができる。よって、第7発熱電圧V7が共通電極Cの共通電極セクタCOに供給され、共通電極Cが駆動されることができる。
【0128】
前述した
図6で、発熱電圧供給部330Bは、第5発熱部H5を発熱させる機能と共通電極Cを駆動させる役割との全部を行うことができる。このように、単一の回路を用いて二つの機能を全部行うように具現する場合、制御回路の構成部品の個数が減少することができる。
【0129】
しかしながら、他の実施例によれば、発熱電圧供給部330Bが第5発熱部H5を発熱させる機能のみを行い、共通電極Cを駆動させる回路は、別に具現されることもできる。この場合、発熱電圧供給部330Bは、第6供給電圧源V6、第11および第12スイッチSW11、SW12のみを含むことができる。
【0130】
図7は、温度センシング部を含むさらに他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【0131】
図7に示したカメラモジュールは、液体レンズ28Dおよび制御回路を含むことができる。
【0132】
図7に示した液体レンズ28Dは、
図4に示した液体レンズ部28Aに含まれる液体レンズに相当することができる。液体レンズ28Dは、個別電極E1~E4および温度センシング部SE1を含むことができる。個別電極E1~E4は、
図4に示した個別電極210、212に相当し、温度センシング部SE1は、第1~第3部材M1~M3のいずれか一つに相当することができるが、実施例はこれに限られない。
【0133】
実施例によれば、温度センシング部は、平面上で隣接する個別電極の間に配置され、隣接する個別電極の一つと連結されることができる。例えば、
図7に示したように、温度センシング部は、第1温度センシング部SE1を含むことができる。第1温度センシング部SE1は、隣接する第1および第3個別電極E1、E3の間に配置され、第1個別電極E1に連結されることができる。以下、温度センシング部は、一つの第1温度センシング部SE1のみを含むものとして説明するが、実施例はこれに限られない。すなわち、温度センシング部SE1が1個より多い温度センシング部を含む場合にも、下記の説明を適用することができる。
【0134】
また、
図7に示した制御回路は、
図1に示した制御回路24のさらに他の実施例に相当し、液体レンズ28Dの温度を制御する役割を果たす。このために、制御回路は、温度制御部320、センシング電圧供給部350Aおよび温度算出部340を含むことができる。
【0135】
センシング電圧供給部350Aは、温度制御部320から出力される第1センシング制御信号SC1に応じて第1温度センシング部SE1にセンシング電圧を供給することができる。このために、センシング電圧供給部350Aは、第8~第11供給電圧源V8~V11および複数のスイッチSW15~SW22を含むことができる。第15および第16スイッチSW15、SW16は、第8センシング電圧V8と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第17および第18スイッチSW17、SW18は、第9センシング電圧V9と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第19および第20スイッチSW19、SW20は、第10センシング電圧V10と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結され、第21および第22スイッチSW21、SW22は、第11センシング電圧V11と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結されることができる。
【0136】
前述した構成を有するセンシング電圧供給部350Aの動作を説明すると、次の通りである。
【0137】
まず、第1温度センシング部SE1にセンシング電圧を供給しようとするとき、第1センシング制御信号SC1に応じて第15スイッチSW15はオンされ、第16スイッチSW16はオフされる。よって、第8センシング電圧V8が第1温度センシング部SE1に供給される経路が形成され、温度算出部340で液体レンズの温度を算出することができる。
【0138】
温度算出部340は、第1温度センシング部SE1と連結されて液体レンズ28Dの温度を算出し、算出された温度を出力端子OUTを介して温度制御部320に出力することができる。このために、温度算出部340は、多様な形態に具現されることができる。
【0139】
図8は、
図7に示した温度算出部340の一実施例340Aの回路図を示す。
【0140】
図8に示した温度算出部340Aは、基準抵抗Rfおよび演算増幅器342を含むことができる。ここで、理解を助けるために、
図7に示した第1温度センシング部SE1を同等な可変抵抗Riとして表示する。
【0141】
基準抵抗Rfは、第1温度センシング部SE1、Riおよび演算増幅器342の負の入力端子と連結される一側と基準電位(例えば、接地電圧)と連結される他側とを含むことができる。ここで、温度算出部340Aは、
図7に示した第1温度センシング部SE1と接点Aで連結されることができる。演算増幅器342は、基準電位と連結される正の入力端子および算出された温度が出力される出力端子OUTを含むことができる。A接点における電圧VAは、次の式1の通りに表現することができる。
【0142】
【0143】
ここで、Rfの抵抗値は、予め与えられる。したがって、前述した式1のように演算増幅器342から出力される電圧によってRiの変化量を検出し、出力端子OUTを介して算出された温度として出力することができる。
【0144】
すなわち、液体レンズ28Dの温度が変わるにつれて第1温度センシング部SE1の抵抗値Riが変わり、抵抗値Riが変わるにつれて演算増幅器342の出力電圧OUTが変わる。よって、出力電圧OUTの変化によって液体レンズ28Dの温度変化を予測することができる。例えば、出力電圧OUTの変化による液体レンズ28Dの温度変化は、事前に実験的に求めることができる。
【0145】
一方、第1温度センシング部SE1へのセンシング電圧の供給の有無と無関係に、第1センシング制御信号SC1は、個別電極E1~E4を駆動させる駆動制御信号としての役割を果たすことができる。すなわち、個別電極E1~E4を駆動させようとするとき、駆動制御信号SE1に応じて第15、第17、第19および第21スイッチSW15、SW17、SW19、SW21は、オンされ、第16、第18、第20および第22スイッチSW16、SW18、SW20、SW22は、オフされることができる。よって、第8、第9、第10および第11センシング電圧V8、V9、V10、V11が第1~第4個別電極E1~E4の個別電極セクタL1~L4にそれぞれ供給され、第1~第4個別電極E1~E4が駆動されることができる。ここで、第8~第11センシング電圧V8~V11のレベルは、互いに同じか異なることができる。
【0146】
前述した
図7で、センシング電圧供給部350Aは、第1温度センシング部SE1の温度をセンシングする機能および個別電極E1~E4を駆動させる役割の全部を行うことができる。このように、一つの回路を用いて二つの機能を行うように具現する場合、制御回路の構成部品の個数が減ることができる。
【0147】
しかしながら、他の実施例によれば、センシング電圧供給部350Aが第1温度センシング部SE1の温度をセンシングする機能のみを行い、個別電極を駆動させる回路は、別に具現されることもできる。この場合、センシング電圧供給部350Aは、第8供給電圧源V8と第15および第16スイッチSW15、SW16とのみを含むことができる。
【0148】
図9は、温度センシング部を含む他の実施例によるカメラモジュールを説明する図である。
【0149】
図9に示したカメラモジュールは、液体レンズ28Eおよび制御回路を含むことができる。
【0150】
図9に示した液体レンズ28Eは、
図4に示した液体レンズ部28Aの液体レンズに相当することができる。液体レンズ28Eは、共通電極Cおよび温度センシング部SE2を含むことができる。共通電極Cは、
図4に示した共通電極220に相当し、温度センシング部SE2は、第1~第3部材M1~M3のいずれか一つに相当することができるが、実施例はこれに限られない。
【0151】
実施例によれば、温度センシング部は、共通電極Cの周辺に配置されるが、共通電極Cの一部である共通電極セクタCOと連結されることができる。例えば、
図9に示したように、温度センシング部は、共通電極Cの周辺に配置され、共通電極セクタCOと連結される第2温度センシング部SE2を含むことができる。以下、温度センシング部は、一つの第2温度センシング部SE2のみを含むものとして説明するが、実施例はこれに限られない。すなわち、温度センシング部SE2が1個より多い温度センシング部を含む場合にも下記の説明を適用することができる。
【0152】
また、
図9に示した制御回路は、
図1に示した制御回路24のさらに他の実施例に相当し、液体レンズ28Eの温度を制御する役割を果たす。このために、制御回路は、温度制御部320、センシング電圧供給部350Bおよび温度算出部340を含むことができる。ここで、温度制御部320および温度算出部340は、
図7の温度制御部320および温度算出部340と同一であるので、同じ参照符号を使い、重複説明を省略する。よって、
図9に示した温度算出部340は、
図8に示したように具現されることができる。
【0153】
センシング電圧供給部350Bは、温度制御部320から出力される第2センシング制御信号SC2に応じて第2温度センシング部SE2にセンシング電圧を供給することができる。このために、センシング電圧供給部350Bは、第12供給電圧源V12および複数のスイッチSW23~SW24を含むことができる。第23および第24スイッチSW23、SW24は、第12センシング電圧V12と基準電位(例えば、接地電圧)との間に直列に連結されることができる。
【0154】
前述した構成を有するセンシング電圧供給部350Bの動作を説明すると次の通りである。
【0155】
まず、第2温度センシング部SE2にセンシング電圧を供給しようとするとき、第2センシング制御信号SC2に応じて第23スイッチSW23はオンされ、第24スイッチSW24はオフされる。よって、第12センシング電圧V12が第2温度センシング部SE2に供給される経路が形成され、温度算出部340で液体レンズの温度を算出することができる。
【0156】
温度算出部340は、第2温度センシング部SE2と連結されて液体レンズ28Eの温度を算出し、算出された温度を出力端子OUTを介して温度制御部320に出力することができる。
【0157】
ここで、第2センシング制御信号SC2は、共通電極Cを駆動させる駆動制御信号としての役割を果たすこともできる。すなわち、共通電極Cを駆動させようとするとき、駆動制御信号に応じて第23スイッチSW23はオンされ、第24スイッチSW24はオフされることができる。よって、第12センシング電圧V12が共通電極Cの共通電極セクタCOに供給され、共通電極Cが駆動されることができる。
【0158】
前述した
図9で、センシング電圧供給部350Bは、第2温度センシング部SE2の温度をセンシングする機能と共通電極Cを駆動させる役割とを全部行うことができる。このように、単一の回路を用いて二つの機能を全部行うように具現する場合、制御回路の構成部品の個数が減ることができる。
【0159】
一方、温度制御部320は、温度算出部340が、前述したように液体レンズ(例えば、28D、28E)の温度をセンシングするように、第1または第2センシング制御信号SC1、SC2を生成し、生成された第1または第2センシング制御信号SC1、SC2をセンシング電圧供給部350A、350Bに出力する。
【0160】
また、温度制御部320は、温度算出部340で算出された液体レンズ(例えば、28D、28E)の温度を入力端子INを介して温度算出部340から受け、温度算出部340から受けた温度を分析し、分析された結果によって第1または第2発熱制御信号HC1、HC2を生成し、生成された第1または第2発熱制御信号HC1、HC2を発熱電圧供給部330A、330Bに出力することができる。
【0161】
以下、実施例による液体レンズ28A~28Eを制御する液体レンズ制御方法を添付図面の
図10に基づいて次のように説明する。
【0162】
図10は、実施例による液体レンズ制御方法を説明するフローチャートである。
【0163】
図10に示した制御方法は、
図1に示した制御回路24で行うことができる。
図10に示した制御方法を
図5~
図9を参照して説明するが、実施例はこれに限られない。
【0164】
まず、液体レンズの温度をセンシングする(第510段階)。第510段階は、
図7または
図9に示した温度制御部320、温度算出部340および温度センシング部SE1、SE2によって行われることができる。すなわち、温度制御部320は、第1または第2センシング制御信号SC1、SC2を生成し、第1または第2センシング制御信号SC1、SC2に応じて温度算出部340は、液体レンズ(例えば、28D、28E)の温度をセンシングすることができる。
【0165】
第510段階の後、センシングされた温度が所定温度範囲内に属するかを検査する(第520段階)。第520段階は、温度制御部320で行うことができる。
【0166】
温度制御部320は、温度算出部340で算出された温度と所定温度範囲とを比較し、比較された結果によって第1および第2発熱制御信号HC1、HC2のレベルおよび生成が可能か否かの少なくとも一つを制御することができる。ここで、所定温度範囲は、20℃~60℃であることができる。なぜなら、20℃~60℃の所定温度範囲で液体レンズ28A~28Eのジオプタは、他の温度区間に比べて比較的変化量が小さいからである。
【0167】
センシングされた温度が所定温度範囲内の温度より低い場合、発熱部を発熱させ、液体レンズ28A~28Eの温度を再びセンシングする第510段階に進む(第530段階)。第530段階は、温度制御部320、発熱電圧供給部330A、330Bおよび発熱部H1~H5によって行われることができる。すなわち、温度制御部320は、温度算出部340で温度センシング部SE1、SE2を介してセンシングした液体レンズ28D、28Eの温度が所定温度範囲内の温度より低い場合、第1または第2発熱制御信号HC1、HC2を介して発熱部H1~H5を発熱させる。その後、第510段階を行うために、温度制御部320は、第1または第2センシング制御信号SC1、SC2を介してセンシング電圧供給部350A、350Bを制御してセンシング電圧を供給することにより、温度算出部340が液体レンズ28A~28Eの温度を再びセンシングするようにする。
【0168】
液体レンズに同じレベルの駆動電圧を印加して駆動しても、液体レンズの外部温度変化によって液体レンズの温度が変われば、液体レンズのジオプタが変わることになる。これにより、液体レンズを含むカメラモジュールは、温度変化によって焦点が変更され、撮影しようとする映像のコントラスト比(または、blur)の低下をもたらす。
【0169】
例えば、雰囲気温度を次第に高めて、0℃の初期状態の液体レンズの温度が30℃まで上昇すれば、第1プレートに収容された液体の体積が膨張し、液体とキャビティの傾斜面との間の接触角が変わり、液体レンズの初期状態のジオプタが変わることになる。このように、温度が上がれば、液体だけではなく、厚さの薄い第3プレート146も光軸方向(例えば、+z軸方向)に膨張することになる。例えば、0ジオプタで60℃から64℃に増加する場合、例えば、液体レンズを駆動する電圧のレベルを41ボルトから38.5ボルトに6%程度減少させる必要がある。
【0170】
前述したように、液体レンズの特性が温度によって変わることが分かる。したがって、実施例による液体レンズ(部)28A~28Eの内部に発熱部および温度センシング部を配置した後、温度センシング部を用いて液体レンズの温度をセンシングし、センシングの結果、液体レンズの温度が20℃~60℃範囲の設定温度より低いとき、発熱部を発熱させて設定温度の範囲内の温度を有するように液体レンズの温度を調節する。よって、実施例による液体レンズは、設定温度範囲内の温度で比較的一定したジオプタを有するので、この液体レンズを含むカメラモジュールは、撮影しようとする映像のコントラスト比(または、blur)の低下を防止することができる。
【0171】
一方、前述した実施例による液体レンズを含むカメラモジュール100を用いて光学機器を具現することができる。ここで、光学機器は、光信号を加工するか分析することができる装置を含むことができる。光学機器の例としては、カメラ/ビデオ装置、望遠鏡装置、顕微鏡装置、干渉計装置、光度計装置、偏光計装置、分光計装置、反射計装置、オートコリメータ装置、レンズメータ装置などがあり得、レンズアセンブリを含むことができる光学機器に本実施例を適用することができる。
【0172】
また、光学機器は、スマートフォン、ノートブック型コンピュータ、タブレット型コンピュータなどの携帯用装置として具現されることができる。このような光学機器は、カメラモジュール100、映像を出力するディスプレイ部(図示せず)、カメラモジュール100に電源を供給するバッテリ(図示せず)、ならびにカメラモジュール100、ディスプレイ部、ディスプレイ部およびバッテリを実装する本体ハウジングを含むことができる。光学機器は、他の機器と通信することができる通信モジュール、およびデータを記憶することができるメモリ部をさらに含むことができる。通信モジュールおよびメモリ部も本体ハウジングに実装されることができる。
【0173】
実施例に基づいて前述したように、いくつかのみ記述したが、それ以外にも多様な形態の実施が可能である。前述した実施例の技術的内容は、互いに両立することができない技術ではない限り、多様な形態で組み合わせられることができ、これによって新しい実施形態に具現されることもできる。
【0174】
本発明は、本発明の精神および必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化することができることは当業者にとって明らかである。したがって、上記詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内の全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【0175】
本発明の実施のための形態
本発明の実施のための形態は、前述した“発明を実施するための形態”で充分に説明された。
【産業上の利用可能性】
【0176】
実施例による液体レンズ、このレンズを含むカメラモジュールモジュールおよび液体レンズの制御方法は、カメラ/ビデオ装置、望遠鏡装置、顕微鏡装置、干渉計装置、光度計装置、偏光計装置、分光計装置、反射計装置、オートコリメータ装置、レンズメータ装置、スマートフォン、ノートブック型パソコン、タブレット型パソコンなどに適用可能である。