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特許7288043プリント基板に表面実装するための抵抗部品、および少なくとも1つの抵抗部品が配置されたプリント基板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】プリント基板に表面実装するための抵抗部品、および少なくとも1つの抵抗部品が配置されたプリント基板
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/00 20060101AFI20230530BHJP
   H01C 1/142 20060101ALI20230530BHJP
   H01C 1/01 20060101ALI20230530BHJP
   H01C 1/034 20060101ALI20230530BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H01C7/00 110
H01C1/142
H01C1/01 Z
H01C1/034
H05K1/16 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021510451
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019071193
(87)【国際公開番号】W WO2020057850
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】202018004354.0
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516284998
【氏名又は名称】ヘレウス ネクセンソス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Nexensos GmbH
【住所又は居所原語表記】Reinhard-Heraeus-Ring 23, 63801 Kleinostheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ウアフェルス
(72)【発明者】
【氏名】ティム アスムス
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ディートマン
(72)【発明者】
【氏名】カールハインツ ヴィーナント
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135234(JP,A)
【文献】特開2018-026410(JP,A)
【文献】特開2013-153137(JP,A)
【文献】特開2010-182891(JP,A)
【文献】特開2000-124002(JP,A)
【文献】特開2017-175014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 7/00
H01C 1/142
H01C 1/01
H01C 1/034
H05K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に表面実装するための抵抗部品であって、
第1の面と、向かい合う第2の面とを備えたセラミック基板(1,1’)であって、前記第2の面上に、焼結可能なメタライゼーション(3,3’)が少なくとも部分的に配置されているセラミック基板(1,1’)と、
金属層(5,5’)を備えた抵抗素子であって、前記金属層(5,5’)は、少なくとも部分的に前記セラミック基板(1,1’)の前記第1の面上に配置されており、かつ前記金属層(5,5’)は、第1の端子(7a,7a’)および第2の端子(7b,7b’)を備えている、抵抗素子と、
少なくとも部分的に前記抵抗素子および前記セラミック基板(1,1’)上に配置された絶縁層(9,9’)であって、前記第1の端子(7a,7a’)上の第1の領域(8a,8a’)および前記第2の端子(7b,7b’)上の第2の領域(8b,8b’)は、前記絶縁層(9,9’)によって覆われていないままである、絶縁層(9,9’)と、
前記第1の領域(8a,8a’)を介して前記第1の端子(7a,7a’)と電気的に接触する第1のコンタクトパッド(11a,11a’)と、
前記第2の領域(8b,8b’)を介して前記第2の端子(7b,7b’)と電気的に接触する第2のコンタクトパッド(11b,11b’)と
を備えた抵抗部品において、
前記第1のコンタクトパッド(11a,11a’)は、前記絶縁層(9,9’)の第1の表面領域を少なくとも部分的に覆い、前記第2のコンタクトパッド(11b,11b’)は、前記絶縁層(9,9’)の第2の表面領域を少なくとも部分的に覆い、前記第1のコンタクトパッド(11a,11a’)と前記第2のコンタクトパッド(11b,11b’)とは、前記絶縁層(9,9’)上に互いに空間的に離隔して配置され、
前記第1の表面領域および前記第2の表面領域は、合計で、前記セラミック基板(1,1’)の前記第1の面上の前記絶縁層(9,9’)の総表面積の少なくとも70%を占めており、
前記セラミック基板(1,1’)の前記第1の面上に配置された前記第1のコンタクトパッド(11a,11a’)及び前記第2のコンタクトパッド(11b,11b’)は、前記セラミック基板(1,1’)のメタライズされた前記第2の面と電気的に絶縁されていることを特徴とする、抵抗部品。
【請求項2】
前記第1の表面領域および前記第2の表面領域は、前記抵抗素子が配置された前記セラミック基板の前記第1の面に対して平行に延在する前記絶縁層(9,9’)の表面を少なくとも部分的に覆っていることを特徴とする、請求項1記載の抵抗部品。
【請求項3】
前記第1の表面領域および前記第2の表面領域は、前記抵抗素子が配置された前記セラミック基板(1)の前記第1の面に対して垂直に延在する前記絶縁層(9)の表面を少なくとも部分的に覆っていることを特徴とする、請求項1または2記載の抵抗部品。
【請求項4】
前記第1の領域(8a’)および/または前記第2の領域(8b’)は、前記絶縁層(9’)の材料中に開口部の形態で、前記絶縁層(9’)によって覆われていない状態で形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項5】
前記第1の領域(8a)および前記第2の領域(8b)は、前記セラミック基板(1)の向かい合う2つの端部において前記絶縁層(9)によって覆われていない状態で配置されており、前記第1の端子(7a)および前記第2の端子(7b)は、前記向かい合う2つの端部のうちの一方にそれぞれ配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項6】
前記絶縁層(9’)は、前記抵抗素子が配置された前記セラミック基板(1’)の前記第1の面を完全に覆っており、前記絶縁層(9’)によって覆われていない前記第1の領域(8a’)および/または前記第2の領域(8b’)は、少なくとも部分的に、前記セラミック基板(1’)上に前記セラミック基板(1’)の前記第1の面に対して垂直に配置されており、前記第1および/または第2の端子は、それぞれ前記セラミック基板の向かい合う2つの端部のうちの一方に前記セラミック基板(1,1’)の前記第1の面に対して垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項7】
前記セラミック基板(1,1’)は、10mmの最大長さ、5mmの最大幅、および3mmの最大高さを有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項8】
前記絶縁層(9,9’)は、ガラスまたはガラスセラミック材料を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項9】
前記第1および第2の表面領域は、アルミニウム太線、特に直径25μm以上のアルミニウム太線のウェッジボンディングができるように適合されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項10】
前記焼結可能なメタライゼーション(3,3’)は、銀-パラジウムメタライゼーションを含み、かつ/または前記セラミック基板(1,1’)は、Alセラミックを含むことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項11】
前記金属層(5,5’)は、パターニング、PT100またはPT1000の抵抗素子、特にトリミング部分を有するPt薄膜または厚膜抵抗素子を含み、かつ温度測定できるように適合されており、前記金属層(5,5’)の前記パターニングは、前記第1の端子(7a,7a’)と前記第2の端子(7b,7b’)との間で蛇行状に延在していることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項12】
前記金属層(5,5’)は、室温での温度係数が500ppmK-1未満の材料、特にクロム、ニッケル、鉄、亜鉛、銀またはパラジウムを含む金属合金を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の抵抗部品。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の少なくとも1つの抵抗部品が配置された、プリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本発明は、プリント基板に表面実装するための抵抗部品に関する。さらに本発明は、少なくとも1つの抵抗部品が配置されたプリント基板に関する。
【0002】
パワー半導体モジュールでは、抵抗部品などの電子部品が表面実装によりプリント基板に配置される。このために、ワイヤ端子を持たない抵抗部品は、はんだ付け可能な接触面を用いてプリント基板に直接はんだ付けされることが多い。
【0003】
また、パワーエレクトロニクス用の温度センサや抵抗器などの焼結可能な抵抗部品は、表面実装によりプリント基板に配置することもできる。このために、通常は、焼結のための所定の、通常はメタライズされた平坦な下面を有する円筒状の素子が、焼結層、例えば銀を含む焼結ペーストによってプリント基板の表面に導電接続される。接触は、メタライズされた下面と、この下面と向かい合う抵抗部品の上面に配置された少なくとも1つのコンタクトパッドとによって行うことができる。より高い電気的負荷を実現するためには、抵抗部品の上面に配置され、メタライズされた下面に関して電気的に絶縁された状態で保持された2つのコンタクトパッドによって接触を行うこともできる。コンタクトパッドの上面の接触は、通常は、ワイヤボンディング、はんだ付けまたは焼結によって行われる。独国特許出願公開第102010050315号明細書には例えば、電気素子の上面で接触させるためのコンタクトパッドと、例えばプリント基板上に延在する導体路などの電位保持面で焼結するための、向かい合う電気的に絶縁されたメタライゼーションとを有する電気素子が記載されている。
【0004】
しかしながら、抵抗部品の寸法が小さいため、従来技術から知られている表面実装用抵抗部品の接触面は、スペースが非常に限られた構成となっていることが多い。そのため、コンタクトパッドの信頼性の高い電気的接触を実現することは困難である。
【0005】
したがって、本発明の課題は、プリント基板に表面実装するための改良された抵抗部品を提供することである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1の主題による抵抗部品により解決される。
【0007】
これに関して、本発明によるプリント基板に表面実装するための抵抗部品は、
第1の面と、向かい合う第2の面とを備えたセラミック基板であって、第2の面上に、焼結可能なメタライゼーションが少なくとも部分的に配置されているセラミック基板と、
金属層を備えた抵抗素子であって、金属層は、少なくとも部分的にセラミック基板の第1の面上に配置されており、かつ金属層は、第1の端子および第2の端子を備えている、抵抗素子と、
少なくとも部分的に抵抗素子およびセラミック基板上に配置された絶縁層であって、第1の端子上の第1の領域および第2の端子上の第2の領域は、絶縁層によって覆われていないままである、絶縁層と、
第1の領域を介して第1の端子と電気的に接触する第1のコンタクトパッドと、
第2の領域を介して第2の端子と電気的に接触する第2のコンタクトパッドと
を備えており、第1のコンタクトパッドは、絶縁層の第1の表面領域を少なくとも部分的に覆い、第2のコンタクトパッドは、絶縁層の第2の表面領域を少なくとも部分的に覆い、第1のコンタクトパッドと第2のコンタクトパッドとは、絶縁層上に互いに空間的に離隔して配置されている。
【0008】
セラミック基板は、例えば、Al、AlSiC、AlN、BC、BN、PBN、MgO、SiC、SiSiC、SSiC、Si、YSZ、またはPZTの群からの1つ以上の材料を含むことができ、セラミック基板上に複数の抵抗部品を設置するために面状に提供されてよい。抵抗部品を設置した後、セラミック基板をパターニングして、個々の抵抗部品を得ることができる。このセラミック基板の電気絶縁性により、セラミック基板の第1の面上にコンタクトパッドを配置することができ、これは、セラミック基板のメタライズされた第2の面と電気的に絶縁された状態で保持される。
【0009】
焼結可能なメタライゼーションは、例えば、NiAu、NiPdAu、AgPd、AuPd、Au、AgまたはCuの群からの1つ以上の材料を有しており、セラミック基板の第2の面上に部分的に配置されていてもよいし、全面的に配置されていてもよい。
【0010】
本発明による抵抗素子は、第1の端子および第2の端子を備えた金属層を含むか、またはそうした金属層を用いて製造される。金属層は、少なくとも部分的にセラミック基板の第1の面上に配置されている。金属層は、導体路であって、その端部間が平面状、蛇行状または螺旋状に延在しており、かつ所定の温度で所定の抵抗値および温度係数を有する導体路として構成されていてよい。
【0011】
絶縁層とは、金属層の領域上、および金属層によって覆われていないセラミック基板の第1の面の領域上に配置された電気絶縁層、例えばガラスセラミックであると理解されてよい。第1の端子上の第1の領域および第2の端子上の第2の領域は、絶縁層によって覆われていないままである。例えば、絶縁層は、第1の端子の上方の第1の領域および第2の端子の上方の第2の領域を除いて、セラミック基板の第1の面を完全に覆っていてよい。覆われていない第1の領域および第2の領域は、それぞれの端子の電気的接触を可能にする開口部として構成されていてよく、この電気的接触は、例えば、絶縁層の開口部を通って延在し、かつセラミック基板の第1の面とは反対側の絶縁層の面上での端子の接触を可能にする導電体の一部を介して可能となる。端子の電気的接触は、直接、コンタクトパッドの材料により製造することもできる。「開口部」という用語は、凹部、または絶縁層の下にあるセラミック基板の第1の面の、絶縁層によって覆われていない領域と理解されてもよい。
【0012】
コンタクトパッドは、それぞれ絶縁層の表面領域を覆っている。「コンタクトパッド」とは、絶縁層の表面上に実質的に平面的に配置され、かつ金属層の端子に間接的または直接的に接続された導電性材料の薄い層であると理解されてよい。
【0013】
「絶縁層上に空間的に離隔して配置されている」とは、第1のコンタクトパッドおよび第2のコンタクトパッドが互いに接触しないように絶縁層上に配置されることと理解されてよい。
【0014】
本発明により、その構成ゆえ、少なくとも部分的に絶縁層上に、例えばボールボンディングやウェッジボンディングにより太い線材と接触するための十分に大きな表面積を提供するコンタクトパッドを用いることで、プリント基板に表面実装するための抵抗部品を初めて提供することが可能となった。
【0015】
一例では、第1の表面領域および第2の表面領域は、合計で、セラミック基板の第1の面上の絶縁層の総表面積の少なくとも70%を占める。
【0016】
有利には、本発明による抵抗部品においては、絶縁層のほぼ全表面領域が利用可能であり、これもセラミック基板の第2の面上に延在していてよい。このように、コンタクトパッドの表面積を、従来技術で知られている抵抗部品と比較して著しく増大させることができる。
【0017】
一例では、第1および第2の表面領域は、抵抗素子が配置されたセラミック基板の第1の面に対して平行に延在する絶縁層の表面を少なくとも部分的に覆っている。
【0018】
有利には、コンタクトパッドは、基板およびプリント基板の第1の面に対して平行に配置されている。この配置により、公知のボンディング技術を用いて良好な接触性を得ることができる。
【0019】
別の例では、第1および第2の表面領域は、抵抗素子が配置されたセラミック基板の第1の面に対して垂直に延在する絶縁層の表面を少なくとも部分的に覆っている。
【0020】
セラミック基板の第1の面に対して垂直な配置は、セラミック基板の第1の面に対して平行な配置に代わるものであってもよいし、追加的なものであってもよい。
【0021】
有利には、表面領域の平行の配置と横方向の配置とを組み合わせることにより、コンタクトパッドの表面積をさらに増加させることができる。
【0022】
一例では、第1および/または第2の領域は、絶縁層の材料中に開口部の形態で、絶縁層によって覆われていない状態で形成されている。
【0023】
有利には、絶縁層の材料は、開口部を取り囲んでおり、この材料の上にまたコンタクトパッドが配置されていてよい。一例では、コンタクトパッドの材料は開口部を通って延在し、それによって抵抗素子の端子と電気的に接触する。
【0024】
代替例では、第1の領域および第2の領域は、セラミック基板の向かい合う2つの端部において絶縁層によって覆われていない状態で配置されており、2つの端子は、セラミック基板の向かい合う端部のうちの一方にそれぞれ配置されている。
【0025】
本例では、絶縁層は、セラミック基板上の中央領域に配置されており、抵抗素子の端子までしか延在していない。本例では、開口部は絶縁層の面上に配置されている。
【0026】
別の例では、抵抗素子が配置されたセラミック基板の第1の面を絶縁層が完全に覆っており、絶縁層によって覆われていない第1および/または第2の領域は、少なくとも部分的に、セラミック基板上にセラミック基板の第1の面に対して垂直に配置されており、第1および/または第2の端子は、それぞれセラミック基板の向かい合う2つの端部のうちの一方にセラミック基板の第1の面に対して垂直に配置されている。
【0027】
別の例では、セラミック基板は、10mmの最大長さ、5mmの最大幅、および3mmの最大高さを有する。
【0028】
さらに別の例では、絶縁層は、ガラスまたはガラスセラミック材料を含む。
【0029】
有利には、ガラスセラミックにより、非常に良好な絶縁特性を有する絶縁層を提供することができ、この絶縁層は、良好な絶縁特性ゆえ非常に薄い構成とすることができる。
【0030】
別の例では、第1および第2の表面領域は、アルミニウム太線、特に直径25μm以上のアルミニウム太線のウェッジボンディングができるように適合されている。
【0031】
さらに別の例では、焼結可能なメタライゼーションは、銀-パラジウムメタライゼーションを含み、かつ/またはセラミック基板は、Alセラミックを含む。
【0032】
別の例では、金属層は、パターニング、PT100またはPT1000の抵抗素子、特にトリミング部分を有するPt薄膜または厚膜抵抗素子を含み、かつ温度測定できるように適合されており、金属層のパターニングは、第1の端子と第2の端子との間で蛇行状に延在している。
【0033】
さらに別の例では、金属層は、室温での温度係数が500ppmK-1未満の材料、特にクロム、ニッケル、鉄、亜鉛、銀またはパラジウムを含む金属合金を含む。
【0034】
本発明では、本発明による少なくとも1つの抵抗部品が配置されたプリント基板も提案される。
【0035】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明から明らかである。以下の説明では、本発明の好ましい実施形態が、概略図を参照して説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1a】本発明の第1の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図1b】本発明の第1の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図1c】本発明の第1の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図1d】本発明の第1の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図2a】本発明の第2の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図2b】本発明の第2の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図2c】本発明の第2の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
図2d】本発明の第2の実施形態による抵抗素子の構造を示す概略図。
【0037】
図1aは、本発明の第1の実施形態による直方体の形態のセラミック基板1を示す。示された実施形態では、セラミック基板1は、10mmの最大長さ、5mmの最大幅、および3mmの最大高さを有する。示された実施形態では、セラミック基板1は、Al、AlSiC、AlN、BC、BN、PBN、MgO、SiC、SiSiC、SSiC、Si、YSZまたはPZTの群からの1つ以上の材料を含むことができる。焼結可能なメタライゼーション3は、セラミック基板1の第1の面か、または第2の面と向かい合う上面のいずれか一方の上に配置されている。示された実施形態では、焼結可能なメタライゼーション3は、NiAu、NiPdAu、AgPd、AuPd、Cu、AuまたはAgの群からの1つ以上の材料を有してよく、セラミック基板1の第2の面上に全面的に配置されていてよい。
【0038】
図1bは、先に図1aに示したセラミック基板1であって、該セラミック基板1の第1の面上に第1の端子7aおよび第2の端子7bが配置されているパターン金属層5として形成された抵抗素子を備えたセラミック基板1を示す。
【0039】
図1bに示すように、金属層5は、導電路として構成されており、該導体路は、第1の端子7aおよび第2の端子7bによって形成された端部間を蛇行状に延在し、かつ所定の温度で所定の抵抗値および温度係数を有する。示された実施形態では、第1の端子7aおよび第2の端子7bは、それぞれストリップ状の導体路部分として示されている。別の実施形態では、第1の端子および第2の端子は、単に蛇行状に配置された導体路の導体路端部によって形成されてもよい。
【0040】
図1cは、先に図1bに示した構成であって、金属層5およびセラミック基板1の第1の面上に絶縁層9を備えた構成を示す。図1cに示すように、第1の端子7a上の第1の領域8aおよび第2の端子7b上の第2の領域8bは、絶縁層9によって覆われていない。示された実施形態では、第1の領域8aと第2の領域8bとは向かい合っており、絶縁層9は、ガラスまたはガラスセラミック材料によって形成されている。
【0041】
図1dは、先に図1cに示された構成であって、第1の領域8aを介して第1の端子7aと電気的に接触する第1のコンタクトパッド11aと、第2の領域8bを介して第2の端子7bと電気的に接触する第2のコンタクトパッド11bとを備えた構成を示す。それぞれのコンタクトパッド11a,11bの材料がそれぞれの端子7a,7bと接触することで、コンタクトパッド11a,11bと端子7a,7bとの電気的接続が達成される。
【0042】
図1dに示すように、コンタクトパッド11a,11bは、抵抗素子が配置されたセラミック基板1の第1の面に対して平行に延在する、絶縁層9の表面の領域を覆っている。示された実施形態では、コンタクトパッド11a,11bはさらに、セラミック基板1の第1の面に対して垂直に延在する、絶縁層9の表面の領域も覆っている。
【0043】
図2a,図2b,図2c,図2dは、本発明の第2の実施形態による抵抗素子の構造の別の概略図を示す。
【0044】
図2aおよび図2bは、すでに先に示した図1aおよび図1bに対応する。
【0045】
図2cにおいて、絶縁層は、セラミック基板1’の第1の面上に実質的に全面的に配置されており、それぞれ開口部の形態の凹部8a’,8b’が絶縁層9’の材料中に配置されており、それにより、その下にある端子7a’,7b’の電気的接触が可能となる。
【0046】
図1cに示したのと同様に、第1の端子7a’上の第1の領域8a’および第2の端子7b’上の第2の領域8b’は、絶縁層9’によって覆われていない。示された実施形態では、第1の領域8a’と第2の領域8b’とは向かい合っており、絶縁層9’は、ガラスまたはガラスセラミック材料によって形成されている。
【0047】
端子7a’,7b’は、導電体を介して接触させることができる。この導電体は、開口部を通って延在し、コンタクトパッド11a’,11b’の材料と電気的に接触している。あるいはコンタクトパッド11a’,11b’の材料の一部が、開口部を通って延在し、端子7a’,7b’と直接電気的に接触していてもよい。
【0048】
図2dに示すように、コンタクトパッド11a’,11b’は、抵抗素子が配置されたセラミック基板1’の第1の面に対して平行に延在する、絶縁層9’の表面の領域を覆っている。
【0049】
別の実施形態(図示せず)では、抵抗層は、パターニングなしで基板上に全面的に形成されている。
【符号の説明】
【0050】
1,1’ セラミック基板
3,3’ 焼結可能なメタライゼーション
5,5’ 金属層
7a,7a’ 第1の端子
7b,7b’ 第2の端子
8a,8a’ 第1の領域
8b,8b’ 第2の領域
9,9’ 絶縁層
11a,11a’ 第1のコンタクトパッド
11b,11b’ 第2のコンタクトパッド
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d